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Title:
LIQUID MEDICINE DISPENSING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/060872
Kind Code:
A1
Abstract:
A liquid medicine dispensing device comprises a rotary unit (12) which rotates while holding a plurality of original drug vials (100), and a mechanism for conveying a prescription bottle (110) in the horizontal direction on the underside of the rotary unit (12). Each of the original drug vials (100) is connected with a discharge nozzle (17) to which a discharge valve (26) is attached, and an air nozzle (29) connected with a pump or an atmospheric relief valve. When liquid medicine is discharged, the prescription bottle (110) is conveyed in advance to a position directly under an original drug vial (100) required for dispensing. Under thatstate, the rotary unit (12) is turned by 180 degrees to turn over the original drug vial (100), thus opening the discharge valve (26).

Inventors:
ONO TSUYOSHI (JP)
HAMAMOTO MASANORI (JP)
KOJO YOSHIYUKI (JP)
MARUYAMA AKIHIKO (JP)
KUBONOYA HIDEAKI (JP)
MATSUMOTO KEITA (JP)
SUGIYAMA YUICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070138
Publication Date:
May 14, 2009
Filing Date:
November 05, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ALOKA CO LTD (JP)
ONO TSUYOSHI (JP)
HAMAMOTO MASANORI (JP)
KOJO YOSHIYUKI (JP)
MARUYAMA AKIHIKO (JP)
KUBONOYA HIDEAKI (JP)
MATSUMOTO KEITA (JP)
SUGIYAMA YUICHI (JP)
International Classes:
B65B43/46; A61J3/00; B65B3/10
Foreign References:
JP2007014618A2007-01-25
JPH1111589A1999-01-19
JP2007021087A2007-02-01
Other References:
See also references of EP 2208679A4
Attorney, Agent or Firm:
YOSHIDA, Kenji et al. (Kichijoji-honcho 1-chome Musashino-sh, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 1種類以上の水薬を元薬瓶から投薬瓶に吐出することで水薬を調剤する水薬調剤装置であって、
 複数の元薬瓶を所定方向に並べて保持しつつ回転することで、当該複数の元薬瓶を連動して転倒させる回転ユニットと、
 各元薬瓶に連結された吐出ノズルと、
 各吐出ノズルに設けられた開閉自在の吐出バルブと、
 回転ユニットの下側空間において投薬瓶を搬送する搬送機構と、
 投薬瓶に吐出された水薬量を検出する検出手段と、
 回転ユニット、吐出バルブ、搬送機構の駆動を制御する制御手段であって、少なくとも水薬吐出が開始されるまでに回転ユニットを回転させて吐出すべき元薬瓶を転倒させるとともに、搬送機構を駆動して投薬瓶を吐出すべき元薬瓶の真下位置に移動させた後、検出手段での検出値が目標値に達するまで吐出すべき元薬瓶に対応する吐出バルブを開放して、水薬を吐出させる制御手段と、
 を備えることを特徴とする水薬調剤装置。
 請求項1に記載の水薬調剤装置であって、
 回転ユニットは、
 固定体と、
 複数の元薬瓶を保持するとともに、固定体に対して回転自在に保持された回転体と、
 固定体と回転体との間において、回転体の回転軸とほぼ同心位置に設けられた介在体と、
 を有しており、
 一端が回転体または回転体に保持された元薬瓶に接続され、他端が固定部材に接続された線材は、介在体に巻き付けられていることを特徴とする水薬調剤装置。
 請求項1に記載の水薬調剤装置であって、さらに、
 元薬瓶に接続され、当該元薬瓶にエアを導くエアノズルと、
 エアノズルを介して元薬瓶に接続され、元薬瓶の内部を加圧するポンプと、
 を備えることを特徴とする水薬調剤装置。
 請求項3に記載の水薬調剤装置であって、
 前記ポンプは、回転ユニットの回転後に元薬瓶の内部を加圧することを特徴とする水薬調剤装置。
 請求項3に記載の水薬調剤装置であって、さらに、
 エアノズルに接続されて、水薬吐出時に開放されて、元薬瓶を大気圧開放する大気圧開放バルブを備えることを特徴とする水薬調剤装置。
 請求項5に記載の水薬調剤装置であって、さらに、
 大気圧開放バルブと元薬瓶との間に設けられ、大気圧開放バルブを通じて侵入した異物を除去するフィルタを備えることを特徴とする水薬調剤装置。
 請求項3に記載の水薬調剤装置であって、
 制御部は、検出手段での検出値が目標値に達した場合には、ポンプを駆動してバルブを減圧することで、吐出ノズルに残存した水薬を元薬瓶に戻すことを特徴とする水薬調剤装置。
 請求項1に記載の水薬調剤装置であって、
 前記検出手段は、投薬瓶が載置されるとともに、載置された投薬瓶の重量を検出する秤台を備え、
 前記搬送機構は、前記秤台ごと投薬瓶を搬送し、
 前記制御手段は、ユーザが入力した処方箋データに基づいて、搬送機構を駆動して投薬瓶を必要な水薬が吐出される吐出位置に移動させるとともに、秤台で検出された検出重量値に基づいて吐出機構の駆動を制御する、
 ことを特徴とする水薬調剤装置。
 請求項1に記載の水薬調剤装置であって、さらに、
 当該水薬調剤装置にセットされた投薬瓶の蓋の有無を検出する蓋検出手段を備えることを特徴とする水薬調剤装置。
Description:
水薬調剤装置

 本発明は、1種類以上の水薬を元薬瓶から 投薬瓶に吐出することで水薬を調剤する水薬 調剤装置に関する。

 従来から、処方箋の指示通りの分量で、 数種類の水薬を元薬瓶から投薬瓶に投入し 、水薬の調剤を行う水薬調剤装置が知られ いる。例えば、日本特許公開第2007-21087号公 報には、投薬瓶がセットされる分注位置で、 各薬瓶(元薬瓶)を転倒させることで、投薬瓶 の水薬投入を行う水薬調剤装置が開示され いる。かかる水薬調剤装置によれば、転倒 の動きで、元薬瓶の攪拌もなされるため、 切に水薬を投入できる。

 しかしながら、この日本特許公開第2007-21 087号公報では、各元薬瓶ごとに転倒機構を設 けていた。換言すれば、元薬瓶の個数分だけ 、転倒用の駆動源や伝達機構などが必要とな っていた。そのため、コスト増加や制御の複 雑化という問題を招いていた。そこで、本発 明では、より簡易な構成で適切な調剤が可能 な水薬調剤装置を提供することを目的とする 。

 本発明の水薬調剤装置は、1種類以上の水 薬を元薬瓶から投薬瓶に吐出することで水薬 を調剤する水薬調剤装置であって、複数の元 薬瓶を所定方向に並べて保持しつつ回転する ことで、当該複数の元薬瓶を連動して転倒さ せる回転ユニットと、各元薬瓶に連結された 吐出ノズルと、各吐出ノズルに設けられた開 閉自在の吐出バルブと、回転ユニットの下側 空間において投薬瓶を搬送する搬送機構と、 投薬瓶に吐出された水薬量を検出する検出手 段と、回転ユニット、吐出バルブ、搬送機構 の駆動を制御する制御手段であって、少なく とも水薬吐出が開始されるまでに回転ユニッ トを回転させて吐出すべき元薬瓶を転倒させ るとともに、搬送機構を駆動して投薬瓶を吐 出すべき元薬瓶の真下位置に移動させた後、 検出手段での検出値が目標値に達するまで吐 出すべき元薬瓶に対応する吐出バルブを開放 して、水薬を吐出させる制御手段と、を備え ることを特徴とする。

 好適な態様では、回転ユニットは、固定 と、複数の元薬瓶を保持するとともに、固 体に対して回転自在に保持された回転体と 固定体と回転体との間において、回転体の 転軸とほぼ同心位置に設けられた介在体と を有しており、一端が回転体または回転体 保持された元薬瓶に接続され、他端が固定 材に接続された線材は、介在体に巻き付け れている。

 他の好適な態様では、さらに、元薬瓶に 続され、当該元薬瓶にエアを導くエアノズ と、エアノズルを介して元薬瓶に接続され 元薬瓶の内部を加圧するポンプと、を備え 。この場合、ポンプは、回転ユニットの回 後に元薬瓶の内部を加圧することが望まし 。

 他の好適な態様では、さらに、エアノズ に接続されて、水薬吐出時に開放されて、 薬瓶を大気圧開放する大気圧開放バルブを える。この場合、さらに、大気圧開放バル と元薬瓶との間に設けられ、大気圧開放バ ブを通じて侵入した異物を除去するフィル を備えることが望ましい。

 他の好適な態様では、制御部は、検出手 での検出値が目標値に達した場合には、ポ プを駆動してバルブを減圧することで、吐 ノズルに残存した水薬を元薬瓶に戻す。

 本発明によれば、複数の元薬瓶を保持し 回転ユニットが回転することで、元薬瓶の 倒が実現されている。そのため、各元薬瓶 とに転倒のための駆動源等を設ける必要が く、より簡易な構成の水薬調剤装置を得る とができる。

