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Title:
CLADDING MATERIAL HEAT TREATMENT APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157337
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a cladding material heat treatment apparatus (1) comprising a treatment head (3) for irradiating light (L) toward asbestos (A) of a wall surface (2), and a robot (4) for moving this treatment head (3). The treatment head (3) includes a distance measurement means (15) for measuring the distance between the asbestos (A) and the treatment head (3), and a temperature measurement means (16) for measuring the temperature of the target region for treatment where the light (L) is irradiated onto the asbestos (A). Maintaining a constant distance between the treatment head (3) and the asbestos (A) of the wall surface (2), the treatment head (3) is caused to move in parallel along the wall surface (2) by the robot (4) while light is irradiated from the treatment head (3) onto the asbestos (A). The asbestos (A) of the wall surface (2) can be uniformly melted and solidified.

Inventors:
IKEDA SHINICHI (JP)
UMEYAMA NORIO (JP)
IMAI HAJIME (JP)
MURAHAMA MASAKI (JP)
YAMAMICHI TETSUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/060886
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 15, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NAT INST OF ADVANCED IND SCIEN (JP)
IKEDA SHINICHI (JP)
UMEYAMA NORIO (JP)
IMAI HAJIME (JP)
MURAHAMA MASAKI (JP)
YAMAMICHI TETSUO (JP)
International Classes:
E04G23/02; B09B3/00; F23J3/00; F23J3/02
Domestic Patent References:
WO2008072467A12008-06-19
Foreign References:
JPH06170771A1994-06-21
JP2007216093A2007-08-30
JP2009133058A2009-06-18
Attorney, Agent or Firm:
KANZAKI Shin'ichiro et al. (JP)
Kanzaki Shinichiro (JP)
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Claims:
 建造物の表面に付着した被覆材料に光を照射して加熱する処理ヘッドと、この処理ヘッドを移動させる移動手段と、上記移動手段の動作を制御する制御装置と、上記被覆材料の光が照射されている箇所の温度を測定する温度測定手段とを備えて、
 上記処理ヘッドから被覆材料に光を照射するとともに上記処理ヘッドを上記建造物の表面に沿って移動させて、上記建造物の表面に付着した被覆材料を加熱して溶融させるようにした被覆材料の加熱処理装置であって、
 上記制御装置は、上記温度測定手段が測定した温度を基にして上記処理ヘッドの移動速度を調整することを特徴とする被覆材料の加熱処理装置。
 上記被覆材料と処理ヘッドとが隔てた距離を測定する距離測定手段を設け、上記制御装置は、上記距離測定手段が測定した距離を基にして上記被覆材料と上記処理ヘッドとの距離を制御して、上記移動手段を介して処理ヘッドを移動させることを特徴とする請求項1に記載の被覆材料の加熱処理装置。
 上記処理ヘッドは、熱線性の光を照射する光源と、この光源の光を反射させて焦点位置で線状に集光させる反射鏡とを備え、
 上記制御装置は、上記焦点位置で線状に集光された光が被覆材料の表面と略一致するように、上記移動手段を介して処理ヘッドを移動させることを特徴とする請求項2に記載の被覆材料の加熱処理装置。
 上記光源に空気を吹き付けて冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の被覆材料の加熱処理装置。
 上記制御装置は、上記温度測定手段による測定温度が上記被覆材料を溶融するのに必要な所定温度より低い場合には上記移動手段を介して処理ヘッドを低速で移動させるとともに、上記温度測定手段による測定温度が上記所定温度より高い場合には上記移動手段を介して処理ヘッドを高速で移動させることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の被覆材料の加熱装置。
 上記処理ヘッドから被覆材料に光を照射した際に、該被覆材料から発生する煙や粉塵等の蒸発物を排気する排気手段を備えることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の被覆材料の加熱装置。
Description:
被覆材料の加熱処理装置

 本発明は被覆材料の加熱処理装置に関し より詳しくは、例えばアスベストを溶融・ 化させることによりアスベスト粉塵の飛散 防止し、無害な状態にする場合に好適な被 材料の加熱処理装置に関する。

 従来、建造物の壁面や天井を被覆したアス ストを無害化することが課題となっており そこでアスベストを溶融・固化させること よりアスベスト粉塵が飛散しない無害な状 にする加熱処理装置が提案されている(例え ば特許文献1)。
 この特許文献1の加熱処理装置においては、 照射手段に設けた熱線性光源から壁面や天井 のアスベストに向けて光を照射するとともに 、光の照射位置を一定範囲で移動させること により、壁面や天井に付着したアスベストを 加熱して溶融させるようになっている。

