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Patent Searching and Data


Title:
WAVELENGTH CONVERSION ELEMENT AND WAVELENGTH CONVERSION LASER DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/034625
Kind Code:
A1
Abstract:
A planar waveguide-type wavelength conversion element comprises a flat nonlinear optical material and propagates the fundamental wave of laser light in laser oscillation modes in a direction perpendicular to a flat major surface perpendicular to the optical axis to perform the wavelength conversion of the fundamental wave. The period of polarization inversion of the nonlinear optical material is varied such that the nonlinear optical material has the width of a phase matching band A including phase matching conditions of at least two laser oscillation modes out of the laser oscillation modes, and thus a polarization nonreversed region and a polarization reversed region are formed in the nonlinear optical material.

Inventors:
KOYATA YASUHARU (JP)
YANAGISAWA TAKAYUKI (JP)
YAMAMOTO SHUHEI (JP)
HIRANO YOSHIHITO (JP)
NAGATSUKA TSUTOMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/067737
Publication Date:
March 19, 2009
Filing Date:
September 12, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
KOYATA YASUHARU (JP)
YANAGISAWA TAKAYUKI (JP)
YAMAMOTO SHUHEI (JP)
HIRANO YOSHIHITO (JP)
NAGATSUKA TSUTOMU (JP)
International Classes:
G02F1/37; H01S3/06; H01S3/109
Foreign References:
JP2007079227A2007-03-29
JP2003186069A2003-07-03
JP2006066817A2006-03-09
JPH07106682A1995-04-21
JP2006330661A2006-12-07
JPH07225403A1995-08-22
JP2007079227A2007-03-29
US20030084837A12003-05-08
JP2006066817A2006-03-09
JPH07106682A1995-04-21
Other References:
See also references of EP 2192443A4
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Hiroaki (Kasumigaseki Building2-5, Kasumigaseki 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 20, JP)
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Claims:
 平板状の非線形光学材料を有するとともに、光軸に対して垂直な方向である前記平板状の主面に垂直な方向に複数のレーザ発振モードでレーザ光の基本波を伝搬して前記基本波の波長変換を行なう平面導波路型の波長変換素子において、
 前記非線形光学材料は、前記複数のレーザ発振モードのうち少なくとも2つのレーザ発振モードの位相整合条件を含んだ位相整合帯域幅を有するよう分極反転の周期が変化されて、非分極反転領域と分極反転領域とが形成されていることを特徴とする波長変換素子。
 前記少なくとも2つのレーザ発振モードは、奇数次のレーザ発振モードと偶数次のレーザ発振モードとを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
 前記少なくとも2つのレーザ発振モードは、0次モードおよび1次モードであることを特徴とする請求項2に記載の波長変換素子。
 前記基本波の波長変換は、前記レーザ光の基本波を発振させる共振器内部で行なうことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の波長変換素子。
 基本波レーザ光を発振させる導波路型の固体レーザ素子と、平板状の非線形光学材料を有するとともに光軸に対して垂直な方向である前記平板状の主面に垂直な方向に複数のレーザ発振モードで前記レーザ光の基本波を伝搬して前記基本波の波長変換を行なう平面導波路型の波長変換素子と、を有する波長変換レーザ装置において、
 前記非線形光学材料は、前記複数のレーザ発振モードのうち少なくとも2つのレーザ発振モードの位相整合条件を含んだ位相整合帯域幅を有するよう分極反転の周期を変化させられて、非分極反転領域と分極反転領域とが形成されていることを特徴とする波長変換レーザ装置。
Description:
波長変換素子および波長変換レ ザ装置

 本発明は、平面導波路内でレーザ光の波 変換を行なう波長変換素子および波長変換 ーザ装置に関するものである。

 プリンターやプロジェクションテレビな のカラー画像を表示する装置では、光源と てR(赤)、G(緑)、B(青)の3つの色の光源が必要 とされる。近年、これらの光源として、900nm 、1μm帯、1.3μm帯のレーザ光を基本波レーザ 光とし、非線形材料を用いて基本波レーザ光 を半分の波長(2倍の周波数)の第2高調波に変 (SHG(Second Harmonic Generation))する波長変換レー ザ装置(レーザ発振器)が開発されている。

