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Title:
SHEET MATERIAL IMPROVED FOR WIRELESS COMMUNICATION, WIRELESS IC TAG, AND WIRELESS COMMUNICATION SYSTEM USING THE SAME MATERIAL AND TAG
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057335
Kind Code:
A1
Abstract:
A sheet material improved for wireless communication, a wireless IC tag and an antenna which can increase a communication coverage distance of an IC tag for wireless communication, as well as a wireless communication system using those means. A first spacer (32) has an arrangement surface (102a) where a wireless IC tag is arranged without wiring, and an auxiliary antenna (35) is provided which resonates to the electromagnetic waves in use for wireless communication on the opposite surface of the arrangement surface (102a) on the first spacer (32). The auxiliary antenna (35) consists of a first conductor layer (27) served as a resonating layer and a second spacer (33). The second spacer (33) is provided on the opposite side of the first spacer (32) with the first conductor layer (27) between. A discontinuous region is provided on the first conductor layer (27) of the auxiliary antenna. Such an arrangement can not only eliminate the effect of a communication obstacle material (25), but also increase the receiving power of the wireless IC tag (antenna) to assure greater communication coverage distance.

Inventors:
YOSHIDA TAKAHIKO (JP)
MATSUSHITA MASATO (JP)
OKAMURA HARUHIDE (JP)
SATO SHINICHI (JP)
KOGURE HIROAKI (JP)
SHIMAI TOSHIHARU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057039
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
April 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NITTA CORP (JP)
YOSHIDA TAKAHIKO (JP)
MATSUSHITA MASATO (JP)
OKAMURA HARUHIDE (JP)
SATO SHINICHI (JP)
KOGURE HIROAKI (JP)
SHIMAI TOSHIHARU (JP)
International Classes:
H01Q1/52; G06K19/00; H01Q9/26; H01Q15/14
Foreign References:
JP2007143132A2007-06-07
JP3647446B12005-05-11
JP2005354106A2005-12-22
JP2006005365A2006-01-05
JP2005327245A2005-11-24
JP2005159337A2005-06-16
JP2006128664A2006-05-18
JP2005184012A2005-07-07
JP2000236214A2000-08-29
JP2003060430A2003-02-28
JP2007124638A2007-05-17
JP2000113142A2000-04-21
JP2005210676A2005-08-04
Other References:
See also references of EP 2221918A4
Attorney, Agent or Firm:
SAIKYO, Keiichiro et al. (2-6 Bingomachi 3-chome,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka 51, JP)
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Claims:
 通信妨害部材の近傍で、電波方式で通信するアンテナを用いて無線通信するにあたって、無線ICタグと通信妨害部材の間に用いられ、無線ICタグを結線しないで配置することで無線ICタグの無線通信特性を改善する無線通信改善シート体であって、
 無線ICタグを結線しないで配置する配置面を有する第1のスペーサと、
 第1のスペーサの前記配置面とは反対側の面に設けられる第1の導体層を有する補助アンテナと、
 補助アンテナに、第1の導体層を挟んで、第1のスペーサとは反対側に設けられる第2のスペーサとが積層され、
 前記補助アンテナの第1の導体層には、不連続領域が設けられることを特徴とする無線通信改善シート体。
 前記補助アンテナの第1の導体層は、単数または複数の導体素子を備え、導体素子は互いに絶縁関係にあり、第1の導体層、または導体素子の少なくともいずれか1つが前記無線通信に用いられる電磁波に対して共振することを特徴とする請求項1記載の無線通信改善シート体。
 前記補助アンテナの第1の導体層は、平面方向または積層方向に分割された複数の導体部分を備え、導体部分は互いに絶縁関係にあり、第1の導体層、または導体部分のいずれか1つが、前記無線通信に用いられる電磁波に対して共振することを特徴とする請求項1記載の無線通信改善シート体。
 前記補助アンテナの前記第2のスペーサとは反対側に第2の導体層をさらに設けたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の無線通信改善シート体。
 前記補助アンテナの前記第2のスペーサとは反対側に第2の導体層をさらに設け、該第2の導体層が補助アンテナの備える第1の導体層よりも大きいことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の無線通信改善シート体。
 前記不連続領域の少なくとも1つは、前記無線ICタグが配置されたときに、少なくとも前記無線ICタグが備えるICチップまたはリアクタンス装荷部に対向するように設けられることを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の無線通信改善シート体。
 前記不連続領域の少なくとも1つは、前記無線通信に用いられる電磁波に対して共振するように設けられることを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の無線通信改善シート体。
 前記第1の導体層または前記不連続領域は、少なくとも一部の外郭形状が曲線状であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の無線通信改善シート体。
 外表面の一部または全部を誘電材料で被覆したことを特徴とする請求項1~8のいずれか1つに記載の無線通信改善シート体。
 前記第1のスペーサ、前記第2のスペーサおよび被覆誘電材料の少なくともいずれか1つは、非導電性であり、且つ電磁波を集めて通す低損失材層から成ることを特徴とする請求項9に記載の無線通信改善シート体。
 前記第1のスペーサおよび前記第2のスペーサの少なくともいずれか1つは、発泡体からなることを特徴とする請求項1~10のいずれか1つに記載の無線通信改善シート体。
 少なくともいずれか1つの面は、粘着性または接着性を有する、または固結手段を用いることで被着体に取り付け可能であることを特徴とする1~11のいずれか1つに記載の無線通信改善シート体。
 請求項1~12のいずれか1つに記載の無線通信改善シート体の配置面に無線ICタグを結線しないで配置した、または無線通信改善シート体にICチップを組み込んだことを特徴とする無線ICタグ。
 請求項1~12のいずれか1つに記載の無線通信改善シート体を用いたことを特徴とする電波方式のアンテナ。
 少なくとも請求項13に記載の無線ICタグまたは請求項14記載のアンテナを用いることを特徴とする無線通信システム。
Description:
無線通信改善シート体、無線IC グ、アンテナおよびそれらを用いた無線通 システム

 本発明は、無線ICタグやアンテナを使用 る際に用いることで、通信距離を改善する 線通信改善シート体、無線ICタグ、アンテナ および無線通信システムに関する。

 情報通信の分野のみならず、物流管理、製 現場などの分野でも無線通信技術が応用さ ている。無線通信用のICタグ(以下では単に ICタグ」または「タグ」という。)は、RFID(Ra dio Frequency Identification)技術の一翼を担う製 として広く知られる。物流管理や、安価な 報記憶媒体として使用用途は多岐にわたる とから、ICタグは、様々な使用環境に置かれ ることになる。
 ICタグは、識別番号などのデータを記憶す チップと、電波を送受信するためのアンテ とからなる無線通信機器であり、小型、薄 、軽量で実現できることが大きな利点とな ている。
 このような利点を十分に生かすためには、I Cタグの貼り付け位置に制限がなく、どこに のように貼り付けても、通信可能に構成さ ていることが好ましいとされる。
 図30は、従来の技術のICタグ1を簡略化して す断面図である。RFID(Radio Frequency IDentificati on)システムは、固体の自動認識に用いられる システムであり、基本的にリーダとトランス ポンダとを備えている。このRFIDシステムの ランスポンダとして、ICタグ1が用いられる
 図30の通信方式は、タグおよびリーダのコ ルアンテナ間の磁束による結合(カップリン )にて、エネルギや信号を伝達する電磁誘導 方式によるものである。電磁誘導方式のパッ シブタイプのICタグでは通信距離は最大でも1 m程度であり、近距離通信に利用されている この方式で用いられる周波数は、LF(長波)帯 HF(短波)帯などである。ICタグ1は、磁力線を 検出する磁界型のアンテナであるコイルアン テナ2と、そのコイルアンテナ2を用いて無線 信する集積回路(ICチップ)3とを有している ICタグ1は、リーダ5からの要求信号を受信す と、ICチップ3内に記憶されている情報を送 するように、換言すれば、リーダによってI Cタグ1に保持されている情報を読取ることが きるように、構成される。ICタグ1は、たと ば商品に貼着して設けられ、商品の盗難防 および在庫状況の把握など、商品管理に利 されている。
 このICタグ1は、金属製の商品に貼着して用 るなど、ICタグ1の近傍に通信妨害部材4(こ 例では導電性材料から成る物体)が存在する 合、ICタグ1によって送受信される電磁波の 号が形成する磁界の磁力線は通信妨害部材4 に近づくことにより、電界の場合の挙動と異 なり、通信妨害部材4に入ることなく、通信 害部材4の表面近傍を平行に通過することに る。この結果、通信妨害部材4表面に渦電流 が発生してしまい、電磁波エネルギが熱エネ ルギに変換されて吸収されてしまう(抵抗損 よるロス)。このようにエネルギが吸収され しまうと、電磁波の信号が減衰することに り、ICタグ1は、無線通信できなくなってし う。また誘導される渦電流が、タグの通信 磁界と逆向きの磁界(反磁界)を発生させる とにより、磁界がキャンセルさせられてし う現象も生じる。この現象によっても、ICタ グ1は無線通信ができなくなる。さらに、通 妨害部材4の影響により、ICタグ1の共振周波 がシフトしてしまう現象などもある。した って電磁誘導方式のICタグ1は、通信妨害部 4の近傍では、用いることができない。
 通信妨害部材は、以上のように、アンテナ 近傍に存在することで、自由空間での環境 対して設計されたアンテナ共振周波数を変 させたり、またはアンテナ間の電磁波のや 取りを低減してしまうような働きをする材 の総称である。本発明では、主に通信妨害 材が金属である場合に対する対策を実施し いる。
 図31は、他の従来の技術であるICタグ1Aを簡 化して示す断面図である。図31に示すICタグ 1Aは、図30のICタグ1と類似しており、対応す 部分に同一の符号を付し、異なる構成につ てだけ説明する。図31のICタグ1Aは、図30のIC グ1の課題を解決するために、貼着される物 品となる部材4と、アンテナ2との間に配置さ るように設けられる磁気吸収板7を備えるよ うに構成される。複素比透磁率を有するシー トである磁気吸収板7は、センダスト、フェ イトおよびカーボニル鉄などの高透磁率材 、したがって複素比透磁率が高い材料から る。
 複素比透磁率は、実数部と虚数部とを有し おり、実数部が高くなると複素比透磁率が くなる。換言すれば複素比透磁率が高い材 は、複素比透磁率における実数部が高い。 界中に複素比透磁率における実数部の高い 料が存在すると、磁力線がその部材内を集 して通るようになる。電磁誘導方式の通信 於ける磁力線を検出する磁界型のアンテナ2 を用いるICタグ1Aでは、磁気吸収板7を設ける とによって、通信妨害体4への磁界の漏れを 防ぎ、通信妨害体4の近傍で用いても、磁界 エネルギの減衰を抑えて、無線通信するこ ができる。このようなICタグ1Aは、たとえば 開2000-113142号に示されている。ここでは無 通信が変調磁界により行われていて、本発 でいう電磁誘導方式の通信である。