特開2007-216093号公報

 上記特許文献1の加熱処理装置においては、 次のような問題点が指摘されていたものであ る。すなわち、この特許文献1の加熱処理装 においては、照射手段の首振り動作によっ 光の照射位置を変えているので、処理対象 なる部屋の大きさや壁面の凹凸に応じて照 手段の首振り動作範囲を事前にプログラム なければならず、そのプログラム作成作業 煩雑になっていた。また、特許文献1の加熱 理装置においては、処理対象となる部屋の さや広さに制限があり、汎用性が低いとい 欠点があった。
 また、特許文献1の装置においては、照射手 段を首振り作動させているために、処理対象 となる壁面全域のアスベストに対して均一な 溶融処理ができないという問題があった。
 さらに、上記特許文献1の加熱処理装置にお いては、加熱処理作業の開始後にアスベスト の溶融処理の進み具合を作業者が目視で逐一 確認するようになっているため、作業者への 安全の配慮に欠けるという問題点があった。 特に、光源と照射面の距離を一定に制御する ことが原理的に不可能であり、現実的には溶 融処理が困難であるという問題がある。

 上述した事情に鑑み、請求項1に記載した本 発明は、建造物の表面に付着した被覆材料に 光を照射して加熱する処理ヘッドと、この処 理ヘッドを移動させる移動手段と、上記移動 手段の動作を制御する制御装置と、上記被覆 材料の光が照射されている箇所の温度を測定 する温度測定手段とを備えて、上記処理ヘッ ドから被覆材料に光を照射するとともに上記 処理ヘッドを上記建造物の表面に沿って移動 させて、上記建造物の表面に付着した被覆材 料を加熱して溶融させるようにした被覆材料 の加熱処理装置であって、上記制御装置は、 上記温度測定手段が測定した温度を基にして 上記処理ヘッドの移動速度を調整するもので ある。
 また、請求項2に記載した本発明は、上記請 求項1の発明を前提として、上記被覆材料と 理ヘッドとが隔てた距離を測定する距離測 手段を設け、上記制御装置は、上記距離測 手段が測定した距離を基にして上記被覆材 と上記処理ヘッドとの距離を制御して、上 移動手段を介して処理ヘッドを移動させる のである。
 また、請求項3に記載した本発明は、上記請 求項2の発明を前提として、上記処理ヘッド 、熱線性の光を照射する光源と、この光源 光を反射させて焦点位置で線状に集光させ 反射鏡とを備え、上記制御装置は、上記焦 位置で線状に集光された光が被覆材料の表 と略一致するように、上記移動手段を介し 処理ヘッドを移動させるものである。
 また、請求項4に記載した本発明は、上記請 求項3の発明を前提として、上記光源に空気 吹き付けて冷却する冷却手段を設けたもの ある。
 さらに、請求項5に記載した本発明は、上記 請求項1~請求項4のいずれかの発明を前提とし て、上記制御装置は、上記温度測定手段によ る測定温度が上記被覆材料を溶融するのに必 要な所定温度より低い場合には上記移動手段 を介して処理ヘッドを低速で移動させるとと もに、上記温度測定手段による測定温度が上 記所定温度より高い場合には上記移動手段を 介して処理ヘッドを高速で移動させるもので ある。
 さらに、請求項6に記載した本発明は、上記 請求項1~請求項5のいずれかの発明を前提とし て、上記処理ヘッドから被覆材料に光を照射 した際に、該被覆材料から発生する煙や粉塵 等の蒸発物を排気する排気手段を備えるもの である。

 上記請求項1および請求項5の発明によれば 処理対象箇所の被覆材料を確実に溶融させ ことができ、かつ適切な移動速度に制御さ るので、効率よく処理できる。
 上記請求項2および請求項3の発明によれば より効率的に被覆材料を加熱することがで る。
 上記請求項4の発明よれば、熱による光源の 破損を防ぐことができる。
 さらに、請求項6の発明によれば、被覆材料 から発生する煙や粉塵等の蒸発物を効率的に 排気することができる。

本発明の一実施例を示す正面図。 図1に示した処理ヘッド3の平面図。 図2のIII―III線に沿う断面図。 図2のIV―IVに沿う断面図。 図2の要部の左側面図。 図1に示した処理ヘッド3によりアスベ トAを加熱処理する際の移動過程を示す図。

