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Title:
PROCESS FOR PRODUCING LAMINATE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041154
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a process for producing a laminate, which can simply and stably produce a laminate comprising an optically anisotropic film free from uneven volatilization and uneven coating, having no significant variation in transmittance (not more than 5%) and having a high dichroic ratio (not less than 20). A coating liquid which undergoes a reduction in viscosity with increasing shear rate (thixotropic properties) is provided. When the coating liquid is coated onto a substrate, a high shear rate is applied to the coating liquid to reduce the viscosity of the coating liquid to prevent uneven coating. In this case, since the coating liquid is not excessively diluted to reduce the viscosity, uneven volatilization is less likely to take place. The coating liquid has a concentration in such a range that develops a liquid crystal phase. Accordingly, a lyotropic liquid crystal compound contained in the coating liquid can be aligned by shear stress.

Inventors:
INOUE TETSUO (JP)
FUKUTOME YUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063438
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
July 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NITTO DENKO CORP (JP)
INOUE TETSUO (JP)
FUKUTOME YUKI (JP)
International Classes:
G02B5/30; B32B7/02; G02F1/1335; G02F1/13363
Foreign References:
JP2002277636A2002-09-25
JP2001337225A2001-12-07
JP2007093938A2007-04-12
JP2007226212A2007-09-06
JP2005270775A2005-10-06
JP2005225927A2005-08-25
JP2006195360A2006-07-27
JP2003524207A2003-08-12
JP2006328157A2006-12-07
JPH08511109A1996-11-19
Attorney, Agent or Firm:
KUSUMOTO, Takayoshi et al. (Omi-Tetsudo Bldg. 5F, 4-7,Awazu-ch, Otsu-shi Shiga 32, JP)
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Claims:
 基板と前記基板上に形成・積層された光学異方膜とを備えた積層体の製造方法であって、
 コーティング液の23℃、剪断速度100秒 -1 における粘度をV 100 (23℃)、剪断速度1000秒 -1 における粘度をV 1000 (23℃)とし、V 100 (23℃)とV 1000 (23℃)の比:V 100 (23℃)/V 1000 (23℃)をチクソトロピーインデックスTiとするとき、
 リオトロピック液晶化合物と溶媒とを含み前記チクソトロピーインデックスTiが1.2以上の前記コーティング液を前記基板上に塗布し、塗布時に前記コーティング液に剪断応力を加えて前記リオトロピック液晶化合物を配向させ、前記基板上に光学異方膜を形成・積層する工程を含むことを特徴とする積層体の製造方法。
 基板と前記基板上に形成・積層された光学異方膜とを備えた積層体の製造方法であって、
 コーティング液の23℃、剪断速度100秒 -1 における粘度をV 100 (23℃)、剪断速度1000秒 -1 における粘度をV 1000 (23℃)とし、V 100 (23℃)とV 1000 (23℃)の比:V 100 (23℃)/V 1000 (23℃)をチクソトロピーインデックスTiとするとき、
 リオトロピック液晶化合物と溶媒とを含みチクソトロピーインデックスTiが1.2以上の前記コーティング液を前記基板上に塗布し、塗布後に前記コーティング液からなる塗膜に剪断応力を加えて前記リオトロピック液晶化合物を配向させ、前記基板上に光学異方膜を形成・積層する工程を含むことを特徴とする積層体の製造方法。
 前記コーティング液の23℃、剪断速度1000秒 -1 における粘度V 1000 (23℃)が10mPa・s~200mPa・sであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体の製造方法。
 前記コーティング液のV 100 (23℃)とV 1000 (23℃)の差:{V 100 (23℃)-V 1000 (23℃)}が10mPa・s以上であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の積層体の製造方法。
 前記コーティング液の塗布後に、前記塗膜を加熱乾燥する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の積層体の製造方法。
 前記加熱乾燥の場合の乾燥温度が50℃~120℃であることを特徴とする請求項5に記載の積層体の製造方法。
 前記コーティング液の全固形分濃度が12重量%~50重量%であることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の積層体の製造方法。
 乾燥後の前記塗膜すなわち光学異方膜の厚みが0.05μm~5μmであることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の積層体の製造方法。
 前記光学異方膜の二色比が波長550nmにおいて20以上であることを特徴とする請求項8に記載の積層体の製造方法。
 前記積層体の厚みが5μm~500μmであることを特徴とする請求項1~請求項9のいずれかに記載の積層体の製造方法。
 前記基板が無アルカリガラス板、または、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂のいずれかの樹脂フィルムからなることを特徴とする請求項1~請求項10のいずれかに記載の積層体の製造方法。
Description:
積層体の製造方法

