Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD, MECHANISM, AND DEVICE FOR MAINTAINING INKJET HEAD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/084690
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] A method, mechanism, and device for maintaining an inkjet head, which can perform excellent application and in which ink discharge performance is recovered and come-out of a nozzle does not occur. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A maintenance method for drawing liquid by covering a nozzle of an inkjet head by a cap and generating a negative pressure, the method having a waste liquid tank for allowing the cap and negative pressure generation means to be communicated with each other, a low viscous liquid containing section communicating with the inkjet head, an ink containing section communicating with the inkjet head, and liquid selection means for allowing the inkjet head to be alternatively communicated with the low viscous liquid containing section or the ink containing section. In the maintenance method, mechanism, and device, the low viscous liquid containing section and the ink containing section are communicated with each other, a negative pressure is generated in the cap to fill the inkjet head with a low viscous liquid, and then the ink containing section and the inkjet head are communicated with each other to fill the inkjet head with ink.

Inventors:
IKUSHIMA KAZUMASA (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074905
Publication Date:
July 17, 2008
Filing Date:
December 26, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MUSASHI ENGINEERING INC (JP)
IKUSHIMA KAZUMASA (JP)
International Classes:
B41J2/175; B41J2/165
Foreign References:
JP3597346B22004-12-08
JPH02198858A1990-08-07
JPH03274166A1991-12-05
JPH05131641A1993-05-28
Attorney, Agent or Firm:
SUDO, Asako et al. (Kajino-Cho Koganei-Sh, Tokyo 02, JP)
Download PDF:
Claims:
 インクジェットヘッドの有するノズルをキャップで覆い、負圧を発生させて液体を吸引するメンテナンス方法において、
 キャップおよび負圧発生手段と連通する廃液タンクと、インクジェットヘッドと連通する低粘性液体貯留部と、インクジェットヘッドと連通するインク貯留部と、インクジェットヘッドと低粘性液体貯留部またはインク貯留部とを択一的に連通させる液体切替手段とを設け、
 低粘性液体貯留部とインクジェットヘッドとを連通させ、負圧をキャップに発生させてインクジェットヘッドに低粘性液体を充填し、続いてインク貯留部とインクジェットヘッドとを連通させてインクジェットヘッドにインクを充填することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
 前記低粘性液体が、インクの溶媒であることを特徴とする請求項1のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
 前記液体切替手段を、インクジェットヘッドの近傍に配設することを特徴とする請求項1または2のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
 インクジェットヘッドの有するノズルをキャップで覆い、負圧を発生させて液体を吸引するメンテナンス方法において、
 インクジェットヘッドと当接する弾性体からなる当接部材(21)と、当接部材が固着されるフレーム(22)と、フレーム(22)を可動自在に支持する弾性体からなる支持部材(23)とを有するキャップを設け、
 キャップとインクジェットの当接面とを密着させた状態で液体を吸引することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
 前記当接部材(21)が、ショアA硬度40~80度のゴム状弾性体で構成されることを特徴とする請求項4のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
 前記支持部材(23)が、針入度が40~80となる弾性体で構成されることを特徴とする請求項4または5のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
 インクジェットヘッドの有するノズルをキャップで覆い、負圧を発生させて液体を吸引するメンテナンス方法において、
 液体の吸引終了時に、予め設定された信号波形に基づきキャップ内の負圧を大気圧に戻すことを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
 液体の吸引終了後から塗布工程が開始されるまでの間、ノズルをキャップで覆った状態でキャップ内に液体を供給し、ノズル先端に露出したインクの乾燥を防止することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかのインクジェットヘッドのメンテナンス方法。 
 インクジェットヘッドの有するノズルをキャップで覆い、負圧を発生させて液体を吸引するメンテナンス機構であって、
 インクジェットヘッドと当接してノズルを覆うキャップと、負圧をキャップに発生させる負圧発生手段と、キャップおよび負圧発生手段と連通する廃液タンクと、キャップとインクジェットヘッドを当接ないし非当接させるキャップ開閉手段と、インクジェットヘッドと連通する低粘性液体貯留部と、インクジェットヘッドと連通するインク貯留部と、インクジェットヘッドと低粘性液体貯留部またはインク貯留部とを択一的に連通させる液体切替手段と、これらの作動を制御する制御手段とを備え、
 制御手段が、低粘性液体貯留部とインクジェットヘッドとを連通させ、負圧をキャップに発生させてインクジェットヘッドに低粘性液体を充填し、続いてインク貯留部とインクジェットヘッドとを連通させてインクジェットヘッドにインクを充填することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス機構。
 前記低粘性液体がインクの溶媒であることを特徴とする請求項9のインクジェットヘッドのメンテナンス機構。
 前記液体切替手段が、インクジェットヘッドの近傍に配設されることを特徴とする請求項9または10のインクジェットヘッドのメンテナンス機構。
 インクジェットヘッドの有するノズルをキャップで覆い、負圧を発生させて液体を吸引するメンテナンス機構であって、
 インクジェットヘッドと当接してノズルを覆うキャップと、負圧をキャップに発生させる負圧発生手段と、キャップおよび負圧発生手段と連通する廃液タンクと、キャップとインクジェットヘッドを当接ないし非当接させるキャップ開閉手段と、インクジェットヘッドと連通するインク貯留部と、これらの作動を制御する制御手段とを備え、
 前記キャップは、インクジェットヘッドと当接する弾性体からなる当接部材(21)と、当接部材が固着されるフレーム(22)と、フレーム(22)を可動自在に支持する弾性体からなる支持部材(23)とを有することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス機構。
 前記当接部材(21)が、ショアA硬度40~80度のゴム状弾性体で構成されることを特徴とする請求項12のインクジェットヘッドのメンテナンス機構。
 前記支持部材(23)が、針入度が40~80となる弾性体で構成されることを特徴とする請求項12または13のインクジェットヘッドのメンテナンス機構。
 インクジェットヘッドの有するノズルをキャップで覆い、負圧を発生させて液体を吸引するメンテナンス機構であって、
 インクジェットヘッドと当接してノズルを覆うキャップと、負圧をキャップに発生させる負圧発生手段と、キャップおよび負圧発生手段と連通する廃液タンクと、キャップとインクジェットヘッドを当接ないし非当接させるキャップ開閉手段と、インクジェットヘッドと連通するインク貯留部と、これらの作動を制御する制御手段とを備え、
 前記制御手段が、予め設定された信号波形に基づきキャップ内の負圧を大気圧に戻すよう負圧発生手段を制御することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス機構。
 キャップ内に液体を供給するための液送手段を有し、
 前記制御手段が、液体の吸引終了後から塗布工程が開始されるまでの間、ノズルをキャップで覆った状態でキャップ内に液体を供給することを特徴とする請求項9ないし15のいずれかのインクジェットヘッドのメンテナンス機構。 
 請求項9ないし16のいずれかのインクジェットヘッドのメンテナンス機構を有する装置。
Description:
インクジェットヘッドのメンテ ンス方法および機構並びに装置

