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Title:
WASTE HEAT UTILIZATION DEVICE FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/051139
Kind Code:
A1
Abstract:
A waste heat utilization device (2) for an internal combustion engine (4) has a Rankine cycle (8) for recovering waste heat from the engine (4), a generator (30) rotationally driven by an expander (14) and converting rotational drive force into electric power, a converter (32) for controlling the rotation speed of the expander (14) via the generator (30), refrigerant condition detection means (22, 24, 26, 28) for detecting the pressure and temperature of a refrigerant flowing by way of the expander (14), and a control device (34) for calculating, based on the pressure and temperature of the refrigerant detected by the refrigerant condition detection means (22, 24, 26, 28), the ratio Rp between pressures across the expander (14) and the ratio K of specific heat of the refrigerant flowing by way of the expander (14), calculating a set pressure ratio Rps of the pressure ratio Rp by raising a predetermined volume ratio Rv of the expander (14) to the power of the ratio K of specific heat, and instructing the rotation speed N of the expander (14) to the converter (32) based on the pressure ratio Rp and the set pressure ratio Rps.

Inventors:
KASUYA JUNICHIRO (JP)
KANOU YASUAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068669
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
October 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SANDEN CORP (JP)
KASUYA JUNICHIRO (JP)
KANOU YASUAKI (JP)
International Classes:
H02P9/04; F01P3/20; F02G5/00; F02G5/04
Domestic Patent References:
WO2003031775A12003-04-17
Foreign References:
JP2007255327A2007-10-04
JP2008169777A2008-07-24
JPS61150014A1986-07-08
Other References:
See also references of EP 2204902A4
Attorney, Agent or Firm:
NAGATO, Kanji (8-1 Shinbashi 5-chome, Minato-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 内燃機関の廃熱利用装置であって、
 冷媒の循環路に、内燃機関から回収された廃熱にて前記冷媒を加熱することにより該内燃機関から所定の吸熱量を確保する蒸発器、該蒸発器を経由した冷媒を所定の容積比で膨張させて回転駆動力を発生する膨張機、該膨張機を経由した冷媒を凝縮させる凝縮器、該凝縮器を経由した冷媒を前記蒸発器に圧送するポンプが順次介挿されるランキンサイクルと、
 前記膨張機により回転駆動され、前記回転駆動力を電力に変換する発電機と、
 前記発電機を介して前記膨張機の回転数を制御するコンバータと、
 前記膨張機を経由する冷媒の圧力及び温度を検出する冷媒状態検出手段と、
 前記冷媒状態検出手段にて検出された冷媒の圧力及び温度に基づいて、前記膨張機の前後の冷媒の圧力比、及び前記膨張機を経由する冷媒の比熱比を算出すると共に、前記所定の容積比を該比熱比で乗して前記圧力比の設定圧力比を算出し、該圧力比及び該設定圧力比に基づいて前記コンバータに前記膨張機の回転数を指示する制御装置と
を備える。
 請求項1の内燃機関の廃熱利用装置であって、
 前記制御装置は、前記圧力比が前記設定圧力比より小さいとき、前記膨張機の回転数を減少させる一方、前記圧力比が前記設定圧力比より大きいとき、前記膨張機の回転数を増加させる。
 請求項1または2の内燃機関の廃熱利用装置であって、
 前記制御装置は、前記冷媒状態検出手段にて検出された冷媒の圧力及び温度に基づいて前記比熱比が参照されるデータベースを有する。
 請求項2または3の内燃機関の廃熱利用装置であって、
 前記制御装置は、前記膨張機の回転数の増減によっても前記圧力比が変化しないときには、前記膨張機の回転数を変更前の回転数に戻す。
 請求項2乃至4の何れかの内燃機関の廃熱利用装置であって、
 前記制御装置は、前記膨張機の効率が所定値以上になる最低回転数から、前記膨張機の回転に係る安全係数に基づく最高回転数にかけての範囲内で前記膨張機の回転数を増減させる。
 請求項5の内燃機関の廃熱利用装置であって、
 前記制御装置は、前記所定の吸熱量を確保するべく前記膨張機の回転数を設定する。
 請求項2乃至6の何れかの内燃機関の廃熱利用装置であって、
 前記制御装置は、前記設定圧力比に対する前記圧力比の比率を算出し、該比率を所定の範囲内にするべく該設定圧力比を予め設定する。
 請求項7の内燃機関の廃熱利用装置であって、
 前記制御装置は、前記比率を1.0以上且つ1.25以下の範囲内にするべく前記設定圧力比を予め設定する。
 請求項7または8の内燃機関の廃熱利用装置であって、
 前記制御装置は、前記発電機の発電効率が最大となる前記比率の設定比率を予め推定し、前記比率を前記設定比率を中心とした前後0.05以内の範囲内にするべく前記設定圧力比を予め設定する。
Description:
内燃機関の廃熱利用装置

