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Title:
SPUTTERING TARGET FOR FORMING THIN FILM TRANSISTOR WIRING FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/047105
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a sputtering target for forming a thin film transistor wiring film.  The sputtering target contains 0.1 to 5 atomic % of Mg, 0.1 to 10 atomic % of Ca, and Cu and inevitable impurities as the remaining part.  Moreover, the sputtering target may contain a total of 0.1 to 10 atomic % of Mn or/and Al.  Furthermore, the sputtering target may contain 0.001 to 0.1 atomic % of P.

Inventors:
MAKI KAZUNARI (JP)
KOIDE MASATO (JP)
MORI SATORU (JP)
YAGUCHI KENICHI (JP)
NAKASATO YOSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/005525
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
October 21, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI MATERIALS CORP (JP)
MAKI KAZUNARI (JP)
KOIDE MASATO (JP)
MORI SATORU (JP)
YAGUCHI KENICHI (JP)
NAKASATO YOSUKE (JP)
International Classes:
H01L21/285; C22C9/00; C22C9/01; C22C9/05; C23C14/34; H01L21/28; H01L21/3205; H01L23/52; H01L29/786
Domestic Patent References:
WO2006025347A12006-03-09
Foreign References:
JP2008191541A2008-08-21
JP2008506040A2008-02-28
JP2004076080A2004-03-11
JP2007059660A2007-03-08
JP2008057031A2008-03-13
JP2001220667A2001-08-14
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (JP)
Masatake Shiga (JP)
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Claims:
 Mg:0.1~5原子%、Ca:0.1~10原子%を含有し、残部としてCuおよび不可避不純物を含む組成を有することを特徴とする薄膜トランジスター用配線膜を形成するためのスパッタリングターゲット。
 さらにMnおよびAlのうちの少なくとも1種または2種を合計で0.1~10原子%含有することを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスター用配線膜を形成するためのスパッタリングターゲット。
 さらにP:0.001~0.1原子%を含有することを特徴とする請求項2に記載の薄膜トランジスター用配線膜を形成するためのスパッタリングターゲット。
Description:
薄膜トランジスター用配線膜を 成するためのスパッタリングターゲット

 この発明は、密着性に優れた薄膜トランジ ター(以下、TFTという)のゲート電極、ソー 電極およびドレイン電極などの配線膜およ 配線下地膜(以下、配線膜という)を形成する ためのスパッタリングターゲットに関する。
 本願は、2008年10月24日に、日本に出願され 特願2008-273938号に基づき優先権を主張し、そ の内容をここに援用する。

 一般に、液晶ディスプレイ、有機ELディス レイなどフラットパネルディスプレイは、 ラス基板の上に薄膜トランジスター(以下、T FTという)が形成された構造となっており、こ のTFTのゲート電極、ソース電極およびドレイ ン電極などの配線膜として銅合金配線膜が使 用されている。
 例えば、Mg:1~5原子%を含有し、残部がCuおよ 不可避不純物からなる銅合金配線膜を形成 た液晶表示装置が知られている(特許文献1 照)。
 また、金属材料全体に対して概ね80原子%以 のCuと、Mg、Ti、AlおよびCrの金属酸化物形成 用金属を金属材料全体に対して0.5~20原子%を 有した銅合金からなることが好ましいとさ ている(特許文献2参照)。

 この銅合金配線膜は、ガラス基板およびSi をコーティングしたガラス基板上に、スパ タリングにより成膜した後、熱処理されて 成される。この熱処理が行われると、銅合 配線膜に含まれる添加元素が、銅合金配線 の表面および裏面に移動し、酸化物となる これにより、銅合金配線膜の表面および裏 に、添加元素を含有する酸化物層が形成さ る。
 この添加元素を含有する酸化物層の生成は ガラス基板およびSi膜の基本成分であるSiな どが銅合金配線膜に拡散浸透するのを阻止し て、銅合金配線膜の比抵抗の増加を防止する 。さらに、この添加元素を含有する酸化物層 の生成は、ガラス基板およびSi膜に対する銅 金配線膜の密着性を向上するとされている
 さらに、このガラス基板の上に形成されたT FTは、TFTを確実に作動させるべくTFTのSi膜の ングリングボンドを終端させる目的で、水 化処理(以下、水素アニールという)が行われ る(非特許文献1参照)。

