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Title:
DISPLAY DEVICE AND METHOD FOR MANUFACTURING DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054159
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a display device wherein deterioration in characteristics of a display element is suppressed even when a resin is used as a substrate material. Specifically disclosed is a display device sequentially comprising an organic insulating film (14), an inorganic conductive film (15) and a display element (10) on a resin substrate (11) in this order. This display device further comprises an inorganic insulating film (16) arranged next to the inorganic conductive film (15), and the inorganic insulating film (16) covers the entire surface of the organic insulating film (14) together with the inorganic conductive film (15).

Inventors:
OKABE TOHRU
Application Number:
PCT/JP2008/059235
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
May 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHARP KK (JP)
OKABE TOHRU
International Classes:
G09F9/30; G02F1/1333; H01L51/50; H05B33/02; H05B33/12; H05B33/22
Foreign References:
JP2001052873A2001-02-23
JP2002100469A2002-04-05
JP2003114626A2003-04-18
JP2002117976A2002-04-19
Attorney, Agent or Firm:
YASUTOMI, Yasuo et al. (5-36 Miyahara 3-chome,Yodogawa-ku, Osaka-shi, Osaka 03, JP)
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Claims:
樹脂基板上に、有機絶縁膜、無機導電膜及び表示素子をこの順に備える表示装置であって、
該表示装置は、無機導電膜と並んで配置された無機絶縁膜を有し、
該無機絶縁膜は、無機導電膜とともに有機絶縁膜表面の全体を覆う
ことを特徴とする表示装置。
前記表示装置は、樹脂基板と有機絶縁膜との間に、樹脂基板の全体を覆う無機ベースコート膜を有することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
前記無機ベースコート膜は、樹脂基板の両側に配置されていることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
前記表示装置は、樹脂基板上にゲート信号線、データ信号線、及び、薄膜トランジスタを備え、
前記無機導電膜は、ゲート信号線とデータ信号線とで囲まれる領域に配置された絵素電極を構成することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の表示装置。
前記有機絶縁膜は、カラーフィルタを構成することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の表示装置。
前記有機絶縁膜は、ブラックマトリクスを構成することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の表示装置。
前記有機絶縁膜は、厚みが10μm以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の表示装置。
前記表示素子は、液晶層であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の表示装置。
前記表示素子は、エレクトロルミネッセンス層であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の表示装置。
請求項1~9のいずれかに記載の表示装置の製造方法であって、
該製造方法は、化学蒸着により無機絶縁膜を形成する工程を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
請求項2~9のいずれかに記載の表示装置の製造方法であって、
該製造方法は、化学蒸着により無機ベースコート膜を形成する工程を含む特徴とする表示装置の製造方法。
請求項1~9のいずれかに記載の表示装置の製造方法であって、
該製造方法は、クラス1レベルのクリーン度で有機絶縁膜を形成する工程を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
Description:
表示装置及び表示装置の製造方

本発明は、表示装置及び表示装置の製造方 法に関する。より詳しくは、基板に樹脂材料 が用いられた表示装置及びその製造方法に関 するものである。

近年多く用いられているテレビジョン、パ ーソナルコンピュータ、携帯電話、デジタル カメラ等の電子機器が備える表示パネルとし ては、液晶表示(LCD:Liquid Crystal Display)パネル 、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Displ ay Panel)、エレクトロルミネッセンス(EL:electro luminescence)表示パネル等が挙げられる。

このような表示パネルは、例えば、LCDパネ ルであれば液晶材料が充填されて形成された 液晶層が、PDPであればプラズマが封入された 放電管が、ELパネルであれば発光体でできた 光層がそれぞれ設けられ、これらが表示パ ルにおいて重要な役割を果たす。

特にLCDパネルであれば、表示の制御は表示 光が照射される液晶層によって制御されるた め、液晶層の特性はその液晶表示特性にその まま密接する。液晶(樹脂)層に対し防湿性、 圧性、保湿性を保持させ、かつ酸化防止を う方法としては、例えば、液晶(樹脂)層上 金属あるいは無機質酸化物層が形成された スバリアー性構造物を設ける形態が知られ おり、特許文献として開示されている(例え 、特許文献1参照。)。

ところで、このような表示パネルは、通常 、基板をもとに作製されるものであり、この 基板上に回路素子、制御素子等が配置されて 表示装置は完成する。基板の材料としては、 絶縁性、耐圧性及び耐熱性の観点から、ガラ スが一般的に多く用いられている。

基板の材料としてはガラスの代わりに、樹 脂を用いることもできる。これにより、ガラ ス基板では得ることのできない、優れた可撓 性及び軽量性を有する表示パネルが得られる ことになる。

しかしながら、樹脂基板によれば、ガラス基 板に比べて水分や酸素を非常に通しやすく、 加えて液晶が水分や酸素に非常に弱いという 点から、樹脂基板を液晶表示装置に適用する ことについては工夫の余地があった。

特開平10-202780号公報

本発明は、上記現状に鑑みてなされたもの であり、基板材料として樹脂を用いた場合で あっても、表示素子の特性の劣化を抑制する ことができる表示装置を提供することを目的 とするものである。

樹脂基板を適用する場合の表示装置の構成 としては、具体的には以下のような構成が考 えられる。図6は、樹脂基板を一般的な液晶 示装置に適用する場合に想定される液晶表 装置の装置構成を示す断面模式図である。

