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Title:
EXHAUST GAS PURIFYING APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081737
Kind Code:
A1
Abstract:
An exhaust gas purifying apparatus for internal combustion engine that while preventing any drop of exhaust gas purification capacity, realizes simultaneous use of a NOx retention member and a catalyst. A NOx occlusion reduction catalyst is disposed along an exhaust passageway of internal combustion engine. The NOx occlusion reduction catalyst is provided by, in a substratum having an exhaust inflow cell with its downstream side clogged and having an exhaust outflow cell with its upstream side clogged, the exhaust outflow cell and the exhaust inflow cell adjacent to each other via a cell wall portion, disposing a NOx retention layer on the internal surface of the exhaust inflow cell and disposing a catalyst layer on the internal surface of the exhaust outflow cell.

Inventors:
HIRATA HIROHITO (JP)
IBE MASAYA (JP)
OSAKI MAYUKO (JP)
KAMADA MASAYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074538
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 20, 2007
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
HIRATA HIROHITO (JP)
IBE MASAYA (JP)
OSAKI MAYUKO (JP)
KAMADA MASAYA (JP)
International Classes:
F01N3/08; B01D53/94; B01J23/02; B01J23/42; B01J35/04; F01N3/02; F01N3/28
Foreign References:
JP2002089246A2002-03-27
JP2004243189A2004-09-02
JP2002188435A2002-07-05
JPH0616818B21994-03-09
Attorney, Agent or Firm:
TAKAHASHI, Hideki et al. (Takahashi & Partners5th Floor, Intec 88 Bldg.,20, Araki-cho, Shinjuku-ku, Tokyo 07, JP)
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Claims:
 内燃機関の排気通路に配置されるNOx吸蔵還元型触媒と、
 前記NOx吸蔵還元型触媒に流れ込む排気ガスと混合するようにオゾンを供給するオゾン供給手段と、を備え、
 前記NOx吸蔵還元型触媒は排気ガスの透過を許容する隔壁によって仕切られた2以上のセルを備え、該2以上のセルは、その下流側を塞がれてNOx保持材を含むNOx保持層がその内面に沿って設けられた第1セルと、該第1セルと前記隔壁を介して隣接し、その上流側を塞がれ、貴金属を含み前記NOx保持材の含有量が前記NOx保持層に比して少ない触媒層がその内面に沿って設けられた第2セルと、を含むことを特徴とする内燃機関の排気ガス浄化装置。
 前記排気ガスの透過を許容する隔壁は、排気ガスに含まれるパティキュレートを捕捉するパティキュレートフィルタであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
 前記第2セルの内面に設けられた触媒層は、前記NOx保持材の含有量が実質的に零であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
前記NOx吸蔵還元型触媒に流れ込む混合ガス中の一酸化窒素(NO)に対するオゾンのモル比が1よりも大きくなるようにオゾン供給量を調整するオゾン供給量調整手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
 前記オゾン供給量調整手段は、NOx吸蔵還元型触媒に流れ込む混合ガス中の一酸化窒素(NO)に対するオゾン(O 3 )のモル比が2以上となるようにオゾン供給量を調整することを特徴とする請求項4記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
Description:
内燃機関の排気ガス浄化装置

 この発明は、内燃機関の排気ガス浄化装 に関する。

 従来、例えば、日本特開2002-89246号公報に 開示されているように、NOx吸蔵還元型触媒を 有する排気ガス浄化装置が知られている。上 記従来の技術では、内燃機関の排気通路に、 触媒とともに、NOxを吸蔵しうる物質(以下、 NOx保持材」とも呼称する)が備え付けられて る。このような構成において、リーン雰囲 中では排気ガス中のNOxがNOx吸蔵触媒に吸蔵 れる。そして、リッチ雰囲気において、吸 されていたNOxが放出され、還元、分解され 仕組みになっている。

 上記の反応が円滑に行われるには、触媒が 性温度に達し、その活性機能を十分に発揮 ている状態が望ましい。しかしながら、内 機関の始動時には、触媒温度が低い状態に る。そこで上記従来の排気ガス浄化装置で 、これに対処するために、内燃機関の始動 に排気ガスにオゾン(O 3 )を添加することとしている。オゾン添加を うことにより、排気ガス中のNOxを酸化し、NO x吸蔵反応を促進することができる。これに り、上記従来の技術によれば、内燃機関の 動時など触媒が十分な活性状態にない場合 あっても、NOx吸蔵を促進して排気ガスを浄 することができる。

日本特開2002-89246号公報

日本特開平5-192535号公報

日本特表2005-538295号公報

日本特開平6-185343号公報

日本特開平10-169434号公報

日本特許第3551346号公報

 ところで、上記従来のNOx吸蔵還元型触媒 、触媒とNOx保持材とを含む層が基材(担体と も呼称される)にコーティングされることに り形成されている。このような触媒では、NO x保持材を有さない従来の三元触媒に比べて 媒の排ガス浄化能力(NOx、HC、COを浄化する能 力)が低くなる傾向にあり、触媒の排ガス浄 機能が妨げられているという課題がある。

 この発明は、上記のような課題を解決す ためになされたもので、NOx保持材と触媒と 排気ガス浄化能力の低下を防止しつつ併用 ることができる内燃機関の排気ガス浄化装 を提供することを目的とする。

