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Title:
SUBSTRATE FOR SUSPENSION, METHOD FOR PRODUCING THE SAME, MAGNETIC HEAD SUSPENSION, AND HARD DISK DRIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133072
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a substrate (10) for suspension, which comprises a metal substrate (1), an insulating layer (2) formed on the metal substrate (1), a wiring layer (3) formed on the insulating layer (2), and a cover layer (4) covering the wiring layer (3). The material of the insulating layer (2) is different from the material of the cover layer (4), and their coefficients of moisture-absorption expansion are within the range from 3 Π10-6/%RH to 30 Π10-6/%RH. The difference between the coefficients of moisture-absorption expansion of these materials is not more than 5 Π10-6/%RH.

Inventors:
HITOMI YOICHI (JP)
KUMON SHINJI (JP)
MOMOSE TERUTOSHI (JP)
SAKAYORI KATSUYA (JP)
TAKACHI KIYOHIRO (JP)
MIURA YOICHI (JP)
YAMAZAKI TSUYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057245
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAINIPPON PRINTING CO LTD (JP)
HITOMI YOICHI (JP)
KUMON SHINJI (JP)
MOMOSE TERUTOSHI (JP)
SAKAYORI KATSUYA (JP)
TAKACHI KIYOHIRO (JP)
MIURA YOICHI (JP)
YAMAZAKI TSUYOSHI (JP)
International Classes:
G11B5/60; G11B21/21
Domestic Patent References:
WO2004073975A12004-09-02
Foreign References:
JP2006270029A2006-10-05
JP2000195032A2000-07-14
JP2007095136A2007-04-12
Attorney, Agent or Firm:
YOSHITAKE, Kenji et al. (Room 323 Fuji Bldg., 2-3, Marunouchi 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 05, JP)
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Claims:
 金属基板と、
 前記金属基板上に形成され、絶縁層形成材料からなる絶縁層と、
 前記絶縁層上に形成された配線層と、
 前記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配線層の一部を覆う、カバー層形成材料からなるカバー層とを備え、
 前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿膨張係数の差が、0~5×10 -6 /%RHの範囲内であることを特徴とするサスペンション用基板。
 金属基板と、
 前記金属基板上に形成され、絶縁層形成材料からなる絶縁層と、
 前記絶縁層上に形成された配線層と、
 前記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配線層の一部を覆う、カバー層形成材料からなるカバー層とを備え、
 前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料は、異なる材料からなり、かつ両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿膨張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内であることを特徴とするサスペンション用基板。
 前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料の熱膨張係数は、15×10 -6 /℃~30×10 -6 /℃の範囲内であり、かつ前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料の熱膨張係数の差が、10×10 -6 /℃以下の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンション用基板。
 前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料のいずれか、または両方が非感光性材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンション用基板。
 金属基板と、
 前記金属基板上に形成され、絶縁層形成材料からなる絶縁層と、
 前記絶縁層上に形成された配線層と、
 前記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配線層の一部を覆う、カバー層形成材料からなるカバー層とを備え、
 前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料は、同一の非感光性材料からなり、両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であることを特徴とするサスペンション用基板。
 前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料の熱膨張係数は、15×10 -6 /℃~30×10 -6 /℃の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載のサスペンション用基板。
 前記絶縁層形成材料、及び、カバー層形成材料が、下記式で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1、2または5のいずれかに記載のサスペンション用基板。
(R1は4価の有機基、R2は2価の有機基、R1及びR2は、単一構造でもよく2種以上の組み合わせでもよい。nは1以上の自然数)
 前記式1において、R1またはR2で表される有機基が芳香族を含むことを特徴とする請求項7に記載のサスペンション用基板。
 前記式(1)中のR 1 のうち33モル%以上が、下記式(2)で表わされる構造であることを特徴とする請求項7に記載のサスペンション用基板。
[規則26に基づく差替え 25.04.2008]
 前記式(1)中のR 2 のうち33モル%以上が、下記式(4)で表わされる構造であることを特徴とする請求項7に記載のサスペンション用基板。
(R 3 は2価の有機基、酸素原子、硫黄原子、又はスルホン基であり、R 4 及びR 5 は1価の有機基、又はハロゲン原子である。)
 前記絶縁層形成材料、およびカバー層形成材料のいずれか、または両方の前駆体が、塩基性水溶液によって現像可能であることを特徴とする請求項7に記載のサスペンション用基板。
 金属基板と、前記金属基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された配線層と、前記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配線層の一部を覆うカバー層とを有するサスペンション用基板の製造方法であって、
 前記金属基板上に、絶縁層形成材料からなる絶縁層をパターン状に形成する絶縁層形成工程と、
 前記絶縁層上に、カバー層形成材料からなるカバー層をパターン状に形成するカバー層形成工程とを備え、
 前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料は、異なる材料からなり、両者の吸湿膨張係数が、0×10 -6 /%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿膨張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内であることを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
 前記カバー層形成工程は、前記絶縁層上に、非感光性のカバー層形成材料からなる非感光性カバー層形成用層と、前記非感光性カバー層形成用層上に形成された感光性樹脂からなるフォトレジスト層とを含む積層性を配置する工程と、
 積層体の前記フォトレジスト層を、パターン状に露光し、前記露光されたフォトレジスト層の現像と同時に、前記非感光性カバー層形成用層の現像を行うことにより、前記カバー層をパターン状に形成する工程とを有することを特徴とする請求項12に記載のサスペンション用基板の製造方法。
 前記カバー層形成工程は、前記絶縁層上に前記カバー層形成材料を含む液状カバー層形成材料を塗布する工程を有することを特徴とする請求項12に記載のサスペンション用基板の製造方法。
 金属基板、絶縁層、および金属めっき層がこの順に配置された積層体を準備する積層体準備工程と、
 前記金属基板の表面および前記金属めっき層の表面に、パターン状のレジストを形成し、エッチングを行うことにより、前記金属基板に治具孔を形成し、前記金属めっき層に配線パターン層を形成する第一のメタルエッチング工程と、
を備えたことを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
 カバー材を用いて、前記配線パターン層に前記配線パターン層の表面の一部が露出する配線パターン層露出開口部を有するカバー層を形成するカバー層形成工程と、
 前記カバー層を形成した後に、前記絶縁層のエッチングを行う絶縁層エッチング工程と、
 前記配線パターン層露出開口部により露出する配線パターン層の表面に、保護めっき部を形成する保護めっき部形成工程と、
 前記絶縁層エッチング工程および前記保護めっき部形成工程の後に、前記金属基板の外形加工を行う第二のメタルエッチング工程と、
 を更に備えた
ことを特徴とする請求項15に記載のサスペンション用基板の製造方法。
 前記金属めっき層の最大膜厚部および最小膜厚部の差が、2μm以下であることを特徴とする請求項15に記載のサスペンション用基板の製造方法。
 前記カバー層の配線パターン層上の最大膜厚部と最小膜厚部の膜厚の差が、1μm以下であることを特徴とする請求項16に記載のサスペンション基板の製造方法。
 カバー層形成工程において、液状カバー材を用いてカバー層を形成することを特徴とする請求項16に記載のサスペンション基板の製造方法。
 サスペンション用基板を有する磁気ヘッドサスペンションにおいて、
 サスペンション用基板は、
 金属基板と、
 前記金属基板上に形成され、絶縁層形成材料からなる絶縁層と、
 前記絶縁層上に形成された配線層と、
 前記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配線層の一部を覆う、カバー層形成材料からなるカバー層とを備え、
 前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿膨張係数の差が、0~5×10 -6 /%RHの範囲内であることを特徴とする磁気ヘッドサスペンション。
 サスペンション用基板を有する磁気ヘッドサスペンションにおいて、
 サスペンション用基板は、
 金属基板と、
 前記金属基板上に形成され、絶縁層形成材料からなる絶縁層と、
 前記絶縁層上に形成された配線層と、
 前記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配線層の一部を覆う、カバー層形成材料からなるカバー層とを備え、
 前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料は、異なる材料からなり、かつ両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿膨張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内であることを特徴とする磁気ヘッドサスペンション。
 サスペンション用基板を有する磁気ヘッドサスペンションにおいて、
 サスペンション用基板は、
 金属基板と、
 前記金属基板上に形成され、絶縁層形成材料からなる絶縁層と、
 前記絶縁層上に形成された配線層と、
 前記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配線層の一部を覆う、カバー層形成材料からなるカバー層とを備え、
 前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料は、同一の非感光性材料からなり、両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であることを特徴とする磁気ヘッドサスペンション。
 サスペンション用基板を有するハードディスクドライブにおいて、
 サスペンション用基板は、
 金属基板と、
 前記金属基板上に形成され、絶縁層形成材料からなる絶縁層と、
 前記絶縁層上に形成された配線層と、
 前記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配線層の一部を覆う、カバー層形成材料からなるカバー層とを備え、
 前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿膨張係数の差が、0~5×10 -6 /%RHの範囲内であることを特徴とするハードディスクドライブ。
 サスペンション用基板を有するハードディスクドライブにおいて、
 サスペンション用基板は、
 金属基板と、
 前記金属基板上に形成され、絶縁層形成材料からなる絶縁層と、
 前記絶縁層上に形成された配線層と、
 前記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配線層の一部を覆う、カバー層形成材料からなるカバー層とを備え、
 前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料は、異なる材料からなり、かつ両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿膨張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内であることを特徴とするハードディスクドライブ。
 サスペンション用基板を有するハードディスクドライブにおいて、
 サスペンション用基板は、
 金属基板と、
 前記金属基板上に形成され、絶縁層形成材料からなる絶縁層と、
 前記絶縁層上に形成された配線層と、
 前記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配線層の一部を覆う、カバー層形成材料からなるカバー層とを備え、
 前記絶縁層形成材料およびカバー層形成材料は、同一の非感光性材料からなり、両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であることを特徴とするハードディスクドライブ。
Description:
サスペンション用基板、その製 方法、磁気ヘッドサスペンションおよびハ ドディスクドライブ 関連出願の参照

 本特許出願は、2007年4月18日に提出された 日本出願である特願2007-109279および2007年5月11 日に提出された日本出願である特願2007-126588 利益を享受する。これらの先の出願におけ 全開示内容は、引用することにより本明細 の一部とされる。

 本発明は、ハードディスクドライブ(HDD) に用いられるサスペンション用基板に関し 詳しくは、低剛性化された場合であっても 反りが少ないサスペンション用基板に関す 。

 近年、インターネットの普及等によりパ ソナルコンピュータの情報処理量の増大や 報処理速度の高速化が要求されてきており それに伴って、パーソナルコンピュータに み込まれているハードディスクドライブ(以 下、単にHDDと称する場合もある。)も大容量 や情報伝達速度の高速化が必要となってき いる。そして、このHDDに用いられる磁気ヘ ドを支持している磁気ヘッドサスペンショ と呼ばれる部品も、従来の金ワイヤ等の信 線を接続するタイプから、ステンレスのば に直接銅配線等の信号線が形成されている いわゆるワイヤレスサスペンションと呼ば る配線一体型のもの(フレキシャー)に移行し ている。

 最近では、携帯用途を始めとする各種の 型機器に搭載するHDDへの要求が増加してき おり、これに伴って情報を記録するための ィスクはサイズが小さくなると共に記録密 が高くなっている。この径の小さくなった ィスク上のトラックに対するデータの読取 と書込みを行うには、ディスクをゆっくり 回転させる必要があり、磁気ヘッドに対す ディスクの相対速度(周速)は低速となり、 のためサスペンション用基板は弱い力でデ スクに接近する必要があることから、サス ンション用基板の低剛性化を図る必要があ 。

 サスペンション用基板としては、一般的に 、パターン状に形成された、金属基板、絶 層、配線層、およびカバー層等が、この順 積層されたものが用いられている。このよ なサスペンション用基板の低剛性化を図る 法としては、比較的剛性の高い材料である 属基板の残存割合を減らす方法が検討され いる。
 しかしながら、剛性の高い金属基板の残存 合を減らすと、上記サスペンション用基板 反りが生じてしまうといった問題があった
 従来、反りが発生する原因としては、上記 属基板と、上記絶縁層との熱膨張係数の差 考えられ、特許文献1には、金属基板の熱膨 張係数と同等の絶縁層用樹脂を用いることに よって、サスペンション用基板の反りを低減 する方法について開示されている。
 ところが、上述したような金属基板の残存 合を減らすことにより低剛性化したサスペ ション用基板では、上記金属基板と、上記 縁層用樹脂との熱膨張係数の差を小さくし だけでは、反りを十分に抑制することが困 であるといった問題があった。

特開2006-248142号公報

 本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの あり、低剛性化された場合であっても、反 が少ないサスペンション用基板を提供する とを主目的とする。
 また本発明は、低剛性のサスペンション用 材を良好な歩留りで得ることを目的とする

 本発明者等は、上記課題を解決すべく研 を重ねた結果、上記金属基板上に積層され 、上記絶縁層およびカバー層の吸湿膨張係 を小さくし、さらに上記絶縁層およびカバ 層の吸湿膨張係数の差を小さくすることに り、低剛性化された場合であっても、反り 少ないものとすることができることを見出 、本発明を完成させるに至った。

 すなわち、本発明は、金属基板と、前記金 基板上に形成され、絶縁層形成材料からな 絶縁層と、前記絶縁層上に形成された配線 と、前記絶縁層上に形成され、少なくとも 記配線層の一部を覆う、カバー層形成材料 らなるカバー層とを備え、前記絶縁層形成 料およびカバー層形成材料の吸湿膨張係数 、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿 張係数の差が、0~5×10 -6 /%RHの範囲内であることを特徴とするサスペ ション用基板である。
 また本発明は、金属基板と、前記金属基板 に形成され、絶縁層形成材料からなる絶縁 と、前記絶縁層上に形成された配線層と、 記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配 層の一部を覆う、カバー層形成材料からな カバー層とを備え、前記絶縁層形成材料お びカバー層形成材料は、異なる材料からな 、かつ両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿 張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内であることを特徴とするサ ペンション用基板である。

 本発明によれば、上記絶縁層形成材料およ カバー層形成材料の吸湿膨張係数と、両者 上記吸湿膨張係数の差とが、上記範囲であ ことにより、本発明のサスペンション用基 を低剛性化した場合であっても、吸湿によ 反りが少ないものとすることができる。
 また、上記絶縁層形成材料およびカバー層 成材料が異なる材料であることにより、例 ば、カバー層の形成の際に、上記絶縁層が 解することがない材料とすること等を容易 ものとすることができる。

 本発明は、前記絶縁層形成材料およびカバ 層形成材料の熱膨張係数は、15×10 -6 /℃~30×10 -6 /℃の範囲内であり、かつ前記絶縁層形成材 およびカバー層形成材料の熱膨張係数の差 、10×10 -6 /℃以下の範囲内であることを特徴とするサ ペンション用基板である。
 上記絶縁層形成材料およびカバー層形成材 の熱膨張係数と、両者の熱膨張係数の差と 上記範囲であることにより、低剛性化され 場合であっても、温度変化による反りを少 いものとすることができる。

 本発明は、前記絶縁層形成材料およびカバ 層形成材料は、その両方またはいずれか一 が非感光性材料からなることを特徴とする スペンション用基板である。
 上記絶縁層形成材料およびカバー層形成材 が、非感光性材料であることにより、感光 付与成分を添加する必要がないため、上述 た吸湿膨張係数や熱膨張係数といった物性 の調整が容易なものとすることができる。
 この場合、非感光性材料とは、その材料の では光の作用によるパターン形成が出来な 材料のことを言い、金属やレジストによっ 形成されたマスクによって設けられた開口 を通して、液体や気体、プラズマによって 要部を除去する、または、インクジェット スクリーン印刷などの手法によって、予め ターンの形状に塗布される、などの手法に ってパターンを形成する必要がある材料の とを言う。
 より一般的には、感光性成分を含有しない 態でパターンを形成する材料のことを言う
 非感光性材料を用いることで、パターン形 プロセスは煩雑になるものの、感光性成分 含まないより純粋な材料を適用できること より、広範囲の材料を選択できるメリット あり、それによって、本発明に必要な低吸 膨張、低線熱膨張という特性を兼ね備えた 料を適用することが可能となる。

 本発明は、金属基板と、前記金属基板上に 成され、絶縁層形成材料からなる絶縁層と 前記絶縁層上に形成された配線層と、前記 縁層上に形成され、少なくとも前記配線層 一部を覆う、カバー層形成材料からなるカ ー層とを備え、前記絶縁層形成材料および バー層形成材料は、同一の非感光性材料か なり、両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であることを特徴とするサスペ ション用基板である。

