Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ULTRASONIC MULTIPHASE FLOWMETER, ULTRASONIC MULTIPHASE FLOW RATE MEASUREMENT PROGRAM, AND MULTIPHASE FLOW RATE MEASUREMENT METHOD USING ULTRASONIC WAVES
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063896
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide an ultrasonic multiphase flowmeter, ultrasonic multiphase flow rate measurement program, and multiphase flow rate measurement method using ultrasonic waves in which the interface position between phases can be detected and the flow rate of a multiphase flow can be accurately detected by operating data on at least one of the reflected waves or velocity distribution of the ultrasonic waves in the flow rate measurement of the multiphase flow. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] An ultrasonic multiphase flowmeter includes an ultrasonic wave transmitting/receiving means (2) for launching ultrasonic waves to a fluid and receiving the reflected waves, a flow velocity distribution calculating means (7) for calculating a flow velocity distribution from the data of the reflected waves, an interface position determining means (8) having at least one of a difference operating section (81) for executing the difference operation of the flow velocity distribution or a binarization operating section (82) for executing the binarization operation of the flow velocity distribution and for determining an interface position on the basis of the computation information, and a flow rate calculating means (9) for calculating a flow rate from the flow velocity distribution and the interface position.

Inventors:
TAKEDA YASUSHI
MURAI YUICHI
TASAKA YUJI
Application Number:
PCT/JP2008/070574
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
November 12, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
UNIV HOKKAIDO NAT UNIV CORP (JP)
TAKEDA YASUSHI
MURAI YUICHI
TASAKA YUJI
International Classes:
G01F1/66; G01F1/74
Foreign References:
JP2000097742A2000-04-07
JPS5832121A1983-02-25
JP2000097742A2000-04-07
Other References:
YUICHI MURAI ET AL.: "Turbulent Bubbly Channel Flow Investigated by Ultrasound Velocity Profiler", JOURNAL OF FLUID SCIENCE AND TECHNOLOGY, vol. 1, no. 1, 7 June 2006 (2006-06-07), pages 12 - 23, XP008135723
Attorney, Agent or Firm:
SAGAWA, Shingo et al. (DUNLOP-SK-Building 4-16 Odori-Nishi10-chome, Chuo-ku, Sapporo-sh, Hokkaido 42, JP)
Download PDF:
Claims:
 反射体が混入している混相流を流通させる管の周囲に複数配置されており、前記混相流に超音波を発射するとともに、少なくとも前記反射体からの反射波および前記混相流の界面からの反射波を受信する超音波送受信手段と、
 前記超音波送受信手段で受信した各反射波データに基づいて前記超音波の発射方向における複数位置での時間方向に対して略連続する時空間流速分布を算出する流速分布算出手段と、
 前記時空間流速分布の所定時間における流速分布に対する空間差分または前記時空間流速分布の所定位置における流速分布に対する時間差分の少なくともいずれかの差分演算を実行する差分演算部、または前記時空間流速分布における各流速が所定の閾値以下であるか否かを判別する二値化演算を実行する二値化演算部の少なくともいずれかを有し、当該演算情報に基づいて界面位置を決定する界面位置決定手段と、
 前記時空間流速分布のうち前記界面位置決定手段により決定した界面位置までの時空間流速分布を前記管の断面積に対して積分することにより流量を算出する流量算出手段と
を有する超音波混相流量計。
 反射体が混入している混相流を流通させる管の周囲に複数配置されており、前記混相流に超音波を発射するとともに、少なくとも前記反射体からの反射波および前記混相流の界面からの反射波を受信する超音波送受信手段と、
 前記超音波送受信手段で受信した各反射波データに基づいて前記超音波の発射方向における複数位置での時間方向に対して略連続する時空間流速分布を算出する流速分布算出手段と、
 前記超音波送受信手段により受信した各反射波データから各反射波の音響強度を取得する音響強度取得部または前記超音波送受信手段により受信した各反射波データから各反射波の圧力振幅を取得する圧力振幅取得部の少なくともいずれかを有し、前記混相流の界面から反射する反射波の音響強度が前記反射体から反射する反射波の音響強度より強いことを利用して界面位置を決定するか、または前記混相流から反射する反射波の圧力振幅が前記反射体から反射する反射波の圧力振幅より大きいことを利用して界面位置を決定する界面位置決定手段と、
 前記時空間流速分布のうち前記界面位置決定手段により決定した界面位置までの時空間流速分布を前記管の断面積に対して積分することにより流量を算出する流量算出手段と
を有する超音波混相流量計。
 反射体が混入している混相流を流通させる管の周囲に複数配置されており、前記混相流に超音波を発射するとともに、少なくとも前記反射体からの反射波および前記混相流の界面からの反射波を受信する超音波送受信手段と、
 前記超音波送受信手段で受信した各反射波データに基づいて前記超音波の発射方向における複数位置での時間方向に対して略連続する時空間流速分布を算出する流速分布算出手段と、
 前記時空間流速分布の所定時間における流速分布に対する空間差分または前記時空間流速分布の所定位置における流速分布に対する時間差分の少なくともいずれかの差分演算を実行する差分演算部、または前記時空間流速分布における各流速が所定の閾値以下であるか否かを判別する二値化演算を実行する二値化演算部の少なくともいずれかと、前記超音波送受信手段により受信した各反射波データから各反射波の音響強度を取得する音響強度取得部または前記超音波送受信手段により受信した各反射波データから各反射波の圧力振幅を取得する圧力振幅取得部の少なくともいずれかとを有し、当該演算情報および前記混相流の界面から反射する反射波の音響強度が前記反射体から反射する反射波の音響強度より強いことを利用して界面位置を決定するか、または当該演算情報および前記混相流から反射する反射波の圧力振幅が前記反射体から反射する反射波の圧力振幅より大きいことを利用して界面位置を決定する界面位置決定手段と、
 前記時空間流速分布のうち前記界面位置決定手段により決定した界面位置までの時空間流速分布を前記管の断面積に対して積分することにより流量を算出する流量算出手段と
を有する超音波混相流量計。
 請求項1から3のいずれかにおいて、前記界面位置決定手段により決定された界面位置における超音波の入射波と反射波との位相差を取得し、この位相差に基づいて前記入射波と前記反射波の位相が逆転しているか否かにより相の種類を判別する相判別手段を有する超音波混相流量計。
 反射体が混入している混相流を流通させる管の周囲に超音波送受信手段が複数配置されており、この超音波送受信手段により前記混相流に超音波が送信されるとともに、少なくとも前記反射体からの反射波および前記混相流の界面からの反射波を受信して得られた各反射波データを記憶する記憶手段と、
 前記記憶手段に記憶された各反射波データに基づいて前記超音波の発射方向における複数位置での時間方向に対して略連続する時空間流速分布を算出する流速分布算出手段と、
 前記時空間流速分布の所定時間における流速分布に対する空間差分または前記時空間流速分布の所定位置における流速分布に対する時間差分の少なくともいずれかの差分演算を実行する差分演算部、または前記時空間流速分布における各流速が所定の閾値以下であるか否かを判別する二値化演算を実行する二値化演算部の少なくともいずれかを有し、当該演算情報に基づいて界面位置を決定する界面位置決定手段と、
 前記時空間流速分布のうち前記界面位置決定手段により決定した界面位置までの時空間流速分布を前記管の断面積に対して積分することにより流量を算出する流量算出手段として
 コンピュータを機能させる超音波混相流量計測プログラム。
 反射体が混入している混相流を流通させる管の周囲に超音波送受信手段が複数配置されており、この超音波送受信手段により前記混相流に超音波が送信されるとともに、少なくとも前記反射体からの反射波および前記混相流の界面からの反射波を受信して得られた各反射波データを記憶する記憶手段と、
 前記記憶手段に記憶された各反射波データに基づいて前記超音波の発射方向における複数位置での時間方向に対して略連続する時空間流速分布を算出する流速分布算出手段と、
 前記超音波送受信手段により受信した各反射波データから各反射波の音響強度を取得する音響強度取得部または前記超音波送受信手段により受信した各反射波データから各反射波の圧力振幅を取得する圧力振幅取得部の少なくともいずれかを有し、前記混相流の界面から反射する反射波の音響強度が前記反射体から反射する反射波の音響強度より強いことを利用して界面位置を決定するか、または前記混相流から反射する反射波の圧力振幅が前記反射体から反射する反射波の圧力振幅より大きいことを利用して界面位置を決定する界面位置決定手段と、
 前記時空間流速分布のうち前記界面位置決定手段により決定した界面位置までの時空間流速分布を前記管の断面積に対して積分することにより流量を算出する流量算出手段として
 コンピュータを機能させる超音波混相流量計測プログラム。
 反射体が混入している混相流を流通させる管の周囲に超音波送受信手段が複数配置されており、この超音波送受信手段により前記混相流に超音波が送信されるとともに、少なくとも前記反射体からの反射波および前記混相流の界面からの反射波を受信して得られた各反射波データを記憶する記憶手段と、
 前記記憶手段に記憶された各反射波データに基づいて前記超音波の発射方向における複数位置での時間方向に対して略連続する時空間流速分布を算出する流速分布算出手段と、
 前記時空間流速分布の所定時間における流速分布に対する空間差分または前記時空間流速分布の所定位置における流速分布に対する時間差分の少なくともいずれかの差分演算を実行する差分演算部、または前記時空間流速分布における各流速が所定の閾値以下であるか否かを判別する二値化演算を実行する二値化演算部の少なくともいずれかと、前記超音波送受信手段により受信した各反射波データから各反射波の音響強度を取得する音響強度取得部または前記超音波送受信手段により受信した各反射波データから各反射波の圧力振幅を取得する圧力振幅取得部の少なくともいずれかとを有し、当該演算情報および前記混相流の界面から反射する反射波の音響強度が前記反射体から反射する反射波の音響強度より強いことを利用して界面位置を決定するか、または当該演算情報および前記混相流から反射する反射波の圧力振幅が前記反射体から反射する反射波の圧力振幅より大きいことを利用して界面位置を決定する界面位置決定手段と、
 前記時空間流速分布のうち前記界面位置決定手段により決定した界面位置までの時空間流速分布を前記管の断面積に対して積分することにより流量を算出する流量算出手段として
 コンピュータを機能させる超音波混相流量計測プログラム。
 請求項5から7のいずれかにおいて、前記界面位置決定手段により決定された界面位置における超音波の入射波と反射波との位相差を取得し、この位相差に基づいて前記入射波と前記反射波の位相が逆転しているか否かにより相の種類を判別する相判別手段を有する超音波混相流量計測プログラム。
 反射体が混入している混相流を流通させる管の周囲に複数の超音波送受信手段を配置し、前記混相流に超音波を発射するとともに、少なくとも前記反射体からの反射波および前記混相流の界面からの反射波を受信する超音波送受信ステップと、
 前記超音波送受信手段が受信した各反射波データに基づいて前記超音波の発射方向における複数位置での時間方向に対して略連続する時空間流速分布を算出する流速分布算出ステップと、
 前記時空間流速分布の所定時間における流速分布に対する空間差分または前記時空間流速分布の所定位置における流速分布に対する時間差分の少なくともいずれかの差分演算、または前記時空間流速分布における各流速が所定の閾値以下であるか否かを判別する二値化演算の少なくともいずれかを実行し、当該演算情報に基づいて界面位置を決定する界面位置決定ステップと、
 前記時空間流速分布のうち前記界面位置決定手段により決定した界面位置までの時空間流速分布を前記管の断面積に対して積分することにより流量を算出する流量算出ステップと
 を有する超音波を用いた混相流量計測方法。
 反射体が混入している混相流を流通させる管の周囲に複数の超音波送受信手段を配置し、前記混相流に超音波を発射するとともに、少なくとも前記反射体からの反射波および前記混相流の界面からの反射波を受信する超音波送受信ステップと、
 前記超音波送受信手段が受信した各反射波データに基づいて前記超音波の発射方向における複数位置での時間方向に対して略連続する時空間流速分布を算出する流速分布算出ステップと、
 前記超音波送受信ステップにより受信した各反射波データから各反射波の音響強度、または前記超音波送受信ステップにより受信した各反射波データから各反射波の圧力振幅の少なくともいずれかを取得し、前記混相流の界面から反射する反射波の音響強度が前記反射体から反射する反射波の音響強度より強いことを利用して界面位置を決定するか、または前記混相流から反射する反射波の圧力振幅が前記反射体から反射する反射波の圧力振幅より大きいことを利用して界面位置を決定する界面位置決定ステップと、
 前記時空間流速分布のうち前記界面位置決定手段により決定した界面位置までの時空間流速分布を前記管の断面積に対して積分することにより流量を算出する流量算出ステップと
 を有する超音波を用いた混相流量計測方法。
 反射体が混入している混相流を流通させる管の周囲に複数の超音波送受信手段を配置し、前記混相流に超音波を発射するとともに、少なくとも前記反射体からの反射波および前記混相流の界面からの反射波を受信する超音波送受信ステップと、
 前記超音波送受信手段が受信した各反射波データに基づいて前記超音波の発射方向における複数位置での時間方向に対して略連続する時空間流速分布を算出する流速分布算出ステップと、
 前記時空間流速分布の所定時間における流速分布に対する空間差分または前記時空間流速分布の所定位置における流速分布に対する時間差分の少なくともいずれかの差分演算、または前記時空間流速分布における各流速が所定の閾値以下であるか否かを判別する二値化演算の少なくともいずれかを実行し、かつ、前記超音波送受信ステップにより受信した各反射波データから各反射波の音響強度、または前記超音波送受信ステップにより受信した各反射波データから各反射波の圧力振幅の少なくともいずれかとを取得し、当該演算情報および前記混相流の界面から反射する反射波の音響強度が前記反射体から反射する反射波の音響強度より強いことを利用して界面位置を決定するか、または当該演算情報および前記混相流から反射する反射波の圧力振幅が前記反射体から反射する反射波の圧力振幅より大きいことを利用して界面位置を決定する界面位置決定ステップと、
 前記時空間流速分布のうち前記界面位置決定手段により決定した界面位置までの時空間流速分布を前記管の断面積に対して積分することにより流量を算出する流量算出ステップと
 を有する超音波を用いた混相流量計測方法。
 請求項9から11のいずれかにおいて、前記界面位置決定手段により決定された界面位置における超音波の入射波と反射波との位相差を取得し、この位相差に基づいて前記入射波と前記反射波の位相が逆転しているか否かにより相の種類を判別する相判別ステップを有する超音波を用いた混相流量計測方法。
Description:
超音波混相流量計、超音波混相 量計測プログラム、および超音波を用いた 相流量計測方法