 以下、図示実施例について本発明を説明 ると、図1において1はアスベストAの加熱処 装置であり、この加熱処理装置1は建造物の 壁面2や天井の表面に付着したアスベストAに を照射して加熱・溶融させるものである。 のように被覆材料としてのアスベストAを加 熱して溶解・固化させることにより、建造物 の壁面2や天井の表面からアスベストAを除去 ることなく、アスベスト粉塵が飛散しない 害な状態にできるようになっている。

 本実施例の加熱処理装置1は、建造物の壁 面2や天井の表面に付着したアスベストAに向 て熱線性の光を照射する処理ヘッド3と、こ の処理ヘッド3を壁面2や天井の表面に沿って 動させる移動手段としてのロボット4と、こ のロボット4を載置した自走式の台車5と、こ 台車5に設けられるとともに処理対象箇所の アスベストAから生じる煙等を吸引して排出 る排気手段6と、台車5上に配置されるととも に上記処理ヘッド3の光源とロボット4および 車5の作動を制御する制御装置7とを備えて る。

 本実施例の台車5は図示しない駆動用のモ ータに連動して移動する自走式のものであっ て、この台車5のモータの動作は制御装置7に って動作を制御されるようになっている。 なわち、現場の作業者が図示しない遠隔操 手段を操作することにより、台車5の進退/ 止等の所要の制御指令を制御装置7に入力す と、制御装置7は遠隔操作手段によって入力 された制御指令に基づいて上記モータを作動 させて台車5を所要位置まで自走させてから 止させるようになっている。例えば、本実 例においては台車5の前面5Bが建造物の壁面2 ほぼ平行となる位置まで台車5を移動させて から停止させ、その後、ロボット4により処 ヘッド3を壁面2に対向させて所要位置に位置 合せしてから処理ヘッド3を壁面2に沿って移 させるようにしている。

 ロボット4は従来公知の産業用の6軸型多関 ロボットであり、その先端部に円柱状のア ム4Aが設けられるととともに、このアーム4A 先端に上記処理ヘッド3が取り付けられてい る。
 このロボット4は、第1軸R1~第6軸R6を備えて り、第1軸R1はロボット4の基部4B内に配置さ ており、この第1軸R1に連動する揺動部材4Cの 一端と他端にそれぞれ第2軸R2と第3軸R3が設け られている。第3軸R3の隣接位置に第4軸R4が設 けられ、また第4軸R4の隣接位置に第5軸R5が設 けられ、さらに第5軸R5の隣接位置となる先端 部分に第6軸R6が取り付けられている。円柱状 のアーム4Aは第6軸R6の先端に連結されており これにより処理ヘッド3は第6軸R6を回転中心 として正逆に回動できるようになっている。
 このロボット4の基本構成は従来公知のもの と同じであり、ロボット4内には上記第1軸R1~ 6軸R6の駆動用のモータがそれぞれ配置され おり、それら各モータの作動は制御装置7に よって制御されるようになっている。

 上記制御装置7により第1軸R1~第6軸R6用の ータの作動を制御することで、アーム4Aに取 り付けた処理ヘッド3の位置と姿勢を調整で るとともに、処理ヘッド3を壁面2に沿って所 要の移動速度で移動させることができるよう になっている。なお、ロボット4の上記各軸R1 ~R6の駆動源となる各モータにはそれぞれエン コーダが取り付けてあり、各エンコーダがカ ウントしたパルス信号は制御装置7に常時送 されるようになっている。これにより、制 装置7は、アーム4Aの位置と姿勢を常時認識 きるようになっている。