 本発明によれば、上記絶縁層形成材料お びカバー層形成材料が同一の非感光性材料 あり、かつ両者の吸湿膨張係数が、上記範 であることにより、上述した吸湿膨張係数 熱膨張係数といった物性値の調整が容易な のとすることができ、さらに本発明のサス ンション用基板を低剛性化した場合であっ も、吸湿による反りが少ないものとするこ ができる。

 本発明は、前記絶縁層形成材料およびカバ 層形成材料の熱膨張係数は、15×10 -6 /℃~30×10 -6 /℃の範囲内であることを特徴とするサスペ ション用基板である。

 上記絶縁層形成材料およびカバー層形成 料の熱膨張係数が上記範囲であることによ 、本発明のサスペンション用基板を低剛性 した場合であっても、温度変化による反り 少ないものとすることができる。

 本発明における、上記絶縁層形成材料およ 、カバー層形成材料は、下記一般式の繰り し単位を含むことが、サスペンションのそ を防止する観点から好ましい。
(R1は4価の有機基、R2は2価の有機基、R1及びR2 、単一構造でもよく2種以上の組み合わせで もよい。nは1以上の自然数)

 本発明における、上記絶縁層形成材料お び、カバー層形成材料は、低吸湿膨張、低 熱膨張であることが、求められるため、上 式で表されるポリイミドであることが好ま い。ポリイミドは、その剛直な骨格に由来 る高い耐熱性や絶縁特性とともに、金属と 等の線熱膨張を示す。さらには、吸湿膨張 小さくすることが可能である。

 本発明における、上記絶縁層形成材料お び、カバー層形成材料は、芳香族骨格を含 ポリイミドを用いることがサスペンション そりを防止する観点から好ましい。ポリイ ドの中でも芳香族骨格を含有するポリイミ は、その剛直で平面性の高い骨格に由来し 耐熱性や薄膜での絶縁特性に優れ、線膨張 数も低いことから、本用途に好ましく用い ことが出来る。

 本発明における、上記絶縁層形成材料およ 、カバー層形成材料は、上記式に表されるR 1の33モル%以上が、下記式で表されることが スペンションのそりを防止する観点から好 しい。
 上記式の構造を含むと、これら剛直な骨格 由来し、低線熱膨張及び、低吸湿膨張を示 。さらには、市販で入手が容易であり、低 ストであると言うメリットもある。

[規則26に基づく差替え 25.04.2008]
 本発明における、上記絶縁層形成材料およ 、カバー層形成材料は、上記式に表されるR 2の33モル%以上が、下記式で表されることが スペンションのそりを防止する観点から好 しい。
(R 3 は2価の有機基、酸素原子、硫黄原子、又は ルホン基であり、R 4 及びR 5 は1価の有機基、又はハロゲン原子である。)
 上記式の構造を含むと、これら剛直な骨格 由来し、低線熱膨張及び、低吸湿膨張を示 。さらには、市販で入手が容易であり、低 ストであると言うメリットもある。

 本発明において、前記絶縁層形成材料、お びカバー層形成材料のいずれか、または両 の前駆体が、塩基性水溶液によって現像可 であることが、作業環境の安全性確保、及 、プロセスコストの低減の観点から好まし 。
 塩基性水溶液は、安価に入手でき、廃液処 費用や作業安全性確保の為の設備費用が安 であるため、より低コストでの生産が可能 なる。

 本発明は、金属基板と、前記金属基板上に 成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成さ た配線層と、前記絶縁層上に形成され、少 くとも前記配線層の一部を覆うカバー層と 有するサスペンション用基板の製造方法で って、前記金属基板上に、絶縁層形成材料 らなる絶縁層をパターン状に形成する絶縁 形成工程と、前記絶縁層上に、カバー層形 材料からなるカバー層をパターン状に形成 るカバー層形成工程とを備え、前記絶縁層 成材料およびカバー層形成材料は、異なる 料からなり、両者の吸湿膨張係数が、0×10 -6 /%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿 張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内であることを特徴とするサ ペンション用基板の製造方法である。

 本発明によれば、上記絶縁層形成材料お びカバー層形成材料の吸湿膨張係数と、両 の上記吸湿膨張係数の差とが、上記範囲で るような材料を用いて、絶縁層およびカバ 層を形成することにより、本発明の製造方 によって製造されるサスペンション用基板 、低剛性化されたものである場合であって 、吸湿による反りが少ないものとすること できる。

 本発明は、前記カバー層形成工程は、前記 縁層上に、非感光性のカバー層形成材料か なる非感光性カバー層形成用層と、前記非 光性カバー層形成用層上に形成された感光 樹脂からなるフォトレジスト層とを含む積 性を配置する工程と、積層体の前記フォト ジスト層を、パターン状に露光し、前記露 されたフォトレジスト層の現像と同時に、 記非感光性カバー層形成用層の現像を行う とにより、前記カバー層をパターン状に形 する工程とを有することを特徴とするサス ンション用基板の製造方法である。
 上記カバー層形成工程が、上記フォトレジ ト層をパターン状に露光し、上記露光され フォトレジスト層の現像と同時に、上記非 光性カバー層形成用層の現像を行うことで 上記カバー層をパターン状に形成すること より、上記カバー層の形成に必要となる作 数を少ないものとすることができる。

 本発明は、前記カバー層形成工程は、前記 縁層上に前記カバー層形成材料を含む液状 バー層形成材料を塗布する工程を有するこ を特徴とするサスペンション用基板の製造 法である。
 上記カバー層を、上記カバー層形成材料を む液状カバー層形成材料を塗布することに り形成することにより、上記カバー層の薄 化が容易となる。

 本発明は、金属基板、絶縁層、および金 めっき層がこの順に配置された積層体を準 する積層体準備工程と、前記金属基板の表 および前記金属めっき層の表面に、パター 状のレジストを形成し、エッチングを行う とにより、前記金属基板に治具孔を形成し 前記金属めっき層に配線パターン層を形成 る第一のメタルエッチング工程と、を備え ことを特徴とするサスペンション用基板の 造方法である。

 本発明によれば、上記の積層体を用いる とにより、低剛性のサスペンション用基板 得ることができる。さらに、第一のメタル ッチング工程で、金属基板に治具孔や抜き 等を形成するが、金属基板の大部分はエッ ングしない。そのため、積層体の剛性を高 維持した状態で絶縁層のエッチング等を行 ことができ、各工程間の搬送時に、加工途 の積層体が変形することを抑制することが きる。

 本発明は、カバー材を用いて、前記配線パ ーン層に前記配線パターン層の表面の一部 露出する配線パターン層露出開口部を有す カバー層を形成するカバー層形成工程と、 記カバー層を形成した後に、前記絶縁層の ッチングを行う絶縁層エッチング工程と、 記配線パターン層露出開口部により露出す 配線パターン層の表面に、保護めっき部を 成する保護めっき部形成工程と、前記絶縁 エッチング工程および前記保護めっき部形 工程の後に、前記金属基板の外形加工を行 第二のメタルエッチング工程と、を更に備 たことを特徴とするサスペンション用基板 製造方法である。
 より低剛性なサスペンション用基板を得る とができる。

 本発明は、前記金属めっき層の最大膜厚部 よび最小膜厚部の差が、2μm以下であること を特徴とするサスペンション用基板の製造方 法である。
 金属めっき層をエッチングすることにより 均一な膜厚を有する配線パターン層を得る とができる。なお、アディティブ法により 線パターン層を形成した場合、配線パター 層の膜厚のバラつきが大きくなり、所望の 性を有するパターン形成体を得ることが困 になる。
 本発明は、前記カバー層の配線パターン層 の最大膜厚部と最小膜厚部の膜厚の差が、1 μm以下であることを特徴とするサスペンショ ン基板の製造方法である。
 本発明は、カバー層形成工程において、液 カバー材を用いてカバー層を形成すること 特徴とするサスペンション基板の製造方法 ある。

 本発明は、サスペンション用基板を有する 気ヘッドサスペンションにおいて、サスペ ション用基板は、金属基板と、前記金属基 上に形成され、絶縁層形成材料からなる絶 層と、前記絶縁層上に形成された配線層と 前記絶縁層上に形成され、少なくとも前記 線層の一部を覆う、カバー層形成材料から るカバー層とを備え、前記絶縁層形成材料 よびカバー層形成材料の吸湿膨張係数が、0 /%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿 張係数の差が、0~5×10 -6 /%RHの範囲内であることを特徴とする磁気ヘ ドサスペンションである。

 本発明は、サスペンション用基板を有する 気ヘッドサスペンションにおいて、サスペ ション用基板は、金属基板と、前記金属基 上に形成され、絶縁層形成材料からなる絶 層と、前記絶縁層上に形成された配線層と 前記絶縁層上に形成され、少なくとも前記 線層の一部を覆う、カバー層形成材料から るカバー層とを備え、前記絶縁層形成材料 よびカバー層形成材料は、異なる材料から り、かつ両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿 張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内であることを特徴とする磁 ヘッドサスペンションである。

 本発明は、サスペンション用基板を有する 気ヘッドサスペンションにおいて、サスペ ション用基板は、金属基板と、前記金属基 上に形成され、絶縁層形成材料からなる絶 層と、前記絶縁層上に形成された配線層と 前記絶縁層上に形成され、少なくとも前記 線層の一部を覆う、カバー層形成材料から るカバー層とを備え、前記絶縁層形成材料 よびカバー層形成材料は、同一の非感光性 料からなり、両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~3 0×10 -6 /%RHの範囲内であることを特徴とする磁気ヘ ドサスペンションである。

 本発明は、サスペンション用基板を有する ードディスクドライブにおいて、サスペン ョン用基板は、金属基板と、前記金属基板 に形成され、絶縁層形成材料からなる絶縁 と、前記絶縁層上に形成された配線層と、 記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配 層の一部を覆う、カバー層形成材料からな カバー層とを備え、前記絶縁層形成材料お びカバー層形成材料の吸湿膨張係数が、0/%R H~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿 張係数の差が、0~5×10 -6 /%RHの範囲内であることを特徴とするハード ィスクドライブである。

 本発明は、サスペンション用基板を有する ードディスクドライブにおいて、サスペン ョン用基板は、金属基板と、前記金属基板 に形成され、絶縁層形成材料からなる絶縁 と、前記絶縁層上に形成された配線層と、 記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配 層の一部を覆う、カバー層形成材料からな カバー層とを備え、前記絶縁層形成材料お びカバー層形成材料は、異なる材料からな 、かつ両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の前記吸湿 張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内であることを特徴とするハ ドディスクドライブである。

 本発明は、サスペンション用基板を有する ードディスクドライブにおいて、サスペン ョン用基板は、金属基板と、前記金属基板 に形成され、絶縁層形成材料からなる絶縁 と、前記絶縁層上に形成された配線層と、 記絶縁層上に形成され、少なくとも前記配 層の一部を覆う、カバー層形成材料からな カバー層とを備え、前記絶縁層形成材料お びカバー層形成材料は、同一の非感光性材 からなり、両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30× 10 -6 /%RHの範囲内であることを特徴とするハード ィスクドライブである。

 本発明においては、金属基板の残存割合 減らして低剛性化した場合であっても、反 が少ないサスペンション用基板を提供する とができるという効果を奏する。

本発明の第1の実施の形態によるサスペ ンション用基板の一例を示す概略断面図であ る。 本発明のサスペンション用基板の製造 法の一例を説明する工程図である。 本発明のサスペンション用基板の製造 法の一例を説明する工程図である。 本発明の第2の実施の形態によるサスペ ンション用基板の製造方法の一例を説明する 説明図である。 本発明のサスペンション用基板の製造 法の一例を説明する説明図である。 積層体の層構成を説明する概略断面図 ある。 一般のカバー層形成工程を説明する説 図である。 本発明におけるカバー層形成工程を説 する説明図である。 保護めっき部を説明する説明図である 磁気ヘッドサスペンションとハードデ ィスクドライブを示す図である。

第1の実施の形態
 本発明は、サスペンション用基板、および の製造方法に関する。
 以下、本発明の第1の実施の形態によるサス ペンション用基板およびサスペンション用基 板の製造方法について詳細に説明する。

A.サスペンション用基板
 本発明のサスペンション用基板は、金属基 と、上記金属基板上に形成され、絶縁層形 材料からなる絶縁層と、上記絶縁層上に形 された配線層と、上記絶縁層上に形成され 少なくとも上記配線層の一部を覆う、カバ 層形成材料からなるカバー層とを有する。 のようなサスペンション用基材は、上記絶 層形成材料およびカバー層形成材料が異な 材料からなり、かつ当該非感光性材料の吸 膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の上記吸湿 張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内であるもの(第1態様)と、上 絶縁層形成材料およびカバー層形成材料が 一の非感光性材料からなり、かつこの非感 材料の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であるもの(第2態様)との2つの態 に分けることができる。以下、本発明のサ ペンション用基板を、各態様に分けて説明 る。

1.第1態様
 まず、本発明のサスペンション用基板の第1 態様について説明する。本態様のサスペンシ ョン用基板は、上述したサスペンション用基 板において、上記絶縁層形成材料およびカバ ー層形成材料が同一又は異なる材料からなり 、かつ両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の上記吸湿 張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内である。

 このような本態様のサスペンション用基板 、図を参照して説明する。図1(a)は、本態様 のサスペンション用基板の一例を示す概略断 面図である。図1(a)に例示するように、本態 のサスペンション用基板10は、金属基板1と 上記金属基板1上に形成された絶縁層2と、上 記絶縁層2上に形成された配線層3と、上記絶 層2上に形成され、少なくとも上記配線層3 一部を覆うカバー層4とを有する。また、上 配線層3は、保護めっき層5によって覆われ いる。サスペンション用基板10の低剛性化の ため、金属基板1の一部が除去され、絶縁層2 は、絶縁層2の一方の表面が金属基板1によ て被覆されていない、低剛性化領域6が形成 れている。
 またこのようなサスペンション用基板10か なる磁気ヘッドサスペンション31と、磁気ヘ ッドサスペンション31の先端に保持された磁 ヘッド32とにより、ハードディスクドライ 30が構成されている(図10参照)。

 ここで、上記絶縁層およびカバー層は、そ ぞれ絶縁層形成材料およびカバー層形成材 によって形成されており、上記絶縁層形成 料およびカバー層形成材料が、同一又は異 る材料からなり、かつ両者の吸湿膨張係数 、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の上記吸湿 張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内である材料である。

 ここで、吸湿膨張係数の測定方法について 記に記載する。
 S-TMA:温度を25℃に固定し、湿度を15%、20%、50 %と変化させた。湿度20%と50%の伸び量から湿 1%あたりの伸びを計算し、湿度膨張係数とし た。
 なお、計算式は次式の通り。
 湿度膨張率[ppm%RH]=湿度1%あたりの伸び/初期 ×1000000
         =湿度20~50%の伸び量/30/初期長×10 00000
1)サンプル形態
  サンプルサイズ  幅5mm×長さ15mm(掴み+5mm)
  厚み       7~8μm程度
  初期状態     十分に乾燥した状態
2)測定条件
  装置       RIGAKU製 S-TMA(湿度発生装置 きTMA)
  加重       5g
  温度       25℃
3)測定方法
  1.サンプルの環境が湿度15%Rhで安定し、サ プル長が一定となり変化しなく
    なってから、0.5h以上保持
  2.次にサンプルの環境が湿度20%Rhで安定し サンプル長が一定となり変化し
    なくなってから、0.5h以上保持(サンプ 長を測定)
  3.引き続いてサンプルの環境が湿度50%Rhで 定し、サンプル長が一定となり
    変化しなくなってから、0.5h以上保持( ンプル長を測定)
  4.湿度20%時と湿度50%時の値の差を計算し、 1/30して湿度1%あたりの
    伸び量を出す
  5.湿度1%あたりの伸び量を初期長(15μm)で割 り、変化率とする

 本態様によれば、上記絶縁層形成材料お びカバー層形成材料の吸湿膨張係数と、両 の上記吸湿膨張係数の差とが、上記範囲で ることにより、本態様のサスペンション用 板を低剛性化した場合であっても、吸湿に る反りが少ないものとすることができる。

 ここで、上記絶縁層形成材料およびカバ 層形成材料が、上述した吸湿膨張係数の範 内であり、かつ、両者の上記吸湿膨張係数 差が上記範囲内であることにより、金属基 の割合を少なくし、低剛性化した場合であ ても、吸湿による反りが少ないもサスペン ョン用基材とすることができる理由として 、以下のようなものである。