 SHGでは、所望の波長を有したレーザ光を 率良く抽出するために、基本波レーザ光か 第2高調波レーザ光への高い変換効率を実現 する必要がある。波長変換素子内で基本波レ ーザ光から第2高調波レーザ光へ変換するた には、変換前の基本波レーザ光と変換後の 2高調波との間で、位相整合条件を満足させ ければならない。位相整合条件は、波長変 素子において基本波レーザ光と第2高調波レ ーザ光の位相ずれを補正する条件である。位 相整合条件を満たして波長変換を行なう素子 としては、例えば周期構造を用いた擬似位相 整合(QPM(Quasi Phase Matching))素子が知られてい 。このQPM波長変換素子では、非線形光学結 である周期分極ニオブ酸リチウム(PPLN(Periodi cally Poled Lithium Niobate))などに光導波路を形 し、導波方向に沿って分極を周期的に反転 せている。

 ところが、QPM波長変換素子では、基本波 波長、および波長変換素子の温度に対する 相整合条件の許容度(位相整合帯域幅)が狭 。このため、位相整合帯域幅を広くする方 として、分極反転周期のピッチなどを徐々 変化させた構造(分極反転の周期構造をチャ プ状に変化させる構造)のQPM波長変換素子が 提案されている。

 特許文献1に記載の光波長変換素子は、非 線形光学結晶に形成した周期状の分極反転構 造を有し、分極反転構造が単一の周期部分( 一周期部分)と、徐々に周期が変化している ャープ周期部分と、を有している。

特開2000-321610号公報

 しかしながら、上記従来の技術では、導 路における高次のレーザ発振モード(高次モ ード)で基本波が発振した場合に、高次モー の基本波に対して位相整合条件を満たさな ので、高次モードの基本波を効率良く波長 換することができない。このため、複数の ーザ発振モードに対する波長変換効率が低 なるという問題があった。また、高次モー の基本波の発生を抑制するためには、波長 換素子を薄くしなければならないが、波長 換素子の薄型化は困難であるといった問題 あった。

 本発明は、上記に鑑みてなされたもので って、簡易な構成で基本波波長を効率良く 長変換する波長変換素子および波長変換レ ザ装置を得ることを目的とする。

 上述した課題を解決し、目的を達成する めに、本発明は、平板状の非線形光学材料 有するとともに、光軸に対して垂直な方向 ある前記平板状の主面に垂直な方向に複数 レーザ発振モードでレーザ光の基本波を伝 して前記基本波の波長変換を行なう平面導 路型の波長変換素子において、前記非線形 学材料は、前記複数のレーザ発振モードの ち少なくとも2つのレーザ発振モードの位相 整合条件を含んだ位相整合帯域幅を有するよ う分極反転の周期が変化されて、非分極反転 領域と分極反転領域とが形成されていること を特徴とする。

 本発明に係る波長変換素子は、少なくと 2つのレーザ発振モードの位相整合条件を含 んだ位相整合帯域幅を有するよう非線形光学 材料の分極反転の周期を変化させているので 、簡易な構成で基本波波長を効率良く波長変 換することが可能になるという効果を奏する 。

図1は、本発明の実施の形態に係る波長 変換レーザ装置の構成を側面方向から見た断 面図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る波長 変換レーザ装置の構成を示す上面図である。 図3は、波長変換素子の構成を示す斜視 図である。 図4は、波長変換素子の分極反転パター ンを説明するための図である。 図5は、レーザ発振モードの高次モード への移乗を説明するための図である。 図6は、位相整合帯域の広帯域化を説明 するための図である。 図7は、各レーザ発振モードの基本波波 長と波長変換素子の温度との関係を示す図で ある。 図8は、各レーザ発振モードの基本波波 長と分極反転周期の関係を示す図である。 図9は、0次モードと1次モードの基本波 長を波長変換する際の分極反転周期の一例 示す図である。 図10は、図9に示した分極反転周期で複 数モードの波長変換を行なった場合の波長変 換効率を示す図である。 図11は、図9に示した分極反転周期で多 波長発振の波長変換を行なった場合の波長変 換効率を示す図である。 図12は、従来用いられていた波長変換 子の波長変換効率を示す図である。 図13は、分極反転周期を曲線的に変化 せた場合の分極反転周期の一例を示す図で る。

符号の説明

 1 非線形光学材料
 2,3,22,23 クラッド
 4 分極反転層
 6 光学軸
 10 波長変換素子
 11a,11b,25a,25b 端面
 20 固体レーザ素子
 21 レーザ媒質
 30 半導体レーザ
 100 波長変換レーザ装置
 A 位相整合帯域
 L 高調波レーザ光

 以下に、本発明に係る波長変換素子およ 波長変換レーザ装置の実施の形態を図面に づいて詳細に説明する。なお、この実施の 態によりこの発明が限定されるものではな 。

実施の形態
 図1は、本発明の実施の形態に係る波長変換 レーザ装置の構成を側面方向から見た断面図 であり、図2は、本発明の実施の形態に係る 長変換レーザ装置の構成を示す上面図であ 。なお、図1および図2では、レーザ発振方向 を表す光学軸を光学軸6で示している。