 次に、本実施例の処理ヘッド3の構成につい て説明する。図2は処理ヘッド3の平面図、図3 は図2のIII―III線に沿った断面図、図4は図2の IV-IV線に沿った断面図である。図3、図4に図 されるように、処理ヘッド3は、前面が開口 れた直方体形状のカバー11と、このカバー11 内に収容される線集光型ヒータ本体12を備え いる。この線集光型ヒータ本体12は、反射 13Aを有する反射鏡13と、反射鏡13内に配置さ る略円筒形状の熱線性光源14とを傭えてい 。
 処理ヘッド3は、上記線集光型ヒータ本体12 背面12Aの中央部を介して上記アーム4Aに連 され、カバー11はその背面11Aの中央部に設け た開口部に上記アーム4Aの先端部を挿通して 上記線集光型ヒータ本体12および上記アー 4Aに固定されている。
 線集光型ヒータ本体12の反射鏡13は、図3に すように、略楕円形の断面を有し、反射鏡13 内に配置された熱線性光源14からの光を反射 せて焦点Fに集光させるように形成されてい る。熱線性光源14は、例えばハロゲンランプ キセノンランプ、メタルハライドランプ等 構成され、ランプ長手方向の中心軸が上記 射鏡13の断面の楕円形の軸方向と平行にな ように、かつ、上記アーム4Aの軸心の延長線 と直交させて上記線集光型ヒータ本体12に取 付けられている。また、反射面13Aには金属 ッキ等が施され、その反射効率を高めるよ に加工されている。図4に示すように、反射 鏡13は、このような断面形状を有する反射面1 3Aを上記熱線性光源14全体を覆うだけの長さ わたり有しているため、上記焦点Fに集光さ る光Lは線状のものとなる。

 このようにしてアーム4Aに連結されたカバ 11、線集光型ヒータ本体12および反射鏡13に ける各前面開口の縁部11B~13Bは、アーム4Aの 心の延長線と直交する仮想の同一平面上に 置している。これら3部材の縁部11B~13Bが位置 する仮想の同一平面が処理ヘッド3の正面開 部3Aとなっており、本実施例においては、こ の処理ヘッド3の正面開口部3Aを壁面2のアス ストAに向けた状態で熱線性光源14の光をア ベストAに照射するようになっている(図1の 像線を参照)。
 熱線性光源14は図示しない電源に接続され とともに、上記制御装置7によってスイッチ ON・OFF制御されるようになっている。制御 置7によって熱線性光源14のスイッチが入れ れると熱線性光源14が点灯されて熱線性の光 が周囲に向けて照射されるようになっている 。
 本実施例においては、反射鏡13の反射面13A 焦点位置Fは、処理ヘッド3の正面開口部3Aよ も外方であって、かつ、アーム4Aの軸心の 長線上に位置させている。

 そのため、制御装置7によって熱線性光源 14が点灯されると、この熱線性光源14の光は 射鏡13の反射面13Aによって反射されてから上 記焦点位置Fにおいて集光され、処理ヘッド3 正面開口部3Aおよび熱線性光源14と平行な直 線状の光Lとして成形されるようになってい (図2、図4参照)。このように焦点位置Fで集光 された直線状の光Lは、アーム4Aの軸心の延長 線と直交した状態となる。

 本実施例は、このように焦点位置Fで直線 状に集光された光Lを壁面2のアスベストAに照 射しながら上記光Lの長手方向と直交する方 へ処理ヘッド3を壁面2に沿って平行移動させ るようになっている。それにより、光Lの長 方向全長に光Lの平行移動距離を乗じた面積 なるアスベストAを加熱して溶融させるよう になっている。また、本実施例においては、 処理ヘッド3と壁面2のアスベストAとの距離を 一定に維持し、かつ処理対象箇所のアスベス トAの温度を測定しながら処理ヘッド3を壁面2 に沿って移動させるようになっている。その ために、本実施例においては、処理ヘッド3 距離測定手段15と温度検出手段16とを設けて る。

 距離測定手段15は、カバー11における隣合う 側壁11C、11Dにそれぞれ取り付けられた第1検 器15Aと第2検出器15Bとからなり、両検出器15A, 15Bから処理対象となる壁面2のアスベストAに けてレーザ光を照射することで、処理対象 所のアスベストAと両検出器15A、15Bとの距離 および処理対象箇所である表面の傾斜角度を 測定できるようになっている。
 より詳細には、図2~図5に示すように、第1検 出器15AからはX軸方向と平行な線状のレーザ を処理対象箇所に照射するとともに、第2検 器15Bからは上記X軸方向と直交するY軸方向 平行な線状のレーザ光を処理対象箇所に照 するようになっている。処理対象箇所に照 された線状のX軸方向とY軸方向のレーザ光の 全長(両端の距離)の変動に基づいて、両検出 15A、15Bは、処理対象箇所の表面と上記両方 とがなす傾斜角度(図3、図4のθX, θY参照)を 検出することができるとともに、処理対象箇 所と両検出器15A、15Bとの距離を検出できるよ うになっている。
 そして、これら両検出器15A,15Bが検出した距 離と傾斜角度は制御装置7に入力されるよう なっている。カバー11の前面の縁部11Bから熱 線性光源14の軸心までの距離と、カバー11の 部11Bから両検出器15,15Bの光源までの距離は じ距離に設定されている。
 そのため、両検出器15A、15Bによって測定さ た距離と傾斜角度が制御装置7に入力される と、制御装置7は、熱線性光源14から処理対象 箇所となるアスベストAまでの距離を認識で るとともに、正面開口部3Aと処理対象箇所の アスベストAの表面との傾斜角度を認識する とができる。
 なお、処理ヘッドの2箇所に設けた検出器に よって対象物との距離を測定する技術は、例 えば特開平6-170771号公報により従来公知であ 。

