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Title:
METHOD FOR FILM FORMATION, RESIN COMPOSITION FOR USE IN THE METHOD, STRUCTURE HAVING INSULATING FILM, PROCESS FOR PRODUCING THE STRUCTURE, AND ELECTRONIC COMPONENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123049
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a method for film formation, which can easily form, with high accuracy, an even film on an inner wall face or a bottom face in a fine pore or groove part having a bottom provided on, for example, on a stepped silicon substrate, and a resin composition for use in the method, a structure having an insulating film, a process for producing the structure, and an electronic component. The method for film formation comprises [1] a solvent coating step of coating a solvent (13) on a stepped substrate (1) having at least one of (a) a pore part (11) having an opening part area of 25 to 10000 µm2 and a depth of 10 to 200 µm and (b) a groove part (12) having an opening part line width of 5 to 200 µm and a depth of 10 to 200 µm, [2] a resin composition coating step of coating a positive-working photosensitive resin composition onto the stepped substrate (1) so as to come into contact with the solvent (13) within the pore part (11) and the groove part (12), and [3] a drying step of drying the coating film (14). Further, a film (16) containing a resin component is formed on the inner wall face and bottom face in the pore part (11) and the groove part (12).

Inventors:
OKUDA RYUICHI (JP)
TANABE TAKAYOSHI (JP)
GOTO HIROFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054916
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JSR CORP (JP)
OKUDA RYUICHI (JP)
TANABE TAKAYOSHI (JP)
GOTO HIROFUMI (JP)
International Classes:
G03F7/16; G03F7/004; G03F7/023; H01L21/3205; H01L23/52; H05K3/40
Domestic Patent References:
WO2004114020A12004-12-29
Foreign References:
JPH06180499A1994-06-28
JPH04218049A1992-08-07
JPH03268384A1991-11-29
JP2003233183A2003-08-22
JPH01273031A1989-10-31
JPS5660432A1981-05-25
JPH07320999A1995-12-08
JPS6458375A1989-03-06
Attorney, Agent or Firm:
KOJIMA, Seiji (8-20 Jingu 3-chome, Atsuta-ku, Nagoya-shi Aichi 31, JP)
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Claims:
 基板に形成された孔部又は溝部に導電性材料を充填することにより、積層された基板の層間、又は基板の表面と裏面とを電気的に接続する方法に用いられ、[1](a)開口部の面積が25~10000μm 2 であり且つ深さが10~200μmである孔部及び(b)開口部の線幅が5~200μmであり且つ深さが10~200μmである溝部のうちの少なくとも一方を有する段差基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、[2]ポジ型感光性樹脂組成物を、前記孔部及び溝部内の溶剤と接触するように、前記段差基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3]塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備えており、且つ、前記孔部並びに溝部における内壁面及び底面に前記樹脂成分を含む被膜を形成する被膜形成方法であって、
 前記ポジ型感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂と、(B)キノンジアジド基を有する化合物と、(C)疎水化処理されており且つ平均粒子径が1~100nmであるシリカと、(D)溶剤と、を含有しており、該ポジ型感光性樹脂組成物は、チクソトロピー性を有すると共に、該ポジ型感光性樹脂組成物中におけるナトリウム含有量が1ppm以下であり、且つ、前記(C)シリカの含有割合が、該ポジ型感光性樹脂組成物の固形分を100質量%とした場合に、20質量%を超えて、60質量%以下であることを特徴とする被膜形成方法。
 前記(A)アルカリ可溶性樹脂として、重量平均分子量が4000~50000のフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する請求項1に記載の被膜形成方法。
 前記(A)アルカリ可溶性樹脂として、更に、重量平均分子量が2000未満のアルカリ可溶性樹脂を含有する請求項2に記載の被膜形成方法。
 更に、低分子フェノール性化合物を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の被膜形成方法。
 更に、密着助剤を含有する請求項1乃至4のいずれかに記載の被膜形成方法。
 前記(C)シリカの疎水化率が、20~80%である請求項1乃至5のいずれかに記載の被膜形成方法。