 すなわち、従来、絶縁層は、その一方の 面が、金属基板によって被覆されている面 が大きく、吸湿しにくい状況にあった。こ ため、上記絶縁層の吸湿膨張係数が大きい 合であっても、吸湿膨張をほとんどしない とから、吸湿膨張による反りはほとんど生 なかった。このため上記金属基板と、上記 縁層との熱膨張係数さえ合わせればサスペ ション用基板の反りをある程度抑制するこ ができていた。

 ところが低剛性化のため、金属基板の残 割合が減少した場合には、絶縁層の金属基 側に、金属基板によって被覆されていない 域が広がり、上記絶縁層が、容易に吸湿し 張し得る状況となった。従来であれば、金 基板は、このような膨張に対して十分抵抗 ることができていたが、低剛性化のため残 割合が小さくなったことにより、吸湿膨張 数が大きい絶縁層およびカバー層が吸湿膨 した場合に生じる応力に抵抗することが困 となった。このため、上記絶縁層形成材料 よびカバー層形成材料の吸湿膨張係数が大 い場合には、両者の吸湿膨張がサスペンシ ン用基板に反りを生じさせることになった

 一方、本態様においては、上記絶縁層お びカバー層を形成する絶縁層形成材料およ カバー層形成材料の吸湿膨張係数が上述し 範囲内であることにより、低剛性化された 合であっても、上記絶縁層およびカバー層 吸湿膨張が原因となる反りの発生を少ない のとすることができる。

 また、従来であれば、高剛性の材料である 属基板の残存割合が大きいことにより、上 絶縁層形成材料およびカバー層形成材料の 湿膨張係数の差が大きくても上記絶縁層お びカバー層の吸湿膨張の差により反りをあ 程度抑制することができた。しかしながら 剛性化されて残存割合が低下した金属基板 は、上記絶縁層形成材料およびカバー層形 材料の吸湿膨張係数の差が大きい場合に、 者の吸湿膨張の差により生じる応力に抵抗 ることができず、サスペンション用基板に りを生じさせることになった。
 一方、本態様においては、上記絶縁層形成 料およびカバー層形成材料の吸湿膨張係数 差が上記範囲であることにより、低剛性化 れた場合であっても、上記カバー層形成材 と、絶縁層形成材料との吸湿膨張係数の差 よる反りの発生を少ないものとすることが きる。

 また、上記絶縁層形成材料およびカバー層 成材料が異なる材料であることにより、以
下のような利点がある。

 すなわち、上記絶縁層形成材料およびカ ー層形成材料が同一材料である場合には、 えば、後述する金属基板上に形成され、絶 層形成材料からなる絶縁層上に、カバー層 成材料からなるカバー層形成用層を積層し 次いでカバー層形成用層をパターン状に溶 することによって、パターン状のカバー層 形成する際に、カバー層形成用層をパター 状に溶解する溶剤によって、絶縁層までも 時に溶解されてしまうことも考えられる。 のため、上記カバー層をパターン状に形成 る際には、予め絶縁層を強く焼き固めて、 バー層をパターン状に溶解する溶剤によっ 溶解されないようにしたり、カバー層の形 の後に絶縁層をパターン状に形成する場合 おいては、絶縁層(絶縁層形成用層)が強く き固めらていることにより、上記絶縁層を ターン状に形成することが困難となること 考えられる。

 また、上記サスペンション用基板が、金 基板、絶縁層、配線層、カバー層の材料が 層された積層体からなり、また上述した材 間が接着性良く積層されていることが要求 れるものであることから、例えば、絶縁層 、金属基板および配線層との接着性が良好 あることが求められ、カバー層は、絶縁層 よび配線層との接着性が良好であることが められる。しかしながら、上記絶縁層およ カバー層を形成する絶縁層形成材料および バー層形成材料が同一材料である場合には このような別部材への接着性を同時に満た ことは困難であり、材料選択性が非常に狭 なるといった問題が生じる。

 本態様においては、上記絶縁層形成材料 よびカバー層形成材料が異なる材料である とにより、例えば、上記カバー層の形成の に、上記絶縁層が溶解することがない材料 上記絶縁層形成材料として用いることがで 、それぞれに要求される接着性に適した材 の選択を容易に行うことができる。したが て、上記絶縁層形成材料およびカバー層形 材料が異なる材料であることにより、例え 、カバー層の形成の際に、上記絶縁層が溶 することがない材料とすること等を容易な のとすることができる。

 本態様のサスペンション用基板は、金属基 、絶縁層、配線層、およびカバー層を少な とも有する。
 以下、本態様のサスペンション用基板の各 成について詳細に説明する。

(1)絶縁層2およびカバー層4
 本態様に用いられる絶縁層は、後述する金 基板上に形成されるものであり、絶縁層形 材料からなる。
 また、本態様に用いられるカバー層は、上 絶縁層上に形成され、少なくとも後述する 線層の一部を覆う、カバー層形成材料から る。
 絶縁層、及び、カバー層は、単一の材料に り構成されていてもよいし、異なる材料が2 層以上積層されたものであってもよい。絶縁 層、または、カバー層が異なる材料の積層物 であった場合は、絶縁層及びカバー層それぞ れ、その2層以上の積層物全体としての吸湿 張や線熱膨張などの特性を、本発明におけ 絶縁層、及びカバー層の特性とする。
 サスペンションを、ステンレスー絶縁層― という構成の積層体から作成する場合に、 れら3種を、ラミネートし作成する場合には 、絶縁層が、接着性材料―低膨張性材料―接 着性材料という3層構成である場合が多い、 れは一般に低膨張性材料の接着性が乏しい とに由来する。このようにラミネートによ て形成された金属と絶縁層の積層体は、圧 銅や合金銅を用いることが出来るという利 を有し、且つ、絶縁層と金属層の密着性が いという特徴を有する。一方で、ラミネー の安定性の観点から用いる銅箔の厚みに制 があり、銅層を薄くしにくいという欠点も る。
 一方、上記の積層体を作成する方法として ステンレス上に、絶縁層を形成した後に、 パッタやめっきによって銅層を形成する方 もある。この場合、絶縁層は1種類の材料に よって形成することも可能であり、銅層を薄 く形成することもできるが、電解銅箔しか形 成できないという欠点がある。

(a)絶縁層形成材料2″およびカバー層形成材 4″
 本態様に用いられる絶縁層形成材料2″およ びカバー層4″形成材料は、同一又は異なる 料からなり、かつ両者の吸湿膨張係数が、0/ %RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の上記吸湿 張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内である。
 なお、上記絶縁層形成材料およびカバー層 成材料が、異なる材料であるとは、含まれ ポリマーの主鎖または置換基の、種類およ 含有量が異なることをいい、後述する光開 剤や添加剤の種類および含有量が異なる場 は含まない。

 本態様によれば、上記絶縁層形成材料およ カバー層形成材料の吸湿膨張係数と、両者 上記吸湿膨張係数の差とが、上記範囲であ ことにより、本態様のサスペンション用基 を低剛性化した場合であっても、吸湿によ 反りが少なくなる。
 また、上記絶縁層形成材料およびカバー層 成材料が異なる材料であるため、例えば、 バー層の形成の際に、上記絶縁層が溶解す ことがない材料とすること等を容易なもの することができる。

 本態様に用いられる絶縁層形成材料および バー層形成材料の吸湿膨張係数は、0/%RH~30× 10 -6 /%RHの範囲内であれば良いが、なかでも0/%RH~20 ×10 -6 /%RHの範囲内であることが好ましく、特に0/%RH ~12×10 -6 /%RHの範囲内であることが好ましい。

 一般に、本用途に適用可能な吸湿に伴い収 するようなマイナスの湿度膨張係数有する 料は、非常に稀でありそのような場合、材 選択の幅が狭くなることから好ましくない 上記範囲より大きいと、吸湿による反りが きいものとなることから好ましくない。
 なお、上記吸湿膨張係数とは、相対湿度の 化に対する、材料の長さの変化率である。 こで、材料の長さとは、各相対湿度の環境 に置くことで、各材料が、各相対湿度の環 下における平衡含水率となった際の長さで る。また、材料の長さの変化率とは、相対 度が変化した際の、長さの変化(変化後の材 料の長さから変化前の材料の長さを差し引い たもの)を、材料の全長で除した値である。

 また、吸湿膨張係数の値が正である場合 は、相対湿度が上昇した際に、材料の長さ 長くなることを示し、吸湿膨張係数の値が である場合には、相対湿度が上昇した際に 材料の長さが短くなることを示す。

 本態様に用いられる絶縁層形成材料および バー層形成材料の吸湿膨張係数の差は5×10 -6 /%RH以下であれば良いが、なかでも4×10 -6 /%RH以下であることが好ましく、特に3×10 -6 /%RH以下であることが好ましい。上記範囲で ることにより、本態様のサスペンション用 板を低剛性化した場合であっても、吸湿に る反りをより少ないものとすることができ からである。
 また、上記絶縁層形成材料およびカバー層 成材料の吸湿膨張係数の差とは、上記絶縁 形成材料とカバー層形成材料との吸湿膨張 数の差の絶対値である。

 本態様に用いられる絶縁層形成材料および バー層形成材料の吸水係数としては、0.01%~2 .5%の範囲内であることが好ましく、なかでも 0.1%~1.5%の範囲内であることが好ましい。上記 範囲であることにより、上記絶縁層およびカ バー層の吸湿を少ないものとすることができ 、上記絶縁層およびカバー層が吸湿膨張する ことを抑制することができるからである。こ のため、後述する金属基板の残存割合を減少 させ、本態様のサスペンション用基板を低剛 性化した場合であっても反りが少ないものと することができるからである。また、上記範 囲より小さいと、カバー層と絶縁層との密着 性が低下する可能性があるからであり、上記 範囲より大きいと、吸湿による反りが大きい ものとなるからである。
 ここで、吸水係数とは、上記絶縁層形成材 およびカバー層形成材料を、85℃、85%RHの環 境下で1時間静置して吸水させた際の吸水率 飽和水分率とするカールフッシー法を用い 飽和水分率とした場合および乾燥させた場 の重量変化率であり、飽和水分率時の重量 ら乾燥時の重量を引いたものを乾燥時の重 で除した値である。

 本態様に用いられる絶縁層形成材料および バー層形成材料の熱膨張係数としては、上 サスペンション用基板を、後述する金属基 と、上記絶縁層形成材料およびカバー層形 材料との熱膨張係数の差による反りが少な ものとすることができるものであれば良い 、15×10 -6 /℃~30×10 -6 /℃の範囲内であることが好ましく、なかで 15×10 -6 /℃~25×10 -6 /℃の範囲内であることが好ましく、特に15×1 0 -6 /℃~20×10 -6 /℃の範囲内であることが好ましい。上記範 であることにより、本態様のサスペンショ 用基板を低剛性化した場合であっても、温 変化による反りが少ないものとすることが きるからである。
 なお、上記熱膨張係数とは、温度の変化に する、材料の長さの変化率である。ここで 材料の長さとは、材料が、各温度となった の材料の長さである。また、材料の長さの 化率とは、各材料の温度が変化した際の、 さの変化(変化後の材料の長さから変化前の 材料の長さを差し引いたもの)を、材料の全 で除した値である。
 また、熱膨張係数の値が正である場合には 材料の温度が上昇した際に、材料の長さが くなることを示し、熱膨張係数の値が負で る場合には、材料の温度が上昇した際に、 料の長さが短くなることを示す。

 本態様に用いられる絶縁層形成材料および バー層形成材料の熱膨張係数の差は10×10 -6 /℃以下の範囲内であることが好ましく、特 5×10 -6 /℃以下の範囲内であることが好ましい。上 範囲であることにより、本態様のサスペン ョン用基板を低剛性化した場合であっても 温度変化による反りをより少ないものとす ことができるからである。
 また、上記絶縁層形成材料およびカバー層 成材料の熱膨張係数の差とは、上記絶縁層 成材料とカバー層形成材料との熱膨張係数 差の絶対値である。

 本態様に用いられる絶縁層形成材料および バー層形成材料は、吸湿膨張係数が上述し 範囲内であり、絶縁性を有するものであれ 特に限定されるものではなく、感光性材料 あっても良く、非感光性材料であっても良 。本態様においては、なかでも非感光性材 であることが好ましい。
 この場合、非感光性材料とは、その材料の では光の作用によるパターン形成が出来な 材料のことを言い、金属やレジストによっ 形成されたマスクによって設けられた開口 を通して、液体や気体、プラズマによって 要部を除去する、または、インクジェット スクリーン印刷などの手法によって、予め ターンの形状に塗布される、などの手法に ってパターンを形成する必要がある材料の とを言う。
 より一般的には、感光性成分を含有しない 態でパターンを形成する材料のことを言う
 非感光性材料を用いることで、パターン形 プロセスは煩雑になるものの、感光性成分 含まないより純粋な材料を適用できること より、広範囲の材料を選択できるメリット あり、それによって、本発明に必要な低吸 膨張、低線熱膨張という特性を兼ね備えた 料を適用することが可能となる。

 上記絶縁層形成材料およびカバー層形成材 が感光性材料である場合、後述する非感光 絶縁性材料の分子骨格中に感光基を導入し 感光性絶縁性材料を、光重合開始剤と共に 合させたり、上記絶縁層形成材料およびカ ー層形成材料に、上記非感光性絶縁性材料 たは感光性絶縁性材料とは別に感光性モノ ーを添加し、光重合開始剤と共に重合させ り、もしくは光の作用によって溶解性が変 する感光剤を添加する必要がある。このた 、加熱などの後工程を経た後でも、上記感 性付与成分やその分解残渣が材料中に残存 、上記絶縁層形成材料およびカバー層形成 料の吸湿膨張係数が大きくなったり、接着 の適正化が非常に困難なものとなる場合が るからである。
 感光性絶縁性材料として、一般的に用いら る感光性ポリイミド系樹脂(PI)は、γ-ブチロ ラクトン、N-メチルピロリドン、ジメチルア トアミド等の高沸点溶媒を現像溶媒として いる必要があり、乾燥に時間を要する。ま 上述した感光性ポリイミド系樹脂用の現像 媒は、それ自身が高価であり、また現像時 設備を防爆型にしなければならず、コスト で非常に不利となる。また、上述した感光 ポリイミド系樹脂用の現像溶媒は、上記感 性ポリイミド系樹脂自身にダメージを与え しまう恐れがあるといった問題もある。
 一方、上記絶縁層形成材料およびカバー層 成材料が非感光性材料である場合、上記非 光性絶縁性材料への感光基の導入や、他の 加剤が不要であることにより、上記吸湿膨 係数等の調整が容易なものとすることがで る。また現像に際しては、有機および無機 ルカリを用いることができ、上述したよう 防爆型設備も不要であることから、上記絶 層およびカバー層を低コストで形成可能と 、さらにダメージも小さいものとすること できる

 本態様に用いられる絶縁層形成材料および バー層形成材料が非感光性である場合、上 絶縁層形成材料およびカバー層形成材料は 通常、非感光性の絶縁特性をもつ。
 このような非感光性絶縁性材料としては、 リイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエ テルニトリル系樹脂、ポリエーテルスルホ 系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹 、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリ 化ビニル系樹脂などの合成樹脂を用いるこ ができ、なかでもポリイミド系樹脂を好ま く用いることができる。絶縁性、耐熱性及 耐薬品性に優れた化合物であるからである

 また、本態様に用いられる絶縁層形成材 およびカバー層形成材料が感光性である場 、上記絶縁層形成材料およびカバー層形成 料は、通常、上述した非感光性絶縁性材料 感光基を導入した感光性絶縁性材料または 光性モノマーの重合物を有する。

 上記感光性絶縁性材料としては、感光性 リイミド系樹脂、感光性アクリル系樹脂、 光性ポリエーテルニトリル系樹脂、感光性 リエーテルスルホン系樹脂、感光性ポリエ レンテレフタレート系樹脂、感光性ポリエ レンナフタレート系樹脂、感光性ポリ塩化 ニル系樹脂などの感光性の合成樹脂を好ま く用いることができ、なかでも感光性ポリ ミド系樹脂を好ましく用いることができる この感光性ポリイミド素材樹脂は絶縁性に れた化合物であり、絶縁性、耐熱性及び耐 品性に優れた化合物である。

 上記感光基、感光性モノマー、および重 の際に用いられる光重合開始剤としては、 スペンション用基板の絶縁層およびカバー を露光、現像により形成する場合に一般的 使われるものを用いることができる。

