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Title:
DATA COMMUNICATION SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145142
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a data communication system which can improve sensitivity of a receiver by suppressing a flow-out of an electric field fed to a human body from a field communication transmitter to the ground from the human body and can suppress generation of a crosstalk between a user and a neighbor carrying a field communication transmitter.  The data communication system includes: a mobile device (1a) as a user side communication device; a fixed device (3) as a fixed side communication device for exchanging an information signal with the mobile device (1a) using as a transmission path, a human body (2) located at a predetermined position; a high-impedance floor portion (5) installed in the vicinity (R1) of a user who puts a hand above the fixed device (3); and low-impedance floor portions (6a, 6b) arranged in peripheral regions (R2, 3).

Inventors:
HEBIGUCHI HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059526
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 25, 2009
Export Citation:
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Assignee:
ALPS ELECTRIC CO LTD (JP)
HEBIGUCHI HIROYUKI (JP)
International Classes:
H04B13/00
Foreign References:
JP2007172103A2007-07-05
JP2005026784A2005-01-27
Attorney, Agent or Firm:
AOKI, Hiroyoshi et al. (JP)
Hiroyoshi Aoki (JP)
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Claims:
 ユーザに携帯された状態で当該ユーザの人体の一部と電気的に結合し人体を介した電界通信を行うユーザ側通信機器と、所定場所に設置され当該設置場所に接近したユーザの人体の一部と電気的に結合し当該ユーザの人体を伝送路として前記ユーザ側通信機器との間で情報信号を交換する固定側通信機器と、前記固定側通信機器に人体の一部を電気的に結合させたユーザの立ち位置を含む近傍領域に設置され前記電界通信に用いる通信周波数に対して高インピーダンスを有する第1の床部と、前記近傍領域の周辺領域に設けられ前記通信周波数に対して低インピーダンスを有する第2の床部と、を具備したことを特徴とするデータ通信システム。
 前記第1の床部は、前記近傍領域に設けた床電極が抵抗を介してアースに接続されると共に容量を介してアースに接続され、前記抵抗と容量とが並列接続してなるローパスフィルタで構成されたことを特徴とする請求項1記載のデータ通信システム。
 前記第1の床部は、前記近傍領域に設けた床電極がインダクタを介してアースに接続されると共に容量を介してアースに接続され、前記インダクタと容量とが並列接続されてなる並列共振回路で構成されたことを特徴とする請求項1記載のデータ通信システム。
 前記第1の床部は、前記床電極とアースとの間に設けられた空孔を含む材料又は空隙を含む構造体で前記容量が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のデータ通信システム。
 前記第2の床部は、前記周辺領域に設けた床電極が直接アースに接続されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のデータ通信システム。
 前記第2の床部は、前記周辺領域に設けた床電極がインダクタと容量とからなる直列共振回路を介してアースに接続されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のデータ通信システム。
Description:
データ通信システム

 本発明は、人体のような伝送媒体を介し 送受信を行うデータ通信システムに関する

 近年の技術発達に伴い、全く新しい通信 法として人体などに誘導される電界を用い 通信方法が提案されている。このような通 システムとしては、特許文献1に開示されて いるものがある。この通信システムにおいて は、情報信号を変調して得られた変調信号に 対応した電界を送信機から伝送媒体である人 体に付与して、人体を伝送した電界を受信機 において検出し、その電界に対応する信号を 復調する。

特表平11-509380号公報

 しかしながら、特許文献1に開示された通 信システムにおいては、送信機から人体に送 られた信号の多くが人体からアースに漏れて しまうので、受信機における受信感度が悪い という問題があり、通信を実現させるために は、十分に高感度な受信機を用いるか、送信 機の送信パワーを大きくする必要があり、実 用化に適していない。

 本出願人は、電界通信用送信機から人体 送られた信号が人体からアースに漏れるこ を抑制したデータ通信システムを特願2007-13 7580として特許出願済みである。この特許出 に係る発明は、人体の一部(主に足)が接する 床のインピーダンスを、通信周波数に対して 高インピーダンスとなるように設定している 。これにより、人体に送られた信号がアース に漏れることを抑制して、送信パワーを大き くすることなく高感度な受信機を実現するこ とができる。