 本発明は偏光膜や位相差膜として用いら る、光学異方性を有する積層体の製造方法 関する。

 液晶ディスプレイでは液晶を通過する光 の旋光性や複屈折性を制御するため偏光板 位相差板が用いられている。また有機ELデ スプレイでは外光の反射を防止するため円 光板が使用されている。

 従来これらの偏光板には、ヨウ素や二色 有機色素をポリビニルアルコール等の高分 フィルムに溶解または吸着させ、そのフィ ムを一方向に延伸することにより色素等の 子を配向させて得られる偏光子(延伸法)が く使用されてきた。しかし延伸法により製 された偏光子は、用いる色素や高分子材料 よっては耐熱性や耐光性が十分でないこと 問題となっており、また表示パネル製造時 おける膜の貼り合わせの歩留りが悪いこと 問題となっていた。さらに表示パネルの大 化にともない広幅のフィルムの延伸が必要 なるため、製膜装置が大型化することも問 となっていた。

 これに対し、液晶相を示す二色性色素を むコーティング液をガラス板や高分子フィ ムなどの基板上に剪断応力を加えながら塗 し、塗膜内の二色性色素を剪断応力により 向させて偏光膜(光学異方膜)を作製する方 (コーティング法)が知られている(特許文献1) 。コーティング法は延伸法に比べて薄型で耐 熱性に優れた偏光板が製造できるため注目さ れている。このとき二色性色素として、コー ティング液中でリオトロピック液晶相のよう な分子間相互作用による色素会合体を形成す るものを用いると、光学異方性の良好な偏光 板の得られることが知られている。

 しかしリオトロピック液晶化合物のコーテ ング液は一般に粘度が高い。このためコー ィング液を薄く塗布するとスジ状の塗布ム が発生しやすいという問題がある。コーテ ング液を希釈して粘度を低くすると塗布ム は避けられるが、溶媒の揮発量が多くなる め、揮発ムラが発生して塗膜の表面に微小 凹凸が発生しやすくなるという問題が生じ 。さらに希釈したコーティング液は液晶相 呈する濃度範囲から外れることがあるため リオトロピック液晶化合物を剪断応力によ て配向させることが難かしくなるという問 も生じる。

特開2007-61755号公報

 本発明の目的は揮発ムラおよび塗布ムラ なく、透過率のばらつきが小さく(5%以下)、 二色比の高い(20以上)光学異方膜を有する積 体を安定して製造できる製造方法を提供す ことである。

 本発明者らは従来法の問題を解決すべく 意検討したところ、剪断速度が大きいとき 粘度が小さくなる性質(チクソトロピー性) 有するコーティング液を用いることにより 均一かつ配向度の高い光学異方膜が得られ ことを見出した。すなわちチクソトロピー の大きなコーティング液であれば、基板に 布するとき大きな剪断速度を加えてコーテ ング液の粘度を小さくし、塗布ムラを防ぐ とができる。この方法はコーティング液を 度に希釈して粘度を小さくしているわけで ないため揮発ムラも生じにくい。さらにコ ティング液は液晶相を呈する濃度範囲にあ ので、コーティング液中のリオトロピック 晶化合物を剪断応力により配向させること できる。

 本発明の要旨は次のとおりである。
(1)本発明の積層体の製造方法は、基板と前記 基板上に形成・積層された光学異方膜とを備 えた積層体の製造方法であって、コーティン グ液の23℃、剪断速度100秒 -1 における粘度をV 100 (23℃)、剪断速度1000秒 -1 における粘度をV 1000 (23℃)とし、V 100 (23℃)とV 1000 (23℃)の比:V 100 (23℃)/V 1000 (23℃)をチクソトロピーインデックスTiとする とき、リオトロピック液晶化合物と溶媒とを 含み前記チクソトロピーインデックスTiが1.2 上の前記コーティング液を前記基板上に塗 し、塗布時に前記コーティング液に剪断応 を加えて前記リオトロピック液晶化合物を 向させ、前記基板上に光学異方膜を形成・ 層する工程を含むことを特徴とする。
(2)本発明の積層体の製造方法は、基板と前記 基板上に形成・積層された光学異方膜とを備 えた積層体の製造方法であって、コーティン グ液の23℃、剪断速度100秒 -1 における粘度をV 100 (23℃)、剪断速度1000秒 -1 における粘度をV 1000 (23℃)とし、V 100 (23℃)とV 1000 (23℃)の比:V 100 (23℃)/V 1000 (23℃)をチクソトロピーインデックスTiとする とき、リオトロピック液晶化合物と溶媒とを 含みチクソトロピーインデックスTiが1.2以上 前記コーティング液を前記基板上に塗布し 塗布後に前記コーティング液からなる塗膜 剪断応力を加えて前記リオトロピック液晶 合物を配向させ、前記基板上に光学異方膜 形成・積層する工程を含むことを特徴とす 。
(3)本発明の積層体の製造方法は、前記コーテ ィング液の23℃、剪断速度1000秒 -1 における粘度V 1000 (23℃)が10mPa・s~200mPa・sであることを特徴とす る。なお「mPa・s」は粘度の単位で「ミリパ カル秒」である。
(4)本発明の積層体の製造方法は、前記コーテ ィング液のV 100 (23℃)とV 1000 (23℃)の差:{V 100 (23℃)-V 1000 (23℃)}が10mPa・s以上であることを特徴とする
(5)本発明の積層体の製造方法は、前記コーテ ィング液の塗布後に、前記塗膜を加熱乾燥す る工程をさらに含むことを特徴とする。
(6)本発明の積層体の製造方法は、前記加熱乾 燥の場合の乾燥温度が50℃~120℃であることを 特徴とする。
(7)本発明の積層体の製造方法は、前記コーテ ィング液の全固形分濃度が12重量%~50重量%で ることを特徴とする。
(8)本発明の積層体の製造方法は、乾燥後の前 記塗膜すなわち光学異方膜の厚みが0.05μm~5μm であることを特徴とする。
(9)本発明の積層体の製造方法は、前記光学異 方膜の二色比が波長550nmにおいて20以上であ ことを特徴とする。
(10)本発明の積層体の製造方法は、前記積層 の厚みが5μm~500μmであることを特徴とする。
(11)本発明の積層体の製造方法は、前記基板 無アルカリガラス板、または、スチレン系 脂、(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエステル 系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ノルボルネ ン系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース系 樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリカ ーボネート系樹脂のいずれかの樹脂フィルム からなることを特徴とする。