 第1の発明は、上記の目的を達成するため、 内燃機関の排気ガス浄化装置であって、
 内燃機関の排気通路に配置されるNOx吸蔵還 型触媒と、
 前記NOx吸蔵還元型触媒に流れ込む排気ガス 混合するようにオゾンを供給するオゾン供 手段と、を備え、
 前記NOx吸蔵還元型触媒は排気ガスの透過を 容する隔壁によって仕切られた2以上のセル を備え、該2以上のセルは、その下流側を塞 れてNOx保持材を含むNOx保持層がその内面に って設けられた第1セルと、該第1セルと前記 隔壁を介して隣接し、その上流側を塞がれ、 貴金属を含み前記NOx保持材の含有量が前記NOx 保持層に比して少ない触媒層がその内面に沿 って設けられた第2セルと、を含むことを特 とする。

 また、第2の発明は、第1の発明において、
 前記排気ガスの透過を許容する隔壁は、排 ガスに含まれるパティキュレートを捕捉す パティキュレートフィルタであることを特 とする。

 また、第3の発明は、第1または2の発明にお て、
 前記第2セルの内面に設けられた触媒層は、 前記NOx保持材の含有量が実質的に零であるこ とを特徴とする。

 また、第4の発明は、第1乃至第3の発明にお て、
前記NOx吸蔵還元型触媒に流れ込む混合ガス中 の一酸化窒素(NO)に対するオゾンのモル比が1 りも大きくなるようにオゾン供給量を調整 るオゾン供給量調整手段を更に備えること 特徴とする。

 また、第5の発明は、第4の発明において、
 前記オゾン供給量調整手段は、NOx吸蔵還元 触媒に流れ込む混合ガス中の一酸化窒素(NO) に対するオゾン(O 3 )のモル比が2以上となるようにオゾン供給量 調整することを特徴とする。

 第1の発明によれば、NOx保持層が第1セル 、触媒層が第2セルにそれぞれ設けられるた 、触媒がその排気ガス浄化機能を良好に発 することができる。NOx保持材は、貴金属元 に対して触媒毒となり、触媒の排ガス浄化 力を低下させる要因になっていると考えら ている。第1の発明によれば、NOx保持層と触 媒層とが第1セルと第2セルとにそれぞれ個別 設けられるとともに、オゾン供給手段によ 触媒層に頼らずにNOx吸蔵反応を促進してい ので、NOx保持材が触媒毒となるのを回避し 、触媒の排気ガス浄化機能が妨げられるの 防ぎつつ、NOx吸蔵還元を行うことができる

 第2の発明によれば、触媒がその排気ガス 浄化機能を良好に発揮することができる効果 とともに、隔壁によって排気ガスに含まれる パティキュレートの捕捉を行うことができる 。

 第3の発明によれば、第1の発明における 触媒毒の影響の抑制をさらに効果的に行う とができる。

 第4の発明によれば、排気ガス中のNOを酸化 て、NO 3 やN 2 O 5 などのNO 2 よりも高次の窒素酸化物(水分が存在すればHN O 3 も生成)とすることができる。このため、NOx 持材に流れ込む排気ガス中に含まれる、NO 3 やN 2 O 5 などのNO 2 よりも高次の窒素酸化物の量を増加させるこ とができる。その結果、NOx吸蔵反応を促進す ることができ、排気ガスの浄化能力を高める ことができる。

 第5の発明によれば、NOを酸化してNO 3 やN 2 O 5 などのNO 2 よりも高次の窒素酸化物(水分が存在すればHN O 3 も生成)とするための、十分な量のオゾンを 給することができる。その結果、NOx吸蔵反 を効果的に促進することができ、排気ガス 浄化能力を高めることができる。

本発明の実施の形態1の内燃機関の排気 ガス浄化装置の構成を説明するための図であ る。 実施の形態1の装置の構成を説明するた めの図である。 実施の形態1においてECUが実行するフロ ーチャートである。 実施の形態1に関する実験結果を説明す るための図である。 実施の形態1に関する実験結果を説明す るための図である。 実施の形態1に関する実験結果を説明す るための図である。 実施の形態1に関する実験結果を説明す るための図である。 実施の形態1に関する実験結果を説明す るための図である。

符号の説明

10 内燃機関         
12 排気通路
20 触媒装置         
30 オゾン供給装置
32 オゾン噴射口       
34 空気入口
50 ECU
80 NOx吸蔵還元型触媒   
82 基材
86 隔壁部
90 排気流入セル       
92 NOx保持層
94 触媒層          
96 排気流出セル

実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
 図1は、本発明の実施の形態1の排気ガス浄 装置を説明するための図である。図1に示す うに、実施の形態1の排気ガス浄化装置は、 内燃機関10の排気通路12に、触媒装置20を有し ている。触媒装置20は、NOx吸蔵還元型触媒80 収納している。このような構成によれば、 気通路12を通ってきた排気ガスが触媒装置20 流入し、NOx吸蔵還元型触媒80に流れ込むこ になる。

 図2は、NOx吸蔵還元型触媒80の構成を説明 るための図であり、排気ガスの流通方向に ってNOx吸蔵還元型触媒80を切断した際の断 図を示している。図2の紙面左側が排気ガス 流れ込む側(上流側)に、紙面右側がNOx吸蔵 元型触媒80を通過して浄化された排気ガスが 流れ出す側(下流側)に相当している。

 図2(a)は、NOx吸蔵還元型触媒80の全体の構 を簡略化して示した図である。NOx吸蔵還元 触媒80は、図2(a)に示す基材82に、後述するNO x保持層と触媒層とがそれぞれコーティング れることにより形成されている。基材82は、 ハニカム形状のセラミックス製基材である。 基材82の内部は隔壁によって仕切られ、複数 セルが形成されている。