 ところが、通信対象者本人の近傍に電界 信用送信機を携帯した別の人が存在すると 通信対象本人と近傍の別人とが容量結合し 近傍の別人の電界通信用送信機からの信号 当該別人を介して通信対象者本人に伝わり さらに他人からの信号を通信対象者本人か 受信機が受ける現象(以下、クロストークと いう)が発生する可能性がある。

 本発明はかかる点に鑑みてなされたもの あり、電界通信用送信機から人体に送られ 信号が人体からアースに漏れることを抑制 て受信機の感度を改善できると共に、電界 信用送信機を携帯した別人が近傍に居ても ロストークの発生しないデータ通信システ を提供することを目的とする。

 本発明のデータ通信システムは、ユーザ 携帯された状態で当該ユーザの人体の一部 電気的に結合し人体を介した電界通信を行 ユーザ側通信機器と、所定場所に設置され 該設置場所に接近したユーザの人体の一部 電気的に結合し当該ユーザの人体を伝送路 して前記ユーザ側通信機器との間で情報信 を交換する固定側通信機器と、前記固定側 信機器に人体の一部を電気的に結合させた ーザの立ち位置を含む近傍領域に設置され 記電界通信に用いる通信周波数に対して高 ンピーダンスを有する第1の床部と、前記近 傍領域の周辺領域に設けられ前記通信周波数 に対して低インピーダンスを有する第2の床 とを具備したことを特徴とする。

 この構成によれば、固定側通信機器に人 の一部を結合させて自身の形態するユーザ 通信機器と固定側通信機器との間で通信を うユーザは第1の床部上に居る一方、当該通 信対象者に近接している他のユーザは近傍領 域の周辺に設置された第2の床部上にいるこ となる。したがって、固定側通信機器との で通信を行うユーザは通信周波数に対して インピーダンスの第1の床部上に居るので、 体からアース(床)に信号が漏れ出すのを抑 でき、情報信号が固定側通信機器に到達す 伝送効率を向上することができる。しかも 従来はクロストークを生じていた隣人は通 周波数に対して低インピーダンスの第2の床 上に居るので、人体からアース(床)に信号 漏れ出して通信対象者への伝送効率が著し 下がり、クロストークの発生を抑えること できる。

 本発明のデータ通信システムにおいては 前記第1の床部は、前記近傍領域に設けた床 電極が抵抗を介してアースに接続されると共 に容量を介してアースに接続され、前記抵抗 と容量とが並列接続してなるローパスフィル タで構成されることが好ましい。この構成に よれば、通信周波数より少なくとも低域側の 雑音を抑制でき、人体が帯電している場合に は電荷をグラウンドに逃がすことができる。 静電気による不快感を解消でき、電子機器の 誤動作を防止することもできる。

 本発明のデータ通信システムにおいては 前記第1の床部は、前記近傍領域に設けた床 電極がインダクタを介してアースに接続され ると共に容量を介してアースに接続され、前 記インダクタと容量とが並列接続されてなる 並列共振回路で構成されることが好ましい。 この構成によれば、通信周波数の低域側及び 高域側の雑音を抑制でき、人体が帯電してい る場合には電荷をアースに逃がすことができ る。静電気による不快感を解消でき、電子機 器の誤動作を防止することもできる。

 本発明のデータ通信システムにおいては 前記第1の床部は、前記床電極とアースとの 間に設けられた空孔を含む材料又は空隙を含 む構造体で前記容量が形成されていることが 好ましい。この構成によれば、平均の誘電率 が小さくなるので、誘電体の厚さを薄くでき る効果がある。

 本発明のデータ通信システムにおいては 前記第2の床部は、前記周辺領域に設けた床 電極が直接アースに接続されていることが好 ましい。この構成によれば、簡易な構成で低 インピーダンス床を構成することができる。