樹脂基板をガラス基板と同様に用いて液晶 表示装置を作製する場合、図6に示すように 一対の樹脂基板111、121が、液晶表示装置の 示素子である液晶層110を挟持するようにし 配置される。一方の樹脂基板111と他方の樹 基板121とはシール部材120を用いて接着され 。液晶表示装置の構成の一例としては、こ ら一対の両方の基板111、121がそれぞれ、互 に対向する電極115、125を有するものが挙げ れ、これらの電極115、125に電圧を印加して 晶層110内に電界を発生させ、液晶層110中の 晶分子の配向性を調節し、バックライト等 らの光の屈折性を調節することで、液晶表 の白モードと黒モードとを制御することが きるようになる。

このような場合は通常、一方の樹脂基板111 上には、防湿バリア膜として無機ベースコー ト膜112が形成され、その上の所望の領域に薄 膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)113及び のTFT113及び無機ベースコート膜112を覆うよ にして有機層間絶縁膜114が形成され、更に の上に絵素ごとに絵素電極115が形成される( 下、このような構造を「アレイ基板」とも う。)。また、他方の樹脂基板121上には、防 湿バリア膜として無機ベースコート膜122が形 成され、その上にカラーフィルタ123及びブラ ックマトリクス124が形成され、更にその上一 面に対向電極125が形成される(以下、このよ な構造を「対向基板」ともいう。)。なお、 ラーフィルタ123は、一般的に赤123R、緑123G び青123Bの3色で構成される。このような構成 によれば、絵素電極115が形成された領域ごと に、表示の色相及び明暗を制御することがで きる。

しかしながら本発明者は、このように液晶 表示装置に樹脂基板を適用する場合には、樹 脂基板を形成する際に、通常、基板厚みを100 μm程度とするための大量の液状樹脂を塗布す る工程及びそれを硬化熱処理する工程が行わ れ、その結果、どうしてもミクロンオーダー の異物や凹みが基板表面に発生してしまい、 そのようにして形成された樹脂基板上に無機 ベースコート膜等の防湿バリア膜を成膜した としても、通常の方法ではその異物を完全に 被覆できない場合があることを見いだした。

具体的には、図6に示すように、このよう 有機異物130は樹脂基板111上に析出し、樹脂 板111上に無機ベースコート膜112が成膜され い領域を生じさせる。そしてアレイ基板で れば、この有機異物130を介して、樹脂基板11 1の表面や端面から浸入してきた水分及び酸 が有機層間絶縁膜114に浸入し、更に絵素電 115の隙間から液晶層110へと浸入する。一方 カラーフィルタ基板であれば、この有機異 130を介して、樹脂基板121の表面や端面から 入してきた水分及び酸素がカラーフィルタ12 3及びブラックマトリクス124に浸入し、更に 向電極125の形成されていない領域から液晶 110へと浸入する。なお、図6において点線矢 は、水分及び酸素の浸入経路を示す。

液晶材料は水分に弱く、このような構成で は、短期的には液晶層の特性に影響が出なく とも、長期的に見れば液晶層の特性劣化が早 くなってしまう。

そこで、本発明者は、特性劣化が抑制され るような表示装置の構成について種々検討し たところ、無機膜の配置構成に着目した。そ して、無機膜であれば水分及び酸素の浸入を 効果的に防止することができることを見いだ すとともに、結果的に無機膜が表示素子面全 体に対向して配置されるように新たに無機膜 を配置することで、表示装置の特性劣化が効 果的に抑制されることを見いだした。特に、 従来であれば、絵素ごとに駆動を行う方式が 表示方式として優れているため絵素電極が液 晶層面に対して一部にのみ設けられていたが 、絵素電極の隙間に対して新たに無機膜を設 けることで、水分及び酸素の浸入を効果的に 防止することができ、表示素子の特性の劣化 防止に大きな効果が得られることを見いだし た。こうして本発明者は、上記課題をみごと に解決することができることに想到し、本発 明に到達したものである。

すなわち、本発明は、樹脂基板上に、有機 絶縁膜、無機導電膜及び表示素子をこの順に 備える表示装置であって、上記表示装置は、 無機導電膜と並んで配置された無機絶縁膜を 有し、上記無機絶縁膜は、無機導電膜ととも に有機絶縁膜表面の全体を覆う表示装置であ る。

以下、本発明の表示装置について詳述する 。

本発明の表示装置は、樹脂基板上に、有機 絶縁膜、無機導電膜及び表示素子をこの順に 備える。本明細書において樹脂は、熱又は圧 力を加えることによって組成流動性をもつ高 分子可塑性物質全体をいい、熱可塑性樹脂及 び熱硬化性樹脂のいずれも含む。有機絶縁膜 は、例えば、基板上のゲート信号線、データ 信号線等の各種配線やスイッチング素子であ るTFT等と、その上に形成される無機導電膜と を絶縁分離させるための膜として用いること ができるが、そのような用途のものに限定さ れるわけではない。無機導電膜は、例えば、 表示素子を駆動するための電極として用いる ことができるが、そのような用途のものに限 定されるわけではない。表示素子としては、 液晶材料で構成される液晶層、電圧の印加に より発光特性を示す材料で構成される有機EL 、無機EL層、電圧の印加により粒子を移動 せるいわゆる電子ペーパー等が挙げられる 用途においても特に限定されるものではな 、水分や酸素等の外気に影響を受けやすい 能性材料で構成される素子に用いることが きる。