 そして、熱線性光源14を点灯させる際には 制御装置7は、上記反射鏡13の焦点位置Fに集 される直線状の光Lが処理対象箇所のアスベ ストAの表面と重なり、かつ正面開口部3Aがア スベストAの表面と平行となるように、ロボ ト4を介して処理ヘッド3をアスベストAの表 に対して所要距離だけ接近或いは離隔させ ようになっている。このようにして処理対 箇所のアスベストAの表面に上記焦点位置Fが 常に一致し、かつ正面開口部3AがアスベストA の表面と平行となるように、制御装置7はロ ット4を介して処理ヘッド3とアスベストAと 隔てた距離を一定に維持するようになって る。なお、一定に維持するとは、当然、数mm ~十数mmの許容範囲内に維持することである。 そして、その状態において直線状の光Lをア ベストAに照射するとともに、制御装置7はロ ボット4を介して処理ヘッド3を壁面2に沿って 平行移動させるようになっている。
 これに伴い、光Lが照射された処理対象箇所 のアスベストAが加熱・溶融されるようにな ている。そしてさらに本実施例においては 壁面2のアスベストAがより確実に加熱・溶融 されるようにするために、直線状の光Lが照 されるアスベストAの処理対象箇所の温度を 定する温度測定手段16を設けている。

 温度測定手段16は従来公知の赤外線放射 度計であって、この温度測定手段16は、上記 カバー11、線集光型ヒータ本体12および反射 13を貫通させた状態でブラケットを介してカ バー11および線集光型ヒータ本体12に連結さ ている。この温度測定手段16による赤外線の 照射方向は、上記反射鏡13の焦点位置Fに向け られている。そのため、焦点位置Fで集光さ た直線状の光LをアスベストAに照射する際に 、該アスベストAにおける光Lの照射箇所(処理 対象箇所)の温度を温度測定手段16によって測 定できるようになっている。この温度測定手 段16によって測定した光Lの照射箇所(処理対 箇所)の温度は上記制御装置7に入力されるよ うになっている。なお、温度測定手段16には 来公知の水冷ジャケット16Aを内蔵させてあ 、この水冷ジャケット16Aによって温度測定 段16を冷却するようになっている。

 本実施例の制御装置7には、アスベストAが 融する所定温度(例えば1600℃)、低速移動用 温度(1600℃~1700℃未満)および高速移動用の温 度(1700℃以上)を予め記憶させている。そして 、上述したように処理ヘッド3と壁面2のアス ストAとの距離を一定に維持して該アスベス トAに光Lを照射しながら処理ヘッド3を壁面2 沿って移動させる際には、制御装置7は、温 測定手段16による測定温度に基づいてロボ ト4による処理ヘッド4の移動速度を調整する ようにしている。
 より具体的には、上記温度測定手段16によ 測定温度が上記低速移動用の温度である場 、つまり低い温度の場合には、制御装置7は ボット4を介して処理ヘッド4を低速で移動 せる。他方、温度測定手段16による測定温度 が1700℃よりも高い場合には、制御装置7はロ ット4を介して処理ヘッド4を高速で移動さ るようにしている。
 これにより、本実施例においては、壁面2の アスベストAに熱線性光源14の集光させた光L 照射して、温度測定手段16により測定された 処理対象箇所の温度がアスベストAの溶融す 所定温度に達するように、光Lを平行移動さ ることで壁面2のアスベストAを確実に加熱 溶融させることができるようになっている