 本発明は、内燃機関の廃熱利用装置に係 、詳しくは、車両に好適な内燃機関の廃熱 用装置に関する。

 この種の内燃機関の廃熱利用装置は、冷媒 循環路に、例えば車両のエンジンを冷却し 後の冷却水から回収された廃熱にて冷媒を 熱する蒸発器、この蒸発器を経由した冷媒 膨張させて回転駆動力を発生する膨張機、 の膨張機を経由した冷媒を凝縮させる凝縮 、この凝縮器を経由した冷媒を蒸発器に圧 するポンプが順次介挿されるランキンサイ ルと、前記膨張機により回転駆動され、そ 回転駆動力を電力に変換する発電機とを備 ている。
 そして、膨張機の回転数を制御することに り、膨張機の入口側における高圧冷媒の圧 を低下させずにランキンサイクルを循環す 冷媒量を調節し、膨張機の回収電力を向上 る技術が知られている(例えば、日本国特開 昭61-150014号公報参照)。
 また、膨張機から吐出される冷媒の吐出圧 Peに対する膨張機に吸入される冷媒の吸入 力Psの圧力比(Ps/Pe)(いわゆる膨張比)と、冷媒 の吸入容積Vsに対する冷媒の吐出容積Veの容 比(Ve/Vs)と、膨張機を経由する冷媒の比熱比K とを算出し、圧力比(Ps/Pe)が容積比(Ve/Vs)に比 比Kを乗した値(以下、これを設定圧力比と う)と等しくなって、圧力比(Ps/Pe)=設定圧力 (Ve/Vs) K の関係式が成立するとき、膨張機を最大効率 で駆動できることが知られている(例えば、 本機械学会論文集(B編)54巻506号(スクロール 張機の基本性能に関する研究)参照)。

 このように、上記各従来技術によれば、圧 比(Ps/Pe)=設定圧力比(Ve/Vs) K の関係式が成立するように膨張機の回転数を 制御してランキンサイクルを循環する冷媒量 を調節することにより、廃熱利用装置の廃熱 回収における最大効率を得られることが容易 に類推できる。
 しかしながら、上記各従来技術には、膨張 の回転数制御を行うための具体的な構成や 御については明確にされておらず、また、 記最大効率は、あくまでも理論上の効率で って、実際には膨張機での冷媒の膨張はポ トロープ膨張となるため、上記関係式が成 しても上記最大効率を得ることはできない

 本発明は、このような課題に鑑みてなされ もので、廃熱回収における効率を簡易にし 確実に向上することができる内燃機関の廃 利用装置を提供することを目的とする。
 上記の目的を達成するべく、本発明の内燃 関の廃熱利用装置は、冷媒の循環路に、内 機関から回収された廃熱にて冷媒を加熱す ことにより内燃機関から所定の吸熱量を確 する蒸発器、蒸発器を経由した冷媒を所定 容積比で膨張させて回転駆動力を発生する 張機、膨張機を経由した冷媒を凝縮させる 縮器、凝縮器を経由した冷媒を蒸発器に圧 するポンプが順次介挿されるランキンサイ ルと、膨張機により回転駆動され、回転駆 力を電力に変換する発電機と、発電機を介 て膨張機の回転数を制御するコンバータと 膨張機を経由する冷媒の圧力及び温度を検 する冷媒状態検出手段と、冷媒状態検出手 にて検出された冷媒の圧力及び温度に基づ て、膨張機の前後の冷媒の圧力比、及び膨 機を経由する冷媒の比熱比を算出すると共 、所定の容積比を比熱比で乗して圧力比の 定圧力比を算出し、圧力比及び設定圧力比 基づいてコンバータに膨張機の回転数を指 する制御装置とを備えることを特徴として る。