 本発明は、混相流の流量を正確に計測す ための超音波混相流量計、超音波混相流量 測プログラム、および超音波を用いた混相 量計測方法に関するものである。

 従来、円管等の流路内を流れる流体の量 計測する流量計に関する技術は数多く提案 れている。特に、超音波を用いた流量計は 透明な流体の計測が可能であり、円管壁等 介在しても外部からの計測が可能であるた 流れの障害とならず、かつ既存の円管に容 に取り付けることが可能である等、他の計 方法にはない多くの利点を有することから 々な提案がなされている。

 例えば、特開昭58-32121号公報では、流路 上流と下流とに、所定距離を隔てて対向配 された超音波送信器および超音波受信器と その超音波送信器から一定の周波数を発振 るように制御する超音波信号発信器とを有 る位相差方式による超音波流量計が提案さ ている(特許文献1)。特許文献1に係る超音波 量計は、流体の平均流速と、超音波送信器 よび超音波受信器から計測される超音波周 数の位相差とが、比例関係を有することを 用して流量を求めるものであり、超音波信 発信器が発信する超音波信号を受けること より超音波送信器が所定の周波数の超音波 発振し、前記超音波受信器により流体内を 播した超音波の周波数を計測し、位相差を 出して、算出した位相差から流体の平均流 を算出し、一定の補正係数による補正を行 て流量を得るものである。

 また、特開2000-97742号公報では、超音波ト ランスデューサにより流体に超音波を発射す る超音波送信手段と、反射体からの反射波を 受信するとともに流体の流速分布を計測する 流速分布測定手段と、流速分布から流量を算 出する流量算出手段とを有するドップラ式超 音波流量計が提案されている(特許文献2)。特 許文献2に係るドップラ式超音波流量計は、 速分布測定手段により流体の流速分布を50ミ リ秒から100ミリ秒程度の間隔で取得し、流量 算出手段において流路の断面積で流速分布を 積分することにより流量を算出するものであ る。また、計測精度向上のため複数の超音波 トランスデューサを用いて流量計測を行うこ とも提案されている。

特開昭58-32121号公報

特開2000-97742号公報

 特許文献1に係る超音波流量計は、超音波 が相と相との界面で反射して受信器まで伝播 することができないという問題がある。すな わち、対向配置された超音波送信器と超音波 受信器との間に混相流の界面が存在する場合 、平均流速の計測は不可能であり、流量を得 ることはできなくなる。また、混相流は各相 の流れが複雑に絡み合うことから流速分布は 時々刻々と大きく変化し、適当な補正係数を 選択して補正することが困難であるという問 題もある。例えば液体と気体との混相流であ る場合、気相は液相内で形状を自由に変化さ せるため、流路形状が不定期に変化するのと 同じ状態であり、補正係数も気相の変形にあ わせて都度設定する必要があるが、適当な補 正係数をその都度設定することは現実的に不 可能である。したがって、特許文献1に係る 音波流量計では、混相流の流量を計測する とはできない。