 本発明のデータ通信システムにおいては 前記第2の床部は、前記周辺領域に設けた床 電極がインダクタと容量とからなる直列共振 回路を介してアースに接続されていることを 特徴とする。この構成によれば、直列共振回 路の共振周波数を通信周波数に調節すること で、前記周辺領域から前記近傍領域に漏れ込 んでくる電界通信で用いる通信周波数の帯域 の雑音を抑えることができる。一方、周辺領 域に他の通信方式の通信機器が設置される場 合、他の通信方式の通信機器との通信への影 響を防止することができる。

 本発明のデータ通信システムによれば、 界通信用送信機から人体に送られた信号が 体からアースに漏れ出ることを抑制して受 機の感度を改善できると共に、電界通信用 信機を携帯した別人からのクロストークを 制することができる。

本発明のデータ通信システムをゲート ステムに応用した模式図である。 図1のゲートシステムにおいて通信対象 者本人と周辺部との結合状況を示す図である 。 (a)~(c)は、高インピーダンス床部の構成 例を示す図である。 図1に示す通信対象者本人及び隣人を含 んだ状態の等価回路図である。 図4の等価回路に基づいたクロストーク 電流及び本人電流のシミュレーション結果を 示す図である。 図1に示す通信対象者本人だけを抜き出 した等価回路図である。 (a)比較例に係るゲートシステムの模式 、(b)図7(a)の等価回路図である。 図7(b)の等価回路に基づいたクロストー ク電流及び本人電流のシミュレーション結果 を示す図である。 本発明のデータ通信システムを応用し ゲートシステムの変形例の模式図である。 本発明のデータ通信システムを応用し たATM装置の模式図である。

 以下、本発明の実施の形態について添付図 を参照して詳細に説明する。
 本発明に係るデータ通信システムを電子マ ーシステムの一つであるゲートシステムに 用した例について説明する。ゲートシステ は、駅の改札ゲート、施設の入退出ゲート 適用することができ、複数人が連続して通 することが想定される。

 図1は、本発明のデータ通信システムをゲ ートシステムに応用した場合の模式図である 。携帯機器1aをユーザが胸のポケットなどに れて携帯した状態で、データ読み取り器な の固定機器3に手をかざして、手からデータ を読み取っている様子を示している。

 図1に示すデータ通信システムは、電界を 介して情報信号を伝送する伝送媒体である人 体2と、キャリア周波数を情報信号で変調し 電界を人体2に付与するユーザ側通信機器と る電界通信用送信機を搭載した携帯機器1a 、人体2を介して検出される電界を情報信号 復調する固定側通信機器となる電界通信用 信機を備えた固定機器3と、固定機器3との でデータ送受信を行う際にユーザが通過す インピーダンス調整床4とから主に構成され いる。

 本発明に係るデータ通信システムにおい は、携帯機器1aとしては、電界通信用の通 モジュールを備えたICカードや携帯電話など を挙げることができる。また、固定機器3と ては、電子マネー、各種ICカードなどのリー ダライタなどを挙げることができる。また、 固定機器3には、人体2が近づくことによりデ タ通信を行うための通信用電極3aが設けら ている。人体2と固定機器3との間は、直接接 触または容量結合により電気的に結合されて いれば良いので、通信用電極3aの表面は絶縁 料で被覆されていても良い。

 このデータ通信システムにおいては、図2 に示すように、電界通信用送信機を備えた携 帯機器1aと伝送媒体である人体2との間、及び 電界通信用受信機を備えた固定機器3と人体2 の間は、電気的に容量結合しており、電界 より情報信号を伝送するようになっている この場合、人体2には、変位電流は流れるが 定常電流は流れないので、電気的に導通して いる必要が無い。したがって、例えば携帯機 器1aをポケットに入れたままでも、薄い布を して携帯機器1aと人体2との間が容量結合す ので、情報信号の伝送が可能である。なお 固定機器3から携帯機器1aへ情報信号を送信 る場合は、固定機器3に送信機を、携帯機器 1aに受信機を備えればよい。

 上記データ通信システムにおいて、デー 通信を行う場合は、携帯機器1aにおいて、 体2が導電性を示す周波数(数十kHz~数十MHz)の ャリア周波数を情報信号で変調して変調信 を得る。この変調信号は、増幅されてから 圧変化に変換されることにより、変調信号 対応する電界となる。そして、この電界が 体2に付与される。なお、携帯機器1aにおけ 変調方式については特に制限はなく、変調 しないベースバンド伝送でもよい。