 本発明により、揮発ムラおよび塗布ムラ 実用上なく、透過率のばらつきが小さく(5% 下)、二色比の高い(20以上)光学異方膜を有 る積層体をで安定して製造できる製造方法 提供される。

 [本発明の製造方法]
 本発明の積層体の製造方法は、基板と基板 に形成・積層された塗膜からなる光学異方 とを備えた積層体の製造方法であって、リ トロピック液晶化合物と溶媒とを含みチク トロピーインデックスTiが1.2以上のコーテ ング液を基板上に塗布し、塗布時のコーテ ング液または塗布後の塗膜に剪断応力を加 てリオトロピック液晶化合物を配向させ、 板上に光学異方膜を形成・積層する工程を むことを特徴とする。チクソトロピーイン ックスTiは、23℃、剪断速度100秒 -1 における粘度V 100 (23℃)と、剪断速度1000秒 -1 における粘度V 1000 (23℃)の比:Ti=V 100 (23℃)/V 1000 (23℃)と定義される。

 図1には(a)本発明のコーティング液と(b)従来 のコーティング液について、剪断速度(横軸) 粘度(縦軸)の関係のグラフを模式的に示す 縦軸の粘度は任意目盛りである。またコー ィング液の温度は23℃である。剪断速度1000 -1 の粘度が塗布時の粘度の目安、剪断速度100秒 -1 の粘度が乾燥時の粘度の目安である。本発明 のコーティング液(a)はチクソトロピー性を有 するため剪断速度が大きくなるほど粘度が小 さくなる。従って本発明のコーティング液に おいてはV 100 (23℃)>V 1000 (23℃)で、チクソトロピーインデックスTiは1 り大きくなる。これに対して従来のコーテ ング液(b)は剪断速度が変化しても粘度はほ んど変化しないため、チクソトロピー性を せず、チクソトロピーインデックスTiは略1.0 である。

 本発明の積層体の製造方法は、上記の工 のほかに任意の工程を含んでいてもよい。 ましくはコーティング液を塗布した後、塗 を加熱乾燥する工程をさらに含む。

 本発明による光学異方膜は層内の直交す 2方向で吸収率、屈折率などの光学的性質に 異方性を有する膜であり、直線偏光膜、円偏 光膜、位相差膜としての機能を有する。この ため本発明の積層体は、偏光膜、位相差膜に 用いられることが好ましい。

 [コーティング液の液物性]
 本発明に用いられるコーティング液はチク トロピー性を有する。チクソトロピー性は クソトロピーインデックスTiにより定量的 評価できる。チクソトロピーインデックスTi が大きいほどチクソトロピー性が大きく、チ クソトロピーインデックスTiが1に近いほどチ クソトロピー性が小さくニュートン流動性が 大きい。

 本発明に用いられるコーティング液のチ ソトロピーインデックスTiは1.2以上であり 好ましくは1.2~4.0、さらに好ましくは1.2~3.0で ある。コーティング液のチクソトロピーイン デックスTiが1.2未満の場合、剪断応力を加え もコーティング液の粘度はあまり小さくな ないので塗布ムラが生じやすく、塗布ムラ 防ぐためコーティング液を希釈して粘度を さくすると揮発ムラが生じやすくなる。逆 チクソトロピーインデックスTiが4.0を超え と、乾燥時のコーティング液の流動性が低 なりすぎて目的の厚さの均一な塗膜が得ら ないことがある。