本発明の実施形態である水薬調剤装置 構成を示すブロック図である。 水薬調剤装置の斜視図である。 元薬瓶の斜視図である。 元薬瓶の口部周辺の断面図である。 投薬瓶の一例を示す図である。 投薬瓶の他の一例を示す図である。 回転ユニットの斜視図である。 回転ユニットの概略分解斜視図である 保持バーを開いた状態での回転ユニッ の斜視図である。 回転ユニットの回転前の概略側面図で ある。 回転ユニットの回転後の概略側面図で ある。 回転ユニットを固定板側からみた斜視 である。 移動秤ユニットの斜視図である。 秤台の断面図である。 アダプタの斜視図である。 アダプタに大容量の投薬瓶をセット た際の様子を示す斜視図である。 アダプタに小容量の投薬瓶をセット た際の様子を示す斜視図である。 図2における概略A方向視図である。 記憶部に記憶されている特性情報テ ブルの一例を示す図である。 記憶部に記憶されている位置情報テ ブルの一例を示す図である。 回転ユニット周辺の概略上面図であ 。 図16bにおける概略B方向視図である。 水薬調剤処理の流れを示すフローチャ ートである。 水薬吐出処理の流れを示すフローチャ ートである。 水薬吐出の様子を示すイメージ図であ る。 吐出重量と経過時間との関係を示すグ ラフである。

符号の説明

 10 制御部、12 回転ユニット、14 移動秤 ニット、18 操作部、19 引出トレイ、20 ポ プ、22 記憶部、23 進退通路、24 バーコー リーダ、25 特殊キャップ、26 吐出バルブ 27 吐出ノズル、28 切替バルブ、29 エアノ ル、31 大気圧開放バルブ、32 フィルタ、34 秤台、36 XYテーブル、38 アダプタ、40 サイ ズ用センサ、42 蓋用センサ、44 回転板、46  固定板、48 回転機構、50 保持部材、52 保持 バー、54 位置用バーコード、56 レール、58  ガイド溝、66 圧縮コイルバネ、70 ロードセ 、72 カバープレート、74 昇降台、76 支柱 78 クリップ体、80 吐出入口、82 特性情報 ーブル、84 位置情報テーブル、100 元薬瓶 102 薬種類用バーコード、110 投薬瓶、R 吐 出空間、S 待機位置。

 以下、本発明の実施形態について図面を 照して説明する。図1は、本発明の実施形態 である水薬調剤装置の構成を示すブロック図 である。また、図2は、水薬調剤装置の概略 視図である。なお、図2では、見易さのため 、後述する三つの回転ユニット12のうち、 つの回転ユニット12のみを手前側に引き出し た状態を図示している。

 この水薬調剤装置は、操作部18を介して 力された処方箋データに基づいて、互いに なる1種類以上の水薬を順次、元薬瓶100から 薬瓶110に吐出し、調剤するものである。元 瓶100は、予め、水薬調剤装置に設けられた つの回転ユニット12にセットされている。 回転ユニット12は、三つの元薬瓶100を保持し つつ回転することで、当該三つの元薬瓶100を 転倒させる。そして、転倒した状態で、元薬 瓶100に接続された吐出ノズル27に設けられた 出バルブ26を開放することで、吐出ノズル27 から水薬が吐出される。

 本実施形態では、三つの回転ユニット12 、装置幅方向(図2におけるy方向)に配設され いる。また、各回転ユニット12は、三つの 薬瓶100を装置奥行き方向(図2におけるx方向) 並べて保持しているため、装置全体として 、合計九つの元薬瓶100が3×3のアレイ状に配 されていることになる。なお、各回転ユニッ ト12は、元薬瓶100の交換やメンテナンスのた に、手前側に引き出し自在となっている。 の引き出しの際、装置筐体に設置されたバ コードリーダ(図2では図示せず)が、元薬瓶1 00に付されたバーコードを読み込む。制御部 、この読み込まれた情報に基づいて、各元 瓶100の種類や位置を管理する。

 水薬が投入される投薬瓶110は、アダプタ3 8にセットされた状態で、秤台34に載置される 。アダプタ38は、投薬瓶110の上端高さを調整 るもので、昇降自在の載置台を備えている

 秤台34は、XYテーブル36に組みつけられて り、回転ユニット12の下側において、水平 動する。この秤台34には、ロードセルが組み 込まれており、上側に載置されたアダプタ38 よび投薬瓶110の重量を検出する。制御部は XYテーブルの駆動を制御して、投薬瓶110を 望の水薬を貯留した元薬瓶100の真下位置に 動させる。そして、その状態で元薬瓶100を 倒し、吐出バルブ26を開放することで、投薬 瓶110に水薬が投入される。制御部は、秤台34 設けられたロードセルでの検出値に基づい 、当該投薬瓶110に投入された水薬量を算出 る。

 なお、この投薬の際、投薬瓶110のサイズ 不適切であったり、投薬瓶110に蓋が装着さ たままであったりすると、適切な水薬調剤 できないだけでなく、元薬瓶100から吐出さ た水薬の飛散等の問題も生じる。そのため 回転ユニット12の下側空間である吐出空間 の入口近傍には、投薬瓶110のサイズを検出 るサイズ用センサ40および蓋の有無を検出す る蓋用センサ42が設けられている。以下、こ 水薬調剤装置の各部について詳説していく

[元薬瓶および投薬瓶]
 はじめに、ユーザにより水薬調剤装置にセ トされる元薬瓶100および投薬瓶110について 明する。図3aは元薬瓶100の斜視図であり、 3bは断面図である。元薬瓶100は、吐出すべき 水薬を貯留する略円筒形の容器である。元薬 瓶100のサイズは、水薬種類に関わらず、ほぼ 同一で、大径の胴部100aの上側に、小径の口 100bが接続されている。胴部100には、当該元 瓶100の種類を示す薬種類用識別子として機 する薬種類用バーコード102が貼着されてい 。

 この元薬瓶100を回転ユニット12にセット る場合、当該元薬瓶100の口部100bには、吐出 ズル27等が接続された特殊キャップ25が装着 される。特殊キャップ25は、元薬瓶口部100bに 対して、螺合により着脱自在のキャップであ る。この特殊キャップ25のうち、口部100bの上 端面との接触位置には、弾性材料からなるシ ール体25aが配置されており、元薬瓶100からの 液漏れが防止されている。また、特殊キャッ プ25の上面からは、吐出ノズル27が突出形成 れている。元薬瓶100に収容されている水薬 、この吐出ノズル27を通じて、外部に吐出さ れる。

 吐出ノズル27に隣接する位置には、エア ズル29が挿通されている。エアノズル29は、 気圧開放バルブ31を経由してポンプ20に接続 されたノズルである。このエアノズル29を通 て、元薬瓶100にエアが送りこまれる。なお このエアノズル29の下端は、元薬瓶100の底 近傍まで延びており、元薬瓶100を転倒した には、当該下端(元薬瓶が180度転倒した場合 上端になる)が水面から突出できるようにな っている。

 図4a、図4bは、投薬瓶110の一例を示す斜視 図である。投薬瓶110は、水薬調剤のために、 水薬が吐出される容器である。水薬が吐出、 調剤された投薬瓶110は、蓋(図示せず)をされ 状態で患者に渡される。ここで、この投薬 110は、調剤に必要とされる水薬の総量に応 て、様々なサイズのものが用意されている 例えば、投薬瓶110としては、30ml用、60ml用 100ml用、150ml用、200ml用のサイズのものが用 されており、その容量ごとに、全長(高さ)が 異なっている。なお、容量が同じ投薬瓶110の 場合は、全長はほぼ同じである。水薬調剤の 際、ユーザは、この様々な投薬瓶110の中から 、調剤すべき水薬総量に適した投薬瓶110を選 択し、水薬調剤装置にセットする。

[回転ユニット]
 図5は、一つの回転ユニット12の斜視図であ 。また、図6は、回転ユニット12の分解斜視 である。さらに、図7は、後述する保持バー 52を開いた状態での回転ユニット12の斜視図 ある。

 回転ユニット12は、三つの元薬瓶100を保 しつつ回転することで、当該三つの元薬瓶10 0を連動して転倒させるユニットで、元薬瓶10 0の保持手段として機能するものである。各 転ユニット12は、固定部材(装置筐体)に固着 れた固定板46と、固定板46に対して回転自在 の回転板44、および、回転板44を回転させる 転機構48などから構成される。

 回転板44は、元薬瓶100が載置される載置 44aと、当該載置面44aに対して略90度上側に延 びる立面44bと、を備えた略L字状となってい 。載置面44aの上側には、ウレタン等の弾性 料からなるカバーシート49が設けられている 。このカバーシート49には、元薬瓶100の底部 径に対応した大きさの略円形の凹部が形成 れており、当該凹部内に元薬瓶100を載置す ことで、投薬瓶110が位置決めされる。