 [1]基板に形成された孔部又は溝部に導電性材料を充填することにより、積層された基板の層間、又は基板の表面と裏面とを電気的に接続する方法に用いられ、(a)開口部の面積が25~10000μm 2 であり且つ深さが10~200μmである孔部及び(b)開口部の線幅が5~200μmであり且つ深さが10~200μmである溝部のうちの少なくとも一方を有する段差基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、[2]ポジ型感光性樹脂組成物を、前記孔部及び溝部内の溶剤と接触するように、前記段差基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3]塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備えており、且つ、前記孔部並びに溝部における内壁面及び底面に前記樹脂成分を含む被膜を形成する被膜形成方法に用いられる前記ポジ型感光性樹脂組成物であって、
 (A)アルカリ可溶性樹脂と、(B)キノンジアジド基を有する化合物と、(C)疎水化処理されており且つ平均粒子径が1~100nmであるシリカと、(D)溶剤と、を含有しており、本組成物は、チクソトロピー性を有すると共に、該ポジ型感光性樹脂組成物中におけるナトリウム含有量が1ppm以下であり、且つ、前記(C)シリカの含有割合が、本組成物の固形分を100質量%とした場合に、20質量%を超えて、60質量%以下であることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
 基板に形成された孔部に導電性材料を充填することにより、積層された基板の層間、又は基板の表面と裏面とを電気的に接続する方法に用いられ、[1]開口部の面積が25~10000μm 2 であり且つ深さが10~200μmである孔部を有するシリコン基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、[2]剪断速度6rpmにおける粘度V 1 (mPa・s)と、剪断速度60rpmにおける粘度V 2 (mPa・s)との比(V 1 /V 2 )が、1.1以上の樹脂組成物を、該樹脂組成物が前記孔部内の前記溶剤と接触するように、前記基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3]塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備え、孔部の内壁面及び底面のうちの少なくとも該内壁面に前記樹脂成分を含む被膜を形成する被膜形成方法であって、
 前記樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂と、シリカと、溶剤と、を含有しており、該樹脂組成物は、チクソトロピー性を有し、且つ、前記シリカの含有割合が、該樹脂組成物の固形分を100質量%とした場合に、20質量%を超えて、60質量%以下であることを特徴とする被膜形成方法。
 前記樹脂組成物が、更にキノンジアジド基を有する化合物を含有する請求項8に記載の被膜形成方法。
 前記被膜が、前記孔部の内壁面及び底面の両方に形成される請求項8又は9に記載の被膜形成方法。
 前記樹脂組成物が、更に、架橋剤を含有する請求項8乃至10のいずれかに記載の被膜形成方法。
 前記樹脂組成物が、更に、架橋重合体からなる粒子を含有する請求項8乃至11のいずれかに記載の被膜形成方法。
 前記樹脂組成物の固形分濃度が、5~80質量%の範囲にある請求項8乃至12のいずれかに記載の被膜形成方法。
 前記粘度V 1 が、10~10000mPa・sの範囲にある請求項8乃至13のいずれかに記載の被膜形成方法。
 前記樹脂組成物において、剪断速度1.5rpmにおける粘度V 3 (mPa・s)と、剪断速度600rpmにおける粘度V 4 (mPa・s)との比(V 3 /V 4 )が、2.0以上である請求項8乃至14のいずれかに記載の被膜形成方法。
 請求項8乃至15のいずれかに記載の方法により得られた、前記基板の表面に形成されている被膜及び前記基板の前記孔部の底面に形成されている被膜を除去し、前記孔部の内壁面に形成されている被膜を残存させる表底面側被膜除去工程と、前記孔部の内壁面に残存している被膜を加熱する加熱硬化工程と、を備えることを特徴とする、絶縁膜を有する構造体の製造方法。
 請求項8乃至15のいずれかに記載の方法により得られた、前記孔部の内壁面及び底面を含む前記基板の全表面に形成されている被膜を加熱し、前記樹脂成分の硬化物を含む絶縁膜とする加熱硬化工程と、前記基板の表面に形成されている絶縁膜及び前記基板の前記孔部の底面に形成されている絶縁膜を除去し、前記孔部の内壁面に形成されている絶縁膜を残存させる表底面側絶縁膜除去工程と、を備えることを特徴とする、絶縁膜を有する構造体の製造方法。
 更に、前記絶縁膜を有する構造体における前記孔部を有さない面から基板を研磨し、該孔部を貫通孔とする研磨工程を備える請求項16又は17に記載の絶縁膜を有する構造体の製造方法。
 請求項16乃至18のいずれかに記載の方法により得られたことを特徴とする絶縁膜を有する構造体。
 請求項16乃至18のいずれかに記載の方法により得られた絶縁膜を有する構造体と、該構造体の少なくとも貫通孔内に導電材料が充填されてなる電極部とを含む部材を備えることを特徴とする電子部品。
 基板に形成された孔部又は溝部に導電性材料を充填することにより、積層された基板の層間、又は基板の表面と裏面とを電気的に接続する方法に用いられ、[1]開口部の面積が25~10000μm 2 であり且つ深さが10~200μmである孔部を有するシリコン基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、[2]剪断速度6rpmにおける粘度V 1 (mPa・s)と、剪断速度60rpmにおける粘度V 2 (mPa・s)との比(V 1 /V 2 )が、1.1以上の樹脂組成物を、該樹脂組成物が前記孔部内の前記溶剤と接触するように、前記基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3]塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備え、孔部の内壁面及び底面のうちの少なくとも該内壁面に前記樹脂成分を含む被膜を形成する被膜形成方法に用いられる樹脂組成物であって、
 アルカリ可溶性樹脂と、キノンジアジド基を有する化合物と、シリカと、溶剤と、架橋剤と、を含有しており、本組成物は、チクソトロピー性を有し、且つ、前記シリカの含有割合が、本組成物の固形分を100質量%とした場合に、20質量%を超えて、60質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
 更に、架橋重合体からなる粒子を含有する請求項21に記載の樹脂組成物。
Description:
被膜形成方法及びそれに用いる 脂組成物、絶縁膜を有する構造体及びその 造方法並びに電子部品

 本発明は、被膜形成方法及びそれに用い 樹脂組成物、絶縁膜を有する構造体及びそ 製造方法並びに電子部品に関する。更に詳 くは、本発明は、段差基板に設けられた微 な有底の孔部や溝部における内壁面や底面 対して、均一な被膜を高精度且つ容易に形 することができる被膜形成方法及びそれに いる樹脂組成物、絶縁膜を有する構造体及 その製造方法並びに電子部品に関する。