 上記した内燃機関の廃熱利用装置によれば ランキンサイクルの熱負荷に応じて膨張機 回転数が大幅に変化したとしても、膨張機 入口側における高圧冷媒の圧力だけに基づ て膨張機の回転数を制御する場合に比して 膨張機の前後の圧力比、すなわち膨張比を 定圧力比に近づけて略一定に保持すること できるため、廃熱利用装置の廃熱回収にお る効率、ひいては発電効率を向上させるこ ができる。
 好適な態様として、上記した内燃機関の廃 利用装置において、制御装置は、圧力比が 定圧力比より小さいとき、膨張機の回転数 減少させる一方、圧力比が設定圧力比より きいとき、膨張機の回転数を増加させる。
 この構成によれば、廃熱利用装置の廃熱回 における効率、ひいては発電効率を確実に 上させることができる。

 好適な態様として、上記した内燃機関の廃 利用装置において、制御装置は、冷媒状態 出手段にて検出された冷媒の圧力及び温度 基づいて比熱比が参照されるデータベース 有する。
 この構成によれば、膨張機を経由する冷媒 比熱比を簡易にして算出することができ、 熱回収における効率、ひいては発電効率を 易にして確実に向上させることができる。
 好適な態様として、上記した内燃機関の廃 利用装置において、制御装置は、膨張機の 転数の増減によっても圧力比が変化しない きには、膨張機の回転数を変更前の回転数 戻す。
 この構成によれば、圧力比の変化がないに 拘わらず、膨張機の回転数を変化させる無 を排除することができるため、ランキンサ クル、ひいては廃熱利用装置の作動の安定 や膨張機の回転数制御の効率化を図ること でき、廃熱利用装置の廃熱回収における効 、ひいては発電効率を更に向上させること できる。

 好適な態様として、上記した内燃機関の廃 利用装置において、制御装置は、膨張機の 率が所定値以上になる最低回転数から、膨 機の回転に係る安全係数に基づく最高回転 にかけての範囲内で膨張機の回転数を増減 せる。
 この構成によれば、膨張機を適正に回転駆 させてランキンサイクルを適正に作動させ ことができるため、ランキンサイクル、ひ ては廃熱利用装置の作動の安定化や膨張機 回転数制御の効率化を図ることができ、廃 利用装置の廃熱回収における効率、ひいて 発電効率を更に向上させることができる。
 好適な態様として、上記した内燃機関の廃 利用装置において、制御装置は、所定の吸 量を確保するべく膨張機の回転数を設定す 。
 この構成によれば、ランキンサイクルの熱 荷に応じて膨張機の回転数が大幅に変化し としても、膨張機の前後の圧力比、すなわ 膨張比を設定圧力比に近づけて略一定に保 しつつ、蒸発器、ひいてはランキンサイク における吸熱量を確保することができるた 、廃熱利用装置の廃熱回収における効率、 いては発電効率を更に確実に向上させるこ ができる。

 好適な態様として、上記した内燃機関の廃 利用装置において、制御装置は、設定圧力 に対する圧力比の比率を算出し、この比率 所定の範囲内にするべく設定圧力比を予め 定する。
 この構成によれば、膨張機での冷媒の膨張 、実際には冷媒の若干の漏れ等に伴う熱出 りによってポリトロープ膨張となるため、 のいわば膨張機の漏れ性能を考慮して上記 定の範囲にするべく設定圧力比を予め設定 ることにより、廃熱利用装置の廃熱回収に ける最大効率、ひいては最大発電効率を達 することができる。
 好適な態様として、上記した内燃機関の廃 利用装置において、制御装置は、上記比率 1.0以上且つ1.25以下の範囲内にするべく設定 圧力比を予め設定する。
 この構成によれば、膨張機における冷媒漏 性能を考慮すると、上記比率を上記範囲に 制することによって発電機の最大発電効率 達成できることができるため、この比率に づいて膨張機の回転数を制御することによ て廃熱利用装置の廃熱回収における最大効 、ひいては最大発電効率を確実に達成する とができる。

