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Patent Searching and Data


Title:
FUEL CELL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/091022
Kind Code:
A1
Abstract:
A separator (38) includes: a sandwiching unit (46) which sandwiches an electrolyte/electrode assembly (36) and has a fuel gas channel (52) and an oxidizing gas channel (56) which are arranged separately; a fuel gas supply unit (42) having a fuel gas supply communication hole (40) formed in the layering direction for supplying the fuel gas into the fuel gas channel (52); and a seal member (66) arranged at an outer periphery of the fuel gas supply communication hole (40). The seal member (66) has a clay film formed from a clay mineral and an organic polymer.

Inventors:
MIYAZAKI TOMIO (JP)
EBINA TAKEO (JP)
MIZUKAMI FUJIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050521
Publication Date:
July 23, 2009
Filing Date:
January 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HONDA MOTOR CO LTD (JP)
NAT INST OF ADVANCED IND SCIEN (JP)
MIYAZAKI TOMIO (JP)
EBINA TAKEO (JP)
MIZUKAMI FUJIO (JP)
International Classes:
H01M8/02; H01M8/12; H01M8/24
Foreign References:
JP2007179926A2007-07-12
JP2007207500A2007-08-16
JP2007207502A2007-08-16
Other References:
"Nendo de Dekita Gas Barrier Maku 'Claist'", NATIONAL INSTITUTE OF ADVANCED INDUSTRIAL SCIENCE AND TECHNOLOGY ANNUAL REPORT 2004-2005, 2004, pages 12
Attorney, Agent or Firm:
CHIBA, Yoshihiro et al. (1-1 Yoyogi 2-chome,Shibuya-ku, Tokyo 53, JP)
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Claims:
 固体酸化物型電解質(30)をアノード電極(34)とカソード電極(32)とで挟んだ電解質・電極接合体(36)が、セパレータ(38)間に積層される燃料電池であって、
 前記セパレータ(38)は、前記アノード電極(34)に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給部(42)又は前記カソード電極(32)に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給部(158)を設けるとともに、
 少なくとも前記燃料ガス供給部(42)又は前記酸化剤ガス供給部(158)のいずれかには、前記燃料ガス又は前記酸化剤ガスをシールするシール部材(66)が配置され、
 前記シール部材(66)は、ガスシール性を有し且つ前記セパレータ(38)に接着するために、粘土鉱物及び有機高分子が複合化された粘土膜を備えることを特徴とする燃料電池。
 請求項1記載の燃料電池において、前記シール部材(66)は、前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスに対する室温におけるガス透過係数が3.2×10 -11 cm 2 s -1 cmHg -1 未満であることを特徴とする燃料電池。
 請求項1又は2記載の燃料電池において、前記シール部材(66)は、厚さが1mm以下で且つ面積が0.1cm 2 以上に設定され、且つ面圧が0.1MPa~10MPaに設定されることを特徴とする燃料電池。
 請求項1記載の燃料電池において、前記シール部材(66)に対し前記燃料電池の積層方向に10N~1000Nの締め付け荷重を付与する締め付け部(84)を備えることを特徴とする燃料電池。
Description:
燃料電池

 本発明は、固体酸化物型電解質をアノー 電極とカソード電極とで挟んだ電解質・電 接合体が、セパレータ間に積層される燃料 池に関する。

 通常、固体酸化物型燃料電池(SOFC)は、電 質に酸化物イオン導電体、例えば、安定化 ルコニアを用いており、この電解質の両側 アノード電極及びカソード電極を配設した 解質・電極接合体(MEA)を、セパレータ(バイ ーラ板)によって挟持している。この燃料電 池は、通常、電解質・電極接合体とセパレー タとが、所定数だけ積層されることにより、 燃料電池スタックとして使用されている。

 この種の燃料電池では、アノード電極に 給される燃料ガス及びカソード電極に供給 れる酸化剤ガスを、互いに良好にシールす 必要がある。このため、種々の異なる機能 有する多種類のシール材が選択的に採用さ ている。

 シール材は、形態によって、例えば、圧 型(圧着型)シール材と液状型(接着型)シール 材とに分類されている。圧縮型シール材は、 主に締め付け力によるシール材の圧縮復元力 によってシール性を確保するものであり、金 属ガスケットやセラミックス系のマイカ材等 が含まれる。

 ところで、この圧縮型シール材を、セパ ータに用いてシール性を高めようとすると このセパレータの積層方向への締め付け力 大きくする必要がある。従って、セパレー やMEAに過度の荷重が付与されてしまい、前 セパレータが変形したり、前記MEAが破損し りするおそれがある。

 一方、液状型シール材は、シール材の接 性によってシール性を確保するものであり この種の性質を有するシール材としては、 えば、ガラス系シール材がある。ガラス系 ール材は、ガラスが溶融状態となることに り、セパレータに粘着(接着)して所望のシ ル性を維持するものである。

 その際、特に、SOFCでは、発電可能温度域 が相当に高いため、高温で接着性を維持でき るシール材が必要となる。しかしながら、ガ ラス系シール材は、高温状態で接着し得るも のの、セパレータに比べて熱膨張収縮が大き いため、起動停止等の温度変化を繰り返すと 、前記ガラス系シール材が急激に劣化する。

 そこで、例えば、特開2004-39573号公報に開示 されている低温作動固体酸化物形燃料電池用 シール材では、熱膨張係数が(8.0~14.0)×10 -6 K -1 、軟化点が500℃~1200℃、接合温度が750℃~1200 のガラスからなるか、当該ガラスにセラミ クス粉又は金属粉を混合してなるガラスか なることを特徴としている。

 また、特開2007-149430号公報に開示されて る固体酸化物形燃料電池用シール材は、構 元素にケイ素を含むガラス粉と酸化マグネ ウム粉とマグネシウムのケイ酸塩粉とを混 した混合粉からなることを特徴としている

 さらに、特開平10-199555号公報に開示され いる固体電解質型燃料電池のガスシール構 では、固体電解質板の片面に燃料極を、ま 反対面に空気極を設けた単電池とセパレー とを交互に積層して固体電解質型燃料電池 形成するに際し、固体電解質板の周縁外側 、該固体電解質板より少々厚肉のセラミッ スファイバを周設するとともに、該セラミ クスファイバの上下面に位置してニッケル を固体電解質板とセパレータとの間に介設 、セパレータとセラミックスファイバとに り挟圧している。

