IBE MASAYA (JP)
OSAKI MAYUKO (JP)
KAMADA MASAYA (JP)
HIRATA HIROHITO (JP)
IBE MASAYA (JP)
OSAKI MAYUKO (JP)
KAMADA MASAYA (JP)
JP2002089246A | 2002-03-27 | |||
JPH0616818B2 | 1994-03-09 | |||
JP2005537419A | 2005-12-08 |
内燃機関の排気通路に配置されるNOx保持材と、 前記NOx保持材に流れ込む排気ガスと混合するようにオゾン(O 3 )を供給するオゾン供給手段と、 前記NOx保持材に流れ込む混合ガス中の一酸化窒素(NO)に対するオゾンのモル比が1よりも大きくなるようにオゾン供給量を調整するオゾン量調整手段と、 を有することを特徴とする内燃機関の排気ガス浄化装置。 |
前記NOx保持材に流れ込む混合ガス中の一酸化窒素(NO)に対するオゾン(O 3 )のモル比が2以上となるようにオゾン供給量を調整することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。 |
前記NOx保持材が触媒と一体化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。 |
前記内燃機関の排気通路であって前記NOx保持材の下流に触媒が配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。 |
この発明は、内燃機関の排気ガス浄化装 に関する。
従来、例えば、日本特開2002-89246号公報に 開示されているように、NOx捕捉触媒を有する 排気ガス浄化装置が知られている。上記従来 の技術では、内燃機関の排気通路に、触媒と ともに、NOxを吸着しうる物質(以下、NOx吸着 質とも呼称する)または吸蔵しうる物質(以下 、NOx吸蔵物質とも呼称する)が備え付けられ いる。
このような構成において、リーン雰囲気 などでは、排気ガス中のNOxがNOx捕捉触媒に 捉される。具体的には、NOx吸着物質の表面 NOxが吸着されることで(NOx吸着反応)、また NOx吸蔵物質にNOxが硝酸塩として吸蔵される とで(NOx吸蔵反応)、NOxが捕捉される。そして 、リッチ雰囲気において、捕捉されていたNOx が還元、分解(放出)される仕組みになってい 。
上記の反応が円滑に行われるには、触媒が 性温度に達し、その活性機能を十分に発揮 ていることが求められる。しかしながら、 燃機関の始動時には、触媒温度が低い状態 ある。そこで上記従来の排気ガス浄化装置 は、これに対処するために、内燃機関の始 時に排気ガスにオゾン(O 3 )を添加することとしている。
NOx吸着反応は、NOが多く存在している雰囲 よりも、NO 2 が多く存在している雰囲気下でより活発に生 ずる。オゾン添加を行うことにより、排気ガ ス中のNOを酸化し、NO 2 の量を増加させることができる。これにより 、上記従来の技術によれば、内燃機関の始動 時など触媒が十分な活性状態にない場合であ っても、NOx捕捉触媒に流れ込むNO 2 を増加させてNOx吸着を効率よく行い、排気ガ スの浄化を効果的に行うことができる。
上述したように、NOx捕捉反応には、NOx吸着 応とNOx吸蔵反応とがある。NOx吸蔵は、NOxが 酸塩となってNOx吸蔵物質に吸蔵されること より実現される。従って、排気ガス中のNO 3 量が、NOx吸蔵量に対してより大きな影響を及 ぼすことになる。この点、上記従来の技術は 、排気ガス中のNO 2 量を増加してNOx吸着反応を促進しているもの の、NOx吸蔵反応の促進の面では未だ改善の余 地を残すものであった。
この発明は、上記のような課題を解決す ためになされたもので、NOx吸蔵反応を促進 ることができる内燃機関の排気ガス浄化装 を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、
内燃機関の排気ガス浄化装置であって、
内燃機関の排気通路に配置されるNOx保持材
、
前記NOx保持材に流れ込む排気ガスと混合す
ようにオゾン(O 3
)を供給するオゾン供給手段と、
前記NOx保持材に流れ込む混合ガス中の一酸