 人体2に付与された電界は、固定機器3の通 用電極3aで受けられる。通信用電極3aで受け 電界は受信機の信号検出回路(図示せず)で 出され、復調回路(図示せず)に送られる。復 調回路において携帯機器1aで使用したキャリ 周波数を用いて復調して情報信号を取得す 。このように、人体2を伝送媒体としてデー タの送受信を行うことができる。
 以下の説明では、図1において固定機器3の 信用電極3aに手をかざしてデータ送受信を行 うユーザを通信対象者本人2と呼び、通信対 者本人2に近接して当該ゲートに入っている ーザおよびその携帯機器を、隣人10、携帯 器1bと呼んで、区別するものとする。

 インピーダンス調整床4は、ユーザが通信 用電極3aに手をかざして通過するユーザ通路 一部を構成しており、通信用電極3aに手を ざす際のユーザ立ち位置を含むユーザ一人 たりの領域R1に敷設された第1の床部となる インピーダンス床部5と、領域R1に隣接する 後の領域R2,R3に敷設された第2の床部となる インピーダンス床部6a、6bとを有する。すな ち、ユーザが通信用電極3aに手をかざして ータ送受信を行う近傍領域となる領域R1と、 近傍領域の周辺領域となる周辺領域R2,3とに けられており、通信周波数に対するインピ ダンスを異ならせている。

 高インピーダンス床部5は、携帯機器1aと 定機器3との間でデータ通信する際の通信周 波数に対して高インピーダンスであり、当該 通信周波数帯域の信号がアースに漏れるのを 阻止するように作用する。ただし、本発明は 漏れ出しを完全に阻止する場合だけでなく、 ある程度の抑制効果が得られれば良い。また 、低インピーダンス床部6a、6bは、通信周波 に対して低インピーダンスであり、少なく も通信周波数帯域の信号を床側(アース)に流 すように作用する。高インピーダンス床部5 寸法は、通信対象者本人2が通信用電極3aに をかざしている状態では当該高インピーダ ス床部5を占有し、隣人10が同時にその高イ ピーダンス床部5を踏むことができない大き とすることが望ましい。複数人が同時に高 ンピーダンス床部5を踏まないような面積又 は立てないような構成としている。

 また、インピーダンス調整床4に沿って通 路壁7が設けられており、通路壁7の一部が固 機器3の組み込まれる支持体を兼ねている。 通路壁7には、高インピーダンス床部5上のユ ザが対向する側壁領域に高インピーダンス 部8が設けられ、高インピーダンス壁部8の 後の側壁に低インピーダンス壁部9a,9bが設け られている。高インピーダンス壁部8は、通 周波数に対して高インピーダンスであり、 インピーダンス壁部9a,9bは通信周波数に対し て低インピーダンスである。好ましくは、高 インピーダンス壁部8は、通信周波数以外の 域では低インピーダンスとなり、低インピ ダンス壁部9a,9bは通信周波数以外の帯域では 高インピーダンスとなるように設定する。

 図2は高インピーダンス床部5上に立って 定機器3の通信用電極3aに手をかざしている 信対象者本人2だけに着目した状態の概念図 ある。高インピーダンス床部5とアースとの 間のインピーダンスをZgfとする。電界通信用 送信機としての携帯機器1aと通信対象者本人2 との間の静電容量をCthとし、電界通信用受信 機としての固定機器3と通信対象者本人2との の静電容量をCrhとし、高インピーダンス床 5と通信対象者本人2との間の静電容量をCfh し、携帯機器1aとアースとの間の静電容量を Ctgとし、固定機器3とアースとの間の静電容 をCrgとしている。携帯機器1aは、例えば10MHz 通信周波数の交流信号源であり、通信対象 本人2を導電体として扱い、固定機器3が高 ンピーダンス床部5のアースに電気的に接続 れているとしている。なお、固定機器3を送 信機とし、携帯機器1aを受信機とした場合で 、等価回路は同様となることは当業者であ ば容易に理解できる。