 平面導波路型の波長変換レーザ装置100は 複数のレーザ発振モード(0次モードや1次モ ドなど)で発振する基本波を波長変換できる よう、分極反転周期のピッチなどを徐々に変 化させたレーザ発振器である。波長変換レー ザ装置100は、例えば光情報処理分野などにお いて、レーザディスプレイ装置や光メモリ装 置の光源に使用される。

 波長変換レーザ装置100は、半導体レーザ3 0と、固体レーザ素子20と、本発明の主たる特 徴である波長変換素子(導波路型波長変換素 )10と、を含んで構成されている。

 半導体レーザ30は、1~複数の活性層から1~ 数のLD(Laser Diode)光を出力する。半導体レー ザ30は、複数のLD光を出力する場合には、LD光 をアレー状に出射し、固体レーザ素子20にマ チエミッタ発振を行なわせる。固体レーザ 子20は、基本波レーザ光を発振させる素子 あり、レーザ媒質21とクラッド(低屈折率部)2 2,23を有している。波長変換素子10は、発振し た基本波レーザ光を第2高調波レーザ光に変 するとともに、変換した第2高調波レーザ光 出射する素子である。波長変換素子10は、 ラブ型の導波路構造を有しており、非線形 学材料1とクラッド2,3を有している。

 以下では、説明の便宜上、光学軸6をz軸 向とし、波長変換レーザ装置100の主面と垂 な方向をy軸方向とし、y軸とz軸の両方に垂 な方向(波長変換素子10などの幅方向)をx軸方 向として説明する。

 半導体レーザ30、レーザ媒質21、非線形光 学材料1は、それぞれ概略矩形状の平板状を しており、各平板状の主面がxz平面と平行に なるよう配設(1枚の平面内に並設)されている 。レーザ媒質21は、レーザ媒質21の1つの側面( z軸に垂直な端面25a)で半導体レーザ30に近接 、この側面と対向する側面(z軸に垂直な端面 25b)で非線形光学材料1と近接するよう、半導 レーザ30と非線形光学材料1の間に配設され いる。非線形光学材料1は、光学軸6に垂直 端面11aおよび端面11bを有しており、端面11a レーザ媒質21の端面25bに近接して配置されて いる。非線形光学材料1の端面11bは、第2高調 レーザ光Lを出射する側の端面である。

 半導体レーザ30とレーザ媒質21とが近接す る近接面は、半導体レーザ30とレーザ媒質21 でほぼ同じ面形状(概略矩形状)を有し、レー ザ媒質21と非線形光学材料1とが近接する近接 面は、レーザ媒質21と非線形光学材料1とでほ ぼ同じ面形状(概略矩形状)を有している。

 換言すると、波長変換レーザ装置100では 半導体レーザ30の出射面、レーザ媒質21の端 面25a,25b、非線形光学材料1の端面11a,11bがそれ ぞれ、平行となるよう半導体レーザ30、固体 ーザ素子20、波長変換素子10が配設されてい る。半導体レーザ30には、必要に応じて冷却 のヒートシンク(図示せず)を接合してもよ 。半導体レーザ30のx軸方向の幅は、レーザ 質21のx軸方向の幅とほぼ等しく、半導体レ ザ30はx軸方向にほぼ一様に励起光を出力す 。半導体レーザ30は、例えばLD光を出力する 性層を複数配置したマルチエミッタ半導体 ーザなどである。半導体レーザ30がマルチ ミッタ半導体レーザである場合、半導体レ ザ30では、レーザ光出射面のx軸方向に活性 が並ぶよう各活性層を配置しておく。この 合、半導体レーザ30は複数の活性層から複数 のLD光を出力するので、固体レーザ素子20は x軸方向に複数並んだ各活性層からそれぞれ レーザ出力光を得ることができる。半導体 ーザ30から出力されたLD光は、端面25aからレ ーザ媒質21のxz平面方向(xy平面に垂直な光学 6方向)に入射してレーザ媒質21に吸収される

 レーザ媒質21の端面25aは基本波レーザ光 反射する全反射膜であり、レーザ媒質21の端 面25bは基本波レーザ光を透過する反射防止膜 である。非線形光学材料1の端面11aは基本波 ーザ光を透過させるとともに第2高調波レー 光Lを反射する光学膜(部分反射膜)であり、 線形光学材料1の端面11bは基本波レーザ光を 反射するとともに第2高調波レーザ光Lを透過 せる光学膜(部分反射膜)である。これらの 反射膜、反射防止膜、光学膜は、例えば、 電体薄膜を積層することによって作製され 。なお、半導体レーザ30から出力される励起 光を、レーザ媒質21の端面25aから入射する場 には、端面25aの全反射膜は、励起光を透過 基本波レーザ光を反射する光学膜となる。

