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Patent Searching and Data


Title:
BATTERY STATE DETECTOR, READER AND DIAGNOSTIC DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/140098
Kind Code:
A1
Abstract:
A reader which can advice a user to urge improvement if there is a problem in the use state of a lead battery before the battery deteriorates or becomes under charge. Accumulated number of times of starting an engine, accumulated operating time of an engine and the data of OCV of the lead battery (20) are stored in the EEPROM of an AI unit, and data is transmitted to the reader (50) by flickering an LED. The reader (50) receives the data at a light receiving section (15), performs diagnosis by analyzing the data at an operating section and delivers the results of diagnosis to an LCD (14) or a printer (13) thus advising the user properly in the case of use at the charge shortage of the lead battery (20). In the diagnosis, the time when the user is taking a car per one engine start is obtained by dividing the accumulated operating time of an engine by the accumulated number of times of starting an engine and then it is compared with a predetermined reference value.

Inventors:
YAMADA YOSHIFUMI (JP)
YAMADA KEIZO (JP)
MACHIYAMA YOSHIAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058839
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
May 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHIN KOBE ELECTRIC MACHINERY (JP)
YAMADA YOSHIFUMI (JP)
YAMADA KEIZO (JP)
MACHIYAMA YOSHIAKI (JP)
International Classes:
H02J7/00; B60R16/04; G01R31/36; H01M10/48
Foreign References:
JP2003129927A2003-05-08
JP2005327604A2005-11-24
JP2005335498A2005-12-08
Attorney, Agent or Firm:
IGARASHI, Toshiaki (Morishita-bldg.8-13, Toranomon 1-chom, Minato-ku Tokyo 01, JP)
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Claims:
 自動車用鉛電池の電池状態を検知する電池状態検知装置において、
 前記鉛電池の電圧を測定する測定部と、
 前記測定部で測定された電圧により前記鉛電池の電池状態を判定する判定部と、
 前記測定部で測定された電圧からエンジンの作動状態を検知する検知部と、
 前記検知部で検知されたエンジン作動状態に関するデータをメモリに格納する格納部と、
 前記格納部でメモリに格納されたデータを送信するための送信部と、
を備えた電池状態検知装置。
 前記格納部は、エンジンの累積起動回数および累積作動時間を前記エンジン作動状態に関するデータとして前記メモリに格納することを特徴とする請求項1に記載の電池状態検知装置。
 前記格納部は、前記測定部で測定された鉛電池の開回路電圧を前記メモリにさらに格納することを特徴とする請求項2に記載の電池状態検知装置。
 前記送信部は、発光素子を点滅させて前記メモリに格納されたデータを送信することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電池状態検知装置。
 請求項1に記載の電池状態検知装置のメモリに格納されたデータを読み取る読取装置であって、
 前記送信部から送信されたデータを受信する受信部と、
 前記受信部で受信したデータにより前記鉛電池の使用状態を診断する診断部と、
 前記診断部で診断した結果を出力する出力部と、
を備えたことを特徴とする読取装置。
 前記格納部は、エンジンの累積起動回数および累積作動時間を前記エンジン作動状態に関するデータとして前記メモリに格納し、前記診断部は、前記累積起動回数および前記累積作動時間の比率と予め定められた基準値との大小関係から前記鉛電池の使用状態を診断することを特徴とする請求項5に記載の読取装置。
 前記格納部は、前記測定部で測定された鉛電池の開回路電圧を前記メモリにさらに格納し、前記診断部は、累積起動回数および累積作動時間の比率と開回路電圧と鉛電池の使用状態に関する診断結果との関係を予め関連付けたテーブルに基づいて、前記鉛電池の使用状態を診断することを特徴とする請求項6に記載の読取装置。
 前記送信部は発光素子を点滅させて前記メモリに格納されたデータを送信し、前記受信部は前記発光素子による発光を受光する受光素子を有することを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の読取装置。
 請求項1に記載の電池状態検知装置のメモリに格納されたデータを読み取って前記鉛電池の電池状態を診断する診断装置であって、
 前記送信部から送信されたデータを受信する受信部と、
 前記受信部で受信したデータにより前記鉛電池の使用状態を診断する診断部と、
を備えたことを特徴とする診断装置。
 前記格納部は、エンジンの累積起動回数および累積作動時間を前記エンジン作動状態に関するデータとして前記メモリに格納し、前記診断部は、前記累積起動回数および前記累積作動時間の比率と予め定められた基準値との大小関係から前記鉛電池の使用状態を診断することを特徴とする請求項9に記載の診断装置。
Description:
電池状態検知装置、読取装置お び診断装置

 本発明は電池状態検知装置、読取装置お び診断装置に係り、特に、自動車用鉛電池 電池状態を検知する電池状態検知装置、該 池状態検知装置のメモリに格納されたデー を読み取る読取装置および該電池状態検知 置のメモリに格納されたデータを読み取っ 鉛電池の電池状態を診断する診断装置に関 る。

 自動車用鉛電池は、車両(自動車)の各種 気機器(電気負荷)へ電力を供給している。ま た、車両にはエンジンにより駆動される発電 機(オルタネータ)が装備されており、鉛電池 オルタネータの作動制御により充電され容 が保たれている。近年、カーナビゲーショ 等の車載機器により車両全体の電気負荷が している。また、環境問題への配慮から、 動モータとエンジンとを組み合わせたハイ リッド電気自動車や信号停止時等にエンジ を停止させ発進時に再始動させる自動車(ISS システム車)等も開発されている。

 このような使用環境下では、鉛電池の劣 状態を正確に検知し、現在の充電状態を把 することで常に車両走行に支障がないよう 配慮する必要があるため、鉛電池の状態検 技術が盛んに研究開発されるようになって ている。これらの電池状態検知装置は、鉛 池の劣化状態判定、鉛電池の充電状態判定 を行い、劣化が進むと鉛電池の交換、充電 行の警告表示を出すものが多い(例えば、特 許文献1参照)。なお、本発明に関連する技術 して、鉛電池を自動車に搭載した後に、確 に起動させることができる電池状態検知装 (例えば、特許文献2参照)が提案されている

特開2005-127202号公報

WO/2006/059511公報

 しかしながら、従来の電池状態検知装置 は、劣化、充電不足の警告表示をするのは 劣化、充電不足が起こった後、またはこれ の兆候が現れ始めた後である。つまり、本 明者らの知る限り、劣化または充電不足に る前に予防できるようにユーザにアドバイ できる装置はこれまでにはなかった。

 本発明は上記事案に鑑み、ユーザによる 電池の使用状態に問題があれば、劣化前、 電不足となる前に、改善を促すアドバイス できる読取装置、該読取装置に診断用デー を送信する電池状態検知装置および該電池 態検知装置のメモリに格納されたデータを み取って電池状態を診断する診断装置を提 することを課題とする。