窒素(NO)に対するオゾンのモル比が1よりも
きくなるようにオゾン供給量を調整するオ
ン量調整手段と、
を有することを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記NOx保持材に流れ込む混合ガス中の一酸
窒素(NO)に対するオゾン(O 3
)のモル比が2以上となるようにオゾン供給量
調整することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明に
いて、
前記NOx保持材が触媒と一体化されているこ
を特徴とする。
また、第4の発明は、第1または第2の発明に
いて、
前記内燃機関の排気通路であって前記NOx保
材の下流に触媒が配置されることを特徴と
る。
第1の発明によれば、排気ガス中のNOを酸化 て、NO 3 やN 2 O 5 などのNO 2 よりも高次の窒素酸化物(水分が存在すればHN O 3 も生成)とすることができる。このため、NOx 持材に流れ込む排気ガス中に含まれる、NO 3 やN 2 O 5 などのNO 2 よりも高次の窒素酸化物の量を増加させるこ とができる。その結果、NOx吸蔵反応を促進す ることができ、排気ガスの浄化能力を高める ことができる。
第2の発明によれば、NOを酸化してNO 3 やN 2 O 5 などのNO 2 よりも高次の窒素酸化物(水分が存在すればHN O 3 も生成)とするための、十分な量のオゾンを 給することができる。その結果、NOx吸蔵反 を効果的に促進することができ、排気ガス 浄化能力を高めることができる。
第3の発明によれば、NOx保持材と触媒とが 一体化された排気ガス浄化装置において、NOx 吸蔵反応を促進し、排気ガスの浄化能力を高 めることができる。
第4の発明によれば、NOx保持材の下流に触 媒が配置された排気ガス浄化装置において、 NOx吸蔵反応を促進し、排気ガスの浄化能力を 高めることができる。
10 内燃機関
12 排気通路
20 触媒装置
22 NOx吸蔵還元型触媒
30 オゾン供給装置
32 オゾン噴射口
34 空気入口
322 NOx保持材
324 触媒
[本発明におけるオゾン供給手法]
先ず、本発明にかかる排気ガス浄化装置に
ける、排気ガスへのオゾン供給手法につい
以下説明する。オゾン(O 3
)を排気ガスに添加すると、気相反応により
気ガス中のNOxが酸化されることが知られて
る。具体的には、NOxとオゾンとが反応し、
記に示す反応が生じる。
NO+O 3
→NO 2
+O 2
・・・ [1]
NO 2
+O 3
→NO 3
+O 2
・・・ [2]
NO 2
+NO 3
→N 2
O 5
・・・ [3]
(NO 2
+NO 3
←N 2
O 5
)
尚、以下の説明では、[1]の反応式を「第1式
と、[2]の反応式を「第2式」と、[3]の反応式
「第3式」とも呼称する。なお、第3式は右
向への反応を示す矢印が記載されているが
左方向への反応も含む。
従来、NOx吸蔵還元機能を有する種々のNOx吸 物質が知られている。これらのNOx吸蔵物質 生ずるNOx吸蔵は、NOxが酸化されて生じた高 の窒素酸化物Ba(NO 3 ) 2 などの硝酸塩となってNOx吸蔵物質に吸蔵され ることにより実現される。このため、NOx吸蔵 反応を効率よく行う観点からは、排気ガス中 のNOxがより多くNO 3 やN 2 O 5 などのNO 2 よりも高次の窒素酸化物として存在すること が望ましい。
そこで、本発明では、上述したオゾン添加
よるNOxの酸化手法を用いて、排気ガス中の
次の窒素酸化物量を増加させることにする
具体的には、本発明では、混合ガス中のNO
対するオゾンのモル比が1よりも大きくなる
うにオゾン添加を行い、第2式、第3式の反
が生じるようにする。即ち、混合ガス中の
ゾンの量をモルに換算したmol(O 3
)と、同じく混合ガス中の一酸化窒素の量を
ルに換算したmol(NO)との比が下記の関係式を
たすように、オゾン添加を行う。
mol(O 3
)/mol(NO) > 1 ・・・ [4]
尚、以下の説明では、上記[4]の式を「第4式
とも呼称する。