 本発明は、インクカートリッジ装着・交 時にインクジェットヘッドにインクを充填 たり、印刷不良時にインクジェットヘッド 塵埃、乾燥インク、気泡等を除去(以下、「 メンテナンス」という場合がある。)するた の方法および機構並びに装置に関する。

 一般に、インクジェット記録装置には、 ンク吐出性能を維持するためにメンテナン 機構が設けられる。従来のメンテナンス機 としては、インクジェットヘッドのノズル をキャップにて被覆した後に、負圧吸引ポ プを作動させてインクジェットヘッドのノ ル面に負圧吸引力を作用させ、インクジェ トヘッド側から廃インクを回収するものが られている。

 例えば、特許文献1には、インクジェット ヘッドのノズル面を覆うキャップと、このキ ャップのインク排出口に接続チューブを介し て連通接続される負圧吸引ポンプと、この負 圧吸引ポンプに連通接続され、吸引された廃 インクを回収する廃インクタンクとを備える 構成が開示される。

 また、特許文献2に開示されるインクジェ ットプリンタは、複数のノズルを有する印字 ヘッドと、印字ヘッドの複数のノズルに共通 の開口部及び複数の吸引口を有し、開口部を ノズルの面に密着させて密閉空間を形成する キャップと、キャップの複数の吸引口を通し て複数のノズルからインクを吸引する少なく とも1個の吸引ポンプと、キャップの吸引口 び吸引ポンプを接続するインク流路とを備 、印字ヘッドのノズルよりインクを噴射し 媒体にドット印字を行い、電源投入時或い 必要時にノズルにキャップの開口部を密着 せて吸引ポンプによって吸引する構成であ 。