 一方、特許文献2に係る超音波流量計は、 超音波トランスデューサと界面位置との間の 流速分布は正確に計測することができるが、 前記の通り超音波は界面で反射するため、界 面から先の流速分布を得ることができないと いう問題がある。また、流路壁や界面により 超音波が乱反射し、その結果界面より先の領 域にあたかも液相が存在するように流速分布 を算出してしまうという問題もある。すなわ ち、本来は液体が存在しない気体領域におい て液体が存在するように誤って流速分布を算 出してしまい、その流速分布に基づいて流量 を算出するため、誤差が大きくなるのである 。したがって、特許文献2に係る超音波流量 では、混相流において正確な流量を測定す ことはできない。

 本発明は、このような問題点を解決する めになされたものであって、混相流の流量 測において、超音波の反射波または流速分 のうち少なくとも一方のデータを演算処理 ることにより相と相との界面位置を検出し 混相流の流量を精度よく検出することがで る超音波混相流量計、超音波混相流量計測 ログラム、および超音波を用いた混相流量 測方法を提供することを目的としている。

 本発明に係る超音波混相流量計は、反射 が混入している混相流を流通させる管の周 に複数配置されており、前記混相流に超音 を発射するとともに、少なくとも前記反射 からの反射波および前記混相流の界面から 反射波を受信する超音波送受信手段と、前 超音波送受信手段で受信した各反射波デー に基づいて前記超音波の発射方向における 数位置での時間方向に対して略連続する時 間流速分布を算出する流速分布算出手段と 前記時空間流速分布の所定時間における流 分布に対する空間差分または前記時空間流 分布の所定位置における流速分布に対する 間差分の少なくともいずれかの差分演算を 行する差分演算部、または前記時空間流速 布における各流速が所定の閾値以下である 否かを判別する二値化演算を実行する二値 演算部の少なくともいずれかを有し、当該 算情報に基づいて界面位置を決定する界面 置決定手段と、前記時空間流速分布のうち 記界面位置決定手段により決定した界面位 までの時空間流速分布を前記管の断面積に して積分することにより流量を算出する流 算出手段とを有する。

 なお、本発明の一態様として、前記時空 流速分布の所定時間における流速分布に対 る空間差分または前記時空間流速分布の所 位置における流速分布に対する時間差分の なくともいずれかの差分演算を実行する差 演算部、または前記時空間流速分布におけ 各流速が所定の閾値以下であるか否かを判 する二値化演算を実行する二値化演算部の なくともいずれかを有し、当該演算情報に づいて界面位置を決定する界面位置決定手 に代えて、もしくは前記界面位置決定手段 ともに、前記超音波送受信手段により受信 た各反射波データから各反射波の音響強度 取得する音響強度取得部または前記超音波 受信手段により受信した各反射波データか 各反射波の圧力振幅を取得する圧力振幅取 部の少なくともいずれかを有し、前記混相 の界面から反射する反射波の音響強度が前 反射体から反射する反射波の音響強度より いことを利用して界面位置を決定するか、 たは前記混相流から反射する反射波の圧力 幅が前記反射体から反射する反射波の圧力 幅より大きいことを利用して界面位置を決 する界面位置決定手段を有してもよい。

 また、本発明の一態様として、前記界面 置決定手段により決定された界面位置にお る超音波の入射波と反射波との位相差を取 し、この位相差に基づいて前記入射波と前 反射波の位相が逆転しているか否かにより の種類を判別する相判別手段を有してもよ 。

 次に、本発明に係る超音波混相流量計測 ログラムは、反射体が混入している混相流 流通させる管の周囲に超音波送受信手段が 数配置されており、この超音波送受信手段 より前記混相流に超音波が送信されるとと に、少なくとも前記反射体からの反射波お び前記混相流の界面からの反射波を受信し 得られた各反射波データを記憶する記憶手 と、前記記憶手段に記憶された各反射波デ タに基づいて前記超音波の発射方向におけ 複数位置での時間方向に対して略連続する 空間流速分布を算出する流速分布算出手段 、前記時空間流速分布の所定時間における 速分布に対する空間差分または前記時空間 速分布の所定位置における流速分布に対す 時間差分の少なくともいずれかの差分演算 実行する差分演算部、または前記時空間流 分布における各流速が所定の閾値以下であ か否かを判別する二値化演算を実行する二 化演算部の少なくともいずれかを有し、当 演算情報に基づいて界面位置を決定する界 位置決定手段と、前記時空間流速分布のう 前記界面位置決定手段により決定した界面 置までの時空間流速分布を前記管の断面積 対して積分することにより流量を算出する 量算出手段としてコンピュータを機能させ 。

 なお、本発明の一態様として、前記時空 流速分布の所定時間における流速分布に対 る空間差分または前記時空間流速分布の所 位置における流速分布に対する時間差分の なくともいずれかの差分演算を実行する差 演算部、または前記時空間流速分布におけ 各流速が所定の閾値以下であるか否かを判 する二値化演算を実行する二値化演算部の なくともいずれかを有し、当該演算情報に づいて界面位置を決定する界面位置決定手 に代えて、もしくは前記界面位置決定手段 ともに、前記超音波送受信手段により受信 た各反射波データから各反射波の音響強度 取得する音響強度取得部または前記超音波 受信手段により受信した各反射波データか 各反射波の圧力振幅を取得する圧力振幅取 部の少なくともいずれかを有し、前記混相 の界面から反射する反射波の音響強度が前 反射体から反射する反射波の音響強度より いことを利用して界面位置を決定するか、 たは前記混相流から反射する反射波の圧力 幅が前記反射体から反射する反射波の圧力 幅より大きいことを利用して界面位置を決 する界面位置決定手段を有してもよい。

 次に、本発明に係る超音波を用いた混相 量計測方法は、反射体が混入している混相 を流通させる管の周囲に複数の超音波送受 手段を配置し、前記混相流に超音波を発射 るとともに、少なくとも前記反射体からの 射波および前記混相流の界面からの反射波 受信する超音波送受信ステップと、前記超 波送受信手段が受信した各反射波データに づいて前記超音波の発射方向における複数 置での時間方向に対して略連続する時空間 速分布を算出する流速分布算出ステップと 前記時空間流速分布の所定時間における流 分布に対する空間差分または前記時空間流 分布の所定位置における流速分布に対する 間差分の少なくともいずれかの差分演算、 たは前記時空間流速分布における各流速が 定の閾値以下であるか否かを判別する二値 演算の少なくともいずれかを実行し、当該 算情報に基づいて界面位置を決定する界面 置決定ステップと、前記時空間流速分布の ち前記界面位置決定手段により決定した界 位置までの時空間流速分布を前記管の断面 に対して積分することにより流量を算出す 流量算出ステップとを有する。

 なお、本発明の一態様として、前記時空 流速分布の所定時間における流速分布に対 る空間差分または前記時空間流速分布の所 位置における流速分布に対する時間差分の なくともいずれかの差分演算、または前記 空間流速分布における各流速が所定の閾値 下であるか否かを判別する二値化演算の少 くともいずれかを実行し、当該演算情報に づいて界面位置を決定する界面位置決定ス ップに代えて、もしくは前記界面位置を決 する界面位置決定ステップとともに、前記 音波送受信ステップにより受信した各反射 データから各反射波の音響強度、または前 超音波送受信ステップにより受信した各反 波データから各反射波の圧力振幅の少なく もいずれかを取得し、前記混相流の界面か 反射する反射波の音響強度が前記反射体か 反射する反射波の音響強度より強いことを 用して界面位置を決定するか、または前記 相流から反射する反射波の圧力振幅が前記 射体から反射する反射波の圧力振幅より大 いことを利用して界面位置を決定する界面 置決定ステップを有してもよい。

 本発明によれば、混相流の流量計測にお て、超音波の反射波または流速分布のうち なくとも一方のデータを演算処理すること より相と相との界面位置を検出し、混相流 流量を精度よく検出することができる超音 混相流量計、超音波混相流量計測プログラ 、および超音波を用いた混相流量計測方法 提供することができる。

 以下、本発明に係る超音波混相流量計、 音波混相流量計測プログラム、および超音 を用いた混相流量計測方法の実施形態につ て図面を用いて説明する。図1は本実施形態 における超音波混相流量計1の構成を示すブ ック図である。