 上記課題を解決するために、本発明の第1 の態様は、自動車用鉛電池の電池状態を検知 する電池状態検知装置において、前記鉛電池 の電圧を測定する測定部と、前記測定部で測 定された電圧により前記鉛電池の電池状態を 判定する判定部と、前記測定部で測定された 電圧からエンジンの作動状態を検知する検知 部と、前記検知部で検知されたエンジン作動 状態に関するデータをメモリに格納する格納 部と、前記格納部でメモリに格納されたデー タを送信するための送信部と、を備える。

 第1の態様の電池状態検知装置では、測定 部により鉛電池の電圧が測定され、判定部に より測定部で測定された電圧により鉛電池の 電池状態が判定される。判定部は、例えば、 鉛電池の無劣化状態で測定された最低電圧値 と鉛電池の無劣化ないし劣化状態で算出され た直近の最低電圧値との差が予め設定された 基準値以上かを判定することにより鉛電池の 健康状態を判定する。

 本態様の電池状態検知装置の特徴は、上 した検知部、格納部および送信部を備えて ることである。すなわち、検知部により測 部で測定された電圧からエンジンの作動状 が検知され、格納部により検知部で検知さ たエンジン作動状態に関するデータがメモ に格納され、送信部により格納部でメモリ 格納されたデータが送信される。検知部は 測定部で測定された電圧から、例えば、エ ジン始動、エンジン作動中、エンジン停止 エンジン停止中の各状態を検知できること 好ましい。格納部は、検知部で検知したエ ジン作動状態から、エンジンの累積起動回 および累積作動時間をエンジン作動状態に するデータとしてメモリに格納するように てもよい。このとき、測定部で測定された 電池の開回路電圧をメモリにさらに格納す ことが望ましい。送信部は、光通信、音響 信、電波通信により無線または有線でデー を読取装置に送信するものが挙げられるが 例えば、発光素子を点滅させてメモリに格 されたデータを送信するようにしてもよい

 また、上記課題を解決するために、本発 の第2の態様は、第1の態様の電池状態検知 置のメモリに格納されたデータを読み取る 取装置であって、前記送信部から送信され データを受信する受信部と、前記受信部で 信したデータにより前記鉛電池の使用状態 診断する診断部と、前記診断部で診断した 果を出力する出力部と、を備えたことを特 とする。

 第2の態様では、受信部により送信部から 送信されたデータが受信され、診断部により 受信部で受信されたデータで鉛電池の使用状 態が診断され、出力部により診断部で診断さ れた結果が出力される。出力部としては、診 断結果を表示したり、プリントしたりできる ものが好ましい。受信部は、送信部が発光素 子を点滅させて光通信を行う場合、発光素子 による発光を受光する受光素子を備えるよう にしてもよい。電池状態検知装置側の格納部 は、エンジンの累積起動回数および累積作動 時間をエンジン作動状態に関するデータとし てメモリに格納し、診断部は、累積起動回数 および累積作動時間の比率と予め定められた 基準値との大小関係から鉛電池の使用状態を 診断するようにしてもよく、好ましくは、測 定部で測定された鉛電池の開回路電圧をメモ リにさらに格納し、診断部は、累積起動回数 および累積作動時間の比率と開回路電圧と鉛 電池の使用状態に関する診断結果との関係を 予め関連付けたテーブルに基づいて、鉛電池 の使用状態を診断するようにしてもよい。

 そして、上記課題を解決するために、本 明の第3の態様は、第1の態様の電池状態検 装置のメモリに格納されたデータを読み取 て前記鉛電池の電池状態を診断する診断装 であって、前記送信部から送信されたデー を受信する受信部と、前記受信部で受信し データにより前記鉛電池の使用状態を診断 る診断部と、を備えたことを特徴とする診 装置である。この態様において、格納部は エンジンの累積起動回数および累積作動時 をエンジン作動状態に関するデータとして モリに格納し、診断部は、累積起動回数お び累積作動時間の比率と予め定められた基 値との大小関係から鉛電池の使用状態を診 することが好ましい。

 本発明の第1の態様によれば、格納部によ り検知部で検知されたエンジン作動状態のデ ータがメモリに格納され、送信部により格納 部でメモリに格納されたデータが送信される ので、読取装置に診断用データを送信するこ とができ、第3の態様によれば、診断部によ 受信部で受信されたデータで鉛電池の使用 態が診断され、第2の態様によれば、さらに 力部により診断部で診断された結果が出力 れるので、ユーザの鉛電池の使用状態に問 があれば、劣化前、充電不足となる前に、 善を促すアドバイスをすることができる、 いう効果を得ることができる。

 以下、図面を参照して、本発明に係る電 状態検知装置および読取装置の実施の形態 ついて説明する。

(構成)
<鉛電池およびAIユニット>
 図1に示すように、鉛電池20(型式:65B24R)は、 池容器となる略角型の電槽を有しており、 槽内には合計6組の極板群が収容されている 。電槽の材質には、例えば、ポリエチレン(PE )等の高分子樹脂を用いることができる。各 板群は複数枚の負極板および正極板がセパ ータを介して積層されており、セル電圧は2. 0Vである。このため、鉛電池20の公称電圧は12 Vとされている。電槽の上部は、電槽の上部 口を密閉するPE等の高分子樹脂製の上蓋に接 着ないし溶着されている。なお、電槽の略中 央部には、サーミスタ等の温度センサが埋設 されている。

 上蓋には、鉛電池20を自動車用電源とし 外部へ電力を供給するための正極端子1およ 負極端子2が立設されている。また、上蓋に は、鉛電池20の電池状態(充電状態(SOC)および 康状態(SOH))を判定する電池状態検知装置と てのAIユニットが収容(内蔵)されている。

 図2に示すように、AIユニット30は、鉛電 20の正負極端子に接続されAIユニット30を起 させる起動回路41と、起動回路41を介して鉛 池20から供給される電源を5V電源に変換する 電源回路42と、A/Dコンバータ、基準電源等で 成され鉛電池20の電圧を測定する電圧測定 33と、上述した温度センサ、A/Dコンバータ等 で構成され鉛電池20の温度を測定する温度測 部34と、CPU、ROM、RAM等を有して構成された 算部31と、不揮発性メモリのEEPROM32と、スイ チボタン(以下、スイッチと略称する。)3(図 1も参照)、発光素子としての発光ダイオード( 以下、LEDという。)4~7、D/Aコンバータ、トラ ジスタ、抵抗等を有して構成されLED4~7を点 ないし点滅させて鉛電池20の電池状態を表示 するとともに後述する読取装置との光通信に 供される操作表示部35と、コイル式のブザー ブザーを作動させるためのD/Aコンバータ、 ランジスタ、抵抗等を有して構成され警告 を発生させる報知部36と、を備えている。 れら各部は、基板25(図7参照)の両面に実装さ れている。