 フラットパネルディスプレイは、近年、益 大型化しており、50インチ以上の大型液晶 ネルが量産されるようになってきた。その めに、広いガラス基板表面に銅合金配線膜 スパッタリングにより成膜するようになっ きたが、広いガラス基板表面にスパッタリ グにより形成される銅合金配線膜は、場所 よって比抵抗値にバラツキが生じる。この 向は、Mg含有銅合金ターゲットを用いて形成 した銅合金配線膜に顕著に現れている。
 また、Si膜のダングリングボンドを終端さ る目的で、ゲート電極、ソース電極および レイン電極などの銅合金配線膜を使用して 製したTFTに対して水素アニールを行うと、 記熱処理により形成された銅合金配線膜の 面および裏面の酸化物層が還元される。そ 結果、酸化物層が担ってきた密着性やSiの銅 合金配線膜への拡散防止特性が低下し、特に 密着性の低下が著しくなるなどの問題点が生 じてきた。

特開平9-43628号公報

特開2005-166757号公報

2003FPDテクノロジー大全(2003FPDTechnology Out look)P155~165

 本発明は、比抵抗値のバラツキが少なく 体が均一な比抵抗値を有し、さらに優れた 着性を有する銅合金配線膜を形成できるス ッタリングターゲットの提供を目的とする

 本発明者等は、以下の特徴を有する銅合金 線膜を得るべく研究を行った。
(i)比抵抗値のバラツキが少なく全体が均一な 比抵抗値を有する。
(ii)水素アニールが行われても銅合金配線膜 表面および裏面に形成された酸化物層が還 されにくく、したがって、酸化物層が担っ きた密着性の低下が少ない。

 その結果、Mg:0.1~5原子%、Ca:0.1~10原子%を含有 し、さらに、必要に応じてMnおよびAlのうち なくとも1種または2種の合計:0.1~10原子%を含 し、さらに、必要に応じてP:0.001~0.1原子%を 有し、残部がCuおよび不可避不純物からな 組成を有する銅合金ターゲットを用いてス ッタリングすることが重要であることがわ った。
 上記組成を有する銅合金ターゲットを用い スパッタリングすることにより得られた銅 金薄膜は、従来のMg:1~5原子%を含有し、残部 がCuおよび不可避不純物からなる組成を有す 銅合金ターゲットを用いてスパッタリング より成膜した銅合金薄膜に比べて、比抵抗 のバラツキが少なく全体が均一な比抵抗値 有する銅合金薄膜が得られるという研究結 が得られた。
 さらに、この組成を有する銅合金ターゲッ を用いて得られた銅合金膜は、従来の銅合 膜に比べて、酸化物層の化学的安定性が高 、即ち、熱処理して形成された酸化物層が 元されにくい。したがって、水素アニール の密着性の低下が小さいことから、TFTの配 膜として優れた特性を有するという研究結 が得られた。

 この発明は、上記の研究結果に基づいてな れたものであって、以下の要件を有する。
 本発明の薄膜トランジスター用配線膜を形 するためのスパッタリングターゲットは、M g:0.1~5原子%、Ca:0.1~10原子%を含有し、残部とし てCuおよび不可避不純物を含む組成を有する
 本発明の薄膜トランジスター用配線膜を形 するためのスパッタリングターゲットでは さらにMnおよびAlのうち少なくとも1種また 2種を合計で0.1~10原子%含有してもよい。
 さらにP:0.001~0.1原子%を含有してもよい。
 本発明のスパッタリングターゲットは、単 からなる配線膜だけでなく、積層構造から る配線膜を形成するために用いることもで る。積層構造からなる配線膜を形成するた に用いる場合、その最下層の配線下地膜を 成するために用いてもよい。

 この発明のターゲットを用いてスパッタリ グすると、ガラス基板が大きくなっても、 抵抗値のバラツキが少なく、さらにガラス 板表面およびSi膜表面に対する密着性に優 、かつ比抵抗値が低い銅合金薄膜を成膜で る。このため、高精細化し大型化した薄膜 ランジスターの銅合金配線膜を形成できる
 また、この発明のターゲットを用いて形成 れたTFT用配線膜およびTFT用配線下地膜にお て、熱処理して形成される酸化物層が還元 れにくい。したがって、水素アニール後の 着性の低下が小さいことから、TFTの配線膜 して優れた特性を有し、かつガラス基板表 およびSi膜表面に対する密着性が一層向上 る。このため、高精細化し大型化したフラ トパネルディスプレイにおけるTFT用配線膜 形成できる。