 図3(a)~(c)は、高インピーダンス床部5の構 を示す図である。高インピーダンス床部5は 、データ通信を行う際の通信周波数において 高インピーダンスを有し、通信周波数よりも 低い周波数において低いインピーダンスを有 することが望ましい。このために、図3(a)~(c) 示すように、床電極11とグランド電極12との 間に誘電体で構成された誘電部材13を配設し 、床電極11とグランド電極12との間に静電容 量が形成される構成にすることが好ましい。 高インピーダンス壁部8も高インピーダンス 部5と同様に構成する。

 高インピーダンス床部5の容量は、床電極 11とアースとの間に設けられた空孔を含む材 又は空隙を含む構造体で構成することがで る。たとえば、誘電部材13を多孔質部材で ることが好ましい。これにより、多孔質部 の平均の誘電率が小さくなるため、床電極11 とグランド電極12との間の静電容量を所定の にする際に、同じ面積であれば、多孔質部 の厚さを薄くすることができる。誘電部材1 3としては、例えば、テフロン(登録商標)樹脂 やABS樹脂などの樹脂材料、あるいはセラミッ クス材料で構成された多孔体を用いることが できる。

 図3(a)に示すように、抵抗素子14を介して 電極11とグランド電極12とを接続すると共に 誘電部材13による容量を介してグランド電極1 2と接続することにより、抵抗及び容量が並 接続されたローパスフィルタを構成するこ ができる。ローパスフィルタの定数を調整 て通信周波数(例えば10MHz)よりも低域側の信 を通過させるようにする。これにより、通 周波数では高インピーダンスであるが、通 周波数より低域側では低インピーダンスと り、少なくとも通信周波数より低域側では 信対象者体2の表面電位を低くすることがで き、電荷をアースに効率良く逃がすことがで き、静電気対策を講じることができる。これ 以外にも、ローパスフィルタの構成例として 、インダクタと容量を組み合わせたπ(パイ) やT型などのパッシブフィルタや、OPアンプ 使ったアクティブフィルタなどでも同様の 果が得られる。

 図3(b),(c)に示すように、インダクタ15を介 して床電極11とグランド電極12とを接続する 共に誘電部材13による容量を介してグランド 電極12と接続することにより、インダクタ及 容量が並列接続された共振回路を構成する とができる。共振回路のパラメータを調整 て通信周波数(例えば10MHz)に共振周波数を合 わせることで、通信周波数で高インピーダン スになると共に、通信周波数よりも低域側及 び高域側で低インピーダンスとなる。なお、 図3(b)ではインダクタ15としてインダクタ素子 を用いているが、図3(c)ではインダクタ15とし て床電極11の外周を囲むように形成したイン クタパターンを用いている。

 このように、高インピーダンス床部5とア ースとの間のインピーダンスZgfが、データ通 信を行う際の通信周波数において高くなるよ うに調整するので、通信周波数に対しては通 信対象者本人2から高インピーダンス床部5を 由してアースへの信号の漏れが抑制され、 信対象者本人2の表面電位を高くすることが でき、携帯機器1aからの信号を効率良く伝送 ることができる。また、通信周波数帯域よ も低い周波数及び又は高い周波数において インピーダンスとなるように調整すること より、通信周波数以外では通信対象者本人2 の表面電位を低くすることができ、電荷をア ースに効率良く逃がすことができ、静電気対 策を講じることができる。

 次に、通信対象者本人2の近傍に、電界通 信用の携帯機器を持った隣人10が存在する場 における本データ通信システムの動作につ て説明する。

 図1に示すように、隣人10が通信対象者本 2との間で静電容量を介して通信可能な程度 まで接近した場合、当該隣人10は高インピー ンス床部5に隣接して敷設した低インピーダ ンス床部6a又は6b(図1では低インピーダンス床 部6a上に立っている状態を例示)上に存在する 。

 低インピーダンス床部6a又は6bは、最も簡 易な方式として床電極をアースに直接接地し た構成と採ることができる。低インピーダン ス床部6a、6b上に立っている隣人10が所持して いる携帯機器1bから自身の人体に付与される べての通信周波数成分を積極的にアースへ すことができる。