 起動回路41は、上述した特許文献2に開示 れているように、鉛電池20の正負極端子に 定値を越える負荷(セルモータ)が接続される 前の状態にあるときにオフ状態を保持して鉛 電池20から演算部31(電源回路42)への電力供給 遮断する主スイッチと、鉛電池20に負荷が 続されたときに生じる鉛電池20の端子電圧の 降下を検知して主スイッチをオン状態にする スイッチ駆動回路と、演算部31に接続され演 部31から2値ハイレベル信号(Von)が入力され いる限り主スイッチをオン状態に保持する ッチ回路と、を有している。また、起動回 41は上蓋内で図示しない接続導体により正極 端子1および負極端子2に接続されており、演 部31、操作表示部35、報知部36等の作動電源 電源回路42を介して鉛電池20から供給される 。

 図1および図7に示すように、操作表示部35 を構成するLEDは、右から順に、鉛電池20の健 状態が良好であることを示す緑色LED7、要注 意であること(鉛電池20の劣化が進んでいるこ と)または要充電を示す黄色LED6、要交換であ ことを示す赤色LED5、過充電状態にあること を示す赤色LED4の順にピッチ5.2mmで配設されて おり、これらのLED4~7は板状の半透明樹脂カバ ー23で覆われている。このため、LEDの発光は 乱してカバー23を透過することにより、鉛 池20の斜め方向からの点灯ないし点滅の視認 性が高められている。なお、鉛電池20の上蓋 はシール22が貼られているが、カバー23が位 置する部分は透明で光を透過し、LED4~7の表示 ・通信機能が損なわないようにされている。

 電池状態を表示する場合、黄色LED6以外の 3つのLED4、5、7は点灯するのみであるが、黄 LED6は、鉛電池20の健康状態が要注意である とを示すときは点灯し、要充電であること 示すときに点滅する。

 表1に示すように、これらのLEDは、エンジ ン停止後、鉛電池20の電池状態を表示するた に、LED7を除き、自動的に約30秒間点灯ない 点滅するが、スイッチ3が押下されたときに も5秒間点灯ないし点滅する。また、LED6、7は 、読取装置50との光通信にも供されるが、そ 動作等については後述する。

 なお、上蓋のAIユニット30のブザーが実装 された位置にはブザー放音孔17が形成されて り(図1参照)、AIユニット30の操作表示部35の 面は上蓋の上面と略同一平面を形成してい 。

<読取装置>
 AIユニット30のEEPROM32に格納されたデータは 作表示部35のLEDにより送信され、鉛電池20の 販売や点検を行う電池メーカの協力会社に配 備された読取装置で読み取られる。図4に示 ように、読取装置50は、本体部8と、本体部8 接続された受光部15とで構成されている。 体部8には、電源ボタン9、十字ボタン10、ク アボタン11、確定ボタン12の各ボタンを有す る入力部、プリンタ13、液晶表示装置(以下、 LCDという。)14および制御部が配設されている 。

 図6に示すように、制御部は、入力部から 入力されたユーザの指令を制御するための入 力制御部52、LCD14の表示制御を行うLCD制御部53 、プリンタ13の印刷制御を行うプリンタ制御 54、マイクロプロセッサ(以下、MPと略称す 。)、ROM、RAM等を有する演算部51、受光部15、 および、読取装置50の電源となる電源部56で 成されている。

 図5に示すように、受光部15には、受光素 19が、横方向にピッチ2.6mmで9列、縦方向に ッチ2mmで3列、合計27個配設されている。受 素子19は、フォトダイオード、フォトトラン ジスタ、CCD等を用いることができる。本形態 では、フォトトランジスタが縦方向に3列に 設されているが、1列としてもよい。図7に示 すように、受光部15の受光素子19は、鉛電池20 (AIユニット30)のLED4~7と対向するように鉛電池 20の上蓋に載置される。受光部15のLED4~7の対 側周部は受光素子19より突出した突出部が形 成されており、突出部を鉛電池20の上蓋上面 当接させて、鉛電池20(AIユニット30)と光通 を行う(LED6、7の光信号を受信する)構成であ (図4に示す状態)。

 本形態では、受光素子19の数がLED(発光素 )の数より多いが、これによって受光素子と 発光素子が同数の構成よりも位置ズレによる 通信エラーが起きにくくなる。図5の横方向 受光素子19の数は光通信に供するLED6、7の数 2倍以上であることが望ましい。

 また、図4に示すように、受光部15の受光 子19が配設された反対側の面(受光部15の上 )には、鉛電池20(AIユニット30)から光通信で 信したデータの受信状態を表示する2つのLED1 6が配設されている。一方のLED16はデータを1/2 受信したときに点灯し、他方のLED16はデータ 受信が完了したときに点灯する。

 受信部15の載置方向は鉛電池20の上面から 見て上下2通りあるが、いずれの載置方向で 正常に読み取ることができる。本形態の読 装置50は、等時間間隔で発光するクロック信 号の位置を検出することで受信部15の向きを 知するが、例えば、クロック信号以外のLED( 光通信に使用されないLED4、5を含む。)により 、LEDの点滅の特徴からどのLEDか識別して受光 部15の向きを特定するようにしてもよい。

(動作)
 次に、AIユニット30および読取装置50の動作 ついて、AIユニット30の作動モードに従って 説明する。

<起動>
 AIユニット30は、エンジン始動時のセルモー タを駆動させるための放電の電圧降下を起動 回路41が捉え、電源回路42を介して演算部31等 に電源の供給が開始され、演算部31が起動し 電池状態検知の動作が開始される。

 AIユニット30は、表1に示すように、鉛電 20の電池状態を、LEDを点灯ないし点滅させて 表示する通常モード、および、EEPROM32に格納 れた鉛電池20のデータをLED6、7を点滅させて 読取装置50に送信する履歴読出モードの2つの 作動モードを有している。通常モードは、AI ニット30を収容した鉛電池20が自動車に搭載 された後に実行されるモードであり、上述し たように、鉛電池20の電池状態に応じてLEDが 灯ないし点滅する。履歴読出モードは、主 、鉛電池20の診断や点検が必要な場合に、 電池20がどのような履歴を有するかを光通信 で出力するためのモードである。

1.通常モード
 AIユニット30の演算部31のCPU(以下、CPUと略称 する。)の通常モードにおける主要動作は、 電池20の電圧を監視(測定)し、鉛電池20の電 状態(SOH、SOC)が予め設定された判定しきい値 より低下したと判定したときに、エンジン停 止後に、LEDおよびブザーでユーザ(ドライバ) 警告を与えるものであるが、詳しくは以下 通りである。