 本発明に用いられるコーティング液のチ ソトロピーインデックスTiは、例えばコー ィング液中のリオトロピック液晶化合物の 度、リオトロピック液晶化合物に導入する 換基の種類、溶媒の種類を変化させること より、適宜増加ないし減少させることが可 である。例えばリオトロピック液晶化合物 分子量を大きくすることによりチクソトロ ーインデックスTiを増加させることができる 。あるいはポリアクリル酸やセルロース類の 化合物を添加することによってもチクソトロ ピーインデックスTiを増加させることができ 。他方、例えば溶剤にアルコール類、ピロ ドン類などの貧溶媒を用いることにより、 クソトロピーインデックスTiを減少させる とができる。あるいは特定のチクソトロピ インデックスTiを有するコーティング液を、 市販の粘度計(例えばHAAKE社製RheoStress600)を用 てチクソトロピーインデックスTiを測定し 多種のコーティング液から適宜選択するこ も可能である。

 本発明に用いられるコーティング液の23℃ 剪断速度1000秒 -1 における粘度V 1000 (23℃)は、好ましくは10mPa・s~200mPa・sであり、 さらに好ましくは20mPa・s~150mPa・sであり、特 好ましくは100mPa・s~150mPa・sである。コーテ ング液の粘度V 1000 (23℃)が10mPa・s未満の場合は、コーティング の流動性が高すぎるため、目的の厚みの塗 が得られない場合がある。他方コーティン 液の粘度V 1000 (23℃)が200mPa・sを超える場合は、コーティン 液の流動性が低すぎるためスジ状の塗布ム が発生する場合がある。コーティング液の 度V 1000 (23℃)が10mPa・s~200mPa・sの範囲であれば、リオ トロピック液晶化合物が配向するのに適度な 剪断応力が加わり、かつ均一な目的の厚みの 塗膜を得ることができる。

 本発明に用いられるコーティング液のV 100 (23℃)とV 1000 (23℃)の差、{V 100 (23℃)-V 1000 (23℃)}は、好ましくは10mPa・s以上であり、よ 好ましくは20mPa・s~200mPa・sである。{V 100 (23℃)-V 1000 (23℃)}が20mPa・s~200mPa・sのコーティング液で れば、塗布ムラと揮発ムラの両方を同時に 止することができる。

 本発明に用いられるコーティング液の全 形分濃度は特に制限はないが、好ましくは1 2重量%~50重量%であり、より好ましくは12重量% ~30重量%である。全固形分濃度が上記の範囲 あれば揮発ムラが生じにくく、安定な液晶 を示すコーティング液が得られる。

 [コーティング液の組成]
 本発明に用いられるコーティング液はリオ ロピック液晶化合物と溶媒とを含む。また ーティング液は任意の添加剤を含むことが きる。添加剤としては、例えば界面活性剤 レベリング剤、酸化防止剤、バインダー樹 、モノマー、硬化剤、可塑剤、熱安定剤、 安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、 色剤、難燃剤、帯電防止剤、相溶化剤、増 剤、カップリング剤等が挙げられる。添加 の配合量はリオトロピック液晶化合物100重 部に対し、0重量部を超え5重量部以下が適 である。溶液に界面活性剤を添加すると、 色性色素の基板表面へのぬれ性、塗工性を 上させることができる。界面活性剤として 非イオン界面活性剤が好ましい。

 [リオトロピック液晶化合物]
 本発明に用いられるリオトロピック液晶性 合物は、温度や濃度を変化させることによ 、等方相-液晶相の相転移を起す性質を持つ 液晶化合物をいう。コーティング液はこのリ オトロピック液晶化合物の作用により液晶相 を呈す。発現する液晶相には特に制限はなく 、ネマチック液晶相、スメクチック液晶相、 コレステリック液晶相などが挙げられる。好 ましくはネマチック液晶相である。これらの 液晶相は偏光顕微鏡で観察される光学模様に より確認、識別される。

 本発明に用いられるリオトロピック液晶化 物は親水性溶媒に対する溶解性を付与する め、親水性置換基を有することが好ましい 親水性置換基は、好ましくは、-COOM、-SO 3 M、-PO 3 M、-OH、-NH 2 からなる群から選択される少なくとも一種の 置換基である。Mとしては、水素イオン、Li、 Na、K、Csのような第一族金属のイオン、アン ニウムイオンなどが挙げられる。

 本発明に用いられるリオトロピック液晶 合物は、好ましくは400nm~780nmの波長域にお ていずれかの波長の光を吸収する有機化合 である。また、このリオトロピック液晶化 物の配向により得られる光学異方膜は波長55 0nmにおいて吸収二色性を示すことが好ましい 。