 なお、本実施形態は、図2に示すような、 円管P内を流れる液体Wと気体Gとからなる二相 流の流量を計測する際の構成であるが、本発 明において、計測対象とする管の断面形状や 材質は特に限定されず、断面形状については 円管の他、略円管、楕円管、多角管、三日月 管等でもよく、材質については単体金属や合 金の他、樹脂等を用いてもよい。また、本発 明における混相も特に限定されず、液体と気 体とからなる二相の他、液体と液体とからな る二相、液体と固体とからなる二相、気体と 固体とからなる二相、気体と液体と固体とか らなる三相でもよい。なお、液体と液体とか らなる二相の例としては、水と油脂または有 機溶媒等の、極性分子が構成する液体と非極 性分子が構成する液体とからなる二相が挙げ られる。

 次に、本実施形態における超音波混相流 計1は、超音波を発射するとともに、少なく とも反射体からの反射波および混相流の界面 からの反射波を受信する超音波送受信手段2 、各種データ等を表示する表示手段3と、ユ ザーから各種の指令を入力する入力手段4と 、各種データを記憶する記憶手段5と、各種 演算処理を実行する演算処理手段6と、流速 布を算出する流速分布算出手段7と、界面位 置を決定する界面位置決定手段8と、流速分 および界面位置から流量を算出する流量算 手段9と、界面を構成する相の種類を判別す 相判別手段10とから構成されている。

 一方、本実施形態における超音波混相流 計測プログラム1aは、記憶手段5のプログラ 記憶部51に記憶されており、各種データを 憶する記憶手段5と、流速分布を算出する流 分布算出手段7と、界面位置を決定する界面 位置決定手段8と、流速分布および界面位置 ら流量を算出する流量算出手段9と、界面を 成する相の種類を判別する相判別手段10と て機能させる。

 以下、本実施形態の各構成のうち、超音 混相流量計1の構成について詳細に説明する 。

 超音波送受信手段2は、図2および図3に示 ように、超音波を発射するとともに、少な とも反射体からの反射波および混相流の界 からの反射波を受信する超音波トランスデ ーサ21と、この超音波トランスデューサ21を 円管Pの周囲に配置し固定させるトランスデ ーサホルダー22と、残響超音波を除去するた めの残響超音波吸収シート23とからなる。

 本実施形態における超音波トランスデュ サ21は略円筒状に形成されており、先端面 は任意の超音波を発生させる振動素子(図示 ない)が備えられている。この振動素子は、 振動する電圧が与えられることにより、その 振動数に対応して振動することができる。例 えば、1MHz、2MHz、4MHz等の所定の振動数で振動 する電圧を与えることにより、同周波数・同 波長の超音波パルスを発射する。また、振動 素子は振動が与えられると、その振動に対応 した電圧を発生することができる。すなわち 、流体中を流れる反射体(図示しない)および 面から反射される反射波を受信することに り、その反射波の振動に対応した電圧が発 する。

 なお、本発明において、「反射体」とは 超音波を反射するものを意味し、例えば、 気に限らず水素等の任意の気体が形成する 小気泡や、ナイロンやガラス等の任意の材 からなる微小粒子等が挙げられる。

 また、本実施形態における超音波トランス ューサ21は図3に示すように、少なくとも円 Pの半周180度を網羅できるよう円管Pの周囲 複数個配置されている。なお、配置される 音波トランスデューサ21の数は特に限定され るものではなく、例えば、各相の体積割合で あるボイド率α g 、各相の形状、およびそれぞれの数等を仮定 することにより決定することができる。

 以下、ボイド率α g 、各相の形状、それぞれの数、および離散化 による誤差eを仮定した場合の超音波トラン デューサ21の数を決定する方法について説明 する。

 図4に示されるような円管Pを流れる液相W 気相Gとによる二相流を仮定した場合、ボイ ド率αは管壁から界面位置までの距離h(θ)に り次式で表される。

 ここでRは円管Pの半径、r(図示しない)は 管Pの中心軸からの距離を示している。また この積分式である数式1は、超音波トランス デューサ21の数に相当する計測線Lの数である 計測線数n(=1,2,3・・・)により次式のように離 散化される。

 上記数式2のi(=1,2,3・・・)は各計測線Lに付 れた添え字である。ここで、上記数式1によ 仮定した流れのボイド率αと、上記数式2に り超音波トランスデューサ21の数をnとする イド率α g とを算出し、誤差e=(1-α g /α)を求めることにより、離散化による誤差e 所定の範囲内になるように超音波トランス ューサ21の数nを決定することができる。

 なお、超音波トランスデューサ21の数の 定方法はこれに限定されるものではない。 えば、一般的に、超音波トランスデューサ21 の数を増やすことにより誤差eは抑制される 、それに伴い製造コストも増加してしまう そこで、誤差eと製造コストとを比較・検討 て適当な超音波トランスデューサ21の数の 定が行われる。

 次に、トランスデューサホルダー22につ て説明する。本実施形態におけるトランス ューサホルダー22は、複数の超音波トランス デューサ21を流れ方向に対して共通の角度で 斜させ、かつ円管Pの中心軸上の共通する一 点に向けて円管Pの周囲に配置し固定できる のであるが、超音波トランスデューサ21を管 の周囲に配置し固定できるものであれば特に 限定されない。なお、超音波の伝達をよりよ くするため、超音波トランスデューサ21の先 と円管Pとの間には超音波ジェル(図示しな )を塗布しているが、本発明に係る超音波混 流量計1はこれに限定されない。

 残響超音波吸収シート23は、円管P内で反 を繰り返す残響超音波を除去するためのも であり、ゴム等の樹脂で形成され、トラン デューサホルダー22近傍の上流側および下 側の円管P外面に設けられている。なお、残 超音波吸収シート23の材質や設置位置は適 選択されるものである。

 次に、本実施形態における表示手段3はブ ラウン管や液晶等のディスプレイ装置からな る。演算処理手段6を構成する流速分布算出 段7、界面位置決定手段8、流量算出手段9、 よび相判別手段10により得られた各種データ は、そのまま表示手段3において表示される 、または一旦記憶手段5のデータ記憶部52に 納された後、再度演算処理手段6に送信され 表示手段3において表示される。

 また、本実施形態における入力手段4は、 演算処理手段6の操作を行うものである。前 入力手段4は、例えばキーボードやマウス、 ッチパネル等から構成されており、本実施 態における超音波混相流量計1のユーザーは 、表示手段3に表示される各種データに基づ て、例えば界面位置決定手段8の差分演算部8 1、二値化演算部82、音響強度取得部83および 力振幅取得部84を操作し、界面位置の決定 行うことや、二値化演算部82で用いられる閾 値を入力することができる。

 次に、本実施形態における超音波混相流 計1と超音波混相流量計測プログラム1aとで 通する手段について以下説明する。

 本実施形態における記憶手段5は、例えば ROMやRAM、ハードディスクドライブ等のデータ 記憶装置から構成され、超音波混相流量計測 プログラム1aを記憶するプログラム記憶部51 、各種データを記憶するデータ記憶部52を備 えている。このデータ記憶部52は、例えば前 超音波送受信手段2で受信された各反射波デ ータ、流速分布算出手段7で算出された流速 布データ、界面位置決定手段8で決定された 面位置データ、流量算出手段9で算出された 流量データ、および相判別手段10で判別され 判別データ等が記憶されている。

 本実施形態における演算処理手段6は、CPU (中央演算処理装置)等の演算処理装置から構 されており、プログラム記憶部51から超音 混相流量計測プログラム1aを読み出して当該 プログラムに従って流速分布算出手段7、界 位置決定手段8、流量算出手段9および相判別 手段10として機能する。

 また、本実施形態における流速分布算出 段7は、超音波送受信手段2によって受信さ た各反射波データに基づいて前記超音波の 射方向における複数位置での時間方向に対 て略連続する円管P内の時空間流速分布を算 する機能を有している。具体的には、円管P の周囲に配置し固定された複数の超音波トラ ンスデューサ21の各反射波データを読み出し その各反射波データから超音波パルスの発 方向上における複数の位置での各反射波が 複数の位置における流速に応じたドップラ 波数を含むものと仮定して、前記複数位置 おける各反射波からドップラ周波数を取得 、そのドップラ周波数から前記複数位置の 速を算出する機能である。この機能により 超音波パルス発射方向上における複数の位 (空間方向)における時間方向に対して略連 する時空間流速分布を得ることができる。 お、超音波発射から反射体からの反射波お び混相流の界面からの反射波の受信までに する時間から反射体の移動速度を求めるこ により超音波発射方向上における時空間流 分布を得ることもできる。