 また本態様に用いられる絶縁層形成材料お びカバー層形成材料は、必要に応じて、増 剤、重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング 、可塑剤、界面活性剤、消泡剤等の添加剤 含むものであっても良い。
(R1は4価の有機基、R2は2価の有機基、R1及びR2 、単一構造でもよく2種以上の組み合わせで もよい。nは1以上の自然数)

 式(1)において、一般に、R 1 は、テトラカルボン酸二無水物由来の構造で あり、R 2 はジアミン由来の構造である。
 本発明に用いられるポリイミドに適用可能 酸二無水物としては、例えば、エチレンテ ラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカル ン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボ 酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボ 酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3 ,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二 水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカル ボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテト カルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニ テトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’-ビフ ェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3 ,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物 2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン 無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エ テル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェ ル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボ シフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3-ジカ ボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4- カルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2- ス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキ フルオロプロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジ ルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオ プロパン二無水物、1,3-ビス〔(3,4-ジカルボ シ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、1,4-ビス 〔(3,4-ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二 無水物、2,2-ビス{4-〔4-(1,2-ジカルボキシ)フェ ノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、
 2,2-ビス{4-〔3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ フェニル}プロパン二無水物、ビス{4-〔4-(1,2 -ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン 二無水物、ビス{4-〔3-(1,2-ジカルボキシ)フェ キシ〕フェニル}ケトン二無水物、4,4’-ビ 〔4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニ ル二無水物、4,4’-ビス〔3-(1,2-ジカルボキシ) フェノキシ〕ビフェニル二無水物、ビス{4-〔 4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケ トン二無水物、ビス{4-〔3-(1,2-ジカルボキシ) ェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス {4-〔4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニ }スルホン二無水物、ビス{4-〔3-(1,2-ジカル キシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水 物、ビス{4-〔4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ フェニル}スルフィド二無水物、ビス{4-〔3-( 1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スル フィド二無水物、2,2-ビス{4-〔4-(1,2-ジカルボ シ)フェノキシ〕フェニル}-1,1,1,3,3,3-ヘキサ ルプロパン二無水物、2,2-ビス{4-〔3-(1,2-ジ ルボキシ)フェノキシ〕フェニル}-1,1,1,3,3,3- ロパン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカ ルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラ ルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテト カルボン酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラ カルボン酸二無水物、3,4,9,10-ぺリレンテトラ カルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテ ラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナント ンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ 。
 これらは単独あるいは2種以上混合して用い られる。
 本発明に用いられるポリイミドの耐熱性、 熱膨張係数などの観点から好ましく用いら るテトラカルボン酸二無水物は、芳香族テ ラカルボン酸二無水物であることが好まし 、特に好ましく用いられるテトラカルボン 二無水物としてピロメリット酸二無水物、 ロファン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフ ノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’- ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3 ,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物 2,3,2’,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二 水物、2,2’,6,6’-ビフェニルテトラカルボン 酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル) エーテル二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシ フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン 無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エ テル二無水物が挙げられる。
 なかでも、吸湿膨張を低減させる観点から 3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二 水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン 酸二無水物、2,3,2’,3’-ビフェニルテトラカ ボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフ ニル)エーテル二無水物が特に好ましい。
 併用する酸二無水物としてフッ素が導入さ た酸二無水物を用いると、ポリイミドの吸 膨張率が低下する。しかし、フッ素を含ん 骨格を有するポリイミドの前駆体は、塩基 水溶液に溶解しにくく、アルコール等の有 溶媒と塩基性水溶液との混合溶液によって 像を行う必要がある。
 また、ピロメリット酸二無水物、メロファ 酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラ ルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテ トラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’-ビフェ ルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフ レンテトラカルボン酸二無水物などの剛直 酸二無水物を用いると、最終的に得られる リイミドの線熱膨張係数が小さくなるので ましい。なかでも、線膨張係数と湿度膨張 数とのバランスの観点から、3,3’,4,4’-ビフ ェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4 -ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3, 2’,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水 、が特に好ましい。
 酸二無水物として脂環骨格を有する場合、 リイミド前駆体のが向上するため、高感度 感光性樹脂組成物となる。一方で、ポリイ ドとした後の耐熱性や絶縁性が芳香族ポリ ミドと比較して劣る傾向にある。。
 芳香族のテトラカルボン酸二無水物を用い 場合、耐熱性に優れ、低線熱膨張係数を示 ポリイミドとなるというメリットがある。 って、本発明の感光性樹脂組成物において 、前記ポリイミドにおいて、前記式(1)中のR 1 のうち33モル%以上が、下記式(3)で表わされる 構造であることが好ましい。
 上記のような構造を有するポリイミドは、 耐熱、低線熱膨張率を示すポリイミドであ 。その為、上記式(2)で表わされる構造の含 量は前記式(1)中のR 1 のうち100モル%に近ければ近いほど、本発明 目標を達成しやすくなるが、少なくとも前 式(1)中のR 1 のうち33%以上含有すれば目的を達成できる。 中でも上記式(2)で表わされる構造の含有量は 前記式(1)中のR 1 のうち50モル%以上であることが好ましく、更 に、70モル%以上であることが好ましい。
 一方、本発明のポリイミドに適用可能なジ ミン成分も、1種類のジアミン単独で、また は2種類以上のジアミンを併用して用いるこ ができる。用いられるジアミン成分は限定 れるわけではないが、p-フェニレンジアミン 、m-フェニレンジアミン、o-フェニレンジア ン、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4 -ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジア ノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフ ニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニル スルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスル ィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3 ,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジ ミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノベ ゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン 、
 3,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジア ノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェ ルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン 、2,2-ジ(3-アミノフェニル)プロパン、2,2-ジ(4- アミノフェニル)プロパン、2-(3-アミノフェニ ル)-2-(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ジ(3-ア ミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロ ン、2,2-ジ(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキ フルオロプロパン、2-(3-アミノフェニル)-2-( 4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ ロパン、1,1-ジ(3-アミノフェニル)-1-フェニル エタン、1,1-ジ(4-アミノフェニル)-1-フェニル タン、1-(3-アミノフェニル)-1-(4-アミノフェ ル)-1-フェニルエタン、1,3-ビス(3-アミノフ ノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキ シ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベ ンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼ 、1,3-ビス(3-アミノベンゾイル)ベンゼン、1, 3-ビス(4-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビ (3-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(4-ア ミノベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ- α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3-ビス(4- ミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4- ス(3-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼ 、1,4-ビス(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル) ンゼン、1,3-ビス(3-アミノ-α,α-ジトリフルオ ロメチルベンジル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミ -α,α-ジトリフルオロメチルベンジル)ベン ン、1,4-ビス(3-アミノ-α,α-ジトリフルオロメ チルベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-α, α-ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン 2,6-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゾニトリル 、2,6-ビス(3-アミノフェノキシ)ピリジン、4,4 -ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4 -ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス [4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビ [4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、 ス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィ ド、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ス フィド、
 ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スル ン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ス ルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニ ]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェ ニル]エーテル、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキ )フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフ ノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(3-ア ノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフ オロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキ シ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパ ン、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイ ]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ) ンゾイル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-アミノフ ノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(4- ミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3- ス[4-(3-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベン ジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキ )-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4-ビス [4-(3-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジ ]ベンゼン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)- α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、4,4’-ビス[ 4-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニ エーテル、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチ ルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4 -ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フ ノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’-ビス[4-(4 -アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルス ルホン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジフェノキシベ ンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジビフェ ノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4-フ ノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4-ビ ェノキシベンゾフェノン、6,6’-ビス(3-アミ ノフェノキシ)-3,3,3’,3’-テトラメチル-1,1’- スピロビインダン、6,6’-ビス(4-アミノフェ キシ)-3,3,3’,3’-テトラメチル-1,1’-スピロ インダン、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラ メチルジシロキサン、1,3-ビス(4-アミノブチ )テトラメチルジシロキサン、α,ω-ビス(3-ア ノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω- ビス(3-アミノブチル)ポリジメチルシロキサ 、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2-アミ ノエチル)エーテル、ビス(3-アミノプロピル) ーテル、ビス(2-アミノメトキシ)エチル]エ テル、ビス[2-(2-アミノエトキシ)エチル]エー テル、ビス[2-(3-アミノプロトキシ)エチル]エ テル、
 1,2-ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2-ビス(2- アミノエトキシ)エタン、1,2-ビス[2-(アミノメ トキシ)エトキシ]エタン、1,2-ビス[2-(2-アミノ エトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコ ルビス(3-アミノプロピル)エーテル、ジエチ レングリコールビス(3-アミノプロピル)エー ル、トリエチレングリコールビス(3-アミノ ロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3-ジ アミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジ ミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7- アミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9- ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11- アミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、 1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノシ ロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、 1,2-ジ(2-アミノエチル)シクロヘキサン、1,3-ジ (2-アミノエチル)シクロヘキサン、1,4-ジ(2-ア ノエチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシ クロへキシル)メタン、2,6-ビス(アミノメチル )ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5-ビス(アミノメ ル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、また、上記ジア ミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全て をフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリ フルオロメチル基、又はトリフルオロメトキ シ基から選ばれた置換基で置換したジアミン も使用することができる。
 さらに目的に応じ、架橋点となるエチニル 、ベンゾシクロブテン-4’-イル基、ビニル 、アリル基、シアノ基、イソシアネート基 及びイソプロペニル基のいずれか1種又は2 以上を、上記ジアミンの芳香環上水素原子 一部若しくは全てに置換基として導入して 使用することができる。
 ジアミンは、目的の物性によって選択する とができ、p-フェニレンジアミンなどの剛 なジアミンを用いれば、最終的に得られる リイミドは低膨張率となる。剛直なジアミ としては、同一の芳香環に2つアミノ基が結 しているジアミンとして、p-フェニレンジ ミン、m-フェニレンジアミン、1,4-ジアミノ フタレン、1,5-ジアミノナフタレン、2、6-ジ ミノナフタレン、2,7-ジアミノナフタレン、 1,4-ジアミノアントラセンなどが挙げられる
 さらに、2つ以上の芳香族環が単結合により 結合し、2つ以上のアミノ基がそれぞれ別々 芳香族環上に直接又は置換基の一部として 合しているジアミンが挙げられ、例えば、 記式(3)により表されるものがある。具体例 しては、ベンジジン等が挙げられる。
(aは0または1以上の自然数、アミノ基はベン ン環同士の結合に対して、メタ位または、 ラ位に結合する。)

 さらに、上記式(5)において、他のベンゼン との結合に関与せず、ベンゼン環上のアミ 基が置換していない位置に置換基を有する アミンも用いることができる。これら置換 は、1価の有機基であるがそれらは互いに結 合していてもよい。
 具体例としては、2,2’-ジメチル-4,4’-ジア ノビフェニル、2,2’-ジトリフルオロメチル -4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジクロロ-4, 4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメトキシ-4, 4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4 -ジアミノビフェニル等が挙げられる。
 また、芳香環の置換基としてフッ素を導入 ると吸湿膨張率を低減させることができる しかし、フッ素を含むポリイミド前駆体、 にポリアミック酸は、塩基性水溶液に溶解 にくく、アルコールなどの有機溶媒との混 溶液で現像する必要がある場合がある。

[規則26に基づく差替え 25.04.2008]
 一方、ジアミンとして、1,3-ビス(3-アミノプ ロピル)テトラメチルジシロキサンなどのシ キサン骨格を有するジアミンを用いると、 板との密着性を改善したり最終的に得られ ポリイミドの弾性率が低下し、ガラス転移 度を低下させることができる。
 ここで、選択されるジアミンは耐熱性の観 より芳香族ジアミンが好ましいが、目的の 性に応じてジアミンの全体の60モル%、好ま くは40モル%を超えない範囲で、脂肪族ジア ンやシロキサン系ジアミン等の芳香族以外 ジアミンを用いても良い。
 また、前記ポリイミドにおいては、前記式( 1)中のR 2 のうち33モル%以上が下記式(4)で表わされる構 造であることが好ましい。
(R 3 は2価の有機基、酸素原子、硫黄原子、又は ルホン基であり、R 4 及びR 5 は1価の有機基、又はハロゲン原子である。)
 上記のような構造を有する場合、最終的に られるポリイミドの耐熱性が向上し、線熱 張係数が小さくなる。その為、前記式(1)中 R 2 のうち100モル%に近ければ近いほど、本発明 目標を達成しやすくなるが、前記式(1)中のR 2 のうち少なくとも33%以上含有すれば目的を達 成できる。中でも上記式(4)で表わされる構造 の含有量は前記式(1)中のR 2 のうち50モル%以上であることが好ましく、更 に、70モル%以上であることが好ましい。
 上記のポリイミドに加えて必要に応じて適 、接着性のポリイミドなどと組み合わせて 本発明における絶縁層、及びカバー層とし 用いてもよい。
 また、上記のポリイミドを感光性ポリイミ として利用する際には、公知の手法を用い ことができる。たとえば、ポリアミック酸 カルボキシル基にエステル結合やイオン結 でエチレン性2重結合を導入し得られるポリ イミド前駆体に、光ラジカル開始剤を混合し 、溶剤現像ネガ型感光性ポリイミドとするも の。ポリアミック酸やその部分エステル化物 にナフトキノンジアジド化合物を添加し、ア ルカリ現像ポジ型感光性ポリイミドとするも の、ポリアミック酸にニフェジピン系化合物 を添加しアルカリ現像ネガ型感光性ポリイミ ドとするものなどが挙げられるが、これに限 定されない。
 これらの感光性ポリイミドはポリイミドの 量に対して15%~35%の感光性付与成分が添加さ れている、その為、パターン形成後に300℃~40 0℃で加熱したとしても、感光性付与成分由 の残差がポリイミド中に残存する。これら 残存物が線膨張係数や吸湿膨張係数を大き する原因となることから、本発明において 光性ポリイミドを用いることは好ましくな 。
 なお絶縁層形成材料およびカバー層形成材 のいずれか、または両方の前駆体が塩基性 溶液によって現像可能となっている。ここ 塩基性水溶液とは、pHが8以上の水溶液で、 機溶媒の含有量が、塩基性水溶液の重量の2 0重量%未満であることが好ましく、pHが8以上 水溶液で、有機溶媒を含まないことがさら 好ましい。塩基性水溶液に含まれる塩基性 質は、何でも良く公知の有機・無機の塩基 物質であれば特に限定されないが、現像後 パターン中のイオン残渣や絶縁信頼性の観 から水酸化テトラメチルアンモニウムであ ことが好ましい。

(b)絶縁層2
 本態様に用いられる絶縁層の膜厚としては 所望の絶縁性を発揮することができるもの あれば特に限定されるものではないが、例 ば5μm~30μmの範囲内であることが好ましく、 なかでも5μm~18μmの範囲内であることが好ま く、特に5μm~12μmの範囲内であることが好ま い。上記範囲より薄いと、充分な絶縁性を 揮できない可能性があり、上記範囲より厚 と、サスペンション用基板の低剛性化を図 ことが困難だからである。

 本態様に用いられる絶縁層の下面が金属基 によって被覆されている割合(低剛性化領域 以外の割合)としては、本態様のサスペンシ ン用基板を、反りが少ないものとすること できるものであれば良く、具体的には30%~70% 範囲内であることが好ましく、なかでも40%~ 70%の範囲内であることが好ましい。上記範囲 であることにより、本態様のサスペンション 用基板の低剛性化を図ることができ、本態様 の効果をより発揮することができる。
 なお、上記絶縁層の残存割合とは、本態様 サスペンション用基板の平面視面積に占め 、上記絶縁層の平面視面積の割合をいうも である。また上記サスペンション用基板の 面視面積とは、上記サスペンション用基板 外径線によって囲まれる面積であり、内部 貫通孔が形成されている場合は、その貫通 の平面視面積をも含むものである。

(c)カバー層4
 本態様に用いられるカバー層の膜厚として 、少なくとも後述する配線層の一部を覆う うに形成されるものであれば特に限定され ものではないが、例えば3μm~30μmの範囲内で あることが好ましく、なかでも3μm~15μmの範 内であることが好ましく、特に、3μm~10μmの 囲内であることが好ましい。上記範囲より いと、上記配線層上を覆い、上記配線層を 食等から保護することが困難となるからで り、上記範囲より厚いと、本態様のサスペ ション用基板の低剛性化を図ることが困難 なるからである。