 本発明に用いられるリオトロピック液晶 合物としては、通常水溶性の二色性色素が いられる。本発明に用いられる二色性色素 具体例としては、アゾ系色素、アントラキ ン系色素、ペリレン系色素、インダンスロ 系色素、イミダゾール系色素、インジゴイ 系色素、オキサジン系色素、フタロシアニ 系色素、トリフェニルメタン系色素、ピラ ロン系色素、スチルベン系色素、ジフェニ メタン系色素、ナフトキノン系色素、メト アニン系色素、キノフタロン系色素、キサ テン系色素、アリザリン系色素、アクリジ 系色素、キノンイミン系色素、チアゾール 色素、メチン系色素、ニトロ系色素、ニト ソ系色素などが挙げられる。これらのなか 好ましくは、アゾ系色素、アントラキノン 色素、ペリレン系色素、インダンスロン系 素およびイミダゾール系色素である。これ は単独もしくは2種以上を混合して用いるこ とができる。黒色の偏光膜を得るためには異 なる吸収スペクトルを有する複数種が混用さ れることが好ましい。

 またこれらの二色性色素は、好ましくは、 ルホン酸基(-SO 3 H)や、カルボキシル基(-COOH)や、それらの塩、 窒素系置換基(-NH 2 、-NHR、-NR 2 、-NR 1 R 2 (ここでR、R 1 、R 2 は1価の有機基))を含む有機化合物、特に好ま しくはスルホン酸基を含む有機化合物または その塩である。二色性色素へのスルホン酸基 の導入は水への溶解性を向上させるうえで有 効である。二色性色素へ導入されるスルホン 酸基の数が多いほど水への溶解度は向上する 。このスルホン酸基の数は水への溶解度と光 学異方膜の耐水性との両立を考慮して適宜選 択される。

 さらに、本発明において用いられる二色性 素の具体例としては一般式(1)で表される化 物が挙げられる。
(クロモゲン)(SO 3 M) n  … 一般式(1)
   (nは1以上の整数、Mは陽イオンを示す)。

 一般式(1)のMとしては、水素イオン、Li、N a、K、Csのような第一族金属のイオン、アン ニウムイオンなどが好ましい。また、クロ ゲン部位としては、アゾ誘導体単位、アン ラキノン誘導体単位、ペリレン誘導体単位 イミダゾール誘導体単位、および/またはイ ダンスロン誘導体を含むものが好ましい。

 上記一般式(1)で表される二色性色素は溶 中に於いてアゾ化合物や多環式化合物構造 どのクロモゲンが疎水性部位に、スルホン 及びその塩が親水性部位となり、両者のバ ンスによって疎水性部位同士及び親水性部 同士が集まり、全体としてリオトロピック 晶を発現する。

 一般式(1)で表される二色性色素の具体例と ては、下記の式(2)~式(8)で表される化合物な どが例示される。
 式(2)中、R 1 は水素または塩素であり、R 2 は水素、アルキル基、ArNHまたはArCONHである このアルキル基としては炭素数が1~4のアル ル基が好ましく、中でもメチル基やエチル がより好ましい。アリール基(Ar)としては置 または無置換のフェニル基が好ましく、中 も無置換または4位を塩素で置換したフェニ ル基がより好ましい。またMは上記一般式(1) 同様である。
 式(3)~式(5)において、Aは、式(a)または式(b) 表されるものであり、nは2~3である。AのR 3 は水素、アルキル基、ハロゲンまたはアルコ キシ基、Arは置換または無置換のアリール基 示す。アルキル基としては炭素数が1~4のア キル基が好ましく、中でもメチル基やエチ 基がより好ましい。ハロゲンは臭素または 素が好ましい。またアルコキシ基は炭素数 1または2個のアルコキシ基が好ましく、中 もメトキシ基がより好ましい。アリール基 しては置換または無置換のフェニル基が好 しく、中でも無置換あるいは4位をメトキシ 、エトキシ基、塩素もしくはブチル基で、 たは3位をメチル基で置換したフェニル基が 好ましい。Mは上記一般式(1)と同様である。
 式(6)においてnは3~5であり、Mは上記一般式(1 )と同様である。
 式(7)においてMは上記一般式(1)と同様である 。
 式(8)においてMは上記一般式(1)と同様である 。

 上記化合物における有機化合物へのスル ン酸基の導入(スルホン化)は、例えば、有 化合物に、硫酸、クロロスルホン酸または 煙硫酸を作用させて、核の水素をスルホン に置換する方法が挙げられる。上記化合物 おける塩は酸の解離でできる水素原子が、 えば、リチウムイオン、カリウムイオン、 シウムイオン、アンモニウムイオンなどの1 のイオンで置換されたものである。