 好適な態様として、上記した内燃機関の廃 利用装置において、制御装置は、発電機の 電効率が最大となる上記比率の設定比率を め推定し、この比率を設定比率を中心とし 前後0.05以内の範囲内にするべく設定圧力比 を予め設定する。
 この構成によれば、膨張機の性能向上によ てその冷媒漏れ性能が向上したとしても、 電機の発電効率が最大となる上記設定比率 予め推定し、この設定比率を中心として膨 機の回転数を制御することができるため、 熱利用装置の廃熱回収における最大効率、 いては最大発電効率をより一層確実に達成 ることができる。

本発明の一実施形態に係る内燃機関の 熱利用装置を示した模式図、 図1の制御装置の構成を示した模式図、 図2の制御装置で実行される膨張機の回 転数制御の制御ルーチンを示したフローチャ ート、 設定圧力比Rpsに対する圧力比Rpの比率R 発電機の発電効率Eとの関係を示す曲線図、 図1のランキンサイクル回路の熱収支を 示したモリエル線図である。

 以下、図面により本発明の一実施形態につ て説明する。
 図1は、本実施形態の廃熱利用装置2の構成 概略的に示した模式図である。廃熱利用装 2は、例えば車両のエンジン(内燃機関)4を冷 する冷却水回路6と、エンジン4の廃熱を回 するランキンサイクル回路(ランキンサイク )8(以下、RC回路という)とから構成されてい 。
 冷却水回路6は、エンジン4から延設される 却水の循環路7に、冷却水の流れ方向から順 蒸発器10、水ポンプ12が介挿されて閉回路を 構成している。
 蒸発器10は、冷却水回路6の冷却水とRC回路8 冷媒とを熱交換させる熱交換器であって、 ンジン4にて加熱された冷却水、すなわち温 水を熱媒体としてエンジン4の廃熱をRC回路8 に吸熱させて回収している。蒸発器10を経由 することによって冷媒に吸熱されて温度低下 した冷却水は、エンジン4を経由して冷却す ことにより再び加熱された温水となる。
 水ポンプ12は、エンジン4の回転数に応じて 動され、冷却水回路6に冷却水を好適に循環 させる。

 一方、RC回路8は、冷媒の循環路9に、冷媒の 流れ方向から順に蒸発器10、膨張機14、凝縮 16、冷媒ポンプ(ポンプ)18が介挿されて閉回 を構成している。
 膨張機14は、蒸発器10で加熱されて過熱蒸気 の状態となった冷媒を膨張させ、回転駆動力 を発生させる容積式の流体機器である。また 、膨張機14には発電装置20が機械的に連結さ 、発電装置20は膨張機14の回転駆動力を電力 換して交流電力を発生する。
 凝縮器16は、膨張機14から吐出される冷媒を 外気と熱交換させて凝縮液化する空冷式の熱 交換器であり、凝縮器16で凝縮された液冷媒 冷媒ポンプ18によって蒸発器10に圧送される 。
 冷媒ポンプ18は、その駆動部に入力される 号に応じて駆動される電動ポンプであり、RC 回路8に冷媒を好適に循環させる。

 ここで、循環路9には、膨張機14の入口14a近 に、蒸発器10側から順に、膨張機14に吸入さ れる冷媒の吸入圧力Psを検出する圧力センサ( 冷媒状態検出手段)22、吸入温度Tsを検出する 度センサ(冷媒状態検出手段)24が設置されて いる。
 また、膨張機14の出口14b近傍にも、膨張機14 側から順に、膨張機14から吐出される冷媒の 出圧力Peを検出する圧力センサ(冷媒状態検 手段)26、吐出温度Teを検出する温度センサ( 媒状態検出手段)28が設置され、これらセン 22、24、26、28は発電装置20に電気的に接続さ れている。
 詳しくは、図2に示される発電装置20の構成 示した模式図を参照すると、発電装置20は 発電機30、PWMコンバータ(コンバータ)32、制 装置34から構成されている。
 また、制御装置34は、周波数指示装置36、デ ータベース38から構成され、センサ22、24、26 28は周波数指示装置36に電気的に接続されて いる。
 発電機30は、連結軸15を介して膨張機14によ て駆動され、交流電力を発生する。なお、 電機30を膨張機14と同軸の一体化構造として も良い。