 また、特許文献3には、吸引キャップに複数 の吸引口を設け、各吸引口の連通路の各バル ブの開閉動作を制御することで、インク初期 導入時には全てのチャンネルにインクを適切 に充填することができ、定期パージ時には気 泡が溜まりやすいヘッド端部付近のチャンネ ルから気泡を効率良く除去することが開示さ れる。

特開平7-81089号公報

特開平7-304191号公報

特許第3800855号公報

 顔料などの固形分が含まれるインクの場合 粘度が高くインク自体の流動性が悪いので 充填にかなりの時間を要するという課題や ンテナンスのために高価なインクを多量に 費しなくてはならないという課題がある。
 また、キャップ内を負圧とする際に、ヘッ 面とキャップの密着性が悪いと、外気が混 し充分な吸引力が得られないという課題が る。
 また、メンテナンス後に、キャップ内が負 になった状態でキャップを遊離すると、キ ップ内の気圧が急激に変化し、その変化に じてヘッドの各ノズルに充填されたインク 振動するため、その時に各ノズルから空気 巻き込まれてしまい、再び気泡がヘッド内 入ってしまうという課題がある。

 本発明は、以上の技術的課題を解決し、 ンクの吐出性能を回復させノズル抜けが発 しない良好な塗布ができるインクジェット ッドのメンテナンス方法および機構並びに 置を提供することを目的とする。

 第1の発明は、インクジェットヘッドの有す るノズルをキャップで覆い、負圧を発生させ て液体を吸引するメンテナンス方法において 、キャップおよび負圧発生手段と連通する廃 液タンクと、インクジェットヘッドと連通す る低粘性液体貯留部と、インクジェットヘッ ドと連通するインク貯留部と、インクジェッ トヘッドと低粘性液体貯留部またはインク貯 留部とを択一的に連通させる液体切替手段と を設け、低粘性液体貯留部とインクジェット ヘッドとを連通させ、負圧をキャップに発生 させてインクジェットヘッドに低粘性液体を 充填し、続いてインク貯留部とインクジェッ トヘッドとを連通させてインクジェットヘッ ドにインクを充填することを特徴とするイン クジェットヘッドのメンテナンス方法である 。
 第2の発明は、第1の発明において、前記低 性液体が、インクの溶媒であることを特徴 する。
 第3の発明は、第1または2の発明において、 記液体切替手段を、インクジェットヘッド 近傍に配設することを特徴とする。

 第4の発明は、インクジェットヘッドの有す るノズルをキャップで覆い、負圧を発生させ て液体を吸引するメンテナンス方法において 、インクジェットヘッドと当接する弾性体か らなる当接部材(21)と、当接部材が固着され フレーム(22)と、フレーム(22)を可動自在に支 持する弾性体からなる支持部材(23)とを有す キャップを設け、キャップとインクジェッ の当接面とを密着させた状態で液体を吸引 ることを特徴とするインクジェットヘッド メンテナンス方法である。
 第5の発明は、第4の発明において、前記当 部材(21)が、ショアA硬度40~80度のゴム状弾性 で構成されることを特徴とする。
 第6の発明は、第4または5の発明において、 記支持部材(23)が、針入度が40~80となる弾性 で構成されることを特徴とする。

 第7の発明は、インクジェットヘッドの有す るノズルをキャップで覆い、負圧を発生させ て液体を吸引するメンテナンス方法において 、液体の吸引終了時に、予め設定された信号 波形に基づきキャップ内の負圧を大気圧に戻 すことを特徴とするインクジェットヘッドの メンテナンス方法である。
 第8の発明は、第1ないしい7のずれかの発明 おいて、液体の吸引終了後から塗布工程が 始されるまでの間、ノズルをキャップで覆 た状態でキャップ内に液体を供給し、ノズ 先端に露出したインクの乾燥を防止するこ を特徴とする。 