 本実施形態における界面位置決定手段8は 、前記流速分布算出手段7で算出された時空 流速分布の所定時間における流速分布に対 る空間差分または前記時空間流速分布の所 位置における流速分布に対する時間差分か 界面位置を決定する差分演算部81および前記 時空間流速分布における各流速が所定の閾値 以下であるか否かを判別する二値化演算部82 、当該演算情報に基づいて界面位置を決定 る音響強度取得部83および圧力振幅取得部84 とから構成されている。

 本実施形態における差分演算部81は、フ ルタ関数を用いて前記流速分布算出手段7に って得られた時空間流速分布の差分演算を 行し、界面位置を決定する機能を有する。 の差分演算部81による界面位置の決定手法 、図5に示すように、超音波が界面位置で反 すると、入射波と反射波との干渉により振 が極めて小さい局所定在波が発生し、この 所定在波の領域からは、本来、ドップラ周 数を得ることができないため、時空間流速 布の界面位置では速度が零と算出されるこ を利用したものである。すなわち、所定時 における流速分布は界面位置で不連続ある は急激な変化を呈するため、空間差分値は 大を示す。一方、所定位置における流速は 面位置で零となるため時間差分値は極小を す。

 すなわち、差分演算部81は、フィルタ関 による差分演算に限られず、空間方向、時 方向、または時空間方向に差分演算して極 や極小を得られる機能を有していればよい

 次に、本実施形態における差分演算部81 用いられるフィルタ関数について説明する

 フィルタ関数とは、一般的にはX軸および Y軸の空間二次元からなる二次元画像のエッ 検出等の処理に用いられるものであり、差 演算に基づいた3行3列の正方行列等で構成さ れている。このフィルタ関数は、周囲のデー タを使用しながらX方向およびY方向の二次元 向の差分演算することによって行列の中心 おける極大極小を求める処理が可能である

 本実施形態におけるフィルタ関数は、図6 から図15に示すような3行3列の行列からなり 図21に示すような、横軸を時間軸と、縦軸を 空間軸とした時空間二次元の流速分布におけ る極大極小を求めるために用いられる。なお 、本実施形態におけるフィルタ関数は、3行3 の正方行列としたが、これに限定されるも ではなく、例えば、時間方向に5行、空間方 向に5列、あるいは時間方向に7行、空間方向 7列等としてもよい。

 また、本実施形態におけるフィルタ関数 して、空間一次片側差分、空間二次中心差 、通常ゾーベル差分(時間拡散空間勾配差分 )、補強ゾーベル差分(時間強拡散空間勾配差 )、面平均差分(時空間平均化差分)、二次元 プラシアン差分、空間ラプラシアン差分、 空間ラプラシアン差分(時間拡散空間ラプラ シアン差分)、補強時空間ラプラシアン差分 フロッグ時空間ラプラシアン差分等が挙げ れる。

 次に、空間一次片側差分を例に説明しな ら、本実施形態におけるフィルタ関数によ 具体的な処理方法について説明する。空間 次片側差分の行列は、図6に示すように、1 目全列が-1、2行目全列が1、3行目全列が0で る。

 これは、時間方向の場所を表す記号をt(=1 ,2,3・・・)、空間方向の場所を表す記号をx(=1 ,2,3・・・)とし、所定の場所(t,x)における時 間流速分布の極大極小の値をg(t,x)として、 のg(t,x)を流速fの空間一次片側差により求め 場合、g(t,x)=f(t,x)-f(t,x-1)と表されることに基 づく。すなわち、空間一次片側差分は、空間 方向の場所(x)と(x-1)との差を表すものである

 次に、空間一次片側差分により、所定の 所(t,x)の極大極小の値g(t,x)の算出方法につ て説明する。所定の場所(t,x)における時空間 流速分布の極大極小の値g(t,x)は、フィルタ関 数の1行目の1~3列に対応する流速f(t-1,x-1)、f(t, x-1)、およびf(t+1,x-1)に対して-1を、2行目の1~3 に対応する流速f(t-1,x)、f(t,x)、およびf(t+1,x) に対して1を、3行目の1~3列に対応する流速f(t- 1,x+1)、f(t,x+1)、およびf(t+1,x+1)に対して0をそ ぞれ乗じ、その各値を合算した値となる。

 この流速分布の極大極小の値g(t,x)が大き ほど、所定の場所(t,x)における流速f(t,x)と 囲の流速f(t-1,x-1)、f(t,x-1)、f(t+1,x-1)、f(t-1,x) f(t+1,x)、f(t-1,x+1)、f(t,x+1)およびf(t+1,x+1)との が大きく、この所定の場所(t,x)において、時 空間流速分布の不連続あるいは急激な変化が 起きている可能性が高いことを示すことにな る。

 以上により、極大極小の値g(t,x)の算出を 空間流速分布の全域に対して実行し、それ の値g(t,x)が、所定の閾値以上となる点を選 することにより、界面位置を決定すること 可能となる。

 なお、上記フィルタ関数のうち、面平均 分における極大極小の値g(t,x)の算出方法は フィルタ関数と対応する流速とを乗じ、そ 各値を合算した後、行列の数である9で割る 必要がある。また、フィルタ関数が所定位置 (t,x)における時間差分に基づいている場合は 得られた値g(t,x)が所定の閾値以上となる点 選択することにより、界面位置を決定する とが可能となる。

 以下に、各フィルタ関数の基となる差分 、その行列について簡単に説明する。

 空間二次中心差分とは、空間方向に二次 心差分をとり、空間(x-1)と(x+1)との流速差に 基づくものである。具体的にこの行列は、図 7に示すように、1行目の1列目と3列目とが0、 2列目が-1であるとともに、2行目の全列が0 あり、さらに3行目1列目と3列目とが0、同2列 目が1である。

 同様に、通常ゾーベル差分とは、空間方 に二次中心差分をとり、かつ時間方向に平 化したものであり、空間(x-1)と(x+1)との流速 差に基づくものである。具体的にこの行列は 、図8に示すように、1行目の1列目と3列目と -1、同2列目が-2であるとともに、2行目の全 が0であり、さらに3行目1列目と3列目とが1、 同2列目が2である。

 補強ゾーベル差分とは、通常ゾーベル差 の時間方向の平均化を増すものであり、空 方向の(x-1)と(x+1)との流速差に基づくもので ある。具体的にこの行列は、図9に示すよう 、1行目全列が-1、2行目全列が1、3行目全列 1である。

 面平均差分とは、流速分布の平均化を行 ことにより、時空間流速分布の計測器側を 因とする流速データの脱落等によるノイズ 除去するものである。具体的にこの行列は 図10に示すように、全行全列が1である。

 二次元ラプラシアン差分とは、二階微分 よって空間方向と時間方向との差分をとり 空間方向の(x-1)と(x)、および(x)と(x+1)におけ る流速差とともに、時間方向の(t-1)と(t)、お び(t)と(t+1)における流速差に基づくもので る。具体的にこの行列は、図11に示すように 、1行目の1列目と3列目とが0、同2列目が1であ り、2行目の1列目と3列目とが1、同2列目が-4 あるとともに、3行目1列目と3列目とが0、同2 列目が1である。

 空間ラプラシアン差分とは、二階微分に り空間方向の差分をとり、空間方向の(x-1) (x)、および(x)と(x+1)における流速差に基づく ものである。具体的にこの行列は、図12に示 ように、1行目の1列目と3列目とが0、同2列 が1であり、2行目の1列目と3列目とが0、同2 目が-2であるとともに、3行目1列目と3列目と が0、同2列目が1である。

 時空間ラプラシアン差分とは、二階微分 より空間方向と時間方向との差分をとり、 間方向に平均化させたものであり、空間方 の(x-1)と(x)、および(x)と(x+1)における流速差 とともに、時間方向の(t-1)と(t)、および(t)と( t+1)における流速差に基づくものである。具 的にこの行列は、図13に示すように、1行目 1列目と3列目とが1、同2列目が2であり、2行 の1列目と3列目とが-2、同2列目が-4であると もに、3行目1列目と3列目とが1、同2列目が2 ある。

 補強時空間ラプラシアン差分とは、時空 ラプラシアン差分の時間方向の平均化をよ 増すものであり、空間方向の(x-1)と(x)、お び(x)と(x+1)における流速差とともに、時間方 向の(t-1)と(t)、および(t)と(t+1)における流速 に基づくものである。具体的にこの行列は 図14に示すように、1行目全列が1、2行目全列 が-2、3行目全列が1である。