 PWMコンバータ32は、発電機30に電気的に接続 され、発電機30から出力される交流電力をパ ス幅変調方式により直流電力に変換して負 33に出力する変換装置である。負荷33は、得 られた直流電力を廃熱利用装置2の外部で利 可能にする電力系統のことである。
 ここで、本実施形態のPWMコンバータ32は、 電機30、ひいては発電機30と一体に回転駆動 れる膨張機14の回転周波数を制御する図示 ない制御回路を備えており、この制御回路 は周波数指示装置36から回転周波数となるゲ ート信号37が入力される。
 周波数指示装置36には、図示しないメモリ 内蔵され、このメモリにはセンサ22、24、26 28から検出された冷媒データが周期的に入力 される。周波数指示装置36は、これら冷媒デ タに基づいて、データベース38を参照しつ 、後述する各種演算や制御ルーチンを実行 、これより決定されたゲート信号37をPWMコン バータ32に出力している。

 詳しくは、周波数指示装置36では、膨張機14 における冷媒の吸入容積Vsに対する吐出容積V eの比である容積比(Ve/Vs)(以下、Rvという)と、 吐出圧力Peに対する吸入圧力Psの比である圧 比(Ps/Pe)(いわゆる膨張比、以下、Rpという)と 、圧力比Rpの理論値であって、容積比Rvをデ タベース38にて参照される冷媒の比熱比Kで した理論設定圧力比(Ve/Vs) K (以下、Rpiという)とが算出される。そして、 出された容積比Rv、圧力比Rp、理論設定圧力 比Rpiは周波数指示装置36のメモリに周期的に 納される。なお、容積比Rvは膨張機14の固有 値であり、また、圧力比Rp=理論設定圧力比Rpi となるときには、膨張機14の理論最大効率が られ、ひいては発電機30の理論最大発電効 Eimが得られることが知られている。

 一方、データベース38は、周波数指示装置36 と双方向のデータのやり取りが可能なデータ テーブルであって、センサ22,24にてそれぞれ 出された吸入圧力Ps、吸入温度Tsに基づいて 、膨張機14への吸入冷媒の比熱比K1が参照可 であると共に、センサ26,28にてそれぞれ検出 された吐出圧力Pe、吐出温度Teに基づいて、 張機14からの吐出冷媒の比熱比K2が参照可能 構成されている。
 そして、周波数指示装置36では、データベ ス38から呼び出された比熱比K1,K2を平均演算 ることによって、膨張機14の入口14aから出 14bにかけて流れる冷媒の比熱比K(=(K1+K2)/2)が 出される。なお、データベース38の参照に たっては補間処理を行うことが好ましい。
 また、周波数指示装置36は、圧力比Rpの設定 値である設定圧力比Rpsに応じてゲート信号37 決定してPWMコンバータ32に出力している。PW Mコンバータ32は、こうして決定されたゲート 信号37に応じて、発電機30、ひいては膨張機14 の回転数制御を行っている。

 具体的には、PWMコンバータ32は、圧力比Rpが 設定圧力比Rpsより小さいときには、膨張機14 回転数Nを減少させる一方、圧力比Rpが設定 力比Rpsより大きいときには、膨張機14の回 数Nを増加させ、圧力比Rpを設定圧力比Rpsに 一定に保持するべく膨張機14の回転数制御を 行う。
 ここで、回転数Nの増減により圧力比Rpが変 するプロセスについて説明すると、例えば 回転数Nを減少させることによって駆動トル クが増大し、膨張機14を通過する冷媒の通水 抗が増大する。これにより、膨張機14の入 側に蒸発器10を通過した蒸発冷媒が停滞し、 ひいては冷媒の蒸発圧力が上昇することなる ため、結果的に圧力比Rpが大きくなる。