 CPUは、所定時間(例えば、2ms)毎に、電圧 定部33を介して鉛電池20のデジタル電圧値を り込んでおり、取り込んだ電圧値に基づい 鉛電池20のSOC、SOHを決定(算出)する。また、 CPUは温度測定部34を介して所定時間(例えば、 1秒)毎に、鉛電池20の温度測定を行い、取り んだ温度値により、例えば、室温(25°C)にお るSOC、SOHに温度補正する。

 SOCを決定するには、開回路電圧(OCV)を測 するのが簡単である。このためには、各SOC 鉛電池についてOCVのデータを予め取得し、OC VとSOCとの関係式ないしマップを作成してお 、電圧測定部33を介して測定したOCVから関係 式ないしマップを利用してSOCを逆算する。

 鉛電池の劣化を判定するには、例えば、 電池20が最初に車両に搭載されたときの、 言すれば、鉛電池20が実質的に無劣化状態で の、エンジン始動時の鉛電池20の最低電圧値V st0を電圧測定部33で測定してEEPROM32に最低電 値Vst0を格納しておく。その後、直近のエン ン始動時の鉛電池20の最低電圧値Vstを電圧 定部33で測定し、無劣化状態での最低電圧値 Vst0と直近の最低電圧値Vstとの差を求める。 電池20は劣化が進むに従ってこの差(Vst0-Vst) 大きくなる特性を利用して、この差が基準 より大きいか否かをCPUが判断することによ 、劣化の判定を行うことができる。本形態 は、基準値を2つ有しており、劣化がある程 進んだときに、CPUが黄色LED6を所定時間点灯 させ、劣化したとき(要交換のとき)に赤色LED5 を点灯させる。

 また、AIユニット30は、電圧測定部33で測 した鉛電池20の電圧に基づいてエンジン状 を検知する機能を有している。すなわち、CP Uは、通常モードにおいて、鉛電池20の電圧を 常時監視(測定)し、測定した電圧の変化より エンジン始動、エンジン起動中、エンジン 止のエンジン状態を判定する。

<エンジン始動>
 一般に、ガソリンエンジン車、ディーゼル ンジン車等の内燃機関を有する車両では、 電池から電力を供給しセルモータを回して エンジンを始動する。この際、大電流が流 るが、それに伴い、鉛電池20の端子間電圧 大きく降下する(図9参照)。このときの電圧 下および電流の時間変化を測定すると、セ モータに電流が流れ始めた直後に、鋭いピ ク状の大電流が流れ、同時に鉛電池20の端子 間電圧は鋭い谷状の電圧降下を示す。このと きの最低電圧値Vstが上述したようにSOHを決定 するときのデータとなる。

 このため、CPUは、鉛電池20の放電開始後X( 1~100)ms以内にY(0.50~3.0)V以上の電圧降下(例えば 、15ms以内に1.5V以上の電圧降下)があり、かつ 、その後にある所定値a(a:鉛電池20のOCVの109~12 1%の電圧値)以上になったか否かを判断し、肯 定判断のときにはエンジン始動があったもの と判定する。一方、否定判断のときにはカー エアコンやカーナビゲーション等の車載電装 品を起動させたものとみなす(エンジンは始 していないとみなす)。

 なお、このエンジン始動に関連して、CPU 、初めて、鉛電池20の放電開始後X(1~100)ms以 にY(0.50~3.0)V以上の電圧降下(例えば、15ms以 に1.5V以上の電圧降下)があり、かつ、その後 にある所定値a(a:鉛電池20のOCVの109~121%の電圧 )以上と判断したときに、鉛電池20が自動車 搭載されたものとみなし、通常モードへの 行指令がなされたものと判断する。通常モ ドに移行すると、内部時計による計時を開 するとともに、EEPROM32にこのときの鉛電池20 のエンジン始動時の最低電圧値Vst0(鉛電池20 無劣化状態における最低電圧値)およびチェ クサムを書き込む。

<エンジン起動中>
 CPUは、上述したエンジン始動の肯定判断の 、常時鉛電池20の電圧が上述した所定値a以 (エンジンが起動中の場合は発電機(オルタ ータ、レギュレータ)が作動しているため、 電池20は充電状態となっており、電圧がOCV り高くなる。)か否かを判断し、肯定判断の きにエンジン起動中と判定する。

<エンジン停止>
 (1)エンジン起動中と判断した後に、鉛電池2 0の電圧がある一定値b以下になった場合:エン ジン起動状態からエンジン停止状態になった と判定する。bの電圧値には、例えば、鉛電 20のOCVの103~108%の電圧値を用いることができ 。また、(2)エンジン起動中と判断した後に 鉛電池20の電圧がある一定値c以上の速度で 下し、かつ、電圧の降下幅がある一定値d以 上の場合:エンジン起動状態からエンジン停 状態になったと判定する。cの電圧低下速度 して1.0~4.0V/s、また、dの電圧降下幅として0. 05~0.20Vを用いることができる。さらに、(3)エ ジン起動中と判断した後に、鉛電池20の電 がある一定値e以下に低下し、かつ、そのと の電圧の変化幅が、ある一定値fの時間幅で 、ある一定値g以下になった場合:エンジン起 状態からエンジン停止状態になったと判定 る。eの電圧値として鉛電池20のOCVの102~109% 電圧値、fの値として0.01~1.0s、gの電圧の変化 幅として0.1~0.3Vを用いることができる。CPUは (1)~(3)のいずれかに該当したときに、エンジ ンが停止したもと判定する。

 CPUは、エンジン停止と判定すると、EEPROM3 2にエンジンの累積起動回数と、内部時計を 照して累積作動時間と、鉛電池20のOCVとを書 き込み、チェックサムを更新する。EEPROM32に 前回までの累積起動回数および累積作動時 が書き込まれており、今回のエンジンの累 起動回数および累積作動時間が累積される なお、CPUは、エンジン停止後、鉛電池20の 極反応が解消した後(例えば、6時間経過後) 測定した鉛電池20の電圧をOCVとして測定して RAMに格納しておき、エンジン始動があった後 、エンジン始動前のOCVをEEPROMに書き込む(前 EEPROMに格納されていたOCVを直近のOCVに書き える)。

 また、CPUは、通常モードにおいて、所定 間(例えば、2週間=336時間)毎に、EEPROM32に鉛 池20のエンジン始動時の最低電圧値Vstをデ タとして書き込み、チェックサムを更新す 。なお、所定時間経過時に常にエンジン始 がなされているとは限らないので、所定時 経過前のRAMに格納されている直近のデータ 書き込むことになる。