 立面44bには、吐出ノズル27を開閉する吐 バルブ26が固着されている。この吐出バルブ 26は、制御部10により開閉制御されるピンチ ルブである。この吐出バルブ26に接続される 信号線は、回転板44の後側に引き出された後 制御部10に接続される。また、元薬瓶100か 延びるエアノズル29も、回転板44の後側に引 出された後、水薬調剤装置の上側に設置さ たポンプ20に接続される。また、立面44bに 、後述する保持バー52と協働して元薬瓶100の 落下を防止する保持部材50も形成されている この保持部材50は、ウレタン等の弾性材料 金属板で挟持したもので、立面44bのうち元 瓶100の肩部相当の高さ位置から突出形成さ ている。この保持部材50には、セットされた 元薬瓶100の口部の通過を許容する切り欠きな どが設けられており、元薬瓶100の転倒時には 、元薬瓶100の肩部に当接し、当該元薬瓶100の 落下を防止する。

 保持バー52は、ヒンジ(図示せず)を介して 回転板44の後端に装着されたもので、回転板4 4に対して開閉自在となっている。保持バー52 の先端には、回転板44に設けられた留め金に 止可能なバックル52aが設けられており、当 バックル52aを留め金に係止させることで、 鎖状態を維持できるようになっている。ま 、保持バー52のうち、回転板44との対向面に は、ウレタン等の弾性材料からなる押圧体52b が突出形成されている。この押圧体52bは、載 置面44aに載置された元薬瓶100に対応した形状 をしており、保持バー52が閉鎖状態の際には 元薬瓶100の側面を押圧できるようになって る。そして、この押圧体52bで押圧されるこ により、三つの元薬瓶100が落下や位置ズレ 防止された状態で一括して保持されること なる。

 ここで、この保持バー52は、閉鎖時にお て、元薬瓶100に貼着された薬種類用バーコ ド102を避けた高さに設置される。したがっ 、保持バー52を閉鎖したとしても、薬種類用 バーコード102は、外部に露出して視認可能な 状態となる。また、保持バー52には、下方に れ下がる三つの貼着板52cが設けられている この貼着板52cは、位置を示す位置用識別子 して機能する位置用バーコード54が貼着さ る板である。この貼着板52cは、回転板44に載 置された三つの元薬瓶100同士の間に位置する ように、一定間隔で配置されている。別の見 方をすれば、保持バー52を閉鎖した際に、元 瓶100の側面に貼着された薬種類用バーコー 102と、貼着板52cに貼着された位置用バーコ ド54と、が交互に元薬瓶100の隣接方向(図5に おけるx方向)に並ぶようになっている。装置 体に設けられたバーコードリーダ(図示せず )は、この交互に並んだ二種類のバーコード10 2,54を順次、読み込み、各元薬瓶100の種類や 置を把握するが、これについては後に詳説 る。

 この回転板44は、回転機構48により固定板 46に対して略180度回転させられる。回転機構4 8は、図6に図示するように、回転板44を回転 在に軸支する支持軸48cや、固定板46に固定設 置されたモータ48a、モータ48aの出力軸に接続 されたギア48b、回転板44に固着されるととも ギア48bに歯合するインターナルギア48d、お び、インターナルギア48dの外周囲を覆う略 筒形のカバー48eなどから構成される。制御 10は、調剤処理の進行状況に応じて、適宜 モータ48aを駆動し、回転板44を回転、ひいて は、元薬瓶100を転倒させる。

 ここで、この図6から明らかなとおり、回 転板44と固定板46との間には、回転板44の回転 軸とほぼ同心位置に設けられたカバー48eが介 在することになる。このカバー48eの外周には 、エアノズル29や吐出バルブ26から引き出さ た信号線などといった、一端が回転板44とと もに回転し、他端がポンプ20や制御部10など 固定部材に接続される線材が巻き付けられ 。この巻き付けの方向は、回転板44の回転方 向とは逆方向となっている。すなわち、回転 板44が正面向かって左回りに回転する場合、 材は右回りに巻き付けられる。このように 材をカバー48eの外周に巻き付けるのは、回 板44の回転に伴う線材の垂れや、引っ張り 防止するためである。これについて、図8a、 図8bを用いて説明する。

 図8a、図8bは、それぞれ、回転前後での回 転ユニット12の概略側面図である。回転ユニ ト12が回転すると、当然ながら、当該回転 44に載置された元薬瓶100も回転する。そして 、この元薬瓶100の回転に伴い、当該元薬瓶100 に挿通されたエアノズル29の端部位置も変化 ることになる。このときエアノズル29を、 バー48eに巻き付けていない場合には、回転 伴う端部位置の変化に追随することができ 、エアノズル29が引っ張られてしまうことに なる。もちろん、図8aにおいて符号29´で図示 するように、エアノズル29´の垂れ量を多く っておくことで、この引っ張りは防止でき 。しかし、かかるエアノズル29´の垂れは、 の線材との絡まりなどの要因となるため望 しくない。そこで、本実施形態では、エア ズル29などの線材は、カバー48eの外周囲に きつけている。これにより、回転前に、エ ノズル29などの線材が不必要に垂れることが 防止される。また、回転板44の回転に伴いエ ノズル29の端部位置が変化しても、当該変 分だけ、巻き付けが解除されるため、エア ズル29が引っ張られることもない。つまり、 エアノズル29などの線材を、略円筒形のカバ 48eに巻き付けておくことで、当該線材の垂 や引っ張りが防止される。なお、本実施形 では、カバー48eに線材を巻き付けているが 回転板44と固定板46との間において、回転板 44の回転軸とほぼ同心位置に位置する部材で れば、他の部材に線材を巻きつけてもよい

 ここで、これまで説明した回転ユニット1 2は、手前側に引き出し自在となっている。 9は、引き出されている途中の回転ユニット1 2を固定板46側から見た図である。図9に図示 るように、固定板46の背面には、装置奥行き 方向(x方向)に延びる二本のレール56が設けら ている。この二本のレールは、装置筐体に 着されたガイド溝58に挿通されており、当 ガイド溝58に沿って摺動自在となっている。 その結果、固定板46を含めた回転ユニット12 体が、装置筐体に対して進退自在となって る。

 元薬瓶100の交換等を行う場合、ユーザは 回転ユニット12を手前側に引き出し、回転 ニット12を外側に露出させる。すなわち、図 9に図示するような状態にする。そして、そ 状態で、元薬瓶100の交換などの作業を行う そして、所定の作業が完了すれば、ユーザ 、引き出した回転ユニット12を奥側に押し込 み、再び、元の位置に戻す。

 なお、装置筐体のうち、回転ユニット12 保持されている元薬瓶100に対向する位置に 、元薬瓶100や保持バー52に貼着されたバーコ ード54,102を読み取るためのバーコードリーダ 24が設置されている(図16aなど参照)。制御部10 は、このバーコードリーダ24で読み取られた に基づいて、元薬瓶100の種類や位置を管理 ているが、これについては、後に詳説する

 ところで、これまでの説明で明らかなと り、本実施形態では、複数の元薬瓶100を一 の回転ユニット12で保持し、当該回転ユニ ト12を回転させることで複数の元薬瓶100を連 動して転倒させている。換言すれば、単一の 回転機構で、複数の元薬瓶100を連動して転倒 させている。そのため、本実施形態では、日 本特許公開第2007-21087号公報に記載されてい ような従来技術に比して、元薬瓶100の転倒 要する駆動源や伝達機構の個数を低減する とができる。そして、結果として、より簡 な構成で適切な調剤処理を行うことができ 。

[吐出機構]
 次に、元薬瓶100から水薬を吐出させる吐出 構について説明する。本実施形態では、元 瓶100を転倒させ、そのときに受ける重力に り水薬を吐出させる。したがって、元薬瓶1 00を転倒させる回転ユニット12や吐出ノズル27 を開閉する吐出バルブ26は、吐出機構の一部 考えられる。また、これらの他にも、水薬 出に関する機構として、本実施形態では、 薬瓶100にエアを供給するポンプ20や、当該 ンプ20とエアノズル29とを接続するエアチュ ブ30、複数のバルブ26,28なども備えている( 1参照)。

 ポンプ20は、元薬瓶100にエアを供給して その内圧を上昇させることで、水薬の吐出 助長するものである。このポンプ20は、装置 の上部に固定設置されており、制御部10から 指示に応じて駆動される。ポンプ20に接続 れたエアチューブ30は、途中で複数に分岐し 、エアノズル29として元薬瓶100に接続される 各エアノズル29には、ポンプ20との連通状態 を許容または遮断するための切替バルブ28が けられている。水薬吐出時、制御部10は、 数の切替バルブ28の中から、所望の元薬瓶100 に対応する切替バルブ28を択一的に選択し、 放する。これにより、ポンプ20と元薬瓶100 が接続される。