 また、特開2002-141083号公報に開示されて る固体酸化物型燃料電池では、固体電解質 及び燃料極セパレータ間の燃料極シール部 が、燃料給排通路と外気とを遮断し、固体 解質層及び空気極セパレータ間の空気極シ ル部材が、空気給排通路と外気とを遮断す とともに、燃料極シール部材及び空気極シ ル部材は、合金製のシール本体の両面に、 ラス製材料及び希釈材料の混合体により構 された一対の粘性ガラス体が塗布されてい 。

 さらに、特開2007-115481号公報に開示され いる固体酸化物型燃料電池セル板では、固 酸化物型燃料電池セルを支持するとともに 燃料ガスと空気とを分離するセル支持体と 固体酸化物型燃料電池セルとセル支持体と 接着するための接合部とを備え、セル支持 は、金属製リングと、金属製リング表面を ラスにて被覆した保護被膜層とを備え、接 部は、電解質層に接着された第1のガラス層 、保護被膜層と第1のガラス層との間に配置 され、両者を接着する第2のガラス層とを備 ている。

 しかしながら、上記の特開2004-39573号公報 では、ガラスシール材が軟化することによっ てシール性を発揮するものの、セパレータの 積層方向に荷重が付与されるため、この軟化 したガラスシール材が飛散し易くなり、耐久 性が低下する。

 また、上記の特開2007-149430号公報では、 ール材の主成分がガラスであるため、熱膨 収縮や積層方向の荷重によって耐久性が低 する。

 さらに、上記の特開平10-199555号公報では セパレータの積層方向に対しガスシール性 維持するための荷重が付与されることによ 、ガスシール材やニッケル箔が劣化し易い

 さらにまた、上記の特開2002-141083号公報 は、合金製のシール本体と粘性ガラス体と 組合せており、セパレータ間には、ガスシ ル性を高めるために比較的大きな荷重が付 されている。このため、粘性ガラス体が飛 し、前記粘性ガラス体自体が劣化し易い。

 また、上記の特開2007-115481号公報では、 スシール性を保つためにセル支持体及び接 体を備えているものの、積層方向に荷重が 与される際、ガラス層が劣化し易い。

 本発明はこの種の問題を解決するもので り、燃料ガスや酸化剤ガスのシール性を良 に維持するとともに、積層方向の荷重を軽 し、しかも長期間にわたって所望のシール を確保することが可能な燃料電池を提供す ことを目的とする。

 本発明は、固体酸化物型電解質をアノー 電極とカソード電極とで挟んで構成される 解質・電極接合体が、セパレータ間に積層 れる燃料電池に関するものである。

 セパレータは、アノード電極に燃料ガス 供給するための燃料ガス供給部又はカソー 電極に酸化剤ガスを供給するための酸化剤 ス供給部を設けるとともに、少なくとも前 燃料ガス供給部又は前記酸化剤ガス供給部 いずれかには、前記燃料ガス又は前記酸化 ガスをシールするシール部材が配置され、 記シール部材は、ガスシール性を有し且つ 記セパレータに接着するために、粘土鉱物 び有機高分子が複合化された粘土膜を備え いる。

 燃料電池のシール材には、ガスの漏れ、 ス同士の混合又はガスと排ガスとの混合を 止し得る気密状態を維持するためのガスバ ア性、発電環境で連続使用することによっ 劣化し難い耐熱性、及び積層方向の荷重を 減しつつ、シール性を高めるための柔軟性 要求されている。特に、SOFCでは、燃料ガス 若しくは酸化剤ガスが排ガスと混合しないシ ール性が要求されるとともに、800℃~1000℃の 温環境で発電されるため、高い耐熱性が要 されている。

 そこで、本発明では、粘土鉱物及び有機 分子が複合化された粘土膜を備えるシール 材を用いている。これにより、特に、SOFCの シール材として要求される使用環境における 高いシール性、高い耐熱性及び少ない荷重で のシール性の維持を図ることが可能になる。

 すなわち、シール部材は、粘土鉱物及び 機高分子によって複合化された粘土膜を有 ており、圧縮型及び接着型の両方の性質を えている。従って、高いガスシール性を有 るとともに、粘土鉱物を主成分とするため 耐熱性及び絶縁性を有することができ、さ に、柔軟性も備えている。このため、シー 部材は、通常の圧縮型シール材に比べてよ 少ない荷重でシール面に密着することが可 になり、積層方向の荷重を大幅に低減させ ことができる。

 しかも、SOFCの高発電温域に昇温する際、 シール部材は、セパレータと確実に密着し、 ガスシール性を一層向上させることが可能に なる。

本発明の第1の実施形態に係る燃料電池 が複数積層された燃料電池スタックの概略斜 視説明図である。 前記燃料電池の分解斜視図である。 前記燃料電池のガス流れ状態を示す一 分解斜視説明図ある。 前記燃料電池の動作を説明する概略断 説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池 が積層された燃料電池スタックの概略斜視説 明図である。 前記燃料電池の分解斜視説明図である 前記燃料電池のガス流れ状態を示す一 分解斜視説明図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断 説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池 が複数積層された燃料電池スタックの概略斜 視説明図である。 前記燃料電池の分解斜視図である。 前記燃料電池のガス流れ状態を示す一 部分解斜視説明図ある。 前記燃料電池の動作を説明する概略断 面説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電 の分解斜視説明図である。 前記燃料電池のガス流れ状態を示す一 部分解斜視説明図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断 面説明図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電 の分解斜視説明図である。 本発明の第6の実施形態に係る燃料電 の断面説明図である。 前記燃料電池を構成するセパレータの 平面図である。 本発明の第7の実施形態に係る燃料電 の断面説明図である。 本発明の第8の実施形態に係る燃料電 の断面説明図である。 本発明の第9の実施形態に係る燃料電 の断面説明図である。

 図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃 電池20が、矢印A方向に複数積層された燃料 池スタック22の概略斜視説明図である。

 燃料電池20は、固体酸化物型燃料電池で り、定置用の他、車載用等の種々の用途に いられている。燃料電池20は、図2及び図3に すように、例えば、安定化ジルコニア等の 化物イオン導電体で構成される電解質(電解 質板)30の両面に、カソード電極32及びアノー 電極34が設けられた電解質・電極接合体36を 備える。電解質・電極接合体36は、円板状に 成され、セパレータ38により挟持される。