 この通信改善方法は、第1のアンテナ2と通 妨害部材4の間に磁性を有する磁気吸収体7を 設置することで、通信に用いる磁力線を磁気 吸収体7内に取り込み、通過させるものであ 。磁気吸収体7の透磁率が重要な働きをする しかし、この改善策が有効であるのは、磁 結合による通信を行う電磁誘導方式の通信 場合であり、電波方式の通信の場合には効 は見られない。これは、磁界(磁束ループ) 近傍界であっても磁性材料で進行方向を制 できるが、電波方式の通信で用いる高周波 の電波は、直進性が強く、アンテナ体など 介さない限り進行方向の変更は容易ではな ためである。
 ICタグは、利用する電波の周波数により通 メカニズムが異なる。より高周波数の電波 用いる場合、タグのアンテナとリーダのア テナとで電磁波をやり取りし、エネルギ・ 号を伝達する電波方式となる。例えばUHF(極 短波)帯、SHF(センチメートル波)帯、EHF(ミリ 波)帯の電波を利用する場合、タグはいわゆ ダイポールアンテナ等の電界型アンテナを いた電波方式の通信による送受信を行って る。電磁誘導方式の磁束の結合による通信 はなく、電波方式では電磁波を空中に放射 ることで長距離通信を実現している。本発 の無線通信改善シート体、無線ICタグ、アン テナおよびそれらを用いた無線通信システム は、この電波方式での無線通信に適用される 。電磁誘導方式と電波方式の違いは、電磁波 の波長とアンテナ間の距離の関係にある。波 長に対して距離が短ければ、空間放射される 前に電界/磁界の変化が他方のアンテナに伝 る電磁誘導方式が採用され、波長に対して 離が長ければ、空中を伝搬する電磁波とし 伝達される電波方式が用いられるのである そしてアンテナも電磁誘導方式はコイルア テナなどの磁界型アンテナであり、電波方 はダイポールアンテナ、パッチアンテナな の電界型アンテナとなるため、通信システ そのものが異なるといえる。
 電波方式で通信するICタグの近傍に、金属 どの導電性材料(通信妨害部材)が存在する場 合も、電磁誘導方式と異なるメカニズムで通 信ができなくなる。ICタグが受信することで ンテナに共振電流が流れると、近傍にある 属面側にはこれと逆向きの電流が誘導され その誘導電流によって伝達信号のインピー ンスが大きく低下する。これによって自由 間での通信に対して設計されたICチップの 力インピーダンスとの整合がとれなくなり 通信可能距離が短くなってしまう。
 一般にダイポールアンテナ、モノポールア テナおよびループアンテナなどの電界型ア テナは、特定周波数の電波を受信すること 、アンテナに共振電流が発生し、これがIC ップを流れる際に、チップの入力インピー ンスと整合が取れるように設計されている
 図32は、タグ本体22(ICタグ)を通信妨害部材 ある導電性部材の近傍に配置した状態で、 グ本体22(ICタグ)の近傍に形成される瞬間的 電界(電流の向き)を示す断面図である。
 アンテナ素子211の近傍に通信妨害部材212が 在する場合、アンテナ素子211の他端部211bか ら一端部211aに向かう共振電流I11が生じると もに、通信妨害部材212に、一方部分212aから 方部分212bに向かう電流I12が生じることによ り、アンテナ素子211と通信妨害部材212に逆向 きの電流が生じる。つまり、通信妨害部材212 に反対の動作をする同じ大きさのアンテナが できてしまう。
 IC217に印加される、あるいはエネルギが伝 り起動したIC217から印加されるのは交番電圧 であるため、図に示す向きの電流が生じる状 態と、反対向きの電流が生じる状態とが交互 に発生する。周波数が高くなると、アンテナ 素子211の一端部211aと通信妨害部材212の一方 分212aとの間、およびアンテナ素子211の他端 211bと通信妨害部材212の他方部分212bとの間 、あたかも電流I0が生じているのと等価の状 態となり、アンテナ素子211の一端部211aと通 妨害部材212の一方部分212aとの間、およびア テナ素子211の他端部211bと通信妨害部材212の 他方部分212bとの間が、いわば高周波的に短 した状態となる。このような高周波的な短 が生じると、アンテナ素子211と通信妨害部 212とによって閉回路が形成され、通信妨害 材212が近傍に存在しない場合に比べて電流 が増加する。つまり、アンテナ素子211の近 に通信妨害部材212がない場合に比べて、イ ピーダンスが大きく低下することになる。 の結果、チップの入力インピーダンスと整 がとれなくなり、情報信号の伝達ができな なってしまう。これにより通信可能距離が くなる。
 また、金属に限らず、紙、ガラス、樹脂、 体、磁性体や他アンテナなども近傍にある 合にICタグの通信特性を劣化させる材質と りうる。
 これらの材質の場合は、これらの材質がも 誘電率や透磁率によってアンテナの共振周 数が変化し、通信相手の使用する電波の周 数とアンテナの共振周波数とが異なってし い、通信可能距離が短くなってしまう。
 図33は、さらに他の従来の技術であるICタグ 1Bを簡略化して示す断面図である。図33に示 ICタグ1Bは、図30のICタグ1と類似しており、 応する部分に同一の符号を付し、異なる構 についてだけ説明する。図33のICタグ1Bは、 材8にダイポールアンテナである第1のアンテ ナ2とIC3とが設けられ、第1のアンテナ2の通信 方向側に、第1のスペーサ9を介して第2のアン テナ1Cが設けられている。さらにICタグ1Bは、 基材8の第1のアンテナ2とは反対側に第2のス ーサ11が設けられ、第1のアンテナ2と、通信 害部材4との間に、基材8および第2のスペー 11が介在される状態で、通信妨害部材4の近 で用いられる。このICタグ1Bは、ICが接続さ る第1のアンテナ2に対して、通信方向側に 助アンテナとなる第2のアンテナ1Cを設ける とによって、第1のアンテナ2の電波強度が通 信妨害部材4によって弱まることを防ぐ構成 ある。このICタグ1Bは、たとえば特開2005-21067 6号に示されている。
 図33のICタグ1Bは、第2のアンテナ1C、第1およ び第2のスペーサ9,11で、第1のアンテナ2を挟 、一体化した構造であり特殊設計されたタ である。この形状では、市販の無線ICタグを 貼り合わせるだけで通信性能改善を実現でき るという汎用性は有しない。また対策後も通 信妨害部材4の近傍に第1のアンテナ2とIC3が位 置することになり、通信妨害部材4の種類に る影響を受け、例えば誘電率の違いにより 振周波数がシフトしてしまう。

 本発明の目的は、無線通信用のICタグの通 可能距離を改善することが可能な無線通信 善シート体、無線ICタグ、アンテナおよび無 線通信システムを提供することである。
 また本発明の他の目的は、無線ICタグを貼 合わせるだけで無線通信特性を改善できる いう汎用性を有するシート体の提供である
 本発明は、通信妨害部材の近傍で、電波方 で通信するアンテナを用いて無線通信する あたって、無線ICタグと通信妨害部材の間 用いられ、無線ICタグを結線しないで配置す ることで無線ICタグの無線通信特性を改善す 無線通信改善シート体であって、
 無線ICタグを結線しないで配置する配置面 有する第1のスペーサと、
 第1のスペーサの前記配置面とは反対側の面 に設けられる第1の導体層を有する補助アン ナと、
 補助アンテナに、第1の導体層を挟んで、第 1のスペーサとは反対側に設けられる第2のス ーサとが積層され、
 前記補助アンテナの第1の導体層には、不連 続領域が設けられることを特徴とする無線通 信改善シート体である。
 また本発明は、前記補助アンテナの第1の導 体層は、単数または複数の導体素子を備え、 導体素子は互いに絶縁関係にあり、第1の導 層、または導体素子の少なくともいずれか1 が前記無線通信に用いられる電磁波に対し 共振することを特徴とする。
 また本発明は、前記補助アンテナの第1の導 体層は、平面方向または積層方向に分割され た複数の導体部分を備え、導体部分は互いに 絶縁関係にあり、第1の導体層、または導体 分のいずれか1つが、前記無線通信に用いら る電磁波に対して共振することを特徴とす 。
 また本発明は、前記補助アンテナの前記第2 のスペーサとは反対側に第2の導体層をさら 設けたことを特徴とする。
 また本発明は、前記補助アンテナの前記第2 のスペーサとは反対側に第2の導体層をさら 設け、該第2の導体層が補助アンテナの備え 第1の導体層よりも大きいことを特徴とする 。
 また本発明は、前記不連続領域の少なくと 1つは、前記無線ICタグが配置されたときに 少なくとも前記無線ICタグが備えるICチップ またはリアクタンス装荷部に対向するように 設けられることを特徴とする。
 また本発明は、前記不連続領域の少なくと 1つは、前記無線通信に用いられる電磁波に 対して共振するように設けられることを特徴 とする。
 また本発明は、前記第1の導体層または前記 不連続領域は、少なくとも一部の外郭形状が 曲線状であることを特徴とする。
 また本発明は、外表面の1部または全部を誘 電材料で被覆したことを特徴とする。
 また本発明は、前記第1のスペーサ、前記第 2のスペーサおよび被覆誘電材料の少なくと いずれか1つは、非導電性であり、且つ電磁 を集めて通す低損失材層から成ることを特 とする。
 また本発明は、前記第1のスペーサおよび前 記第2のスペーサの少なくともいずれか1つは 発泡体からなることを特徴とする。
 また本発明は、少なくともいずれか1つの面 は、粘着性または接着性を有する、または固 結手段を用いることで被着体に取り付け可能 であることを特徴とする。
 また本発明は、上記の無線通信改善シート の配置面に無線ICタグを結線しないで配置 た、または無線通信改善シート体もしくは 記補助アンテナにICチップを組み込んだこと を特徴とする無線ICタグである。
 また本発明は、上記の無線通信改善シート を用いたことを特徴とする電波方式のアン ナである。
 また本発明は、少なくとも上記の無線ICタ または上記のアンテナを用いることを特徴 する無線通信システムである。

 本発明の目的、特色、および利点は、下記 詳細な説明と図面とからより明確になるで ろう。
本発明の実施の一形態のシート体20を えるタグ21を模式的に示す断面図である。 タグ21を示す斜視図である。 タグ21を示す断面図である。 自由空間に設けられるアンテナ素子23 たはタグ本体22(ICタグ)を模式的に示す正面 である。 通信妨害部材が近傍にある状態の部分 な現象を説明する正面図である。 通信妨害部材となる物品25の近傍に設 られるアンテナ素子23またはタグ本体22のマ ロ的な電波の到達および反射を模式的に示 正面図である。 共振層27の形状の例を示す平面図であ 。 共振層27の形状の例を示す平面図であ 。 共振層27の形状の例を示す平面図であ 。 共振層27の形状の例を示す平面図であ 。 共振層27の形状の例を示す平面図であ 。 共振層27の形状の例を示す平面図であ 。 共振層27の形状の例を示す平面図であ 。 共振層27の形状の例を示す平面図であ 。 共振層27の形状の例を示す平面図であ 。 共振層27の形状の例を示す平面図であ 。 本発明の実施形態であるシート体20の 面図である。 シート体1の拡大断面図である。 不連続領域40が形成されていない共振 27が設けられる、比較例となるタグ21を示す 斜視図である。 図8Bに示すH字状スロットの不連続領域 40が形成される共振層27が設けられるタグ21を 示す斜視図である。 実施形態Bのシート体20の平面図である 。 図8Cに示す、スリット状の不連続領域4 0が形成される共振層27が設けられるタグ21を す斜視図である。 通信距離の推定方法を説明するための グラフである。 タグ21の性能評価に用いた共振層27を す平面図である。 タグ21の利得を説明するための図であ 。 本発明のタグ21に採用することができ タグ本体22を示す平面図である。 タグ21の性能評価に用いたさらに他の 振層27を示す平面図である。 図17に示すタグ本体22を用い、図8に示 シート体20を備えるタグ21の評価結果として 反射特性値S11を示すグラフである。 図17に示すタグ本体22を用い、図18に示 す共振層27を備えるタグ21の評価結果として 射特性値S11を示すグラフである。 図17に示すタグ本体22を用い、図15に示 す共振層27を備えるタグ21の評価結果として 射特性値S11を示すグラフである。 本発明の実施の他の形態の共振層27を す平面図である。 通信距離の測定方法を示す概略図であ る。 実施例の評価結果として反射特性値S11 を示すグラフである。 実施例の評価結果として反射特性値S11 を示すグラフである。 本発明の他の実施形態であるシート体 101の拡大断面図である。 補助アンテナの他の例を示す平面図 ある。 補助アンテナの他の例を示す平面図 ある。 本発明のさらに他の実施形態である 線通信用ICタグ130を示す平面図である。 本発明のさらに他の実施形態である 線通信用ICタグ130を示す平面図である。 本発明のさらに他の実施形態である無 線通信用システム40を示す平面図である。 従来の技術のICタグ1を簡略化して示す 断面図である。 他の従来の技術であるICタグ1Aを簡略 して示す断面図である。 タグ本体22(ICタグ)を導電性部材の近傍 に配置した状態で、タグ本体22の近傍に形成 れる電界を示す断面図である。 さらに他の従来の技術であるICタグ1B 簡略化して示す断面図である。

 本発明は、無線ICタグを結線しないで配置 ることで無線ICタグの無線通信特性を改善す る無線通信改善シート体(以下では単に「シ ト体」という。)である。
 本発明のシート体は、無線ICタグを結線し いで配置する配置面を有する第1のスペーサ 、第1のスペーサの前記配置面とは反対側の 面に設けられる第1の導体層を有する補助ア テナと、前記補助アンテナを挟んで第1のス ーサとは反対側に設けられる第2のスペーサ とが積層され、前記補助アンテナの第1の導 層には不連続領域が設けられる。不連続領 はスロット、スリット、溝、孔などで構成 れる。
 本発明の発明者らは、以下のような経緯を て、このような構成のシート体を発明する 到った。
 従来技術において提案されているように、 線ICタグに用いられるダイポールアンテナ モノポールアンテナおよびループアンテナ どを用いた電波方式による無線通信装置の 合、自由空間での使用が想定されているの 、アンテナ近傍に通信を妨害するような部 (金属などの導電性部材、紙、ガラス、液体 どの誘電性部材、磁性部材、アンテナ、電 機器、電子基板など)が存在すると、その影 響を受けて無線通信が困難となり、通信可能 距離が短くなる。