 エアチューブ30には、大気圧開放バルブ31 が設けられている。この大気圧開放バルブ31 、ポンプ20より下流側、かつ、切替バルブ28 より上流側に設けられており、開放されるこ とで、ポンプ20と連通されている元薬瓶100の 圧を大気圧に戻すことができるようになっ いる。また、大気圧開放バルブ31を通じて 外気に存在する粉塵等の侵入を防止するた に、大気圧開放バルブ31と元薬瓶100との間に は、フィルタ32が設けられている。

 水薬を吐出する際、制御部10は、回転ユ ット12やポンプ20、各種バルブ26,28,31などを 動制御するが、この具体的な制御の流れに いては後に詳説する。

[移動秤ユニット]
 図10は、移動秤ユニットの斜視図である。 の移動秤ユニットは、水薬調剤装置の下部 設置されており、回転ユニット12の下側にお いて投薬瓶110を水平移動させる。この移動秤 ユニット14は、水薬調剤装置の下部において き出し自在に構成された引出トレイ19上に 成されている。したがって、引出トレイ19を 引き出すことにより、この移動秤ユニット14 、装置の外部に引き出すことができるよう なっている。そして、これにより、ユーザ 、移動秤ユニット14周辺の清掃、特に、水 が飛散等した際の清掃処理を容易にできる うになっている。

 移動秤ユニット14は、投薬瓶110が載置さ る秤台34と、当該秤台34ごと投薬瓶110を水平 動させるXYテーブル36と、に大別される。XY ーブル36は、秤台34、ひいては、秤台34に載 された投薬瓶110を水平移動させる搬送手段 して機能するもので、秤台34をx方向(奥行き 方向)に移動させるX移動機構36xと、当該x移動 機構ごと秤台34をy方向(幅方向)に移動させるY 移動機構36yと、に大別される。X移動機構36x よびY移動機構36yは、いずれも周知の公知技 により構成できるため、ここでの詳説は省 するが、各移動機構36x,36yは、例えば、駆動 源であるモータや、当該モータの駆動力を直 線運動に変換するタイミングベルトやリード スクリューなどの動力変換部材、秤台34の移 方向をガイドするガイド部材などで、構成 ることができる。

 図11は、秤台34の断面図である。秤台34は このXYテーブル36により水平方向に移送され る台で、その上には、後に詳説するアダプタ 38にセットされた投薬瓶110が載置される。こ 秤台34には、ロードセル70が組み込まれてお り、載置された投薬瓶110の重量、ひいては、 投薬瓶110に吐出された水薬量を検出する検出 手段として機能する。

 より具体的に説明すると、この秤台34は X移動機構36xに連結される連結台62を有して る。この連結台62の上面には、支持軸64と、 該支持軸64に挿通された圧縮コイルバネ66と 、が立脚設置されている。圧縮コイルバネ66 、支持軸64に挿通された基板68を付勢支持す るもので、基板68を上方向に付勢している。 板68、ひいては、当該基板68上に載置されて いるロードセル70に、下向きの過大荷重が付 された場合、例えば、秤台34に過大重量物 載置された場合、この圧縮コイルバネ66は、 圧縮変形し、当該過大荷重によるロードセル 70の故障等を防止する。

 ロードセル70は、基板68の上面に二つ設置 されており、この二つのロードセル70の上側 は、さらに、カバープレート72が載置され いる。ロードセル70は、このカバープレート 72上に載置された物の重量を検知し、その検 結果を制御部10へと通知する。制御部10は、 このロードセル70での検出値に基づいて、投 瓶110に吐出された水薬量を算出する。そし 、算出された水薬量に基づいて、吐出機構( 回転ユニット12やポンプ20など)の駆動を制御 る。具体的には、制御部10は、水薬吐出前 おける検出重量値と水薬吐出中における検 重量値との差分値を吐出重量値として算出 、当該吐出重量値が、処方箋データで指示 れた目標重量値に達した場合には、吐出機 による水薬吐出を終了させる。なお、図12で は、二つのロードセル70のみを図示している 、ロードセル70は、単一でもよいし、三つ 上設けられてもよい。

 カバープレート72は、秤台34の一番上側に 位置する部材で、アダプタ38にセットされた 薬瓶110は、このカバープレート72の上に載 される。カバープレート72は、軽量の金属板 からなる部材で、その四隅は、略コの字状に 折り曲げられている。この折り曲げ部は、カ バープレート72の外周囲に位置して、飛散し 水薬等を受け入れる溝72aとして機能する。 台34の上面には、雌ネジ(図示せず)が二つ形 成されており、投薬瓶110を保持したアダプタ 38を接続ボルト(図示せず)を介して固定でき ようになっている。

 ここで、本実施形態では、この秤台に投 瓶を載置し、この秤台ごと投薬瓶を移動さ ることで、投薬瓶を吐出位置に移動させる 換言すれば、本実施形態では、投薬瓶の上 元薬瓶を移動させるのではなく、元薬瓶の に投薬瓶を移動させている。投薬瓶および 台は、複数の元薬瓶を保持した回転ユニッ に比べると、その重量は遥かに小さい。か る重量の小さい投薬瓶側を移動させる構成 することで、投薬瓶側を移動させる従来技 に比して、各部材の移動に要する移動機構 簡易化することができ、より低コストで水 調剤装置を構成することができる。

 また、本実施形態では、水薬の吐出量を 量で取得するようにしている。そのため、 面レベルなどに基づいて水薬吐出量を検出 ていた従来に比して、より高精度での水薬 出が可能となる。すなわち、液面レベルに づく吐出量検知は、液面の揺れや、水薬に 有される気泡、さらに、温度変化に伴う体 変化の影響により誤差が生じやすい。また 量産されている投薬瓶の形状(内径など)に ラツキがあるため、液面レベルに基づいて 確な体積を検出することは困難であった。 方、重量は、液面の揺れや気泡、温度変化 どの影響は受けないため、本実施形態のよ に重量値に基づいて水薬量を検出する構成 すれば、常に、正確な吐出量を検出するこ ができる。そして、結果として、水薬調剤 精度を向上させることができる。ただし、 求される精度などによっては、投薬瓶110に 出された水薬の液面レベルなどに基づいて 出水薬量を取得するようにしてもよい。

[アダプタ]
 アダプタ38は、投薬瓶110の口部110bの高さを 定の基準高さに保った状態で保持する部材 ある。すなわち、投薬瓶110は、その容量に じて全長(高さ)が異なっている。調剤処理 、ユーザは、調剤すべき水薬の総量に応じ 、適切なサイズの投薬瓶110を選択し、これ 秤台34にセットする。このとき、秤台34の上 、直接、投薬瓶110を載置すると、当該投薬 110の容量(全長)によって、投薬瓶口部110bの さ、ひいては、吐出ノズル27と投薬瓶口部11 0bとの距離が異なってくることになる。その 果、例えば、30ml用投薬瓶のような全長が低 い投薬瓶110の場合、吐出ノズル27と、投薬瓶 部110bと、の距離が大きく離れてしまうこと になり、水薬の飛散などの問題を生じること になる。

 そこで、本実施形態では、昇降自在な昇 台74を備えたアダプタ38で投薬瓶口部110bの さを調節可能にしている。図12は、このアダ プタ38の斜視図である。また、図13aは容量が さい投薬瓶110を、図13bは容量が小さい投薬 110を、それぞれアダプタ38にセットした様 を示す斜視図である。

 アダプタ38は、投薬瓶110の容量(全長)に関 わらず、常に、投薬瓶口部110bの高さを規定 基準高さHに保ちつつ、投薬瓶110を保持する 材である。このアダプタ38は、秤台34に連結 されるベース板73と、当該ベース板73から立 する支柱76、支柱76に沿って昇降自在の昇降 74、昇降台74に載置された投薬瓶110の口部110 bを挟持するクリップ体78などを備えている。 ベース板73には、接続ボルト(図示せず)が挿 される貫通孔73aが形成されており、この接 ボルトを介して、ベース板73は、秤台34に螺 締結される。そして、これにより、ベース 73、ひいては、アダプタ38の位置が固定され る。

 ベース板73の隅部からは、支柱76が立脚さ れている。支柱76は、断面略コの字型の部材 、その側面には、昇降台74の昇降をガイド るガイド溝76a、および、昇降台74に設けられ た係止爪74aが係止される複数の被係止部75が 成されている。ガイド溝76aは、鉛直方向に びており、このガイド溝76aには、昇降台74 挿通された移動軸74bが挿入される。ガイド 76aは、移動軸74bの軸径とほぼ同等の幅を有 ており、移動軸74b、ひいては、当該移動軸74 bが挿通された昇降台74の鉛直方向への移動、 および、移動軸74bを中心とした回動、以外の 動作を規制する。