本発明の表示装置は、無機導電膜と並んで 配置された無機絶縁膜を有し、上記無機絶縁 膜は、無機導電膜とともに有機絶縁膜表面の 全体を覆う。本明細書において無機絶縁膜は 、無機導電膜が形成されている領域以外の有 機絶縁膜表面を埋めるために、原則として無 機導電膜に並んで形成されるものであるが、 これらは、互いに重畳しあっていてもよく、 結果として無機絶縁膜及び無機導電膜が有機 絶縁膜表面の全体を覆うものであればよい。

上記無機導電膜は、電極等の用途に用いら れることがあるため、設計が制限されること があるが、無機絶縁膜は、電極を形成するよ うな場合と異なり膜厚設計の自由度が高く、 それを利用して、上記無機絶縁膜は、無機導 電膜よりも大きな膜厚とすることが好ましい 。このように、無機絶縁膜を無機導電膜より も大きな膜厚に設定することで、有機異物に 対する被覆性が向上し、表示劣化防止の信頼 性が向上する。

本発明の表示装置では、有機絶縁膜を樹脂 基板上に有しており、樹脂基板及び有機絶縁 膜のいずれもが、水分及び酸素の浸入経路と なりうる。一方、無機導電膜及び無機絶縁膜 は、一般的に水分及び酸素の浸入経路となら ないため、本発明のように有機絶縁膜表面を 無機導電膜及び無機絶縁膜が覆うものとする ことで、表示に用いられる電極のみでは防ぐ ことのできない水分及び酸素の表示素子への 浸入を効果的に防止し、表示素子の特性劣化 を妨げることができる。

本明細書において「全体を覆う」とは、必 ずしも全てを覆っている形態に限定されるわ けではない。すなわち、本発明において無機 絶縁膜及び無機導電膜は、実質的に有機絶縁 膜表面の全体を覆っていればよく、一部に覆 われていない領域があってもよい。本発明の 表示装置において無機導電膜及び無機絶縁膜 は、有機絶縁膜表面を覆うように形成されて いるが、樹脂基板と同様、有機絶縁膜からは 製造過程において有機異物が析出する場合が あり、これにより無機導電膜及び無機絶縁膜 の一部に有機絶縁膜を覆うことができない領 域が生じてしまう場合がある。しかしながら 、本発明によれば、たとえそのような領域が 生じたとしても、水分及び酸素の浸入経路の 距離を大きく確保することができるため、結 果的には、無機導電膜及び無機絶縁膜が有機 絶縁膜の略全体に形成されている限り、水分 及び酸素の浸入を防ぐという効果を得ること ができる。

水分及び酸素の浸入経路の距離を大きく確 保することでこれらの浸入が改善される理由 は、水分及び酸素の浸入透過量(速度)に関し は、「浸入速度(透過量)=浸入経路の面積× さ/浸入時間(浸入経路の距離)」で表すこと でき、浸入経路の距離を大きく取れば取る ど、浸入速度(透過量)を減らすことが可能と なるためである。

本発明の表示装置の構成としては、このよ うな構成要素を必須として形成されるもので ある限り、その他の構成要素を含んでいても 含んでいなくてもよく、例えば、表示を制御 するための駆動ドライバ、表示光を発する光 源、光を制御する光学フィルム等を更に備え ていてもよい。

以下、本発明の表示装置の好ましい形態に ついて詳しく説明する。

本発明の表示装置は、樹脂基板と有機絶縁 膜との間に、樹脂基板の全体を覆う無機ベー スコート膜を有することが好ましい。本明細 書において無機ベースコート膜とは、樹脂基 板に接して設けられる無機膜であり、このよ うに無機ベースコート膜を形成することで、 樹脂基板と有機絶縁膜との間に水分及び酸素 の浸入を防ぐ層を1層介することができ、基 表面より浸入してきた水分及び酸素の表示 子への浸入をより効果的に防止することが きる。なお、上述と同様、「全体を覆う」 は、必ずしも全てを覆っている形態に限定 れるわけではなく、すなわち、本形態にお て無機ベースコート膜は、実質的に樹脂基 の全体を覆っていればよく、一部に覆われ いない領域があってもよい。本発明は基板 して樹脂基板を用いるため、有機異物の存 により無機ベースコート膜の一部に樹脂基 を覆うことができない領域が生じてしまう 合があるが、本形態によれば、たとえその うな領域が生じたとしても、水分及び酸素 浸入経路の距離を大きく確保することがで るため、結果的には、無機ベースコート膜 樹脂基板の略全体に形成されている限り、 分及び酸素の浸入を大幅に改善するという 果を得ることができる。

上記無機ベースコート膜は、樹脂基板の両 側に配置されていることが好ましい。樹脂基 板に浸入してくる水分及び酸素は外界から浸 入してくるため、樹脂基板自体が外界と接す る領域を小さくすることで、全体として表示 素子への水分及び酸素の浸入を抑制すること ができる。具体的には基板表面からの水分及 び酸素の浸入が防止され、これらの浸入は基 板表面よりも面積の小さい基板端面のみから となる。そのため、本形態によれば、表示素 子への水分及び酸素の浸入を更に防止するこ とができる。