(2)金属基板1
 本態様に用いられる金属基板は、導電性を し、さらにサスペンション用途に用いられ ため、通常、適度なばね性を有するもので る。

 上記金属基板の材料としては、例えば、S US等を挙げることができる。

 本態様においては、上記金属基板はグラ ド端子が形成される表面側に、導電層を有 ている。この場合、導電層を設けることに り、グランド端子による導通がより効率的 なる。上記導電層の材料としては、具体的 は、銅(Cu)等を挙げることができる。上記導 電層は、例えばめっき法等により形成するこ とができる。

 上記金属基板の厚さとしては、所望のば 特性を発揮することができるものであれば に限定されるものではなく、金属基板の材 等により異なるものであるが、通常、10μm~3 0μmの範囲内であるが、なかでも15μm~25μmの範 囲内であることが好ましい。金属基板の膜厚 が薄すぎると、機械的強度が低下する可能性 があり、金属基板の膜厚が厚すぎると、本態 様のサスペンション用基板の低剛性化を図る ことが困難だからである。

 本態様に用いられる金属基板の残存割合と ては、本態様のサスペンション用基板を反 が少ないものとすることができるものであ ば良く、具体的には30%~100%の範囲内である とが好ましく、なかでも30%~60%の範囲内であ ことが好ましい。上記範囲であることによ 、本態様のサスペンション用基板の低剛性 を十分に図ることができ、本態様の効果を り発揮することができるからである。
 なお、上記金属基板の残存割合とは、本態 のサスペンション用基板の平面視面積に占 る、上記金属基板の平面視面積の割合をい ものである。また上記サスペンション用基 の平面視面積とは、上記サスペンション用 板の外径線によって囲まれる面積であり、 部に貫通孔が形成されている場合は、その 通孔の平面視面積をも含むものである。

(3)配線層3
 本態様に用いられる配線層は、上述した絶 層上に形成されるものであり、本態様のサ ペンション用基板をHDDに用いた場合に、ス イダーを介してディスクに書き込まれるデ タや、ディスクから読み出されたデータを 電気信号として伝送するものである。

 本態様に用いられる配線層の材料として 、例えば銅(Cu:圧延銅、電解銅)等を挙げる とができる。

 本態様に用いられる配線層の厚みとして 、所望の導電性を発揮することができれば 特に限定されるものではないが、通常、6μm ~18μmの範囲内であることが好ましく、なかで も8μm~12μmの範囲内であることが好ましい。 記範囲であることにより、本態様のサスペ ション用基板の低剛性化を図ることができ からである。

 本態様に用いられる配線層の線幅として 、所望の導電性を発揮することができるも であれば特に限定されるものではないが、1 0μm~100μmの範囲内であることが好ましく、な でも15μm~50μmの範囲内であることが好まし 。上記範囲であることにより、本態様のサ ペンション用基板の低剛性化を図ることが きるからである。

 本態様に用いられる配線層は、通常、その 面にニッケル(Ni)や、金(Au)による保護めっ 層が形成されていることが好ましい。上記 線層を腐食に強いものとすることができる らである。
 また、上記保護めっき層の膜厚としては、5 μm以下であることが好ましく、なかでも1μm~2 μmの範囲内であることが好ましい。

(4)サスペンション用基板10
 本態様のサスペンション用基板の製造方法 しては、金属基板、絶縁層、配線層、およ カバー層が、精度良く、かつ密着性良く積 されたものとすることができる方法であれ 特に限定されるものではなく、一般的なサ ペンション用基板の製造方法を用いること でき、具体的には、後述する「B.サスペン ョン用基板の製造方法」の項に記載するも と同様の方法を用いることができる。

(5)用途
 本態様のサスペンション用基板の用途とし は、ハードディスクドライブ(HDD)の磁気ヘ ドサスペンション等に用いられ、なかでも 剛性化された場合であっても反りが少ない とが要求されるハードディスクドライブ(HDD) の磁気ヘッドサスペンションに好適に用いら れる。

2.第2態様
 本発明のサスペンション用基板の第2態様に ついて説明する。本態様のサスペンション用 基板は、上述したサスペンション用基板にお いて、上記絶縁層形成材料およびカバー層形 成材料が、同一の非感光性材料であり、かつ 両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内である態様である。

 このような本態様のサスペンション用基板 しては、既に説明した図1に示すものと同様 のものとすることができる。
 ここで、上記絶縁層2およびカバー層4を構 する絶縁層形成材料およびカバー層形成材 が、同一の非感光性材料であり、かつ両者 吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内の材料である。

 本態様によれば、上記絶縁層形成材料およ カバー層形成材料を形成する非感光生材料 吸湿膨張係数が、上記範囲であることによ 、本態様のサスペンション用基板を低剛性 した場合であっても、吸湿による反りが少 くなる。
 また、上記絶縁層形成材料およびカバー層 成材料が同一の非感光性材料からなること より、上記絶縁層形成材料およびカバー層 成材料の吸湿膨張係数等の物性値の差がな なる、さらに上記絶縁層形成材料およびカ ー層形成材料によって形成される絶縁層お びカバー層の吸湿による膨張割合の差によ 反りの発生がなくなる。また、上記絶縁層 成材料およびカバー層形成材料が同一の非 光性材料からなることにより、上記吸湿膨 係数等の物性の調整等が容易なものとする とができ、さらに高価な溶媒等が不要であ ことからコストの低減を図ることができる

 本態様のサスペンション用基板は、金属基 、絶縁層、配線層、およびカバー層を少な とも有する。
 以下、本態様のサスペンション用基板の各 成について説明する。なお、上記金属基板 よび配線層については、上記「1.第1態様」 項に記載したものと同様のものを用いるこ ができるため、ここでの記載は省略する。

(1)絶縁層2およびカバー層4
 本態様に用いられる絶縁層は、上記金属基 上に形成されるものであり、絶縁層形成材 からなるものである。
 また、本態様に用いられるカバー層は、上 絶縁層上に形成され、上記配線層の一部を う、カバー層形成材料からなる。

 本態様に用いられる絶縁層形成材料および バー層形成材料は、同一の非感光性材料か なり、かつ両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30× 10 -6 /%RHの範囲内のものである。
 なお、上記絶縁層形成材料およびカバー層 成材料が、同一の材料であるとは、含まれ ポリマーの主鎖または置換基の、種類およ 含有量が同一であれば良く、後述する添加 の種類、含有量の同一までも要するもので ない。

 本態様に用いられる絶縁層形成材料および バー層形成材料の吸湿膨張係数は0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であれば良いが、なかでも5×10 -6 /%RH~20×10 -6 /%RHの範囲内であることが好ましく、特に5×10 -6 /%RH~15×10 -6 /%RHの範囲内であることが好ましい。上記範 であることにより、本態様のサスペンショ 用基板を低剛性化した場合であっても、吸 による反りをより少ないものとすることが きるからである。

 本態様に用いられる絶縁層形成材料およ カバー層形成材料の吸水係数としては、0.01 %~2.5%の範囲内であることが好ましく、なかで も0.7%~1.5%の範囲内であることが好ましい。上 記範囲であることにより、上記絶縁層および カバー層の吸湿を少ないものとすることがで き、上記絶縁層およびカバー層が吸湿膨張す ることを抑制することができるからである。 このため、上記金属基板の残存割合を減少さ せ、本態様のサスペンション用基板を低剛性 化した場合であっても反りが少ないものとす ることができるからである。また、上記範囲 より小さいと、カバー層と絶縁層との密着性 が低下する可能性があるからであり、上記範 囲より大きいと、吸湿による反りが大きいも のとなるからである。

 本態様に用いられる絶縁層形成材料および バー層形成材料の熱膨張係数としては、本 様のサスペンション用基板を、上記金属基 と、上記絶縁層形成材料およびカバー層形 材料との熱膨張係数の差による反りが少な ものとすることができれば良いが、15×10 -6 /℃~30×10 -6 /℃の範囲内であることが好ましく、なかで 15×10 -6 /℃~25×10 -6 /℃の範囲内であることが好ましく、特に15×1 0 -6 /℃~20×10 -6 /℃の範囲内であることが好ましい。上記範 であることにより、本態様のサスペンショ 用基板を低剛性化した場合であっても、温 変化による反りがより少ないものとするこ ができるからである。

 本態様に用いられる絶縁層形成材料および バー層形成材料は、両者の吸湿膨張係数を 述した範囲内とすることができ、さらに絶 性を有するものであれば良く、通常、絶縁 の絶縁性材料を含むものである。
 このような絶縁性材料としては、上記「1. 1態様」の項に記載した非感光性絶縁性材料 同様のものとすることができるため、ここ の記載を省略する。

 また本態様に用いられる絶縁層形成材料 よびカバー層形成材料は、必要に応じて、 塑剤、界面活性剤、消泡剤等の添加剤を含 ものであっても良い。

 なお、上述した絶縁層形成材料およびカ ー層形成材料によって形成される絶縁層お びカバー層としては、上記「1.第1態様」の に記載したものと同様の内容とすることが きるので、ここでの記載を省略する。

(2)サスペンション用基板10
 本態様のサスペンション用基板の製造方法 しては、金属基板、絶縁層、配線層、およ カバー層が、精度良く、かつ密着性良く積 されたものとすることができる方法であれ 特に限定されるものではなく、一般的なサ ペンション用基板の製造方法を用いること でき、具体的には、後述する「B.サスペン ョン用基板の製造方法」の項に記載するも と同様の方法を用いることができる。

(3)用途
 本態様のサスペンション用基板の用途とし は、ハードディスクドライブ(HDD)の磁気ヘ ドサスペンション等に用いられ、なかでも 剛性化された場合であっても反りが少ない とが要求されるハードディスクドライブ(HDD) の磁気ヘッドサスペンションに好適に用いら れる。

B.サスペンション用基板の製造方法
 本発明のサスペンション用基板の製造方法 、金属基板と、上記金属基板上に形成され 絶縁層と、上記絶縁層上に形成された配線 と、上記絶縁層上に形成され、少なくとも 記配線層の一部を覆うカバー層とを有する スペンション用基板の製造方法であって、 記金属基板上に、絶縁層形成材料からなる 記絶縁層をパターン状に形成する絶縁層形 工程と、上記絶縁層上に、カバー層形成材 からなる上記カバー層をパターン状に形成 るカバー層形成工程とを有し、上記絶縁層 成材料およびカバー層形成材料が異なる材 であり、かつ両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~3 0×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の上記吸湿 張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内であることを特徴とするも である。

 このような本発明のサスペンション用基板 製造方法を、図を参照して説明する。図2は 、本発明のサスペンション用基板の製造方法 の一例を示す工程図である。本発明のサスペ ンション用基板の製造方法は、図2(a)に示す うに、金属基板用層1´と、上記絶縁層形成 料からなる絶縁層形成用層2´と、配線層形 用層3´とが積層した積層体を準備した後、 ライフィルム等のフォトレジスト層11を設け 、所定の形状にパターニングする(図2(b))。次 いで、金属基板用層1´および配線層形成用層 3´をエッチングによりパターニングし、上記 フォトレジスト層11を剥離することにより、 属基板1および配線層3をパターン状に形成 る(図2(c))。次いで、ドライフィルム等のフ トレジスト層11を設け、所定の形状にパター ニングし(図2(d))、絶縁層形成用層2´をエッチ ングによりパターニングした後(図2(e))、上記 フォトレジスト層11を剥離することにより、 縁層2をパターン状に形成する(図2(f))。
 さらに、配線層3を給電層として電解メッキ することにより、配線層3の表面に保護めっ 層5を形成する(図2(g))。

 続いて、図3(a)に示すように、絶縁層2上 上記カバー層形成材料からなるカバー層形 用層4´を形成し、さらに上記カバー層形成 層4´上にドライフィルム等のフォトレジス 層11を設け(図3(b))、フォトレジスト層11を所 の形状にパターニングする(図3(c))。次いで カバー層形成用層4´をエッチングによりパ ーニングし、カバー層4を形成する(図3(d))。 次に上記フォトレジスト層11を剥離しサスペ ション用基板10を製造する(図3(e))。また、 成されたサスペンション用基板10に含まれる 絶縁層2には、低剛性化のため、金属基板1が 去され、絶縁層2の一方の表面が金属基板1 よって被覆されていない、低剛性化領域6が 成されている。

 ここで、上記絶縁層形成材料およびカバー 形成材料は、両者が異なる材料であり、か 両者の吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、さらに両者の上記吸湿 張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内である材料である。
 なお、図2(a)~(c)が、金属基板および配線層 成工程であり、図2(d)~(f)が、絶縁層形成工程 である。また、図2(g)が保護めっき層形成工 であり、図3(a)~(e)がカバー層形成工程である 。

 本発明によれば、上記カバー層形成材料 よび絶縁層形成材料の吸湿膨張係数および 両者の上記吸湿膨張係数の差が、上記範囲 あるような材料を用いて、絶縁層およびカ ー層を形成することにより、本発明の製造 法によって製造されるサスペンション用基 が、低剛性化されたものである場合であっ も、吸湿による反りが少ないものとするこ ができる。

 本発明のサスペンション用基板の製造方 は、少なくとも絶縁層形成工程と、カバー 形成工程とを有するものである。以下、本 明のサスペンション用基板の製造方法の各 程について詳細に説明する。

1.絶縁層形成工程
 本発明における絶縁層形成工程は、上記金 基板上に、絶縁層形成材料からなる絶縁層 パターン状に形成する工程である。

 本工程に用いられる絶縁層形成材料は、後 するカバー層形成工程において用いられる バー層形成材料とは異なる材料であり、か 吸湿膨張係数が、0/%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、後述するカバー層形成 料との吸湿膨張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内であるものである。このよ な絶縁層形成材料としては、特性およびそ を構成する材料が、上記「A.サスペンション 用基板」の項に記載されたものと同様のもの を用いることができるため、ここでの記載を 省略する。

 本工程において、絶縁層をパターン状に 成する方法としては、上述した絶縁層形成 料からなる絶縁層を、所望のパターン状に 成することができる方法であれば特に限定 れるものではなく、例えば、上記金属基板 全面に、上記絶縁層形成材料からなる絶縁 形成用層を形成した後、既に説明した図2(d) に示すように、上記絶縁層形成用層2´のエッ チングしない領域上にパターン状のフォトレ ジスト層11を形成し、所定のエッチング液で 縁層形成用層2´をエッチングし絶縁層2を形 成し(図2(e))、その後、図2(f)に示すようにフ トレジスト層11を除去する方法等を挙げるこ とができる。

 上記絶縁層形成材料からなる絶縁層形成用 の形成方法としては、上記絶縁層形成用層 均一な膜厚で形成することができるもので れば特に限定されるものではなく、上記絶 層形成材料を直接塗布して形成する方法を いても良く、上記絶縁層形成材料を溶媒中 分散または溶解させ、液状絶縁層形成用材 としたものを塗布し、乾燥させることによ 形成する方法を用いても良い。
 また、塗布方法としては、上記絶縁層形成 層の膜厚を均一なものとすることができる 法であれば特に限定されるものではなく、 イコート法等公知の方法を用いることがで る。

 また、上記パターン状のフォトレジスト層 形成方法としては、液状の感光性樹脂を塗 ・乾燥させることでフォトレジスト層とし もの、あるいはドライフィルム状の感光性 脂であるドライフィルムレジストをフォト ジスト層として上記絶縁層の全面に貼り合 せたものを、フォトマスク等を介して露光 、現像する方法を挙げることができる。
 また、上記感光性樹脂、および露光・現像 方法としては、サスペンション用基板の製 に一般的に使用されている方法を用いるこ ができる。

 なお、上記金属基板および形成された絶 層としては、上述した「A.サスペンション 基板」の項に記載したものと同様の内容と ることができるため、ここでの記載は省略 る。

2.カバー層形成工程
 本発明におけるカバー層形成工程は、上記 縁層形成工程によって形成された絶縁層上 、カバー層形成材料からなり、少なくとも 記配線層の一部を覆うカバー層をパターン に形成する工程である。

 本工程に用いられるカバー層形成材料は、 記絶縁層形成工程において用いられる絶縁 形成材料とは異なる材料であり、かつ吸湿 張係数が、3×10 -6 /%RH~30×10 -6 /%RHの範囲内であり、上記絶縁層形成材料と 吸湿膨張係数の差が、5×10 -6 /%RH以下の範囲内であるものである。このよ なカバー層形成材料としては、特性および れを構成する材料が、上記「A.サスペンショ ン用基板」の項に記載されたものと同様の内 容とすることができるため、ここでの記載を 省略する。