 被係止部75は、昇降台74に形成された略ク サビ型の係止爪74aが係止される部位で、係止 爪74aが挿入される溝75aと、当該溝75aの下端か ら前方に張り出した傾斜面75bと、を有してい る。傾斜面75bは、溝75aに挿入された係止爪74a の底面を支持する、換言すれば、傾斜面75bの 上に溝75aに挿入された係止爪74aの底面が載置 されるような傾斜角度となっている。そして 、この傾斜面75bによる係止爪74aの支持、換言 すれば、係止爪74aと被係止部75との係止関係 より、昇降台74の落下が防止され、昇降台74 の高さが維持される。係止爪74aと被係止部75 の係止関係は、昇降台74を、移動軸74bを中 として、その前端面を持ち上げる方向に回 させることで解除される。係止関係が解除 れると、昇降台74は、ガイド溝76aに沿った昇 降が可能となる。

 被係止部75は、昇降台74の上に設置された 投薬瓶口部110bの高さが規定の基準高さHとな 得る高さで、昇降台74を係止でき得るよう 高さに設けられている。ここで、昇降台74に 載置される投薬瓶110の全長は、容量ごとに異 なっている。したがって、載置される投薬瓶 110の容量によって、その口部110bが規定の基 高さHとなり得る昇降台74の高さは異なって る。そのため、被係止部75も、選択可能な投 薬瓶110の容量、換言すれば、投薬瓶110の全長 ごとに複数設けられている。具体的には、本 実施形態では、30ml用、60ml用、100ml用、150ml用 、200ml用の5種類の投薬瓶110が選択可能となっ ているため、被係止部75も5つ設けられている 。このうち、全長が最も低い30ml投薬瓶に対 する被係止部75が最も高い位置に設けられて おり、逆に、全長が最も高い200ml用投薬瓶に 応する被係止部75が最も低い位置に設けら ている。

 支柱76の前面には、各投薬瓶110の容量(全 )ごとに、その口部110bの高さが規定の基準 さHとなり得る昇降台74の高さを示した目盛 76bが付されている。かかる目盛り76bがある とにより、昇降台74高さの調整間違いを低減 することができる。

 昇降台74は、投薬瓶110が載置される台で その端部には、一対の係止爪74aが形成され いる。各係止爪74aは、既述の被係止部75に係 止される爪で、先端に近づくにつれ幅細とな る略クサビ型形状となっている。この係止爪 74aが、被係止部75に係止されることで昇降台7 4の落下が防止される。また、係止爪74aの近 には、ガイド溝76aに挿通される移動軸74bが 通されている。移動軸74bがガイド溝76aに挿 されることにより、昇降台74は、この移動軸 74bを中心とした回動、および、ガイド溝76aに 沿った昇降のみが許容される。

 支柱76の上端近傍には、昇降台74に載置さ れた投薬瓶110の口部110bを挟持するクリップ 78が設けられている。クリップ体78は、昇降 に載置された投薬瓶を保持する投薬瓶保持 段として機能するもので、一対の挟持片78a 、当該一対の挟持片78aを互いに近づく方向 付勢したバネ(図示せず)などで構成される このクリップ体78が、投薬瓶口部110bを挟持 ることで、投薬瓶110の転倒等が防止される

 ここで、このクリップ体78の最大開口(一 の挟持片78aの間隔)は、投薬瓶胴部110aより さくなっており、投薬瓶胴部110aは、挟持で ないようになっている。かかる構成とする とで、誤って昇降台74の高さを高めに設定 たとしても、当該誤りをユーザが容易に認 できる。例えば、全長が高めの200ml用投薬瓶 を載置する場合には、当然、昇降台74は、低 の高さに調整しておかなければならない。 かし、ユーザが誤って、昇降台74の高さを 200mlに適さない高めの位置に調整したとする 。この場合、高めの昇降台74に載置された投 瓶口部110bは、クリップ体78より上側になり クリップ体78の近傍には投薬瓶胴部110aが位 することになる。その結果、クリップ体78 投薬瓶110を挟持することはできず、投薬瓶11 0は、不安定な状態となる。かかる不安定な 態となることで、ユーザは、昇降台74の高さ の設定ミスを容易に認識することができ、昇 降台74の調整ミスを低減できる。そして、そ 結果、規定の基準高さHより高くなった投薬 瓶口部110bと、他部材との干渉等を防止でき 。

 また、これまでの説明で明らかなとおり 投薬瓶110が載置される昇降台74の高さが可 なアダプタ38を用いることにより、投薬瓶口 部110bの高さを、その容量(全長)に関わらず、 常に、規定の基準高さHに保つことができる そして、その結果、投薬瓶口部110bと吐出ノ ル27との距離が過大となって生じる水薬の 散等を防止することができる。

 なお、本実施形態では、昇降台74の高さ 段階的にのみ可変な構成としているが、当 、連続的に可変可能な構成としてもよい。 た、手動ではなく、自動、例えば、電動駆 などで昇降台74の高さが変更できるようにし てもよい。昇降台74の高さを、自動的に変更 きる構成とした場合には、例えば、ユーザ より入力された処方箋データに基づいて算 された調剤すべき水薬総量に基づいて、自 的に最適な投薬瓶110の容量を算出し、さら 、算出された投薬瓶110の容量に応じて、昇 台74を自動的に最適高さに移動させるよう してもよい。また、投薬瓶110と吐出ノズル27 との距離をアダプタ38で調整するのではなく 秤台34や回転ユニット12を昇降自在に構成し 、これらの高さを調整することで投薬瓶110と 吐出ノズル27との距離を調整するようにして よい。

[投薬瓶検査]
 次に、投薬瓶110の検査について説明する。 薬瓶110のサイズは、調剤される水薬総量に じて、適切に選択されるべきである。また 投薬瓶110は、蓋が取り外された状態でセッ されなければならない。しかしながら、人 ミスなどに起因して、間違ったサイズの投 瓶110や、蓋が装着されたままの投薬瓶110が ットされてしまう場合がある。この場合、 薬の溢れや、飛散などの問題が生じる。例 ば、200ml分の水薬の調剤を実行する際に、 って100ml用の投薬瓶110をセットすると、調剤 処理(水薬吐出処理)の途中で、当該投薬瓶110 ら水薬が溢れ出してしまう。また、蓋を装 した状態で、投薬瓶110をセットすると、当 ながら、吐出された水薬は、投薬瓶110に入 込まず、その周囲に飛散してしまう。そこ 、本実施形態では、水薬吐出の実行前に、 ットされている投薬瓶110の良否を検査する うにしている。これについて図2および図14 用いて詳説する。図14は、蓋用センサ42およ びサイズ用センサ40の設置位置を説明する図 、図2におけるA方向視図である。

 調剤処理前、秤台34は、所定の待機位置S 待機している(図2参照)。ユーザは、この待 位置Sに位置している秤台34の上に、投薬瓶1 10を保持したアダプタ38をセットする。調剤 理が開始されると、秤台34は、載置された投 薬瓶110ごと水平移動し、吐出入口80を経由し 、回転ユニット12の真下空間である吐出空 Rに進入いていく。そして、投薬瓶110を必要 元薬瓶100の真下位置へと移動させ、水薬の 出を実行させる。

 本実施形態では、この吐出空間Rと待機位 置Sとの間に位置する吐出入口80近傍に、蓋用 センサ42およびサイズ用センサ40を設け、こ 二つのセンサ42,40での検知結果に基づいて、 投薬瓶110の良否を判断している。

 蓋用センサ42は、検査用光線L1を照射し、 その検査用光線L1の反射光の状態に基づいて 物体の有無や物体までの距離などを検出す 光学センサである。この蓋用センサ42は、 14に図示するように、吐出入口80の上端、換 すれば、投薬瓶110の移動経路の真上位置に 置されている。そして、蓋用センサ42は、 の真下を通過する投薬瓶110に向かって上側 ら検査用光線L1を照射する。このとき、投薬 瓶110に蓋が装着されている場合には、当該検 査用光線L1は、蓋の表面に当接し、反射する この反射光を受光すれば、蓋用センサ42は その旨を示す電気信号を制御部10に出力する 。当該信号を受信した制御部10は、投薬瓶110 蓋が装着されていると判断する。蓋が装着 れた状態では、水薬の調剤処理は適切に実 できないため、この場合、制御部10は、エ ーを出力し、現在、実行しようとしている 剤処理を中断する。

 サイズ用センサ40(40a,40b)も、蓋用センサ42 と同様に、検査用光線L2,L3を照射し、その検 用光線L2,L3の反射光の状態に基づいて、物 の有無や物体までの距離などを検出する光 センサである。このサイズ用センサ40は、投 薬瓶110のサイズの良否判断のために設けられ ており、吐出入口80の側端、換言すれば、投 瓶110の移動経路に対して水平方向にずれた 置に設置されている。本実施形態では、サ ズ用センサ40として、二つのセンサ、すな ち、第一サイズ用センサ40aおよび第二サイ 用センサ40bを設けている。

 第一サイズ用センサ40aは、投薬瓶口部110b の高さの良否判断のために設けられているセ ンサである。この第一サイズ用センサ40aは、 アダプタ38のクリップ体78より僅かに下側の 置に検査用光線L2を照射し、そのとき得られ る反射光の状態に基づいて、投薬瓶110の口部 110bがクリップ体78近傍まで達しているか否か を検出する。検出の結果、投薬瓶口部110bが リップ体78近傍まで達していない場合、制御 部10は、本来セットされるべき投薬瓶110より さい投薬瓶110がセットされていると判断す 。この場合、制御部10は、エラーを出力し 調剤処理を終了する。