 上述したように、CPUは、常時あるいは随 、判定しきい値との比較によりSOC、SOHの判 を行う。判定しきい値より低下していた場 は、報知タイミングに合わせて報知するた の準備動作を行う。本形態では、表1に示し たように、警報のレベルを原則として「良好 」、「要注意」、「要交換」(不良)の3段階に レベル分けしている。

 AIユニット30が鉛電池20の上蓋に収容され いるため、AIユニット30は、鉛電池20が設置 れる場所に配置される。多くはエンジンル ム内であり、または車室等の自動車内であ 、ブザーが発する警告音は走行中は車両の イズにより聞こえにくい。このため、AIユ ット30が発する警告音の発生タイミングを以 下のように設定して、ユーザが警告音を聞き やすいタイミングで発し、ユーザに警告音が 確実に伝達されるようにしている。なお、CPU は、エンジンが停止したと判定した後、直ち に、D/Aコンバータを介してLEDを点灯させるト ランジスタのゲートにハイレベル信号を継続 してまたは断続的に出力してLEDを点灯ないし 点滅させるとともに、所定時間経過後、別の D/Aコンバータを介してブザーを作動させるト ランジスタのゲートにハイレベル信号を送出 して警告音を発生させる。

 エンジン起動状態からエンジンを停止す タイミングにおいて、ユーザは、自動車か 降り、ドアを閉め、ドアをロックして、自 車から離れる、という一連の動作を行うこ が多いと推定される。従って、警告音を発 させる場合(例えば、Vst0とVstとの差が判定 きい値を下回った場合)に、エンジンが停止 たと判定したタイミングから一定のタイム グを設けて報知すれば、警報がユーザに伝 される可能性が高くなる。報知開始タイミ グに加えて、ブザーの警告音による報知継 時間もまた重要な要因である。

 報知開始はエンジン停止後0~60秒までの間 に行われることが好ましい。報知継続時間は 2秒以上とすることが好ましく、最大数分間 知し続けることが望ましい。また、これら 時刻、時間の最適値は、車両の使用形態に って異なるので、鉛電池20の用途に応じて、 個々のケースにより決定するようにすればよ い。なお、本形態の鉛電池20は一般乗用車用 もので、表1に示すように、ブザーによる警 告音の報知継続時間を約30秒に設定している

 本形態のAIユニット30によればほとんどの 場合、警告音をユーザに確実に伝達できるが 、実際には数回の聞き逃しが発生することを 想定して、警告音を発生させるSOC、SOHの判定 しきい値は余裕を持ってやや高めに設定して おくようにしてもよい。

 一方、LED4~7による鉛電池20の電池状態の 示では、エンジン停止後、直ちに、LEDを点 ないし点滅させて表示する。その時間は、 形態では、表1に示すように、約5分間である 。また、AIユニット30は、操作表示部35にスイ ッチ3を配置している。ブザーによる警告音 聞いた、または、電池状態を知りたいと希 するユーザが鉛電池20の電池状態(SOC、SOH)を 認できるようにするためである。すなわち スイッチ3が1回押下された場合、表1に示す うに、電池状態をLED5で表示するようにして 、ユーザが任意に電池状態を把握できるよう にしている。

<CPUの劣化判定ルーチン>
 次に、フローチャートを参照して、CPUの動 について、鉛電池20の劣化を判定する際の 作を中心にさらに詳述する。

 鉛電池20が車両に搭載され、上述したよ に、鉛電池20からセルモータに電力を供給す るエンジン始動時には大電流が流れ、同時に 鉛電池20の端子電圧は大きく降下する。起動 路41はこの電圧降下を外部入力信号1として え、スイッチ駆動回路が主スイッチをオフ 態からオン状態に移行させる。これにより 電源回路42は起動回路41を介して鉛電池20と 続され、作動電源を演算部31等に供給する 演算部31に電源が供給されると、CPUは、鉛電 池20の劣化を判定するための劣化判定ルーチ を実行する。

 図8に示すように、劣化判定ルーチンでは 、まず、ステップ104において、ROMに格納され たプログラム、後述する判定しきい値Vth等を 含むプログラムデータをRAMに展開する初期設 定処理を実行する。また、この初期設定処理 では、起動回路41の主スイッチをオン状態に 持するために、ラッチ回路にハイレベル信 の出力を開始するとともに、内部時計によ 、起動回路41でAIユニット30(演算部31)が起動 した時点を起点として時間の計測を開始する 。

 次に、ステップ106では、スイッチ3が5秒 上押下されたか否かを判断することにより AIユニット30の停止信号が入力されたか否か 判断する。停止信号の意義については後述 る。ステップ106で否定判断のときには、次 ステップ108において、エンジン始動がある で待機する。CPUは、上述したエンジン状態 定によりエンジン始動を判定する。従って 鉛電池20が車両に搭載された最初のエンジ 始動時には、ステップ104~ステップ106までの 連の処理が実行される。エンジン始動と判 したときには、次のステップ110で、RAMに格 された電圧値を参照して、鉛電池20の放電 始時に測定された最低電圧値であって、鉛 池20の放電開始後15ms以内に測定された最低 圧値を、エンジン始動時の最低電圧値Vstと て算出する。なお、CPUは鉛電池20の温度測定 を行い、取り込んだ温度値により、最低電圧 値Vstを、室温における電圧値に温度補正する 。

 次のステップ112では、無劣化状態の鉛電 20のエンジン始動時の最低電圧値Vst0が既に 得されているか否かを、EEPROM32を参照して 断する。すなわち、EEPROM32の所定番地に、最 低電圧値Vst0の値が書き込まれていれば、最 電圧値Vst0は既に取得されていると(肯定)判 し、ヌルであれば、最低電圧値Vst0は取得さ ていないと(否定)判断する。

 ステップ112での判断が否定のときは、ス ップ114において、ステップ110で算出した最 電圧値Vstが、無劣化状態の鉛電池20のエン ン始動時の最低電圧値Vst0の条件を満たすか かを判断する。この条件は、例えば、(1)鉛 池20が自動車に取り付けられた(使用が開始 れた)ときから3ヶ月以内であること、かつ (2)エンジン始動前の鉛電池20のOCV(例えば、 回のエンジン停止後6時間経過時の開回路電 )が12.5V以上であること、とすることができ 。なお、条件(1)からも明らかなように、鉛 池20の無劣化状態とは、SOHが100%の完全無劣 状態のみをいうのでなく、鉛電池20が健全 初期状態での実質的な無劣化状態をいう。

 ステップ114で否定判断のときは、無劣化 態の鉛電池20のエンジン始動時の最低電圧 Vst0を取得するためにステップ106に戻り、肯 判断のときは、ステップ116において、ステ プ110で算出した最低電圧値Vstを、無劣化状 の鉛電池20のエンジン始動時の最低電圧値Vs t0として、EEPROM32に格納して(書き込んで)、ス テップ118へ進む。