 セパレータ38は、例えば、Fe系合金(SUS)等 金属プレートで構成される。図2に示すよう に、セパレータ38は、中央部に積層方向(矢印 A方向)に沿って燃料ガスを供給するための燃 ガス供給連通孔(反応ガス供給連通孔)40を形 成する燃料ガス供給部42を有する。この燃料 ス供給部42から外方に等角度間隔ずつ離間 て放射状に延在する8本の橋架部44が設けら るとともに、各橋架部44には、円板状の挟持 部46が一体的に設けられる。

 各挟持部46は、電解質・電極接合体36と略 同一寸法に設定されており、燃料ガスを供給 するための燃料ガス導入口48が、例えば、前 挟持部46の中心又は中心に対して酸化剤ガ の流れ方向上流側に偏心した位置に設定さ る。挟持部46同士は、切り欠き50を介して分 されている。

 図2及び図4に示すように、各挟持部46のア ノード電極34に接触する面46a上には、前記ア ード電極34の電極面に沿って燃料ガスを供 するための燃料ガス通路52を形成する複数の 突起部54が設けられる。各挟持部46のカソー 電極32に接触する面46b上には、前記カソード 電極32の電極面に沿って酸化剤ガスを供給す ための酸化剤ガス通路56を形成する複数の 起部58が設けられる。

 セパレータ38のカソード電極32に対向する 面には、通路蓋部材60が、例えば、ろう付け レーザ溶接等により固着される。通路蓋部 60は、平板状に構成されるとともに、中央 に燃料ガス供給連通孔40を形成する燃料ガス 供給部62を備える。燃料ガス供給部62から放 状に8本の橋架部64が延在するとともに、各 架部64は、セパレータ38の橋架部44から挟持 46の面にわたり燃料ガス導入口48を覆って固 される。橋架部44、64間には、燃料ガス供給 連通孔40から燃料ガス導入口48に連通する燃 ガス供給通路65が形成される。

 各セパレータ38間には、燃料ガス供給連 孔40の外周縁に対応してシール部材66が配置 れる。図2及び図4に示すように、シール部 66は、略リング状を有するとともに、ガスシ ール性、耐熱性及び柔軟性を有する材料で構 成される。このシール部材66は、粘土鉱物及 有機高分子が複合化された粘土膜を備える 膜状シールにより構成される。

 シール部材66として、例えば、(独)産業技術 総合研究所によるクレースト(登録商標)を使 することができ、燃料ガス及び酸化剤ガス 対する室温におけるガス透過係数が3.2×10 -11 cm 2 s -1 cmHg -1 未満である。シール部材66は、厚さが1mm以下 且つ面積が0.1cm 2 以上に設定され、且つ面圧が0.1MPa~10MPaに設定 されており、各セパレータ38同士の間隔に応 て、所定の枚数だけ積層される。ここで、 圧が0.1MPa以下であると良好なシール性が得 れない。一方、面圧が10MPaを超えても良好 シール性を得ることができるが、過度の荷 がかかることによって、セパレータ38や電解 質・電極接合体36が変形したり、破損したり 易くなる。シール部材66の厚さは、1mmを越 る範囲でも設定可能であるが、1mm以下の厚 でガスシール性のほかに耐熱性及び柔軟性 十分に発揮することができる。また、厚さ 10μmより薄くなると、シール性を十分に発揮 できなくなる。

 燃料電池20には、図2~図4に示すように、 持部46の外方に位置して積層方向(矢印A方向) に沿って酸化剤ガスを供給するための酸化剤 ガス供給通路68が設けられる一方、燃料ガス 給部42の周囲には、使用済みの燃料ガス及 酸化剤ガスを排出する排ガス通路70が形成さ れる。

 図1に示すように、燃料電池スタック22は 複数の燃料電池20の積層方向両端にエンド レート74a、74bを配置する。エンドプレート74 aは、略円板状を有しており、中央部には、 料ガス供給連通孔40に対応して孔部76が設け れる。孔部76の周囲には、排ガス通路70に対 応して複数の孔部78が設けられる。

 エンドプレート74a、74b間は、ねじ孔80に 合するボルト82により矢印A方向に締め付け れ、前記ねじ孔80及び前記ボルト82により締 付け部84が構成される。締め付け部84は、シ ール部材66に対し燃料電池スタック22の積層 向に10N~1000Nの締め付け荷重を付与する。こ で、締め付け荷重が10N未満であると、良好 シール性が得られない。一方、締め付け荷 が1000Nを超えると、セパレータ38に余分な荷 がかかってしまい、このセパレータ38が変 し易くなる。

 この燃料電池20を組み込む燃料電池スタ ク22の動作について、以下に説明する。

 図1に示すように、エンドプレート74aの孔 部76から燃料ガス(例えば、水素含有ガス)が 給されるとともに、燃料電池20の外周側に設 けられた酸化剤ガス供給通路68から酸化剤ガ である酸素含有ガス(以下、空気ともいう) 供給される。

 燃料ガスは、図4に示すように、燃料ガス 供給部42から橋架部44内の燃料ガス供給通路65 に沿って移動し、挟持部46に形成された燃料 ス導入口48から複数の突起部54により形成さ れた燃料ガス通路52に導入される。燃料ガス 入口48は、各電解質・電極接合体36のアノー ド電極34の略中心位置に設定されている。こ ため、燃料ガスは、燃料ガス導入口48から ノード電極34の略中心に供給され、燃料ガス 通路52に沿って該アノード電極34の外周部に かって移動する。

 一方、酸化剤ガスは、電解質・電極接合 36の外側周端部と挟持部46の外側周端部との 間から矢印B方向に流入し、酸化剤ガス通路56 に送られる。酸化剤ガス通路56では、電解質 電極接合体36のカソード電極32の外側周端部 (セパレータ38の外側周端部)側から内側周端 (セパレータ38の中央部)側に向かって酸化剤 スが流動する。

 従って、電解質・電極接合体36では、ア ード電極34の電極面の中心側から周端部側に 向かって燃料ガスが供給されるとともに、カ ソード電極32の電極面の一方向(矢印B方向)に かって酸化剤ガスが供給される。その際、 化物イオンが電解質30を通ってアノード電 34に移動し、化学反応により発電が行われる 。なお、各電解質・電極接合体36の外周部に 出される排ガスは、排ガス通路70を介して 層方向に移動し、燃料電池スタック22から排 出される。