 レーザ媒質21は、例えば、y軸方向の厚さ 数~数十μm、x軸方向の幅が数百μm~数mmの大 さを有している。レーザ媒質21としては、一 般的な固体レーザ材料を使用することができ る。レーザ媒質21は、例えば、Nd:YAG、Nd:YLF、N d:Glass、Nd:YVO4、Nd:GdVO4、Yb:YAG、Yb:YLF、Yb:KGW、Yb :KYW、Er:Glass、Er:YAG、Tm:YAG、Tm:YLF、Ho:YAG、Ho:YLF 、Tm,Ho:YAG、Tm,Ho:YLF、Ti:Sapphire、Cr:LiSAFなどで る。

 クラッド22,23は、レーザ媒質21よりも小さ な屈折率を有しており、レーザ媒質21のxz平 に平行な面(クラッド23の上面とクラッド22の 下面)でレーザ媒質21の主面に接合されている 。クラッド22,23は、例えば、光学材料を原料 した膜をレーザ媒質21に蒸着する方法、光 材料をオプティカルコンタクトまたは拡散 合などによってレーザ媒質21と光学的に接合 する方法によって作製されている。クラッド 23の下面側には、冷却用のヒートシンク(図示 せず)を接合してもよい。

 非線形光学材料1は、レーザ媒質21側から 射してくる基本波レーザ光を波長変換して 第2高調波レーザ光Lを出力する。非線形光 材料1は、例えば、y軸方向の厚さが数~数十μ m、x軸方向の幅が数百μm~数mmの大きさを有し いる。非線形光学材料1としては、一般的な 波長変換用材料を用いることができる。非線 形光学材料1は、例えば、KTP、KN、BBO、LBO、CLB O、LiNbO3、LiTaO3などである。また、非線形光 材料1として、光損傷に強いMgO添加LiNbO3、MgO 加LiTaO3、定比LiNbO3、定比LiTaO3を用いれば、 射する基本波レーザ光のパワー密度を上げ ことができるので、高効率な波長変換が可 となる。さらに、非線形光学材料1として、 周期反転分極構造を持つMgO添加LiNbO3、MgO添加 LiTaO3、定比LiNbO3、定比LiTaO3、KTPを用いれば、 非線形定数が大きいので、MgO添加LiNbO3などよ りもさらに高効率な波長変換が可能となる。

 クラッド2,3は、非線形光学材料1よりも小 さな屈折率を有しており、非線形光学材料1 xz平面に平行な面(クラッド3の上面とクラッ 2の下面)で非線形光学材料1の主面に接合さ ている。クラッド2,3は、例えば、光学材料 原料とした膜を非線形光学材料1に蒸着する 方法、光学材料をオプティカルコンタクトま たは拡散接合などによって非線形光学材料1 光学的に接合する方法によって作製されて る。

 本実施の形態では、基本波レーザ光から 2高調波レーザ光への高い変換効率を実現す るために、波長変換素子10にQPM波長変換素子( 擬似位相整合波長変換素子)を用いる。波長 換素子10では、導波路における高次のレーザ 発振モード(高次モード)で基本波が発振した 合に、高次モードの基本波を波長変換でき よう、分極反転の周期をチャープ状に変化( 分極反転の周期構造を変調)させておく。例 ば、分極反転の周期を距離に比例して増大 せる線形チャープ構造によって基本波の波 、および波長変換素子の温度に対する位相 合条件の許容度(位相整合帯域幅)を拡大させ る。換言すると、本実施の形態では、分極反 転の周期をチャープ状に変化させることによ って、基本波レーザ光の可変帯域幅を広くし 、位相整合条件を緩和する。本実施の形態で は、複数のレーザ発振モードのうち少なくと も2つのレーザ発振モードの位相整合条件を んだ位相整合帯域幅を有するよう、非線形 学材料1の分極反転周期を変化させておく。 体的には、例えば0次のレーザ発振モード(0 モード)で発振する基本波と1次のレーザ発 モード(1次モード)で発振する基本波を波長 換できるよう、非線形光学材料1の分極反転 期のピッチなどを徐々に変化させておく。