 基材82は、図2(a)に示すように、上流側(紙 面左方側)に開口部を有しかつ下流側(紙面右 側)が塞がれた排気流入セル90と、上流側が がれて下流側に開口部を有する排気流出セ 96とを、それぞれ有している。これらのセ は、それぞれ、排気ガス流れ方向(図2(a)の左 右方向)に延びるように形成されている。

 図2(b)は、NOx吸蔵還元型触媒80の一部を拡 した図に相当しており、NOx吸蔵還元型触媒8 0が有するセルの構成を説明するための図で る。排気流入セル90は、上述したように、上 流側が開放されており、排気ガスが流入しう る構成となっている。そして、排気流入セル 90の下流側は、排気ガスの流れを塞き止める うに閉鎖されている。

 排気流入セル90の内面には、NOx保持層92が設 けられている。NOx保持層92は、BaCO 3 を含むNOx保持材料をコーティングすることで 形成される。BaCO 3 は、排気ガス中のNOxを硝酸塩(具体的には、Ba (NO 3 ) 2 )として吸蔵するNOx保持材(NOx吸蔵剤とも呼称 れる)として機能する。そして、主に排気ガ スがリッチであるほど、またはNOx保持材が高 温であるほど、吸蔵されたBa(NO 3 ) 2 が活発に放出される。また、このNOx保持層92 、排気ガスの通過を許容する程度のガス透 性を有している。

 一方、排気流出セル96は、その下流側が 放されており、その上流側は塞がれている これにより、排気流出セル96内に存在するガ スは、その下流側へと向かって流れ、NOx吸蔵 還元型触媒80から流出することになる。

 排気流出セル96の内面には、触媒層94が設 けられている。触媒層94は、Pt等の貴金属を む触媒材料をコーティングすることで形成 れる。Pt等の貴金属はCO、HCの酸化反応とNOx 還元反応とを同時に活性させる活性点とし 機能する。よって、触媒層94は、NOx、CO、HC 同時に浄化する三元触媒として機能する。 た、この触媒層94は、排気ガスの通過を許容 する程度のガス透過性を有している。

 図2(b)に示すように、排気流入セル90と排 流出セル96とは、基材82の隔壁部86を介して 接している。隔壁部86は、排気ガスの通過 許容する程度のガス透過性を有しており、 気ガスが隔壁部86を通過する過程で、当該排 気ガスに含まれる種々のパティキュレート(PM とも略称される)を捕捉するフィルタとして 能する。

 以上のような構成によれば、NOx吸蔵還元 触媒80に流れ込む排気ガスは、先ず、排気 入セル90に流れ込み、NOx保持層92、隔壁部86 触媒層94を順次通過して排気流出セル94へと った後、そのまま下流へ流出する(図2(b)の 印)。これにより、NOx吸蔵還元型触媒80を通 する排気ガスは、その流通の過程で、NOx吸 、パティキュレートの除去、三元活性によ 排気ガス浄化の効果のそれぞれを、適宜享 することができる。

 なお、基材82は、いわゆるハニカム形状 基材において各セルの上流側の開口と下流 の開口とを交互に(互い違いに)塞いだ構成で あるとも言うことができる。このような基材 は、例えば、従来、排気ガス中のパティキュ レートを捕捉するのに用いられているディー ゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Parti culate Filter、単に「パティキュレートフィル 」とも呼称される)と同様のものである。従 って、既に公知となっている上述のDPFを、必 要に応じて、実施の形態1の基材82として用い ることもできる。

 また、実施の形態1の装置は、図1に示すよ に、オゾン供給装置30を備えている。オゾン 供給装置30は、空気入口34に連通している。 ゾン供給装置30は、空気入口34から空気を得 オゾン(O 3 )を生成し、下流へと供給することができる なお、空気からオゾンを生成するオゾン生 器の構成、機能等に関しては既に種々の技 が公知となっているため、その詳細な説明 省略する。

 オゾン供給装置30は、触媒装置20内でガス を噴射するオゾン噴射口32を有している。オ ン噴射口32は、触媒装置20内のNOx吸蔵還元型 触媒80の上流に配置されている。このような 成によれば、オゾン噴射口32からオゾンを 射することで、排気通路12を流れて来る排気 ガスにオゾンまたは空気を供給することがで きる。そして、供給されたオゾンまたは空気 と排気ガスとが混合し、当該混合ガスがNOx吸 蔵還元型触媒80へと流れ込むことになる。

 実施の形態1の排気ガス浄化装置は、ECU(El ectronic Control Unit)50を有している。ECU50は、 ゾン供給装置30と接続している。ECU50がオゾ 供給装置30に制御信号を送信することによ 、オゾンの噴射時期や噴射量が制御される このような構成とすることで、所望のタイ ングでオゾン供給を行うことができる。

 NOx保持層92において排気ガス中のNOxが吸 される反応(以下、「NOx吸蔵反応」とも呼称 る)を効率よく行う観点からは、排気ガス中 のNOxが、より酸化された状態で存在すること が望ましい。実施の形態1では、オゾン供給 置30を用いて、適宜、排気ガスにオゾンを供 給することができる。これにより、排気ガス 中のNOxを気相反応において酸化し、排気ガス を効果的に浄化することができる。

 また、ECU50は、内燃機関10に備えられる各 種センサ等に接続している。これにより、ECU 50が、内燃機関10の温度、機関回転数Ne、空燃 比A/F、負荷、吸入空気量などの情報を取得で きるようになっている。

[実施の形態1の特徴点]
(構成の特徴)
 上述したように、NOx保持材に含まれるNOx保 材(実施の形態1では、BaCO 3 )は、排気ガス中のNOxを吸蔵する機能を有し いる。また、触媒に含まれる貴金属(実施の 態1では、Pt、Rh、Pd等)は、排気ガスを浄化 る際に活性点として機能する。これらの機 を併せて効果的に使用することは、NOx吸蔵 元と排気ガス浄化を効率よく行う上で極め 重要である。