 従来より、電子機器の半導体素子の製造 おいては、基板上にレジストパターンを形 するために感光性樹脂組成物が用いられて る。この感光性樹脂組成物としては、アル リ可溶性樹脂及びキノンジアジド化合物等 感光剤を有機溶媒に溶解してなるポジ型感 性樹脂組成物が広く採用されている。この ジ型感光性樹脂組成物については、感度、 像性、被膜形成性等の各種レジスト特性を 良するために、樹脂骨格の構造や分子量、 光剤の構造、各種添加剤や溶媒の種類等に いて多くの検討が行われている。

 具体的な感光性樹脂組成物としては、例 ば、(1)アルカリ可溶性樹脂、感光剤、無機 子(アルミニウム粒子)を含んでなることを 徴とし、不透明なポジ型感光性樹脂であっ 、スカムの発生を抑制し、現像時間を短縮 ることができるもの(特許文献1参照)や、(2) ルカリ可溶性樹脂、キノジアジド化合物、 機微粒子(コロイダルシリカ)、アミン化合物 を含んでなることを特徴とし、解像性等に優 れ、且つ現像後の表面荒れを抑制することが できるもの(特許文献2参照)、(3)アルカリ可溶 性樹脂、感光剤、2種のチクソ剤(シリカ微粉 )を含み、解像性の低下を抑制するために前 記2種のチクソ剤を組成物の固形量に対して 計6~20質量%(特に6~12質量%)とすることを特徴 し、プリント配線板の回路形成に用いるこ ができるもの(特許文献3参照)、及び(4)流体 性がチクソトロピー性を示すと均一な膜厚 被膜が得られなくなるために、塑性流体或 は擬塑性流体であることを特徴とし、且つ 定の見かけ粘度を有し、疎水化処理された 粉体が添加されており、ディップ工法によ て均一な膜厚の被膜を形成可能なもの(特許 献4参照)等が挙げられる。

 一方、従来より、スルーホール用の孔、ビ の内壁面及び基板両面に金属導体層が形成 れた絶縁基板を、粘度が20~200mPa・s、表面張 力が30mN/m以下、且つ、チクソトロピー性値が 1.0~3.0の感光性レジスト液中に浸漬し、引き げることにより、少なくともスルーホール 内壁面に絶縁性被膜を形成する方法が開示 れている(特許文献5参照)。このスルーホー に金属銅等を充填することにより、貫通電 を形成することが可能である。
 また、非特許文献1には、上下に貫通したシ リコンチップと、貫通孔に金属銅が充填され た貫通電極が開示されている。その製造方法 は、ドライエッチングによりシリコンウェハ に深い孔を形成する工程、CVD法により孔の内 壁にSiO 2 膜を形成する工程、電解銅メッキにより孔内 を金属銅で満たす工程、ウェハの裏側から研 磨する工程等を備えている。

特開2006-126354号公報

国際公開WO2004/114020号公報

特開平6-180499号公報

特開平4-218049号公報

特開2005-158907号公報 富坂学ら「デンソーテクニカルレビュー 」 Vol.6 No.2(2001) p.78~84

 三次元実装を必要とする電子デバイス(例え ば、CMOSイメージセンサー、フラッシュメモ やCPU等)では、貫通電極が形成されたものが 用されている。この貫通電極を形成する方 としては、Si基板に微細孔や微細溝を形成 、形成した微細孔や微細溝の内壁面及び底 を含む表面に、感光性樹脂組成物を用いて 膜を形成し、その被膜に対して露光及び現 を行ってパターン化し、それをマスクとし 用いて微細孔等の内部をエッチング処理す ことにより、貫通電極用の孔部を形成し、 の貫通電極用の孔部に導電性材料を充填す 方法等が挙げられる。
 そして、半導体回路の高集積化が進む今日 は、集積率を向上するため、孔部や溝部の 細化が要求されている。
 しかしながら、上述の従来の感光性樹脂組 物を用いたとしても、微細な孔部や溝部が 成された段差基板に対する被膜形成性や金 不純物の濃度という点では未だ十分とは言 ず、より均一な被膜を高精度且つ容易に形 可能な感光性樹脂組成物が求められている が現状である。
 また、特許文献5に開示されている感光性レ ジスト液によると、スルーホール用の内壁面 に、被膜を形成することは可能であるが、貫 通孔ではなく、開口部の面積が小さい微細孔 (以下、「孔部」という。)の内壁面に被膜を 成しようとすると、組成物の沈降が発生し 孔部が組成物により充填されてしまうとい た問題もあった。

 本発明は、前記実情に鑑みてなされたも であり、シリコン基板等に設けられた有底 孔部や溝部における内壁面や底面に対して 均一で金属不純物含有量が低い被膜を高精 且つ容易に形成することができる被膜形成 法及びそれに用いる樹脂組成物、絶縁膜を する構造体及びその製造方法並びに電子部 を提供することを目的とする。