 また、本実施例においては、図4および図5 示されるように、点灯中の上記熱線性光源14 (特に、上記熱線性光源14の電極とガラスの接 合部14A)を冷却するために、一対のエアパイ 21,21の先端部を処理ヘッド3に取り付けると もに、アスベストAの処理対象箇所から発生 た煙や水蒸気を排出すために排気パイプ22 先端部を処理ヘッド3に取り付けている。
 エアパイプ21、21の先端部はカバー11および 集光型ヒータ本体12を貫通させてから熱線 光源14に向けられており、エアパイプ21、21 末端は図示しないコンプレッサに接続され いる。制御装置7が熱線性光源14を点灯させ 際には、制御装置7により上記コンプレッサ 作動されるようになっており、それによっ 圧縮空気がエアパイプ21,21から熱線性光源14 に吹き付けられるようになっている。このよ うに、エアパイプ21、21から噴出する圧縮空 によって熱線性光源14が冷却されるので、熱 線性光源14の電極が過熱されて破損されない うになっている。また、熱線性光源14に吹 付けられた圧縮空気は、反射鏡13を冷却する とともに、線集光型ヒータ本体12の前面開口 ら外部に向けて吹き出すので、壁面2のアス ベストAの処理対象箇所で生じる粉塵や煙が 面開口から線集光型ヒータ本体12内に侵入し にくくなっている。それにより、熱線性光源 14や反射鏡13に煙や粉塵が付着することを抑 できるようになっている。

 上記正面開口部3Aの一部であるカバー11の前 面の縁部11Bと線集光型ヒータ本体12の前面の 部12Bとの間には、排気用開口部23が形成さ ており、さらにそこから続いて線集光型ヒ タ本体12の外面とカバー11の内面との間の空 部は排気用通路24として形成されている。
 そして、排気パイプ22の先端部22aは、カバ 11を貫通させてから排気用通路24内に位置さ ている。排気パイプ22の図示しない末端は 空気を吸引するブロアからなる上記排気手 6に接続されている。上記制御装置7は、熱線 性光源14を点灯させる時には排気手段6も作動 させるようになっている。したがって、熱線 性光源14の光LをアスベストAに照射した際に 生する煙や粉塵などは、排気用開口部23と排 気用通路24および排気パイプ22を介して排気 段6内に吸引されて、その外部へ排出される うになっている。

 上記排気手段6の内部には従来公知のHEPA ィルタまたはULPAフィルタを設けてあるので 排気手段6内に吸引された煙や水蒸気内のア スベストAから発生する粉塵又は蒸発物はHEPA ィルタまたはULPAフィルタによって捕捉され るようになっている。そのため、排気手段6 ら排気される排気にはアスベストAの粉塵が 入しておらず、排気手段6の周囲の環境が汚 染されることはない。

 以上のように構成した本実施例の加熱処理 置1によって建造物の壁面2に付着したアス ストAを加熱・溶融させる場合の動作を説明 る。
 この場合、先ず現場の作業者は遠隔操作手 を操作して、所要の制御指令を入力するの 、制御装置7を介して台車5が壁面2に近い位 まで移動して停止する(図1参照)。この状態 は、台車5の前面5Bがほぼ壁面2と平行になっ ており、また、ロボット4のアーム4Aに取り付 けた処理ヘッド3は、その正面開口部3Aを壁面 2における左上隅の位置に対向させた状態と っている(図1、図6参照)。

 この時点では、すでに距離測定手段15が 動されているので、該距離測定手段15によっ てアスベストAの表面と処理ヘッド3とが隔て 距離およびアスベストAの表面と処理ヘッド 3との傾斜角度が検出されており、それらの 離と傾斜角度は制御装置7に入力されている 制御装置7には予め熱線性光源14から焦点位 Fまでの距離を記憶させてあるので、この後 、制御装置7は、上記距離測定手段15から入力 された距離と傾斜角度とを基にして、上記反 射鏡13の焦点位置Fが処理対象箇所となるアス ベストAの表面と重なるようにロボット4を介 て処理ヘッド3をアスベストAの表面に対し 所要距離だけ接近或いは離隔させ、焦点位 FがアスベストAの表面と重合した位置で処理 ヘッド3を停止させる。また、それと同時に 御装置7は、処理ヘッド3の正面開口部3Aがア ベストAの表面と平行となるようにロボット 4を介して処理ヘッド3の傾斜角度を調整する これにより、処理対象箇所のアスベストAの 表面と上記焦点位置Fとが重合するとともに アスベストAの表面に対して処理ヘッド3の正 面開口部3Aが平行に維持されたことになる。