 第9の発明は、インクジェットヘッドの有す るノズルをキャップで覆い、負圧を発生させ て液体を吸引するメンテナンス機構であって 、インクジェットヘッドと当接してノズルを 覆うキャップと、負圧をキャップに発生させ る負圧発生手段と、キャップおよび負圧発生 手段と連通する廃液タンクと、キャップとイ ンクジェットヘッドを当接ないし非当接させ るキャップ開閉手段と、インクジェットヘッ ドと連通する低粘性液体貯留部と、インクジ ェットヘッドと連通するインク貯留部と、イ ンクジェットヘッドと低粘性液体貯留部また はインク貯留部とを択一的に連通させる液体 切替手段と、これらの作動を制御する制御手 段とを備え、制御手段が、低粘性液体貯留部 とインクジェットヘッドとを連通させ、負圧 をキャップに発生させてインクジェットヘッ ドに低粘性液体を充填し、続いてインク貯留 部とインクジェットヘッドとを連通させてイ ンクジェットヘッドにインクを充填すること を特徴とするインクジェットヘッドのメンテ ナンス機構である。
 第10の発明は、第9の発明において、前記低 性液体がインクの溶媒であることを特徴と る。
 第11の発明は、第9または10の発明において 前記液体切替手段が、インクジェットヘッ の近傍に配設されることを特徴とする。

 第12の発明は、インクジェットヘッドの有 るノズルをキャップで覆い、負圧を発生さ て液体を吸引するメンテナンス機構であっ 、インクジェットヘッドと当接してノズル 覆うキャップと、負圧をキャップに発生さ る負圧発生手段と、キャップおよび負圧発 手段と連通する廃液タンクと、キャップと ンクジェットヘッドを当接ないし非当接さ るキャップ開閉手段と、インクジェットヘ ドと連通するインク貯留部と、これらの作 を制御する制御手段とを備え、前記キャッ は、インクジェットヘッドと当接する弾性 からなる当接部材(21)と、当接部材が固着さ るフレーム(22)と、フレーム(22)を可動自在 支持する弾性体からなる支持部材(23)とを有 ることを特徴とするインクジェットヘッド メンテナンス機構である。
 第13の発明は、第12の発明において、前記当 接部材(21)が、ショアA硬度40~80度のゴム状弾 体で構成されることを特徴とする。
 第14の発明は、第12または13の発明において 前記支持部材(23)が、針入度が40~80となる弾 体で構成されることを特徴とする。

 第15の発明は、インクジェットヘッドの有 るノズルをキャップで覆い、負圧を発生さ て液体を吸引するメンテナンス機構であっ 、インクジェットヘッドと当接してノズル 覆うキャップと、負圧をキャップに発生さ る負圧発生手段と、キャップおよび負圧発 手段と連通する廃液タンクと、キャップと ンクジェットヘッドを当接ないし非当接さ るキャップ開閉手段と、インクジェットヘ ドと連通するインク貯留部と、これらの作 を制御する制御手段とを備え、前記制御手 が、予め設定された信号波形に基づきキャ プ内の負圧を大気圧に戻すよう負圧発生手 を制御することを特徴とするインクジェッ ヘッドのメンテナンス機構である。
 第16の発明は、第9ないし15のいずれかの発 において、キャップ内に液体を供給するた の液送手段を有し、前記制御手段が、液体 吸引終了後から塗布工程が開始されるまで 間、ノズルをキャップで覆った状態でキャ プ内に液体を供給することを特徴とする。 

 第17の発明は、第9ないし16のいずれかの 明に係るインクジェットヘッドのメンテナ ス機構を有する装置である。

 本発明によれば、気泡を混入することなく インクの充填を行うことができる。
 また、メンテナンスに伴うインクの消費量 削減することができ、しかもメンテナンス 要する時間を短縮することができる。

実施例1に係るメンテナンス機構の構成 図である。 透過的に示したキャップの構成図であ 。 実施例1に係る機器類から出力される信 号波形である。 実施例1の充填フローである。 実施例2に係るメンテナンス機構の構成 図である。 実施例2に係るメンテナンス機構を搭載 した卓上型インクジェット塗布装置の概略斜 視図である。