混合ガス中のNOに対するオゾンのモル比が1 下(mol(O 3 )/mol(NO)≦1)の状態では、上記の第1式の反応に よりNO 2 が生成されるものの、第2式、第3式の反応に るNO 3 、N 2 O 5 の生成までには至らない。本手法では、この 点を考慮して添加するオゾンの物質量を排気 ガス中のNOの物質量よりも多くしているので NOを酸化してNO 3 、N 2 O 5 とするのに(第2式、第3式の反応を生じさせる のに)十分な量のオゾンを供給することがで る。その結果、排気ガス中の高次の窒素酸 物量を確実に増加させることができ、NOx吸 を効果的に行うことができる。
以下では、本発明にかかる排気ガス浄化 置の具体的な実施の形態について説明する 以下に説明する実施の形態では、排気ガス 化装置におけるオゾン供給手法に、上記の 法が応用されている。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の排気ガス浄
装置を説明するための図である。図1に示す
うに、実施の形態1の排気ガス浄化装置は、
内燃機関10の排気通路12に、触媒装置20を有し
ている。触媒装置20は、その内部にNOx吸蔵還
型触媒22を収納している。このような構成
よれば、排気通路12を通ってきた排気ガスが
触媒装置20に流入し、その後NOx吸蔵還元型触
22に流れ込むことになる。
NOx吸蔵還元型触媒22は、PtおよびBaCO 3 が、セラミックス担体上に担持されることに より構成されている。Ptは、CO、HCの酸化反応 とNOxの還元反応とを同時に活性させる活性点 として機能する。BaCO 3 は、排気ガス中のNOxを硝酸塩として吸蔵する NOx吸蔵物質として機能する。
具体的には、BaCO 3 では、NOxがBa(NO 3 ) 2 として吸蔵される。吸蔵されたBa(NO 3 ) 2 は、主に排気ガスがリッチの状況下で還元、 分解される。なお、NOx吸蔵還元型触媒の具体 的な構成や機能に関しては既に公知となって いる(例えば、日本特許第3551346号公報)ため、 その詳細な説明は省略する。
また、以下の説明では、貴金属(実施の形 態1ではPt等)と、担体の当該貴金属が担持さ ている部分とを合わせて、「触媒」と呼称 る。また、NOx吸蔵物質と、担体の当該NOx吸 物質が担持されている部分とを合わせて、 NOx保持材」と呼称する。NOx吸蔵還元型触媒22 は、上記の「触媒」と「NOx保持材」とが一体 化もしくは層状に形成されているものである 。
実施の形態1の排気ガス浄化装置は、オゾン 供給装置30を備えている。オゾン供給装置30 、空気入口34から空気を得て、オゾン(O 3 )を生成することができる。なお、オゾン供 装置の構成、機能等に関しては既に種々の 術が公知となっているため、その詳細な説 は省略する。
オゾン供給装置30は、触媒装置20内でオゾ ンを噴射するオゾン噴射口32を有している。 ゾン噴射口32は、触媒装置20内のNOx吸蔵還元 型触媒22の上流に配置されている。このよう 構成によれば、オゾン噴射口32からオゾン 噴射することで、排気通路12を流れ来る排気 ガスにオゾンを添加することができる。そし て、添加されたオゾンと排気ガスとが混合し 、当該混合ガスがNOx吸蔵還元型触媒22へと流 込むことになる。
実施の形態1の排気ガス浄化装置は、ECU(El ectronic Control Unit)50を有している。ECU50は、 ゾン供給装置30と接続している。ECU50がオゾ 供給装置30に制御信号を送信することによ 、オゾンの噴射時期や噴射量が制御される このような構成とすることで、所望のタイ ングでオゾン供給を行うと共に、NOx吸蔵還 型触媒22へと流れ込む混合ガス中のオゾン量 を所望の値に調整することができる。
また、ECU50は、内燃機関10に備えられる各 種センサ等に接続している。これにより、ECU 50が、内燃機関10の温度、機関回転数Ne、空燃 比A/F、負荷、吸入空気量などの情報を取得で きるようになっている。
[実施の形態1の具体的処理]
以下、図2を用いて、実施の形態1の排気ガ
浄化装置が行う具体的処理を説明する。図2
、実施の形態1においてECU50が実行するルー
ンのフローチャートであり、内燃機関10の
動時、低温状態(例えば、Cold Start時)におい
実行される。