 この状態から制御装置7によって熱線性光源 14のスイッチが入れられて熱線性光源14が点 されるとともに、制御装置7によって排気手 6および図示しないコンプレッサも作動され る。
 これにより、上記反射鏡13の焦点位置Fに集 される直線状の光Lが処理対象箇所となるア スベストAの表面と重合するように照射され 。そのため、処理ヘッド3の進行方向に対し 垂直な方向となった直線状の光Lがアスベス トAの処理対象箇所に照射され、その部分が 熱・溶融される。この時点では、コンプレ サから圧縮空気がエアパイプ21を介して熱線 性光源14に吹き付けられており、また、処理 象箇所のアスベストAから生じた煙や粉塵は 排気用開口部23内に吸い込まれてから上記排 手段6によって吸引される。
 そして、温度測定手段16によって処理対象 所のアスベストAの温度が測定されて、その 定温度は制御装置7に入力される。すると、 制御装置7は、温度測定手段16による測定温度 が予め記憶した低速移動用の温度(1500℃から1 700℃未満)であれば、ロボット4を介して処理 ッド3を低速で壁面2に沿って図6における右 向に平行移動させる。他方、制御装置7は、 温度測定手段16による測定温度が高速移動用 温度(1700℃)以上であるときには、ロボット4 を介して処理ヘッド3を高速で壁面2に沿って 6における右方向に平行移動させる(図6参照) 。

 このように、壁面2の処理対象箇所のアス ベストAと処理ヘッド3との距離を数mm~十数mm 許容範囲内となるように一定に維持し、か 正面開口部3AとアスベストAの表面とを平行 維持した状態で処理ヘッド3が壁面2に沿って 右へ平行移動されることにより、壁面2のア ベストAの処理対象箇所が面状に伸びて、そ 面状の処理対象箇所であるアスベストAが加 熱されて溶融されるようになっている(図6参 )。

 処理対象箇所のアスベストAとの距離を一定 に維持された状態の処理ヘッド3から直線状 光LをアスベストAに照射しながら右方向の端 部まで処理ヘッド3が平行移動すると、処理 ッド3に配置された図示しない壁面センサに って処理ヘッド3が壁面2の端部に達したこ が検出されるので、その検出結果を基にし 制御装置7は処理ヘッド3が壁面2の図6におけ 右端に位置したことを認識する。この後、 御装置7は、ロボット4を介して処理ヘッド3 所要量だけ鉛直下方側へ平行移動させる(図 6)。
 その後、制御装置7は、ロボット4を介して 理ヘッド3を壁面2のアスベストAの表面に沿 て、上述したように、つまり距離測定手段15 による測定距離を基にして線状の光Lがアス ストAの表面と重なるように距離を一定に維 し、かつアスベストAの表面に対して正面開 口部3Aを平行に維持するとともに、温度測定 段16による測定温度を基にして処理対象箇 の温度がアスベストAを溶融する温度に達す ように処理ヘッド3を低速又は高速に速度調 整しながら図6における左方に平行移動させ 。

 この後、さらに、制御装置7は、ロボット 4を介して処理ヘッド3を壁面2の全域にわたっ て順次上述した要領で移動させるので、処理 ヘッド3からの直線状の光Lが壁面2のアスベス トAの表面全域にわたって照射される。これ より、壁面2に付着したアスベストAが加熱・ 溶融されてから固化されるようになっている 。

 上述した本実施例によれば、アスベストAの 処理対象箇所と処理ヘッド3との距離を数mm~ 数mmの許容範囲内となるように一定に維持し 、かつ正面開口部3AをアスベストAの表面に対 して常に平行に維持した状態で、つまり反射 鏡13の焦点位置をアスベストAの表面に一致さ せた状態で処理ヘッド3を平行移動させるこ ができ、しかも処理対象箇所の温度に応じ 処理ヘッド3の移動速度を調整することがで る。
 そのため、壁面2に付着したアスベストAを 実に溶融させて均一なアスベストAの溶融処 を行うことができる。また、移動手段とし のロボット4を用いて処理ヘッド3を移動さ ているので、現場の作業者が処理対象箇所 逐一目視で確認する必要がなく、従来と比 して作業者の作業負担を大幅に軽減させる とができる。また、従来のような予め照射 段の移動制御に関して事前にプログラムを 成する手間を省略することができる。