符号の説明

 図面に用いた主な符号の凡例を以下に示す
 1 インクジェットヘッド/2 キャップ/3 キ ップ開閉手段/4 液体切替手段/5 負圧発生手 段/6 ノズル/9 連通部材/11 第1のタンク/12  2のタンク/13 第3のタンク/14 廃液タンク/15  信号発生手段/16 (負圧用)圧力供給ポンプ/17  (正圧用)圧力供給ポンプ/18 再供給タンク/21  当接部材/22 フレーム/23 支持柱/24 取付部材 /25 貫通穴/26 継手/31 インク/32 低粘性液体/ 33 溶解液/34 廃液/41 第1のバルブ/42 第2のバ ルブ/43 第3のバルブ/44 第4のバルブ/45 第5の バルブ/51 レギュレータ/52 エジェクタ/53 消 音器/61 ワークテーブル/62 ビーム/63 X方向 動手段/64 Z方向移動手段/67 電源スイッチ/68  通信用コネクタ

 本発明のメンテナンス機構は、種々のイン ジェット記録に用いることができるが、以 では、インクジェットプリンタを例に、本 明を実施するための最良の形態を説明する
 本発明のメンテナンス機構は、インクカー リッジ装着・交換時にインクジェットヘッ 1にインクを充填したり、印刷不良時にイン クジェットヘッド1の塵埃、乾燥インク、気 等を除去するためのものである。インクジ ットヘッド1は、延出する円筒や平面に穿っ 孔等により構成されるノズルを単数または 数備える。
 本発明のメンテナンス機構は、液体切替手 4と、低粘性液体32を貯留する第2のタンクを 備え、液体切替手段4によりインク31と低粘性 液体32を切り替えてメンテナンスに伴う液体 充填を行うことができる。このため、イン ジェットヘッド1内にインク31を充填する前 、先に流動性の高い低粘性液体32で充填を い気泡の除去を行った後、インク31の充填を 行うことができ、これにより、インクの消費 量を削減することができるだけでなく、イン ク充填時間を短縮することできる。
 液体切替手段4は、インクジェットヘッド1 近傍に設けるのが好ましい。液体切替手段4 入口までは両方の液が入るような構成とす ことで、よりインク31の消費量を抑えるこ ができるからである。
 低粘性液体32は、低粘度・流動性が高い液 を用いることができるが、洗浄液としての 能を奏するものが好ましく、具体的には、 用するインクの固形分を取り除いた溶媒だ で構成された液体やインクを溶かす溶媒が 示される。

 一般にインクジェットプリンタに使用され インクは、染料系または顔料系に分類でき 。染料とは、キャリア媒体により分子とし 分散または溶媒和する着色剤である。キャ ア媒体は、室温で液体または固体である。 常用いられるキャリア媒体は水または水と 機共溶媒との混合物である。水を主成分と 、これに着色剤及び目詰まり防止等の目的 グリセリン等の湿潤剤を含有したものが一 的である。キャリア媒体として水が使用さ る場合、一般的にそのようなインクには耐 堅牢性が低いという欠点もある。
 顔料とは、キャリア媒体に不溶であるが、 粒子の形態で分散または懸濁しており、し しば凝集および沈澱しないように分散剤の 用により安定化されている着色剤である。 のような化合物は数多く知られており、例 ば、有機顔料やカーボンブラック等の顔料 界面活性剤や分散剤を用いて微粒子化し、 等の媒体中に分散させることで着色剤とし 用いる顔料インクなどがある。
 本発明のメンテナンス機構は、染料系また 顔料系にかかわらず、適用可能である。イ クの粘度は、数十cps程度の低粘度のものが 流であるが、飛翔吐出できるものであれば 数百cps程度の中粘度以上のものにも適用可 である。
 なお、本発明は、プリント基板における配 パターン印刷、微小部品への潤滑剤の塗布 屋外耐光性表示材料印刷、UV硬化インク印 等に用いる機能性インクにも適用可能であ 。

 また、本発明のメンテナンス機構は、外 の信号波形パターン通りの流量に調整可能 電空レギュレータ51と、その流量の値に従 て負圧を調整できるエジェクタ52とから構成 される負圧調整手段5を備える。従来のメン ナンス機構は、キャップ2内の負圧を急激に 気圧に戻すものであったため、ノズル6から 排出されるインク31の流れも急激に停止し、 ズル6先端のメニスカス(液体架橋)が激しく 動され、このときに流路に気泡が発生(再混 入)してしまったが、本発明では、キャップ2 の負圧を所望の波形信号で大気圧に戻すこ ができるため、ノズル6先端のメニスカスに 振動を与えず、気泡の再混入を防止すること ができる。