 これに対して、例えばパッチアンテナによ 構成された無線ICタグを用いた場合、構成 して通信周波数で共振する共振板と、接地 位の導体板(グランド板)を備えており、この グランド板の存在によって通信妨害部材から の影響を小さくすることができ、通信可能距 離は十分に保持される。
 しかし、このタイプのタグは、パッチアン ナにICチップを接合したものであり、イン ーダンス調整ができれば当然、通信距離も 保できる公知の技術である。パッチアンテ が接合されたタグは、グランド板を有する とから自由空間であっても通信妨害部材の 傍であっても使用することができるが、汎 のダイポールアンテナ構成の無線タグに比 て高価であるため、リーダ側アンテナは別 して一般的なタグ用途に用いられることは かった。
 本発明の発明者らは、汎用のタグに対して 結線することなく重ねて配置するだけで通 妨害部材の近傍での通信改善可能となる、 較的安価なシート体および補助アンテナを 発した。これにより、広く普及されている イプの汎用の無線ICタグを、今まで使用す ことができなかった通信妨害部材に対して 用いることが可能となり、用途を著しく拡 することが可能となる。
 まず、ダイポールアンテナ、モノポールア テナおよびループアンテナを持つ電波方式 無線ICタグを、パッチアンテナ構成の補助 ンテナと組み合わせることによって無線ICタ グの通信改善を行うことが考えられる。
 そこで、まず前述の構成のうち、第1のスペ ーサと、パッチアンテナ構成の補助アンテナ とを積層したシート体を作製し、そこに結線 することなく配置しただけの無線ICタグの通 可能距離を測定したところ、改善は見られ 、通信距離は短くなることがわかった。こ は、無線ICタグのダイポールアンテナ、モ ポールアンテナおよびループアンテナなど 補助アンテナとの間に電磁的な結合が発生 ず、補助アンテナとして十分に機能してい いからであると考えた。詳細には、ダイポ ルアンテナ、モノポールアンテナおよびル プアンテナなどと補助アンテナとの電磁的 結合は、パッチアンテナの共振板の外周囲 回り込むようにして結合するしかないため 実際にはほとんど結合することができず、 助アンテナとしての機能が発現しなかった さらに、ICチップおよびリアクタンス装荷部 (タグアンテナのループ部)が補助アンテナの 響を受けるため通信可能距離が短くなって た。つまり、補助アンテナの有する第1の導 体層(共振板)がICチップおよびリアクタンス 荷部の近傍に位置するため、その導体層表 に誘導電流が発生することによるインピー ンスの低下のためであった(比較例1参照)。 のようにリアクタンス装荷部に対する近傍 信妨害部材の影響を指摘されたことはなか た。
 これらの知見をもとに、さらなる改良を重 、補助アンテナの第1の導体層に、不連続領 域を設けることで、無線ICタグの通信改善が 能であることがわかった。
 無線ICタグと補助アンテナとは、不連続領 を通じて強く結合し、これによって補助ア テナによる無線通信改善が可能となり、そ 結果としてICタグの通信可能距離の改善につ ながった。
 さらに、補助アンテナの第1の導体層のICチ プおよびループ部(リアクタンス装荷部)に 向する位置に不連続領域を設けることで、 1の導体層による影響を小さくして、通信可 距離の改善を実現した。つまり補助アンテ に不連続領域を設けることで、第1の導体層 の誘導電流の経路となるエリアの電気抵抗値 を著しく向上することができ、インピーダン スの低下につながる導体層表面の誘導電流の 発生を抑制することが可能となった。
 このとき補助アンテナに不連続領域を設け と、アンテナ(ICタグ)の共振動作に応じて不 連続領域を横断するように、アンテナ(ICタグ )の長軸方向に平行に電界が発生し、さらに こから第2の導体層もしくは通信妨害部材と 間にも電界が発生する。これらを介するこ でアンテナ(ICタグ)およびチップと補助アン テナ間の電磁的結合が活性化することになる 。
 本発明の補助アンテナは、以下の点でパッ アンテナとは異なる。共振層に不連続領域 あるという構造上の違いだけでなく、不連 領域を電磁エネルギの出入り口とすること 、電界型アンテナであるパッチアンテナで 本来電界が0となるようなパッチ中央付近に 、電磁エネルギの出入り口や伝搬経路もその 内部に重畳化させることになり、従来のアン テナ動作に加え近傍での電磁エネルギの受け 渡しという動作メカニズムを担っているので ある。
 具体的には、パッチアンテナは共振層と反 層の2枚の導体板で構成され、電波の放射お よび入射部を受け持つ両端部分(エッジ部分 パッチアンテナでは2方向のみの場合や4方向 全ての場合がある。)の2枚の導体間の電界が く、最大となり、ここから放射された電界 パッチアンテナ上部で合成して、そのまま 界が空間に放射される。受信は、この逆の 作で行われる。
 以上のような電界型アンテナであるパッチ ンテナは、両端部分で電界が最大になるが 中央付近では電界が最小(ほとんど0となる )となっている。電磁界の挙動としては、電 が最大の箇所では磁界が最小になり、電界 最小の箇所では磁界が最大となる。この関 があるが、パッチアンテナの磁界の強い領 を他の目的に利用することはなかった。
 本発明では、この磁界成分を利用して、近 界での無線ICタグとの電磁結合に利用して る。さらに不連続領域をスロットアンテナ どで形成すれば、その磁界型アンテナ効果 電磁結合に複合化することができ、補助ア テナと無線ICタグが、結線しなくても、強く 且つ安定して結びつくことを見出している。 そしてこの電磁結合効果とインピーダンス調 整効果が同時に得られたことも本件発明の不 連続領域の特徴である。
 本発明の補助アンテナは、無線ICタグと組 合わせたときに、全体として無線通信周波 に共振する構成であり、補助アンテナの共 層は、無線通信周波数の電波の波長をλとす ると、λ/2を中心として、少なくとも一辺がλ /8~3λ/4の範囲に入る共振寸法を有している。
 この補助アンテナは、例えばλ/2共振のパッ チアンテナを水平方向に複数枚(2枚または4枚 )並べて、その接近させたパッチアンテナ間 隙間にて、両パッチアンテナの端部分(つま 電界が強い領域)から互いに放射した電界を 合成したものを利用する構成とは異なる。こ のようにパッチアンテナを水平方向に複数枚 並べることで、電界が合成されて放射電波の 指向性が増す効果はある。ただし、λ/2共振 パッチアンテナを水平方向に複数枚並べる め、どうしてもサイズが大きくなる欠点を する。なお、放射動作と逆の動作で受信を うのは前述の通りである。
 本発明は、パッチアンテナ構成一枚(共振層 一枚)の中で不連続領域を設けて、補助アン ナとして動作させている点が異なる。つま 、前述の磁界を利用した不連続領域を介す 電磁エネルギの結合効果を見出したことと 一枚のパッチアンテナ構成で補助アンテナ 果を見出したことによる共振層の小型化の 成、および無線通信改善を実現しているの ある。
 本発明の特徴は、無線ICタグを結線するこ なく配置するだけで無線ICタグの通信改善が できる点である。市販の無線ICタグはそれぞ に用いるICチップにより、チップ入力イン ーダンスの値が異なっている。この入力イ ピーダンスは静置の場合と動作時の場合で 異なるし、また動作条件でも受信するエネ ギ量に依存して変化する。通常、タグの場 はICチップとアンテナ素子を電気的結線し、 アンテナ性能からインピーダンス調整を確認 した上で製品化されている。この結線の不安 定性がタグ製品の不安定性に直結する重要な 工程である。
 以上のように不安定で、変動しやすいイン ーダンスを持つ無線ICタグに、結線するこ なく、不連続領域に対向するようにICチップ やリアクタンス装荷部をその位置を制御しな がら配置するだけで、インピーダンス整合お よび整合改善を実現できるところが本発明の 無線通信改善シート体の特徴である。構成や 配置位置の検討により、無線ICタグに結線せ とも入力インピーダンス調整機能が実現す ことがわかり、本発明に至った。この簡易 入力インピーダンス調整方法により、無線 信改善効果を得ることができる。
 また補助アンテナは二つの導体層を有する 合があり、第2の導体層が無線ICタグの被着 品の種類の影響を抑える効果を持つため、 線ICタグの近傍に金属、紙、ガラス、樹脂 液体等や電子機器、アンテナ、電子基板等 電子ノイズ源が存在しても、本発明の無線 信改善シート体を用いることで、良好で安 した無線通信特性を得ることが可能となっ 。
 以下図面を参考にして本発明の好適な実施 態を詳細に説明する。
 図1は、本発明の実施の一形態のシート体20 備えるタグ21を模式的に示す断面図である 図2は、タグ21を示す斜視図である。図3は、 グ21を示す断面図である。
 タグ21は、RFIDシステムのトランスポンダで り、リーダと無線通信する構成であり、た えば物品に装着されて、物品の管理に利用 れるが、これ以外の用途で利用されてもよ 。通信装置であるタグ21は、通信構成体で るタグ本体22とシート体20または補助アンテ 35とが積層されて構成される。このタグ21は 、タグ本体22のアンテナ素子23とシート体20ま たは補助アンテナ35とを備えるアンテナ装置 含む構成である。タグ本体22は、基材30と、 アンテナ素子23およびIC31から構成される汎用 ICタグ製品である。アンテナ素子23とIC31が、 グ本体22の必須の構成要素である。タグ本 22が被覆されたり、タグ本体22と、シート体2 0または補助アンテナ35の間に基材、被覆材、 粘着材などの誘電体等を挟む構成であっても よい。シート体20は、通信妨害部材25の近傍 、タグ本体22等にて好適に無線通信するため のシート体であって、補助アンテナ35を含む 成であり、アンテナ素子23またはタグ本体22 と通信妨害部材25との間に設けられる。図1の 補助アンテナ35には第2の導体層28を設けてい 。以下、アンテナ素子23、タグ本体22または タグ21による無線通信に利用される電磁波の 波数を通信周波数という。
 本発明でいう通信妨害部材は、アンテナ素 23またはタグ本体22の近傍に存在することで 、自由空間の場合よりもアンテナ素子23また タグ本体22の通信特性を劣化させ得る物体 ある。通信妨害部材には、たとえば、金属 の導電性材料、帯電防止材、ガラス、紙、 体等の誘電体材料、磁性体材料、電子機器 アンテナ、タグ、ICカード、電子基板等の電 子ノイズ源などから成る部分を有する物体が 該当する。
 アンテナ素子23またはタグ本体22の近傍に金 属等の導電性材料が存在するとアンテナ素子 23またはタグ本体22のインピーダンスが著し 低下し無線通信が難しくなる。また段ボー 、樹脂、ガラス、液体等の誘電体材料はそ 有する誘電率により、アンテナ素子23または タグ本体22の共振周波数を変化させ無線通信 妨害する。さらに磁性材料も透磁率により やはりアンテナ素子23またはタグ本体22の共 振周波数を変化させるために無線通信を妨害 することになる。電子ノイズ源は、ノイズの 影響でアンテナ感度のSN比を低下させること なる。これらのアンテナ素子23またはタグ 体22による無線通信を妨害する物体は、すべ て通信妨害部材となる。
 図1には、タグ21が装着される物品25が通信 害部材である場合を示す。このタグ21は、ア ンテナ素子23またはタグ本体22と、通信妨害 材である物品25との間に、シート体20または 助アンテナ35が介在されるように、物品25に 装着して用いられる。したがってシート体20 たは補助アンテナ35は、タグ本体22と物品25 の間に設けられる。アンテナ素子23または グ本体22と、シート体20または補助アンテナ3 5とは、電気的に絶縁されている。間隔を制 するために、図2に示すように、アンテナ素 23またはタグ本体22と、補助アンテナ35の間 非導電性である第1のスペーサ層32を設けて る。シート体20または補助アンテナ35は、ア ンナテ素子23またはタグ本体22に対して、通 方向Aとは反対側に設けられる。
 シート体20または補助アンテナ35は、導電性 材料からそれぞれ成る2つの導体層27,28を備え ている。各導体層27,28は、アンテナ素子23ま はタグ本体22から電気的に絶縁されていると ともに、互いに電気的に絶縁されている。2 の導体層のうち少なくともいずれか一方の 体層、本実施の形態では、アンテナ素子23ま たはタグ本体22寄りに配置される第1の導体層 27が、アンテナ素子23またはタグ本体22による 無線通信に用いられる電磁波に対して共振す る構成を有する共振層である。そして、共振 層として働く第1の導体層27には、不連続領域 40が設けられている。図1の不連続領域40は溝 (スロット状)であり、これを実施形態Aとす 。この不連続領域40の機能については、後 する。以下、アンテナ素子23またはタグ本体 22寄りに配置される第1の導体層27を、共振層2 7といい、もう1つの第2の導体層28は、反射層 して働くので、反射層28という。この反射 28と通信妨害部材25の間は、必ずしも電気的 絶縁されている必要はない。
 共振層27と共に第1のスペーサ層32または第2 スペーサ層33にも不連続領域が設けられる とがある。スペーサ層は空間でも良く、電 波の損失を抑えた材料で構成しているため このような不連続領域を設けることを含め 電磁エネルギのロスを低く保つことができ のであれば、どのような加工が施されてい もよい。
 反射層28は、共振層27と同一もしくは小さい 形状および寸法に形成されてもよいが、本実 施の形態では、共振層27と同一、または共振 27よりも大きく形成される。共振層27を反射 層28の表面に投影すると、共振層27の領域が 射層28の表面内に収まる構成である。反射層 28を共振層27より大きくすることで、物品25の 種類の影響をより受けなくなり、且つ通信方 向Aへの電波の指向性を高めて、通信距離を ばすことが可能となる。また反射層28にも不 連続領域を設けてもよい。
 シート体20または補助アンテナ35を積層方向 から見たときの平面形状は、配置する無線IC グの形状にもよるが、多くは矩形状である また、シート体20または補助アンテナ35の総 厚みは、約0.1~20mmである。