 この発明のスパッタリングターゲットの成 組成の範囲を前述のごとく限定した理由を 明する。
 Mg:
 Mgは、結晶粒を微細化し、薄膜トランジス ーにおける配線膜を構成する銅合金薄膜の ロックおよびボイドなどの熱欠陥の発生を 制して耐マイグレーション性を向上させる
 さらに、熱処理に際して、銅合金薄膜の表 および裏面にMgを含有する酸化物層を形成 る。これにより、ガラス基板およびSi膜の主 成分であるSiなどが銅合金配線膜に拡散浸透 るのを阻止して銅合金配線膜の比抵抗の増 を防止するとともに、ガラス基板およびSi に対する銅合金配線膜の密着性を向上させ 作用を有する。
 以上の作用効果を得るためにMgを添加する 、その含有量が0.1原子%未満では、所望の効 が得られないので好ましくない。一方、5原 子%を越えて含有しても、特性の向上が認め れず、さらに比抵抗値は増加して配線膜と ては十分な機能を示さなくなるので好まし ない。したがって、銅合金薄膜に含まれるMg を0.1~5原子%に定めた。

 Ca:
 Mg:0.1~5原子%にCa:0.1~10原子%を共存して含有さ せたターゲットを用いてスパッタリングする と、成膜された銅合金薄膜の場所による比抵 抗値のバラツキが少なくなる。このため、Ca 含有する。
 Mg:0.1原子%未満、Ca:0.1原子%未満含まれてい も、所望の効果が得られない。一方、Mg:5原 %越え、Ca:10原子%を越えて添加したターゲッ トを使用してスパッタリングすると、所望の 特性の更なる向上が認められず、特に成膜さ れる銅合金薄膜の抵抗が上昇するので好まし くない。
 これら成分を有するターゲットを用いてス ッタリングすることにより形成された銅合 薄膜では、熱処理工程において、Mg,Cu及びSi から選択される一種以上と、Caとの複酸化物 たは酸化物固溶体が、銅合金薄膜の表面お び裏面に形成される。これにより、特に、 素処理工程後のガラス基板およびSi膜の表 に対する密着性が一層向上する。さらに銅 金薄膜の表面および裏面に形成される酸化 は、化学的安定性の高いMg,Cu及びSiから選択 れる一種以上と、Caとの複酸化物または酸 物固溶体を含有することから、銅合金配線 化学的安定性を向上させる。

 Mn、Al:
 これら成分は、Mg、Caと共存して含有させる ことにより、密着性、化学的安定性を一層向 上させる。その理由は、以下のように考えら れる。
 これら成分を有するターゲットを用いてス ッタリングすることにより形成された膜で 、熱処理工程において、Mg,Cu及びSiから選択 される一種以上と、Caと、Mn及びAlの一方また は両方との複酸化物または酸化物固溶体が、 銅合金薄膜の表面および裏面に形成される。 これにより、特に、水素処理工程後のガラス 基板表面およびSi膜表面に対する密着性を一 向上する。さらに銅合金薄膜の表面および 面に形成される酸化物は、化学的安定性の いMg,Cu及びSiから選択される一種以上と、Ca 、Mn及びAlの一方または両方との複酸化物ま たは酸化物固溶体を含有することから、銅合 金配線の化学的安定性を向上させる。
 しかし、Mn、Alのうちの1種または2種を合計 0.1原子%未満含有しても、所望の機能(密着 、化学的安定性)を向上させる効果が得られ いので好ましくない。一方、10原子%を越え 含有しても、特性の向上が認められず、さ に、銅合金配線膜の比抵抗値が上昇するの 、好ましくない。
 したがって、Mn、Alのうちの1種または2種を 有する場合、その合計量を0.1~10原子%に定め た。

 P:
 少量のPは、銅合金薄膜に求められる比抵抗 、ヒロック、ボイド、密着性などの特性を劣 化することなく、銅合金の鋳造を容易にする ので、必要に応じて添加する。
 しかし、Pを0.001原子%未満添加しても効果は ない。一方、0.1原子%を越えて添加しても、 造性の向上はない。したがって、Pを含有す 場合、その含有量を0.001~0.1原子%に定めた。