 本発明に用いられる二色性色素の他の具 例としては特開2006-047966号公報、特開2005‐2 55846号公報、特開2005-154746号公報、特開2002-090 526号公報、特表平8-511109号公報、特表平2004-52 8603号公報に記載の二色性色素が挙げられる

 本発明には市販の二色性色素を用いるこ もできる。この例としては、C.I. DirectB67、D SCG(INTAL)、RU31.156、Metyl orange、AH6556、Sirius Sup ra Blown RLL、Benzopurpurin、Copper-tetoracarboxyphthalo cyanine、Acid Red 266、Cyanine Dye、Violet 20、Peryl enebiscarboximides、Benzopurpurin 4B、Methyleneblue(Basic  Blue 9)、Brilliant Yellow、Acid red 18、Acid red  27などが挙げられる。

 [溶媒]
 本発明に用いられる溶媒はリオトロピック 晶化合物を均一に溶解または分散するもの あれば特に制限はない。溶媒は好ましくは 水性溶媒である。親水性溶媒としては例え 水、アルコール類、セロソルブ類が挙げら る。水にアルコール類、エーテル類、セロ ルブ類、ジメチルスルホオキサイド、ジメ ルホルムアミドなどの水溶性の溶剤が添加 れていてもよい。またグリセリン、エチレ グリコールなどの水溶性の化合物が添加さ ていてもよい。これらの添加物は水溶性液 化合物の易溶性や水溶液の乾燥速度を調整 るために用いることができる。これらの溶 の添加量は水溶液中の水100重量部に対して1 00重量部以下であることが好ましい。

 [基板]
 本発明に用いられる基板は特に制限はなく 単層のものでもよいし複数層(例えば配向膜 を含む)の積層体であってもよい。具体的な 板としてはガラス板や樹脂フィルムが挙げ れる。基板が配向膜を含む場合は、配向膜 配向処理の施されたものが好ましい。配向 を含む基板としては、例えば、ガラス板に リイミド膜がコーティングされた基板が挙 られる。このポリイミド膜は公知の方法、 えば、一定方向へのラビングなどの機械的 向処理や光配向処理などの化学的配向処理 より配向性が付与される。基板の配向処理 ついては「液晶便覧」(丸善株式会社、平成1 2年10月30日発行)226頁~239頁などに記載の公知 方法によることができる。

 基板のガラス板は液晶セルに用いられる のが好ましく、例えば、無アルカリガラス ある。市販のガラス板としては、例えばコ ンニグ社製1737、旭硝子社製AN635、NHテクノ ラス社製NA-35などが挙げられる。

 基板として樹脂フィルムが用いられる場 は基板が可撓性を有し得るので、可撓性を 求される用途に好適である。樹脂フィルム 表面がラビングなどにより配向処理されて てもよい。あるいは樹脂フィルムの表面に の素材からなる配向膜が形成されていても い。基板に用いる樹脂フィルムの素材とし は、フィルム形成性を有する樹脂であれば くに限定されないが、スチレン系樹脂、(メ タ)アクリル酸系樹脂、ポリエステル系樹脂 ポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹 、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂、 リビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネ ト系樹脂が例示される。

 基板の厚みは用途により定められ得るほ は特に限定されないが、一般的には1μm~1000 mの範囲である。

 [塗布]
 本発明に用いられる塗布方法はコーティン 液を均一に塗布するものであれば特に制限 なく、適切なコーターを用いた塗布方法が 用される。塗布装置としてはスライドコー ー、スロットダイコーター、バーコーター ロッドコーター、ロールコーター、フレキ 印刷機、スクリーン印刷機、カーテンコー ー、スプレイコーター、スピンコート等が げられる。なかでも剪断応力や剪断速度を きくすることができる点で、スライドコー ー、スロットダイコーター、バーコーター 好ましい。

 [配向]
 本発明に用いられるリオトロピック液晶化 物は液晶状態で剪断応力を加えると、流動 より配向させることができる。リオトロピ ク液晶化合物は液晶状態で超分子会合体を 成しており、これを含むコーティング液に 断応力を加えて流動させると超分子会合体 長軸方向が流動方向に配向する。配向手段 剪断応力に加えて、ラビング処理や光配向 理などの配向処理、磁場や電場による配向 どを組み合わせて用いてもよい。

 [剪断応力]
 本発明に用いられる剪断応力は、例えば上 のコーターを用いてコーティング液を基板 に塗布することにより発生させることがで る。あるいは金属やプラスチックの棒また 板により基板上に塗布されたコーティング を一方向に擦る、または任意の噴射装置で ーティング液を基板上に噴射するというよ にしても剪断応力を発生させることができ 。剪断応力はコーティング液を基板上に塗 する時に加えてもよいし、基板上に塗布し 後に塗膜に加えてもよい。