 タグ21のタグ本体22は、基材30の厚み方向一 もしくは両方の表面に、アンテナ素子23が 成されるとともに、情報格納部であるIC31が 載されて構成される。図示していない基材3 0は、たとえば合成樹脂である誘電体から成 ており、電気絶縁性を有している。基材30の 材料としては、たとえばポリエチレンテレフ タレート(PET)、エポキシ樹脂などの樹脂や紙 どの一切の絶縁材料を用いることができる アンテナ素子23は、基材30の表面に形成され る導体パターンによって実現される。アンテ ナ素子23は、導電性材料、たとえば金属から る。アンテナ素子23の材料としては、たと ば金、白金、銀、ニッケル、クロム、アル ニウム、銅、亜鉛、鉛、タングステン、鉄 その他金属または合金材料、金属酸化物、 ーボン等の炭素系材料などの電気伝導性の い材料を用いることができる。アンテナ素 23は、基材30に、たとえば配線、蒸着、エッ ング処理またはスクリーン印刷等の塗工法 よって形成される。IC31は、アンテナ素子23 電気的に接続され、アンテナ素子23を介し 通信する。
 シート体20または補助アンテナ35は、このよ うなタグ本体22の基材30に積層される。アン ナ素子23およびIC31の基材30に対する向きに制 限はない。シート体20または補助アンテナ35 、共振層27と反射層28との間に第2のスペーサ 層33を介在させて積層される積層体である。 のシート体20は、タグ本体22側から、第1の ペーサ層32、共振層27、第2のスペーサ層33、 射層28の順に積層される。第1のスペーサ層3 2、第2のスペーサ層33は、非導電性を有して る。タグ本体22と共振層27との間には、第1の スペーサ層32としての機能も発揮する基材30 介在され、共振層27と反射層28との間には、 2のスペーサ層33が介在される。アンテナ素 23またはタグ本体22と共振層27の間には、通 、非導電性の第1のスペーサ層32を設ける。 1のスペーサ層32または第2のスペーサ層33は 導電性でさえあれば、接着層や粘着層を兼 ることもできる。また第1のスペーサ層32、 よび第2のスペーサ層33は、単層でも複層で よく、異なる材料で構成されていてもよい また必ずしも損失成分の低い材料で構成さ ていなくてもよい。したがって共振層27お び反射層28は、アンテナ素子23またはタグ本 22に対して電気的に絶縁されるとともに、 いに電気的に絶縁されている。
 このシート体20または補助アンテナ35は、第 2のスペーサ層33の厚み方向一方の表面に共振 層27が形成され、第2のスペーサ層33の厚み方 他方の表面に反射層28が形成される。シー 体20は、補助アンテナ35に第1のスペーサ層32 一体化している構成である。共振層27およ 反射層28は、導電性材料から成る層であり、 たとえばアンテナ素子23と同様の材料を用い 、同様の方法で形成することができる。ア テナ素子23、共振層27、反射層28は、同一の 料から成ってもよいし、異なる材料から成 てもよい。またアンテナ素子23、共振層27、 反射層28は、同一の方法で形成されてもよい 、異なる方法で形成されてもよい。
 第1のスペーサ層32または第2のスペーサ層33 被覆材料の誘電体材料は、少なくとも非導 性を有する構成であればよく、その材料は 定されない。たとえばゴムフェライトのよ に磁性を有するものでもいいし、磁性体(金 属酸化物、セラミックス、グラニュラ薄膜、 フェライトメッキなど)をそのまま層状に形 してスペーサ層として使うことも可能であ 。また第1のスペーサ層32または第2のスペー 層33は誘電材料であってもよい。たとえば 本実施例の形態のように発泡樹脂であって よいし、他の発泡体でもよい。熱、圧力、 外線、硬化剤などの要因により加工時にシ ト状になるものであれば、任意の材料を選 することができる。これら以外に帆布、布 織布、不織布、セラミックス、紙、粘土、 メント、土系材料等の有機物質、無機物質 一切の材料を使用することができる。粘着 や接着剤であってもよい。
 以上のように、第1のスペーサ層32または第2 のスペーサ層33や被覆材料の誘電体材料などI Cタグ21、シート体20、または補助アンテナ35 構成する材料は、金属などの導電性材料で 成する部分を除き、低損失性のエネルギロ の少ない材料が選ばれる。部分的にエネル ロスが多い材料を使わざるを得ない場合は その使用量はなるべく低く抑え、全体とし エネルギロスを低く保つようにする。
 つまり波長短縮効果による小型化や電界を き寄せるために誘電率を持つことは好まし が、より重要なことは損失の低い材料を選 ことである。具体的には通信周波数域に於 る比誘電率の実数部ε’および/または比透 率の実数部μ’は、真空時の比誘電率1およ /または比透磁率1よりも少しでも高い値を し、同周波数域の比誘電率の虚数部ε”およ び/または比透磁率の虚数部μ”ができるだけ 低いことである。そのような材料を本発明で は、電磁波を集めて通過させる材料としてい る。通信周波数帯域で誘電正接tanδ(ε"/ε')ま は磁性正接tanδ(μ"/μ')が低いため、電磁エ ルギの損失が低くなる。
 具体的な材料としては、例えば空間でもよ が、一般には下記に例示するような有機材 を用いる。有機材料としては、例えばゴム 熱可塑性エラストマー、各種プラスチック 木材、紙材、などの有機材料等やそれらの 孔質体が挙げられる。前記ゴムとしては、 然ゴムのほか、イソプレンゴム、ブタジエ ゴム、スチレン-ブタジエンゴム、エチレン -プロピレンゴム、エチレン-プロピレンゴム エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDMゴム) エチレン-酢酸ビニル系ゴム、ブチルゴム、 ロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、 トリルゴム、アクリルゴム、エチレンアク ル系ゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ ゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、塩素 ポリエチレンゴム、水素添加ニトリルゴム( HNBR)、液状ゴムなどの合成ゴム単独、それら 誘導体、もしくはこれらを各種変性処理に 改質したものなどが挙げられる。これらの ムは、単独で使用するほか、複数をブレン して用いることができる。
 熱可塑性エラストマーとしては、たとえば 素化ポリエチレンのような塩素系、エチレ 系共重合体、アクリル系、エチレンアクリ 共重合体系、ウレタン系、エステル系、シ コーン系、スチレン系、アミド系、オレフ ン系などの各種熱可塑性エラストマーおよ それらの誘導体が挙げられる。好適には、 素添加SBS(SEBS)やポリエステルエラストマー を挙げることができる。
 さらに、各種プラスチックとしては、たと ばポリエチレン、ポリプロピレン、AS樹脂 ABS樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、 リ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂;ポリ酢酸 ニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、フッ 素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、 ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレン テレフタレート、ポリエチレンナフタレート 、PPE樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステ ル、ポリスルホン、ウレタン系樹脂、フェノ ール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂などのす べての種類の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹 脂およびこれらの誘導体が挙げられる。
 以上の材料をそのままか、複合化、変性化 組み合わせて用いることができる。発泡す ことが好ましい。典型的な低密度の誘電体 料は、発泡スチロール樹脂などの発泡樹脂 ある。
 第1のスペーサ層32および第2のスペーサ層33 構成する誘電体材料は、たとえば密度が1.0g /cm 3 未満であることが好ましい。
 このような低密度の誘電体材料としては、 孔質有機材料、多孔質無機材料から選ばれ 1または複数の材料を使用する。発泡しない 材料を用いてもよいし、発泡しない材料と発 泡材料を組み合わせてもよい。以上の他、ダ ンボールなどの紙材、木材、ガラス、石膏、 土系材料、布、織布、不織布、複合材料など も使用可能である。
 発泡方法として手段は問わないが、発泡剤 加、または熱膨張性微粒子添加等に分類さ る。発泡剤は有機系発泡剤と無機系発泡剤 ある。ガラスビーズ等の発泡物の添加や、 分やガスによる発泡化、また超臨界二酸化 素や同窒素などの超臨界流体を利用するこ もできる。
 有機系発泡剤としては、例えばジニトロソ ンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカル ンアミド(ADCA)、p,p'-オキシビスベンゼンスル ホニルヒドラジド(OBSH)、ヒドラジドジカルボ ンアミド(HDCA)等が添加されるが、それに限ら れたものではない。
 無機系発泡剤としては、炭酸水素ナトリウ などが添加されるがそれに限られたもので なく、材料に応じて適宜選択して添加して よい。
 また熱膨張性微粒子としては、マイクロカ セル化した熱膨張性微粒子小球などが添加 れる。
 発泡倍率も特に限定されるものではないが 吸収体の厚み変化が少なく、強度が保持さ 、かつ軽量化ができるような形態にする必 がある。これらから好ましくは、発泡倍率 1~50倍程度が好ましい。
 発泡構造については特に限定されるもので ないが、圧縮方向に強い構成、例えば厚み 向に扁平発泡された発泡形態が好ましい。
 木材として、合板、ラワン材、パーチクル ード、MDF等の木質材料でありその材料に本 的な制限を受けるものではなく、複数の材 を組み合わせて用いることもできる。
 多孔質無機材料として、各種セラミック材 、石膏ボード、コンクリート、発泡ガラス 軽石、アスファルト、土材などが挙げられ が、それに限られるものではない。
 第1のスペーサ層32および第2のスペーサ層33 被覆材料の誘電体材料は、受信した電波エ ルギをできる限り損失無く送信エネルギに える必要があるため、できる限り材料によ エネルギ損失が少ない材料を選定する必要 ある。そのためには無線ICタグが無線通信 利用する電磁波の周波数において誘電正接ta nδ(ε"/ε')が0.5以下であることが好ましく、よ り好ましくは0.2以下である。発泡体は、この エネルギロスの低さと、柔軟性、軽量性、低 価格化の効果を有しているため、本発明の材 料として好適である。
 スペーサ材としては低密度と低誘電正接tan (ε"/ε')を兼ねているのがいいが、より重要 のは通信周波数帯域(UHF帯等)での低い誘電正 接tanδを示すことである。
 さらに複素比誘電率の実部ε'が高ければ、 れによる波長短縮効果により、シート寸法 薄型化、小型化が可能となり得るため、ε'1 ~10であることが好ましい。但し、様々なパラ メーターによりシートは構成されるため上記 数値に限ったものではない。
 第1のスペーサ層32および第2のスペーサ層33 被覆材料の誘電体材料は、それぞれ異なる 電体材料で構成されてもよく、同じ誘電体 料で構成されていてもよい。
 図4は、自由空間に設けられるアンテナ素子 23またはタグ本体22(ICタグ)を模式的に示す正 図である。図4に例示するダイポールアンテ ナなどの電波方式のものを含め、アンテナ素 子23またはタグ本体22は、自由空間に設けら る状態を想定して設計されている。ここで 交流によるためダイポールアンテナ間に発 する電界の向きは交互に変動することにな 。図4は、ある時刻における電界の向きを示 ている。チップ31の入力インピーダンスも 由空間に設置される条件でアンテナ素子23と 整合されている。したがってアンテナ素子23 たはタグ本体22は、自由空間に設けられる 態では、矢符Bで示すように、アンテナ素子2 3またはタグ本体22の周囲(360°に対して)に、 磁界を広げることができ、通信効率が高く つ通信距離を大きくすることができる。
 図32に示したように、電波方式で通信する イポールアンテナなどを有するタグ本体22の 近傍に金属などの導電性材料が存在する場合 も、電磁誘導方式と異なるメカニズムで通信 ができなくなるのは前述の通りである。タグ 本体22が受信することでアンテナ素子211に電 I11が流れると近傍にある金属面側にはこれ 逆向きの電流I12が誘導され、誘導電流によ ループ状の電流経路の発生によってインピ ダンスが大きく低下する。これによって自 空間での通信に対して設計されたICチップ21 7の入力インピーダンスとの整合がとれなく り、エネルギおよび信号の伝達が進まず、 信可能距離が短くなってしまう。
 図5は、図32に示したような通信妨害部材が 傍にある状態の部分的な現象を説明する正 図である。電波方式のアンテナ素子23また タグ本体22が、通信妨害部材である物品25の 傍に設けられる状態では、矢符Cで示すよう に、電磁界がアンテナ素子23またはタグ本体2 2と通信妨害部材である物品25との間に集中し て形成されてしまう。このような状態では、 IC31からアンテナ素子23に伝達されたとしても 、電磁界がアンテナ素子23またはタグ本体22 通信妨害部材である物品25との間に集中する ことによって、アンテナ素子23に供給した電 を空間に放射することができず、IC31に戻る 現象が生じ、アンテナ素子23とIC31との整合が 悪化する。このように整合が悪化すると、通 信できなくなってしまう。このように共振器 として動作しても、電磁波を貯めるだけで放 射することができなければ、無線通信改善用 途として使うことはできない。
 図6は、通信妨害部材となる物品25の近傍に けられるアンテナ素子23またはタグ本体22の マクロ的な電波の到達および反射を模式的に 示す正面図である。遠方から飛来してくる電 磁波は、アンテナ素子23またはタグ本体22の 傍にある通信妨害部材となる物品25で反射す る場合、電界が逆位相となって反射する。し たがってアンテナ素子23またはタグ本体22が 通信妨害部材となる物品25の近傍に設けられ る状態では、矢符Dで示すリーダから到来す 直接波と、矢符Eで示す通信妨害部材となる 品25で反射する反射波との干渉によって、 ンテナ素子23またはタグ本体22の近傍位置の 成電界強度が0に近い値になってしまう。こ のように干渉によってエネルギが消費される ことになり、通信できなくなってしまう。