上記表示装置は、樹脂基板上にゲート信号 線、データ信号線、及び、薄膜トランジスタ を備え、上記無機導電膜は、ゲート信号線と データ信号線とで囲まれる領域に配置された 絵素電極を構成することが好ましい。通常、 ゲート信号線とデータ信号線とは互いに直交 するように配置され、これらの交点において 薄膜トランジスタ(TFT)が設けられる。そして 絵素電極は、ゲート信号線とデータ信号線 で囲まれた領域で構成される絵素ごとに形 されるものであり、一般的に上述のような 機絶縁膜の全体を覆うようには形成されな 。したがって、本発明はこのように画素ご に駆動が制御される表示装置を形成する場 に適しているということができる。

上記有機絶縁膜は、カラーフィルタを構成 することが好ましい。すなわち、本形態は有 機絶縁膜をカラーフィルタとして用いる形態 であり、本形態によれば、製造過程において カラーフィルタ上に有機異物が形成され、そ の上に電極が形成されないような場合が生じ ても、表示素子への水分及び酸素の浸入を防 止することができる。

上記有機絶縁膜は、ブラックマトリクスを 構成することが好ましい。すなわち、本形態 は有機絶縁膜をブラックマトリクスとして用 いる形態であり、本形態によれば、製造過程 においてブラックマトリクス上に有機異物が 形成され、その上に電極が形成されないよう な場合が生じても、表示素子への水分及び酸 素の浸入を防止することができる。

上記有機絶縁膜は、厚みが10μm以下である とが好ましい。上述のように、水分及び酸 の浸入透過量(速度)に関しては、「浸入速 (透過量)=浸入経路の面積×厚さ/浸入時間(浸 経路の距離)」で表すことができる。したが って、浸入経路の厚みを薄くすることで浸入 速度(透過量)を減らすことができる。本形態 、そのような原理に基づくものであり、厚 を従来よりも薄い10μm以下とすることによ 、表示素子への水分及び酸素の浸入を効果 に防止することができる。また、このよう 薄い膜厚で有機絶縁膜が形成されることで 発生する有機異物の大きさも小さくなるた 、有機絶縁膜上に形成される無機絶縁膜及 無機導電膜が有機絶縁膜の表面を覆いやす なる。

上記表示素子は、液晶層であることが好ま しい。すなわち、本形態は、本発明の表示装 置を液晶表示装置に適用したものである。液 晶層は、一般的に水分及び酸素に弱く、これ らを含むことにより特性が劣化してしまう。 そのため、本発明を液晶表示装置に適用する ことは効果的といえる。

上記表示素子は、エレクトロルミネッセン ス層であることが好ましい。すなわち、本形 態は、本発明の表示装置をエレクトロルミネ ッセンス(EL)表示装置に適用したものである 有機EL又は無機ELで構成されるEL層もまた、 般的に水分及び酸素に弱く、これらを含む とにより特性が劣化してしまう。そのため 本発明をEL表示装置に適用することは効果的 といえる。

以下、本発明の表示装置の製造方法につい て詳述する。

本発明はまた、上記本発明の表示装置の製 造方法であって、上記製造方法は、化学蒸着 により無機絶縁膜を形成する工程を含む製造 方法である。すなわち本製法は、無機導電膜 と並んで配置され、かつ無機導電膜とともに 有機絶縁膜表面の全体を覆う無機絶縁膜を製 造するための製造方法である。化学蒸着(CVD:C hemical Vapor Deposition)法によれば、より緻密な 膜を形成することができるため、有機絶縁膜 上に形成される有機異物を高い被覆性をもっ て成膜することができ、被覆欠陥により生じ るピンホールの発生確率を大幅に抑制するこ とができる。これにより、水分及び酸素の表 示素子への浸入を効果的に防止し、表示素子 の特性劣化が抑制される表示装置が得られる ことになる。

なお、一般的にCVDは成膜温度及び成膜圧力 が高いほど被覆性が増すが、本発明では樹脂 基板を用いているので、成膜温度を高くする ことなく同様の効果の得られるプラズマCVD法 又は常圧CVD法がより好ましい。

本発明は更に、上記本発明の表示装置の製 造方法であって、上記製造方法は、化学蒸着 により無機ベースコート膜を形成する工程を 含む製造方法である。すなわち本製法は、樹 脂基板上に形成される無機ベースコート膜を 形成するための製造方法である。上述のよう なCVDによる成膜は、無機ベースコート膜の成 膜に対しても行うことができ、これにより、 上記無機絶縁膜を形成する場合と同様、樹脂 基板上に形成される有機異物を高い被覆性を もって成膜することができ、被覆欠陥により 生じるピンホールの発生確率を大幅に抑制す ることができる。これにより、水分及び酸素 の表示素子への浸入を効果的に防止し、表示 素子の特性劣化が抑制される表示装置が得ら れることになる。なお、上述のように、上記 CVD法としてはプラズマCVD法又は常圧CVD法がよ り好ましい。

本発明は更に、上記本発明の表示装置の製 造方法であって、上記製造方法は、クラス1 ベルのクリーン度で有機絶縁膜を形成する 程を含む製造方法である。本明細書におい クラス1レベルのクリーン度とは、1立方フィ ートあたりに存在する0.5μm以上の塵埃が1個 下の環境にあることを意味する。このよう 環境で有機絶縁膜を形成することにより、 機絶縁膜上に有機異物が発生しにくくなる その結果、有機絶縁膜上に形成される無機 電膜及び無機絶縁膜は有機絶縁膜表面を覆 やすくなるので、水分及び酸素の表示素子 の浸入が効果的に防止され、表示素子の特 劣化が抑制される表示装置が作製されるこ になる。