 本発明は、以下のとおりである。
 1.基板に形成された孔部又は溝部に導電性 料を充填することにより、積層された基板 層間、又は基板の表面と裏面とを電気的に 続する方法に用いられ、[1](a)開口部の面積 25~10000μm 2 であり且つ深さが10~200μmである孔部及び(b)開 口部の線幅が5~200μmであり且つ深さが10~200μm ある溝部のうちの少なくとも一方を有する 差基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と [2]ポジ型感光性樹脂組成物を、前記孔部及 溝部内の溶剤と接触するように、前記段差 板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3]塗 を乾燥する乾燥工程と、を備えており、且 、前記孔部並びに溝部における内壁面及び 面に前記樹脂成分を含む被膜を形成する被 形成方法であって、前記ポジ型感光性樹脂 成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂と、(B)キノ ジアジド基を有する化合物と、(C)疎水化処 されており且つ平均粒子径が1~100nmであるシ リカと、(D)溶剤と、を含有しており、該ポジ 型感光性樹脂組成物は、チクソトロピー性を 有すると共に、該ポジ型感光性樹脂組成物中 におけるナトリウム含有量が1ppm以下であり 且つ、前記(C)シリカの含有割合が、該ポジ 感光性樹脂組成物の固形分を100質量%とした 合に、20質量%を超えて、60質量%以下である とを特徴とする被膜形成方法。
 2.前記(A)アルカリ可溶性樹脂として、重量 均分子量が4000~50000のフェノール性水酸基を するアルカリ可溶性樹脂を含有する前記1. 記載の被膜形成方法。
 3.前記(A)アルカリ可溶性樹脂として、更に 重量平均分子量が2000未満のアルカリ可溶性 脂を含有する前記2.に記載の被膜形成方法
 4.更に、低分子フェノール性化合物を含有 る前記1.乃至3.のいずれかに記載の被膜形成 法。
 5.更に、密着助剤を含有する前記1.乃至4.の ずれかに記載の被膜形成方法。
 6.前記(C)シリカの疎水化率が、20~80%である 記1.乃至5.のいずれかに記載の被膜形成方法
 7.[1]基板に形成された孔部又は溝部に導電 材料を充填することにより、積層された基 の層間、又は基板の表面と裏面とを電気的 接続する方法に用いられ、(a)開口部の面積 25~10000μm 2 であり且つ深さが10~200μmである孔部及び(b)開 口部の線幅が5~200μmであり且つ深さが10~200μm ある溝部のうちの少なくとも一方を有する 差基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と [2]ポジ型感光性樹脂組成物を、前記孔部及 溝部内の溶剤と接触するように、前記段差 板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3]塗 を乾燥する乾燥工程と、を備えており、且 、前記孔部並びに溝部における内壁面及び 面に前記樹脂成分を含む被膜を形成する被 形成方法に用いられる前記ポジ型感光性樹 組成物であって、(A)アルカリ可溶性樹脂と (B)キノンジアジド基を有する化合物と、(C) 水化処理されており且つ平均粒子径が1~100nm であるシリカと、(D)溶剤と、を含有しており 、本組成物は、チクソトロピー性を有すると 共に、該ポジ型感光性樹脂組成物中における ナトリウム含有量が1ppm以下であり、且つ、 記(C)シリカの含有割合が、本組成物の固形 を100質量%とした場合に、20質量%を超えて、6 0質量%以下であることを特徴とするポジ型感 性樹脂組成物。
 8.基板に形成された孔部に導電性材料を充 することにより、積層された基板の層間、 は基板の表面と裏面とを電気的に接続する 法に用いられ、[1]開口部の面積が25~10000μm 2 であり且つ深さが10~200μmである孔部を有する シリコン基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工 程と、[2]剪断速度6rpmにおける粘度V 1 (mPa・s)と、剪断速度60rpmにおける粘度V 2 (mPa・s)との比(V 1 /V 2 )が、1.1以上の樹脂組成物を、該樹脂組成物 前記孔部内の前記溶剤と接触するように、 記基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3 ]塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備え、孔部 内壁面及び底面のうちの少なくとも該内壁 に前記樹脂成分を含む被膜を形成する被膜 成方法であって、前記樹脂組成物は、アル リ可溶性樹脂と、シリカと、溶剤と、を含 しており、該樹脂組成物は、チクソトロピ 性を有し、且つ、前記シリカの含有割合が 該樹脂組成物の固形分を100質量%とした場合 、20質量%を超えて、60質量%以下であること 特徴とする被膜形成方法。
 9.前記樹脂組成物が、更にキノンジアジド を有する化合物を含有する前記8.に記載の被 膜形成方法。
 10.前記被膜が、前記孔部の内壁面及び底面 両方に形成される前記8.又は9.に記載の被膜 形成方法。
 11.前記樹脂組成物が、更に、架橋剤を含有 る前記8.乃至10.のいずれかに記載の被膜形 方法。
 12.前記樹脂組成物が、更に、架橋重合体か なる粒子を含有する前記8.乃至11.のいずれ に記載の被膜形成方法。
 13.前記樹脂組成物の固形分濃度が、5~80質量 %の範囲にある前記8.乃至12.のいずれかに記載 の被膜形成方法。
 14.前記粘度V 1 が、10~10000mPa・sの範囲にある前記8.乃至13.の ずれかに記載の被膜形成方法。
 15.前記樹脂組成物において、剪断速度1.5rpm おける粘度V 3 (mPa・s)と、剪断速度600rpmにおける粘度V 4 (mPa・s)との比(V 3 /V 4 )が、2.0以上である前記8.乃至14.のいずれかに 記載の被膜形成方法。
 16.前記8.乃至15.のいずれかに記載の方法に り得られた、前記基板の表面に形成されて る被膜及び前記基板の前記孔部の底面に形 されている被膜を除去し、前記孔部の内壁 に形成されている被膜を残存させる表底面 被膜除去工程と、前記孔部の内壁面に残存 ている被膜を加熱する加熱硬化工程と、を えることを特徴とする、絶縁膜を有する構 体の製造方法。
 17.前記8.乃至15.のいずれかに記載の方法に り得られた、前記孔部の内壁面及び底面を む前記基板の全表面に形成されている被膜 加熱し、前記樹脂成分の硬化物を含む絶縁 とする加熱硬化工程と、前記基板の表面に 成されている絶縁膜及び前記基板の前記孔 の底面に形成されている絶縁膜を除去し、 記孔部の内壁面に形成されている絶縁膜を 存させる表底面側絶縁膜除去工程と、を備 ることを特徴とする、絶縁膜を有する構造 の製造方法。
 18.更に、前記絶縁膜を有する構造体におけ 前記孔部を有さない面から基板を研磨し、 孔部を貫通孔とする研磨工程を備える前記1 6.又は17.に記載の絶縁膜を有する構造体の製 方法。
 19.前記16.乃至18.のいずれかに記載の方法に り得られたことを特徴とする絶縁膜を有す 構造体。
 20.前記16.乃至18.のいずれかに記載の方法に り得られた絶縁膜を有する構造体と、該構 体の少なくとも貫通孔内に導電材料が充填 れてなる電極部とを含む部材を備えること 特徴とする電子部品。
 21.基板に形成された孔部又は溝部に導電性 料を充填することにより、積層された基板 層間、又は基板の表面と裏面とを電気的に 続する方法に用いられ、[1]開口部の面積が2 5~10000μm 2 であり且つ深さが10~200μmである孔部を有する シリコン基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工 程と、[2]剪断速度6rpmにおける粘度V 1 (mPa・s)と、剪断速度60rpmにおける粘度V 2 (mPa・s)との比(V 1 /V 2 )が、1.1以上の樹脂組成物を、該樹脂組成物 前記孔部内の前記溶剤と接触するように、 記基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3 ]塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備え、孔部 内壁面及び底面のうちの少なくとも該内壁 に前記樹脂成分を含む被膜を形成する被膜 成方法に用いられる樹脂組成物であって、 ルカリ可溶性樹脂と、キノンジアジド基を する化合物と、シリカと、溶剤と、架橋剤 、を含有しており、本組成物は、チクソト ピー性を有し、且つ、前記シリカの含有割 が、本組成物の固形分を100質量%とした場合 、20質量%を超えて、60質量%以下であること 特徴とする樹脂組成物。
 22.更に、架橋重合体からなる粒子を含有す 前記21.に記載の樹脂組成物。