 また、電界通信用の携帯機器1bで使用し いる通信周波数だけを、低インピーダンス 部6a、6bを使ってアースへ流し、当該電界通 用周波数以外は減衰させないようにするこ も可能である。たとえば、携帯機器を他の 信方式(例えば、近距離通信方式)と併用す 場合、併用される通信方式で用いる周波数 のインピーダンスは高いことが望まれる。 こで、低インピーダンス床部6a、6bをインダ タと容量の直列接続からなるLC直列共振回 で構成し、LC直列共振回路の共振周波数を電 界通信用周波数に合わせる。このように、低 インピーダンス床部6a、6bをLC直列共振回路で 構成することにより、電界通信用周波数に対 しては非常に低いインピーダンスとなるが、 電界通信用周波数以外は高いインピーダンス を示すことができ、別方式の通信方式による 通信を同時に実行することができる。

 図4は、図1に示すように通信対象者本人2 高インピーダンス床部5上に立って固定機器 3に手をかざしており、通信対象者本人2に近 した位置(周辺領域)にいる隣人10が低インピ ーダンス床部6bに立っている場合の等価回路 である。図4の等価回路では、隣人10の所持 る携帯機器1bは図示しているが、通信対象 本人2の所持する携帯機器1aは図示していな 。また、低インピーダンス床部6bは床電極を 直接アースに接続する構造を想定している。

 図4に示す等価回路に基づいて固定機器3 の受信機に流れ込む電流をシミュレーショ した。等価回路では、通信対象者本人2と隣 10との間の静電容量Chhを10pFとした。10pFの静 電容量は高さ170cm、幅40cmの平行平板電極を60c mの距離で離して対向させた場合の容量に相 する。また、通信対象者本人2と固定機器3と の間の静電容量Crhを10pFとし、通信対象者本 2及び隣人10の一部(足)が床と接する靴底がゴ ムなどであることを想定して、通信対象者本 人2及び隣人10の一部(足)と床部5、6との間の 電容量Cfhを110pFとした。また、隣人10の携帯 器1bと隣人10との間の静電容量Cthを10pFとし 隣人10の携帯機器1bとアースとの間の静電容 Ctgを10fFとした。また、交流信号源となる携 帯機器1bの通信周波数を10MHzと想定した。

 高インピーダンス床部5を構成する共振回路 は、図3(b)に示す構造又は図3(c)に示す構造を いた。図3(b)に示す構造においては、高イン ピーダンス床部5の床電極11の電極面積を900cm 2 (30cm×30cm)とし、誘電部材13には多孔質部材(厚 さ9cmで比誘電率1.3=11.5pF)を用い、インダクタ 子Lfには12.5μHのものを用いた。また、図3(c) に示す構造においては、高インピーダンス床 部5の床電極11の電極面積を900cm 2 (30cm×30cm)とし、誘電部材13には多孔質部材(厚 さ9cmで比誘電率1.3=11.5pF)を用い、インダクタ ターンLfは、床電極11の周りに配設して12.5μ Hとした。

 なお、高インピーダンス床部5をローパスフ ィルタで構成する場合は、図3(a)に示す構造 おいて、床電極11の電極面積を900cm 2 (30cm×30cm)とし、誘電部材13には多孔質部材(厚 さ10cmで比誘電率1.3=10pF)を用い、抵抗素子14に は30kωのものを用いる。

 図5は図4の等価回路に基づいて固定機器3 受信機に流れ込む電流をシミュレーション た結果を示している。同図に示す特性曲線A は隣人10から通信対象者本人2を介して受信機 に流れ込むクロストーク電流であり、0.05μA 抑えられていることが分かる。特性曲線Bは 図6に示す等価回路に基づいて固定機器3の 信機に流れ込む電流をシミュレーションし 結果であり、通信対象者本人2のみの信号と る本人信号である。本人信号は高インピー ンス床部5を構成する共振回路によってアー スへの漏れ出しが抑制されているので、クロ ストーク電流に比べて十分に大きく安定した 通信が可能な2.0μAを確保できている。