 この場合、第1の実施形態では、図4に示 ように、セパレータ38を構成する燃料ガス供 給部42には、燃料ガス供給連通孔40の外周縁 対応してシール部材66が配置されている。

 このシール部材66は、粘土鉱物及び有機 分子が複合化された粘土膜を備えている。 って、シール部材66は、高いガスシール性を 有するとともに、主成分である粘土鉱物によ り高い耐熱性及び絶縁性の他、柔軟性をも備 えている。これにより、例えば、マイカ材や セラミックス系シール材等の圧縮性(圧着性) ール材に比べて、積層方向に対して少ない 重でセパレータ38のシール面にシール部材66 を密着させることができる。

 例えば、マイカ材等のガスケットでは、所 のシール性を得るために、(1~2)×10 4 Nの締め付け荷重が必要であるのに対して、 1の実施形態では、シール部材66を用いるこ により、締め付け部84による締め付け荷重は 、10N~1000Nの範囲内に大幅に減少させることが 可能になる。

 このため、セパレータ38及び電解質・電 接合体36には、積層方向に対して必要以上に 大きな荷重が付与されることがない。従って 、セパレータ38の変形や、電解質・電極接合 36の破損を、良好に阻止することができる

 しかも、シール部材66は、燃料ガス及び酸 剤ガスに対する室温におけるガス透過係数 3.2×10 -11 cm 2 s -1 cmHg -1 未満に設定されている。これにより、燃料ガ スと酸化剤ガスとの間や、これらのガスと排 ガスとの間で、ガス同士の混合を確実に阻止 することが可能になり、長期間にわたって所 望のシール性を維持することができる。

 図5は、本発明の第2の実施形態に係る燃 電池100が、矢印A方向に複数積層された燃料 池スタック102の概略斜視説明図である。な 、第1の実施形態に係る燃料電池20と同一の 成要素には同一の参照符号を付して、その 細な説明は省略する。また、以下に説明す 第3~第9の実施形態においても同様に、その 細な説明は省略する。

 燃料電池100は、各セパレータ103間に8個の 電解質・電極接合体36が、このセパレータ103 中心部である燃料ガス供給連通孔40と同心 上に配列される。

 セパレータ103は、中央部に燃料ガス供給 通孔40を形成する燃料ガス供給部104を有す 。この燃料ガス供給部104から外方に等角度 隔ずつ離間して放射状に延在する複数の第1 架部106を介し、比較的大径な挟持部108が一 的に設けられる。燃料ガス供給部104と各挟 部108との中心間距離は、同一距離に設定さ る。

 各挟持部108のアノード電極34に接触する 108aには、前記アノード電極34の電極面に沿 て燃料ガスを供給するための燃料ガス通路52 が形成される。面108aには、燃料ガス通路52を 通って使用された燃料ガスを排出する燃料ガ ス排出通路110と、アノード電極34に接触する ともに、前記燃料ガスが燃料ガス導入口48 ら前記燃料ガス排出通路110に直線状に流れ ことを阻止する迂回路形成用の円弧状壁部11 2とが設けられる。

 円弧状壁部112は、第1橋架部106の端部から 二股に分岐する略馬蹄形状を有し、その先端 側内部に燃料ガス導入口48が配置される一方 その基端部側(第1橋架部106側)に燃料ガス排 通路110が設けられる。面108aには、燃料ガス 通路52側に突出してアノード電極34の外周縁 に接触する外縁周回用凸部114と、前記アノ ド電極34に接触する複数の突起部54とが設け れる。

 凸部114は、燃料ガス排出通路110に対応し 一部が切り欠かれた略リング状を有すると もに、突起部54は、面108aに、例えば、エッ ングにより形成される中実部、又はプレス より形成される中空部で構成される。

 円弧状壁部112、凸部114及び突起部54は、 料ガス通路52における燃料ガスの圧力損失が 燃料ガス供給部104における前記燃料ガスの圧 力損失よりも小さくなるように、高さ寸法が 設定される。

 各挟持部108のカソード電極32に接触する 108bは、略平坦面に形成されるとともに、燃 ガス供給部104には、燃料ガス供給連通孔40 周回して複数の燃料ガス絞り口116が形成さ る。燃料ガス絞り口116の開口径は、燃料ガ 導入口48の開口径よりも小径に設定される。

 セパレータ103のカソード電極32に対向す 面には、通路蓋部材120が、例えば、ろう付 、拡散接合やレーザ溶接等により固着され 。通路蓋部材120は、平板状に構成されると もに、中央部に燃料ガス供給連通孔40を形成 する燃料ガス供給部62を備える。燃料ガス供 部62から放射状に8本の第2橋架部64が延在す とともに、各第2橋架部64は、セパレータ103 第1橋架部106から挟持部108の面108bに燃料ガ 導入口48を覆って固着される(図8参照)。

 燃料ガス供給部62から第2橋架部64には、 料ガス供給連通孔40から燃料ガス導入口48に 通する燃料ガス供給通路65が形成される。 料ガス供給通路65は、例えば、エッチングに より形成される。燃料ガス供給部62には、燃 ガス供給連通孔40を囲繞してリング状凸部12 2が設けられる。この凸部122は、燃料ガス供 連通孔40を燃料ガス供給通路65に対してシー する。

 挟持部108の面108bには、カソード電極32の 極面に沿って酸化剤ガスを供給するための 化剤ガス通路56を形成し且つ前記カソード 極32に密着する変形可能な弾性通路部、例え ば、導電性メッシュ部材124が配設される。

 メッシュ部材124は、例えば、ステンレス (SUS材)の線材で構成され、円板状を有する このメッシュ部材124は、積層方向(矢印A方向 )の荷重に対して所望の弾性変形が可能な厚 に設定されて挟持部108の面108bに直接接触す とともに、通路蓋部材120を避けるために切 欠き部124aを設ける(図6及び図8参照)。

 図8に示すように、メッシュ部材124に設け られる酸化剤ガス通路56は、電解質・電極接 体36の内側周端部と挟持部108の内側周端部 の間から矢印C方向に酸化剤ガスを供給する 化剤ガス供給通路68に連通する。この酸化 ガス供給通路68は、各挟持部108の内方と第1 架部106との間に位置して積層方向(矢印A方向 )に延在している。