なお、実施の形態1では、オゾン供給量を 排気ガス中のNO濃度に適合させる手法として 予めECU50に内燃機関10の運転状態に応じた排 気ガス中のNO濃度のマップを記憶し、このマ プを利用してNO濃度推定を行うことにする このマップは、内燃機関10の温度、機関回転 数Ne、空燃比A/F、負荷を変数とし、排気ガス のNO濃度の推定値が得られるようになって る。実施の形態1では、予め実験などにより このマップを作成しておくこととする。
図2に示すルーチンでは、先ず、NO量の推 が行われる(ステップS100)。具体的には、先 、ECU50が内燃機関10の運転状態に関する情報 を取得する。続いて、前述したマップが参照 され、取得された情報に基づいて排気ガス中 のNO濃度の推定値が算出される。
次に、オゾン供給量の算出が行われる(ステ ップS110)。このステップでは、先ず、オゾン 給装置30内のオゾンの濃度、排気ガスの流 、および取得されたNO濃度推定値に基づいて 、オゾンが添加された後の混合ガス中のオゾ ンとNOのモル比がmol(O 3 )/mol(NO)=1となるようなオゾンの流量Q 1 が算出される。続いて、算出された流量Q 1 に対して、所定の上乗せ値δQが加算され、混 合ガス中のNOに対するオゾンのモル比が1より も大きくなるような流量Q 2 が算出される。
その後、オゾン供給が実行される(ステップ S130)。具体的には、ECU50が、上記流量Q 2 でオゾン供給が実現されるように、オゾン供 給装置30に対して制御信号を送信する。そし 、この制御信号に基づいてオゾンが噴射さ る。その結果、排気ガス中のNOが酸化され NO 3 となり、NOx吸蔵還元型触媒22のNOx吸蔵反応が 率よく行われる。
次に、O 3 供給の停止条件が成立しているか否かが判別 される(ステップS130)。ここでは、予め実験な どにより求められた、NOx吸蔵還元型触媒22が 性温度に到達するまでの所定時間が経過し か否かが判別される。停止条件の成立が認 られない場合には、未だNOx吸蔵還元型触媒2 2が活性温度に達していないと判断され、ス ップS100からの処理が再度行われる。
O 3 停止条件の成立が認められた場合には、O 3 の供給が停止された後、空燃比がストイキか ら若干リッチ気味(スライトリッチ)となるよ に内燃機関10の運転状態が制御される(ステ プS140)。これにより、NOx吸蔵還元型触媒22に 吸蔵されたNOxを還元、浄化することができる 。その後、今回のルーチンが終了する。
以上の処理によれば、排気ガス中のNOを酸 してNO 3 とし、NOx保持材に流れ込む排気ガス中のNO 3 の量を増加させ、NOx吸蔵反応を促進すること ができる。これにより、実施の形態1の排気 ス浄化装置の排気ガス浄化能力を高めるこ ができる。また、オゾン添加により排気ガ 中のNOxと水蒸気との反応が促進され、硝酸 生成し、NOxが硝酸塩として吸蔵されやすく るという特徴も有している。
尚、上述した実施の形態1では、NOx吸蔵還 元型触媒22内のNOx保持材が前記第1の発明にお ける「NOx保持材」に、オゾン供給装置30が前 第1の発明における「オゾン供給手段」にそ れぞれ相当し、上述した具体的処理のステッ プS100~S120が実行されることで、前記第1の発 の「オゾン量調整手段」が実現されている
また、上述した実施の形態1では、NOx吸蔵 還元型触媒22内の触媒が、前記第3の発明にお ける「触媒」に相当している。
[実施の形態1の実験結果]
(測定系の構成)
以下図3乃至6を用いて、本発明の実施の形
1の排気ガス浄化装置に関して行った実験結
を説明する。本実験は、O 3
の添加がNOx吸蔵に及ぼす影響を明らかにする
ため、モデルガスを用いて実験を行っている
。図3は、本実験に用いられた測定系を示す
である。
本測定系は、モデルガス発生器230および複
のガスボンベ232を有している。モデルガス
生器230は、ガスボンベ232内のガスを混合さ
て、下記の2種類の模擬ガスを作成すること
ができる。
模擬ガス組成(2種類): (1)NO=220ppm、残部N 2
(2)NO 2
=220ppm、残部N 2
モデルガス発生器230は、NOx吸蔵還元型触 試験体222が設置された電気炉に連通してい 。図4は、NOx吸蔵還元型触媒試験体222および その近傍を拡大して示した図である。NOx吸蔵 還元型触媒試験体222は、石英管内にNOx保持材 サンプル224を収納している。