 第二サイズ用センサ40bは、昇降台74の高 の良否判断のために設けられているセンサ ある。第二サイズ用センサ40bは、アダプタ38 の昇降台74に対して検査用光線L3を照射し、 のとき、得られる反射光の状態に基づいて 降台74の高さを検出する。ここで、昇降台74 高さは、複数段階に調整可能である。その め、第二サイズ用センサ40bは、選択可能な 降台の高さの数分だけ複数設けられている 制御部10は、この第二サイズ用センサ40bで 出された昇降台74の高さが適切であるか否か を判断する。すなわち、制御部10は、予め、 ーザにより入力される処方箋データに基づ てセットすべき投薬瓶110のサイズ、および 当該投薬瓶110のサイズに対応する昇降台74 高さを目標高さとして、算出しておく。そ て、第二サイズ用センサ40bで検出された昇 台74の高さが、算出された目標高さに一致す るか否かを判断する。判断の結果、両者が一 致しない場合、制御部10は、昇降台74の高さ 不適切であると判断する。この場合、制御 10は、エラーを通知し、調剤処理を終了させ る。なお、本実施形態では、高さ可変の昇降 台74に対応するために、複数の第二サイズ用 ンサ40bを設けているが、第二サイズ用セン 40bを移動可能とすれば、第二サイズ用セン 40bは複数ではなく単一であってもよい。第 サイズ用センサ40bを単一とした場合には、 降台74の高さ検出に先立って、当該第二サ ズ用センサ40bを、処方箋データから算出さ る目標高さに移動させるようにしておけば い。

 このように、水薬の吐出に先立って、蓋 有無、および、投薬瓶のサイズの良否(口部 の高さの良否および昇降台の高さの良否)を 断することにより、不適切な投薬瓶をセッ したことにより生じる水薬の溢れや、飛散 を確実に防止できる。なお、ここで説明し 投薬瓶110の検査方法は、一例であり、適宜 変更、あるいは、省略されてもよい。

[元薬瓶管理]
 次に、この水薬調剤装置で行われている元 瓶100の管理について説明する。既述したと り、本装置では、各回転ユニット12ごとに つ、合計で九つの元薬瓶100がセットされる 記憶部22には、各水薬の特性を示す特性情報 テーブルと、この九つの元薬瓶100のセット位 置を示す位置情報テーブルと、が記憶されて いる。図15aおよび図15bは、それぞれ、特性情 報テーブル82および位置情報テーブル84の一 である。特性情報テーブル82には、各水薬の 比重や、粘性、攪拌の要否、消費期限、混在 が禁止されている水薬種類など、水薬の吐出 処理や品質管理に必要な情報が記憶されてい る。位置情報テーブル84には、元薬瓶100のセ ト位置と、当該セット位置にセットされる き水薬種類と、が対応付けられて記憶され いる。この特性情報テーブル82や位置情報 ーブル84は、ユーザが操作部18を操作するこ で作成されるようにしてもよいし、ネット ークなどを介して外部のコンピュータから 信されるようにしてもよい。

 水薬調剤処理を実行する際、制御部10は この特性情報テーブル82や、位置情報テーブ ル84を参照して、各種バルブ26,28の開閉制御 、XYテーブル36の駆動等を制御する。具体的 は、制御部10は、ユーザが入力した処方箋 ータを解釈し、調剤処理に必要な水薬種類 特定する。そして、位置情報テーブル84を参 照して、この特定された水薬が、回転ユニッ ト12にセットされているか否か、また、セッ されている場合には、各水薬の位置を確認 る。調剤に必要な水薬がセットされていな 場合、制御部10はエラーを出力し、調剤処 を中止する。一方、必要な水薬が全て、回 ユニット12にセットされている場合、制御部 10は、特性情報テーブル82に記録されている 水薬の比重に基づいて、各水薬ごとに体積 指示された目標吐出量を、重量に変換する また、必要に応じて各水薬の粘性や攪拌の 否も確認し、吐出動作の制御に利用する。

 ところで、元薬瓶100に貯留されている水 が無くなった場合や、消費期限に達した場 、ユーザは、元薬瓶100を新しい元薬瓶100に 換する。この交換の際に、元薬瓶100のセッ 位置を間違えると、正確な調剤が行えず、 きな問題となる。例えば、水薬aがセットさ れるべき右奥側に、誤って水薬bがセットさ ると、水薬aを吐出するつもりで、水薬bが吐 出されてしまうことになる。かかる元薬瓶100 のセット位置の間違いを防止するために、本 実施形態では、バーコードを利用して、各元 薬瓶100のセット位置を確認している。これに ついて図16を参照して詳説する。図16aは、進 状態における回転ユニット12周辺の概略上 図であり、図16bは、図16aにおける概略B方向 図である。

 既述したとおり、元薬瓶100の保持手段と て機能する回転ユニット12は、当該元薬瓶10 0の並び方向に進退自在となっている。元薬 100を交換する際には、この回転ユニット12を 、保持している三つの元薬瓶100全てが外部に 露出する進出位置まで進出させ、元薬瓶100を 交換する。元薬瓶100の交換が終了すれば、回 転ユニット12を退避させ、元の位置に戻す。

 この回転ユニット12が進退する進退通路23 のうち、回転ユニット12で保持された元薬瓶1 00に対向する面であって、進出状態の回転ユ ット12の後端の近傍位置(進退通路23の出口 傍位置)には、バーコードリーダ24が設置さ ている。このバーコードリーダ24は、元薬瓶 100や保持バー52の貼着板52cに貼着されたバー ード102,54を順次、読み取る読取手段として 能する。

 このバーコードリーダ24は、規定の位置 固定設置されているが、回転ユニット12の進 退動作と連動することで、単一でありながら 、複数のバーコード102,54を順次、読み取るこ とができる。すなわち、回転ユニット12が進 すると、元薬瓶100や貼着板52cに貼着された ーコード102,54が、順次、バーコードリーダ2 4の正面を通過していくことになる。この正 を通過していくバーコード102,54を順次読み ることで、固定設置された単一のバーコー リーダ24であっても、複数のバーコード102,54 を読み取ることができる。換言すれば、本実 施形態によれば、複数のバーコード102,54を読 み取るために、複数のバーコードリーダを設 けたり、単一のバーコードリーダを移動させ る移動機構を設けたりする必要がない。その 結果、比較的、簡易、かつ、安価な構成で、 元薬瓶の種類や位置に関する情報を取得する ことができる。

 制御部10は、このバーコードリーダ24での 読取結果に基づいて、各元薬瓶100に収容され ている水薬種類、および、そのセット位置を 判断する。そして、その判断結果と、記憶部 22に記憶されている位置情報テーブル84との 較に基づいて、元薬瓶100のセット位置の良 を判断する。セット位置が誤っていると判 した場合、制御部10は、エラーを通知し、再 度の元薬瓶100の交換をユーザに促す。このエ ラーの通知態様としては、様々なものが考え られるが、例えば、各回転ユニット12のカバ にLEDなどの発光体83を設けておき、元薬瓶10 0が誤ってセットされた場合には、当該発光 83を点灯させるようにしてもよい。また、別 の態様としては、表示器16aに誤ってセットさ れた元薬瓶100の位置を示す図などを表示する ようにしてもよい。いずれにしても、本実施 形態によれば、元薬瓶100をセットした時点で 、各元薬瓶100のセット位置の良否が判断され る。その結果、調剤処理の開始前に、当該調 剤に必要な水薬がセットされているか否かを 確実に判断することができる。

 なお、本実施形態では、予め記憶されて る位置情報テーブル84との比較に基づいて 元薬瓶100のセット位置の良否を判断してい が、バーコードリーダ24での読取結果に基づ いて位置情報テーブル84を修正するようにし もよい。例えば、水薬aがセットされるべき 、右奥に水薬dがセットされた場合には、エ ーを出力するのではなく、記憶部に記憶さ ている位置情報テーブル84の内容を修正する ようにしてもよい。そして、水薬調剤処理を 行なう場合には、この修正後の位置情報テー ブル84に基づいて、調剤に必要な水薬の有無 位置確認を行なうようにしてもよい。

 ところで、本実施形態では、水薬種類を す薬種類用バーコード102だけでなく、位置 示す位置用バーコード54も設けている。こ は、セットされる元薬瓶100がセット可能数 満の場合でも、確実に各元薬瓶100の位置を 握するためである。すなわち、元薬瓶100の ット可能数が三つである回転ユニット12に、 三つの元薬瓶100がセットされている場合には 、位置用バーコード54が無くても、薬種類用 ーコード102の読取順序から元薬瓶100の並び 序を判断できるため、各元薬瓶100の位置を 握できる。一方、元薬瓶100のセット可能数 三つの回転ユニット12に、一つの元薬瓶100 かセットされない場合、薬種類用バーコー 102に基づいて、当該一つの元薬瓶100の水薬 類は判断できるが、そのセット位置が、回 ユニット12の奥側なのか手前側なのか、それ とも、真ん中なのか、を判断することはでき ない。