 この発明に係る薄膜トランジスターの配線 を形成するためのターゲットの製造方法の 例を以下に説明する。
 まず、純度:99.99%以上の無酸素銅を、不活性 ガス雰囲気中、高純度グラファイトるつぼ内 で高周波溶解する。得られた溶湯にMgを0.1~5 子%、Ca:0.1~10原子%を添加し、必要に応じてMn よびAlのうち少なくとも1種または2種を合計 量:0.1~10原子%で添加し、さらに必要に応じてP :0.001~0.1原子%を添加して溶解する。
 得られた溶湯を不活性ガス雰囲気中で鋳造 急冷凝固させる。次いで、必要に応じて熱 圧延し、最後に歪取り焼鈍を施して圧延体 得る。次いで圧延体の表面を旋盤加工する 以上によりターゲットが作製される。
 なお、無酸素銅溶湯にMg、Ca、Mn、Al,Pを直接 添加し、次いでアトマイズなどによって母合 金粉末を作製し、この母合金粉末をホットプ レスする方法によって、ターゲットを作製す ることもできる。

 純度:99.99質量%の無酸素銅を用意し、この無 酸素銅をArガス雰囲気中、高純度グラファイ るつぼ内で高周波溶解した。得られた溶湯 、MgおよびCaを添加し、必要に応じてMn、Al うちの少なくとも1種を添加し、さらに必要 応じてPを添加し、溶解して、表1~3に示され る成分組成を有する溶湯となるように成分調 整した。
 得られた溶湯を、冷却されたカーボン鋳型 鋳造し、さらに熱間圧延した。次いで最終 に歪取り焼鈍して圧延体を得た。

 得られた圧延体の表面を旋盤加工して外径: 200mm×厚さ:10mmの寸法を有し、表1~3に示される 成分組成を有する円板状の本発明例の銅合金 スパッタリングターゲット(以下、本発明タ ゲットという)1~30および比較例の銅合金スパ ッタリングターゲット(以下、比較ターゲッ という)1~6および従来例のスパッタリングタ ゲット(以下、従来ターゲットという)1~2を 製した。
 なお、脆性があり熱間圧延ができなかった ンゴットについては、熱間圧延をすること く、直接インゴットから切り出してスパッ リングターゲットを作製した。
 さらに、無酸素銅製バッキングプレートを 意し、この無酸素銅製バッキングプレート 、前記本発明ターゲット1~30、比較ターゲッ ト1~6および従来ターゲット1~2を重ね合わせ、 温度:200℃でインジウムはんだ付けした。以 により、本発明例のターゲット1~30、比較例 ターゲット1~6および従来例のターゲット1~2 、無酸素銅製バッキングプレートに接合し 、バッキングプレート付きターゲットを作 した。

 得られたバッキングプレート付きターゲッ を、ターゲットと、アモルファスSi膜をコ ティングしたガラス基板(直径:200mm、厚さ:0.7 mmの寸法を有するコーニング社製1737のガラス 基板)との距離:70mmとなるように、スパッタ装 置にセットした。
 アモルファスSi膜をコーティングしたガラ 基板の表面に、表1~3に示される成分組成を するターゲットを用いて、以下の条件で、 径:100mm、厚さ:300nmを有し、微量の酸素を含 する銅合金からなる配線用薄膜を形成した なお、形成された配線用薄膜は、いずれも 形であった。
 電源:直流方式
 スパッタパワー:600W
 到達真空度:4×10 -5 Pa
 雰囲気ガス組成:Ar:99容量%、酸素:1容量%の混 合ガス
 ガス圧:0.2Pa
 ガラス基板加熱温度:150℃

 得られた円形の配線用薄膜をそれぞれ加熱 に装入し、Ar雰囲気中、昇温速度:5℃/min、 高温度:350℃、30分間保持の熱処理を施した
 次いで、熱処理を施した円形の配線用薄膜 おける中心と、中心から50mm離れた点と、中 心から100mm離れた点の比抵抗を四探針法によ 測定し、その最大と最小の差を求めた。そ らの結果を表1~3に示すことにより、配線用 膜の比抵抗値のバラツキを評価した。