本実験では、NOx保持材サンプル224を、以下 手順で作成した。γ-Al 2 O 3 をイオン交換水に分散させ、これに硝酸バリ ウム水溶液を加える。この混合物の水分を過 熱除去し、120℃で乾燥させた後、粉砕して粉 末状にした。この粉末を500℃で2時間焼成し 。バリウムの担持量は、γ-Al 2 O 3 100gあたり0.1molである。このようにして作成 た触媒を、直径1.5mm~3mmのペレットに形成し 試験に使用した。
図3の測定系は、酸素ボンベ240を有してい る。酸素ボンベ240は、下流側で、流量制御ユ ニット242、244にそれぞれ連通している。流量 制御ユニット242は、オゾン発生器246に連通し ている。オゾン発生器246は、酸素ボンベ240か らの酸素供給を受けて、オゾンを生成するこ とができる。オゾン発生器246は、オゾン分析 計248、流量制御ユニット250を介して、モデル ガス発生器230の下流かつNOx吸蔵還元型触媒試 験体222の上流位置に連通している。
一方、流量制御ユニット244は、その下流で 接、オゾン分析計に連通している。このよ な構成によれば、オゾン発生器246の電源をO NにすればO 3 とO 2 の混合ガスが、電源をOFFにすればO 2 のみが、NOx吸蔵還元型触媒試験体222の上流位 置に供給される。
図3の測定系では、流量制御ユニット242、244
およびオゾン発生器246を適宜使用することで
、下記に示す5種類の組成のガスを作成する
とができる。このガスは、NOx吸蔵還元型触
試験体222に注入するガスであり、以下、単
「注入ガス」と呼称することとする。
注入ガス組成(5種類): (1)O 3
=0ppm、残部O 2
(2)O 3
=2500ppm、残部O 2
(3)O 3
=5000ppm、残部O 2
(4)O 3
=12500ppm、残部O 2
(5)O 3
=25000ppm、残部O 2
そして、流量制御ユニット250により、注入ガ
スを所望の流量で供給することができる。
NOx吸蔵還元型触媒試験体222の下流には、 ガス分析計260、262およびオゾン分析計264が けられている。これらの分析計により、NOx 蔵還元型触媒試験体222から流れ出るガスの 分を測定することができる。
なお、本実験で使用した測定機器を下記に
す。
オゾン発生器246: 岩崎電気 OP100W
オゾン分析計248(上流側): 荏原実業 EG600
オゾン分析計264(下流側): 荏原実業 EG2001B
排ガス分析計260、262:
堀場製作所 MEXA9100D(HC、CO、NOx計
)
堀場製作所 VAI-510(CO 2
を計測)
(実験内容)
上記のような測定系において、下記の条件
、前述した各種組成の模擬ガスと注入ガス
を組み合わせ、下記の6種類の混合ガスをNOx
吸蔵還元型触媒試験体222にそれぞれ供給した
。
温度:30℃
模擬ガス流量:13.8L/min
注入ガス流量:1.2L/min
混合ガス成分:
(1)NO=200ppm、O 2
=8%、残部N 2
(2)NO 2
=200ppm、O 2
=8%、残部N 2
(3)NO=200ppm、O 3
=200ppm、O 2
=約8%、残部N 2
(mol(O 3
)/mol(NO)=1)
(4)NO=200ppm、O 3
=400ppm、O 2
=約8%、残部N 2
(mol(O 3
)/mol(NO)=2)
(5)NO=200ppm、O 3
=1000ppm、O 2
=約8%、残部N 2
(mol(O 3
)/mol(NO)=5)
(6)NO=200ppm、O 3
=2000ppm、O 2
=約8%、残部N 2
(mol(O 3
)/mol(NO)=10)
なお、上記(2)の条件は、日本特開2002-89246号
報に開示されているような、NO 2
でNOx捕捉を行う場合に相当している。上記の
(1)~(6)の組成のガスを、それぞれ、測定系内
N 2
を流してパージした後に流通させた。
そして、NOx吸蔵還元型触媒試験体222に供 したNOx量(以下「供給NOx量」とも呼称する) ら、当該試験体の下流へ流出してきたNOx量( 下「下流側流出NOx量」とも呼称する)を減算 し、NOx吸蔵量を算出した。