 各セパレータ103間には、燃料ガス絞り口1 16を囲繞するとともに、燃料ガス供給連通孔4 0の外周縁に対応してシール部材66が配置され る。このシール部材66は、第1の実施形態で使 用されたシール部材66と同一に構成されてい 。

 燃料電池100には、挟持部108の外方に位置 て排ガス通路70が形成される。図8に示すよ に、燃料電池100が積層される際に、各セパ ータ103間には、燃料ガス供給連通孔40から 岐してセパレータ面方向(矢印C方向)へ向か 分岐通路126が設けられる。分岐通路126と燃 ガス供給通路65とは、積層方向(矢印A方向)に 連通する燃料ガス絞り口116を介して連通する 。

 図5に示すように、燃料電池スタック102は 、複数の燃料電池100の積層方向両端に略円板 状のエンドプレート130a、130bを配置する。エ ドプレート130aの中央部には、燃料ガス供給 連通孔40に対応して孔部76が設けられるとと に、前記孔部76の周囲には、酸化剤ガス供給 通路68に対応して複数の孔部132が設けられる

 この燃料電池スタック102の動作について 以下に説明する。

 図5に示すように、エンドプレート130aの 部76から燃料ガス供給連通孔40に燃料ガスが 給されるとともに、孔部132から酸化剤ガス 給通路68に空気が供給される。

 図8に示すように、燃料ガスは、燃料電池 スタック102の燃料ガス供給連通孔40に沿って 層方向(矢印A方向)に移動しながら、各燃料 池100に設けられる分岐通路126に分岐供給さ る。このため、燃料ガスは、積層方向から パレータ面方向(矢印C方向)に分岐した後、 料ガス絞り口116を通って一旦前記積層方向 向かい、さらに前記燃料ガス絞り口116に連 する燃料ガス供給通路65に沿って前記セパ ータ面方向に移動する。

 燃料ガスは、燃料ガス供給通路65から挟 部108に形成された燃料ガス導入口48を通って 燃料ガス通路52に導入される。このため、燃 ガスは、燃料ガス導入口48からアノード電 34の略中心に供給された後、燃料ガス通路52 沿って前記アノード電極34の外周部に向か て移動する。

 その際、図6に示すように、セパレータ103 を構成する挟持部108の面108aには、燃料ガス 入口48と燃料ガス排出通路110とを結ぶ経路上 に、第1橋架部106の端部から二股に分岐する 弧状壁部112が設けられており、この円弧状 部112は、電解質・電極接合体36のアノード電 極34に接触している。

 従って、燃料ガス導入口48から燃料ガス 路52に供給される燃料ガスは、円弧状壁部112 に阻止されて前記燃料ガス導入口48から燃料 ス排出通路110に直線状に流れることがない 燃料ガス通路52に供給された使用済みの燃 ガスは、燃料ガス排出通路110から酸化剤ガ 供給通路68に(矢印B方向に)排出される。この ため、酸化剤ガス供給通路68では、使用済み 排ガスに含まれる燃料ガスと使用前の酸化 ガスの一部とが反応することによって、使 前の他の酸化剤ガスが加熱される。

 一方、酸化剤ガス供給通路68に供給され 空気は、電解質・電極接合体36の内側周端部 と挟持部108の内側周端部との間から矢印C方 に流入し、メッシュ部材124に形成された酸 剤ガス通路56に送られる。酸化剤ガス通路56 は、電解質・電極接合体36のカソード電極32 の内側周端部(セパレータ103の中央部)側から 側周端部(セパレータ103の外側周端部側)に かって空気が流動する。

 従って、電解質・電極接合体36では、ア ード電極34の電極面の中心側から周端部側に 向かって燃料ガスが供給されるとともに、カ ソード電極32の電極面の一方向(矢印C方向)に かって空気が供給される。その際、酸化物 オンが電解質30を通ってアノード電極34に移 動し、化学反応により発電が行われる。

 なお、各電解質・電極接合体36の外周部 排出される主に発電反応後の空気を含む排 スは、オフガスとして排ガス通路70を介して 燃料電池スタック102から排出される(図5参照) 。

 この場合、第2の実施形態では、各セパレ ータ103間には、燃料ガス絞り口116を囲繞する とともに、燃料ガス供給連通孔40の外周縁に 応してシール部材66が配置されている。従 て、この第2の実施形態では、上記の第1の実 施形態と同様の効果が得られる。

 図9は、本発明の第3の実施形態に係る燃 電池140が、矢印A方向に複数積層された燃料 池スタック142の概略斜視説明図である。

 燃料電池140は、図10及び図11に示すように 、単一の電解質・電極接合体36を挟持するセ レータ144を備える。セパレータ144は、第1及 び第2プレート146、148と、前記第1及び第2プレ ート146、148間に配設される第3プレート150と 備える。第1~第3プレート146、148及び150は、 えば、ステンレス合金等の板金で構成され 前記第3プレート150の両面に、前記第1プレー ト146と前記第2プレート148とが、例えば、ろ 付けにより接合される。

 図10に示すように、第1プレート146は、積 方向(矢印A方向)に沿って燃料ガスを供給す ための燃料ガス供給連通孔40が形成される 1燃料ガス供給部152を備え、この第1燃料ガス 供給部152には、幅狭な第1橋架部154を介して 較的大径な第1挟持部156が一体的に設けられ 。第1挟持部156は、電解質・電極接合体36の ノード電極34と略同一寸法に設定されてい 。

 第1挟持部156のアノード電極34に接触する には、燃料ガス通路52を形成するための多 の突起部54が外周縁部近傍から中心部にわた って設けられるとともに、前記第1挟持部156 外周縁部には、略リング状突起部157が設け れる。突起部54及び略リング状突起部157は、 集電部を構成する。

 第1挟持部156の中央には、アノード電極34 略中央部に向かって燃料ガスを供給するた の燃料ガス導入口48が形成される。なお、 起部54は、略リング状突起部157と同一平面内 に複数の凹部を形成することによって構成し てもよい。

 第2プレート148は、積層方向(矢印A方向)に 沿って酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガ ス供給連通孔68aが形成される第1酸化剤ガス 給部158を備える。この第1酸化剤ガス供給部1 58には、幅狭な第2橋架部160を介して比較的大 径な第2挟持部162が一体的に設けられる。

 第2挟持部162は、電解質・電極接合体36の ソード電極32に接する面に、酸化剤ガス通 56を形成するための複数の突起部58が面内全 にわたって形成される(図12参照)。第2挟持 162の中央部には、酸化剤ガスをカソード電 32の略中央部に向かって供給するための酸化 剤ガス導入口164が形成される。