 一方、ステップ112での判断が肯定のとき 、ステップ118でEEPROM32から無劣化状態の鉛 池20のエンジン始動時の最低電圧値Vst0を読 出し、次のステップ120で電圧差δVst(=Vst0-Vst) 算出する。すなわち、電圧差δVstをEEPROM32に 格納された最低電圧値Vst0から直近のエンジ 始動時の最低電圧値を引くことによって求 る。図10は、無劣化状態(初期状態)の鉛電池 劣化後の同じ鉛電池について、エンジン始 時の鉛電池の端子間電圧の推移を表したも である。図10では、無劣化状態の鉛電池の ンジン始動時の最低電圧値をVst0、劣化後の ンジン始動時の最低電圧値をVstで表してい 。図10から明らかなように、鉛電池の劣化 進むにつれて、無劣化状態での最低電圧値Vs t0と劣化後の最低電圧値Vstとの電圧差δVst(=Vst 0-Vst)は大きくなる。

 次のステップ122では、判定しきい値Vthを み出し、ステップ124において、電圧差δVst 判定しきい値Vthより大きいか否かを判断す 。否定判断のときは、鉛電池20の交換を必要 とする程劣化が進んでいないため、ユーザ( ライバ)に警告を発する必要がないので、ス ップ106へ戻る。なお、本形態では、鉛電池2 0の劣化状態について、良好、要注意、要交 の3段階にレベル分けしているため、このよ な判定しきい値(上述した基準値)が2つ設定 れているが、以下では、説明を簡単にする めに、鉛電池20が要交換の場合について説 する。

 一方、ステップ124で肯定判断のときには 次のステップ126において、エンジンが停止 るまで待機する。エンジン停止と判定した きは、次のステップ128において、鉛電池20 要交換である旨を、以下に述べるように、 ザーおよびLEDで報知してステップ106へ戻る

 ユニット1によればほとんどの場合、警報 音をユーザに確実に伝達できるが、実際には 数回の聞き逃しが発生することを想定して、 警報音を発生させる判定しきい値Vthは余裕を 持ってやや高めに設定しておくようにしても よい。

 一方、LEDによる鉛電池20の電池状態の表 では、エンジン停止後、直ちに、LEDを点灯 せて表示する。その時間は、本実施形態で 約5分間である。また、AIユニット30は、操作 表示部35にスイッチ3を配置している。ブザー による警告音を聞いた、または、電池状態を 知りたいと希望するユーザが鉛電池20の健康 態を確認できるようにするためである。す わち、このスイッチ3による入力があった場 合、電池状態をLEDで表示するようにして、ユ ーザが任意に電池状態を把握できるようにし ている。なお、本例では、鉛電池20の要交換 表示するLEDは、ユーザの注意を喚起するた 、赤色LEDを用い点灯させるようにしている

 なお、図8では捨象したが、CPUは、上述し たように、一定時間(例えば、2週間=336時間) に、EEPROM32に鉛電池20の直近の最低電圧値Vst 格納している。これにより、後日、必要に じて、EEPROM32内のデータを参照することで 鉛電池20の劣化経緯を把握することができる 。

 一方、ステップ106で肯定判断がなされた 合には、ステップ130において、内部時計の 過時間を参照することによりAIユニット30( 算部31)が始動してから3ヶ月が経過したかを 断する。否定判断のときには、鉛電池20は 質的に無劣化と考えられるため、ステップ13 2において、EEPROM32に格納したデータ(最低電 値Vst0および一定時間毎に記憶されていた最 電圧値Vst)を消去するとともに、ラッチ回路 に出力していた信号をローレベルとして劣化 判定ルーチンを終了する。これにより、起動 回路41の主スイッチはオフ状態に移行し、演 部31には電源回路42を介して鉛電池20からの 源供給が停止される。一方、肯定判断のと は、鉛電池20の劣化が進んでいると考えら るため、ステップ134で、EEPROM32に格納したデ ータの消去およびAIユニット30の停止を禁止 るとともに、LEDおよびブザーにより初期化 能の報知を行い、ステップ108に戻る。

<外部信号によるユニット停止>
 本形態では、誤ってAIユニット30を起動させ てしまったときや鉛電池20を別の車両に乗せ えたいときなど、AIユニット30の動作を停止 させたい場合に、外部入力信号でAIユニット3 0の動作停止を行うことができる。好ましい 態としては、ユーザが自分で操作できる位 に設置されたスイッチの信号でAIユニット30 停止を行うことができるようにしてもよい その際の動作を以下に説明する。

 スイッチ3は、ボタンを押すことで動作す る、タクトスイッチ等が好ましいが、モーメ ンタル動作するその他のスイッチも使用可能 である。誤操作によるユニット停止を避ける ためには、スイッチ3をある一定時間継続操 、いわゆる長押しでユニット停止するよう することが望ましい。長押し時間は少なく も数秒以上、好ましくは5秒以上に設定する がよい。このように長押し時のみ、ユニッ 停止するようにすることで、通常の短い時 の押し動作では、直近の判定結果をLEDで表 するようにすればよく、別途スイッチを追 する必要はない。

 また、ユニット停止を行う外部入力信号 しては、スイッチ3からの入力信号の他に、 例えば、電圧信号や電流信号を用いることも できる。この場合、通常使用ではあり得ない ような電圧や電流を正負極端子間に印加する 。一例としては、18~20V程度の高い電圧を数秒 程度印加することなどである。この場合はこ のような電圧を発生させる装置を別途用意す ることが好ましい。

<データの不揮発性メモリへの保存>
 AIユニット30では、鉛電池20の使用を開始し ときの電池の初期データを、EEPROM等の不揮 性メモリに記憶する。そして、使用中の状 判定は、初期データとの比較において行う このようにすることで、搭載車両の特性差 よる判定誤差の発生を最小限とすることが き、また、鉛電池20の使用期間、環境温度 の他の電池状態判定に必要なデータも保存 能となる。

<ユニット停止時のデータの初期化>
 ただし、このような方法を採用した場合、A Iユニット30の使用を開始して、鉛電池20の初 データをすでに記憶しているような場合、A Iユニット30の停止及びその後別車両への鉛電 池20の載せ替えを行った場合、不都合が生じ 。AIユニット30は最初の車両での鉛電池20の 期データをもとに判定するため、判定の精 が大きく低下することが考えられるからで る。

 これを避けるため、本形態では、スイッ 操作によるAIユニット30の動作停止時にEEPROM 等の不揮発性メモリの内容を初期化するよう にする。このようにすることで載せ替えを行 った車両においてAIユニット30を再度起動す 際に、最初の車両で使用した影響をなくす とができる。