 本工程において、カバー層をパターン状 形成する方法としては、上述したカバー層 成材料からなるカバー層を、所望のパター 状に形成することができる方法であれば特 限定されるものではなく、例えば、既に説 した図3に示すように、上記絶縁層形成工程 によって形成された絶縁層2の全面に、カバ 層形成材料からなるカバー層形成用層4´を 成する(図3(a))。次いで、カバー層形成用層4 のエッチングしない領域にパターン状のフ トレジスト層11を形成した後(図3(b)~(c))、所 のエッチング液でカバー層形成用層4´をエ チングすることで現像し、カバー層4を形成 る(図3(d))。その後、フォトレジスト層11を 去する方法を挙げることができる。ここで エッチングしない領域は、少なくとも、上 配線層の一部と重なるように選択されるも である。

 本工程においては、なかでも、上記カバ 層形成材料が、非感光性である場合におい 、上記絶縁層2の全面に、非感光性のカバー 層形成材料からなる非感光性カバー層形成用 層4″と、上記非感光性カバー層形成用層4″ の感光性樹脂からなるフォトレジスト層と 形成された積層体11Aを設ける。次にこの積 体11Aの上記フォトレジスト層11を、パター 状に露光し、パターン状に露光されたフォ レジスト層11の現像と同時に、上記非感光性 カバー層形成用層4″の現像を行うことで、 記カバー層4をパターン状に形成することが ましい。

 上記カバー層形成工程が、上記フォトレ スト層11をパターン状に露光し、上記露光 れたフォトレジスト層11の現像と同時に、上 記非感光性カバー層形成用層4″の現像を行 ことで、上記カバー層4をパターン状に形成 ることにより、上記カバー層4の形成に必要 となる作業数を少ないものとすることができ る。

 上記カバー層形成材料からなるカバー層 成用層の形成方法としては、上記カバー層 成用層を均一な膜厚で形成することができ ものであれば特に限定されるものではなく 例えば、フィルム状のカバー層形成材料を バー層形成用層として上記絶縁層の全面に り合わせて形成するものであっても良く、 記カバー層形成材料を溶媒中に分散または 解させ、液状カバー層形成用材料としたも を塗布し、乾燥させることにより形成する 法を用いても良い。

 本工程においては、なかでも、上記カバー が、上記カバー層形成材料を含む液状カバ 層形成材料を塗布することにより形成され カバー層形成用層を用いて形成されること 好ましい。上記カバー層が、上記カバー層 成材料を含む液状カバー層形成材料を用い 形成されることにより、上記カバー層の薄 化が容易となる。
 ここで、上記カバー層形成材料が、感光性 料である場合には、上記液状カバー層形成 料として、上記感光性絶縁性材料または感 性モノマーと、光重合開始剤とを含むもの 用いても良い。

 また、上記パターン状のフォトレジスト層 形成方法としては、上記「1.絶縁層形成工 」の項に記載したものと同様の方法を用い ことができる。
 また、上記配線層および形成されたカバー としては、上記「A.サスペンション用基板 の項に記載したものと同様の内容とするこ ができる。

3.サスペンション用基板の製造方法
 本発明のサスペンション用基板の製造方法 、少なくとも上記絶縁層形成工程およびカ ー層形成工程を有するものであれば良く、 常、金属基板を所望のパターンに形成する 属基板形成工程および配線層を所望のパタ ンに形成する配線層形成工程を有するもの ある。また、必要に応じて、配線層の表面 保護めっき層を形成する保護めっき層形成 程を有するものであっても良い。

 このような金属基板形成工程および配線層 成工程において、金属基板および配線層を 成する方法としては、それぞれ金属基板、 線層を所望の位置に精度良く形成すること できる方法であれば良く、具体的には、上 した絶縁層形成工程およびカバー層形成工 と同様に、エッチングしない領域にパター 状のフォトレジスト層を形成し、その後、 定のエッチング液でエッチングする方法等 挙げることができる。
 また、上記保護めっき層形成工程において 保護めっき層を形成する方法としては、上 配線層を給電層として用いて、電解めっき ることにより、保護めっき層を形成するこ ができる。

 また、本発明においては、上記絶縁層形 工程およびカバー層形成工程の形成順番と ては、いずれが先であっても良く、本発明 製造方法によって製造されるサスペンショ 用基板の用途等に応じて適宜設定すること できる。

 本発明のサスペンション用基板の製造方 によって製造されるサスペンション用基板 用途としては、ハードディスクドライブ(HDD )の磁気ヘッドサスペンション等に用いられ なかでも低剛性化された場合であっても反 が少ないことが要求されるハードディスク ライブ(HDD)の磁気ヘッドサスペンションに好 適に用いられる。

 なお、本発明は、上記実施形態に限定さ るものではない。上記実施形態は例示であ 、本発明の特許請求の範囲に記載された技 的思想と、実質的に同一の構成を有し、同 な作用効果を奏するものは、いかなる場合 あっても本発明の技術的範囲に包含される

 以下、実施例を用いて、本発明をさらに具 的に説明する。
[製造例1]
 4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(ODA) 4.0g( 20mmol)とパラフェニレンジアミン(PPD) 8.65g(80mm ol)を500mlのセパラブルフラスコに投入し、200g の脱水されたN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に溶 させ窒素気流下、オイルバスによって液温 50℃になるように熱電対でモニターし加熱し ながら撹拌した。それらが完全に溶解したこ とを確認した後、そこへ、少しずつ30分かけ 3,3‘、4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸2 水物(BPDA) 29.1g(99mmol)を添加し、添加終了後 50℃で5時間撹拌した、その後室温まで冷却 、ポリイミド前駆体溶液1を得た。

[製造例2~12]
反応温度、及び溶液の濃度が、17重量%~19重量 %になるようにNMPの量を調整した以外は製造 1に示すのと同様の方法で以下の表1に示す配 合比でポリイミド前駆体溶液2~12、及び比較 リイミド前駆体溶液を合成した。
  ピロメリット酸2無水物:PMDA
  1,4-Bis(4-aminophenoxy)benzene : 4APB
  2,2’-Dimethyl-4,4’-diaminobiphenyl : TBHG
  2,2’-Bis(trifluoromethyl)-4,4’-diaminobiphenyl : T FMB
 また、感光性ポリイミドとするために、ポ イミド前駆体溶液1にニフェジピン(東京化 )を溶液の固形分の30重量%添加し、感光性ポ イミド前駆体溶液とした。

[線熱膨張係数評価][吸湿膨張係数評価]
 上記ポリイミド前駆体溶液1~12および比較ポ リイミド前駆体溶液1を、ガラス上に貼り付 たユーピレックスS 50S(商品名:宇部興産)フ ルムに塗布し、80℃のホットプレート上で10 乾燥させた後、剥離し、膜厚15~20μmのフィ ムを得た。その後、そのフィルムを金属製 枠に固定し、窒素雰囲気下、350℃1時間、熱 理し(昇温速度 10℃/分、自然放冷)膜厚9~15μ mポリイミド1~12および比較ポリイミド1のフィ ルムを得た。

 上記感光性ポリイミド前駆体溶液1を、ガ ラス上に貼り付けたユーピレックスS 50S(商 名:宇部興産)フィルムに塗布し、80℃のホッ プレート上で10分乾燥させた後、高圧水銀 により365nmの波長の照度換算で500mJ/cm2露光後 、ホットプレート上で180℃3分加熱した後、 ィルムより剥離し、膜厚17μmのフィルムを得 た。その後、そのフィルムを金属製の枠に固 定し、窒素雰囲気下、350℃1時間、熱処理し( 温速度 10℃/分、自然放冷)膜厚12μm感光性 リイミド1のフィルムを得た。

<線熱膨張係数>
 上記の手法により作製したフィルムを幅5mm 長さ20mmに切断し、評価サンプルとして用い 。線熱膨張係数は、熱機械的分析装置Thermo Plus TMA8310(リガク社製)によって測定した。 定条件は、評価サンプルの観測長を15mm、昇 速度を10℃/min、評価サンプルの断面積当た の加重が同じになるように引張り加重を1g/2 5000μm 2 とし、100℃から200℃の間の平均の線熱膨張係 数を線熱膨張係数(C.T.E.)とした。

<湿度膨張係数>
 上記の手法により作製したフィルムを幅5mm 長さ20mmに切断し、評価サンプルとして用い 。湿度膨張係数は、湿度可変機械的分析装 Thermo Plus TMA8310改(リガク社製)によって測 した。温度を25℃で一定とし、まず、湿度を 15%RHの環境下でサンプルが安定となった状態 し、概ね30分~2時間その状態を保持した後、 測定部位の湿度を20%RHとし、さらにサンプル 安定になるまで30分~2時間その状態を保持す る。その後、湿度を50%Rhに変化させ、それが 定となった際のサンプル長と20%Rhで安定と った状態でのサンプル長との違いを、湿度 変化(この場合50-20の30)で割り、その値を、 ンプル長で割った値を湿度膨張係数(C.H.E.)と した。評価サンプルの断面積当たりの加重が 同じになるように引張り加重を1g/25000μm 2 とした。

〔基板反り評価〕
 厚さ20μmのSUS304(金属基板)上に、上記ポリイ ミド前駆体溶液及び感光性ポリイミド前駆体 溶液を用い、イミド化後の膜厚が10μm±1μmに るように線熱膨張係数評価のサンプル作成 同様のプロセス条件でポリイミド膜、及び 光性ポリイミド膜を形成した。その後、そ 複合基板をポリイミド膜を10mm×50mm、そのポ リイミド上に、幅2mmのSUSパターンが2本、両 から2mmのスペースをあけ、2mmの間隔をあけ 、図1(b)に示すように加工した基板反り用の ンプルとした。
 このサンプルを、SUS板にサンプルの短い方 端部の片方のみをカプトンテープにより固 し、100℃のオーブンで1時間加熱した後、100 ℃に加熱されたオーブン内で、反対側の端部 のSUS板からの距離を測定した。そのときの距 離が0~0.5mmのサンプルを○、0.5mm~1.0mmのサンプ ルを△、1.0mmよりも大きいサンプルを×と判 した。
 同様にこのサンプルを、SUS板にサンプルの い方の端部の片方のみをカプトンテープに り固定し、85℃85%Rhの状態の恒温恒湿層に1 間静置した時の反対側の端部のSUS板からの 離を測定した。そのときの距離が0~0.5mmのサ プルを○、0.5mm~1.0mmのサンプルを△、1.0mmよ りも大きいサンプルを×と判断した。
 これらの評価結果を以下の表2に示す。
 この結果より、本発明の湿度膨張係数が小 いほど高湿環境下での基板の反りが小さい とがわかる。

〔現像性評価〕
厚さ20μmのSUS304(金属基板)上に、上記ポリイ ド前駆体溶液、比較ポリイミド前駆体溶液 び感光性ポリイミド前駆体溶液を塗布し、80 ℃のホットプレート上で10分間乾燥させ、膜 15μm±1μmのポリイミド前駆体1~12、比較ポリ ミド前駆体1及び感光性ポリイミド前駆体1 膜を得た。
感光性ポリイミド1の膜は、その後、180℃ホ トプレート上で3分加熱した。
これらの膜を用いて、
A)1重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキ ド(TMAH)水溶液、
B)5重量%TMAH水溶液、
C)3重量%TMAH水溶液とエタノールを9:1で混合さ た溶液、
D)5重量%TMAH水溶液とエタノールを1:1で混合さ た溶液
、の4種類の溶液に対する23℃における溶解性 を調べた。
溶解性は、完全に溶解したものを○、膨潤し たり溶け残りがあったものを×とし、その結 を表3に示す。
 この結果より、フッ素を含むようなポリア ック酸は、水溶液に対する溶解性に乏しく 現像にはアルコールを多量に含有する溶液 必要であることがわかる。

[実施例2]
 厚さ20μmのSUS304(金属基板)上に、絶縁層形成 材料として第1の非感光性ポリイミドを用い 厚さ10μmの絶縁層を塗工方法にて形成した。 更にその絶縁層上にシード層となるNi-Cr-Cuを パッタ工法で約300nmコーティングし、それ 導通層としCuめっきにて厚さ9μmのCuめっき層 (金属めっき層)を形成し、4層の積層体を得た (図1(a)参照)。この4層の積層体を用いて、低 性で微細配線を有するサスペンション用基 を作製した。

 ここで、上記絶縁層形成材料(第1の非感光 ポリイミド)の物性値は、吸湿膨張係数が10.7 ×10 -6 /%RHであり、熱膨張係数が、21×10 -6 /℃であった。

 次に、SUS側で位置精度が重要な治具孔と Cuめっき層側で目的とする配線層とを形成 きるように、ドライフィルムを用いて同時 パターニングし、パターン状のレジストを た。その後、塩化第二鉄液を用いてエッチ グし、エッチング後レジスト剥膜を行った ここでは、ドライフィルムを同時にパター ングすることで、SUS側および配線層側の両 の位置精度を向上させることができる。な 、パターン状に形成された配線層の幅は20μm であり、配線層間の間隔は20μmであった。配 の微細化の実現は、配線層にアンカー形状 無いこと、および高感度なDFRレジストを用 たことが大きく寄与していると考えられる

 次に、非感光性ポリイミド系の液状カバ 層形成材料をダイコーターでコーティング 、乾燥後、レジスト製版し現像と同時にカ ー層形成材料をエッチングし、その後、硬 させ、カバー層形成材料(第2の非感光性ポ イミド)からなるカバー層を得た。硬化後の バー層の膜厚は、配線層上で5μmであった。 このようなカバー層を形成することにより、 反りの制御および低剛性化を図り、且つ配線 パターン層の保護を図ることができる。

 なお、ここで上記カバー層を形成するカバ 層形成材料(第2の非感光性ポリイミド)の物 値は、吸湿膨張係数が8.0×10 -6 /%RHであり、熱膨張係数が、17×10 -6 /℃であった。また、上記絶縁層形成材料(第1 の非感光性ポリイミド)の物性値は、吸湿膨 係数が10.7×10 -6 /%RHで、熱膨張係数が21×10 -6 /℃であり、上記絶縁層形成材料と、上記カ ー層形成材料との物性値の差が小さい材料 用いた。

 次に、厚さ10μmのポリイミド(絶縁層)をレ ジスト製版し、有機アルカリエッチング液を 用いてエッチングし、パターン状の絶縁層を 得た。その後、露出する配線パターン層に対 して、厚さ2μmのAuめっきを行い、保護めっき 部を形成した。本発明においては、先に配線 カバーを実施しており、カバー層で被覆され ていない部位のみにAuめっきができ、低剛性 とAu量の削減に大きな効果を得ることがで る。

 次に、SUSの外形加工を行うため、再度、レ スト製版を行い、SUS側のみエッチングを行 た。最後に、鉛フリーの半田ペーストを用 てスクリーン印刷にて半田バンプを形成し 。こうして得られたサスペンション用基板 、常温状態での反りが0.5mmを確保すること でき、かつ高温・高湿(85℃、85%RH)の環境下 1時間保持した場合であっても反りが、0.5mm 反りを抑制することができた。
 反りの測定は、加工シートから長さ20mmのサ スペンション用基板を1ピース切断し銅配線 を上面にして定盤上に置き、定盤表面から 垂直方向に、上記サスペンション用基板の 端までの距離を、高精度定規で測定し、反 の値を得た。

[比較例]
 絶縁層形成材料として物性値が、熱膨張係 が23×10 -6 /℃、吸湿膨張係数が31×10 -6 /%RHである第3の非感光性ポリイミドを用い、 バー層形成材料として、物性値が、熱膨張 数が200×10 -6 /℃、吸湿膨張係数が155×10 -6 /%RHである感光性ポリイミドを用いた以外は 実施例と同様にしてサスペンション基板を 製した。
 得られたサスペンション用基板は、常温状 での反りが、2.0mmであり、かつ高温・高湿(8 5℃、85%RH)の環境下で1時間保持した後の反り 2.0mmとなり、反りを十分に抑制することが きなかった。

第2の実施の形態
 以下、本発明の第2の実施の形態によるサス ペンション用基板の製造方法について詳細に 説明する。

 本発明のサスペンション用基板の製造方 は、金属基板、絶縁層、シード層および金 めっき層がこの順に配置された積層体を準 する積層体準備工程と、上記金属基板の表 および上記金属めっき層の表面に、パター 状のレジストを形成し、エッチングを行う とにより、上記金属基板に治具孔を形成し かつ、上記金属めっき層に配線パターン層 形成する第一のメタルエッチング工程と、 有することを特徴とする。

 本発明によれば、上記の積層体を用いる とにより、低剛性のサスペンション用基板 得ることができる。また、第一のメタルエ チング工程では、金属基板に治具孔や抜き 等を形成するが、金属基板の大部分はエッ ングしない。そのため、積層体の剛性を高 維持した状態で絶縁層のエッチング等を行 ことができ、各工程間の搬送時に、加工途 の積層体が変形することを抑制することが きる。なお、本発明により得られるサスペ ション用基板は、例えばハードディスクド イブ(HDD)の磁気ヘッドサスペンション等に いることができる。