本発明の表示装置によれば、無機導電膜及 び無機絶縁膜が有機絶縁膜表面全体を覆うこ ととなるので、表示に用いられる電極のみで は防ぐことのできない水分及び酸素の表示素 子への浸入を効果的に防止し、表示素子の特 性劣化を抑制することができる。また、無機 導電膜及び無機絶縁膜の一部に有機絶縁膜を 覆うことができない領域が生じてしまう場合 であっても、水分及び酸素の浸入経路の距離 を大きく確保することができるため、結果的 には、水分及び酸素の浸入を防ぐという効果 を得ることができる。

以下に実施形態を掲げ、本発明について図 面を参照して更に詳細に説明するが、本発明 はこれらの実施形態のみに限定されるもので はない。

(実施形態1)
本発明の実施形態1は、液晶表示装置である 図1は、実施形態1の液晶表示装置の断面模式 図である。図1に示すように、実施形態1の液 表示装置は、表示素子である液晶層10を挟 する一対の樹脂基板11、21を有する。一方の 脂基板11は、絵素電極15を備えるアレイ基板 17を構成し、他方の樹脂基板21は、カラーフ ルタ23を備える対向基板27を構成する。以下 実施形態1の液晶表示装置に関して、アレイ 基板17と対向基板27とに分けて詳述する。

実施形態1の液晶表示装置が備えるアレイ基 17は、以下のようにして作製することができ る。図2-1は、実施形態1の液晶表示装置が備 るアレイ基板の断面模式図である。まず、 厚が0.1mmである樹脂基板11を用意し、その表 に対し、酸化シリコン(SiO 2 )等の透明無機膜(無機ベースコート膜)12を膜 200nmで全面に形成する。このとき用いる無 ベースコート膜12の材料としては、その他に SiN(窒化シリコン)、Ta 2 O 5 (五酸化タンタル)、Al 2 O 3 (アルミナ)等を用いることもできる。また、 機ベースコート膜12は、例えばCVD法、スパ タリング法、真空蒸着法等を用いて形成す ことができるが、緻密な膜を形成し、有機 物を高い被覆性をもって覆うことができる いう観点からは、CVD法が好ましい。また、 り好ましくはプラズマCVD法又は常圧CVD法で る。なお、実施形態1において樹脂基板11は 基板厚みを100μm程度とするための大量の液 樹脂を塗布する工程及びそれを硬化熱処理 る工程が行われ、表面に有機異物30が形成さ れているものとする。

次に、無機ベースコート膜12上にゲート信 線とデータ信号線とが交差するようにそれ れ複数本配置し、これらで囲まれる領域を1 つの絵素とする。こうすることで、絵素がマ トリクス状に形成されることとなる。このよ うに絵素が形成された領域は表示領域となる 。ゲート信号線とデータ信号線との交点には 、スイッチング素子であるTFT13を配置する。T FTは3端子型のスイッチング素子であり、半導 体層及びゲート絶縁膜を介してゲート電極と ソース/ドレイン電極とが形成されている。 た、ゲート信号線とゲート電極とが電気的 接続されており、データ信号線とソース/ド イン電極の一方とが電気的に接続されてい 。このような構造とすることにより、画素 との表示の制御が可能となる。

次に、有機絶縁膜14を膜厚2μmで全面に塗布 する。有機絶縁膜14の材料としては、透明ア リル樹脂等を用いることができる。また、 機絶縁膜14は、例えばスピンコート法及び ォトリソグラフィー法を用いて形成するこ ができる。このように有機絶縁膜14の膜厚を 薄く形成することで、発生する有機異物30の きさも小さいものとなるため、後述の無機 縁膜及び無機導電膜による被覆性が向上す 。また、有機絶縁膜14は、クラス1(1立方フ ートあたりに存在する0.5μm以上の塵埃が1個 下)以上のレベルの超高クリーン度の中で塗 布することで、有機異物30をより発生させに くすることができる。なお、樹脂基板11の 造の際に発生する有機異物は通常数μmであ ため、本実施形態によれば、有機絶縁膜14に よって有機異物30をほぼ完全に被覆すること できる。

有機絶縁膜14を塗布した後は、TFT13上にTFT13 とその上部に形成される絵素電極15とを接続 せるための穴を設ける。そして、その穴に し導電膜を形成し、更に、絵素を構成する 置にITO(酸化インジウムスズ)等からなる絵 電極(無機導電膜)15を形成する。絵素電極15 各電極間に一定の幅を有してマトリクス状 形成されることになるので、絵素電極15ごと に表示の制御を行うことができる。

次に、絵素電極15が形成された領域以外の領 、すなわち、有機絶縁膜14が表面に露出し いる領域に対し、CVD法を用いて窒化シリコ (SiN)膜(無機絶縁膜)16を形成する。このとき いる無機絶縁膜16の材料としては、その他に 酸化シリコン(SiO 2 )等を用いることもできる。また、無機絶縁 16はスパッタリング法、真空蒸着法等を用い て形成することも可能であるが、緻密な膜を 形成し、有機異物を高い被覆性をもって覆う ことができるという観点からは、本実施形態 のようなCVD法が好ましい。また、より好まし くはプラズマCVD法又は常圧CVD法である。これ により、液晶層10に対するアレイ基板17の表 をほぼ完全に無機膜で覆うことができる。