 図3は、波長変換素子の構成を示す斜視図 である。同図に示すように、波長変換素子10 非線形光学材料1は、複数の分極反転層4を している。分極反転層4は、一定方向に分極 た単結晶誘電体材料の分極の方向を反転さ たものである。非線形光学材料1内では、非 分極反転領域と分極反転領域(分極反転層4)が 交互に形成されている。これにより、非線形 光学材料1内には、周期的に分極反転層4が形 されている。各分極反転層4は、概略平板状 をなすとともに、平板状の主面がx軸方向お びy軸方向と平行になるよう、クラッド2,3で 持されている。

 非線形光学材料1は、レーザ媒質21からの 本波(基本波レーザ光)を端面11a側からレー 入力して、交互に配設された非分極反転領 内と分極反転領域内とを順番に伝播させて く。非線形光学材料1に基本波レーザ光が入 してくると、非線形光学材料1は非線形効果 によって基本波レーザ光を第2高調波レーザ に変換する。非線形光学材料1では、基本波 ーザ光が第2高調波レーザ光に変換されるよ う、予め結晶軸角度、温度、反転分極の周期 などを最適化しておく。非線形光学材料1に 射した基本波レーザ光は、一部が第2高調波 ーザ光に変換されて端面11bから外部にレー 出力される。

 第2高調波レーザ光に変換されずに非線形 光学材料1内に残留した基本波レーザ光は、 面11bで全反射されて、再度、非線形光学材 1内を通過し、第2高調波レーザ光に変換され る。この残留した基本波レーザ光の一部が変 換されて発生した第2高調波レーザ光は、端 11aで全反射して端面11bより外部にレーザ出 される。

 図4は、波長変換素子の分極反転パターン を説明するための図である。図4では、非線 光学材料1を上面(y軸方向)からみた場合の、 極反転パターンを示している。非線形光学 料1の分極反転パターンは、プラス(+)の分極 層(非分極反転領域)とマイナス(-)の分極層(分 極反転層4)からなる1組の分極層を、z軸方向 複数組配設した構成となっている。換言す と、z軸方向に、非分極反転領域と分極反転 域とが交互に配設されている。

 非線形光学材料1では、各分極層を、端面11a ~端面11bまで分極反転周期λ 1 X (Xは自然数)で配置している。換言すると、非 線形光学材料1では、導波方向に沿って分極 周期的に反転させている。例えば、端面11a 近傍に配設される1組目の分極層は、分極反 周期λ 1 である。また、i(iは1~Xの自然数)組目の分極 は分極反転周期λ i であり、端面11bの近傍に配設されるX組目の 極層は、分極反転周期λ X である。

 各分極層でのデューティ比は、α i i である。したがって、各分極反転周期λ 1 X でのデューティ比は、それぞれα 1 1 X X である。本実施の形態の非線形光学材料1で 、チャープ周期の周期変化量を例えばδλと る。換言すると、λ i 1 +(i×δλ)を満たすように各分極反転周期λ 1 X を変化させて、非線形光学材料1にチャープ 期を設定しておく。これにより、非線形光 材料1での分極反転周期は、レーザ光の入射 面(端面11a)からレーザ光の出射端面(端面11b) に向けて徐々に長くなる。逆に、δλを負の として短くなるようにしてもよい。

 また、各分極層でのデューティ比を変化 せてもよい。例えば、各分極層でのデュー ィ比を、端面11aから端面11bに向けて徐々に 化させる。端面11aから端面11bの一部だけを 化させてもよい。分極反転周期やデューテ 比を変化させることによって、波長の異な 複数のレーザ光を効率良く波長変換できる ととなる。

 図5は、レーザ発振モードの高次モードへ の移乗を説明するための図である。波長変換 素子10では、波長変換によって位相整合帯域 波長変換を行なうと、位相整合帯域ピーク の損失が増加する。これにより、導波路(非 線形光学材料1)では、例えば0次モードから1 モードへレーザ発振モードが移乗し(S1)、さ に1次モードから2次モードへレーザ発振モ ドが移乗して(S2)、複数のレーザ発振モード 形成する。レーザ発振モードでは、モード に波長変換に適した波長変換素子の温度が なるので、各モードに対する位相整合条件 異なる。このため、モード毎にPPLNピッチ( 極反転周期)が異なる。

 したがって、本実施の形態では、図6に示 すように、少なくとも2つのレーザ発振モー を包括するよう、波長変換素子10の位相整合 帯域を広帯域化する。偶数次のレーザ発振モ ードは、偶数次のレーザ発振モードと結合し やすく、奇数次のレーザ発振モードは、奇数 次のレーザ発振モードと結合しやすいので、 本実施の形態では、例えば偶数次のレーザ発 振モードと奇数次のレーザ発振モードとを包 括するよう、波長変換素子10の位相整合帯域 広げる。具体的には、高次モードで基本波 発振した場合に、偶数次の基本波と奇数次 基本波を波長変換できるよう、波長変換素 10の分極反転の周期をチャープ状に変化さ ておく。図6では、0次モードと1次モードと 包括するよう、波長変換素子10の位相整合帯 域Aを広げた場合を示している。これにより 導波路内のパワーを有効に用いて基本波を 長変換することが可能となる。