 従来、これらのNOx保持材と触媒とを一体 した種々の触媒が知られている。このよう 触媒は、例えば、日本特許第3551346号公報で 開示されており、「NOx吸蔵還元型触媒」「NSR 触媒」とも呼称されている。NOx吸蔵還元触媒 は、触媒によりNOxの酸化を促進してNOx吸蔵反 応を促進できるとともに、NOxの放出時には触 媒により排気ガスを浄化することができると いう特徴を有している。

 しかしながら、このようにNOx保持材を触 に一体化させた場合、NOx保持材を含まない 来の三元触媒に比べて触媒の排気ガス浄化 力(NOx、HC、COを浄化する能力)が低くなって まう。これは、NOx保持材が触媒(貴金属元素 )に対して触媒毒となり、NOx保持材が触媒の 性能力を低下させていることに由来すると えられている。効率の良い排気ガス浄化を う観点からは、このような弊害を避け、触 の能力を最大限に発揮させることが好まし 。

 そこで、実施の形態1の排気ガス浄化装置 では、NOx吸蔵還元型触媒80を構成するに際し 排気流入セル90にNOx保持層92を、排気流出セ ル96に触媒層94を設けることとし、NOx保持層92 と触媒層94を独立に設けている。前述したよ に、触媒の排気ガス浄化能力の低下は、NOx 持材が触媒毒として作用することに起因し いる。実施の形態1によれば、NOx保持層92と 媒層94とが、隔壁部86を挟んで独立している ため、触媒層94に対してNOx保持材が触媒毒と るのを防ぐことができる。以下、実施の形 1の構成における、NOx吸蔵時およびNOx放出時 の動作について述べる。

(NOx吸蔵時の動作)
 上述したように、実施の形態1のNOx吸蔵還元 型触媒80は、排気流出セル96の内面に触媒層94 を有している。この触媒層94は、Pt等の貴金 を含み、NOx、CO、HCを同時に浄化する機能(以 下、「排気ガス浄化機能」とも呼称する)を している。しかしながら、触媒がその排気 ス浄化機能を発揮するには、触媒が十分な 性温度に達していることが求められる。こ ため、内燃機関12の始動時、特に冷間始動時 においては、NOx吸蔵還元型触媒80の温度が低 、排気ガスに含まれるNOxを浄化することが 難である。

 そこで、本実施の形態においては、上記 ような状況においては、NOxをNOx保持層92に 蔵することにする。そして、このNOx吸蔵を 進する目的で、本実施形態では、オゾン供 装置30を用いて、NOx吸蔵還元型触媒80に流れ む排気ガスと混合するようにオゾンを供給 ることとする。オゾンを添加することによ 、排気ガス中のNOxを酸化し、より吸蔵され すくすることができる。

 オゾンによって酸化されたNOxは、排気流 セル90へと流れ込み、NOx保持層92へと至る。 そして、NOx保持層92において吸蔵反応が生じ NOxが硝酸塩として吸蔵される。このような 作により、内燃機関12の始動時、触媒層94が 未だ活性温度に達していない状況下であって も、排気ガス中のNOxが触媒装置20の下流へと れ出すのを防ぐことができる。

(NOx放出時の動作)
 内燃機関12の始動後、上述したNOx吸蔵が行 れるにつれ、NOx吸蔵還元型触媒80の温度も上 昇する。よって、内燃機関12の始動後に十分 時間が経過すれば、NOx吸蔵還元型触媒80内 触媒層94の温度が活性温度に達することにな る。そこで実施の形態1では、触媒層94が活性 温度に達し、その排気ガス浄化機能が十分に 発揮されうる状況となったら、オゾン供給を 停止して、内燃機関12の燃料噴射量を若干リ チ気味に(スライトリッチ)制御することと る。

 オゾン供給が停止されることにより、NOx 蔵反応の促進がなされなくなる。また、NOx 蔵還元型触媒80が高温となっている状況で 、NOx保持層92も当然に高温となっている。NOx 保持層92は、温度が高いほど、また、雰囲気 リッチであるほど吸蔵したNOxを活発に放出 る。このため、上述の制御によりNOx放出反 が活発化することとなる。

 NOx保持層92からNOxが放出されると、このNOx 隔壁部86を透過して触媒層94へと至る。そし 、触媒層94に至ったNOxは、排気ガスに含ま るHC等の還元剤により還元されてN 2 、H 2 O、CO 2 等になる。本実施形態では、前述したとおり 、NOx保持層92と触媒層94とが独立した二つの を形成しており、触媒層94に対してNOx保持材 が触媒毒となるのを防止している。従って、 本実施形態では、触媒層94の排気ガス浄化機 が妨げられることなく、排気ガスの浄化を 果的に行うことができる。

 以上説明したように、本実施形態によれ 、NOx保持層92と触媒層94とが、隔壁部86を挟 でそれぞれ個別に形成されているので、NOx 持材が触媒毒となるのを確実に回避するこ ができる。その結果、触媒層94の排気ガス 化能力が妨げられるのを、確実に回避する とができる。そして、実施の形態1によれば オゾン供給装置30によるオゾン供給を用い 触媒に頼らずにNOx吸蔵反応を促進している で、触媒の排気ガス浄化機能を十分に発揮 つつ、NOx吸蔵還元を行うことができる。