 本件発明のシート体および補助アンテナに る無線ICタグの通信改善メカニズムは、以 の3つの理由による。1つめは、シート体およ び補助アンテナを共存させたことによる通信 妨害部材近傍での無線ICタグの共振の改善、2 つめは、シート体および補助アンテナおよび 不連続領域の構成、形状の工夫および配置位 置検討によるインピーダンス整合の改善、3 めは、前述の通り、構成する材料を、電波 集めて通過させるエネルギロスの少ない低 失材料としたことによるエネルギ低損失構 の実現である。これらについて以下の記述 より説明する。
 本発明では、図1~図3に示すように、アンテ 素子23またはタグ本体22と通信妨害部材25と 間に、共振層27を有するシート体20が設けら れる。共振層27は、反射層28と協同して、補 アンテナであるマイクロストリップアンテ 35を構成する。マイクロストリップアンテナ は、パッチアンテナとも呼ばれるアンテナで あり、したがってシート体20は、パッチアン ナ構成を有する補助アンテナである。電波 受信および放射は、パッチアンテナ状の動 を行っている。パッチアンテナは共振周波 に於ける波長によりサイズが決まるアンテ であるため、通常は極超短波(UHF帯)あるい それ以上の周波数で用いられるアンテナで る。具体的には、導体の長さが1/2波長のと に定在波が乗り、共振状態となるアンテナ ある。パッチアンテナは、グランド板とな 導体層を含む構成であり、グランド板を通 妨害部材側に配置して用いることによって 通信妨害部材の影響を抑えて用いることが きるアンテナである。シート体20または補助 アンテナ35においては、パッチアンテナを構 する2つの導体層である共振層27、反射層28 うち、反射層28がグランド板として機能する ので、反射層28を物品25側に配置して用いる とによって、補助アンテナ自体が物品25の影 響を受けることがなく、安定したアンテナと して動作する。以上より、無線ICタグに、シ ト体または補助アンテナを複合化した効果 より、通信妨害部材25の近傍においても安 したアンテナの共振状態を確保している。 の補助アンテナ35を金属等の導電性物質であ る物品に積層する場合は、その物品が反射層 28の機能を代用するため、反射層28は必ずし 必要でなく、反射層28を設けずとも同様の効 果が得られることになる。
 さらに、上記状態のシート体20または補助 ンテナ35の共振層27にスリットまたはスロッ 等の不連続領域40を設けることにより、パ チアンテナ内部の電界は低いものの、磁界 強い領域を利用して、その部分を介して強 電磁結合することができ、アンテナ素子23ま たはタグ本体22の無線通信が改善する。しか このような不連続領域40を有するシート体20 または補助アンテナ35を、アンテナ素子23ま はタグ本体22と、物品25との間に介在させる とによって、アンテナ素子23またはタグ本 22に対する物品25の影響を緩和することがで る。結果として、物品25の近傍に於いて、 ンテナ素子23またはタグ本体22と、シート体2 0または補助アンテナ35の間の電磁結合が増し 、共振の実現、および結線することなく配置 位置を変更するだけの簡易なインピーダンス 整合を実現できる。
 シート体20または補助アンテナ35の共振層27 、通信周波数の電磁波に対して共振する構 であり、したがってシート体20の補助アン ナ35は、通信周波数の電磁波に対して共振す る。この補助アンテナ35を設けることによっ 、補助アンテナ35で受信した電磁波のエネ ギが、アンテナ素子23またはタグ本体22に給 される。このようにアンテナ素子23または グ本体22は、補助アンテナ35からもエネルギ 得ることになる。アンテナ素子23またはタ 本体22を補助アンテナ35に結線することなく 置するだけで、補助アンテナ35からの放射 利用してエネルギ放出することが可能とな 、IC31からの信号を、大きな放射電力で空間 放出できることになる。パッチアンテナ構 の補助アンテナ35は、共振動作時に2つの導 層のうち、特に共振層27の中間部分付近の 域の電界が0となるアンテナである。電界が0 であることから、電気的に短絡しているのと 同じ状態となる。そのためこの部分にビアを 設けるなどで電気的短絡をさせても動作に影 響はない。
 ここでシート体20は、補助アンテナ35の導体 層27,28、中でも第1の導体層である共振層27を いわゆる反射器(Reflector)として利用してい のではない。反射器からの反射効果を得る めには、反射器がアンテナ素子23またはタグ 本体22から電気長で1/4λ(λ=通信周波数の電磁 の波長)離す必要があるが、シート体20では そのような距離を開けていない。アンテナ 子23またはタグ本体22と共振層27との間隔は 通信周波数の電磁波の波長λの4分の1未満と し、タグ21の厚み寸法を小さくしている。補 アンテナ35は、反射効果ではなく、アンテ 素子23またはタグ本体22との電磁的結合によ 大きい電流をアンテナ素子23またはタグ本 22に流すことによって、通信効率を高くし、 通信距離を大きくしている。
 さらにシート体20の補助アンテナ35は、その 形状および寸法を変更することによって、補 助アンテナ35の共振周波数を容易に変更する とができる。したがってタグ本体22の構成 合せて、通信周波数に合致する共振周波数 有する補助アンテナ35とすることができ、様 々な電界型のアンテナ素子23を備えるタグ本 22に適用してタグ21を構成することが可能と なる。さらにこのような無線通信用アンテナ であれば、無線ICタグに限定されることはな 、本発明の作用を用いて同様に無線通信を 善できる。
 図7A~図7Jは、共振層27の形状の例を示す平面 図である。共振層27の1つの辺に平行な方向( とえば図7の左右方向)を第1方向xとし、第1方 向xに対して垂直な他の辺に平行な方向(たと ば図7の上下方向)を第2方向yとする。共振層 27は、図7A~図7Jのように長方形状の一部を欠 させ不連続領域40が形成される構成である。 共振層27または不連続領域40は、長方形状、 形状、多角形状、楕円状、円状、不定形状 の任意の外郭形状を取りうる。形状だけで く、個数にも制限はない。
 不連続領域40は、図7Aに示すように、第1お び第2方向x,yの中央部に、第2方向yに延びる 長い長方形に形成されてもよいし、図7Bに示 すように、第1および第2方向x,yの中央部に、 1方向xに延びる長方形部分が連結されるH字 に形成されてもよいし、図7Cに示すように 第1方向xの中央部分に共振層27の端部から切 けが形成された形状でもよい。また図7Dに すように、第1および第2方向x,yの中央部に、 長辺が第2方向yと平行な長方形に形成されて よいし、図7Eに示すように、第1および第2方 向x,yの中央部に、第1方向xに延びる長さの短 長方形部分が連結されるH字状に形成でもよ い。図7Fに示すように、第1および第2方向x,y 中央部から第2方向y一方に偏った位置に、長 さの異なる平行な長方形部分が連結される「 工」字状に形成されてもよい。また不連続領 域40は、図7Gに示すように、図7Fの構成に加え て、第2方向yの両端部に長方形状の切欠きを する構成に形成されてもよいし、図7Hに示 ように、図7Aの構成に加えて、第1方向x両側 、少し短い細長い長方形を平行に有し、「 」字状に形成されてもよい。図7Iおよび図7J は、図7Aおよび図7Bの不連続領域40部分をさら に変形した例である。不連続領域40の中央付 の幅を他の部分より広くし、ICチップ31また はタグ本体22への影響をさらに小さくしてい 。以上に制限されることなく任意の形状を することができる。
 共振層27は、図7A、図7B、図7D~F、図7I、Jのよ うに、1つの不連続領域40だけが形成される構 成でもよいし、図7G、図7Hのように、複数の 連続領域40が形成される構成でもよい。また 共振層27は、図7A、図7B、図7D、図7E、図7H、図 7I、図7Jのように、共振層27の中心を通る中心 軸線L27に関して対称に不連続領域40が形成さ る構成でもよいし、図7C、図7F、図7Gのよう 、共振層27の中心を通る中心軸線L27に関し 非対称に不連続領域40が形成される構成でも よい。また共振層27は、図7A、図7B、図7D、図7 E、図7F、図7G、図7I、図7Jのように、全周が共 振層27に囲まれる孔の不連続領域40だけが形 される構成であってもよいし、図7Gのように 、孔の不連続領域40と、部分的に開放されて 振層27の外部に連なる切欠きの不連続領域40 とが形成される構成であってもよいし、図7C ように、切欠きの不連続領域40だけが形成 れる構成であってもよい。不連続領域40は、 存在するのであればその形状および構成は特 に限定されるものではない。複数あっても、 組み合わせたものでもよい。また完全に共振 層27を分割するような切欠きでもよい。また 角形状だけでなく、線状、棒状、円状、円 状、曲線状、不定形状等の任意の形状でよ 。これらが上下方向に分布することもある
 また共振単位を素子(導体素子)として、こ を単数あるいは複数個並べて配置する共振 27とすることもできる。この場合、導体素子 間は絶縁され、その間隔により形成されるコ ンデンサーが共振周波数に影響を与えること になる。この間隔の絶縁部分も本発明の不連 続領域40である。
 共振層27や不連続領域40あるいは導体素子の 外郭形状の少なくとも一部を曲線状とした場 合、電波の入射方向に見た偏波方向に対する 共振層27や不連続領域40あるいは導体素子等 アンテナ部分の角度位置関係に拘わらずア テナ特性が安定する。つまり、円偏波の電 を受ける場合に、アンテナ部分の電波偏波 に対する受信特性の角度依存性が少ない安 した共振を実現することができる。
 共振層27が、図7A~図7Jに示すように、不連続 領域40が形成される構成である場合、不連続 域40をアンテナとして機能させることがで る。これによって前述の補助アンテナ35に加 えて、不連続領域40をアンテナとして備える 成とすることができる。この不連続領域40 、通信周波数の電磁波に共振するように形 すれば、この不連続領域40で受信した電磁波 のエネルギをアンテナ素子23またはタグ本体2 2に与えることが可能になる。さらに不連続 域40の共振により、その周囲に沿って共振層 27の裏表とも共振電流が流れ、より強い電磁 合の実現(インピーダンス整合の実現)がし り、あるいは無線ICタグ21の放射効率を改善 きる。このとき、共振層27は、不連続領域40 だけで共振する構成であってもよい。
 不連続領域40がアンテナとして機能した場 は、その不連続領域周囲の形状および寸法 よって、周波数特性が異なる。不連続領域40 は、得るべき周波数特性に合せて形状および 寸法が決定される。たとえばスロットアンテ ナは、そのスロットの周囲長が電磁波の波長 と等しくなるときに共振が生じる。一般に超 短波帯(30MHz~300MHz)以上の周波数で用いられる ンテナである。このように不連続領域40か の放射も補助アンテナ35の放射の一部となる 。細長い長方形など、細長い線状に延びる不 連続領域40を形成した場合、不連続領域40が グ本体22と直交するような位置関係となるこ とから、タグ本体22の長手方向を結ぶように 生する電界(電気力線)により導かれて、ス ット状不連続領域40を渡るように発生する電 界が強くなり、スロット周囲に生ずる電流が 大きくなる。さらにその線幅を大きくし、長 手方向寸法と幅寸法の差が小さい不連続領域 40を形成すれば、スロット状不連続領域40に 生する電界が小さくなり、スロット周囲に ずる電流も小さくなる。さらに長さ寸法の なる長方形を組合せるなど、非対称の形状 不連続領域40を形成すれば、複雑な電界や電 流を生じることができ、受信強度の大きい周 波数範囲が大きく、または共振周波数を複数 有することができ、広帯域の受信が可能な周 波数特性が得られる。またこのような広帯域 化を図る場合、不連続領域40を共振層27の中 からずれた位置に形成すること等によって ンテナ構造に非対称性を導入でき、共振可 部位を複数導入することが可能となり、よ 広帯域化を図ることができる。
 なお、不連続領域40は必ずしも共振する必 はない。たとえ共振しなくとも、補助アン ナ35の第1の導体層27に発生する誘導電流の電 流経路の高抵抗化を図ることができ、アンテ ナ素子23またはタグ本体22のインピーダンス 下を抑制することができる。
 不連続領域40の形状を変更し、複数を組合 るなどして、補助アンテナ35とアンテナ素子 23またはタグ本体22との電磁結合を強めたり 広帯域化したり、共振を増したり、また共 効果により補助アンテナ効果を支援するよ な設計が可能となる。
 図8は、本発明の実施形態であるシート体20 平面図であり、図9は、シート体1の拡大断 図である。図8に示す形状のシート体20を用 た場合が実施形態Aである。
 不連続領域40は、図9の断面図に示すように 第1のスペーサ32と補助アンテナ35とを積層 向に貫通し、その結果第2のスペーサ33が溝 底を形成する構成となっている。従って不 続領域40の深さDは、第1のスペーサ32の厚み 補助アンテナ35の厚みとの和と同じとなり、 たとえば0.1~20mmである。
 不連続領域40の長さLは、シート体20の短辺 向長さL0に対して1~1,000%となる長さに形成さ 、全長は、折れ曲がり部分があれば、それ 含んで、たとえば1~500mmである。
 不連続領域40の幅Wは、ICチップやその接合 分およびリアクタンス装荷部の大きさなど よるが、たとえば0.1~50mmである。このような 不連続領域40を設けることで、結線すること く配置された無線ICタグのダイポールアン ナと、補助アンテナ35とは、この不連続領域 40を介して電磁的に結合し、補助アンテナ35 共振アンテナとして機能する。さらに、無 ICタグの直下に不連続領域40が設けられるの 、ICチップに対する補助アンテナ35の導電体 である共振層が、通信妨害部材(近傍金属)と て振舞うことの影響を小さくすることがで る。
 不連続領域40は、一般的な形成方法で形成 ることができる。第1のスペーサ32において 、打ち抜き、切削などの機械的加工を用い り、エッチングなどの化学的加工を用いて 電体材料からなる板状部材から不連続領域40 となる所定の部分を除去すればよい。また、 使用する誘電体材料によっては、成型時に予 め不連続領域40が設けられた形状に成型する とも可能である。