 [乾燥]
 本発明に用いられる乾燥手段は特に制限は く、例えば自然乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥 どが用いられる。本発明に用いられるチク トロピーインデックスTiが1.2以上のコーテ ング液は、基板に塗布後は剪断速度が小さ なるため粘度が大きくなり、外部からの影 (風など)を受けにくい。また本発明に用いら れるコーティング液は従来のコーティング液 に比べ揮発ムラが発生しにくく、高い配向度 が得られる。したがって本発明の製造方法に おいてはコーティング液を塗布したあと、コ ーティング液を加熱乾燥することが可能であ る。加熱乾燥手段としては空気循環式乾燥オ ーブンや熱ロールなどの任意の乾燥装置を用 いた乾燥方法が用いられる。加熱乾燥の場合 の乾燥温度は、好ましくは50℃~120℃であり、 より好ましくは80℃~100℃である。上記乾燥温 度範囲であれば揮発ムラが発生しにくく、し かも短時間で塗膜の残存溶媒を少なくするこ とができる。

 [積層体及び光学異方膜]
 本発明の製造方法により得られる積層体は 板と基板上に形成されたリオトロピック液 化合物を含む光学異方膜とを備える。基板 光学異方膜を備えるものであれば積層体は の層を含んでいてもよい。例えば光学異方 の表面に樹脂からなる保護層が設けられて よい。あるいは基板の表面や裏面にあらか め平滑層や離型層や易接着層などを設ける ともできる。本発明の積層体の厚みは、好 しくは5μm~500μmである。

 光学異方膜は、好ましくは、波長550nmに いて吸収二色性を示す。このような光学異 膜は、例えば、偏光子として用いられる。 学異方膜の二色比は、波長550nmにおいて、好 ましくは20以上であり、さらに好ましくは30 上である。光学異方膜の厚みは、好ましく 0.05μm~5μm、より好ましくは0.1μm~1μmである。 上記の厚みの範囲であれば、良好な光学特性 が得られる。なお二色比は分光光度計を用い て直線偏光の測定光を入射させ、光学異方膜 の配向方向に対し測定光の偏光の電界ベクト ルが平行及び直交するようにして透過率を測 定することにより、算出することができる。

 [積層体及び光学異方膜の用途]
 本発明により得られる積層体及び光学異方 は、光学異方性を活かして各種の光学素子 用いられるが、特に偏光板および位相差板 して好適に用いることができる。積層体及 光学異方膜の用途は、例えば、パソコンモ ター、ノートパソコン、コピー機などのOA 器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携 情報端末(PDA)、携帯ゲーム機器などの携帯機 器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジなど の家庭用機器、バックモニター、カーナビゲ ーションシステム用モニター、カーオーディ オなどの車載用機器、商業店舗用インフォメ ーション用モニターなどの展示機器、監視用 モニターなどの警備機器、介護用モニター、 医療用モニターなどの液晶表示装置である。

 光学異方膜は基板から剥離して用いても いし、積層体のまま用いてもよい。積層体 まま光学用途に用いる場合、基板は可視光 波長領域で透明なものが好ましい。基板か 剥離した場合は、好ましくは他の支持体や 学素子に積層して用いることができる。

 [実施例1]
 リオトロピック液晶化合物である下記化学 造のペリレン系化合物を含む溶液(オプティ バ社製NO15)の濃度を調整して、全固形分濃度 16重量%となるようにコーティング液を調製 た。偏光顕微鏡により観察したところこの ーティング液はネマチック液晶相を示した
 このコーティング液をスライド式コーター 用いてガラス板上に剪断応力をかけながら 布し、厚み0.4μmの光学異方膜を作製した。 ーティング液と光学異方膜の特性を表1に示 す。コーティング液のチクソトロピーインデ ックスTiが1.79と非常に大きいため、光学異方 膜は二色比が28と非常に高く、透過率のばら きも5%と少なく、ムラ(塗布ムラと揮発ムラ) もほとんど見られなかった。

 [実施例2]
 実施例1と同じリオトロピック液晶化合物を 含む溶液(オプティバ社製NO15)に水を加えて全 固形分濃度が10重量%となるようにした。これ にポリアクリル系増粘剤(サンノプコ社製SNシ ックナー615)をリオトロピック液晶化合物に して3重量%添加してコーティング液を調整し た。偏光顕微鏡により観察したところ、この コーティング液はネマチック液晶相を示した 。このコーティング液をスライド式コーター を用いてガラス板上に剪断応力をかけながら 塗布し、厚み0.5μmの光学異方膜を作製した。 コーティング液と光学異方膜の特性を表1に す。コーティング液のチクソトロピーイン ックスTiが1.46と大きいため、光学異方膜は 色比が22と高く、透過率のばらつきも5%と少 く、ムラ(塗布ムラと揮発ムラ)もほとんど られなかった。