 図7は、各レーザ発振モードの基本波波長と 波長変換素子の温度との関係を示す図である 。図7では、0次モードと1次モードのモード間 の位相整合整合条件差がδT 01 、0次モードと2次モードのモード間の位相整 整合条件差がδT 02 である場合を示している。図7に示すように 各モードの基本波波長と、波長変換素子の 度は、1対1で対応している。各モードの基本 波波長が等しい場合、位相整合条件としては 、モード間で波長変換素子の温度が異なるこ とになる。

 図8は、各レーザ発振モードの基本波波長と 分極反転周期の関係を示す図である。図8で 、0次モードと1次モードのモード間の位相整 合条件差がδλ 01 、0次モードと2次モードのモード間の位相整 条件差がδλ 02 である場合を示している。図8に示すように 各モードの基本波波長と、分極反転周期は 1対1で対応している。各モードの基本波波長 が等しい場合、位相整合条件差は波長変換素 子の温度差であり、位相整合条件差を各レー ザ発振モードの基本波波長と波長変換素子の 温度の関係による波長換算値としている。

 例えば、図7に示すように、基本波波長が914 nm(分極反転周期は4.18)の場合、0次モードで波 長変換を行なうには、素子温度として30℃が 要である。また、1次モードで波長変換を行 なうには、素子温度として21℃が必要であり 0次モードと1次モードの間の温度差δT 01 は9℃である。さらに、2次モードで波長変換 行なうには、素子温度として6℃が必要であ り、0次モードと2次モードの間の温度差δT 02 は24℃である。

 一方、図8に示すように、分極反転周期が4.1 8μm(素子温度は30℃)の場合、0次モードで波長 変換を行なうには、基本波長として914nmが必 である。また、1次モードで波長変換を行な うには、基本波長として914.65nmが必要であり 0次モードと1次モードの間の波長差δλ 01 は0.65nmである。さらに、2次モードで波長変 を行なうには、基本波長として915.75nmが必要 であり、0次モードと2次モードの間の波長差 λ 02 は1.75nmである。0次モードと1次モードの間の 度差と0次モードと2次モードの間の温度差 比は、0次モードと1次モードの間の波長差と 0次モードと2次モードの間の波長差の比と同 であり、位相整合条件差は波長変換素子の 度差と基本波長の波長差で換算することが 能である。

 波長変換素子10内に形成される2つの導波 モードの波長間隔の計算式について説明す 。導波路毎の等価屈折率、波長変換素子10 分極反転周期の計算方法について説明した 、導波路モード間の波長間隔の計算方法に いて説明する。

 導波路の等価屈折率について説明する。 長λに対する導波路の、TM(Transverse Magnetic)m( mは自然数)次モード、またはTE(Transverse Electri c)m次モードの等価屈折率をN(λ,m)とすると、 下の関係式(式(1)、式(2))が成り立つ。式(1)と 式(2)では、導波路上部と導波路下部のクラッ ド材料屈折率が等しい対称3層平板導波路で る場合の関係式を示している。

 TMm次モードの場合:

 TEm次モードの場合:

 式(1)や式(2)のn 1 (λ)は、導波路を形成するコア材料(非線形光 材料1)の波長λに対する屈折率であり、n 2 (λ)は導波路を形成する上部クラッド材(クラ ド2)と下部クラッド材(クラッド3)の波長λに 対する屈折率である。また、N(λ,m)は、波長λ に対する等価屈折率(mは導波路モード次数)で あり、tは導波路を形成するコアの厚さであ 。

 波長変換素子10の分極反転周期について 明する。導波路型の波長変換素子10の分極反 転周期λは、m次モードの基本波レーザ光およ び第2高調波に対する導波路の等価屈折率N(λ, m)を用いて、以下の関係式(式(3))で表せる。

 式(3)のλ 0 は、0次モードの基本波長であり、λ 0 /2は、0次モードの第2高調波波長である。ま 、λ 1 は、1次モードの基本波長であり、λ 1 /2は、1次モードの第2高調波波長である。ま 、λ m は、m次モードの基本波長であり、λ m /2は、m次モードの第2高調波波長である。