図2-1の点線で示されているように、水分及 び酸素は樹脂基板11、有機絶縁膜14等の有機 料を通って浸入するが、実施形態1によれば 仮に樹脂基板11上に有機異物30が発生し、樹 脂基板11と有機絶縁膜14との間に水分及び酸 の浸入経路が形成された場合であっても、 機絶縁膜14上の全体を覆う無機導電膜15及び 機絶縁膜16が形成されているので、液晶層10 への水分及び酸素の浸入を防止することがで きる。

上述したように、実施形態1においてはク ス1以上の非常に高いクリーン度で有機絶縁 14が製造されており有機異物発生の確率は なり低いといえるが、仮にそのような高い リーン度の中で製造を行わず、図2-2に示す うに樹脂基板11上に有機異物30が発生し、か 有機絶縁膜14上に有機異物40が発生した場合 には、外部から液晶層10へと通じる水分及び 素の浸入経路が形成されてしまうことにな 。しかしながら、図2-2の点線で示されてい ように本実施形態においては、浸入に必要 経路の距離が大きく確保されているので、 のような場合であっても水分及び酸素が浸 するのに多大な時間がかかり、実質的に液 層(表示素子)10への水分及び酸素の浸入を防 止することができる。また、有機絶縁膜14の 厚が2μmと非常に薄く形成されていることも 、水分及び酸素の浸入を停滞させることに寄 与する。

実施形態1の液晶表示装置が備える対向基板27 は、以下のようにして作製することができる 。図3-1は、実施形態1の液晶表示装置が備え 対向基板の断面模式図である。まず、アレ 基板17と同様、膜厚が0.1mmである樹脂基板21 用意し、その表面に対し、酸化シリコン(SiO 2 )等の透明無機膜(無機ベースコート膜)22を膜 200nmで全面に形成する。無機ベースコート 22の材料及び形成方法は、アレイ基板17のと と同様である。

次に、アレイ基板17の絵素電極15に対応す 領域に、カラーフィルタ23を有機樹脂(有機 縁膜)を用いて形成する。実施形態1において カラーフィルタ23は、赤23R、緑23G及び青23Bで 成される。また、各色を示すカラーフィル 23間に、光漏れ防止用のブラックマトリク 24を有機樹脂(有機絶縁膜)を用いて形成する これらの有機樹脂には、例えば、赤、青、 、黒等の顔料を分散させることで、各色を 現することができる。カラーフィルタ23及 ブラックマトリクス24の膜厚は、例えば、2μ mとする。また、カラーフィルタ23及びブラッ クマトリクス24は、例えば、印刷法、インク ェット法等を用いて形成することができる このようにカラーフィルタ23及びブラック トリクス24の膜厚を薄く形成することで、発 生する有機異物30の大きさも小さいものとな ため、後述の無機絶縁膜及び無機導電膜に る被覆性が向上する。また、カラーフィル 23及びブラックマトリクス24は、クラス1以 のレベルの超高クリーン度の中で塗布する とで、有機異物30をより発生させにくくする ことができる。なお、樹脂基板11の製造の際 発生する有機異物は通常数μmであるため、 実施形態によれば、カラーフィルタ23及び ラックマトリクス24によって有機異物30をほ 完全に被覆することができる。

次に、表示領域内のカラーフィルタ23及び ラックマトリクス24上に、ITO等からなる対 電極(無機導電膜)25を設ける。

次に、対向電極25が形成された表示領域外の 域、すなわち、カラーフィルタ23又はブラ クマトリクス24が表面に露出している領域に 対し、CVD法を用いて窒化シリコン(SiN)膜(無機 絶縁膜)26を形成する。このとき用いる無機絶 縁膜26の材料としては、その他に酸化シリコ (SiO 2 )等を用いることもできる。無機絶縁膜26の材 料及び形成方法は、アレイ基板のときと同様 である。これにより、液晶層10に対する対向 板27の表面をほぼ完全に無機膜で覆うこと できることになる。

図3-1の点線で示されているように、水分及 び酸素は樹脂基板21、カラーフィルタ23、ブ ックマトリクス24等の有機材料を通って浸入 するが、実施形態1によれば、仮に樹脂基板21 上に有機異物30が発生し、樹脂基板21とカラ フィルタ23及びブラックマトリクス24との間 水分及び酸素の浸入経路が形成された場合 あっても、カラーフィルタ23及びブラック トリクス24上の全体を覆う無機導電膜25及び 機絶縁膜26が形成されているので、液晶層10 への水分及び酸素の浸入を防止することがで きる。

上述したように、実施形態1においてはク ス1以上の非常に高いクリーン度でカラーフ ルタ23、ブラックマトリクス24が製造されて おり、有機異物発生の確率はかなり低いとい えるが、仮にそのような高いクリーン度の中 で製造を行わず、図3-2に示すように樹脂基板 21上に有機異物30が発生し、かつカラーフィ タ23又はブラックマトリクス24上に有機異物4 0が発生した場合には、外部から液晶層10へと 通じる水分及び酸素の浸入経路が形成されて しまうことになる。しかしながらそのような 場合であったとしても、本実施形態によれば 、図3-2の点線で示されているように浸入に必 要な経路の距離が大きく確保されているので 、実質的に液晶層(表示素子)10への水分及び 素の浸入を防止できる。また、カラーフィ タ23及びブラックマトリクス24の膜厚が2μmと 非常に薄く形成されていることも、水分及び 酸素の浸入を停滞させることに寄与する。