 第3プレート150は、燃料ガス供給連通孔40 形成される第2燃料ガス供給部166と、酸化剤 ガス供給連通孔68aが形成される第2酸化剤ガ 供給部168とを備える。第2燃料ガス供給部166 び第2酸化剤ガス供給部168は、幅狭な第3及 第4橋架部170、172を介して比較的大径な第3挟 持部174と一体的に構成される。第3挟持部174 、第1及び第2挟持部156、162と同一直径に設定 される。

 第3プレート150の第1プレート146に向かう において、第2燃料ガス供給部166には、燃料 ス供給連通孔40に連通する複数のスリット 通路176が放射状に形成される。燃料ガス供 連通孔40から通路176を介して第3橋架部170及 第3挟持部174の面内に燃料ガス供給通路65が 成される。第3挟持部174には、複数の突起部1 78が形成され、この突起部178は、燃料ガス供 通路65の一部を構成する。

 第3プレート150の第2プレート148に接する において、第2酸化剤ガス供給部168には、酸 剤ガス供給連通孔68aに連通する複数のスリ ト状通路180が放射状に形成される。酸化剤 ス供給連通孔68aから通路180を介して第3挟持 部174には、酸化剤ガス供給通路182が形成され 、この酸化剤ガス供給通路182は、前記第3挟 部174の周縁部によって閉塞される。

 第1プレート146が第3プレート150の一方の にろう付けされることにより、第1及び第3プ レート146、150間には、燃料ガス供給連通孔40 連通する燃料ガス供給通路65が設けられる この燃料ガス供給通路65は、第1及び第3挟持 156、174間に該第1挟持部156を挟んでアノード 電極34の電極面を覆い、且つ燃料ガスが供給 れることにより前記第1挟持部156を前記アノ ード電極34に圧接可能な燃料ガス圧力室186を 成する(図12参照)。電解質・電極接合体36の 周外方には、使用済みの燃料ガス及び酸化 ガスを排出する排ガス通路70が設けられる

 第2プレート148が第3プレート150にろう付 されることにより、第2及び第3プレート148、 150間には、酸化剤ガス供給連通孔68aに連通す る酸化剤ガス供給通路182が形成される。この 酸化剤ガス供給通路182は、第2及び第3挟持部1 62、174間に該第2挟持部162を挟んでカソード電 極32の電極面を覆い、且つ酸化剤ガスが供給 れることにより前記第2挟持部162を前記カソ ード電極32に圧接可能な酸化剤ガス圧力室188 構成する(図12参照)。

 セパレータ144は、第1プレート146の第1挟 部156と、第2プレート148の第2挟持部162と、第 3プレート150の第3挟持部174とが接合されるこ により、円板状の挟持部190を構成する。挟 部190には、第1及び第3橋架部154、170が接合 れて構成される橋架部192と、第2及び第4橋架 部160、172が接合されて構成される橋架部194と が連結される。

 橋架部192には、第1燃料ガス供給部152と第 2燃料ガス供給部166とが接合されて形成され 燃料ガス供給部196が連結される。橋架部194 は、第1酸化剤ガス供給部158と第2酸化剤ガス 供給部168とが接合されて形成される酸化剤ガ ス供給部198が連結される。

 図10及び図12に示すように、各セパレータ 144間には、燃料ガス供給連通孔40の外周縁に 応してシール部材197が配置されるとともに 酸化剤ガス供給連通孔68aの外周縁に対応し シール部材199が配置される。

 シール部材197、199は、第1の実施形態に用 いられているシール部材66と同様に構成され おり、粘土鉱物及び有機高分子が複合化さ た粘土膜を備える。シール部材197、199は、 適には、それぞれセパレータ144同士の間隔 応じて、所定の枚数だけ積層される。

 図9に示すように、燃料電池スタック142は 、複数の燃料電池140の積層方向両端にエンド プレート200a、200bを配置する。エンドプレー 200a又はエンドプレート200bは、締付手段202 電気的に絶縁される。エンドプレート200aに 、燃料電池140の燃料ガス供給連通孔40に連 する第1配管204と、酸化剤ガス供給連通孔68a 連通する第2配管206とが接続される。エンド プレート200a、200bには、電解質・電極接合体3 6よりも燃料ガス供給連通孔40及び酸化剤ガス 供給連通孔68aに近接する位置に、矢印A方向 積層された電解質・電極接合体36とセパレー タ144とに積層方向に締付荷重を付与する締付 手段202が配設される。

 締付手段202は、燃料ガス供給連通孔40の 側及び酸化剤ガス供給連通孔68aの両側に位 してエンドプレート200a、200bに形成されるボ ルト孔208を備える。各ボルト孔208に締付ボル ト210が挿入されるとともに、各締付ボルト210 の先端にナット212が螺合することによって、 燃料電池スタック142が締め付け保持される。 シール部材197、199には、積層方向に10N~1000Nの 締め付け荷重が付与される。

 この燃料電池スタック142の動作について 以下に説明する。

 図9に示すように、エンドプレート200aに 続されている第1配管204から燃料ガス供給連 孔40に燃料ガスが供給されるとともに、前 エンドプレート200aに接続された第2配管206か ら酸化剤ガス供給連通孔68aに酸化剤ガスが供 給される。

 燃料ガス供給連通孔40に供給された燃料 スは、図12に示すように、積層方向(矢印A方 )に移動しながら、各燃料電池140を構成する セパレータ144内の燃料ガス供給通路65に供給 れる。燃料ガスは、燃料ガス供給通路65に って第1及び第3挟持部156、174間に形成された 燃料ガス圧力室186に導入され、複数の突起部 178間を移動して第1挟持部156の中央部に形成 れる燃料ガス導入口48に導入される。

 燃料ガス導入口48は、各電解質・電極接 体36のアノード電極34の中心位置に対応して けられている。このため、燃料ガスは、燃 ガス導入口48から燃料ガス通路52に供給され 、アノード電極34内を中心部から外周部に向 って流動する。

 一方、酸化剤ガス供給連通孔68aに供給さ る酸化剤ガスは、セパレータ144内の酸化剤 ス供給通路182を移動し、第2及び第3挟持部16 2、174間に形成された酸化剤ガス圧力室188に 給される。さらに、酸化剤ガスは、第2挟持 162の中心位置に設けられる酸化剤ガス導入 164に導入される。