 本発明の被膜形成方法によれば、段差基板 設けられた有底の微細孔部や微細溝部にお る内壁面及び底面に均一な被膜を容易に形 することができる。そのため、前記被膜が 成された基板に対して、露光、現像するこ により、微細な孔部内や溝部内、及び基板 面に任意のパターンを形成することができ 。そして、パターン形成後には、エッチン レジストとして用いることができるため、 成された樹脂被膜をマスクとして、Si、SiO 2 等の蒸着酸化膜や金属酸化膜等に対してエッ チング処理を行うことができ、エッチング処 理後には、容易に樹脂被膜を剥離することが できるので、微細な孔部や溝部の内部に対す る微細加工に好適に利用することができる。 特に、貫通電極等を容易に形成することがで きる。従って、CMOSイメージセンサー、フラ シュメモリ、CPU等の三次元実装を必要とす 電子デバイス作製分野において非常に有用 ある。
 また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物に れば、段差基板に設けられた微細な有底の 部や溝部における内壁面及び底面に均一な 膜を高い精度で形成することができる。更 は、この樹脂組成物は、汎用的且つ簡便な ピンコート法により、基板表面に塗布する とができるため、前記被膜を容易に形成す ことができる。
 本発明の他の被膜形成方法によれば、特定 チクソトロピー性を有する樹脂組成物を使 することで、基板の孔部の内壁面に均一な 膜を形成することができる。また、孔部の 面にも均一な被膜を形成することができる
 本発明の絶縁膜を有する構造体の製造方法 よれば、貫通孔の内壁に均一な絶縁膜を効 よく形成することができる。従って、得ら た構造体は、絶縁膜を内壁とする貫通孔内 金属銅等を充填させることにより、貫通電 を容易に形成することができる。また、多 質膜の改質等にも好適である。
 本発明の電子部品によれば、CPU、メモリ、 メージセンサー等の半導体デバイスの実装 好適である。

段差基板に形成されている孔部(溝部) 断面を模式的に示す説明図である。 本発明の被膜形成方法(I)を模式的に示 説明図である。 貫通電極の作成方法を模式的に示す説 図である。 被膜が形成された孔部断面を示す画像 ある。 被膜が形成された孔部断面を示す画像 ある。 被膜が形成された孔部断面を示す画像 ある。 基板に設けられている孔部を示す概略 面図である。 本発明の被膜形成方法(II)を説明する概 略断面図である。 本発明の絶縁膜を有する構造体の製造 法の一例を説明する概略断面図である。 本発明の絶縁膜を有する構造体の製造 方法の他の例を説明する概略断面図である。 本発明の電子部品の構成要素(部材8)の 製造方法を説明する概略断面図である。 本発明の電子部品を構成する部材8’ 説明する概略断面図である。 本発明の電子部品の構成要素(部材8") 説明する概略断面図である。 本発明の電子部品の例を説明する概略 断面図である。 図12の部材3’の他の製造方法を説明す る概略断面図である。 実施例において用いた、被膜形成前の シリコン基板の孔部破断面を示す斜視画像で ある。 実施例9で得られた被膜付きシリコン 板の孔部破断面を示す斜視画像である。 比較例6で得られた被膜付きシリコン 板の孔部破断面を示す斜視画像である。 実施例11で得られた被膜付きシリコン 板の孔部破断面を示す斜視画像である。 比較例8で得られた被膜付きシリコン 板の孔部破断面を示す斜視画像である。