 導波路モード間の波長間隔について説明す 。式(1)の等価屈折率と式(2)の分極反転周期 、を満たすm次モードの基本波波長に基づい て、導波路モード間の波長間隔を求めること ができる。すなわち、導波路m次モードと導 路n(nは自然数)次モードの波長間隔δλ mn は、δλ mn =|λ m n |によって算出できる。例えば、導波路0次モ ドと導波路1次モードの波長間隔δλ 01 は、δλ 01 =|λ 0 1 |によって算出できる。したがって、分極反 周期λがλ=4.18(μm)であり、0次モードの基本 波長λ 0 がλ 0 =914(nm)である場合、導波路の0次モードと1次 ードとの波長間隔δλ 01 は、δλ 01 =0.65(nm)である。

 前述した波長変換素子10の分極反転周期 関係式と導波路モード間の波長間隔の関係 が、図8に示した各レーザ発振モードの基本 波長と分極反転周期の関係を示す図に対応 ている。

 波長変換効率の計算式について説明する 波長変換効率ηは、以下の式(4)によって算 できる。

 式(4)のI F は、基本波入力パワーであり、I SH は高調波出力パワーである。また、d eff は、有効非線形光学定数であり、n F は、基本波に対する屈折率である。また、n SH は高調波に対する屈折率であり、cは真空中 光速である。また、ε 0 は、真空中の誘電率であり、Lは素子長であ 。なお、有効非線形光学定数(d eff )は、チャープ周期によって変化する。

 式(4)に示すように、波長変換効率は基本 入力パワーに比例し、高調波出力パワーは 本波入力パワーの2乗に比例する。したがっ て、内部波長変換による基本波の内部パワー が高ければ、チャープ周期による有効非線形 光学定数が低くても、高パワーの高調波を得 ることができる。

 本実施の形態では、図7に示した各レーザ 発振モードの基本波波長と波長変換素子の温 度の関係、図8に示した各レーザ発振モード 基本波波長と分極反転周期の関係、式(1)~式( 4)を用いることによって、波長変換素子10の 相整合帯域を所望の広さに広帯域化する。 のとき、波長変換素子10の導波路構造に応じ た位相整合帯域の広さとなるよう位相整合帯 域を広げておく。例えば、波長変換素子10で 長変換を行なった際に発生するレーザ発振 ードを包括できるよう、波長変換素子10の 相整合帯域を広帯域化する。

 例えば、0次モードと1次モードを包括で るよう、波長変換素子10の位相整合帯域を広 帯域化してもよいし、0次~2次のレーザ発振モ ードを包括できるよう、波長変換素子10の位 整合帯域を広帯域化してもよい。さらに、3 次以上のレーザ発振モードを包括できるよう 、波長変換素子10の位相整合帯域を広帯域化 てもよい。

 波長変換素子10が図7や図8に示す特性を有 している場合、0次モードの基本波に対して 長変換を行なうには、分極反転周期として4. 18が必要であり、1次モードの基本波に対して 波長変換を行なうには、分極反転周期として 約4.17が必要である。したがって、この場合 0次と1次のレーザ発振モードの基本波波長を 波長変換するには、分極反転周期を約4.17~4.18 まで変化させる必要がある。換言すると、波 長変換させたいレーザ発振モードに対応する 分極反転周期を複数抽出し、抽出した分極反 転周期を包括するよう、波長変換素子10の分 反転周期を変化させる。

 図9は、0次モードと1次モードの基本波波 を波長変換する際の分極反転周期の一例を す図である。図9では、縦軸が分極反転周期 (PPLNピッチ)であり、横軸が波長変換素子10のz 軸方向の距離(端面11aからの距離)である。図9 に示すように、波長変換素子10に0次モードと 1次モードの基本波長を波長変換させる場合 は、端面11a側から端面11bまで分極反転周期 、所定の増加率で増大させていく。このと 、0次モードに対応する分極反転周期(4.18)と1 次モードに対応する分極反転周期(4.17)が含ま れるよう、波長変換素子10の分極反転周期を 加させていく。

 図10は、図9に示した分極反転周期で複数 ードの波長変換を行なった場合の波長変換 率を示す図である。図10では、0次モードで 振する基本波波長と、1次モードで発振する 基本波波長とのモード間波長幅がδλである 合を示している。波長変換素子10の分極反転 周期を4.17と4.18が含まれるよう4.165~4.185まで 化させると、0次モードで発振する基本波波 と、1次モードで発振する基本波波長と、を 両方とも効率良く波長変換することができる 。これにより、0次モードで発振する基本波 長のみを波長変換する場合よりも、0次と1次 のレーザ発振モードで発振する基本波波長を 波長変換する場合の方が、波長変換効率が良 くなる。