 酸化剤ガス導入口164は、各電解質・電極 合体36のカソード電極32の中心位置に対応し て設けられている。このため、酸化剤ガスは 、酸化剤ガス導入口164から酸化剤ガス通路56 供給され、カソード電極32の中心部から外 部に向かって流動する。

 従って、各電解質・電極接合体36では、 ノード電極34の中心部から外周部に向かって 燃料ガスが供給されるとともに、カソード電 極32の中心部から外周部に向かって酸化剤ガ が供給され、発電が行われる。そして、発 に使用された燃料ガス及び酸化剤ガスは、 ガスとして挟持部190の外周部から排気され 。

 この場合、第3の実施形態では、図12に示 ように、各セパレータ144間には、燃料ガス 給連通孔40の外周縁に対応してシール部材19 7が配置されるとともに、酸化剤ガス供給連 孔68aの外周縁に対応してシール部材199が配 されている。このため、第3の実施形態では 上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果 得られる。

 図13は、本発明の第4の実施形態に係る燃 電池220の分解斜視説明図である。

 燃料電池220は、第1セパレータ222a及び第2 パレータ222b間に複数、例えば、2個の電解 ・電極接合体36が挟持される。第1セパレー 222a及び第2セパレータ222bは、同一形状のセ レータ構造体を互いに180°反転させることに より構成される。

 第1セパレータ222aは、例えば、ステンレ 等の板金で構成される第1プレート224a及び第 2プレート226aを有する。第1プレート224a及び 2プレート226aは、互いに拡散接合、レーザ溶 接又はろう付け等により接合される。

 第1プレート224aは、略平板状に形成され とともに、積層方向(矢印A方向)に沿って燃 ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔40 が形成される第1燃料ガス供給部228を有する この第1燃料ガス供給部228から外方に延在す 2つの第1橋架部230a、230bを介して第1挟持部23 2a、232bが一体に設けられる。

 第1挟持部232a、232bは、電解質・電極接合 36と略同一寸法に設定されるとともに、前 第1挟持部232a、232bのアノード電極34に接する 面には、それぞれ複数の突起部234a、234bが設 られる。突起部234a、234bは、アノード電極34 の電極面に沿って燃料ガスを供給するための 燃料ガス通路52a、52bを形成するとともに、集 電機能を有する。第1挟持部232a、232bの略中央 部には、アノード電極34の略中央部に向かっ 燃料ガスを供給するための燃料ガス導入口4 8a、48bが形成される。

 第2プレート226aは、燃料ガス供給連通孔40 が形成される第2燃料ガス供給部236を有する この第2燃料ガス供給部236から外方に延在す 2つの第2橋架部238a、238bを介して第2挟持部24 0a、240bが一体に設けられる。第2プレート226a 外周を周回して第1プレート224a側に突出す 周回突起部242が設けられ、この周回突起部24 2に前記第1プレート224aが接合される。

 第2燃料ガス供給部236、第2橋架部238a、238b 及び第2挟持部240a、240bの第1プレート224aに向 う面には、前記第1プレート224aに接して積 方向の荷重に対する潰れ防止機能を有する 数の突起部243が形成される。

 第1及び第2橋架部230a、238a間と第1及び第2 架部230b、238b間には、燃料ガス供給連通孔40 に連通する燃料ガス供給通路65a、65bが形成さ れる。燃料ガス供給通路65a、65bは、第1及び 2挟持部232a、240a間と第1及び第2挟持部232b、24 0b間に形成される燃料ガス充填室248a、248bを して燃料ガス導入口48a、48bに連通する。

 第2セパレータ222bは、第1セパレータ222aと 同一形状に構成されており、第1プレート224a び第2プレート226aに対応する第1プレート224b 及び第2プレート226bを有する。第1及び第2プ ート224b、226bは、積層方向に沿って酸化剤ガ スを供給するための酸化剤ガス供給連通孔68a が形成される第1及び第2酸化剤ガス供給部250 252を有する。

 第1及び第2プレート224b、226bは、第1及び 2酸化剤ガス供給部250、252から外方に突出す 2つの第1橋架部254a、254b及び第2橋架部256a、2 56bを介して第1挟持部258a、258b及び第2挟持部26 0a、260bが一体に設けられる。

 第1挟持部258a、258bのカソード電極32に接 する面には、複数の突起部234a、234bを介し前 記カソード電極32の電極面に沿って酸化剤ガ を供給するための酸化剤ガス通路56a、56bが 成される。第1挟持部258a、258bの略中央部に 、カソード電極32の略中央部に向かって酸 剤ガスを供給するための酸化剤ガス導入口16 4a、164bが形成される。

 第2プレート226b内には、第1プレート224bが 接合されることにより酸化剤ガス供給連通孔 68aに連通する酸化剤ガス供給通路182a、182bが 第1橋架部254a、254bと第2橋架部256a、256bとの に対応して形成される。

 第2挟持部260a、260b内には、酸化剤ガス供 連通孔68aと酸化剤ガス供給通路182a、182bを して連通する酸化剤ガス充填室266a、266bが形 成される。

 図15に示すように、各燃料電池220間には 燃料ガス供給連通孔40の外周縁に対応してシ ール部材197が配置されるとともに、酸化剤ガ ス供給連通孔68aの外周縁に対応してシール部 材199が配置される。

 この燃料電池220の動作について、以下に 明する。

 燃料ガスは、積層方向(矢印A方向)に移動 ながら各燃料電池220を構成する第1セパレー タ222aに形成された燃料ガス供給通路65a、65b 導入される(図14及び図15参照)。

 燃料ガスは、燃料ガス供給通路65a、65bに って移動し、一旦、燃料ガス充填室248a、248 bに充填される。さらに、燃料ガスは、燃料 ス導入口48a、48bから燃料ガス通路52a、52bに 入される。その際、燃料ガス導入口48a、48b 、各電解質・電極接合体36のアノード電極34 略中央位置に設定されている。このため、 料ガスは、アノード電極34の略中心から燃 ガス通路52a、52bに沿って前記アノード電極34 の外周部に向かって移動する。