 次に、本発明のサスペンション用基板の 造方法について図面を用いて説明する。図4 および図5は、本発明のサスペンション用基 の製造方法の一例を説明する説明図である 本発明においては、まず、図4(a)に示すよう 、金属基板21、絶縁層22、シード層23および 属めっき層24がこの順に配置された積層体30 を準備する(積層体準備工程)。ここでは、金 基板1としてのSUSと、絶縁層22としてのポリ ミドと、シード層23としてのNi-Cr-Cuスパッタ リング層と、金属めっき層24としてのCuめっ 層と、を有する積層体30を用意する。

 次に、この積層体30に対してメタルエッ ング用レジストを製版する。具体的には、 層体30の両面にメタルエッチング用のレジス ト層を設け、フォトリソグラフィー法により 図4(b)に示すようなパターニングをしたレジ ト31、32を形成する。この場合、配線側には 目的とする配線パターン層に対応するパタ ンでレジスト31を形成し、基板側には、治 孔の部分を除くようなパターンでレジスト32 を形成する。また、レジスト32は、治具孔の にフライングリード部も除くように形成す 。

 そして、図4(c)に示すように、化学エッチ ング液を用いて、金属基板21および金属めっ 層24をエッチングし、レジスト31、32を剥離 る。これにより、金属めっき層24から配線 ターン層24aが形成され、金属基板21に治具孔 21aが形成される(第一のメタルエッチング工 )。図中21bはフライングリード部を形成する き孔である。

 次に、図4(d)に示すように、配線パターン 層24aの上から、液状カバー材を用いてカバー 層25を形成する(カバー層形成工程)。このと 、配線パターン層24aの表面の一部24bが露出 るようにカバー層25が形成され、その露出す る部分に後述する保護めっき部が形成される 。

 次に、絶縁層22のエッチング用レジスト 製版する。具体的には、積層体30の両面にポ リイミドエッチング用のレジスト層を設け、 フォトリソグラフィー法により図4(e)に示す うなパターニングをしたレジスト33、34を形 する。この場合、配線側には、配線パター 層24aおよびカバー層25を覆うようにレジス 33を形成し、基板側には、フライングリード 部の抜き孔21bの対応部分を除くようにレジス ト34を形成する。

 そして、図4(f)に示すように、エッチング 液に有機アルカリ液を用いて絶縁層22をエッ ングし、レジスト33、34を剥離する。これに より、金属基板21の上に配線パターン層24aお びカバー層25が絶縁層22を介して一体的に形 成される(絶縁層エッチング工程)。また、金 基板21は、治具孔21aおよびフライングリー 部の抜き孔21bが形成された状態となる。な 、絶縁層22の加工はプラズマエッチングで行 っても良い。

 次に、図5(g)に示すように、配線パターン 層24aが露出する部分に、Auめっき若しくはNi-A uめっきを施すことにより保護めっき部26を形 成する(保護めっき部形成工程)。

 次に、金属基板21の外形加工を行うため 積層体30の両面にメタルエッチング用レジス トを製版する。本発明において、「金属基板 の外形加工を行う」とは、第一のメタルエッ チング工程で加工されていない金属基板の領 域を、目的とするサスペンション用基板の形 状に応じて加工することをいう。具体的には 、積層体30の両面にメタルエッチング用のレ スト層を設け、フォトリソグラフィー法に り図5(h)に示すようなパターニングをしたレ ジスト35、36を形成する。この場合、配線側 は、全面を覆うようにレジスト35を形成し、 基板側には、目的とする外形形状に合わせて パターニングをしたレジスト36を形成する。

 そして、図5(i)に示すように、化学エッチ ング液を用いて金属基板21をエッチングし、 ジスト35、36を剥離する。これにより、所望 の形状のサスペンション用基板が得られる( 二のメタルエッチング工程)。その後、必要 応じて、図5(j)に示すように、配線パターン 層24aの端子部に印刷により、半田バンプ部27 形成する。なお、図中、Aは、バンプを形成 する端子部であり、Bはフライングリード部 あり、Cは配線部であり、必要に応じて金属 板21を有していても良い。

 本発明のサスペンション用基板の製造方法 、通常、積層体準備工程および第一のメタ エッチング工程を有する。さらに、後述す カバー層形成工程、絶縁層エッチング工程 保護めっき部形成工程、第二のメタルエッ ング工程、および半田バンプ形成工程を有 ることが好ましい。
 以下、本発明のサスペンション用基板の製 方法について、工程ごとに説明する。

1.積層体準備工程
 まず、本発明における積層体準備工程につ て説明する。本発明における積層体準備工 は、金属基板、絶縁層、シード層および金 めっき層がこの順に配置された積層体を準 する工程である。

 本発明においては、上記の層構成を有す 積層体を用いることにより、低剛性のサス ンション用基板を得ることができる。一般 、サスペンション用基板を得るための原材 として、5層の積層体が使用されてきた。具 体的には、図6(a)に示すように、金属基板41と してのSUSと、接着層42としての熱可塑性ポリ ミド(TPI)と、絶縁層43としてのポリイミドと 、接着層44としてのTPIと、配線パターン形成 45としてのCuと、を有する5層の積層体が使 されてきた。

 しかしながら、この積層体は、通常、バ 銅である圧延銅等をプレスで接着積層して 成され、圧延銅を用いるために、薄板化お び低剛性化を図ることができなかった。さ に、上記の5層の積層体は、各構成部材をプ レスして形成するため、絶縁層(例えばポリ ミド)に、配線パターン形成層(例えば圧延銅 )の粗化表面のパターンが転写されてしまう その結果、絶縁層の表面が粗化された状態 なり、その粗化面が配線微細加工の妨げの 要因となる問題があった。

 これに対して、本発明に用いられる積層 は、例えば図6(b)に示すように、通常、金属 基板41、絶縁層22、シード層23および金属めっ き層24がこの順に配置された4層の積層体30で る。この4層の積層体の金属めっき層は、電 解めっき法等で形成されるものであるため、 従来の圧延銅等と比較して、薄板化および低 剛性化を図ることができる。また、微細な配 線パターン層も形成可能である。さらに、上 記の4層の積層体の金属めっき層は、電解め き法等で形成されるものであるため、上述 た5層の積層体の場合のように、絶縁層の表 が粗化されることがない。そのため、異物 残留の問題等が生じないという利点を有す 。

 次に、本発明に用いられる積層体の構成部 について説明する。本発明に用いられる積 体は、通常、金属基板、絶縁層、シード層 よび金属めっき層を有する。
 上記金属基板の材料としては、導電性を有 、適度なばね性を有するものであれば特に 定されるものではないが、例えばSUS等を挙 ることができる。上記金属基板の膜厚とし は、例えば10μm~30μmの範囲内、中でも15μm~25 μmの範囲内であることが好ましい。金属基板 の膜厚が薄すぎると、機械的強度が低下する 可能性があり、金属基板の膜厚が厚すぎると 、サスペンション用基板の低剛性化を図るこ とが困難だからである。

 上記絶縁層の材料としては、絶縁性を有 るものであれば特に限定されるものではな が、例えばポリイミド(PI)等を挙げることが できる。上記絶縁層の膜厚としては、例えば 5μm~30μmの範囲内、中でも5μm~20μmの範囲内、 に5μm~10μmの範囲内であることが好ましい。 絶縁層の膜厚が薄すぎると、充分な絶縁性を 発揮できない可能性があり、絶縁層の膜厚が 厚すぎると、サスペンション用基板の低剛性 化を図ることが困難だからである。

 上記シード層の材料としては、絶縁層と 属めっき層との密着性を向上できるもので れば特に限定されるものではないが、例え Ni、Cu、Cr及びその合金等を挙げることがで る。また、上記シード層は、スパッタリン 法により形成された層であることが好まし 。上記シード層の膜厚は、所望の密着性を ることができれば特に限定されるものでは いが、通常10nm~300nmの範囲内である。

 上記金属めっき層の材料としては、導電 が良好であるものであれば特に限定される のではないが、例えば銅(Cu)を挙げることが できる。上記金属めっき層の膜厚としては、 例えば6μm~18μmの範囲内、中でも8μm~12μmの範 内が好ましい。金属めっき層の膜厚が薄す ると、機械的強度が低下する可能性があり 金属めっき層の膜厚が厚すぎると、サスペ ション用基板の低剛性化を図ることが困難 からである。

 上記金属めっき層は、一般的なめっき法 より形成可能である。中でも本発明におい は、上記金属めっき層が電解めっき法によ 形成されたものであることが好ましい。精 良く金属めっき層を形成することができる らである。本発明においては、金属めっき の最大膜厚部および最小膜厚部の差が、例 ば2μm以下、中でも1.6μm以下が好ましい。

 なお、本発明は、金属めっき層のエッチ グを行うことにより配線パターン層を形成 るサブトラクティブ法と呼ばれる方法によ 配線パターン層を形成する。これに対して アディティブ法により配線パターン層を形 する方法が知られており、具体的には、絶 層上に所定のレジストパターンを形成し、 ジストパターンが形成されていない絶縁層 表面に、電解めっき法等により配線パター 層を形成する方法である。ところで、上記 アディティブ法により配線パターン層を形 する場合は、レジストパターンの粗密によ 、電場が不均一になり、配線パターン層の 厚のバラつきが大きくなってしまうという 題があった。これに対して、本発明のよう 、サブトラクティブ法により配線パターン を形成する場合は、配線パターン層の膜厚 、原材料である積層体の金属めっき層の膜 により規定されるため、膜厚のバラつきが さいという利点を有する。

 本発明に用いられる積層体の形成方法と ては、上記の積層体を得ることができる方 であれば特に限定されるものではないが、 えば、金属基板としてのSUSの表面上に、ポ イミド前駆体含有塗工液を塗布し熱処理す ことによりポリイミドからなる絶縁層を形 し、次に、スパッタリング法によりシード を形成し、最後に、電解めっき法によりCu っきからなる金属めっき層を形成する方法 を挙げることができる。

2.第一のメタルエッチング工程
 次に、本発明における第一のメタルエッチ グ工程について説明する。本発明における 一のメタルエッチング工程は、上記金属基 の表面および上記金属めっき層の表面に、 ターン状のレジストを形成し、エッチング 行うことにより、上記金属基板に治具孔を 成し、かつ、上記金属めっき層に配線パタ ン層を形成する工程である。

 具体的には、上述した図4(b)および図4(c) 示すように、金属基板41の表面および金属め っき層24の表面に、パターン状のレジスト31 32を形成し、金属基板41の表面に治具孔21aを 成し、金属めっき層24を配線パターン層24a 加工する工程である。本発明においては、 要に応じて、フライングリード部を形成す 抜き孔21bを、治具孔21aと同時に形成しても い。なお、フライングリード部のような両 接続を行わず、片面接続で良い場合は、抜 孔21bを形成する必要はない。

 本発明においては、第一のメタルエッチ グ工程で、金属基板に治具孔や抜き孔等を 成するが、金属基板の大部分はエッチング ない。そのため、積層体の剛性を高く維持 た状態で絶縁層のエッチング等を行うこと でき、各工程間の搬送時に、加工途中の積 体が変形することを抑制することができる 本発明において、治具孔以外の金属基板の 工は、通常、後述する第二のメタルエッチ グ工程で行う。

 本発明においては、金属めっき層を配線 ターン層に加工する際に、金属基板に治具 を形成する。これにより、まず、治具孔と 線パターン層との相対的な位置関係を決定 ることができる。本発明において、「治具 」とは、積層体を治具で固定するための孔 いい、この治具孔を基準として各種の位置 わせを行う。本発明においては、位置合わ の基準を治具孔に統一することにより、積 体の加工を精度良く行うことができる。治 孔の形状は、用いられる治具の形状により なるものであるが、通常円形または長孔等 ある。治具孔の直径は、特に限定されるも ではないが、例えば0.5mm~3mmの範囲内である

 第一のメタルエッチング工程においては 金属基板に対して、少なくとも治具孔を形 し、必要に応じてフライングリード部の抜 孔を同時に形成する。一方、第一のメタル ッチング工程終了後の積層体の金属基板が ある程度の剛性を維持していれば、搬送時 加工途中の積層体が変形することを防止す ことができる。金属基板の表面において、 一のメタルエッチング工程により加工され 領域の面積をSAとし、全面積をSTとした場合 に、SA/STは、例えば0.6以下、中でも0.01~0.5の 囲内であることが好ましい。

 一方、配線側では、金属めっき層をエッ ングすることにより、配線パターン層を形 する。本発明に用いられる金属めっき層は 通常、従来の圧延銅等よりも膜厚が薄いた 、微細な配線パターン層を形成することが きる。配線パターンの幅としては、例えば1 0μm以上、中でも15μm~25μmの範囲内であること が好ましい。一方、隣接する配線パターンの 間隔としては、例えば10μm以上、中でも15μm~2 5μmの範囲内であることが好ましい。

 本発明に用いられるレジストとしては、 体状のレジストであっても良く、液体状の ジストであっても良いが工程が増えるため 固体状のレジストであることが好ましい。 体的には、ドライフィルムレジスト(DFR)を いることが好ましい。微細な配線パターン を得ることができるからである。

 金属基板の表面および金属めっき層の表 にパターン状のレジストを形成する方法は 特に限定されるものではなく、一般的な方 を用いることができる。具体的には、金属 板の表面および金属めっき層の表面に、そ ぞれレジストを配置し、所望のパターンに 光した後、現像する方法等を挙げることが きる。

 金属基板および金属めっき層をエッチン する方法としては、例えばウェットエッチ グ等を挙げることができる。さらに、ウェ トエッチングに用いられるエッチング液は 用いられる金属基板および金属めっき層の 料に応じて、適宜選択することが好ましい 例えば、金属基板がSUSである場合は、塩化 二鉄系エッチング液を用いることができる 金属めっき層が銅めっき層である場合は、 化第二鉄系エッチング液または塩化銅系エ チング液を用いることができる。本発明に いては、パターン状のレジストを形成した 、金属基板および金属めっき層を別々にエ チングしても良いが、金属基板および金属 っき層を同時にエッチングすることが好ま い。工程数が少なくなるからである。

3.カバー層形成工程
 次に、本発明におけるカバー層形成工程に いて説明する。本発明におけるカバー層形 工程は、液状カバー材を用いて、上記配線 ターン層の表面の一部が露出する配線パタ ン層露出開口部を有するカバー層を形成す 工程である。

 具体的には、上述した図4(d)に示すように 、配線パターン層24aの表面の一部24bが露出す る配線パターン層露出開口部25aを有するカバ ー層25を形成する工程である。配線パターン 露出開口部により露出する配線パターン層2 4aの表面には、後述する保護めっき部が形成 れる。

 本発明においては、絶縁層のエッチングを う前に、カバー層を形成することにより、 状カバー材が治具孔等に流れ込むことを防 することができる。これにより、均一な膜 を有するカバー層を形成することができる ここで図7は、一般のカバー層形成工程を説 明する説明図である。なお、便宜上シード層 の記載は省略し、図4と重複する一部の符号 ついても説明を省略する。従来は、図7(a)に すように、カバー層を形成する前に、既に 縁層22をエッチングしていたため、治具孔21 bが貫通している状態であった。そのため、 状カバー材を用いてカバー層を形成する際 は、治具孔21bの下に、流出防止材51を配置す る必要があり(図7(b))、流出防止材51を配置し 場合であっても、液状カバー材25´が治具孔 21bに流れ込む場合があった(図7(c))。その結果 、得られるカバー層25の膜厚が不均一になり カバー層25に覆われていない配線パターン 24aの領域が発生する等の問題があった(図7(d) )。
 また、上記治具孔または抜き孔が多く形成 れている箇所の配線パターン層に形成され カバー層の膜厚と、治具孔または抜き孔が 成されていない箇所に形成されたカバー層 膜厚の差が大きいものになるという問題が る。
 上記の一般の方法で液状カバー層を形成し 実験例では、乾燥後のカバー層の膜厚を測 したところ、平均して2.9μmの膜厚の差が見 れ不均一となった(サンプル数8)。
 特に、膜厚を薄めの例えば2.8~3.5μmに形成し た場合には、治具孔付近の配線層に形成され るカバー層は0.6~1.5μmとさらに薄くなってし い、カバー層が覆われていない配線パター 層の領域が発生した。
 また、カバー層を液状カバー材ではなく、 ライフィルムで形成した場合にも、先に絶 層をエッチングしていたため、ドライフィ ムが治具孔に落ち込んでしまい、治具孔付 の配線部に形成されるカバー層は、他の領 にくらべて膜厚が薄くなってしまう問題が る。
 このドライフィルムを使って上記の一般の 法でカバー層を形成した実験例では、液状 バー材に比べて膜厚が厚いため、カバー層 覆われていない配線パターン層の領域は発 しなかったが、治具孔付近の配線パターン のカバー層の膜厚と、治具孔から離れてい 配線部のカバー層の膜厚との差が、平均3.4 mとなり不均一であった。