図5は、本実験におけるNOx吸蔵量算出方法 のイメージ図である。図5(a)は模擬ガス濃度 試験時間を乗じて求められる供給NOx量のイ ージであり、図5(b)はNOx吸蔵還元型触媒試験 222の下流側に流出するガスの濃度に試験時 を乗じて求められる下流側流出NOx量のイメ ジである。図5(c)に示すように、これらの差 を求めることにより、NOx吸蔵量を算出してい る。
このようなイメージに基づき、具体的に 、模擬ガス成分×模擬ガス流量×試験時間を 計算することにより、供給NOx量を、排ガス分 析計の測定値×ガス流量×試験時間を計算す ことにより、下流側流出NOx量を算出した。 して、供給NOx量から下流側流出NOx量を減じ NOx吸蔵量を求め、更に、NOx吸蔵量を触媒1gあ たりに吸蔵したNOxのmol量に変換した。
(実験結果)
図6は、上述した(1)~(6)の混合ガスのそれぞ
について、NOx吸蔵量の測定を行った結果を
す図である。(1)の成分の混合ガスの結果か
、NOとO 2
を単に流通させるだけでは、NOxは触媒に吸蔵
されないと判断することができる。また、NO 2
とO 2
を供給した(2)に比して、オゾンを添加してい
る(3)のほうがより吸蔵量が多くなっているも
のの、その増加量は(3)と(4)の差に比して小さ
くなっている。
(3)の混合ガスは、含まれるオゾンとNOとの ル比が等しい(mol(O 3 )/mol(NO)=1の状態)。この状態では、実施の形態 1の動作の説明で述べた第1式の反応は生ずる のの、第2式の反応には至らない。従って、 (3)の混合ガスでは、NOの酸化はNO 2 までで終了し、NO 3 が生じないので、(2)の条件に比してNOx吸蔵量 がそれほど大きく増加しないと考えることが できる。すなわち、(3)の条件のように単にオ ゾンを添加しただけでは、NOx吸蔵量を増加す る効果が得られにくいとも考えることができ る。
これに対し、(3)の状態よりも更に多くのオ ンを供給し、第2式の反応によりNO 3 が生成される(4)~(6)の混合ガスでは、NOx吸蔵 が大きく増加している。そして、オゾン添 量の増加に応じて(オゾンとNOのモル比であ mol(O 3 )/mol(NO)の増加に応じて)、NOx吸蔵量も増加す 結果となっている。以上の結果から、(4)~(6) 条件、即ち、混合ガス中のNOに対するオゾ のモル比が1よりも大きい条件では、第2式の 反応によりNO 3 量が増加し、NOx吸蔵量が大きく増加すると考 えることができる。
なお、(5)の条件(mol(O 3 )/mol(NO)=5)と(6)の条件(mol(O 3 )/mol(NO)=10)とでは、NOx吸蔵量がほぼ同じ量と っている。この点から、触媒仕様、温度な に依存するNOx吸蔵量の限界値があることが 測される。
[実施の形態1の変形例]
(第1変形例「オゾン添加量」)
実施の形態1では、NOx吸蔵還元型触媒22に流
込む混合ガス中の一酸化窒素(NO)に対するオ
ゾン(O 3
)のモル比が1よりも大きく(mol(O 3
)/mol(NO)>1)となるように、オゾン供給量を定
めた。これに対し、第1変形例では、更にオ
ン供給量を増加し、混合ガス中の一酸化窒
に対するオゾンのモル比が2以上(mol(O 3
)/mol(NO)≧2)となるようにする。
混合ガス中の一酸化窒素(NO)に対するオゾン (O 3 )のモル比が1よりも大きければ、上述した第1 式によってNOがNO 2 へと酸化された後もオゾンが混合ガス中に未 だ残存するため、第2式、第3式の反応が生じ NO 3 、N 2 O 5 が生成される。しかしながら、第1式の反応 に残存するオゾン量が微量な場合には、第2 、第3式の反応により生成されるNO 3 、N 2 O 5 の量も少なくなってしまう。
そこで、第1変形例では、混合ガス中のオゾ ンとNOのモル比がmol(O 3 )/mol(NO)≧2となるように、オゾンの供給量を 整する。これにより、第1式の反応後、第2式 および第3式の反応時に当該反応に寄与する ゾンを十分な量だけ残存させ、高次の窒素 化物の量の増加を確実に行うことができる 以上述べたように、第1変形例によれば、NO 酸化してNO 3 、N 2 O 5 とするのに十分な量のオゾンを供給すること ができ、NOx吸蔵反応を効果的に促進すること ができる。