 一方、比較例として、図7(a)に示すように 高インピーダンス床部5上に二人のユーザが 時に存在し、一人のユーザが通信対象者本 2として固定機器3との間でデータ送受信を行 う場合の受信機への流れ込み電流についてシ ミュレーションした。

 図7(b)は図7(a)の比較例の等価回路である 図4に示す等価回路と異なる点は、隣人10が インピーダンス床部5で構成される共振回路 介してアースに接続されていることである 隣人10も通信対象者本人2と同様に通信周波 では高インピーダンスの共振回路を介して ースに接地される。

 図8は図7(b)の等価回路に基づいて固定機 3の受信機に流れ込む電流をシミュレーショ した結果を示している。同図に示す特性曲 Aは隣人10から通信対象者本人2を介して受信 機に流れ込むクロストーク電流であり、0.6μA である。図5のシミュレーション結果と比べ 、多くの電流が隣人10側から流れ込んでいる ことが分かる。特性曲線Bは、図6に示す等価 路に基づいて固定機器3の受信機に流れ込む 電流をシミュレーションした結果である。

 なお、以上の説明では、通路壁7に設けた 高インピーダンス壁部8及び低インピーダン 壁部9a,9bの動作について説明していないが、 通信対象者2、隣人10の人体の一部が高インピ ーダンス壁部8又は低インピーダンス壁部9a,9b に接触した場合にも、高インピーダンス床部 5及び低インピーダンス床部6a、6bと同様にク ストークを抑制する作用効果を奏すること できる。

 また、図9に示すように、通路壁7の上面21 にもインピーダンス調整部を設けるようにし ても良い。固定機器3の通信電極3aを囲む領域 には通信周波数に対して高インピーダンスと なる高インピーダンス部22を設け、高インピ ダンス部22の周辺となる前後に通信周波数 対して低インピーダンスの低インピーダン 部23a,23bを設ける。

 通路壁7の上面21は通信対象者本人2が通信 電極3aに対して手をかざす際に人体の一部(袖 等の衣服の一部を含む)が接触する可能性が る。通路壁7の上面21が通信周波数について インピーダンスであると、通路床と同様に 界が通路壁7側へ逃げてしまう。また、高イ ピーダンス部22に対して同時に隣人10までも 接触するようであると、クロストークが発生 する。そこで、通路壁7の上面21にも高インピ ーダンス部22及び低インピーダンス部23a,23bを 設けることで、信号の漏れ出しを防止すると 共に、クロストークの抑制を図ることができ る。

 以上の説明では、本発明のデータ通信シ テムをゲートシステムに適用した実施の形 を例示したが、その他の分野にも適用可能 ある。

 図10は本発明のデータ通信システムをATM( 金自動預け払い機)に応用した場合の概念図 である。ATM筺体31の操作画面近傍に固定機器3 の通信用電極3aが設けられている。ATM筺体31 操作画面に向かった通信対象者本人2が立つ 置の床に、高インピーダンス床部32を設け いる。高インピーダンス床部32の面積は、通 信対象者本人2が占有する程度の大きさであ 、同時には背後で待っている待人たる隣人10 が踏むことがないように設計されている。通 信対象者本人2の背後で待っている隣人10の足 元には低インピーダンス床部33が設けられて る。また、ATM筺体31の側壁であって通信対 者本人2と対向する領域には高インピーダン 壁34が設けられている。高インピーダンス 部32及び高インピーダンス壁34は、図3(a)(b)(c) と同様の構成とすることができ、低インピー ダンス床部33は低インピーダンス床部6a、6bと 同様に構成することができる。

 本発明は上記実施の形態に限定されず、 々変更して実施することが可能である。例 ば、携帯機器と固定機器に送信機/受信機を それぞれ組み込むことにより、双方向通信が できるようにしても良い。上記実施の形態に おいては、誘電部材として多孔質部材を用い た場合について説明しているが、本発明にお いては、床材の下側に穴を設けてインピーダ ンスを調整するようにしても良い。その他、 本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実 施することができる。