実施形態1の液晶表示装置(図1)は、このよ にして作製されたアレイ基板17(図2-1)と対向 板27(図3-1)とを用いて作製されたものである 。実施形態1においてアレイ基板17と対向基板 27とは、透湿性がほとんどないエポキシ系樹 からなる膜厚5μmのシール材料20を用いて貼 合わされる。このとき、シール材料20の幅 3mmとすることで、水分及び酸素の浸入経路 より大きくとることができる。

以上より、本実施形態では、アレイ基板17 対向基板27との両方から外部からの水分及 酸素の浸入を効果的に防止しているため、 晶表示装置の表示素子の劣化を妨げること できる。

なお、上述の樹脂基板11、21に対しては、 4に示すように、その両側に無機ベースコー 膜12、22が形成されていてもよく、そうする ことで、樹脂基板に対する水分及び酸素の浸 入をより効果的に防止することができる。具 体的には樹脂基板11、21表面からの水分及び 素の浸入が防止され、これらの浸入は基板 面よりも面積の小さい基板端面のみからと る。

(実施形態2)
本発明の実施形態2は、有機EL表示装置である 。実施形態2の有機EL表示装置は、表示素子で ある有機EL層を保持する樹脂基板を有する。

実施形態2の有機EL表示装置は、以下のように して作製することができる。図5-1は、実施形 態2の有機EL表示装置の断面模式図である。ま ず、膜厚が0.1mmである樹脂基板51を用意し、 の表面に対し、酸化シリコン(SiO 2 )等の透明無機膜(無機ベースコート膜)52を膜 200nmで全面に形成する。このとき用いる無 ベースコート膜52の材料としては、その他に SiN(窒化シリコン)、Ta 2 O 5 (五酸化タンタル)、Al 2 O 3 (アルミナ)等を用いることもできる。また、 機ベースコート膜52は、例えばCVD法、スパ タリング法、真空蒸着法等を用いて形成す ことができるが、緻密な膜を形成し、有機 物を高い被覆性をもって覆うことができる いう観点からは、CVD法が好ましい。また、 り好ましくはプラズマCVD法又は常圧CVD法で る。無機ベースコート膜52は樹脂基板51の両 に設けることで、更に水分及び酸素の浸入 防ぐことができる。なお、実施形態2におい て樹脂基板51は、基板厚みを100μm程度とする めの大量の液状樹脂を塗布する工程及びそ を硬化熱処理する工程が行われ、表面に有 異物30が形成されているものとする。

次に、無機ベースコート膜52上にゲート信 線とデータ信号線とが交差するようにそれ れ複数本配置し、これらで囲まれる領域を1 つの絵素とする。こうすることで、絵素がマ トリクス状に形成されることとなる。このよ うに絵素が形成された領域は表示領域となる 。ゲート信号線とデータ信号線との交点には 、スイッチング素子であるTFT53を配置する。T FTは3端子型のスイッチング素子であり、半導 体層及びゲート絶縁膜を介してゲート電極と ソース/ドレイン電極とが形成されている。 た、ゲート信号線とゲート電極とが電気的 接続されており、データ信号線とソース/ド イン電極の一方とが電気的に接続されてい 。このような構造とすることにより、画素 との表示の制御が可能となる。

次に、有機絶縁膜54を膜厚2μmで全面に塗布 する。有機絶縁膜54の材料としては、透明ア リル樹脂等を用いることができる。また、 機絶縁膜54は、例えばスピンコート法及び ォトリソグラフィー法を用いて形成するこ ができる。このように有機絶縁膜54の膜厚を 薄く形成することで、発生する有機異物60の きさも小さいものとなるため、後述の無機 縁膜及び無機導電膜による被覆性が向上す 。また、有機絶縁膜54は、クラス1以上のレ ルの超高クリーン度の中で塗布することで 有機異物60をより発生させにくくすること できる。なお、樹脂基板51の製造の際に発生 する有機異物60は通常数μmであるため、本実 形態によれば、有機絶縁膜54によって有機 物をほぼ完全に被覆することができる。

有機絶縁膜54を塗布した後は、TFT53上にTFT53 とその上部に形成される陽極55とを接続させ ための穴を設ける。そして、その穴に対し 電膜を形成し、更に、絵素を構成する位置 ITO(酸化インジウムスズ)等からなる陽極(無 導電膜)55を形成する。陽極55は各電極間に 定の幅を有してマトリクス状に形成される とになるので、陽極55ごとに表示の制御を行 うことができる。

次に、陽極55が形成された領域以外の領域、 なわち、有機絶縁膜54が表面に露出してい 領域に対し、CVD法を用いて窒化シリコン(SiN) 膜(無機絶縁膜)56を形成する。このとき用い 無機絶縁膜56の材料としては、その他に酸化 シリコン(SiO 2 )等を用いることもできる。また、無機絶縁 56は、スパッタリング法等を用いて形成する ことも可能であるが、緻密な膜を形成し、有 機異物を高い被覆性をもって覆うことができ るという観点からは、本実施形態のようなCVD 法が好ましい。また、より好ましくはプラズ マCVD法又は常圧CVD法である。これにより、有 機EL層58に対する有機絶縁膜54の表面をほぼ完 全に無機膜で覆うことができる。