 本実施形態では、かかる問題を解決する めに、元薬瓶100に貼着された薬種類用バー ード102だけでなく、貼着板52cに貼着された 置用バーコード54も読み取るようにしてい 。これにより、元薬瓶100のセット数がセッ 可能数未満であっても、確実に、各元薬瓶10 0のセット位置を把握することができる。

 なお、本実施形態では、水薬の種類や位 の識別子としてバーコードを利用している 、バーコードに代えて、他の識別子、例え 、ICタグなどを利用してもよい。また、こ で説明した元薬瓶100の管理方法は一例であ 、適宜、変更、あるいは、省略されてもよ 。

[調剤制御]
 次に、この水薬調剤装置を用いて、実際に 調剤処理を行う場合の流れについて説明す 。図17は、調剤処理の流れを示すフローチ ートである。調剤処理を実行する場合、ま 、ユーザは、調剤すべき水薬種類と、その 量(体積)を、処方箋データとして水薬調剤装 置に入力する(S10)。制御部10は、入力された 剤データと、記憶部22に記憶されている位置 情報テーブルと、を比較し、調剤に必要な水 薬(元薬瓶)の位置を特定する(S12)。なお、調 に必要な元薬瓶100が回転ユニット12にセット されていない場合、制御部10は、エラーを出 して、調剤処理を終了する。なお、このと 、調剤処理を終了するのではなく、調剤に 要な複数の水薬のうち、回転ユニット12に ットされている水薬に関する吐出作業のみ 実行し、セットされていない水薬に関して 手作業で行う旨のメッセージをユーザに通 するようにしてもよい。

 水薬の位置が確認できれば、続いて、制 部10は、吐出すべき水薬の目標重量を算出 る(S12)。すなわち、通常、処方箋では、調剤 する水薬の量は、体積で指示される。制御部 10は、記憶部22に記憶されている特性情報テ ブル82を参照して、体積で指示された水薬量 を重量に変換し、目標重量として記憶部22に 時記憶させる。その後、制御部10は、ユー から、調剤開始の指示がなされるまで、待 する(S14)。

 一方、ユーザは、処方箋データを入力す ば、続いて、調剤される水薬総量に応じた イズの投薬瓶110をアダプタ38にセットし、 台34に載置する。このとき、ユーザは、アダ プタ38の昇降台74の高さを、投薬瓶110の全長 応じた高さに調整し、投薬瓶110の口部110bを リップ体78で挟持させる。また、投薬瓶110 蓋は事前に取り外しておく。投薬瓶110のセ トが完了すれば、ユーザは、操作部18を操作 して、吐出処理の開始を指示する。

 この指示を受けた制御部10は、XYテーブル 36を駆動して、秤台34、ひいては、投薬瓶110 回転ユニット12の真下空間である吐出空間R で移動させる。この移動の際、投薬瓶110は 蓋用センサ42やサイズ用センサ40が設置され 吐出入口80を経由する。投薬瓶110が吐出入 80まで移動すれば、両センサ40,42は、それぞ 、検出光を投薬瓶110に向かって照射し、蓋 有無等を検出する。制御部10は、その検出 果に基づいて、投薬瓶110の良否を判断する(S 16)。すなわち、蓋用センサ42での検知結果に づいて蓋の有無を、サイズ用センサでの検 結果に基づいて投薬瓶110のサイズの良否を 断する。判断の結果、蓋が装着されている あるいは、投薬瓶110のサイズが不適である 判断した場合、制御部10は、エラーを出力 、調剤処理を終了する(S24)。

 一方、適切な投薬瓶110がセットされてい と判断した場合、制御部10は、XYテーブル36 駆動して、投薬瓶110を、調剤すべき水薬を 留した元薬瓶100の真下位置である吐出位置 で移動させる(S18)。投薬瓶110が、吐出位置 で移動すれば、各種バルブ26,28や回転ユニッ ト12等を駆動して、水薬の吐出処理を開始す (S20)。

 図18は、この吐出処理の詳細な流れを示 フローチャートである。また、図19は、吐出 処理の様子を示すイメージ図である。水薬を 吐出する場合、制御部10は、まず、大気圧開 バルブ31および吐出バルブ26を閉鎖するとと もに、当該吐出に関わる元薬瓶100に対応する 切替バルブ28を開放する(S26)。これにより、 出に関わる元薬瓶100とポンプ20とが接続され る。

 続いて、回転ユニット12に設けられた回 機構48を駆動して、回転板44を略180度回転さ 、元薬瓶100を転倒させる(S28)。この転倒に り、元薬瓶100に貯留されている水薬は、攪 される。その結果、沈殿物含有の水薬や、 重の異なる二液混合タイプの水薬のように 前の攪拌が必要な水薬も、攪拌された、換 すれば、吐出に適した状態にすることがで る。なお、当然ながら、水薬の種類によっ は、一回の転倒動作だけでは、十分に攪拌 れない場合もあり得る。その場合には、転 動作と、元薬瓶100を正姿勢に戻す復帰動作 、を繰り返し行えばよい。また、本実施形 では、投薬瓶110の移動後、換言すれば、水 を実際に吐出する直前に、元薬瓶100を転倒 せているが、この順序は逆、または、同時 あってもよい。すなわち、元薬瓶100を転倒 せた後、あるいは、転倒させている間に投 瓶110を移動させてもよい。また、転倒以外 攪拌手段(例えば振動発生手段など)を設けた 場合、あるいは、元薬瓶100に貯留されている 水薬について攪拌が不要な場合には、元薬瓶 100を回転ユニット12にセットした時点で転倒 換言すれば、元薬瓶100を常時、転倒状態で 機させるようにしてもよい。

 ここで、元薬瓶100が転倒すると、当然な ら、当該元薬瓶100に貯留されている水薬は 元薬瓶口部100b方向に移動し、元薬瓶100の底 部近傍には、空間が形成される(図19参照)。 して、元薬瓶100の底部近傍まで挿通されて るエアノズル29の先端(正姿勢では下端に相 )は、水薬の液面から突出することになる。 たがって、転倒状態においては、エアノズ 29から吐出されるエアは、空間中に放出さ ることになり、水薬中にエア放出すること より生じる気泡を防止できる。

 また、吐出ノズル27は、元薬瓶口部100bに 着された特殊キャップ25から突出形成され いる。換言すれば、吐出ノズル27は、元薬瓶 100の上端(転倒状態では下端に相当)から延び いるといえる。そのため、転倒状態におい は、水薬の残量が少なくなったとしても、 出ノズル27の先端(正姿勢では下端に相当)は 、水薬の液中に位置することになる。その結 果、貯留されている水薬量が少なくなったと しても、吐出ノズル27を通じての水薬吐出が 能となる。

 元薬瓶100が転倒すれば、続いて、制御部1 0は、ポンプ20を駆動し、元薬瓶100にエアを供 給する(S30)。このエアにより、元薬瓶100の内 は、加圧された状態となる。この加圧によ 、粘性の高い水薬であっても、容易に吐出 能となる。また、加圧することにより、転 動作時に、エアノズル29に進入した微量の 薬を、エアノズル29の外部に放出できる。な お、このときの加圧量は、吐出する水薬の粘 性等に応じて可変させてもよい。すなわち、 粘性の高い水薬は、粘性の低い水薬に比して 、吐出されづらいため、粘性の高い水薬は、 粘性の低い水薬に比して、加圧量を大きくし 、より吐出されやすい状態にするようにして もよい。なお、この加圧処理は、元薬瓶100の 転倒前に行われてもよいが、転倒動作時にエ アノズル29に水薬を放出することを考えれば 転倒後に行われるほうが望ましい。

 加圧が完了すれば、吐出ノズル27に設け れた吐出バルブ26を開放する(S32)。吐出バル 26の開放に伴い、元薬瓶100に貯留された水 が吐出ノズル27を通じて吐出される。ここで 、吐出の継続に伴い、元薬瓶100の内圧が徐々 に低下することになる。そして、当該内圧が 大気圧を下回ると、吐出動作が著しく阻害さ れることになる。そこで、吐出バルブ26の開 から、一定時間経過すれば、エアノズル29 接続された大気圧開放バルブ31を開放する。 これにより、元薬瓶100の内圧は、常時、大気 圧に保たれるため、潤滑な吐出が可能となる 。なお、この大気圧開放バルブ31を通じて侵 する粉塵等は、元薬瓶100の手前側に設けら たフィルタ32で除去される。また、本実施 態では、大気圧開放することで吐出動作の 滞を防止しているが、水薬の吐出により元 瓶100の内圧が低下したとしても、当該内圧 大気圧を下回らない程度に、目標吐出量に じて事前に十分に加圧しておくことで、吐 動作の停滞を防止するようにしてもよい。 の場合、大気圧開放を行う必要はないため 大気圧開放バルブ31やフィルタ32は省略して よい。