 ところで、インク31の充填を負圧で行う場 、インクジェットヘッド1のヘッド面とキャ プ2の密着性が重要である。キャップ2の当 部材21を高硬度の弾性体で構成することで、 密着性を向上させることができるが、高硬度 の弾性体で構成した場合、ヘッド面とキャッ プ2の傾きが大きいと隙間が生ずるという問 がある。一方で、キャップ2の当接部材21の 度を軟らかくすると、負圧力に負けて当接 材21に変形が生じ隙間が生じてしまう。
 そこで、本発明では、ヘッド面の傾きに追 できるような構造とすることで、キャップ2 の密着性および密封性を確実なものとするこ とを可能とした。すなわち、ヘッド面と当接 する当接部材21は硬化な弾性体で構成するこ で密着性を高め、当接部材21(およびフレー 22)を支持する支持部材23に軟化な弾性体で 持することで、ヘッド面の傾きに追従でき ような自由度を持たせ、密封性を維持する とを可能とした。

 以下では、本発明の詳細を実施例により 明するが、本発明はこれらの実施例によっ 何ら限定されるものではない。

 図1は、本実施例のインクジェット塗布装置 のメンテナンス機構の構成図である。
 インクジェットヘッド1は、複数のノズル6 有し、連通部材9により連通された第1のタン ク11に貯留されるインク31を吐出して印字等 行うものである。インクジェットヘッド1の ンテナンスは、ノズル6をキャップ2で覆い キャップ2内に負圧を発生させ、吸引したイ ク等をキャップ2と連通部材9により連通さ る廃液タンク14に排出することにより行う。 キャップ2とインクジェットヘッド1との当接 、キャップ開閉手段3により自動的に行われ る。キャップ開閉手段3は、インクジェット ッド1を相対動させるものでもよいし、キャ プ2を相対動させるものでもよい。なお、産 業分野によっては、キャップ2を手動で開閉 るよう構成してもよい。

 本実施例のメンテナンス機構は、上記公 の構成に、インクジェットヘッド1と連通部 材9により連通された第2のタンク12と、イン ジェットヘッド1と第1のタンク11または第2の タンク12との連通を択一的に切り替える液体 替手段4とを付加したものである。第2のタ ク12には、メンテナンス開始時に最初に流入 される低粘性液体32が貯留されている。本実 例においては、低粘性液体32に、インク31を 溶かす溶媒(洗浄液)を用いた。これにより、 ンク31が流路内で固結している場合でも溶 することができる。

 また、図2に示すとおり、本実施例のキャッ プ2は、ヘッド面の傾きに追従できるような 由度を持たせることが可能となるよう構成 れている。
 ヘッド面と当接する当接部材21は硬化な弾 体であるショアA硬度40~80度(好ましくは50~70 )(JIS K 6253規格)のゴムで構成され、フレー 22の上面に接着またはネジ留め等で装着され る。
 フレーム22は、接着またはネジ留め等で固 された軟化な弾性部材(例えば、ゴムまたは ネ)で構成された支持部材23により支持され 。支持部材23は、インクジェットヘッド1の ズル面の取り付け誤差(3次元的な傾き)に対 て追従可能とすべく、針入度が40~80(好まし は50~70度)のものがよい。支持部材23は、板 の取付部材24に固着される。フレーム22の底 部には、少なくとも一つ以上の吸引用の貫 穴25と連通部材9を接続可能な継手26が配設 れる。
 以上のように構成される本実施例のキャッ 2によれば、ノズル面の傾きに影響されるこ となく、完全な密着性および密封性を確保す ることができる。

 本実施例の負圧発生手段5は、信号発生手段 15と、圧力供給ポンプ16と、レギュレータ51と 、エジェクタ52とから構成され、廃液タンク1 4を介してキャップ2に連通される。なお、負 発生手段5には、エアー音を吸収する消音器 53を付加してもよい。
 信号発生手段15は、複数のパターンの時間 電圧の信号波形を設定、登録、且つ複数の 録されたパターンからいづれか一つのパタ ンのみを選択・出力可能である。レギュレ タ51は、信号発生手段15の信号波形の電圧に じて圧力の供給が可能である。信号発生手 15は、例えばパルスジェネレータやPC等で構 成してもよい。
 エジェクタ52は、レギュレータ51から供給さ れた圧力に応じて負圧を発生可能である。レ ギュレータ51およびエジェクタ52は、市販の 圧機器により構成することができる。
 レギュレータ51によりエジェクタ52により発 生する負圧を制御しなくとも、レギュレータ 51からは一定圧を保持したまま、エジェクタ5 2の廃棄側に設けた絞り弁の絞り量を調整す ことにより、負圧を制御してもよい。