 EEPROM等の不揮発性メモリの内容を初期化 るタイミングは、場合によっては、AIユニ ト30の動作停止時ではなく、停止後に再度起 動する際でもよい。通常のCPUにおいては、起 動時に内部状態を初期化する、いわゆるパワ ーオンリセット動作することが多いが、この 動作の後にEEPROM等の不揮発性メモリの内容を 初期化させるようにしてもよい。

<ユニット停止及び初期化の禁止等>
 このような、スイッチ操作によるユニット 止とEEPROM等の不揮発性メモリの内容を初期 する方法は、この方法のみを採用すること 不都合が発生するケースが考えられる。例 ば、最初に搭載した車両で、鉛電池20が劣 するほどの長期間使用した後に、別車両へ 鉛電池20の載せ替えを行った場合である。こ のときは載せ替えられた車両での初期データ は劣化した鉛電池20で取得されることになり 判定の精度が大きく低下することが考えら る。

 この事態を避けるため、AIユニット30およ び鉛電池20を使用開始してからある程度の期 が経過した場合には、スイッチ操作等によ ユニット停止とEEPROM等の不揮発性メモリの 容を初期化することができなくなるように るとよい。通常の使用形態では1年程度では 鉛電池20の目立った劣化は起こらず、この期 内なら初期化を可能とすることができる。 かし、好ましくは初期化可能期間を確実に 化が進行していない3ヶ月程度に制限するこ とが好ましい(図8のステップ130)。より好まし くは1ヶ月程度にするのがよい。また、AIユニ ット30自体が劣化状態のデータを保持するよ な態様では、初期化しようとしている時点 の劣化状態により、劣化が進行している場 は初期化不可能としてもよい(図8のステッ 134)。

<ユニット停止及び初期化の実行の報知>
 このようなスイッチ操作等によるユニット 止及びEEPROM等の不揮発性メモリの内容を初 化する際には、何らかの方法でユーザに知 しめるようにすることが好ましい。AIユニ ト30が、本形態のようにブザーのような発音 素子を装備しているならば、ユニット停止及 び初期化実行時に、通常動作とは異なった動 作で鳴動するようにすればよい。また、複数 のLEDの同時点滅を繰り返すなどの通常の表示 とは異なった動作を行うようにしてもよい。

2.履歴読出モード
 CPUは、スイッチ3が所定操作で押下されたと きは、履歴読出モードへの移行指令があった ものと判断する。この所定操作としては、例 えば、5秒以内にスイッチ3を7回押下する操作 を挙げることができる。

 履歴読出モードでは、LED6、7を高速点滅 せること(光通信)で、AIユニット30のIDおよび 所定時間毎にEEPROM32に格納された鉛電池20の ータが送信され、最後にチェックサムが送 される。図3に示すように、履歴読出モード は、LED7は、0.5ms間点灯、0.5ms間消灯を繰り すクロック生成用LEDとして用いられる。ま 、LED6は、EEPROM32に格納されたデータを2値で( 1msの間点灯または消灯することにより)シリ ル送信するデータ送信用LEDとして用いられ 。シリアル送信のため、データ送信の間に 、例えば、LED6が消灯する5msの送信休止時間 存在する。なお、LED4、5は、通常モードの で使用され、履歴読出モードでは使用され い。

 AIユニット30のLED6、7から送信された光信 は、読取装置50で読み取られる。読取装置50 は、LED6、7にそれぞれ近接配置された27個の 光素子19でLED6、7の点滅による送信信号を受 して、AIユニット30のIDおよび鉛電池20の電 データを演算部51のRAMに格納し、チェックサ ムによる送信データの確認後、LCD15に表示す 。また、必要に応じて、受信したデータの 部または一部をプリンタ13で出力する。な 、時系列的な最低電圧値Vstの変化(劣化の推 )はグラフで表した方が把握しやすい。

 これにより、鉛電池20の劣化経緯を把握 ることができる。上述したように、鉛電池20 のエンジン始動時の最低電圧値Vstは、鉛電池 20が初めて自動車に搭載されたときの(鉛電池 20が無劣化状態のときの)最低電圧値Vst0から 鉛電池20の内部抵抗値の増加により、徐々に 低下して劣化していく。また、上述したよう に、最低電圧値Vstのデータは2週間毎に追加 れる。従って、例えば、最低電圧値Vstの変 のグラフを参照すれば、どの時点で劣化が んだか等を把握することができる。

 また、AIユニット30の演算部51のMPは、受 した電池データの中から、エンジンの累積 動回数、エンジンの累積作動時間および鉛 池20のOCVを抽出し、累積作動時間を累積起動 回数で除算することにより、エンジン始動1 あたりの乗車時間(min)を算出した後、累積起 動回数および累積作動時間の比率と予め定め られた基準値との大小関係、累積起動回数お よび累積作動時間の比率、鉛電池のOCV、鉛電 池の使用状態に関する診断結果の関係を予め 関連付けたテーブルに基づいて、鉛電池20の 用状態を診断し、診断結果(鉛電池20の使用 ついてのアドバイス内容)をLCD14ないしプリ タ13で出力する。

 ここで、MPが実行する鉛電池20の使用状態 の診断処理について、処理内容をより明らか にするために、実施例を参照して補足する。 表2は、任意の12台の車種にAIユニット30を内 した鉛電池20を6ヶ月~1年程度の期間搭載した 後、内部のデータを読み出したものである。

 〔自動車6〕、〔自動車8〕、〔自動車11〕 はエンジン始動1回あたりの乗車時間が他の 種に比べ短いことが分かる。それにほぼ同 して鉛電池20のOCVも低いことを読み取ること ができる。〔自動車6〕、〔自動車11〕はすで に充電不足を起こしているが〔自動車8〕は だ完全な充電不足ではなく、今後もう少し1 あたりの走行時間を長くすれば充電状態は 好へと推移していくだろうと考えられ、こ ようにアドバイスをすることが可能となる この実施例では実験の意味もあったのでデ タの読取時期を遅くしたが、もう少し早い 期で読み取り、データ評価を行っていれば 〔自動車6〕、〔自動車11〕も充電不足にな 前に使用者に走行のアドバイスをできたの 明白であり、充電不足を回避することがで たと考えられる。MPは、このような状況を まえ、上述したテーブルに基づいて鉛電池20 の使用状態の診断を行う。

 MPは、履歴読出モードにおいて、5秒以内 スイッチ3が3回押下されたか、および、履 読出モードへの移行指令から10分が経過した かを判断しており、両者とも否定判断のとき は履歴読出モードにおける処理ルーチンを続 行し、いずれかが肯定判断のときは、履歴読 出モードにおける処理ルーチンを終了し、通 常モードにおける動作を行う。