 フロッグ時空間ラプラシアン差分とは、 ープ・フロッグ法を用いた差分をとり、空 方向の(x-1)と(x)、および(x)と(x+1)における流 速差とともに、時間方向の(t-1)と(t)、および( t)と(t+1)における流速差に基づくものである 具体的にこの行列は、図15に示すように、1 目の1列目と3列目とが1、同2列目が0であり、 2行目の1列目と3列目とが-2、同2列目が0であ とともに、3行目1列目と3列目とが1、同2列目 が0である。

 以上、差分演算に用いられるフィルタ関 は複数挙げられるが、本発明においてはこ らに限定されず、適宜選択することができ 。

 次に、本実施形態における二値化演算部8 2は、流速分布算出手段7によって得られた時 間流速分布の二値化演算を実行し、界面位 を決定する機能を有する。具体的には、適 な閾値を与え、時空間流速分布の流速が当 閾値以下になった位置を界面位置と決定す 。

 また、本実施形態における音響強度取得 83は、超音波送受信手段2によって得られた 反射波データから反射波の音響強度を取得 、界面位置を決定する機能を有する。界面 置で反射する反射波の音響強度は反射体に 射する反射波の音響強度より強いことを利 したものであり、音響強度の強弱により界 位置を決定するものである。つまり、各位 および各時間における反射波の音響強度を れぞれ比較して音響強度が所定の値より強 位置を界面位置と決定する。

 最後に、本実施形態における圧力振幅取 部84は、超音波送受信手段2によって得られ 各反射波データから反射波の圧力振幅を取 し、界面位置を決定する機能を有する。界 位置で反射する反射波の圧力振幅は反射体 反射する反射波の圧力振幅より大きいこと 利用したものであり、圧力振幅の大小によ 界面位置を決定するものである。つまり、 位置および各時間における反射波の圧力振 をそれぞれ比較して圧力振幅が所定の値よ 強い位置を界面位置と決定する。

 以上の界面位置決定手段8による界面位置 の決定は、差分演算部81、二値化演算部82、 響強度取得部83、および圧力振幅取得部84の ずれか一つを選択して位置決定してもよい 、より精度を高めるために2以上を組み合わ せて位置決定してもよい。

 次に、本実施形態における流量算出手段9 は、流速分布算出手段7で算出された流速分 と、界面位置決定手段8で決定された界面位 とから流量を算出する機能を有している。 体的には、流速分布のうち界面位置までの 速分布を断面積に対して積分することによ 流量を算出するものである。

 以下に本発明に係る流量算出手段9におい て用いられる流量算出式を以下に示す。

 まず、単相流の場合、流量Qは次式で求め られる。

 ここで、vは流速であり流速分布算出手段 7により得られる。またAは管の断面積である

 一方、混相流の場合、流量は次式で求め れる。

 ここで、添字kは、計測対象とする流体の相 を意味している。また、f k は計測対象とする流体が存在するか否かを表 す相指数関数であり0か1かの値をとる。本発 における相指数関数f k は界面位置決定手段8により決定した界面位 により決定する。

 例えば、計測対象が液相の場合に添字をk =1とし、気体の場合にk=2とすると各相の流量 次式で表される。

なお、上記数式5の相指数関数f k は以下のように定義される。
1)計測点が液相のときf 1 =1、気相のときf 1 =0
2)計測点が気相のときf 2 =1、液相のときf 2 =0

 したがって、本発明に係る流量算出手段9は 、流速分布算出手段7により算出された流速 布と、界面位置決定手段8により決定した界 位置から得られる相指数関数f k とを上記数式4に代入して各相の流量を算出 るものである。なお、以上の流量算出手段9 基づけば気相、液相および固相からなる三 流の流量計測ができ、また、水と油のよう 液相と液相の同種からなる二相流の流量計 もできる。

 また、本実施形態における相判別手段10 、界面を構成している相の種類を判別する 能を有しており、位相差取得部11と相判別部 12とから構成される。具体的には、相の違い よる音の伝わり易さの程度を表す音響イン ーダンスの差により、入射波と反射波との で発生する位相差を利用して判別する。す わち、音響インピーダンスの低い相から高 相に入射して反射する場合、入射波と反射 の振動の位相は変わらない。一方、音響イ ピーダンスの高い相から低い相に入射して 射する場合、入射波と反射波の振動の位相 逆転する。よって、界面位置における入射 と反射波との振動の位相を取得し、界面を 成する各相の種類を判別するものである。

 ここで、本実施形態における相判別手段1 0の位相差取得部11は、超音波送受信手段2に って得られた各反射波データから、界面位 における超音波の入射波と反射波との波形 取り出し、位相差を取得する機能を有する また、本実施形態における相判別手段の相 別部12は、位相差取得部11で取得した位相差 基づいて、界面を構成している相の種類を 別する機能を有している。

 つぎに、本実施形態の超音波混相流量計1 を使用した超音波混相流量計測方法について 図16のフローチャートを参照しつつ説明する

 まず、超音波トランスデューサ21が混相 に対して超音波パルスを所定の時間間隔で 連続的に発射し、同一の超音波トランスデ ーサ21によって反射体および混相流の界面か ら反射する反射波を受信する。この超音波の 送受信を複数の超音波トランスデューサ21で ぼ同時に行う(超音波送受信ステップS1)。

 各超音波トランスデューサ21が受信した 反射波を各反射波データとしてデータ記憶 51に記憶する(各反射波データ記憶ステップS2 )。

 つぎに、流速分布算出手段7が、データ記 憶部52に記憶されている各反射波データを読 出し、超音波の発射方向における複数の位 での各反射波が、複数の位置における流速 応じたドップラ周波数を含むものと仮定し 、前記複数位置における各反射波からドッ ラ周波数を取得し、このドップラ周波数か 各位置の流速を算出し、超音波パルスの発 方向上の複数位置における時間方向に対し 略連続する流速分布を算出し、データ記憶 52に記憶する(流速分布算出ステップS3)。

 界面位置決定手段8が、データ記憶部52に 憶されている流速分布データまたは各反射 データを読み出し、流速分布の差分演算ま は二値化演算の少なくともいずれかを実行 、前記演算に代えて、または前記演算とと に各反射波データから音響強度または圧力 幅の少なくともいずれかを取得し、当該演 情報と当該取得情報との少なくともいずれ に基づいて界面位置を決定し、データ記憶 52に記憶する(界面位置決定ステップS4)。な 、差分演算部81、二値化演算部82、音響強度 取得部83および圧力振幅取得部84のいずれを いるかはユーザーが入力手段4から任意に選 することができる。

 そして、流量算出手段9が、データ記憶部 52に記憶されている流速分布データおよび界 位置データを読み出し、流速分布のうち界 位置までの流速分布を断面積に対して積分 て液相の流量を算出し、データ記憶部52に 憶する(流量算出ステップS5)。これにより、 々刻々変化する液相の流量を計測すること できる。また、液相の流量と管の断面積と 関係から気相の流量を算出することも可能 ある。

 一方、混相の種類を判別する場合、相判 手段10が、データ記憶部52に記憶されている 各反射波データおよび界面位置データを読み 出し、界面位置における入射波と反射波との 振動の位相差を取得し(位相差取得ステップS6 )、その位相差に基づいて界面を構成する各 の種類を判別し、この判別結果をデータ記 部52に記憶する(相判別ステップS7)。例えば 本実施形態においては、界面位置における 射波の位相が反転していた場合には界面を 成する相が液相と気相とであると判別し、 相が反転していなかった場合には界面を構 する相が液相と固相とであると判別する。

 なお、データ記憶部52に記憶した反射波 ータ、流速分布、流量および界面を構成す 各相の種類は、表示手段3によってリアルタ ムに表示することができる。また、ユーザ は表示手段3に表示された各種の結果に基づ いて、入力手段4により界面位置決定手段8の 択、二値化演算部82に用いる閾値等の指令 入力することができる。

 以上のような本実施形態によれば以下の効 を得ることができる。
1.混相流において、相と相との界面位置を正 に決定できる。
2.混相流の流量を相ごとに正確に算出できる
3.界面を構成する各相の種類を判別できる。
4.ユーザーは各計測結果をリアルタイムに確 できる。

 つぎに、前述した本実施形態の具体的な 験例を実施例として説明する。

『数値解析によるモデル実験』
 まず、数値解析によるモデル実験を行った で、図17を参照しつつ説明する。

 モデル実験では、ボイド率αと気相の数gを えて数値解析を行い、この数値解析結果に づいて管壁から界面位置までの距離h(θ)を 得し、上記数式2を用いてボイド率α g を算出した。

 図17(a)~(d)は次に示す解析条件A~Dを与えた 数値解析結果における所定時刻の液相と気 との状態を示した断面図であり、白抜き部 が気相を示している。また、円管壁と円管 心とを結ぶ線は、計測線Lを示している。