 また、オゾンによるNOx酸化手法によれば 内燃機関の始動時など低温状況下でも、触 に頼らず、NOxを気相反応により確実に酸化 ることができる。また、水蒸気が存在すれ 硝酸を生じNOx保持材と容易に反応するため NOxを効率よく吸蔵させることができる。

[実施の形態1の具体的処理]
 以下、図3を用いて、実施の形態1の排気ガ 浄化装置が行う具体的処理を説明する。図3 、実施の形態1においてECU50が実行するルー ンのフローチャートであり、内燃機関10の 動時、低温状態(例えば、Cold Start時)におい 実行される。

 図3に示すルーチンでは、先ず、オゾン供給 が実行される(ステップS100)。具体的には、ECU 50が、所定の流量でオゾン供給が行われるよ に、オゾン供給装置30に対して制御信号を 信する。そして、この制御信号に基づいて ゾンが噴射される。その結果、排気ガス中 NOが酸化されてNO 3 となり、NOx保持層92において吸蔵反応が効率 く行われる。

 次に、O 3 供給の停止条件が成立しているか否かが判別 される(ステップS110)。ここでは、予め実験な どにより求められた、触媒層94が活性温度に 達するまでの所定時間が経過したか否かが 別される。停止条件の成立が認められない 合には、未だ触媒層94の温度が活性温度に していないと判断され、ステップS100からの 理が再度行われる。

 O 3 停止条件の成立が認められた場合には、O 3 の供給が停止された後、空燃比がストイキか ら若干リッチ気味(スライトリッチ)となるよ に内燃機関10の運転状態が制御される(ステ プS130)。これにより、NOx保持層92に吸蔵され たNOxが放出される。その後、このNOxは、隔壁 部86を通過して触媒層94に至り、還元、浄化 れることとなる。その後、今回のルーチン 終了する。

 以上の処理によれば、NOx保持材が触媒毒 なるのを確実に回避して、触媒層94の排気 ス浄化能力を最大限に発揮しつつ、NOx吸蔵 元を行うことができる。また、オゾンによ NOx酸化手法により、内燃機関の始動時など 温状況下でも、触媒に頼らずにNOxを確実に 化することができ、良好なエミッション特 を確保することができる。

 なお、上述したように、実施の形態1の隔 壁部86は、排気ガスに含まれるパティキュレ トを捕捉しうる材料で構成されている。よ て、排気ガスが隔壁部86を透過する過程で ティキュレートを捕捉することもできる。 ィーゼルエンジンに限らず、ガソリンエン ンであっても極微量のパティキュレートが 生する場合があり、内燃機関の種類を問わ 、パティキュレートの除去を効果的に行う とは重要である。本実施形態によれば、NOx 蔵還元および排気ガス浄化のみならず、こ ようなパティキュレートの発生に対しても 果的に対処することが可能である。

 また、実施の形態1の構成によれば、排気 流入セル90が基材82の一方の面側(図2の紙面左 側)に揃って開口を有しており、また、排気 出セル96が基材82の他方の面側(図2の紙面右 )に揃って開口を有している。このような構 によれば、排気流入セル90にNOx保持層92を、 排気流出セル96に触媒層94をそれぞれ形成す ことが容易である。従って、実施の形態1の 成は、NOx保持層92と触媒層94とを確実に分離 して形成することができ、かつ、それらをそ れぞれ個別に形成することが容易であるとい う優れた特徴も有している。

 尚、上述した実施の形態1では、NOx吸蔵還 元型触媒80が前記第1の発明における「NOx吸蔵 還元型触媒」に、オゾン供給装置30が前記第1 の発明における「オゾン供給手段」に、それ ぞれ相当している。また、上述した実施の形 態1では、基材82の隔壁部86が前記第1の発明の 「隔壁」に、排気流入セル90が前記第1の発明 の「第1セル」に、排気流出セル96が前記第1 発明の「第2セル」に、NOx保持層92が前記第1 発明の「NOx保持層」に、触媒層94が前記第1 発明の「触媒層」に、それぞれ相当してい 。

 また、上述した実施の形態1では、隔壁部 86が、前記第2の発明の「パティキュレートフ ィルタ」に相当している。

[実施の形態1の実験結果]
 以下図4乃至7を用いて、本発明の実施の形 1に関して行った実験結果を説明する。
(測定系の構成)
 図4は、本実験に用いられた測定系を示す図 である。本測定系は、内燃機関の排気ガスを 模したモデルガスを発生するために、モデル ガス発生器230および複数のガスボンベ232を備 えている。モデルガス発生器230は、ガスボン ベ232内のガスを混合させて、下記の組成の模 擬ガスを作成することができる。
模擬ガス組成:    C 3 H 6  1000ppm、
           CO 7000ppm、
           NO 1500ppm、
           O 2  7000ppm
           CO 2  10%、
           H 2 O 3 %
           残部 N 2

 モデルガス発生器230は、試験体222が設置 れた電気炉に連通している。図5は、試験体 222およびその近傍を拡大して示した図である 。図5に示すように、試験体222は、石英管内 実施例サンプル224を収納している。尚、本 験では、比較例として、実施例サンプル224 後述する比較例サンプルに置換して、実施 サンプル224の場合と同様の実験を行うこと する。

 図4の測定系は、酸素ボンベ240を有してい る。酸素ボンベ240は、下流側で、流量制御ユ ニット242、244にそれぞれ連通している。流量 制御ユニット242は、オゾン発生器246に連通し ている。オゾン発生器246は、酸素ボンベ240か らの酸素供給を受けて、オゾンを生成するこ とができる。オゾン発生器246は、オゾン分析 計248、流量制御ユニット250を介して、モデル ガス発生器230の下流かつ試験体222の上流位置 に連通している。