 吐出バルブ26の開放後、制御部10は、秤台 34に設けられたロードセル70での検出値に基 いて、水薬の吐出重量を監視する(S34)。この とき、吐出バルブ26が開放されているにも関 らず、ロードセル70での検出値が一定時間 変化しなかった場合、制御部10は、元薬瓶100 が空になったと判断する。この場合、制御部 10は、表示画面等にメッセージを表示するな して、ユーザに元薬瓶100の交換を促す。そ て、ユーザにより空になった元薬瓶が取り され、新たな元薬瓶100がセットされれば、 御部10は、再度、吐出動作を再開する。

 ロードセル70で検知される吐出重量が、 方箋データに基づいて算出された目標重量 到達すれば、吐出バルブ26を閉鎖する(S36)。 こで、吐出バルブ26は、制御部10が、当該吐 出バルブ26に対して閉鎖信号を出力すること 閉鎖されるが、この閉鎖信号は、吐出重量 目標重量に到達する前に出力される。これ 、吐出バルブ26の応答時間を考慮するため ある。これについて図20を用いて簡単に説明 する。図20は、水薬の吐出重量と経過時間と 関係を示すグラフである。

 通常、制御部10が閉鎖信号を出力してか 実際に吐出バルブ26が閉鎖されるまでの間に は、僅かな時間、いわゆる応答時間δTが存在 する。この応答時間δTの間、吐出バルブ26は 鎖されていないため、当然、水薬の吐出は 続される。したがって、吐出重量が目標重 Mpに達した時点taで、閉鎖信号を出力すると 、応答時間δTの間に吐出される水薬重量δM分 だけ余分に吐出されることになり、結果とし て、総吐出重量が目標重量を超過することに なる。

 そこで、本実施形態では、予め、吐出バ ブ26の応答時間δT、および、当該応答時間δ Tで吐出される水薬重量δMを測定しておく。 して、ロードセル70で検出される吐出重量が 、目標重量Mpから応答吐出重量δMを引いた値( Mp-δM)に達した時点tbで、閉鎖信号を出力する ようにしている。このように応答時間δTを考 慮して早めに閉鎖信号を出力することにより 、水薬吐出処理の精度をより向上できる。な お、当然であるが、吐出バルブ26の種類が同 であれば応答時間δTは、水薬種類に関わら ほぼ同じであるが、応答時間δTで吐出され 水薬重量δMは、水薬の種類、特に、粘性に って異なってくる。具体的には、粘性の低 水薬は、粘性の高い水薬に比して、応答時 δTで吐出される水薬重量δMは、大きくなる したがって、閉鎖信号を出力する際の重量 であるMp-δMは、水薬の種類に応じて異なら ることが望ましい。なお、当然ながら、要 される精度によっては、吐出重量が目標重 に達した時点で閉鎖信号を出力、換言すれ 、吐出バルブ26の応答時間δTは考慮しなく もよい。

 再び、図18を参照して、吐出処理の流れ 説明する。吐出バルブ26が閉鎖されれば、制 御部10は、ポンプ20等を駆動して、吐出ノズ 27に残存する水薬を元薬瓶100に戻す。具体的 には、大気圧開放バルブ31を閉鎖した状態で ポンプ20を駆動し、元薬瓶100の内部のエア 吸引する(S38)。これにより、元薬瓶100の内圧 が低下する。そして、その状態で、吐出バル ブ26を短時間、開放すると、内外気圧差に起 して、吐出ノズル27に残存する水薬が元薬 100の内部に退避する(S40)。その後は、吐出バ ルブ26を閉鎖し、回転ユニット12を回転させ 、元薬瓶100を正姿勢に戻す(S42)。このとき、 吐出ノズル27に残存していた水薬は、元薬瓶1 00に戻されているため、転倒時に、残存水薬 飛散等が生じることはない。

 以上の手順で、一種類の水薬の吐出動作 終了すれば、制御部10は、続いて、ステッ S22(図17参照)へ進み、全ての調剤処理が終了 たか否かを判断する。すなわち、調剤処理 は、複数種類の水薬の吐出が要求されるが この指定された全種類の水薬吐出が終了し か否かを判断する。まだ吐出されていない 薬がある場合には、ステップS18に戻り、ス ップS20の吐出処理を繰り返す。一方、指定 れた全種類の水薬吐出が終了した場合には 調剤処理は、終了となる。この場合、制御 10は、XYテーブル36を駆動して、秤台34、ひ ては、投薬瓶110を待機位置Sに戻す。

 以上の説明から明らかなとおり、本実施 態によれば、複数の元薬瓶100を連動して転 させるため、元薬瓶100の転倒に要するモー や伝達機構の個数を低減することができる そして、その結果、より簡易な構成で適切 調剤が可能となる。

 最後に、本願で開示した発明についてま める。本願では、1種類以上の水薬を元薬瓶 から投薬瓶に吐出することで水薬を調剤する 水薬調剤装置を開示した。この水薬調剤装置 は、投薬瓶が載置されるとともに載置された 投薬瓶の重量を検出する秤台と、秤台ごと投 薬瓶を搬送する搬送機構と、元薬瓶から投薬 瓶に水薬を吐出させる吐出機構と、ユーザが 入力した処方箋データに基づいて、搬送機構 を駆動して投薬瓶を必要な水薬が吐出される 吐出位置に移動させるとともに、秤台で検出 された検出重量値に基づいて吐出機構の駆動 を制御する制御部と、を備える。制御部は、 水薬の吐出前における検出重量値と現時点で の検出重量値との差分値を吐出重量値として 算出し、算出された吐出重量値に基づいて吐 出機構の駆動を制御することが望ましい。ま た、さらに、制御部が吐出機構に吐出終了を 指示する吐出終了信号を出力してから実際に 吐出機構が吐出動作を終了するまでの時間で ある応答時間中に吐出される水薬の重量値を 、応答吐出重量値として記憶する記憶手段を 備えており、制御部は、吐出重量値が、吐出 すべき水薬重量値である目標重量値から応答 吐出重量値を引いた値になった時点で、吐出 機構に吐出終了信号を出力する、ことも望ま しい。また、応答吐出重量値は、吐出される 水薬の粘性に応じて異なることが望ましい。 また、制御部は、吐出処理の実行中に、一定 時間、検出重量値が変化しなかった場合には 、元薬瓶が空になっていると判断することが 望ましい。また、秤台および搬送機構は、ユ ニット化されて引き出し自在のトレー上に設 置されていることも望ましい。また、秤台の 外周縁には、飛散した水薬を受け付ける溝部 が形成されていることが望ましい。

 また本願では、1種類以上の水薬を元薬瓶 から投薬瓶に吐出することで水薬を調剤する 水薬調剤装置も開示した。この水薬調剤装置 は、貯留している水薬の種類を示す薬種類用 識別子が付加された元薬瓶を、複数並べて保 持するとともに、この元薬瓶の並び方向に進 退自在に構成された保持手段であって、元薬 瓶のセット作業時にユーザにより規定の進出 位置まで引き出される保持手段と、保持手段 で保持される元薬瓶に対向する面のうち進出 状態の保持手段の後端近傍位置に固定設置さ れた読取手段であって、保持手段の進退動作 に伴って当該読取手段の正面まで移動してき た元薬瓶に付加された薬種類用識別子を順次 読み取る読取手段と、読取手段での読取結果 に基づいて、元薬瓶のセット位置に関する管 理を行う制御手段と、を備える。保持手段の うち各元薬瓶のセット位置近傍には、位置を 示す位置用識別情報が付加されており、読取 手段は、位置用識別子も読み取ることが望ま しい。また、位置用識別子は、当該位置用識 別子と、保持手段で保持されている元薬瓶に 付加された薬種類用識別子と、が交互に並ぶ ような位置に付加されていることが望ましい 。また、さらに、元薬瓶のセット位置を位置 情報として記憶する記憶手段を備え、制御手 段は、記憶手段に記憶されている位置情報と 、読取手段による読取結果と、の比較に基づ いて元薬瓶のセット位置の良否を判断する、 ことが望ましい。また、制御部は、セット位 置が誤っていると判断した場合には、水薬の 吐出処理の実行を禁止するとともに、当該誤 りをユーザに通知することが望ましい。

 また、本願では、1種類以上の水薬を元薬 瓶から投薬瓶に吐出することで水薬を調剤す る水薬調剤装置も開示した。この水薬調剤装 置は、当該水薬調剤装置にセットされた投薬 瓶の蓋の有無を検出する蓋検出手段を備える 。前記蓋検出手段は、投薬瓶の上側から検査 用光線を照射し、その際に得られる反射光の 状態に基づいて蓋の有無を検出する非接触セ ンサであることが望ましい。また、前記蓋検 出手段は、前記投薬瓶が、投薬瓶のセットを 受け付ける待機位置から水薬の吐出を受け付 ける吐出位置に搬送される過程で、蓋の有無 を検出することも望ましい。