符号の説明

 1;段差基板、11;微細孔部、12;微細溝部、13 ;溶剤、14;塗膜、15;感光性樹脂組成物及び溶 の混合物、16、16a、16b、16c;被膜、161;被膜露 部、17;基板、2;電極部、3;パターン、4;貫通 極用孔部、5;被膜付き基板、51;基板、511;孔 、513;溶剤、515;塗膜、516;樹脂組成物及び溶 の混合物、517;孔部内壁面の被膜、518;孔部 面の被膜、519;基板表面の被膜、528;孔部底面 の被膜露光部、529;基板表面の被膜露光部、6 6’;絶縁膜を有する構造体、617;孔部内壁面 絶縁膜(硬化膜)、618;孔部底面の絶縁膜(硬化 膜)、619;基板表面の絶縁膜(硬化膜)、62;貫通 、63a、63b;銅膜(シード層)、64;絶縁性レジス 被膜、66;金属銅充填部、7、7’、7";部材、71; 上側部材、711;電極部(導電材料充填部)、711a 711b;貫通電極(導電材料充填部)、713、713a、713 b;電極パッド、72;下側部材、721a、721b;貫通電 (導電材料充填部)、723a、723b;電極パッド、74 ;絶縁層、8;電子部品、81;インターポーザー、 82;バンプ、83;バンプ、9;積層基板、91;基板、9 21、922、923;被膜、925;絶縁膜、93;導電材層、93 5;電極パッド、96;導電材料充填部、100;被膜付 き基板、200;積層構造体。

 以下、本発明を詳細に説明する。尚、本 細書において、「(メタ)アクリル」とは、 クリル及びメタクリルを意味し、「(メタ)ア クリレート」とは、アクリレート及びメタク リレートを意味する。

1.被膜形成方法(I)
 本発明の被膜形成方法(I)は、基板に形成さ た孔部又は溝部に導電性材料を充填するこ により、積層された基板の層間、又は基板 表面と裏面とを電気的に接続する方法に用 られ、[1](a)開口部の面積が25~10000μm 2 であり且つ深さが10~200μmである孔部(以下、 に「孔部」、又は「微細孔部」ともいう。) び(b)開口部の線幅が5~200μmであり且つ深さ 10~200μmである溝部(以下、単に「溝部」、又 「微細溝部」ともいう。)のうちの少なくと も一方を有する段差基板に、溶剤を塗布する 溶剤塗布工程と、[2]ポジ型感光性樹脂組成物 を、前記孔部及び溝部内の溶剤と接触するよ うに、前記段差基板に塗布する樹脂組成物塗 布工程と、[3]塗膜を乾燥する乾燥工程と、を 備えており、且つ、前記孔部並びに溝部にお ける内壁面及び底面に前記樹脂成分を含む被 膜を形成することを特徴とする。

<溶剤塗布工程>
 前記溶剤塗布工程では、段差基板に溶剤が 布される。
 前記段差基板としては、シリコン、各種金 、アルミナ、ガラスエポキシ、紙フェノー 、ガラス等の構成材料からなるものや、こ らに各種金属薄膜若しくは金属酸化物薄膜 形成されたものが用いられる。特に、段差S i(シリコン)基板が好ましく用いられる。尚、 基板の厚さは、通常、100~1000μmである。

 前記段差基板は、図1の断面図に示されるよ うに、段差基板1の少なくとも一面側におい 表面から内部に縦方向に形成された、(a)開 部の面積が25~10000μm 2 、好ましくは100~10000μm 2 、より好ましくは250~7000μm 2 であり、且つ深さが10~200μm、好ましくは30~200 μm、より好ましくは50~150μmである孔部11及び( b)開口部の線幅が5~200μm、好ましくは5~150μm、 より好ましくは10~100μmであり、且つ深さが10~ 200μm、好ましくは30~200μm、より好ましくは50~ 150μmである溝部12のうちの少なくとも一方を する。

 前記孔部及び溝部(以下、両者を含む意味 で、「孔部等」ともいう。)の形状や数は、 に限定されるものではなく、必要に応じて 宜調整することができる。前記孔部等の基 面に対して垂直方向の断面形状(縦断面形状) は、柱状〔図1(a)参照〕、順テーパー状〔図1( b)参照〕、逆テーパー状〔図1(c)参照〕等とす ることができる。尚、孔部の基板面に対して 平行方向の横断面形状は、円形、楕円形、多 角形等とすることができる。また、溝部は直 線状に形成されていてもよいし、曲線状に形 成されていてもよい。更に、孔部等が複数あ る場合、各孔部等の大きさ及び深さは、それ ぞれ、異なっていてもよいし、隣り合う孔部 等同士の間隔(長さ)も特に限定されない。

 また、前記孔部の好ましい形状としては、 断面形状が円形且つ縦断面形状が順テーパ 状である。
 前記孔部が、横断面形状が円形である場合 孔部表面の開口径と、孔部深さとの比(孔部 深さ/開口径)は、好ましくは1~10、より好まし くは1~5、更に好ましくは1~4である。