 波長変換レーザ装置100は、複数のレーザ 振モードに限らず、多波長発振(複数の波長 でレーザ発振する場合)の各基本波を波長変 することもできる。図11は、図9に示した分 反転周期で多波長発振の波長変換を行なっ 場合の波長変換効率を示す図である。同図 示すように、波長変換素子10の分極反転周期 を4.165~4.185まで変化させると、914nm~914.6nmで多 波長発振する場合の各基本波波長を全て効率 良く波長変換することができる。これにより 、1つの基本波波長のみを波長変換する場合 りも、複数の基本波波長を波長変換する場 の方が、波長変換効率が良くなる。

 本実施の形態における波長変換素子10と 来用いられていた波長変換素子の波長変換 率の差異を明確にするため、従来用いられ いた波長変換素子の波長変換効率について 明する。

 図12は、従来用いられていた波長変換素 の波長変換効率を示す図である。同図に示 ように、従来の波長変換素子は、0次モード 発振する基本波波長のみを波長変換してい ので、1次モードで発振する基本波波長を効 率良く波長変換できない。このため、波長変 換素子内に発生する全ての基本波長に対して は、効率良く波長変換できなかった。

 これに対し、本実施の形態の波長変換素 10は、複数モードの基本波を波長変換でき ので、波長変換素子10内に発生する複数モー ドの基本波に対して効率良く波長変換するこ とが可能となる。したがって、波長変換レー ザ装置100がマルチエミッタ発振を行なう場合 であっても、基本波の発振効率の低下を抑制 できる。また、波長変換素子10のy軸方向の厚 さが厚い場合であっても、複数モードの基本 波に対して効率良く波長変換することができ るので、波長変換素子10を容易に作製するこ が可能となる。

 なお、本実施の形態では、波長変換レー 装置100の構成が、図1や図2に示した構成で る場合について説明したが、波長変換レー 装置100の構成は図1や図2に示した構成以外の 構成であってもよい。例えば、波長変換素子 10は、クラッド2,3のうち、一方のクラッドの を備える構成としてもよい。また、固体レ ザ素子20は、クラッド22,23のうち、一方のク ラッドのみを備える構成としてもよい。また 、クラッド2,3の外側やクラッド22,23に基板を 設する構成としてもよい。また、波長変換 ーザ装置100は、内部型の波長変換方式(共振 器内部に波長変換素子を設置する構成)に限 ず外部型の波長変換方式(共振器外部に波長 換素子を設置する構成)であってもよい。波 長変換レーザ装置100が内部型の波長変換方式 の場合、固体レーザ素子20の端面25aと波長変 素子10の端面11bとの間で基本波レーザ光が 振する。また、波長変換レーザ装置100が外 型の波長変換方式の場合、固体レーザ素子20 の端面25aと固体レーザ素子20の端面25bとの間 基本波レーザ光が発振する。

 また、本実施の形態では、波長変換素子1 0の分極反転周期の変化のさせ方が図9に示し 変化のさせ方である場合について説明した 、分極反転周期を図8以外の他の方法によっ て変化させてもよい。例えば、図13に示すよ に、波長変換素子10の分極反転周期を曲線 に変化させてもよい。

 また、本実施の形態では、偶数次のレー 発振モードと奇数次のレーザ発振モードと 包括するよう、波長変換素子10の位相整合 域を広げる場合について説明したが、0次~m の所望の基本波を変換できるよう、波長変 素子10の位相整合帯域を広げてもよい。

 このように実施の形態によれば、複数の ーザ発振モードで発振する基本波を波長変 できるよう、分極反転周期のピッチなどを 々に変化させて波長変換素子10の位相整合 域を広げているので、複数の基本波の異な モード(各モードの基本波波長が等しい場合 異なる位相整合温度)に対して波長変換でき 、簡易な構成で基本波波長を効率良く波長変 換することが可能となる。

 また、波長変換対象となるレーザ発振モ ドに、奇数次のレーザ発振モードと偶数次 レーザ発振モードとが含まれるよう、波長 換素子10の位相整合帯域を広げているので 簡易な構成で基本波波長を効率良く波長変 することが可能となる。また、波長変換対 となるレーザ発振モードに、0次モードと1次 モードとが含まれるよう、波長変換素子10の 相整合帯域を広げているので、簡易な構成 基本波波長を効率良く波長変換することが 能となる。また、基本波の波長変換を共振 内部で行なうので、基本波の波長変換を共 器外部で行なう場合よりも、基本波波長を 率良く波長変換することが可能となる。

 以上のように、本発明に係る波長変換素 および波長変換レーザ装置は、平面導波路 でのレーザ光の波長変換に適している。