 一方、流量制御ユニット244は、その下流で 接、オゾン分析計に連通している。このよ な構成によれば、オゾン発生器246の電源をO NにすればO 3 とO 2 の混合ガスが、電源をOFFにすればO 2 のみが、試験体222の上流位置に供給される。

 図4の測定系では、流量制御ユニット242、244 およびオゾン発生器246を適宜使用することで 、下記に示す2種類の組成のガスをそれぞれ 成することができる。このガスは、試験体22 2に注入するガスであり、以下、単に「注入 ス」と呼称することとする。
 注入ガス組成:   (1)O 3  30000ppm、残部 O 2
           (2)O 2 のみ
そして、流量制御ユニット250により、注入ガ スを所望の流量で供給することができる。

 試験体222の下流には、排ガス分析計260、2 62およびオゾン分析計264が設けられている。 れらの分析計により、試験体222から流れ出 ガスの成分を測定することができる。

 なお、本実験で使用した測定機器を下記に す。
 オゾン発生器246: 岩崎電気 OP100W
 オゾン分析計248(上流側): 荏原実業 EG600
 オゾン分析計264(下流側): 荏原実業 EG2001B
 排ガス分析計260、262:
        堀場製作所 MEXA9100D(HC、CO、NOx計 )
        堀場製作所 VAI-510(CO 2 を計測)

(サンプルの作製方法)
 図6は、本実験で用いた実施例サンプルおよ び比較例サンプルを説明するための図である 。図6(a)は、図5にも示した実施例サンプル224 示している。この実施例サンプル224は、実 の形態1のNOx吸蔵還元型触媒80と同様の構成 有している。図6(b)は、比較例サンプル324を 示す図である。比較例サンプル324は、実施例 サンプル224と同様のハニカム基材を用いてい るものの、実施例サンプル224とは異なるコー ティングを施している。

 図6(a)の実施例サンプル224は、以下の手順で 作製した。先ず、γ-Al 2 O 3 をイオン交換水に分散させ、ここに酢酸バリ ウム水溶液を加える。この混合物の水分を加 熱除去し、120℃で乾燥した後、粉砕して粉末 にした。この粉末を、500℃で2時間焼成した 焼成後の粉末を、炭酸水素アンモニウムを む溶液に浸漬処理し、250℃で乾燥させ、Al 2 O 3 にバリウムを担持したもの(以下、これを「 リウム担持触媒」とも呼称する)を得た。バ ウムの担持量は、γ-Al 2 O 3 が120g当たり0.2molである。

 次に、γ-Al 2 O 3 をイオン交換水に分散させ、ここにジニトロ ジアンミン白金を含む水溶液を加えPtを担持 、乾燥、粉砕後、450℃で1時間焼成し、Al 2 O 3 に白金を担持したもの(以下、これを「白金 持触媒」とも呼称する)を得た。白金の担持 は、γ-Al 2 O 3 が120g当たり4gである。

 続いて、φ30mm×L50mm、12mil/300cpsiのコージェ イト製のDPF(以下、基材282とも呼称する)を用 意した。前述したように、実施の形態1の基 82とDPFとは同様の構成を有している。このた め、本実験では、DPFを基材282として用いて実 験を行った。この基材282の一方の面(図6(a)の 面左側の面)から上述したバリウム担持触媒 をコートし、450℃で1時間焼成した。これに り、NOx保持層を得た。コート量は、Al 2 O 3 が60g/Lほどコートされるようにした。

 続いて、このようなコーティングが施され 基材282の他方の面(図6(a)の紙面右側の面)か 、白金担持触媒をコートした。その後、当 コーティング後の基材282を、450℃で1時間焼 成することにより、触媒層を得た。コート量 は、Al 2 O 3 が60g/Lコートされるようにした。このような 程により、実施の形態1のNOx吸蔵還元型触媒 80に相当する実施例サンプル224を得た。

 以上の結果、実施例サンプル224では、全体 Pt担持量が2g、Ba担持量が0.1mol/Al 2 O 3 120gとなり、コート量は120g/L(Al 2 O 3 )となった。

 一方、図6(b)に示す比較例サンプル324は、以 下の手順で作製した。先ず、γ-Al 2 O 3 をイオン交換水に分散させ、ここに酢酸バリ ウム水溶液を加える。この混合物の水分を加 熱除去し、120℃で乾燥した後、粉砕して粉末 にした。この粉末を、500℃で2時間焼成した 焼成後の粉末を、炭酸水素アンモニウムを む溶液に浸漬処理し、250℃で乾燥させ、バ ウム担持触媒を得た。

 このバリウム担持触媒をイオン交換水に分 させ、ここにジニトロジアンミン白金を含 水溶液を加え、Ptを担持し、乾燥、粉砕後 450℃で1時間焼成した。このようにして、バ ウム担持量がγ-Al 2 O 3 が120g当たり0.1mol、白金担持量がγ-Al 2 O 3 が120g当たり2gとなる比較例コート用触媒を得 た。

 続いて、基材282と同様の構造の基材382の両 (図6(b)の紙面左側面および右側面)に、上述 ように調製した比較例コート用触媒をコー し、450℃で1時間焼成した。一方の面にAl 2 O 3 が60g/Lコートされるようにし、両面を合わせ 全体のコート量がAl 2 O 3 =120g/Lとなるようにした。

 以上の結果、比較例サンプル324においても 全体のPt担持量が2g、Ba担持量が0.1mol/Al 2 O 3 120gとなり、コート量は120g/L(Al 2 O 3 )となった。このように、実施例サンプル224 比較例サンプル324とが、同じ量のPt、Baを含 ように構成した。