 さらに、熱処理を施した円形の配線用薄膜 対して碁盤目付着試験を以下のように行っ 。
 JIS-K5400に準じ、1mm間隔で配線用薄膜に碁盤 状に切れ目を入れた。その後、3M社製スコ チテープを密着させたのち引き剥がし、ガ ス基板中央部の10mm角内でガラス基板に付着 ていた配線用薄膜の面積%を測定した。その 結果を表1~3に示し、アモルファスSi膜をコー ィングしたガラス基板に対する配線用薄膜 密着性を評価した。

 これら熱処理を施した配線用薄膜の表面 ついて、5000倍のSEMで5個所の膜表面を観察 、ヒロックおよびボイドの発生の有無を観 した。その結果を表1~3に示した。

 さらに、前記熱処理を施した本発明例の配 用銅合金膜1~30、比較例の配線用銅合金膜1~6 および従来例の配線用銅合金膜1~2に対して以 下の条件で水素アニールを行った。
 雰囲気:H 2 /N 2 =50/50(Vol%)の混合ガス(1気圧)
 温度:300℃
 保持時間:30分
 水素アニール後の本発明例の配線用銅合金 1~30、比較例の配線用銅合金膜1~4および従来 例の配線用銅合金膜1~2に対して、前述した方 法と同様にして碁盤目付着試験を行った。そ の結果を表1~3に示し、アモルファスSi膜をコ ティングしたガラス基板に対する水素アニ ル後の本発明例の配線用銅合金膜1~30、比較 例の配線用銅合金膜1~6および従来例の配線用 銅合金膜1~2の密着性を評価した。

 表1~3に示される結果から以下の事項が分か 。
(i)Mgを単独で含む従来ターゲット1~2を用いて パッタリングすることにより成膜した配線 薄膜(従来例の配線用銅合金膜1~2)は、中心 の比抵抗と周辺部の比抵抗との差が大きい さらにアモルファスSi膜をコーティングした ガラス基板に対する密着性が劣る。
 これに対して、MgとCaを含み、必要に応じて 、Mn、AlおよびPを含む本発明例のターゲット1 ~30を用いてスパッタリングすることにより成 膜した配線用薄膜(本発明例の配線用銅合金 1~30)は、中心部の比抵抗と周辺部の比抵抗と の差が小さいことから比抵抗値のバラツキが 少ない。さらに水素アニール前後において、 いずれもアモルファスSi膜をコーティングし ガラス基板に対する密着性に優れる。

(ii)この発明の条件より低いMgおよびCaを含む 較例のターゲット1を用いてスパッタリング することにより成膜した配線用薄膜(比較例 配線用銅合金膜1)では、ヒロックおよびボイ ドが発生している。水素アニール前後の密着 性が低いため配線用薄膜として好ましくない 。
 また、この発明の条件から外れてMgを多く む比較例のターゲット2およびこの発明の条 から外れてMgおよびCaを多く含む比較例のタ ーゲット4を用いてスパッタリングすること より成膜した配線用薄膜(比較例の配線用銅 金膜2,4)は、MgおよびCaを添加した本発明例 ターゲット1~9を用いて成膜した配線用薄膜( 発明例の配線用銅合金膜1~9)と比較して、比 抵抗値が大きくなり、配線用薄膜としては好 ましくない。

(iii)この発明の条件より低いCa、Mn、Alを含む 較例のターゲット3,5を用いてスパッタリン することにより成膜した配線用薄膜(比較例 の配線用銅合金膜3,5)は、水素アニール前後 密着性が低く、さらに比抵抗値のバラツキ 大きいので好ましくない。
 MnおよびAlの合計がこの発明の条件から外れ て多く含む比較ターゲット6を用いてスパッ リングにより成膜した配線用薄膜(比較例の 線用銅合金膜6)は、比抵抗値が大きくなり ぎて配線用薄膜として好ましくない。

 本発明のターゲットを用いることによっ 、比抵抗値のバラツキが少なく、さらにガ ス基板表面およびSi膜表面に対する密着性 優れ、かつ比抵抗値が低い銅合金薄膜を作 できる。このため、高精細化し大型化した ラットパネルディスプレイにおける薄膜ト ンジスターの銅合金配線膜を製造する工程 て好適に適用できる。