 本実施例の負圧発生手段5は、キャップ2内 発生させた負圧を緩やかに大気圧に戻すこ を特徴とする。すなわち、本実施例では、 め設定された信号波形を発する信号発生手 15により、キャップ2内の負圧の変化を緩や に生じさせることで、気泡の再混入を防止 ることを可能とした。
 設定する信号波形は、キャップ2内の負圧が 緩やかに変化するものであれば、直線的であ っても曲線的であってもよいし、細かく段階 的に変化する信号波形でもよい。曲線的な波 形としては、例えば、図3に示すようなSin波 があげられる。図3(a)に示すように、信号発 手段15から出力する信号波形をSin波形をと ると、レギュレータ51から供給される圧力が 図3(b)に示すように変化し、エジェクタ52の負 圧が図3(c)のようになり、インクジェットヘ ド1のノズル6先端のメニスカスに振動を与え ることを防止することができる。

 本実施例におけるメンテナンスの手順の詳 を図4に沿って説明する。以下では、インク カートリッジ装着・交換時(初期時やインク 給時)の充填フローについて説明する。
《第1フェーズ》
 まず、インク31を連通部材9に充填する。液 切替手段4の第1のバルブ41を開、第2のバル 42を閉状態とし(STEP1)、予め設定された時間 基づいて負圧発生手段5を起動してキャップ2 内を負圧としてインク31を連結部材9へ導く(ST EP2)。負圧の発生を予め設定された時間行う とにより、インク31が連通部材9の第1のバル 41の部分まで充填される(STEP3)。ここで、予 設定された時間とは、インク31が第1のタン 11から連通部材9の第2のバルブ42に到達する での時間とする。予め設定された時間の経 後、負圧の発生を停止することにより、キ ップ2内が大気圧に戻り、吸引が停止される (STEP4)。なお、第1フェーズにおける負圧の発 の停止は、負圧の変化を緩やかに生じさせ ものである必要はない。
《第2フェーズ》
 次に、低粘性液体32をノズル6に充填する。 体切替手段4の第1のバルブ41を開、第2のバ ブ42閉状態とし(STEP5)、予め設定された時間 基づいて負圧発生手段5を起動してキャップ2 内を負圧として低粘性液体32の充填を行う(STE P6)。負圧の発生を予め設定された時間行うこ とにより、インク31が連通部材9に充填された 後、インクジェットヘッド1に充填される(STEP 7)。ここで、予め設定された時間とは、低粘 液体32がノズル6の先端から確実に排出され 時間とする。予め設定された時間の経過後 負圧の発生を停止することにより、キャッ 2内が大気圧に戻り、吸引が停止される(STEP8 )。なお、第2フェーズにおける負圧の発生の 止は、負圧の変化を緩やかに生じさせるも である必要はない。
《第3フェーズ》
 最後に、インク31をノズル6に充填する。液 切替手段4の第1のバルブ41を閉、第2のバル 42を開状態とし(STEP9)、予め設定された時間 信号波形に基づいて負圧発生手段5を起動し キャップ2内を負圧として第1のバルブ41まで 充填されたインク31をインクジェットヘッド1 へ導く(STEP10)。負圧の発生を予め設定された 間行うことにより、インク31がインクジェ トヘッド1に充填される(STEP11)。ここで、予 設定された時間とは、インク31がノズル6の 端から確実に排出される時間とする。予め 定された時間の経過後、予め設定された信 波形に基づいて負圧の発生を緩やかに停止 ることにより、キャップ2内が緩やかに大気 に戻り、吸引が停止される(STEP12)。ここで 予め設定された信号波形としては、上述のSi n波形が開示されるが、これに限定されない