 [比較例1]
 実施例1と同じリオトロピック液晶化合物を 含む溶液(オプティバ社製NO15)に水を加えて全 固形分濃度が10重量%となるようにした。これ にヒドロキシルプロピルセルロース(日本曹 社製NISSO HPC H)をリオトロピック液晶化合物 に対して10重量%添加してコーティング液を調 整した。偏光顕微鏡により観察したところこ のコーティング液はネマチック液晶相を示し た。このコーティング液をスライド式コータ ーを用いてガラス板上に剪断応力をかけなが ら塗布し、厚み0.5μmの光学異方膜を作製した 。コーティング液と光学異方膜の特性を表1 示す。コーティング液のチクソトロピーイ デックスTiが1.09と小さいため、光学異方膜 二色比が12と低く、透過率のばらつきも15%と 非常に大きく、塗布ムラも見られた。塗布ム ラの原因は塗布時の粘度の目安となる剪断速 度1000秒 -1 における粘度V 1000 が220mPa・sと大きいためであると考えられる

 [比較例2]
 実施例1と同じリオトロピック液晶化合物を 含む溶液(オプティバ社製NO15)に水を加えて全 固形分濃度が10重量%となるようにコーティン グ液を調整した。偏光顕微鏡により観察した ところこのコーティング液はネマチック液晶 相を示した。このコーティング液をスライド 式コーターを用いてガラス板上に剪断応力を かけながら塗布し、厚み0.4μmの光学異方膜を 作製した。コーティング液と光学異方膜の特 性を表1に示す。コーティング液のチクソト ピーインデックスTiが1.08と小さいため、光 異方膜は二色比が16と低く、透過率のばらつ きも8%と大きく、揮発ムラも見られた。揮発 ラの原因は水による過度の希釈と考えられ 。

 [比較例3]
 リオトロピック液晶化合物である下記化学 造のアゾ系化合物と水とを含み、全固形分 度が2重量%であるコーティング液を調整し 。偏光顕微鏡により観察したところこのコ ティング液はネマチック液晶相を示した。 のコーティング液をスライド式コーターを いてガラス板上に剪断応力をかけながら塗 し、厚み0.2μmの光学異方膜を作製した。コ ティング液と光学異方膜の特性を表1に示す コーティング液のチクソトロピーインデッ スTiは1.00すなわちチクソトロピー性がない め、光学異方膜は二色比が3と非常に低く、 透過率のばらつきも10%と大きく、揮発ムラも 見られた。揮発ムラの原因は水による過度の 希釈と考えられる。
 [評価]
 以上説明した実施例と比較例の特性から分 るように、チクソトロピーインデックスTi 1.2未満のコーティング液を用いた場合は、 発ムラまたは塗布ムラがなく、透過率のば つきが小さく(5%以下)、二色比の高い(20以上) 光学異方膜は作製し難い。逆にチクソトロピ ーインデックスTiが1.2以上のコーティング液 用いた場合はムラがなく、透過率のばらつ が小さく(5%以下)、二色比の高い(20以上)光 異方膜を作製することができる。

 [測定・評価方法]
 粘度、チクソトロピーインデックスTiの測 方法:HAAKE社製RheoStress600を用いて以下の条件 V 100 (23℃)、V 1000 (23℃)を測定した。
・コーン;C35/1(直径35mm、傾斜角1°)
・Solvent trap;使用
・Gap;0.050mm
・測定温度;23℃
・剪断速度;10秒 -1 ~4000秒 -1
 二色比、透過率の測定方法:グラントムソン 偏光子を備える分光光度計(日本分光社製U-410 0)を用いて、波長550nmの直線偏光の測定光を 射させ、最大透過率方向の直線偏光の透過 k 1 及び最大透過率方向に直交する方向の直線偏 光の透過率k 2 を求め、下式により二色比と透過率を算出し た。
・二色比=log(1/k 2 )/log(1/k 1 )
・透過率=(k 1 +k 2 )/2
二色比の平均値は、縦8cm×横8cmのサンプルの から2cm間隔で縦方向に3点、横方向に3点、 計9点を測定し、その平均値を求めた。表1中 の二色比はこの平均値である。透過率も同じ 9点について測定し、(最大値-最小値)を表1の 過率のばらつきとした。
ムラの評価方法:縦8cm×横8cmのサンプルに蛍光 灯の光を当て目視でムラを観察した。なお揮 発ムラはサンプルの表面に靄がかかったよう に見え、塗布ムラは塗布方向に平行なスジが 見えるので区別できる。

(a)本発明のコーティング液と(b)従来の ーティング液について、剪断速度(横軸)と 度(縦軸)の関係のグラフ