(効果等)
 次に、本実施形態のAIユニット30および読取 装置50の効果等について説明する。

 AIユニット30のEEPROM32にはエンジン作動状 (エンジンの累積起動回数および累積作動時 間)並びに鉛電池20のOCVのデータが格納されて おり、操作表示部35のLED6、7で読取装置50にEEP ROM32に格納されたデータを送信する。一方、 取装置50は受光部15でデータを受信し(読み り)、演算部51でデータを解析し診断を行っ LCD14やプリンタ13に出力することで、ユーザ よる鉛電池20の充電不足状態等の使用に問 のある場合に、ユーザに適切なアドバイス 行うことができる。これにより、例えば、 電不足状態の場合には、サルフェージョン 防ぐことができ、ユーザは鉛電池20を本来の 設計寿命まで使用することが可能となる。な お、診断結果、使用に問題のない場合でも、 その旨のアドバイスすることでユーザは鉛電 池20の好適使用を継続することが可能となる

 ここで、従来の電池状態検知装置と、本 施形態のAIユニット30および読取装置50につ て比較する。従来の電池状態検知装置およ 本実施形態のAIユニット30は、いずれも自動 車に搭載され、鉛電池の電池状態を検知する 点では共通する。しかしながら、従来の電池 状態検知装置では、鉛電池が劣化後または劣 化傾向を示した後に鉛電池の状態を報知する ので、例えば、エンジン停止後の再起動がで きないなどの鉛電池のトラブルを防止するこ とはできるが、充電不足、劣化を未然に防止 することはできない。これに対し、本実施形 態では、読取装置50でAIユニット30のデータを 読み取り解析してユーザにアドバイスするの で、鉛電池のトラブルを防止できることはも とより、鉛電池20が劣化する前、または劣化 向を示す前に鉛電池20の使用状態の改善を すことができ(ユーザは鉛電池20をより良好 状態で使用することができ)、鉛電池20の寿 を延ばすことができる。

 また、AIユニット30では、起動回路41が、 電池20が車載され最初に鉛電池20からセルモ ータに電力を供給することで出力端子間の電 圧の降下信号を受信すると、受信した外部入 力信号1をトリガとしてAIユニット30を起動さ る。このため、ユニット起動時までのAIユ ット30による鉛電池20の電力消費および劣化 進が抑えられる。AIユニット30(演算部31)が 動すると、鉛電池20の電圧が測定され、測定 された電圧に基づいて鉛電池の電池状態が判 定される。そして、AIユニット30が起動した に、ユーザによりスイッチ3が5秒以上押下さ れると、この信号をトリガとしてAIユニット3 0の作動を停止させるとともにAIユニット30を 動前の初期状態に戻す(EEPROMに格納されたデ ータを消去する。)。このため、誤ってAIユニ ット30を作動された場合にAIユニット30を停止 させたり、鉛電池20を他の車両に載せ換えた することができ、AIユニット30の使用上の便 宜が付加される。また、スイッチ3が5秒以上 下されることにより、AIユニット30の動作が 停止するため、停止後のAIユニット30による 電池20の電力消費および劣化促進が抑えられ るとともに、EEPROM内のデータが消去するため に、他の車両に載せ替えても前の車両で測定 したデータにより鉛電池20の誤った状態検知 防止される。

 なお、本実施形態では、AIユニット30と読 取装置50との送受信を発光素子と受光素子と 光通信で行う例を示したが、本発明はこれ 限らず、音響カプラよる音声通信や電波に る無線通信を用いるようにしてもよい。

 また、本実施形態では、ユーザに最低電 値Vstの低下による鉛電池20の劣化状態を示 ために、AIユニット30のEEPROM32に格納された ータを全て読取装置50に送信する例を示した が、EEPROM32に格納されたデータのうち、例え 、エンジンの累積起動回数および累積作動 間のみ送信しても、エンジン始動1回あたり の乗車時間を算出し基準値と比較することが できるので、それなりに鉛電池20の使用状態 診断を行うことができるが、鉛電池20のOCV 送信することで、読取装置50は鉛電池20の使 状態についてより適正な診断を行うことが きる。さらに、この場合に、鉛電池20のOCV 代えてまたは鉛電池20のOCVに加えて、最低電 圧値Vstの履歴を送信するようにしてもよい。 この場合には、読取装置50は、例えば、最低 圧値Vstとエンジンの累積作動時間との診断 果を予め関連付けたテーブルを参照して、 断(アドバイス)することが可能となる。

 さらに、本実施形態では、演算部31、51に CPU、MPおよびプログラム等による構成、動作 例示したが、本発明はこれに限らず、ハー ウエアで構成するようにしてもよい。そし 、本実施形態では、AIユニット30を停止させ るとともにEEPROM32に格納されたデータを消去 るためのスイッチ3を操作表示部35に設けた を示したが、特許文献2のように、起動回路 41にスイッチを設けるとともに押下時間を把 する回路を付加することで、スイッチ3を起 動回路41に配置するようにしてもよい。

 本発明は、ユーザによる鉛電池の使用状 に問題があれば、劣化前、充電不足となる に、改善を促すアドバイスができる読取装 、該読取装置に診断用データを送信する電 状態検知装置および該電池状態検知装置の モリに格納されたデータを読み取って電池 態を診断する診断装置を提供するものであ ため、いずれも鉛電池の製造、販売に寄与 るので、産業上の利用可能性を有する。

本発明が適用可能な実施形態の鉛電池 模式的に示す外観斜視図である。 鉛電池の上蓋に収容されたAIユニット 概略ブロック図である。 AIユニットの操作表示部のLEDがEEPROMに 納されたIDおよび電池データを送信するとき のタイミングチャートである。 鉛電池の上蓋に受光部を載置したとき 読取装置を模式的に示す外観斜視図である 読取装置の受光部の受光素子を示す外 斜視図である。 読取装置の概略ブロック図である。 AIユニットのLEDと読取装置の受光素子 の関係を示す断面図である。 AIユニットの演算部のCPUが実行する劣 判定ルーチンのフローチャートである。 エンジン始動時の鉛電池の端子間電圧 模式的に示すグラフである。 無劣化状態の鉛電池のエンジン始動時 の最低電圧値と劣化後の鉛電池のエンジン始 動時の最低電圧値とを示すグラフである。

符号の説明

6、7 LED(送信部の一部)
13 プリンタ(出力部の一部)
14 液晶表示装置(出力部の一部)
19 受光素子(受信部の一部)
20 鉛電池(自動車用鉛電池)
30 AIユニット(電池状態検知装置)
31 演算部(判定部、検知部、格納部)
32 EEPROM(メモリ)
33 電圧測定部(測定部の一部)
50 読取装置
51 演算部(診断部)