 以上の手順を経ることにより、第1フェーズ で第1のタンク11と第1のバルブ41の間の気泡を 追い込み、第2フェーズで低粘性液体32により 第2のタンクとノズル6の間の気泡を排出し、 3フェーズでインクを充填し、予め設定され た信号波形に基づいて負圧を解放することに より、気泡を残留することなく、インクジェ ットヘッド1にインク31を充填することができ る。
 なお、インクカートリッジ装着・交換時以 の場合におけるメンテナンスは、第1フェー ズが不要なので、第2および第3フェーズのみ 行えばよい。インクカートリッジ装着・交 時は、液体切替手段4までインクが到達して いないと気泡がインクジェットヘッド1に充 されてしまうため、第1フェーズが必要とな 。

 図5は、本実施例のメンテナンス機構の構成 図であり、図6は、本実施例のメンテナンス 構を搭載した卓上型インクジェット塗布装 の概略斜視図である。
 本実施例の装置は、図6に示すように、Y方 に並んだ3つのインクジェットヘッド1がZ方 移動手段64に配設されている。ワークテーブ ル61は、Y方向に移動自在であり、Z方向移動 段64は、ビーム62に設けられたX方向移動手段 63によりX方向に移動自在である。3つのキャ プ2は、インクジェットヘッド1と対向する間 隔で配設されている。図6中、符号11はインク 31が貯留された第1のタンクであり、符号12は 粘性液体32が貯留された第2のタンクであり 符号13は溶解液33が貯留された第3のタンク ある。なお、図6においては、廃液タンク14 再供給用タンク18、電機系の配線、および液 送系の配管は省略している。

 本実施例のメンテナンス機構と、実施例1と の構成上の主な相違点は、第3のタンク13を有 する点と、再供給タンク18を有する点である
 本実施例のメンテナンス機構が有する第3の タンク13には、溶解液33が貯留される。溶解 33は、空気がとけ込みやすく、廉価な材料で あって、本実施例ではアンモニア水を用いて いる。

 再供給タンク18は、低粘性液体32をキャップ 2に再供給するためのものである。キャップ2 低粘性液体32を再供給することの意義は、 ズル6の先端に露出するインク31の蒸発を防 ことにある。メンテナンス工程の終了後、 布工程が開始するまでの間もインク31は蒸発 する。インク31が蒸発すると、インク31が増 し、吐出量および着弾位置の精度が低下す こととなり、増粘が進むとインク31が飛翔し なくなってしまう。そのため、インク31の蒸 を防ぐためにはキャップ2をインクジェット ヘッド1に当接した状態としておくことが好 しいが、これだけではインク31の蒸発を充分 に防止することができない場合がある。そこ で、ノズル6と対向するキャップ2の凹部に低 性液体32が溜まった状態としておくことで インク31の蒸発をより効果的に防ぐことを可 能としたのである。低粘性液体32の供給は、 力供給ポンプ17により、再供給用タンク18に 正圧をかけることにより行われる。
 なお、本実施例では蒸発防止のために低粘 液体32を供給しているが、水を主成分とし キャップ2内に残留しない液体であれば、同 の効果を奏することができる。

 本実施例におけるメンテナンスの手順は、 ず溶解液33をインクジェットヘッド1に充填 、次に低粘性液体32を充填し、最後にイン 31を充填することにより行われる。
 負圧により吸引された液体は、廃液タンク1 4と再供給用タンク18に分別される。すなわち 、インク31および溶解液33は廃液タンク14に排 出され、低粘性液体32は再供給タンク18に排 される。
 以上のように構成される本実施例のメンテ ンス機構を備える卓上型インクジェット塗 装置は、実施例1における効果に加え、メン テナンス工程の終了後から塗布工程が開始す るまでの間のインク31の蒸発を確実に防止す 効果を奏する。

 本発明はインクジェットプリンタに限らず 精密噴霧・注入装置(コーティング装置含む )、精密塗布装置等種々のインクジェット記 に適用することができる。インクジェット パターニング、例えば、有機ELディスプレイ パネルや大型カラーパネルの印刷、産業用マ ーキング等用の塗布装置・描画装置・印刷装 置への適用も可能である。
 インクジェット記録方法についてもピエゾ 等の機械変換方式、抵抗発熱ジェット式等 気泡発生方式にかかわらず、適用すること 可能である。
 また、レンズ製造業界におけるレンズの着 工程での利用、大型印刷業界におけるポス ーや建材加飾での利用も可能である。




 
Previous Patent: NONCONTACT IC MEDIUM

Next Patent: INKJET RECORDING APPARATUS