(実験内容)
 上記のような測定系において、下記の条件 、前述した各種組成の模擬ガスと注入ガス を組み合わせて、試験体222に供給した。そ て、下記の昇温速度で触媒温度が上昇する うに電気炉を制御し、下流に流出するガス 含まれる各成分の量を調べた。
温度:30℃~500℃
昇温速度:10℃/min(一定)
模擬ガス流量:30L/min
注入ガス流量:6L/min
 なお、注入ガスは30℃から300℃の範囲で供 し、300℃から500℃の範囲では注入ガスは供 せず模擬ガスのみを流通させた。

(浄化率の算出方法)
 図7は、本実験における排気ガス浄化率の算 出のイメージ図である。図7(a)は、模擬ガス 度に試験時間を乗じて求められる、供給さ た排気ガス中の成分量のイメージである。 実験では、このようなイメージに基づき、 体的には、測定時間内に供給した排気ガス の成分量を、模擬ガス中の成分の濃度×模擬 ガス流量×試験時間の式により算出した。

 図7(b)は試験体222の下流側に流出するガス の濃度に試験時間を乗じて求められる、下流 側流出排気ガス成分量のイメージである。こ のイメージにもとづき、下流側に流出する成 分量を、排ガス分析計で検出された成分濃度 ×ガス流量×試験時間の式により算出した。

 そして、これら算出された値を用いて、 7(c)に示すように、測定時間内に供給したガ ス量(図7(a))から下流側に流出する成分量(図7( b))を差し引き、これを測定時間内に供給した ガス量(図7(a))で除して100分率で算出した。

(実験結果)
 図8は、上記実験の第1の実験結果を説明す ための図である。図8のグラフにあるように 実施例サンプル224を用いた場合のほうが、 較例サンプル324の場合よりも、NOx、HC、COの 全てにおいて高い浄化率を示していることが わかる。

 この結果から、実施の形態1によれば、触 媒毒の影響が生ずるのを回避しつつNOx吸蔵反 応を実現しているので、触媒がその排気ガス 浄化能力を最大限に発揮し、良好なエミッシ ョン特性を得ることができることがわかる。 また、上述したように、実施例サンプル224に 含まれるバリウムと白金の量は、比較例サン プル324に含まれるそれらの量と同じである。 すなわち、本実施の形態によれば、NOx保持材 および貴金属を効率よく使用することができ る。

[実施の形態1の変形例]
(第1変形例)
 実施の形態1では、BaCO 3 を含むNOx保持層92を基材82にコーティングし いる。しかしながら、NOx保持層を構成する 料は、上記説明中に明記した材料に何ら限 されるものではない。BaCO 3 以外にも、例えば日本特許第3551346号公報に るように、Na、K、Cs、Rbなどのアルカリ金属 Ba、Ca、Srなどのアルカリ土類金属、Y、Ce、L a、Prなどの希土類元素を必要に応じて用いる ことができる。

 従って、NOx保持材にNOxが硝酸塩として吸蔵 れる場合に、硝酸塩の組成は実施の形態1で 述べたBa(NO 3 ) 2 に限られるものではない。なお、Baに関して 、Baが1molに対してNO 3 を3mol吸蔵でき、吸蔵量が多いという特徴や 他の材料に比して熱安定性が高く、排気ガ 浄化装置に用いるNOx保持材としては好適で るなどの特徴がある。

 また、触媒層94を構成する材料も、上記説 中に明記したPtやRh、Pb等の材料に何ら限定 れるものではない。排気ガスを浄化する触 を構成する貴金属材料として知られる種々 触媒材料を本発明に用いることができる。 に、貴金属やNOx保持材の担持用の材料とし 、セラミックス、アルミナ(Al 2 O 3 )等、適宜好適な材料を用いることができる

(第2変形例)
 実施の形態1では、オゾン供給装置30により 気ガスにオゾンを添加している。このオゾ 添加は、より好ましくは、以下に述べるよ な態様で行っても良い。オゾン(O 3 )を排気ガスに添加すると、気相反応により 気ガス中のNOxが酸化されることが知られて る。具体的には、NOxとオゾンとが反応し、 記に示す反応が生じる。
 NO+O 3 →NO 2 +O 2   ・・・[1]
 NO 2 +O 3 →NO 3 +O 2  ・・・[2]
 NO 2 +NO 3 →N 2 O 5   ・・・[3]
(NO 2 +NO 3 ←N 2 O 5 )
尚、以下の説明では、[1]の反応式を「第1式 と、[2]の反応式を「第2式」と、[3]の反応式 「第3式」とも呼称する。なお、第3式は右 向への反応を示す矢印のみが記載されてい が、括弧に示したような左方向への反応も じうる。

 NOx保持材で生ずるNOx吸蔵は、NOxが酸化され 生じた高次の窒素酸化物(あるいは、これら 窒素酸化物が水と反応して生成したHNO 3 )がBa(NO 3 ) 2 などの硝酸塩となってNOx保持材に吸蔵される ことにより実現される。例えば、NO 3 が、Ba(NO 3 ) 2 などの硝酸塩となることによりNOx保持材に吸 蔵される。このため、NOx吸蔵反応を効率よく 行う観点からは、排気ガス中のNOxがより多く NO 3 やN 2 O 5 などのNO 2 よりも高次の窒素酸化物となることが望まし い。