 また、前記溝部の好ましい形状としては、 部が直線形状に形成されており、且つ縦断 形状が柱状若しくは順テーパー状のもので る。
 前記溝部の縦断面形状が柱状である場合、 断面の四角形におけるアスペクト比(孔部の 深さ/孔部上面の1辺の長さ)は、好ましくは1~1 0、より好ましくは1~5、更に好ましくは1~4で る。

 また、前記溶剤としては、エチレングリ ールモノメチルエーテルアセテート、エチ ングリコールモノエチルエーテルアセテー 等のエチレングリコールモノアルキルエー ルアセテート類;プロピレングリコールモノ メチルエーテル、プロピレングリコールモノ エチルエーテル、プロピレングリコールモノ プロピルエーテル、プロピレングリコールモ ノブチルエーテル等のプロピレングリコール モノアルキルエーテル類;プロピレングリコ ルジメチルエーテル、プロピレングリコー ジエチルエーテル、プロピレングリコール プロピルエーテル、プロピレングリコール ブチルエーテル等のプロピレングリコール アルキルエーテル類;プロピレングリコール ノメチルエーテルアセテート、プロピレン リコールモノエチルエーテルアセテート、 ロピレングリコールモノプロピルエーテル セテート、プロピレングリコールモノブチ エーテルアセテート等のプロピレングリコ ルモノアルキルエーテルアセテート類;エチ ルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソ ルブ類;ブチルカルビトール等のカルビトー 類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n-プロピ 、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢 エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピ 、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n-ア ル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプ ピル、プロピオン酸n-ブチル、プロピオン イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル ;3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシ プロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、 ルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他 エステル類;トルエン、キシレン等の芳香族 化水素類;2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘ プタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N- ジメチルホルムアミド、N-メチルアセトアミ 、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロ ドン等のアミド類;γ-ブチロラクン等のラク トン類が挙げられる。これらは、1種単独で いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い もよい。

 前記溶剤塗布工程において、前記溶剤を 差基板に塗布する方法としては、特に限定 れないが、例えば、スプレー法、スピンコ ト法等の塗布法、浸漬法等を挙げることが きる。尚、溶剤を塗布することにより、前 孔部内に溶剤が充填された場合の溶剤の充 率は、特に限定されない。

<樹脂組成物塗布工程>
 前記樹脂組成物塗布工程では、前記段差基 における孔部等内の溶剤と接触するように ポジ型感光性樹脂組成物が塗布される。尚 このポジ型感光性樹脂組成物については、 段にて詳細を説明する。

 前記樹脂組成物塗布工程において、感光 樹脂組成物を、前記段差基板に塗布する方 は、この感光性樹脂組成物が前記孔部等内 溶剤と接触するように塗工される方法であ ば特に限定されないが、例えば、スピンコ ト法、スプレー法、バーコート法等を挙げ ことができる。これらのなかでも、スピン ート法を用いることが好ましい。

 尚、この樹脂組成物塗布工程においては 感光性樹脂組成物の固形分濃度、粘度等が 慮されて、後に進められる乾燥工程により 前記段差基板の表面に形成される被膜の厚 が0.1~10μmの範囲に入るように、塗膜を形成 ることが好ましい。

<乾燥工程>
 前記乾燥工程では、前記樹脂組成物塗布工 により形成された塗膜が乾燥される。即ち 塗膜に含まれる溶剤のみが除去され、孔部 の内表面を含む段差基板の表面に被膜が形 される。
 この工程における乾燥温度は、前記溶剤塗 工程において充填された溶剤の沸点、又は 前記溶剤塗布工程において充填された溶剤 、感光性樹脂組成物とからなる混合物に含 れる混合溶剤の沸点を考慮して適宜選択さ る。
 また、乾燥条件は特に限定されず、一定温 で行ってよいし、昇温又は降温しながら行 てよいし、これらを組み合わせてもよい。 た、圧力についても、大気圧下で行ってよ し、真空下で行ってもよい。尚、雰囲気ガ 等も特に限定されない。

 ここで、本発明の被膜形成方法(I)について 体的に説明する(図2参照)。
 まず、溶剤塗布工程により、溶剤を段差基 1に塗布する。この際、溶剤13は、通常、図2 (b)のように、段差基板1に設けられている孔 11(溝部12)内に充填されており、また、段差 板1の表面を一様に濡らしていてもよい。
 次いで、樹脂組成物塗布工程において、感 性樹脂組成物が塗布されると、段差基板1の 表面には、均一な塗膜14が形成され、孔部11 においては、前記溶剤塗布工程において充 された溶剤と、感光性樹脂組成物とからな 混合物15が収容されることとなる〔図2(c)参 〕。
 その後、乾燥工程により、溶剤が除去され 、孔部の内壁面及び底面を含む段差基板表 には、感光性樹脂組成物の固形分からなる 一な被膜16(孔部以外の段差基板1の全表面に 形成されている被膜16a、孔部の内壁面に形成 されている被膜16b、孔部の底面に形成されて いる被膜16c)が形成される〔図2(d)参照〕。尚 被膜16a、16b及び16cの厚さは、同一であって よいし、異なっていてもよい。