次に、有機EL層58を陽極55上に形成する。実 施形態2において、有機EL層58は赤58R、緑58G及 青58Bに発光する層で形成されている。有機E L層58の材料としては、例えば、ポリフルオレ ン化合物を用いることができる。また、有機 EL層は各色を発光する発光層のほかに、ポリ チレンジオキシチオフェンとポリスチレン ルホン酸との混合体(PEDOT/PSS)等の正孔又は 子を効率的に輸送する層を含んで構成され いてもよい。このような有機EL層58の一例と ては、PEDOT/PSS、ポリフルオレン化合物、及 、PEDOT/PSSがこの順に積層された形態が挙げ れる。このような層のそれぞれは、例えば インクジェット法、マスク真空蒸着法等を いて形成することができる。また、本実施 態では、有機異物発生の確率がかなり低く っているので、膜厚を全体として100nm程度 非常に薄く形成させることもできる。

次に、無機絶縁膜56及び有機EL層58上全体に 陰極59を形成する。これら陰極59は絵素ごと 分断されず、電気的に接続されている。

なお、実施形態2においては、一対の電極 うち樹脂基板側に陽極が形成されたボトム ノードの形態を示したが、樹脂基板側に陰 が形成されたボトムカソードの形態であっ もよい。

図5-1の点線で示されているように、水分及 び酸素は樹脂基板51、有機絶縁膜54等の有機 料を通って浸入するが、実施形態2によれば 仮に樹脂基板51上に有機異物60が発生し、樹 脂基板51と有機絶縁膜54との間に水分及び酸 の浸入経路が形成された場合であっても、 機絶縁膜54の全体を覆う無機導電膜55及び無 絶縁膜56が形成されているので、有機EL層58 の水分及び酸素の浸入を防止することがで る。

上述したように、実施形態2においてはク ス1以上の非常に高いクリーン度で有機絶縁 54が製造されており、有機異物発生の確率 かなり低いといえるが、仮にそのような高 クリーン度の中で製造を行わず、図5-2に示 ように樹脂基板51上に有機異物60が発生し、 つ有機絶縁膜54上に有機異物80が発生した場 合には、外部から有機EL層58へと通じる水分 び酸素の浸入経路が形成されてしまうこと なる。しかしながらそのような場合であっ としても、本実施形態によれば、図5-2の点 で示されているように浸入に必要な経路の 離が大きく確保されているので、実質的に 機EL層(表示素子)58への水分及び酸素の浸入 防止することができる。また、有機絶縁膜54 の膜厚が2μmと非常に薄く形成されているこ も、水分及び酸素の浸入を停滞させること 寄与する。

以上より、本実施形態では、外部からの水 分及び酸素の浸入を効果的に防止しているた め、有機EL装置の表示素子の劣化を妨げるこ ができる。

(実施形態3)
本発明の実施形態3は、無機EL表示装置である 。実施形態3の無機EL表示装置は、表示素子と して無機EL層が用いられること以外は、実施 態2と同様の構成を有する。

無機EL層の材料としては、例えば、硫化亜 (ZnS)を用いることができる。硫化亜鉛(ZnS)は 、発光中心として例えば銅(Cu)を含有させる とにより青色に発光する。その他用いるこ ができる発光中心としては、塩素(Cl)、ヨウ (I)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)等が挙 られる。無機EL層は、例えば、スピンコート 法、マスク真空蒸着法等を用いて形成するこ とができる。

実施形態3によれば、実施形態2と同様の構 を有しているので、無機EL層への水分及び 素の浸入を防止することができ、表示素子 劣化を生じにくくすることができる。

なお、本願は、2007年10月23日に出願された 本国特許出願2007-275376号を基礎として、パ 条約ないし移行する国における法規に基づ 優先権を主張するものである。該出願の内 は、その全体が本願中に参照として組み込 れている。

実施形態1の液晶表示装置の断面模式図 である。 実施形態1の液晶表示装置が備えるア イ基板の断面模式図である。 実施形態1の液晶表示装置が備えるア イ基板の別例を示す断面模式図である。 実施形態1の液晶表示装置が備える対 基板の断面模式図である。 実施形態1の液晶表示装置が備える対 基板の別例を示す断面模式図である。 実施形態1の液晶表示装置の別例を示す 断面模式図である。 実施形態2の有機EL表示装置の断面模 図である。 実施形態2の有機EL表示装置の別例を す断面模式図である。 樹脂基板を一般的な液晶表示装置に適 する場合に想定される液晶表示装置の装置 成を示す断面模式図である。

符号の説明

10、110:液晶層
11、21、51、111、121:樹脂基板
12、22、52、112、122:無機ベースコート膜
13、53、113:TFT(薄膜トランジスタ)
14、54、114:有機絶縁膜
15、55、115:絵素電極(無機導電膜)
16、26、56:無機絶縁膜
17:アレイ基板
20、120:シール部材
23、123:カラーフィルタ(有機絶縁膜)
23R、123R:カラーフィルタ(赤)
23G、123G:カラーフィルタ(緑)
23B、123B:カラーフィルタ(青)
24、124:ブラックマトリクス(有機絶縁膜)
25、125:対向電極(無機導電膜)
27: 対向基板
30、60、130:有機異物(樹脂基板上)
40、80:有機異物(有機絶縁膜、カラーフィルタ 又はブラックマトリクス上)
55:陽極
58:有機EL層
58R:有機EL層(赤)
58G:有機EL層(緑)
58B:有機EL層(青)
59:陰極