 以下、図3に示されるフローチャートを参照 して、周波数指示装置36にてゲート信号37を 化させることにより実行される膨張機14の回 転数制御の制御ルーチンについて詳しく説明 する。
 先ず、当該回転数制御が開始されるとS1に 行する(以下、Sはステップを表す)。
 S1では、周波数指示装置36のメモリから容積 比Rvを呼び出し、S2に移行する。
 S2では、センサ22,24にてそれぞれ吸入圧力Ps び吸入温度Tsを検出し、S3に移行する。
 S3では、データベース38においてS2にて検出 れた吸入圧力Ps及び吸入温度Tsに対応する比 熱比K1を参照し、S4に移行する。
 S4では、センサ26,28にてそれぞれ吐出圧力Pe び吐出温度Teを検出し、S5に移行する。
 S5では、データベース38においてS4にて検出 れた吐出圧力Pe及び吐出温度Teに対応する比 熱比K2を参照し、S6に移行する。

 S6では、比熱比K1,K2を平均して比熱比Kを算 し、この比熱比Kを用いて理論設定圧力比Rpi 算出し、S7に移行する。
 S7では、圧力比Rpを算出してS8に移行する。
 S8では、蒸発器10における冷却水回路6から 吸熱量Qが所定値以上か否かを判定する。判 結果が真(Yes)で吸熱量Qが所定値以上と判定 れた場合にはS9に移行し、判定結果が偽(No) 吸熱量Qが所定値未満と判定された場合には S10に移行する。なお、蒸発器10における冷媒 蒸発温度をTi、冷却水の入水温度をTh、蒸発 器10の固有値である熱伝達率をa、伝熱面積を Aとすると、一般に、吸熱量Qは、Q=a×A×(Th-Ti) 式により算出される。
 S9に移行した場合には、圧力比Rpが変化して いるか否かを判定する。判定結果が真(Yes)で 力比Rpが変化していると判定された場合に S11に移行し、判定結果が偽(No)で圧力比Rpが 化していないと判定された場合であって、 制御ルーチンの前回周期で膨張機14の回転数 Nを増加させた場合にはS12に移行し、一方、 制御ルーチンの前回周期で膨張機14の回転数 Nを減少させた場合にはS10に移行する。なお 本制御ルーチンの初回周期にS9を実行する場 合には、無条件でS11に移行する。

 S11に移行した場合には、設定圧力比Rps>圧 力比Rpが成立するか否かを判定する。判定結 が真(Yes)で設定圧力比Rpi>圧力比Rpが成立 ると判定された場合にはS12に移行し、判定 果が偽(No)で設定圧力比Rpi>圧力比Rpが成立 ないと判定された場合には、S10に移行する
 上記S9,11にてS12に移行した場合には、膨張 14の回転数Nが最低回転数Nminより小さいか否 を判定する。判定結果が真(Yes)でN<Nminが 立すると判定された場合には、S2に移行して 本制御ルーチンの次回周期に入り、判定結果 が偽(No)でN<Nminが成立しない、すなわちN≧N minが成立すると判定された場合には、S13に移 行する。なお、最低回転数Nminは、回転数Nが さくなることにより膨張機14の効率が極端 低下しない程度の所定値以上、具体的には 発明者の実験結果により最大効率の75%以上 なるような回転数値(例えば、1000rpm程度)と て予め設定されている。

 一方、上記S8,9,11にてS10に移行した場合には 、膨張機14の回転数Nが最高回転数Nmaxより大 いか否かを判定する。判定結果が真(Yes)でN&g t;Nmaxが成立すると判定された場合には、S2に 行して本制御ルーチンの次回周期に入り、 定結果が偽(No)でN>Nmaxが成立しない、すな わちN≦Nmaxが成立すると判定された場合には S14に移行する。なお、最高回転数Nmaxは、膨 張機14の駆動に係る所定の安全係数に基づい 回転数値として予め設定されている。
 S13に移行した場合には、膨張機14の回転数N 所定数減少させた後、S2に移行して本制御 ーチンの次回周期に入る。
 一方、S14に移行した場合には、膨張機14の 転数Nを所定数増大させた後、S2に移行して 制御ルーチンの次回周期に入る。
 このように、当該回転数制御では、圧力比R pを設定圧力比Rpsに略一定に保持させるべく 張機14の回転数Nを適宜変化させている。