 そこで、第2変形例では、混合ガス中のNOに するオゾンのモル比が1よりも大きくなるよ うにオゾン添加を行い、第2式、第3式の反応 生じるようにする。即ち、混合ガス中のオ ンの量をモルに換算したMol(O 3 )と、同じく混合ガス中の一酸化窒素の量を ルに換算したMol(NO)との比が下記の関係式を たすように、オゾン添加を行う。
 Mol(O 3 )/Mol(NO) > 1 ・・・ [4]
尚、以下の説明では、上記[4]の式を「第4式 とも呼称する。

 混合ガス中のNOに対するオゾンのモル比が1 下(Mol(O 3 )/Mol(NO)≦1)の状態では、上記の第1式の反応に よりNO 2 が生成されるものの、第2式、第3式の反応に るNO 3 、N 2 O 5 の生成までには至らない。第2変形例では、 の点を考慮して添加するオゾンの物質量を 気ガス中のNOの物質量よりも多くしているの で、NOを酸化してNO 3 、N 2 O 5 とするのに(第2式、第3式の反応を生じさせる のに)十分な量のオゾンを供給することがで る。その結果、排気ガス中の高次の窒素化 物の量を確実に増加させることができ、NOx 蔵を効果的に行うことができる。

 なお、このような処理は、ECU50が、「NOx 蔵還元型触媒に流れ込む混合ガス中の一酸 窒素(NO)に対するオゾンのモル比が1よりも大 きくなるようにオゾン供給量を調整する処理 」(オゾン供給量調整処理)を実行することで 現される。この処理は、例えば、図3のルー チンのステップS100の前に行うことができる また、上述したモル比を満たすオゾン供給 は、例えば、ECU50が内燃機関10の運転状態(機 関回転数Ne、空燃比A/F、負荷、吸入空気量な )に基づいて排気ガスに含まれるNOxのモル量 を推定し、当該推定されたNOxのモル量に応じ て供給するオゾンの流量を算出することによ り定めることができる。

(第3変形例)
 さらには、オゾン供給量を更に増加し、混 ガス中の一酸化窒素に対するオゾンのモル が2以上(Mol(O 3 )/Mol(NO)≧2)となるようにしてもよい。混合ガ 中の一酸化窒素(NO)に対するオゾン(O 3 )のモル比が1よりも大きければ、上述した第1 式によってNOがNO 2 へと酸化された後もオゾンが混合ガス中に未 だ残存するため、第2式、第3式の反応が生じ NO 3 、N 2 O 5 が生成される。しかしながら、第1式の反応 に残存するオゾン量が微量な場合には、第2 、第3式の反応により生成されるNO 3 、N 2 O 5 の量も少なくなってしまう。

 そこで、第3変形例では、混合ガス中のオゾ ンとNOのモル比がMol(O 3 )/Mol(NO)≧2となるように、オゾンの供給量を 整する。これにより、第1式の反応後、第2式 および第3式の反応時に当該反応に寄与する ゾンを十分な量だけ残存させ、高次の窒素 化物の量を確実に増加することができる。 上述べたように、第3変形例によれば、NOを 化してNO 3 、N 2 O 5 とするのに十分な量のオゾンを供給すること ができ、NOx吸蔵反応を効果的に促進すること ができる。

 なお、このような処理は、ECU50が、「NOx吸 還元型触媒に流れ込む混合ガス中の一酸化 素(NO)に対するオゾン(O 3 )のモル比が2以上となるようにオゾン供給量 調整する処理」を実行することで実現され 。この処理は、例えば、図3のルーチンのス テップS100の前に行うことができる。

(第4変形例)
 実施の形態1では、触媒装置20の外にオゾン 給装置30を設け、オゾン噴射口32を触媒装置 20内に配置する構成で、オゾン供給を行った しかしながら、本発明はこれに限られるも ではない。公知となっている種々のオゾン 生装置およびオゾン発生方法を用いて、排 ガスへのオゾン添加を行うことができる。 えば、排気通路12内若しくは触媒装置20内に 、プラズマ放電によって直接オゾンを生成す るような構成としてもよい。

 なお、本発明における基材については、 述したように、DPFそのものを流用したり、D PFに用いられて公知となっている種々の材料 用いて構成したりすることが可能である。 ち、本発明の基材として用いることができ 構造、材料などは、従来用いられているDPF 構造、材料を含んでいるということができ 。

 しかしながら、換言すれば、本発明の基 はDPFのみに限定されるものではなく、基材8 2の構造、材料などがDPFに限定されるもので ないとも言うことができる。すなわち、排 流入セルと排気流出セルとが隔壁を介して 接し、当該隔壁が排気ガスの透過を許容す 材料で構成されているような基材を本発明 用いることができ、当該排気流入セルの内 にNOx保持層を、当該排気流出セルの内面に 媒層を、それぞれ設けることにより、本発 のNOx吸蔵還元型触媒を構成することができ 。

 従って、実施の形態1においては隔壁部86 パティキュレートを捕捉するパティキュレ トフィルタに相当しているものの、本発明 おける「隔壁」はこれに限定されない。す わち、排気ガスの透過を許容する程度のガ 透過性を有することとすれば、必ずしもパ ィキュレートフィルタを用いることが求め れるものではない。

 なお、NOx保持材は、NOxを吸蔵するのみで く、NOxを吸着する場合もありうる。すなわ 、NOx吸蔵還元型触媒80は、NOxを吸蔵するだ ではなく、吸着する場合もあり得る。この め、NOx保持材における「保持」は、NOxを「 蔵」する意味のみでなく、NOxを「吸着」す 意味も含む。

 また、触媒層94のNOx保持物質の含有量は 質的に零であることが好ましいものの、本 明はこれに限られるものではない。触媒層94 のNOx保持物質含有量がNOx保持層92のNOx保持物 含有量に比して相対的に少ないという構成 もよい。