(第2変形例「オゾン供給形態」)
実施の形態1では、触媒装置20の外にオゾン
給装置30を設け、オゾン噴射口32を触媒装置
20内に配置する構成で、オゾン供給を行った
しかしながら、本発明はこれに限られるも
ではない。公知となっている種々のオゾン
生装置およびオゾン発生方法を用いて、排
ガスへのオゾン添加を行うことができる。
えば、排気通路12内若しくは触媒装置20内に
、プラズマ放電によって直接オゾンを生成す
るような構成としてもよい。
(第3変形例「NOx吸蔵還元型触媒の形態」)
実施の形態1では、触媒とNOx保持材とが混合
、一体化されてNOx吸蔵還元型触媒22を形成し
いる。しかしながら、本発明はこれに限ら
るものではない。種々の公知のNOx吸蔵還元
触媒を、本発明に用いることができる。例
ば、図7に示すように、オゾン供給装置30の
流にNOx保持材322、触媒324が、順次個別に備
られる構成であってもよい。
尚、第3変形例のNOx保持材322が、前記第4 発明の「NOx保持材」に、触媒324が、前記第4 発明の「触媒」にそれぞれ相当している。
なお、上記の説明では、実施の形態1のNOx吸 蔵還元型触媒22が、PtおよびBaCO 3 がセラミックス担体上に担持されることによ り構成されている。しかしながら、本発明に おける「触媒」、「NOx保持材」を構成する材 料は、上記説明中に明記した材料に何ら限定 されるものではない。例えば、触媒を構成す る貴金属材料としては、Pt、Rh、Pd等が知られ ており、これらのような公知の触媒材料を本 発明に用いることができる。
また、NOx保持材を構成するNOx吸蔵物質もBaCO 3 に限られない。例えば日本特許第3551346号公 にあるように、Na、K、Cs、Rbなどのアルカリ 属、Ba、Ca、Srなどのアルカリ土類金属、Y、 Ce、La、Prなどの希土類元素を必要に応じて用 いることができる。従って、NOx吸蔵物質にNOx が硝酸塩として吸蔵される場合に、硝酸塩の 組成は実施の形態1で述べたBa(NO 3 ) 2 に限られるものではない。更に、貴金属やNOx 吸蔵物質の担体用の材料として、セラミック ス、アルミナ(Al 2 O 3 )等、適宜好適な材料を用いることができる
また、上述した実施の形態1の具体的処理で は、NO濃度推定用マップを予め準備し、NO濃 および流量、オゾン濃度および流量との間 所定の関係が成立するようにオゾン噴射を った。しかしながら、本発明において実行 れるルーチンは、これに何ら限定されるも ではなく、公知となっている種々の方法を いて必要な量のオゾンを供給することとす ばよい。例えば、濃度センサを用いて適宜NO 濃度を検知し、これに基づいてオゾン供給量 を調整するなどの方法を用いても良い。NOx保 持材に流れ込む混合ガス中のオゾンと一酸化 窒素(NO)のモル比がmol(O 3 )/mol(NO)>1となるように、種々のオゾン供給 調整方法を用いることができる。
また、上述した実施の形態1の具体的処理で は、O 3 供給の停止条件が成立したか否かの判断を、 NOx吸蔵還元型触媒22が活性温度に到達するま の所定時間が経過したか否かに基づいて行 た。しかしながら、O 3 供給の停止条件の成立の判断方法はこれに限 られるものではない。例えば、NOx吸蔵還元型 触媒22に温度センサを接続して、温度を直接 ニタリングすることにより、同様の判断を ってもよい。
なお、上述した実施の形態1の実験結果では 、混合ガス中のNOに対するオゾンのモル比が1 よりも大きい状態として、mol(O 3 )/mol(NO)=2、5、10を示した。しかしながら、本 明において「混合ガス中のNOに対するオゾ のモル比が1よりも大きい」状態とは、これ 限られるものではなく、mol(O 3 )/mol(NO)>1を満たす状態(例えば、当該モル比 が1.1や1.5など)を全て含むものである。
なお、NOx保持材は、NOxを吸蔵するのみで く、NOxを吸着する場合もありうる。すなわ 、NOx吸蔵還元型触媒22は、NOxを吸蔵するだ ではなく、吸着する場合もあり得る。この め、NOx保持材における「保持」は、NOxを「 蔵」する意味のみでなく、NOxを「吸着」す 意味も含む。
Next Patent: SRAM CELL AND SRAM DEVICE