 ここで、当該回転数制御を行うに際し、発 機30の発電効率Eを理論最大発電効率Eimに近 けるためには、上述したように、理論的に 、圧力比Rpが理論設定圧力比Rpiに等しくな ように、すなわち、設定圧力比Rpsを理論設 圧力比Rpiに予め設定し、設定圧力比Rpsに対 る圧力比Rpの比率Rが1.0になるように、膨張 14の回転数Nを変化させれば良いことになる
 しかし、実際には、膨張機14での冷媒の膨 は、冷媒の若干の漏れ等に伴う熱の出入り よってポリトロープ膨張となるため、この について考慮しなければ、発電機30の発電効 率Eの実際の最大値である最大発電効率Emを得 ることはできない。
 詳しくは、図4に示される比率Rと発電効率E の関係曲線図を参照すると、本実施形態のR C回路8における実験結果では、実線で示され ように、比率Rの設定値が約1.18(以下、設定 率Rsという)になり得る範囲に設定圧力比Rps 予め設定し、この設定圧力比Rpsの近傍にお て圧力比Rpが略一定に保持されるように膨 機14の回転数制御を行うことにより最大発電 効率Emに近づけることができる。

 また、一般に、設定比率Rsを境界として比 Rが増加する方向は不足膨張といい、一方、 率Rが減少する方向を過膨張といい、過膨張 のときより不足膨張のときのほうが図4の曲 の傾きが小さくなって発電効率Eが最大発電 率Emにより近づくことが知られている。
 そこで、本発明では、最大発電効率Emを得 れる設定比率Rsが実際には1.0とはならず、し かも、比率Rが不足膨張側に大きいほうが最 発電効率Emを得るには有利であることに着眼 し、更に、RC回路8が正常に稼働したときには 必ず比率R≧1.0の関係式が成立する点も踏ま て、設定圧力比Rpsが1.0≦R≦1.25(図4中に示さ る実線矢印範囲)の関係式を満たすべく予め 設定される。
 一方、当該回転数制御のS8において、吸熱 Qが所定値以上か否かが判定されるが、吸熱 Qが確保できなくなるのは、凝縮器16は空冷 であることから、外気温度が高いと凝縮器1 6における冷媒の凝縮温度が高くなるため、 張機14の上記回転数制御を行うことにより、 蒸発器10における冷媒の蒸発温度Tiも高くな 、ひいては蒸発器10における冷媒の蒸発温度 Tiと冷却水の入水温度Thとの温度差δTが必然 に小さくなることに起因する。

 以下、図5に示されるモリエル線図を参照し てRC回路8の熱収支について説明する。
 先ず、本実施形態の膨張機14の回転数制御 行う前においては、冷媒(A)は蒸発器10に流入 し、冷却水回路6を流れるエンジン4で加熱さ た後の温水で加熱されて、エンタルピiが増 加したガス状態の冷媒(B)にされる。冷媒(B)は 膨張機14で膨張されて、減圧された冷媒(C)に れる。そして、冷媒(C)は凝縮器16で凝縮さ 、エンタルピiが減少した冷媒(D)にされ、冷 (D)は冷媒ポンプ18により加圧されて冷媒(A) なった後、再び蒸発器10に流入する。
 ここで、冷媒(A)の蒸発温度Tiは約80℃であり 、冷却水aの入水温度Thが約90℃であることか 温度差δTを約10℃確保でき、ひいては所定 吸熱量Qも確保することができる。
 一方、本実施形態の膨張機14の回転数制御 行うと、上述したように、蒸発温度Tiが例え ば約85℃に高くなり、図5中に示すA’→B’→C ’→D’の順にサイクルが繰り返される。こ 場合には、温度差δTが約5℃に半減するため 所定の吸熱量Qを確保できない。