 補助アンテナ35においても、第1のスペーサ3 2と同様に機械的、化学的加工を用いて不連 領域40となる所定の部分を除去すればよい。 また、予めスリット、スロット等が設けられ た形状となるように、スペーサに直接印刷、 蒸着、塗工することも可能である。
 上記のような方法を用いて、第1のスペーサ 32と補助アンテナ35のそれぞれに不連続領域40 を形成してもよく、第1のスペーサ32に予め補 助アンテナ35を積層しておき、両者に同時の 連続領域40を形成してもよい。
 本発明の不連続領域40は、補助アンテナ35に おいて必須であるが、反射層28においてはな てもよい。同様に第1スペーサ32および第2ス ペーサ33においても、不連続領域40があるこ もないこともある。最も近い導体層に不連 領域40を設けることが本発明の要件である。
 図10は、不連続領域40が形成されていない共 振層27が設けられる、比較例となるタグ21を す斜視図である。図10には、基材30を省略し 示す。不連続領域40のない共振層27を用いる 場合、アンテナ素子23およびIC31は、IC31が共 層27の中心位置に重なり、アンテナ素子23が 振層27の一辺と平行または略平行に延びる うに設けられる。
 図11は、図8Bに示すH字状スロットの不連続 域40が形成される共振層27が設けられるタグ2 1を示す斜視図である。これが実施形態Bとな 。図11には、基材30を省略して示す。共振層 27の中央部に第1方向xを上下にして見たとき H」となる不連続領域40が形成される共振層27 を用いる場合、アンテナ素子23およびIC31は、 IC31が共振層27の概中心位置に重なり、アンテ ナ素子23またはタグ本体22が第1方向xに延びる ように設けられる。この状態で、IC31または アクタンス装荷部の位置は、不連続領域40に 重なっている。
 図12は、実施形態Bのシート体20の平面図で る。
 不連続領域40として、補助アンテナ35の長辺 方向中央部に、短辺方向に平行な直線状の孔 S1と、短辺方向に所定の間隔を空けて、長辺 向に平行な2本の直線状孔S2とが設けられ、 S1と孔S2とは、中央部分で交差するとともに 、直線状の孔S1は、孔S2より外側に突出しな ように設けられる。
 孔S1および孔S2の断面は、実施形態Aにおい 図9に示した断面図と同様で、第1のスペーサ 32と補助アンテナ35とを積層方向に貫通し、 の結果第2のスペーサ33が溝の底を形成する 成となっている。また、孔S1と孔S2の深さお び幅は同じである。
 孔S2の深さDは、第1のスペーサ32の厚みと補 アンテナ35の厚みとの和と同じとなり、た えば0.1~20mmである。孔S1および孔S2の幅Wは、I Cチップやその接合部分およびリアクタンス 荷部の大きさなどによるが、たとえば1~30mm ある。
 孔S1の長さL101は、たとえば5~100mmであり、孔 S2の長さL102は、たとえば30~500mmである。
 このような孔S1および孔S2を設けることで、 実装された無線ICタグのダイポールアンテナ 、補助アンテナ35とは、この孔S1および孔S2 介して電磁的に結合し、補助アンテナ35が 振アンテナとして機能する。さらに、無線IC タグの直下に孔S1が設けられ、ダイポールア テナのリアクタンス装荷部の近くに孔S2が けられるので、ICチップおよびリアクタンス 装荷部に対する補助アンテナ35の近傍導電体( 通信妨害部材となる)としての影響を小さく ることができる。
 図13は、図8Cに示す、スリット状の不連続領 域40が形成される共振層27が設けられるタグ21 を示す斜視図である。これが実施形態Cとな 。図13には、基材30を省略して示す。共振層2 7の中央部に共振層27の端部から第2方向yに延 る長方形の不連続領域40が形成される共振 27を用いる場合、アンテナ素子23およびIC31は 、IC31が共振層27の概中心位置に重なり、アン テナ素子23またはタグ本体22が第1方向xに延び るように設けられる。この状態で、IC31また リアクタンス装荷部の位置は、不連続領域40 に重なっている。
 図11~図13に示すように、不連続領域40が形成 される共振層27を用いる場合、不連続領域40 、IC31またはリアクタンス装荷部とが重なる うに設けることが好ましい。このように不 続領域40と、IC31またはリアクタンス装荷部 を重なるように配置すれば、共振層27によ アンテナ素子23またはタグ本体22のインピー ンスへの影響を小さく抑えることができる また配置する位置によりインピーダンス整 を最適化することができる。これによってI C31からアンテナ素子23またはタグ本体22への 力供給を容易にし、通信効率を高くするこ ができる。
 図14は、通信距離の推定方法を説明するた のグラフである。図14において、横軸はリー ダからの距離を示し、縦軸は受信電力および 電力密度を示す。タグ21によって通信可能な 大距離(以下「通信距離」という)は、タグ21 が設けられる位置と、タグ21をリーダから遠 けるように相対的に変位させたとき、通信 の状態から通信不可の状態に変わる位置と 間の距離である。タグ21には、タグ21が動作 するために必要な電力(以下「動作電力」と う)Wdが決まっている。タグ21が受信する電力 (以下「受信電力」という)Wrが、動作電力Wd以 上(Wr≧Wd)場合、タグ21は通信可であり、受信 力Wrが、動作電力Wdより小さい(Wr<Wd)場合 タグ21は、通信不可である。通信距離は、受 信電力Wrが動作電力Wdと等しくなる場合のリ ダからタグ21までの距離である。
 タグ21の受信電力は、タグ21の動作利得に比 例するとともに、リーダからの電磁波の電力 密度に比例する。タグに到達する電力密度は 、リーダからの距離の2乗に反比例する。し がってタグ21の動作利得と、タグ本体22が自 空間にある場合の動作利得との比が分かれ 、タグ21の通信距離と、タグ本体22が自由空 間にある場合の通信距離との比が推定できる 。図14に示すように、通信距離の比=√動作利 得の比R(図14に表示)となる。このようにして グ21の通信距離を推定することができる。
 図15は、タグ21の性能評価に用いた共振層27 示す平面図である。図15に示す比較例の共 層27は、長方形状であり、不連続領域40は形 されていない。共振層27の一辺に平行な第1 向xの寸法を第1寸法(辺長)W1とし、第1方向x 対して垂直であり、共振層27の他の辺に平行 な第2方向yの寸法を第2寸法(幅)W2とする。
 図16は、タグ21の利得を説明するための図で ある。タグ21では、アンテナ素子23またはタ 本体22において、電気信号と電磁波信号とを 互いに変換する構成であり、電気信号が有す る電気電力と電磁波信号の有する電磁波電力 との間の変換効率が高いほど、性能が高い。 タグ21における送信性能と受信性能とは一致 ており、送信性能が高ければ、受信性能も い。ここではアンテナ素子23によって送信 る場合を例に挙げて、アンテナ素子23または タグ本体22の利得について説明する。
 給電手段であるIC31からアンテナ素子23に電 が供給され、アンテナ素子23から電磁波と て電力が放射される。ここでIC31からアンテ 素子23に供給される電力が、供給電力P0であ り、供給電力P0のうち、一部だけがアンテナ 子23に入力される。アンテナ素子23に実際に 入力される電力が、アンテナ電力Pinとなり、 供給電力P0うちどの程度入力されるかが反射 性値S11で表される。アンテナ電力Pinうち、 磁波として放射される電力が放射電力Pradで あり、この放射電力Pradは、アンテナ素子23ま たはその近傍の物体による損失を除く電力で ある。さらに放射電力Pradのうち、放射の目 方向となる通信方向A以外へ放射される電力 除き、通信方向Aへ電磁波として放射される 電力が、指向放射電力Ptである。
 利得には、動作利得Gw、絶対利得Ga、指向性 利得Gdがある。動作利得Gwは、給電電力P0に対 してどの程度の指向放射電力Ptが得られるか 表す。絶対利得Gaは、アンテナ電力Pinに対 てどの程度の指向放射電力Ptが得られるかを 表す。指向性利得Gdは、放射電力Pradに対して どの程度の指向放射電力Ptが得られるかを表 。このように利得は、電力変換効率を示す 標である。
 反射特性値S11は、給電整合の評価値であり 共振周波数を評価することができ、式(1)で され、小さい程好ましい。給電部でのエネ ギ伝達効率(Pin/P0)は、式(2)で表される。ま アンテナ素子23のインピーダンスをZ11とし、 IC31のインピーダンスをZportとし、IC31のイン ーダンスに共役な複素数をZ * portとすると、式(3)の関係が成り立つ。さら 放射効率ηは、式(4)で表される。
  S11(dB)=10×log((P0-Pin)/P0) …(1)
  Pin/P0=1-10 (S11/10)              …(2)
  |S11|(絶対値)=|(Z11-Z * port)/(Z11+Zport)|…(3)
  η=Prad/Pin=10 ((Ga-Gd)/10)        …(4)
 この利得が大きいほど大きな通信距離が得 れ、好ましい構成が実現される。したがっ 電力変換効率を大きくし、利得を大きくす ことができれば、好ましい構成が得られる シート体20または補助アンテナ35を用いずに 、アンテナ素子23またはタグ本体22を、通信 害体となる物品25の近傍で用いると、物品25 おける損失が大きくなり、アンテナ電力Pin ら放射電力Pradへの変換効率が悪くなる。ま たアンテナ素子23またはタグ本体22の近傍に 信妨害体となる物体が存在すると、アンテ 素子23またはタグ本体22のインピーダンスZ11 変化し、IC31のインピーダンスZportとの差が きくなって、反射特性値S11が大きくなり、 電整合が悪くなる。
 シート体20または補助アンテナ35を用いるこ とによって、物品25による悪影響を防ぎ、ア テナ電力Pinから放射電力Pradへの変換効率の 悪化を防ぐとともに、物品25によるアンテナ 子23またはタグ本体22のインピーダンスZ11の 変化を防ぎ、反射特性値S11を小さくし、給電 整合を良好にすることができる。このように シート体20または補助アンテナ35を用いるこ によって、物品25による悪影響を防止し、高 い利得が得られる通信環境を実現することが できる。
 図17は、本発明のタグ21に採用することがで きるタグ本体22を示す平面図である。タグ本 22として、直線状に延びるダイポールアン ナでも、図17の様な折れ曲がりタイプのダイ ポールアンテナから成るタグ本体22を用いて よい。このタグ本体22もまた、ダイポール ンテナであるが、IC31に接続される基端部23a 遊端部23bとの間の中間部23cがS字状に蛇行す る構成であり、遊端部23bが中間部23cよりも幅 広に形成されて面状であり、さらにIC31の両 部分が、ループ部23dによって、IC31をバイパ して電気的に接続される構成である。図17 示すアンテナ素子23では、リアクタンス装荷 部として、ループ部23dが形成されている。こ のループ部を部分的に有する構造は、多くの 電波方式のICタグに見られる構造である。図1 7のタグ本体22は、長手方向が94mm、幅方向が16 mm、ループ部分の長径が12mmである。
 図18は、タグ21の性能評価に用いたさらに他 の共振層27を示す平面図である。図18に示す 振層27は、長方形状であり、H字状の不連続 域40が形成されている。第1寸法W1は95mmであ 、第2寸法W2は43mmである。不連続領域40は、 1方向xに延びかつ互いに平行な2つの細長い 方形部分40a,40bと、これらを接続する接続部4 0cとを有するH字状である。第2方向y一方側の 方の長方形部分40aは、幅(第2方向yの寸法)D1 2mmであり、長手方向寸法(第1方向xの寸法)L5 75mmであり、共振層27の第2方向y一方の端か 距離L6=8mm内方の位置に、共振層27の第1方向x 端から距離L7=10mmずつ内方の位置間にわって 延びている。第2方向y他方側の他方の長方形 分40bは、幅(第2方向yの寸法)D2が2mmであり、 手方向寸法(第1方向xの寸法)L8が75mmであり、 共振層27の第2方向y他方の端から距離L9=15mm内 の位置に、共振層27の第1方向x両端から距離 L10=10mmずつ内方の位置間にわって延びている これら2つの長方形部分40a,40bは、第2方向yに 間隔D3=16mmをあけている。接続部40cは、共振 27の第1方向xの中央位置で第2方向yに延びて る。幅(第1方向xの寸法)D5は、2mmである。
 図19は、図17に示すタグ本体22を用い、図8に 示すシート体20を備えるタグ21の評価結果と て反射特性値S11を示すグラフである。図20は 、図17に示すタグ本体22を用い、図18に示す共 振層27を備えるタグ21の評価結果として反射 性値S11を示すグラフである。図21は、図17に すタグ本体22を用い、実施例7および実施例8 の共振層27を備えるタグ21の評価結果として 射特性値S11を示すグラフである。図19~図21に 結果を示すタグ21において、第1のスペーサ層 32は、厚み寸法を1mmとし、第2のスペーサ層33 、厚み寸法を2mmとした。第1のスペーサ層32 よびスペーサ層33は、樹脂発泡体を想定し 比誘電率の実部は第1のスペーサ層32が1.1、 2のスペーサ層33が1.2とし、誘電率損失項tanδ (=ε"/ε')は共に0.01とした。なお磁性は有しな 。また比誘電率は、UHF帯に於いては、周波 に依存せずに比較的安定した値を取ってい ため、UHF帯全域にこの数値を適用してよい 材料定数は、同軸管法により、ネットワー アナライザー(アジレントテクノロジー社製 、商品名HP8720ES)を用いて測定している。
 図19に結果を示すタグ21に用いた共振層27は 第1寸法W1が110mmであり、第2寸法W2が46mmであ 、不連続領域40の幅L1が1mmであり、長さ寸法 L2が42mmであり、距離L3が2mmである。図20に結 を示すタグ21に用いた共振層27は、図18に示 寸法を有する。図21に結果を示すタグ21に用 た共振層27は、第1寸法W1が107mmであり、第2 法W2が67mmである。
 図19および図20には、自由空間の場合と、タ グ21の場合とを比較して示す。図19に結果を すタグ21では、タグ本体22が第1方向xに延び IC31が不連続領域40と重なり、ループ部23cが 連続領域40を横切るように設けられる。図20 結果を示すタグ21では、タグ本体22が第1方 xに延び、IC31が不連続領域40の接続部40cと重 り、ループ部23cが他方の長方形部分40bと重 るように設けられる。図21に結果を示すタ 21では、タグ本体22が第1方向xに延びるよう 設けられる。