 これに対して、本発明においては、絶縁 のエッチングを行う前に、カバー層を形成 ることにより、液状カバー材の流れ込みを 止することができる。ここで図8は、本発明 におけるカバー層形成工程を説明する説明図 である。なお、便宜上シード層の記載は省略 し、図4と重複する一部の符号についても説 を省略する。本発明においては、図8(a)に示 ように、絶縁層22をエッチングする前の段 で、カバー層を形成する。一般の方法と異 り、治具孔21bは貫通していない状態である そのため、液状カバー材25´が治具孔21bに流 込むことはなく(図8(b))、均一な膜厚のカバ 層25を得ることができ、カバー層25に覆われ ていない配線パターン層24aの領域が発生する ことを防止することができる(図8(c))。そして 、カバー層25を形成した後に、絶縁層22のエ チングを行う(図8(d))。

 本発明に用いられる液状カバー材は、少 くともカバー層形成用樹脂を含有する。さ に、必要に応じて、カバー層形成用樹脂を 解させる溶媒を含有していても良い。カバ 層形成用樹脂としては、例えば、ポリイミ 樹脂、エポキシ系樹脂等を挙げることがで る。また、カバー層形成用樹脂は、感光性 脂であっても良く、非感光性樹脂であって 良いが、中でも非感光性樹脂が好ましい。 の場合は、膜厚の薄いカバー層を形成する とができる。

 上記液状カバー材は、粘度が低いものであ ことが好ましい。この場合は、膜厚の薄い バー層を得ることができる。液状カバー材 粘度としては、例えば、常温で500cP~5000cPの 囲内、中でも500cP~1000cPの範囲内であること 好ましい。
 配線パターン層上に形成されるカバー層の 厚としては、特に限定されるものではない 、例えば3μm~20μmの範囲内、中でも5μm~10μm 範囲内であることが好ましい。
 本発明の、液状カバー材を用いてカバー層 形成した後に、絶縁層のエッチングを行な た実験例では、乾燥後の配線パターン層に けられたカバー層の膜厚を厚めに形成した 合、治具孔付近の配線パターン部で平均6.4 m、治具孔付近以外の配線パターン部では平 6.7μmとなり、膜厚の差は0.3μmで均一な膜厚 精度良く形成することができた(サンプル数 8個)。
 また、カバー層の膜厚を薄めに形成した場 では、治具孔21b(図8参照)付近の配線パター 部で平均3.6μm、治具孔付近以外の配線パタ ン部では平均3.8μmとなり、膜厚の差は0.2μm 均一な膜厚を精度良く形成することができ (サンプル数8個)。
 このことから、本発明においては、配線上 カバー層の最大膜厚部と最小膜厚部の差が 例えば1.3μm以下、中でも1.0μm以下が好まし 。
 ここで治具孔21b付近の配線パターン部とは 必ずしも治具孔のみに限定されるものでは く、抜き孔や配線パターン層の形成される 縁層がエッチングされている部分でも良い また、治具孔付近以外の配線パターン部と 、配線パターン部の絶縁層がエッチングさ ていない部分でも良い。
 本発明ではカバー層の膜厚を、配線パター 部の領域全体にわたって精度良く均一に形 することができる。従来の方法では形成さ るカバー層の膜厚にばらつきが大きいため 薄く形成することができなかったが、本発 では薄い膜厚を精度良く形成することがで る。
 本発明では膜厚を薄くすることで、材料を らすことができ、サスペンション用基材の 造コストを抑えることができる。また、本 明のサスペンション基材にスライダを搭載 た磁気ヘッドサスペンションを軽量化する とができるため、サスペンションを駆動さ る慣性力が小さくなり、省電力のHDD装置を 供することが可能となる。

 カバー層を形成する方法としては、液状 バー材を用いる方法であれば特に限定され ものではない。例えば、液状カバー材が感 性樹脂を含有する場合は、配線パターン層 覆うように液状カバー材を塗布し、乾燥さ 、露光現像する方法等を挙げることができ 。一方、液状カバー材が非感光性樹脂を含 する場合は、以下の方法を採用することが きる。すなわち、まず配線パターン層を覆 ように液状カバー材を塗布し、乾燥させる とにより非感光性樹脂層を形成する。次に その非感光性樹脂層の上に、感光性樹脂層 形成し、その感光性樹脂層をパターン状に 光する。次に、露光された感光性樹脂層の 像と同時に、非感光性樹脂層のエッチング 行い、最後に、感光性樹脂層を剥離する。 の方法により、膜厚の薄いカバー層を得る とができる。

4.絶縁層エッチング工程
 次に、本発明における絶縁層エッチング工 について説明する。本発明における絶縁層 ッチング工程は、上記カバー層を形成した に、上記絶縁層のエッチングを行う工程で る。

 具体的には、上述した図4(e)および図4(f) 示すように、積層体30の両面に、ポリイミド エッチング用のパターン状のレジスト33、34 形成し、エッチング液を用いて絶縁層22をエ ッチングする工程である。本工程により、初 めて治具孔21aが貫通する。また、必要に応じ て、同時にフライングリード部の抜き孔21bを 形成しても良い。

 なお、本発明において、絶縁層エッチン 工程と、後述する保護めっき部形成工程と 、どちらの工程を先に行っても良いが、例 ば、両面で接続可能なフライングリード部 有するサスペンション用基板を形成する時 は、通常、最初に絶縁層エッチング工程を い、次に保護めっき部形成工程を行う。フ イングリード部の抜き孔を形成する必要が るからである。一方、フライングリード部 ような両面接続を行わず、片面接続で良い 合は、絶縁層エッチング工程および保護め き部形成工程は、どちらの工程を先に行っ も良い。

 本発明において、絶縁層のエッチングパ ーンは、目的とするサスペンション用基板 形状等に応じて、適宜設定することが好ま い。また、絶縁層をエッチングする方法と ては、上述したように、エッチングしない 域にパターン状のレジストを形成し、その 、所定のエッチング液で絶縁層をエッチン する方法等を挙げることができる。本発明 おいては、ドライフィルムレジストを用い ことが好ましい。また、プラズマエッチン 等により、絶縁層のエッチングを行っても い。

5.保護めっき部形成工程
 次に、本発明における保護めっき部形成工 について説明する。本発明における保護め き部形成工程は、上記配線パターン層露出 口部により露出する配線パターン層の表面 、保護めっき部を形成する工程である。

 具体的には、上述した図5(g)に示すように 、カバー層形成工程により形成された配線パ ターン層露出開口部25aから露出する配線パタ ーン層24aの一部24bの表面に、保護めっき部26 形成する工程である。

 本発明においては、まずカバー層を形成 、そのカバー層の配線パターン層露出開口 から露出する配線パターン層の表面のみに 護めっき部を形成することで、低剛性のサ ペンション用基板を得ることができる。一 に、カバー層を形成する前に保護めっき部 形成しており、例えば図9(a)に示すように、 配線パターン層24aの表面および側面に保護め っき部26が形成されていた。そのため、サス ンション用基板の低剛性化を充分に図るこ ができないという問題があった。

 これに対して、本発明においては、保護 っき部を形成する前にカバー層を形成する とにより、例えば図9(b)に示すように、配線 パターン層24aの表面の必要な部分のみに保護 めっき部26を形成することができ、サスペン ョン用基板の低剛性化を充分に図ることが きる。なお、図9において、図4と重複する 部の符号については説明を省略する。

 本発明に用いられる保護めっき部の材料 しては、配線パターン層等の腐食を防止す ことができるものであれば特に限定される のではないが、例えば、ニッケル(Ni)、金(Au )等を挙げることができ、中でも金(Au)が好ま い。耐腐食性に優れているからである。

 上記保護めっき部の膜厚は、例えば5μm以下 、中でも1μm~2μmの範囲内であることが好まし い。上記範囲であることにより、配線パター ン層の腐食等を効果的に防止できるからであ る。
 また、上記保護めっき部は、一般的なめっ 法により形成可能である。中でも本発明に いては、上記保護めっき部が電解めっき法 より形成されたものであることが好ましい 精度良く保護めっき部を形成することがで るからである。

6.第二のメタルエッチング工程
 次に、本発明における第二のメタルエッチ グ工程について説明する。本発明における 二のメタルエッチング工程は、上記絶縁層 ッチング工程および上記保護めっき部形成 程の後に、上記金属基板の外形加工を行う 程である。

 具体的には、上述した図5(h)および図5(i) 示すように、積層体30の両面にメタルエッチ ング用のパターン状のレジスト35、36を形成 、エッチング液を用いて金属基板41の外形加 工を行う工程である。

 本発明においては、第一のメタルエッチ グ工程で、金属基板に治具孔や抜き孔等を 成するが、金属基板の大部分はエッチング れない。そのため、積層体の剛性を高く維 した状態で絶縁層のエッチング等を行うこ ができ、搬送時に、加工途中の積層体が変 することを抑制することができる。その後 絶縁層等のエッチング等が終わった後に、 工されていない金属基板を所定の形状に合 せてエッチングすることにより、低剛性の スペンション用基板を歩留まり良く製造す ことができる。

 なお、金属基板をエッチングする方法、 よび用いられるエッチング液の種類等につ ては、上記「1.第一のメタルエッチング工 」に記載した内容と同様であるので、ここ の説明は省略する。

7.半田バンプ部形成工程
 本発明においては、第二のメタルエッチン 工程の後に、端子部の保護めっき部上に、 田バンプ部を形成する半田バンプ部形成工 を行っても良い。半田バンプ部形成工程は 上述した図5(J)に示すように、端子部Aの保 めっき部26の表面に、半田バンプ部27を形成 る工程である。

 上記半田バンプ部を形成するために用い れるはんだは、鉛含有はんだと、鉛フリー んだとに大別することができる。中でも、 発明においては、鉛フリーはんだを用いる とが好ましい。環境への負荷を低減できる らである。上記鉛フリーはんだとしては、 体的には、Sn-Sb系、Sn-Cu系、Sn-Cu-Ni系、Sn-Ag 、Sn-Ag-Cu系、Sn-Ag-Cu-Bi系、Sn-Zn系、Sn-Ag-In-Bi系 、Sn-Zn系、Sn-Bi系、およびSn-In系、Sn-Sb系のは だ等を挙げることができる。

 上記半田バンプ部を形成する方法として 、所望の半田バンプ部を形成できる方法で えば特に限定されるものではないが、例え スクリーン印刷法、ディスペンス法、イン ジェット法等を挙げることができ、中でも クリーン印刷法が好ましい。

8.その他
 上記「3.カバー層形成工程」に記載したよ に、本発明においては、絶縁層のエッチン を行う前に、カバー層を形成することによ 、液状カバー材が治具孔に流れ込むことを 止することができる。この観点から、本発 においては、積層体準備工程と、第一のメ ルエッチング工程と、カバー層形成工程と 絶縁層エッチング工程と、第二のメタルエ チング工程とを有することを特徴とするサ ペンション用基板の製造方法を提供するこ ができる。各工程については、上述した内 と同様であるので、ここでの説明は省略す 。
 本発明においては、上記カバー層形成工程 替えて、カバー層形成用ドライフィルムを いてカバー層を形成するドライカバー層形 工程を行なっても良い。絶縁層のエッチン を行なう前にカバー層を形成することによ 、カバー層形成用ドライフィルムを上記配 パターン層上に積層する際に、上記カバー 形成用ドライフィルムが治具孔等に流れこ ことを防止することができるからである。 れにより、均一な膜厚を有するカバー層を 成することができるからである。さらに、 記サスペンション用基板内におけるカバー の膜厚を均一なものとすることができるか である。
 上記ドライカバー層形成工程において、カ ー層を形成する方法としては、カバー層形 用ドライフィルムを用いる方法であれば良 。具体的には、上記カバー層形成用ドライ ィルムを、上記配線パターン層表面を覆う うに配置した後、加熱圧着することにより 層する。次いで、積層されたカバー層形成 ドライフィルムを、露光および現像する方 を挙げることができる。
 ここで、露光および現像する方法としては 上記「3.カバー層形成工程」の項に記載し 内容と同様とすることができる。また、上 カバー層形成用ドライフィルムとしては、 スペンション用基板の製造に一般的に用い れるものを使用することができる。
 また、本発明においては、必要に応じて、 記絶縁層エッチング工程に替えて、上記カ ー層の形成前に実施するカバー層形成前絶 層エッチング工程を行なうものであっても い。

 また、上記「5.保護めっき部形成工程」 記載したように、本発明においては、まず バー層を形成し、そのカバー層の配線パタ ン層露出開口部から露出する配線パターン の表面のみに保護めっき部を形成すること 、低剛性のサスペンション用基板を得るこ ができる。この観点から、本発明において 、積層体準備工程と、第一のメタルエッチ グ工程と、カバー層形成工程と、保護めっ 部形成工程と、第二のメタルエッチング工 とを有することを特徴とするサスペンショ 用基板の製造方法を提供することができる 各工程については、上述した内容と同様で るので、ここでの説明は省略する。

 なお、本発明は、上記実施形態に限定さ るものではない。上記実施形態は例示であ 、本発明の特許請求の範囲に記載された技 的思想と、実質的に同一の構成を有し、同 な作用効果を奏するものは、いかなる場合 あっても本発明の技術的範囲に包含される

 以下、実施例を用いて、本発明をさらに具 的に説明する。
[実施例1]
 厚さ20μmのSUS304(金属基板)上に、厚さ10μmの リイミド(絶縁層)を塗工方法にて形成し、 にその絶縁層上にシード層となるNi-Cr-Cuをス パッタ工法で約300nmコーティングし、それを 通層としCuめっきにて厚さ9μmのCuめっき層( 属めっき層)を形成し、4層の積層体を得た( 4(a)参照)。この4層の積層体を用いて、低剛 で微細配線を有するサスペンション用基板 作製した。

 まず、SUS側で位置精度が重要な治具孔と Cuめっき層側で目的とする配線パターン層 を形成できるように、ドライフィルムを用 て同時にパターニングし、パターン状のレ ストを得た。その後、塩化第二鉄液を用い エッチングし、エッチング後レジスト剥膜 行った(第一のメタルエッチング工程、図4(b) 、(c)参照)。ここでは、ドライフィルムを同 にパターニングすることで、SUS側および配 パターン層側の両面の位置精度を向上させ ことができる。なお、配線パターン層に形 された銅配線の幅は20μmであり、銅配線の間 隔は20μmであった。配線の微細化の実現は、 線パターン層にアンカー形状が無いこと、 よび高感度なDFRレジストを用いたことが大 く寄与していると考えられる。

 次に、非感光性ポリイミド系の液状カバ 材をダイコーターでコーティングし、乾燥 、レジスト製版し現像と同時に液カバー材 エッチングし、その後、硬化させ、カバー を得た(図4(d)参照)。硬化後のカバー層の膜 は、配線上で5μmであった。このようなカバ ー層を形成することにより、反りの制御およ び低剛性化を図り、且つ配線パターン層の保 護を図ることができる。

 次に、厚さ10μmのポリイミド(絶縁層)をレ ジスト製版し、有機アルカリエッチング液を 用いてエッチングし、パターン状の絶縁層を 得た(図4(e)、(f)参照)。その後、露出する配線 パターン層に対して、厚さ2μmのAuめっきを行 い、保護めっき部を形成した(図5(g)参照)。本 発明においては、先に配線カバーを実施して おり、カバー層で被覆されていない部位のみ にAuめっきができ、低剛性化とAu量の削減に きな効果を得ることができる。

 次に、SUSの外形加工を行うため、上述し 第一のメタルエッチング工程と同様の手法 より、レジスト製版を行い、SUS側のみエッ ングを行った(第二のメタルエッチング工程 、図5(h)、(i)参照)。最後に、第二のメタルエ チング工程の後に、鉛フリーの半田ペース を用いてスクリーン印刷にて半田バンプを 成した(図5(j))。こうして得られたサスペン ョン用基板は、従来製品に比べ、低剛性で つ微細配線を有するものであった。