 解析条件Aはボイド率αが約0.337、気相の gが1、計測線数nが6である。同様に、計算条 Bはα≒0.382、g=2、n=6、計算条件Cはα≒0.176、 g=1、n=18、計算条件Dはα≒0.406、g=3、n=18であ 。

 各解析条件として与えたボイド率αと、上 数式2により求めたボイド率α g とから誤差を求めて比較検討した。なお、誤 差eはe=(1-α g /α)によって求めた。

 解析条件Aと解析条件Bとは計測線数nが等し ところ、解析条件Aの場合、上記数式2から められたボイド率α g は約0.343であり、解析条件として与えたボイ 率αとの誤差eは約+0.016であった。一方、解 条件Bの場合、α g ≒0.413、e≒+0.08であった。すなわち、解析条 Aでは誤差が約1.6%であるのに対し、計算条 Bでは誤差が約8%となって、誤差eが増大して る。

 同様に計測線数nの等しい解析条件Cと解析 件Dとを比較検討すると、解析条件Cの場合、 α g ≒0.175、e≒-0.004であり、解析条件Dの場合、α g ≒0.413、e≒+0.018であるから、こちらも誤差e 増大した。

 これら誤差eの増大は、気相の数gに起因 るものと考えられる。なぜなら、界面にお て超音波が反射するため、界面より先の反 波データは計測が不可能となり、実際は液 である領域を気相として計算してしまうた である。

 ただし、解析条件Bの場合と解析条件Dの 合との計算結果を比較すると、気相の数gは2 から3に増加しているが、誤差eは+0.08から+0.01 8に減少している。その理由は計測線数nに起 するものであり、計測線数nを増加させたこ とにより計測可能な領域が拡大したものと考 えられる。

 以上の結果によれば、混相流中の気相の が増えるとボイド率の誤差が大きくなる傾 にあるが、計測線数nを増加させることによ って誤差の拡大を抑えることができることが わかる。

『ボイド率α g と誤差の関係』
 つぎに、ボイド率αと気相の数gとを種々変 させて数値解析を行い、ボイド率α g および誤差eを算出し、どのような傾向にあ か比較検討した。図18はボイド率α g と誤差eの関係を示す図であり、横軸にボイ 率α g 、縦軸に誤差eを示している。多少のばらつ はあるものの、統計的な傾向としてボイド α g が低いほど誤差eが小さくなる傾向にある。 れは気相の数gが少ない場合や気相の大きさ 小さい場合には計測可能な領域が広くなる めであると考えられる。一方、図18に示す おり、ボイド率α g が約0.5以下の場合には、誤差が極めて小さい ことから、より高い精度で流量を算出できる と考えられる。

『計測線数nと誤差eとの関係』
 つぎに、計測線数nと誤差eとの関係につい 検討した。

 図9は、計測線数nと誤差eとの関係を示すグ フであり、△印はボイド率0~25%(気泡流)、● 印がボイド率25~75%(スラグ流)、○印がボイド 75%~100%(環状流)の結果を示している。図19に すとおり、計測線数nが増加する(グラフの 方向に向かう)に従って、誤差eが低下する傾 向にある。また、計測線数nが奇数と偶数と は偶数の場合の方が誤差eは小さい。これは 計測線数nが偶数の場合、互いに向き合う計 測線が設定されるので、気相の形状を特定す るための情報がより有効に利用できるからで あると考えられる。また、これらの傾向はボ イド率が変化してもの同様である。従って、 ボイド率α g を算出する場合、計測線数nの数が多く、か 偶数に設定することが好ましいと考えられ 。

『数値解析で求めた流量と本発明に係る実施 例により求めた流量との関係』
 つぎに、数値解析により得られた平均流量Q と、本実施例4で算出した流量Q act との比較を行った。図20の縦軸は平均流量Qを 、横軸は本実施例で算出したQ act を示す。この結果、図20に示すように、平均 量Qに対して算出された流量Q act の誤差は僅か5%程度であった。

 したがって、従来の流量計によって単相 の流量を測定する場合でさえ数%程度の誤差 が生じてしまうことに鑑みれば、本発明にお ける超音波混相流量計1は非常に精度がよく 実用的であることがわかる。

『混相流における界面位置の実測』
 つぎに、本実施形態の超音波混相流量計1を 使用して実際に管内の混相流の流量計測を行 った。使用した混相流は油と空気の二相流で ある。本実施例5では、透明アクリル性の円 Pを水平に設置し、油内に空気を間欠的に混 した。円管Pの下側から1つの超音波トラン デューサ21を用いて超音波の反射波を計測し た。この反射波データから流速分布を算出し 、複数のフィルタ関数のうち任意に選択した 差分演算により界面位置を決定した。なお、 本実施例5で用いたフィルタ関数は、空間一 片側差分、空間二次中心差分、通常ゾーベ 差分、補強ゾーベル差分、面平均差分、二 元ラプラシアン差分、空間ラプラシアン差 、時空間ラプラシアン差分、補強時空間ラ ラシアン差分、およびフロッグ時空間ラプ シアン差分である。

 以下、超音波トランスデューサ21を用い 得られた流速分布、および各フィルタ関数 用いた差分演算の結果を、図面を用いて詳 に説明する。なお、各図において、横軸は 間方向を、縦軸は空間方向を示している。

 図21は、反射波データから算出された流 分布を示す時空間図であり、白黒の濃淡は 速の大小を示している。すなわち、色が白 なるほど流速は大きく、色が黒くなるほど 速は小さい。なお、図21に示すように、色の 濃淡が図面全体に現れており、このままでは 界面位置を決定することはできない。

 そこで、差分演算を用いて界面位置を決 する。なお、二相流を構成する油と空気と 関係において、空気は油よりも比重が小さ 、油の相の上方に空気の相が形成され、界 位置は図21に示す流速分布データの上方と ることから、本実施例5における差分演算は 図21の流速分布データにおいて、上方のデ タを対象として行った。

 図22は、空間一次片側差分に基づいたフ ルタ関数を用いて決定した界面位置を示す 空間図である。(a)は、空間一次片側差分に づいたフィルタ関数により得られた所定の における極大極小の値gを示す時空間図であ 、色が白くなるほど極大極小の値gは大きく 、色が黒くなるほど極大極小の値gは小さい また、(b)は、極大極小の値gに基づいて閾値 上となる点を選択し、この選択された点か 界面位置を決定して、この界面位置より上 となる空気の相を白抜きで表した、流速分 の時空間図である。

 以下、同様にして、図23は、空間二次中 差分に基づいたフィルタ関数を用いて決定 た界面位置を示す時空間図であり、(a)は、 間二次中心差分に基づいたフィルタ関数に り得られた極大極小の値gを示す時空間図で り、(b)は極大極小の値gに基づき、決定され た界面位置より上方となる空気の相を白抜き で表した、流速分布の時空間図である。

 図24は、通常ゾーベル差分に基づいたフ ルタ関数を用いて決定した界面位置を示す 空間図であり、(a)は、通常ゾーベル差分に づいたフィルタ関数により得られた極大極 の値gを示す時空間図であり、(b)は極大極小 値gに基づき、決定された界面位置より上方 となる空気の相を白抜きで表した、流速分布 の時空間図である。

 図25は、補強ゾーベル差分に基づいたフ ルタ関数を用いて決定した界面位置を示す 空間図であり、(a)は、補強ゾーベル差分に づいたフィルタ関数により得られた極大極 の値gを示す時空間図であり、(b)は極大極小 値gに基づき、決定された界面位置より上方 となる空気の相を白抜きで表した、流速分布 の時空間図である。

 図26は、面平均差分に基づいたフィルタ 数を用いて決定した界面位置を示す時空間 であり、(a)は、面平均差分に基づいたフィ タ関数により得られた極大極小の値gを示す 空間図であり、(b)は極大極小の値gに基づき 、決定された界面位置より上方となる空気の 相を白抜きで表した、流速分布の時空間図で ある。なお、面平均差分は、時空間流速分布 の全データに対して処理を行っている。

 図27は、二次元ラプラシアン差分に基づ たフィルタ関数を用いて決定した界面位置 示す時空間図であり、(a)は、二次元ラプラ アン差分に基づいたフィルタ関数により得 れた極大極小の値gを示す時空間図であり、( b)は極大極小の値gに基づき、決定された界面 位置より上方となる空気の相を白抜きで表し た、流速分布の時空間図である。

 図28は、空間ラプラシアン差分に基づい フィルタ関数を用いて決定した界面位置を す時空間図であり、(a)は、二次元ラプラシ ン差分に基づいたフィルタ関数により得ら た極大極小の値gを示す時空間図であり、(b) 極大極小の値gに基づき、決定された界面位 置より上方となる空気の相を白抜きで表した 、流速分布の時空間図である。