 図19~図21において、横軸は周波数を示し、 軸は給電整合S11を示す。また図19~図21には、 自由空間の結果を一点鎖線で示し、不連続領 域のないパッチ構造の共振層の結果を線と丸 印の組合せにて示し、タグ21の結果を実線で す。図21に示すように、ループ部23dを有す タグ本体22を用いる場合、不連続領域40のな 共振層27では、十分な効果が得られないが 表2および表3ならびに図19および図20に示す うに、不連続領域40が形成される共振層27を いることによって、給電整合を向上させる とができる。不連続領域40が細長いスリッ である場合、周波数帯域が小さくなるが、 信周波数(953MHz)における極めて良好な給電整 合が得られる。通信距離を前述のような推定 方法で推定すると、表3の実施例4に示す様に 由空間の場合の約76%の通信距離が得られる 果を得た。また不連続領域40がH字状スロッ である場合、不連続領域40が長方形スロッ である場合と比べて、多少給電整合が劣る 、通信距離を前述のような推定方法で推定 ると、自由空間の場合の60%弱の通信距離が られる結果を得た。このようにループ部23d ど、リアクタンス装荷部を有するタグ本体22 を用いる場合には、不連続領域40が形成され 共振層27を用いることによって、通信距離 大きい、タグ21を実現することができる。
 図22は、本発明の実施の他の形態の共振層27 を示す平面図である。共振層27は、たとえば 22に示すように、互いに電気的に絶縁され 複数の導体素子70を有する構成であってもよ い。このような構成では、各導体素子70によ てパッチアンテナやフラクタルアンテナ等 それぞれ形成され、同様の効果を達成する とができる。また共振層27は、図22に示すよ うに少なくとも1つの角部、図22の例では全角 部が曲線状である略多角形状の外郭形状を有 する構成であってもよい。このような角部が 丸み付けされる構成では、飛来する電波の偏 波方向に依存せず安定した受信ができるとい う偏波特性の優れたタグ21を実現することが きる。導体素子70の間や、あるいは導体素 70に設けられた不連続領域40の絶縁部分にIC31 やリアクタンス装荷部を配置することで同様 の効果を得ることができる。

 前述の補助アンテナの各実施形態に応じた ート体を作製し、無線ICタグを貼り付けて 通信距離を測定した。
 実施例1~3および比較例1~3の寸法、材料など 表1に示す。表1において、寸法aはシート体 長辺の長さを示し、寸法bはシート体の短辺 の長さを示す。不連続領域の幅は、実施例1,2 (実施形態A)についてはI型のスロットの幅を す。実施例3(実施形態B)についてはH型のスロ ットの幅を示すが、ここではスロットS1とス ットS2の幅は同じである。またH型スロット スロット長さは長手方向がL1、幅方向がL2で ある。スロットS1とスロットS2の幅は同じで る。全てのスロットの長さや幅は異なって てもいいが、ここでは長いスロット同士の さは等しく、全てのスロットの幅は等しく ている。
 補助アンテナは導体層から成る共振層と第2 スペーサにて構成されていて、下層に導電層 (反射層)を有す場合と有さない場合がある。 施例に用いた第1スペーサ及び第2スペーサ 発泡樹脂であり、950MHz帯に於ける比誘電率 実部ε'が1~2、および誘電正接tanδが0.5以下で ある。
 比較例1は、不連続領域が形成されていない こと以外は、実施例1と同じである。比較例2 よび比較例3は、発泡スチロール単層による スペーサであり、補助アンテナなどは備えて いない。
 図23は、通信距離の測定方法を示す概略図 ある。
 SUS板(210mm×300mm×0.5mm厚)上に、シート体に貼 付けた状態の無線ICタグを設置し、所定の さに設置したリーダアンテナによって、通 可能な距離から徐々にSUS板ごと距離を離し 読み取りができる最大距離を通信距離とし 。
 無線ICタグには、オムロン株式会社製のWave Tagを用い、リーダアンテナには、オムロン 式会社製V750-HS01CA(円偏波パッチアンテナ)を い、リーダには、オムロン株式会社製V750-BA 50C04-JP(送信最高出力28.5dBm、使用チャネル:1CH) を用いた。無線ICタグをシート体に配置する は、無線ICタグのICチップやリアクタンス装 荷部の一部が不連続領域部分と対向する位置 にくるようにしている。
 測定した通信距離に基づいて、通信比率を 出して評価した。通信比率は、測定した通 距離/自由空間でのタグ読み取り通信距離(4. 5m)×100(%)で算出した。結果を表1に示す。リー ダの出力は、高出力(28.5dBm)としている。
 比較例1~3は、いずれも通信距離が短く、通 比率は4~13%であった。
 実施例1~3はいずれも比較例の通信比率を大 く上回っており、通信改善効果が見られた
 実施例3の無線通信改善シート体と無線ICタ を貼り付けた状態で、φ140mmの金属製缶に曲 面に沿って取り付けた。その状態にても通信 距離は3.5mであり、通信比率は79%と高い値を した。反射層を設けない構成のためシート の柔軟性が向上した結果、金属製物品の曲 形状にも対応可能となり、円筒状の金属製 もRFID無線通信管理可能であるといえた。
 表2および表3は、無線ICタグに対して本発明 の無線通信改善シート体20を用いた場合の形 効果をシミュレーションした結果を示して る。表2が形状および材料条件を示し、表3 給電整合S11(Sパラメータ)と953MHzでの通信特 、それらから決定した通信改善率を示して る。表2および表3では、不連続領域がない場 合(パッチアンテナ状構成)および自由空間で 無線ICタグ120を用いたときとの相対的な比 を示している。
 まず計算に用いた無線ICタグは略長手方向( さ94mm、幅16mm)で、ICチップのインピーダン は950MHz帯において自由空間にて整合するイ ピーダンス値としたUHF帯対応である。ここ 、発泡樹脂Aは、950MHz帯の比誘電率実部ε’ 1.1、誘電正接tanδが0.01であり、発泡樹脂Bは 同周波数帯の比誘電率実部ε’が1.2、誘電 接tanδが0.01であり、発泡樹脂Cは、同周波数 の比誘電率実部ε’が1.3、誘電正接tanδが0.0 1であり、PETは、同周波数帯の比誘電率実部ε ’が3、誘電正接tanδが0.01である。
 表3には、それぞれの条件における給電整合 S11のピーク周波数(GHz)、953MHzでの電磁波の反 特性を示す給電整合S11(dB)、同周波数にて無 指向・無損失であると定義される基準アンテ ナに対する利得を表す絶対利得Ga(dB)、式(5)に て表される整合損と絶対利得Gaを共に考慮し 得られる動作利得Gw、式(6)にて表される自 空間の通信距離に対して無線ICタグ120の通信 距離がどのように変わるかを示す通信改善率 を示している。また給電整合S11の結果は図21, 図24、図25に示している。図21には、実施例7 よび実施例8の結果を自由空間の場合と比較 ている。図24は、実施例4(実施形態Aの補助 ンテナ)の結果を不連続領域なしのパッチ構 および自由空間の場合と比較している。さ に図25は、実施例5(実施形態Bの補助アンテ )の結果を不連続領域なしのパッチ構造およ 自由空間の場合と比較している。なお、絶 利得Gaは、同じ電力を供給した際にアンテ から放射される電力密度がどの程度違うか 示す尺度を示す。
 通信改善率を高めるためには、インピーダ ス整合を実現することで給電整合S11をなる く小さくし、絶対利得Gaを大きくする必要 ある。薄型および小型のシート体20でありな がら、このシート体20を貼り付けるだけで、 線ICタグとのインピーダンス整合をとり、 つアンテナ放射特性(絶対利得Ga)を大きくす ことが達成できている。給電整合S11からみ れる帯域はまだ狭いものの自由空間に匹敵 る通信改善率が見られる。また図21、図24、 図25に示す結果からわかるように、共振層に ける不連続領域の通信改善効果が大きいこ も確認できた。さらなる材料や構成の検討 より、通信認可帯域をカバーし、且つ高い 信改善率を有するシート体101を提供するこ が可能になるといえる。
 実施例13~18、比較例7~12の寸法、材料などを 4に示す。表4に記載の不連続領域40の形状は 、H字状スロットであり、実施形態Bと記載し いる。不連続領域40の長さと幅は、H字状ス ットの長さと幅を表している。
 無線ICタグ、リーダアンテナおよびリーダ 、実施例1と同じである。このとき、無線IC グのICチップやリアクタンス装荷部と対向す る位置に来るようにした。さらにその態様の まま、無線ICタグの位置をシート体に対して 相対的に位置変動させて、その配置位置の 響を確認した。表4中のタグ設置位置は、シ ート体の上に無線ICタグを、それらの長軸方 を平行に配置した場合のシート体の一辺を 端として、その位置から無線ICタグのアン ナ素子部分の下端部までの距離(mm)を示して る。この時、無線ICタグのICチップは、シー ト体や補助アンテナの不連続領域に位置する ように配置している。
 H字状スロットの不連続領域を有する実施形 態Bでは、薄型化しても通信距離が伸びる傾 があった。これはスロット部分がICタグとの 電磁エネルギの受け渡しだけではなく、電波 の送受信にまで寄与している可能性があるた めとみている。このように不連続領域は、IC ップとシート体(補助アンテナ)の電磁結合 強くする結合領域となるだけでなく、それ 身が電波を受けたり、放射したりするアン ナ機能を持つことが可能であった。またこ スロット部分の形状調整により、共振層の 型化が可能であった。
 またICタグを配置したシート体20を被覆材料 で被覆処理を行ったところ、被覆材料の誘電 率がアンテナ共振周波数に影響を与えること があり、被覆材料の種類や厚さ等の構成が無 線通信距離を調整する効果を有することが判 明した。
 通信距離や通信比率より、明らかにICタグ 配置する位置により通信改善結果が影響を けることがわかったが、シート体の総厚に じて、最適配置位置は変わっており、明確 傾向は把握できなかった。ただし、タグ配 位置を制御することで、インピーダンス整 も適正化でき、通信改善に繋がることは見 している。このように結線しなくても配置 るだけで、無線ICタグが十分に信号伝達でき 、通信妨害部材が近傍に存在しても通信改善 できることを確認した。
 実施例17は、他の例と異なり、UPM社製Rafsec  UHF Webタグ(サイズ:30mm×50mm)を用いた例である 。シート体のサイズも70mm×40mmに収まり、カ ドサイズとして使用できるサイズである。 のタグは自由空間で2.6mの通信距離であった
 シート体を直接用いた場合とEVA樹脂で被覆 たシート体を用いた場合での通信距離と通 比率を示している。結果、被覆材が通信距 に影響を与えることがわかった。そこで、 じ無線ICタグおよびシート体20を用いて、シ ート体20の被覆材のみをポリエステルエラス マー(0.4mm厚)に変更したところ、通信距離は 1.2mまで低下した。EVA樹脂の材料定数が、953MH zで複素比誘電率の実数部(ε’)が2.4、同虚数 (ε”)が0.02で、誘電正接tanδ(=ε”/ε’)が0.01 と低かったのに対し、ポリエステルエラスト マーは、953MHzで複素比誘電率の実数部(ε’) 3.1、同虚数部(ε”)が0.22で、誘電正接tanδが0 .07であった。誘電率の実数部も少し高いが、 同虚数部が高くなっていて、これによるエネ ルギ損失効果の増大が通信距離の低下に繋が ったと考えている。通信周波数での誘電正接 tanδが0.05以下の材料を選定することが好まし い。これは被覆材だけでなく、スペーサ層の 材料にも適用される。
 実施例19~27、比較例13~15の寸法、材料などを 表5に示す。表5に記載の不連続領域の形状は I字状スリットであり、実施形態Cと記載し いる。不連続領域の長さと幅は、I字状スリ トの長さと幅を表している。
 無線ICタグ、リーダアンテナおよびリーダ 、実施例1と同じである。この時、無線ICタ のICチップやリアクタンス装荷部と対向する 位置に来るようにした。さらにその態様のま ま、無線ICタグの位置をシート体に対して、 対的に位置変動させて、その配置位置の影 を確認した。この位置変動により通信距離 異なる場合があり、インピーダンス整合を 整できることが判明した。
 実施例28~31、比較例16、17の寸法、材料など 表6に示す。表6に記載の不連続領域40の形状 は、I型スロットであり、実施形態Aと記載し いる。不連続領域40の長さと幅は、I型スロ トの長さと幅を表している。
 無線ICタグ、リーダアンテナおよびリーダ 、実施例1と同じである。この時、無線ICタ のICチップやリアクタンス装荷部と対向する 位置に来るようにした。タグの配置位置は前 述の例の通りである。
 結果は、被覆材を用いても、また用いなく も、無線ICタグをシート体と結線すること く配置するだけで、無線ICタグが十分に信号 伝達でき、通信妨害部材が近傍に存在しても 通信改善できることを確認した。
 実施例32~34の寸法、材料などを表7に示す。 7に記載の不連続領域の形状は、図22に示す うなパターン形状であり、実施形態Kと記載 している。不連続領域の幅は、パターン素子 の間隔を表している。また不連続領域の長さ は、本実施例ではシート体の幅が対応する。
 パターン素子の間隔などの不連続領域を有 る実施形態Kでは、小型化したアンテナであ るパターン素子70がそれぞれにICタグとの電 エネルギの受け渡しを行い、通信妨害部材 傍での通信改善を実現していた。また小型 複数のパターン素子70を円形にしたり、コー ナー部分にRを付与したりすることで、電波 偏波依存性が低減し、例えばICタグおよびシ ート体が曲げられても、どのような偏波の電 波に対しても通信する能力を向上することが できた。
 この実施形態では磁性体層を使用している 磁性体層はPVCにカルボニル鉄粒子を50vol.%混 練することで作成し、950MHzに於ける材料定数 は、複素比誘電率の実数部(ε’)が19.0、同虚 部(ε”)が0.9、複素比透磁率の実数部(μ’) 5.3、同虚数部(μ”)が1.4であった。透磁率正 tanδが0.27であるが、誘電正接tanδは0.05と低 抑えている。パターン素子と磁性体層の組 せにより、通信改善効果を得ることができ 。