 また、本実施例によれば、アスベストAの処 理対象箇所から発生した煙や粉塵等を排気手 段6によっても効率良く排出することができ 。
 さらに、エアパイプ21,21から冷却用の空気 熱線性光源14に吹き付けて冷却しているので 、光源である熱線性光源14が過熱されて損傷 ることを良好に防止することができる。ま 、エアパイプ21,21から吹き出される圧縮空 を線集光型ヒータ本体12の前面開口から外部 へ吹き出すので、熱線性光源14や反射鏡13が 塵や煙によって汚れることを防止すること できる。
 さらに、本実施例においては、アスベストA の処理対象箇所の温度に応じて処理ヘッド3 移動速度を調整しているので、過加熱によ 溶融したアスベストAが流動することなく、 一な処理をおこなうことができる。

 なお、上記実施例においては、処理ヘッド3 を移動させる移動手段としてロボット4を用 ているが、次のような移動手段を採用して 良い。つまり、相互に直交するX軸方向とY軸 方向とに平行移動されるスライドワイヤを備 えた移動手段を採用し、かつ、2本のスライ ワイヤの交点に処理ヘッド3を配置して、壁 2にそって上記処理ヘッド3を平行移動させ ようにしても良い。
 また、上記実施例においては、カバー11に ける隣合う側壁11C、11Dに2つの検出器15A、15B 設けているが、カバー11における3箇所の側 にそれぞれ距離のみ検出可能な検出器を設 て、これら3台の検出器によって検出した距 離を基に処理ヘッド3の傾斜角度を求めても い。また、上記実施例においては、レーザ を用いた距離測定手段15を採用しているが、 超音波や赤外線を用いる距離測定手段を採用 しても良いし、さらに、壁面2のアスベストA 接触子を直接接触させる方式の距離測定手 を用いても良い。
 なお、上記距離測定手段15は必ずしも必要 はなく、それを省略しても良い。この場合 は、処理ヘッド3を壁面2からある程度離隔し た距離だけ離隔させてから壁面2に沿って処 ヘッド3を平行移動させて、温度測定手段16 測定した測定温度のみに基づいて、ロボッ 4を介して処理ヘッド3の移動速度を上述した ように調整することになる。
 また、上記実施例では、処理ヘッド3とアス ベストAの距離を一定に維持して線状の光Lを スベストに照射しているが、制御装置7によ り次のような処理を行っても良い。温度測定 手段16による温度の検出結果を基にして、制 装置7が処理対象箇所の温度の違いに応じて 処理ヘッド3をアスベストAの表面に対して接 或いは離隔させることで、処理対象箇所の スベストを所定の溶融温度以上となるよう してもよい。
 また、上記実施例においては、被覆材料と てアスベストを想定しているが、被覆材料 してはアスベストの他、セラミック粉末や ルミナ等の金属酸化物粉末、粉体塗装に用 られる樹脂粉末、ロックウールであっても い。つまり、建造物の表面に付着させてあ 被覆材料であれば、上述した本実施例の加 処理装置1によって被覆材料を溶融または加 熱処理することができる。
 さらに、上記実施例においては、処理ヘッ 3の側壁に図示しない壁面センサを設けるこ とで、処理ヘッド3が壁面2の端部に位置した とを制御装置7に認識させているが、壁面セ ンサを設ける代わりに次のような処理を行っ ても良い。つまり、予め壁面2に関するデー (縦横の寸法)を予め制御装置7に記憶させて き、加熱処理作業の開始後に予め記憶した ータを基にして処理ヘッド3が壁面2の端部に 位置したことを制御装置7が認識するように てもよい。
 また、上記実施例においては、一対のエア イプ21、21から熱線性光源14に圧縮空気を吹 付けて光源14を冷却しているが、エアパイ 21、21の先端部を改良して反射鏡13の表面に 圧縮空気を吹き付けて反射鏡13を冷却するよ うにしてもよい。つまり、この場合には、エ アパイプ21、21とそこから吹き出す圧縮空気 、反射鏡13を直接冷却する冷却手段を兼用す ることになる。
 さらに、反射鏡13の冷却手段としては、次 ような構成を採用しても良い。つまり、反 鏡13を、中空構造を有するアルミニウム母材 から形成するとともに、上記中空部分を流体 通路として、そこに10℃程度の冷却水を毎分5 リットル程度の流量で流通させるようにして もよい。そのようにすることで、反射鏡13を 率的に冷却することが可能である。

1‥加熱処理装置          2‥壁面
3‥処理ヘッド           4‥ロボット( 動手段)
7‥制御装置            16‥温度測定手 段
A‥アスベスト(被覆材料)     L‥直線状の




 
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