 図29は、時空間ラプラシアン差分に基づ たフィルタ関数を用いて決定した界面位置 示す時空間図であり、(a)は、時空間ラプラ アン差分に基づいたフィルタ関数により得 れた極大極小の値gを示す時空間図であり、( b)は極大極小の値gに基づき、決定された界面 位置より上方となる空気の相を白抜きで表し た、流速分布の時空間図である。

 図30は、補強時空間ラプラシアン差分に づいたフィルタ関数を用いて決定した界面 置を示す時空間図であり、(a)は、補強時空 ラプラシアン差分に基づいたフィルタ関数 より得られた極大極小の値gを示す時空間図 あり、(b)は極大極小の値gに基づき、決定さ れた界面位置より上方となる空気の相を白抜 きで表した、流速分布の時空間図である。

 図31は、フロッグ時空間ラプラシアン差 に基づいたフィルタ関数を用いて決定した 面位置を示す時空間図であり、(a)は、ブロ ク時空間ラプラシアン差分に基づいたフィ タ関数により得られた極大極小の値gを示す 空間図であり、(b)は極大極小の値gに基づき 、決定された界面位置より上方となる空気の 相を白抜きで表した、流速分布の時空間図で ある。

 以上より、いずれの差分演算に基づくフ ルタ関数を用いても、界面を検出すること 可能であることが明らかとなった。

『実際の界面位置と本発明に係る実施例で求 めた界面位置との関係』
 本実施例6では、実施例5における通常ゾー ル差分を用いて決定した界面位置と実際の 面位置との精度評価を行った。図32は、各々 の界面位置と時間変化との関係を示したグラ フである。図32より、各々の界面位置はほぼ 致していることが明らかである。ここで、 の通常ゾーベル差分を用いて決定した界面 置と実際の界面位置との誤差は、円管直径2 Rを基準として、その長さの5%以下である。し たがって、本実施例6により、液相において 単相流の流量計測と同等の精度で流量を算 でき、誤差を5%以下とすることができること が示された。

 ここで本実施例における表示手段3に表示 されるグラフィカルインターフェースの例を 図33に示す。図33において、左上欄のデータ 界面位置決定手段8による各演算結果または 得結果であり、左下欄のデータは決定され 界面位置を示し、右上欄のデータは決定し 界面位置と流速分布を示し、右下欄のゲー は流量を示しており、それぞれリアルタイ に表示させている。

 なお、本発明に係る超音波混相流量計1、 超音波混相流量計測プログラム1a、および超 波を用いた混相流量計測方法は、前述した 施形態に限定されるものではなく、適宜変 することができる。

 例えば、界面位置決定手段8における各演 算部および各取得部の選択は、流速分布や反 射波データの状況から自動的に選択されるよ うにしてもよい。

本発明に係る超音波混相流量計および 音波混相流量計測プログラムの実施形態を すブロック図である。 本実施形態における超音波送受信手段 使用形態を示す斜視図である。 本実施形態における円管内の混相流の 態および超音波トランスデューサの配置を す円管断面図である。 本実施形態におけるボイド率の計算に いる円管断面模式図である。 界面における入射波と反射波との干渉 よっておこる局所定在波を示す模式図であ 。 本実施形態における差分演算に用いら る空間一次片側差分に基づくフィルタ関数 行列を示す行列図である。 本実施形態における差分演算に用いら る空間二次中心差分に基づくフィルタ関数 行列を示す行列図である。 本実施形態における差分演算に用いら る通常ゾーベル差分(時間拡散空間勾配差分 )に基づくフィルタ関数の行列を示す行列図 ある。 本実施形態における差分演算に用いら る補強ゾーベル差分(時間強拡散空間勾配差 分)に基づくフィルタ関数の行列を示す行列 である。 本実施形態における差分演算に用いら れる面平均差分(時空間平均化差分)に基づく ィルタ関数の行列を示す行列図である。 本実施形態における差分演算に用いら れる二次元ラプラシアン差分に基づくフィル タ関数の行列を示す行列図である。 本実施形態における差分演算に用いら れる空間ラプラシアン差分に基づくフィルタ 関数の行列を示す行列図である。 本実施形態における差分演算に用いら れる時空間ラプラシアン差分(時間拡散空間 プラシアン差分)に基づくフィルタ関数の行 を示す行列図である。 本実施形態における差分演算に用いら れる補強時空間ラプラシアン差分に基づくフ ィルタ関数の行列を示す行列図である。 本実施形態における差分演算に用いら れるフロッグ時空間ラプラシアン差分に基づ くフィルタ関数の行列を示す行列図である。 本発明に係る超音波を用いた混相流量 計測方法の計測手順を示すフローチャートで ある。 本実施例において数値解析により算出 された円管内の所定時刻における液相と気相 との状態を示した円管断面モデル図およびボ イド率の算出結果である。 本実施例により算出されたボイド率と 正確なボイド率との誤差を示したグラフであ る。 計測線数とボイド率の誤差との関係を 示したグラフである。 本実施例により算出された流量と正確 な流量とを比較したグラフである。 本実施例における流速分布算出結果を 示す時空間図である。 本実施例における(a)空間一次片側差分 に基づいたフィルタ関数により得られた極大 極小の値gを示す時空間図、および(b)極大極 の値gに基づき、決定された界面位置より上 となる空気の相を白抜きで表した、流速分 の時空間図、である。 本実施例における(a)空間二次中心差分 に基づいたフィルタ関数により得られた極大 極小の値gを示す時空間図、および(b)極大極 の値gに基づき、決定された界面位置より上 となる空気の相を白抜きで表した、流速分 の時空間図、である。 本実施例における(a)通常ゾーベル差分 に基づいたフィルタ関数により得られた極大 極小の値gを示す時空間図、および(b)極大極 の値gに基づき、決定された界面位置より上 となる空気の相を白抜きで表した、流速分 の時空間図、である。 本実施例における(a)補強ゾーベル差分 に基づいたフィルタ関数により得られた極大 極小の値gを示す時空間図、および(b)極大極 の値gに基づき、決定された界面位置より上 となる空気の相を白抜きで表した、流速分 の時空間図、である。 本実施例における(a)面平均差分に基づ いたフィルタ関数により得られた極大極小の 値gを示す時空間図、および(b)極大極小の値g 基づき、決定された界面位置より上方とな 空気の相を白抜きで表した、流速分布の時 間図、である。 本実施例における(a)二次元ラプラシア ン差分に基づいたフィルタ関数により得られ た極大極小の値gを示す時空間図、および(b) 大極小の値gに基づき、決定された界面位置 り上方となる空気の相を白抜きで表した、 速分布の時空間図、である。 本実施例における(a)空間ラプラシアン 差分に基づいたフィルタ関数により得られた 極大極小の値gを示す時空間図、および(b)極 極小の値gに基づき、決定された界面位置よ 上方となる空気の相を白抜きで表した、流 分布の時空間図、である。 本実施例における(a)時空間ラプラシア ン差分に基づいたフィルタ関数により得られ た極大極小の値gを示す時空間図、および(b) 大極小の値gに基づき、決定された界面位置 り上方となる空気の相を白抜きで表した、 速分布の時空間図、である。 本実施例における(a)補強時空間ラプラ シアン差分に基づいたフィルタ関数により得 られた極大極小の値gを示す時空間図、およ (b)極大極小の値gに基づき、決定された界面 置より上方となる空気の相を白抜きで表し 、流速分布の時空間図、である。 本実施例における(a)フロッグ時空間ラ プラシアン差分に基づいたフィルタ関数によ り得られた極大極小の値gを示す時空間図、 よび(b)極大極小の値gに基づき、決定された 面位置より上方となる空気の相を白抜きで した、流速分布の時空間図である。 本実施例において決定した界面位置お よび実際の界面位置と、時間変化との関係を 示すグラフである。 本実施例における表示手段に表示され るグラフィカルインターフェースを示す図で ある。

符号の説明

 1 超音波混相流量計
 1a 超音波混相流量計測プログラム
 2 超音波送受信手段
 21 超音波トランスデューサ
 22 トランスデューサホルダー
 23 残響超音波吸収シート
 3 表示手段
 4 入力手段
 5 記憶手段
 51 プログラム記憶部
 52 データ記憶部
 6 演算処理手段
 7 流速分布算出手段
 8 界面位置決定手段
 81 差分演算部
 82 二値化演算部
 83 音響強度取得部
 84 圧力振幅取得部
 9 流量算出手段
 10 相判別手段
 11 位相差取得部
 12 相判別部
 P 円管
 G 気相
 W 液相
 L 計測線
 R 円管Pの半径