 本発明は、その精神または主要な特徴から 脱することなく、他のいろいろな形態で実 できる。したがって、前述の実施形態はあ ゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範 は特許請求の範囲に示すものであって、明 書本文には何ら拘束されない。さらに、特 請求の範囲に属する変形や変更は全て本発 の範囲内のものである。
 前述の各実施の形態は、本発明の例示に過 ず構成を変更することができる。たとえば ート体20または補助アンテナ35が反射層28を えない構成としてもよい。この場合、スペ サ層33において物品25に装着される。このよ うな構成でも、共振層27と、物品25の表面と よって補助アンテナが構成され、同様の効 が得られる。また通信周波数を953MHzとして 計した場合を示したが、これに限定される とはなく、どのような周波数にも調整する とができる。また通信周波数に共振周波数 完全一致させる必要もなく、例えば、UHF帯 波数のUS帯域(911~926MHz)に周波数調節した場合 にEU帯域(868~870MHz)やJP帯域(952~956MHz)でも通信 きる可能性がある。なお、今回使用したリ ダとしては、日本の電波法を遵守した高出 型リーダを用いている。その基準は、空中 電力が1W以下、空中線利得が6dBi以下である このリーダの出力を増せば、通信距離は増 ていくことになるが、リーダの出力は、各 により基準が異なる。例えば本明細書にお ては、日本国内基準のリーダを用いたがた に比較例となる構成であっても、大きな出 のリーダを使用可能な場合には、通信距離 増して通信可能な実施例となる場合がある
 本発明は、無線通信改善シート体および補 アンテナの通信改善メカニズムを規定して り、この趣旨により、リーダ出力を日本国 基準よりも増した場合に於ける、より薄型 高性能な無線通信改善シート体は、本明細 では比較例として記載されていても、当然 本発明に含有することになる。
 図26は、本発明の他の実施形態であるシー 体101の拡大断面図である。上記の実施形態 は、第1のスペーサおよび補助アンテナに、 2のスペーサを底とする不連続領域40が設け れる構成について説明したが、第1のスペー サ102には、孔を設けず、補助アンテナ103のみ に孔を設けるような構成であってもよい。
 本実施形態の製造方法としては、孔が設け れた補助アンテナ103に、孔が設けられてい い第1のスペーサ102を貼り付けてもよいし、 一旦、第1のスペーサ102および補助アンテナ10 3に孔を設けたのち、第1のスペーサ102の孔を めるようにしてもよい。
 上記の実施形態では、補助アンテナ103にお て、溝状の孔を設けた実施形態について説 したが、切り欠きを設けたものであっても い。図27は、補助アンテナの他の例を示す 面図である。図27Aは、直線状の切り欠きSが 成された補助アンテナ103aを示す。図27Bは、 短辺方向に平行な直線状の切り欠きと、長辺 方向に平行な溝状の孔とが中央部分で交差す るとともに、直線状の切り欠きが、孔より外 側に突出しないように設けられた補助アンテ ナ103bを示す。
 図28は、本発明のさらに他の実施形態であ 無線通信用ICタグ130を示す平面図である。本 実施形態の無線通信用ICタグ130では、シート 101の、配置面に無線ICタグ120を実装した構 を特徴としている。図28Aは、I字状スロット 有するシート体101の配置面に、無線ICタグ12 0を実装した構成であり、図28Bは、H字状スロ トを有するシート体101の配置面に、無線IC12 0タグを実装した実施形態を示している。
 またシート体20は、少なくとも一方の表面 が、粘着性または接着性を有する構成であ てもよい。この粘着性または接着性を利用 て、シート体20または補助アンテナ35をタグ 体22に貼着してもよい。またその粘着性ま は接着性を利用してタグ21を物品25に装着し もよい。固結方法はこれらに限定されるこ はなく、一切の方法を用いることができる ネジ締め等の固定治具を用いる方法や磁石 使用する方法、はめ込む方法やテープ状の ので押さえつける方法や面ファスナーを用 る方法などの取付方法が可能である。タグ2 1をハードカバーなどで挟み込む構成にした 合は、タグ本体22、シート体20または補助ア テナ35などは個別の粘着や接着が不要な場 もある。
 またシート体20または補助アンテナ35は、た とえば難燃剤または難燃助剤が、スペーサ層 32,33などに添加されて、難燃性、準不燃性ま は不燃性が付与される構成であってもよい またシート体20または補助アンテナ35の少な くとも外周の一部に難燃性または不燃性を有 する材料で被覆することも可能である。たと えば携帯電話などのエレクトロニクス機器も 、内装するポリマー材料に難燃性を要求され ることがある。
 無線通信用ICタグ21は、外表面の1部または 部を誘電材料で被覆することが好ましい。 覆するための誘電材料としては、たとえば ードカバーする場合と柔軟性を付与するソ トカバー場合が考えられる。ハードカバー しては前述の各種プラスチック及び無機材 、木材等が考えられる。樹脂に無機材料等 配合したものでよい。ソフトカバーとして 、前述の熱可塑性エラストマー及び各種合 ゴムを使用する事ができる。剛性を付与で る材料を用いるのがハードカバーとなり、 軟性を付与できる材料を用いるのがソフト バーとなる。材料としては、誘電体材料と て例示した材料やその他無機材料、紙系、 材系、土系、ガラス系、セラミックス系材 を使用することができる。これらの材料に 填材を配合したり、架橋を施したりするこ は任意である。また粘着性や接着性も有し いてもよい。発泡材料を用いることもでき 。
 またシート体20または補助アンテナ35は、耐 熱性を有していてもよい。具体的には、ゴム あるいは樹脂材料に架橋剤を添加した場合の シート体10の耐熱温度は、150℃であり、シー 体20または補助アンテナ35は、少なくとも150 ℃を超える温度になるまでは、特性に変化を 生じない。耐熱性に関しては、タグ54、シー 体20、アンテナ素子23およびICチップ31の少 くとも一部をセラミックスまたは耐熱性樹 (たとえばポリフェニレンサルファイド樹脂 SiO 2 フィラーを添加したもの等)で被覆すること 150℃以上にも耐性を持たせることが可能に る。セラミックス被覆の場合、完全焼結で 部分焼結でも未焼結でもよい。
 本発明のさらに他の実施形態として、無線 信システムが挙げられる。無線通信システ としては、図29に示すように例えば複数の 属製容器131にそれぞれ無線ICタグ130を貼り付 け、これらを一括してリーダ142を設置したア ンテナゲート部141を通過させて、情報の読み 取りや書き込みを行うようなRFID無線通信シ テム140を挙げることができる。また多数の 属製物品に無線ICタグ130を貼り付け、それら を順次(一定間隔を開けながら)コンベア上を し、それらを任意の場所に設置されたアン ナゲート部にて、物流管理(入出庫管理)や レーサビリティ管理などを行うRFID無線通信 ステムも構成できる。
 本発明のシート体20または補助アンテナ35を 用いてICタグを実現できるが、それ以外の無 通信装置にもこの通信改善手段や通信改善 法を応用できる。無線通信装置の例として 、アンテナ、とくに金属板等の通信妨害部 の近傍で電波方式の無線通信する場合のア テナ、またリーダ、リーダ/ライタなどがあ る。

 本発明によれば、アンテナまたはタグ本体 通信妨害部材との間にシート体または補助 ンテナが介在されるので、アンテナまたは グ本体への通信妨害部材の影響を排除して さく抑えることができる。しかも通信妨害 の構成が変化しても、その影響がアンテナ たはタグ本体に現れることがない。さらに 助アンテナの共振層が、独立したアンテナ して働き、通信に用いられる電磁波が到来 ると、共振現象を発現する。さらに共振層 はスリットまたはスロット等から成る不連 領域が設けているため、この補助アンテナ 近傍に、アンテナまたはタグ本体が設置さ た場合、略λ/2で共振するパッチアンテナの 磁界の強い領域を利用して、補助アンテナと アンテナまたはタグ本体とが電磁的な結合を 起こし、補助アンテナとアンテナまたはタグ 本体間の電磁エネルギの移動が活性化する。 また結線することなくアンテナまたはタグ本 体の配置位置を適正化するだけで、インピー ダンス整合が可能となる。これによって単に 通信妨害体の影響を排除するだけでなく、補 助アンテナを設けない場合と比べて、アンテ ナまたはタグ本体の受信(送信)電力を増加さ ることができる。したがって通信妨害体の 傍であっても好適に無線通信することがで 、また十分な通信距離を確保することがで る。このように導体層を備えるシート体(補 助アンテナ)にアンテナ機能および結線不要 インピーダンス整合調整機能を持たすこと よって、通信妨害部材の影響を排除して、 きな通信改善効果を得ることができる。本 明のシート体は、補助アンテナに積層され スペーサが設けられており、共振層が通信 害体に対して電気的に絶縁され、シート体 体が通信妨害体の影響を受けることがなく さらにアンテナで通信に用いる電磁エネル を補完する構造となっている。
 本発明によれば、無線ICタグを結線しない 配置することで無線ICタグの無線通信特性を 改善する無線通信改善シート体である。
 本発明の無線通信改善シート体は、市販の 線ICタグを重ね合わせるだけで、被着物品 種類に依存しないで通信改善が達成できる 助アンテナである。補助アンテナと無線ICタ グのICチップ間の電波信号のやりとりに導線 線、結線、ハンダ等の工程を用いずに、空 での電磁界分布を介するだけであるが、そ 条件下でインピーダンス整合や共振周波数 整を実現できる無線通信改善シート体であ 。
 第1のスペーサは、無線ICタグを結線しない 配置する配置面を有し、第1のスペーサの前 記配置面とは反対側の面に補助アンテナが設 けられる。第2のスペーサは、第1の導体層を んで第1のスペーサとは反対側に設けられる 。
 前記補助アンテナの第1の導体層には、不連 続領域が設けられることを特徴としている。
 これにより、無線ICタグのダイポールアン ナと、補助アンテナとが、不連続領域を介 て電磁的に結合し、補助アンテナによる通 改善効果が発揮される。
 また本発明によれば、前記補助アンテナの 1の導体層は、単数または複数の導体素子を 備え、導体素子は互いに絶縁関係にあり、第 1の導体層もしくは導体素子の少なくともい れか1つが前記無線通信に用いられる電磁波 対して共振することを特徴とする。
 無線通信に用いられる電磁波に対して共振 ることにより、補助アンテナによる無線通 が可能となり、通信改善効果が発揮される
 また本発明によれば、前記補助アンテナの 1の導体層は、平面方向または積層方向に分 割された複数の導体部分を備え、導体部分は 互いに絶縁関係にあり、第1の導体層、また 導体部分のいずれか1つが、前記無線通信に いられる電磁波に対して共振する。
 無線通信に用いられる電磁波に対して共振 る共振層に任意の不連続領域を設けたり、 振層以外に導体層を有したり、複数の導体 が並ぶことにより、インピーダンス調整機 を付加できたり、無線通信帯域を広げるこ が可能になり、通信改善効果が発揮される
 また本発明によれば、前記補助アンテナの 2のスペーサとは反対側に第2の導体層がさ に設けられる。これにより、無線通信改善 ート体の設置位置(材料の種類も含む)の影響 を小さくすることができる。
 また本発明によれば、前記補助アンテナの 2のスペーサとは反対側に第2の導体層が設 られ、その第2の導体層を、補助アンテナが える導体層よりも大きくする。これにより 無線通信改善シート体の設置位置(材料の種 類も含む)の影響をより確実に小さくするこ ができ、無線電波の指向性を制御できる。
 また本発明によれば、前記不連続領域の少 くとも1つは、前記無線ICタグが配置された きに、少なくとも前記無線ICタグが備えるIC チップまたはリアクタンス装荷部に対向する ように設けられる。
 これにより、補助アンテナが導体材料とし 与える影響を小さくし、且つインピーダン 調整機能が増し、通信改善効果をさらに向 させることができる。
 また本発明によれば、前記不連続領域は、 記補助アンテナが、前記無線通信に用いら る電磁波に対して共振するように設けられ 。
 これにより、補助アンテナによる通信改善 果をさらに向上させることができる。
 また本発明によれば、前記第1の導体層また は前記不連続領域は、少なくとも一部の外郭 形状が曲線状である。
 これにより、電波の入射方向に見た偏波方 に対する導体層や不連続領域等のアンテナ 分の角度位置関係に拘わらずアンテナ特性 安定する。
 また本発明によれば、外表面の1部または全 部を誘電材料で被覆する。
 これにより、外部からの不要電磁波の影響 、周辺環境(水分、温度、圧力等)からの影 を小さくし、通信改善効果をさらに向上さ ることができる。
 また本発明によれば、前記第1のスペーサ、 前記第2のスペーサ、および被覆誘電材料の なくともいずれか1つは、非導電性であり、 つ電磁波を集めて通す低損失材層から成る
 低損失性材料を用いることで、シート体、 助アンテナ、無線ICタグでのエネルギロス 少なくなり、通信改善効果をさらに向上さ ることができる。
 また本発明によれば、前記第1のスペーサお よび前記第2のスペーサの少なくともいずれ 1つは、発泡体からなる。
 発泡体を用いることで、軽量化、薄型化し エネルギロスの少ない無線通信改善シート を提供することができる。
 また本発明によれば、前記配置面および前 配置面と反対側の面の少なくともいずれか1 つの面は、粘着性または接着性を有する、ま たは固結手段を用いることで被着体に取り付 け可能である。
 これにより、無線ICタグの取り付けや、対 製品への貼り付け、固定を容易に行うこと できる。
 また本発明によれば、上記の無線通信改善 ート体の配置面に無線ICタグを配置し、ま は無線通信改善シート体もしくは補助アン ナにICチップを組み込んだ無線通信用ICタグ ある。
 無線ICタグに無線通信改善シート体が一体 されているので、設置場所、貼り付け場所 よらず、無線通信を行うことができる。
 また本発明によれば、上記の無線通信改善 ート体を用いることで、通信妨害部材の近 で無線通信が改善された電波方式アンテナ 実現することができる。
 また本発明によれば、少なくとも上記の無 ICタグまたは上記のアンテナを用いること 、読み取り間違いや、読み取り不良が発生 ない無線通信システムを実現することがで る。




 
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