 一方、空気は、各燃料電池220の酸化剤ガ 供給連通孔68aに供給される。図14及び図15に 示すように、酸化剤ガス供給連通孔68aに供給 された空気は、酸化剤ガス供給通路182a、182b 沿って移動し、一旦、酸化剤ガス充填室266a 、266bに充填される。さらに、酸化剤ガスは 酸化剤ガス導入口164a、164bから酸化剤ガス通 路56a、56bに導入される。

 酸化剤ガス導入口164a、164bは、各電解質 電極接合体36のカソード電極32の略中央位置 設定されている。このため、酸化剤ガスは 酸化剤ガス通路56a、56bに沿ってカソード電 32の略中央位置から外周部に向かって移動 る。

 燃料ガス通路52a、52bを移動した使用済み 燃料ガス、及び酸化剤ガス通路56a、56bを移 した使用済みの空気は、各電解質・電極接 体36の外周部から排ガス通路70に導出され、 この排ガス通路70で混合されて比較的高温の ガスとして排出される。

 この場合、第4の実施形態では、図15に示 ように、各燃料電池220間には、燃料ガス供 連通孔40の外周縁に対応してシール部材197 配置されるとともに、酸化剤ガス供給連通 68aの外周縁に対応してシール部材199が配置 れる。従って、第4の実施形態では、上記の 3の実施形態と同様の効果が得られる。

 図16は、本発明の第5の実施形態に係る燃 電池280の分解斜視説明図である。

 燃料電池280は、2個の電解質・電極接合体 36を挟持するセパレータ282を備える。セパレ タ282は、第3の実施形態に用いられるセパレ ータ144と同様に3枚のプレート(図示せず)によ り構成される。セパレータ282は、それぞれ電 解質・電極接合体36を挟持する円板状の第1挟 持部190aと第2挟持部190bとを備える。

 第1挟持部190a及び第2挟持部190bには、橋架 部192a、192bを介して燃料ガス供給部196が連結 れるとともに、橋架部194a、194bを介して酸 剤ガス供給部198に連結される。橋架部192a、1 92b内には、燃料ガス供給通路65a、65bが形成さ れるとともに、橋架部194a、194b内には、酸化 ガス供給通路182a、182bが形成される。

 第1挟持部190aと電解質・電極接合体36との 間には、燃料ガス通路52a及び酸化剤ガス通路 56aが形成される一方、第2挟持部190bと前記電 質・電極接合体36との間には、燃料ガス通 52b及び酸化剤ガス通路56bが形成される。

 各セパレータ282では、燃料ガス供給部196 燃料ガス供給連通孔40の外周縁に対応して ール部材197が配置されるとともに、酸化剤 ス供給部198に酸化剤ガス供給連通孔68aの外 縁に対応してシール部材199が配置される。

 この第5の実施形態では、上記の各実施形 態と同様の効果を有する。

 図17は、本発明の第6の実施形態に係る燃 電池290の断面説明図である。

 燃料電池290は、1個の電解質・電極接合体 36を挟持するセパレータ292を備える。図18に すように、セパレータ292は、中央部に挟持 294を有し、前記挟持部294の対角位置には、 れぞれ橋架部296a、296bを介して燃料ガス供給 部298及び酸化剤ガス供給部300が一体成形され る。

 燃料ガス供給部298に設けられる燃料ガス 給連通孔40は、燃料ガス供給通路65を介して 挟持部294の略中央部に設けられる燃料ガス導 入口48に連通する。酸化剤ガス供給部300に設 られる酸化剤ガス供給連通孔68aは、酸化剤 ス供給通路182を介して挟持部294の略中央部 設けられる酸化剤ガス導入口164に連通する

 図17に示すように、セパレータ292間には 燃料ガス供給連通孔40の外周縁に対応してシ ール部材197が配置されるとともに、酸化剤ガ ス供給連通孔68aの外周縁に対応してシール部 材199が配置される。

 この第6の実施形態では、上記の各実施形 態と同様の効果が得られる。

 図19は、本発明の第7の実施形態に係る燃 電池310の断面説明図である。

 燃料電池310は、1個の電解質・電極接合体 312をセパレータ314で挟持する。電解質・電極 接合体312は、電解質層316をカソード電極32及 アノード電極34で挟んで構成される。電解 層316は、カソード電極32及びアノード電極34 りも大きな表面積に設定される。

 セパレータ314は、アノード電極34側の面 燃料ガス通路52を形成する一方、カソード電 極32側の面に酸化剤ガス通路56を形成する。 パレータ314とアノード電極34との間には、金 属メッシュ318が介装される。

 セパレータ314と電解質層316との間には、 料ガス供給部320を周回してシール部材322が 装されるとともに、酸化剤ガス供給部324を 回してシール部材326が介装される。シール 材322、326は、上記のシール部材66と同様に 粘土鉱物及び有機高分子が複合化された粘 膜を備える。シール部材322、326は、それぞ 所定の枚数ずつ積層される。

 従って、この第7の実施形態では、上記の 第1~第6の実施形態と同様の効果を有する。

 図20は、本発明の第8の実施形態に係る燃 電池340の断面説明図である。

 この燃料電池340は、実質的に第1の実施形 態に係る燃料電池20と同様に構成されている 、第2~第7の実施形態においても適用するこ ができる。また、以下に説明する第9の実施 形態においても同様である。

 燃料電池340は、セパレータ342を備えると もに、このセパレータ342は、燃料ガス供給 通孔40を形成する燃料ガス供給部344に前記 料ガス供給連通孔40を囲繞して積層方向に突 出する突起部346を設ける。突起部346と隣り合 う他のセパレータ342との間には、シール部材 348が介装される。

 シール部材348は、その厚さhが1mm以下で且つ 面積が0.1cm 2 以上に設定され、且つ面圧が0.1MPa~10MPaに設定 される。このシール部材348は、一方のセパレ ータ342の突起部346の頂部と他方のセパレータ 342との間に、1枚又は2枚以上積層して配置さ る。

 このように、第8の実施形態では、シール 部材348を一層薄肉化することができる。これ により、シール部材348は、燃料ガスに接する 露出面積を大幅に削減することが可能になり 、耐久性の向上が図られる。

 図21は、本発明の第9の実施形態に係る燃 電池350の断面説明図である。

 燃料電池350を構成するセパレータ342は、 料ガス供給部42にスペーサとしてリング部 352を配置し、このリング部材352の両側には 薄肉状のシール部材66a、66aが配設される。 って、シール部材66aを一層薄肉化すること でき、上記の第8の実施形態と同様の効果が られる。