 そこで、当該回転数制御を行う際に、蒸発 度Tiが過大になるのを防止して、RC回路8で 求される吸熱量Q、換言すると、冷却水によ エンジン4の冷却に必要な放熱量Q’を確保 きるようにする必要がある。
 具体的には、温度差δTが所定の温度以下と る場合や、エンジン4における冷却水の入出 水温度が所定の温度以上となる場合、或いは 、蒸発器10における冷却水の入出水温度が所 の温度以上となる場合、または、蒸発器10 おける冷却水の入出水温度差に蒸発器10を通 過する冷却水量を掛けた値が所定値以下とな る場合等に回転数Nを大きくする。これによ 、図5中に示すA”→B→C”→D’の順にサイク ルが繰り返され、当該回転数制御を行いつつ 温度差δTを約10℃確保でき、所定の吸熱量Qを 確保することができる。従って、RC回路8を季 節に応じて作動させ、膨張機14の回転数Nが広 い回転数領域で変化したとしても、廃熱利用 装置2の廃熱回収における効率、ひいては発 効率Eをより一層確実に向上させ、最大発電 率Emにより近づけることができる。
 以上のように、本実施形態では、周波数指 装置36にて上記回転数制御に係る制御ルー ンを実行し、ゲート信号37を適宜変化させな がら膨張機14の回転数を制御することにより RC回路8を季節に応じて作動させ、膨張機14 回転数Nが広い回転数領域で変化したとして 、膨張機14の膨張比たる圧力比Rpを最大発電 効率Emを得られる位置に略一定に保持させる とができるため、熱利用装置2の廃熱回収に おける効率、ひいては発電効率Eを確実に向 させ、最大発電効率Emに近づけることができ る。

 しかも、制御装置34が比熱比K1,K2を参照可能 なデータベース38を有することにより、膨張 14を経由する冷媒の比熱比Kを簡易にして算 することができ、廃熱回収における効率、 いては発電効率Eを簡易にして確実に向上さ せることができる。
 また、上記回転数制御の制御ルーチンのS9 S12→S13、または、S9→S10→S14のステップにお いて、膨張機14の回転数Nの増減によっても圧 力比Rpが変化しないときには、膨張機14の回 数Nを前回周期の回転数Nに戻す処理を実行す ることにより、圧力比Rpの変化がないにも拘 らず膨張機14の回転数Nを変化させる無駄が 除され、RC回路8、及び廃熱利用装置2の作動 の安定化、ひいては膨張機14の回転数制御の 率化を図ることができ、廃熱利用装置2の廃 熱回収における効率、ひいては発電効率Eを に向上させることができる。

 特に本発明では、周波数指示装置36にて設 圧力比Rpsに対する圧力比Rpの比率Rを算出し 設定圧力比Rpsが1.0≦R≦1.25の関係式を満たす べく予め設定されているため、廃熱利用装置 2の廃熱回収における最大効率、ひいては最 発電効率Emをより一層確実に得ることができ る。
 以上で本発明の一実施形態についての説明 終えるが、本発明は上記実施形態に限定さ るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しな 範囲で種々の変更ができるものである。
 例えば、上記実施形態では、設定圧力比Rps 1.0≦R≦1.25の関係式を満たすべく予め設定 れるが、この範囲に限らず、膨張機14の性能 向上によってその冷媒漏れ性能が向上した場 合を想定して設定比率Rsを推定し、この設定 率Rsを中心にして、例えばRs-0.05≦R≦Rs+0.05 範囲に比率Rが位置づけられるように設定圧 比Rpsを予め設定しても良い。この場合には 膨張機14の性能向上によってその冷媒漏れ 能が向上したとしても、設定比率Rsを中心と した膨張機14の回転数制御を常時精度良く行 ことができるため、廃熱利用装置2の廃熱回 収における最大効率、ひいては最大発電効率 Emを更に確実に達成することができる。

 また、上記実施形態では、データベース38 びセンサ22、24、26、28によって比熱比K1,K2が 照され、ひいては比熱比Kが算出されるが、 これに限らず、比熱比K1のみを簡易的に比熱 Kとして使用しても良く、この場合にはセン サ26,28が不要となってRC回路8のコストを低減 ることができる。
 更に、上記実施形態では、PWMコンバータ32 膨張機14の回転数Nを増減させているが、負 33の負荷を変えることにより回転数Nを増減 せるようにしても良い。