 本発明の被膜形成方法(I)によれば、段差基 に設けられた有底の孔部や溝部における内 面及び底面に均一な被膜を形成することが きるため、形成された被膜をマスクとして 用することで、Si、SiO 2 等の蒸着酸化膜や金属酸化膜等に対してエッ チング処理を行うことができる。更には、エ ッチング処理後には、容易に樹脂被膜を剥離 することができるので、微細な孔部や溝部の 内部に対する微細加工に好適に利用すること ができる。例えば、基板の片面に微細孔部や 微細溝部が形成されており且つその微細孔部 や微細溝部に対応する位置に対する反対面に 電極部を備える段差基板において、この孔部 や溝部の底面にパターンを形成し、底部に対 してエッチング処理を施すことにより、貫通 電極を容易に形成することができる。

 ここで、前記貫通電極の形成方法について 体的に説明する(図3参照)。
 まず、片面に微細孔部11(或いは微細溝部12) 形成されており且つその反対面に電極部2を 備える段差基板1〔図3(a)参照〕の表面に、感 性樹脂組成物を用いる本発明の被膜形成方 (I)により被膜16を形成する〔図3(b)参照〕。
 その後、上方から、孔部に対して、紫外線 可視光線、遠紫外線、X線、電子線等を照射 し、前記孔部11の底面に形成されている被膜1 6cの所定領域を露光する〔図3(c)参照〕。尚、 露光量は、使用する光源、被膜の厚さ等によ って、適宜、選択されるが、例えば、厚さが 5~50μm程度の被膜に対して、高圧水銀灯から 外線を照射する場合、好ましい露光量は、10 00~20000J/m 2 程度である。
 そして、図3(c)に示される被膜露光部161は、 アルカリ可溶性となるので、アルカリ性溶液 を用いて処理し、孔部底面にパターン3を形 する〔図3(d)参照〕。尚、前記アルカリ性溶 としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ ム、アンモニア、テトラメチルアンモニウ ヒドロキシド、コリン等の水溶液、又は、 の水溶液に、メタノール、エタノール等の 溶性の有機溶剤、界面活性剤等が適量添加 れた溶液等を用いることができる。

 次いで、残存している被膜16をマスクとし 、孔部における基板17に対してエッチング処 理を施す〔図3(e)参照〕。また、エッチング 法としては、ドライエッチング、フッ酸等 用いたウェットエッチング等の公知の方法 用いることができる。
 その後、残存している被膜16を、所定の剥 液(例えば、N-メチルピロリドン、ジメチル ルホキシド等の溶剤、又はこれらの溶剤に ルカリ、界面活性剤等が適量添加された溶 等)を用いて剥離し、貫通電極用孔部4を形成 する〔図3(f)参照〕。
 次いで、貫通電極孔部4に、導電材料を充填 することにより貫通電極を形成することがで きる。尚、導電材料としては、銅、銀、タン グステン、タンタル、チタン、ルテニウム、 金、スズ、アルミニウム、及び、これらを含 む合金等が挙げられる。

2.ポジ型感光性樹脂組成物
 本発明の被膜形成方法(I)において用いられ ポジ型感光性樹脂組成物(以下、単に「感光 性樹脂組成物」ともいう。)は、(A)アルカリ 溶性樹脂と、(B)キノンジアジド基を有する 合物と、(C)疎水化処理されており且つ平均 子径が1~100nmであるシリカと、(D)溶剤と、を 有しており、且つチクソトロピー性を有す ものである。

<(A)アルカリ可溶性樹脂>
 前記アルカリ可溶性樹脂〔以下、「アルカ 可溶性樹脂(A)」ともいう。〕としては、例 ば、(1)フェノール性水酸基を有する樹脂(以 下、「樹脂(A1)」ともいう。)、(2)フェノール 水酸基を有する単量体と(メタ)アクリル酸 ステルとを含む単量体を用いて得られた共 合体(以下、「樹脂(A2)」ともいう。)、(3)カ ボキシル基を有する樹脂(以下、「樹脂(A3)」 ともいう。)等が挙げられる。

 前記樹脂(A1)としては、例えば、フェノール 類とアルデヒド類とを触媒の存在下で、縮合 させることにより得られたノボラック樹脂を 用いることができる。
 前記フェノール類としては、例えば、フェ ール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレ ール、o-エチルフェノール、m-エチルフェノ ール、p-エチルフェノール、o-ブチルフェノ ル、m-ブチルフェノール、p-ブチルフェノー 、2,3-キシレノール、2,4-キシレノール、2,5- シレノール、2,6-キシレノール、3,4-キシレ ール、3,5-キシレノール、2,3,5-トリメチルフ ノール、3,4,5-トリメチルフェノール、カテ ール、レゾルシノール、ピロガロール、α- フトール、β-ナフトール等が挙げられる。
 前記アルデヒド類としては、例えば、ホル アルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセ アルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げら る。
 前記ノボラック樹脂としては、例えば、フ ノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹 脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボ ック樹脂、フェノール-ナフトール/ホルムア ルデヒド縮合ノボラック樹脂等が挙げられる 。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種 上を組み合わせて用いてもよい。

 また、前記ノボラック樹脂以外の樹脂(A1) としては、ポリヒドロキシスチレン、ヒドロ キシスチレンと他の単量体〔(メタ)アクリル 及び(メタ)アクリル酸エステルを除く〕と 共重合体、ポリイソプロペニルフェノール イソプロペニルフェノールと他の単量体〔( タ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステ を除く〕との共重合体、フェノール/キシリ レングリコール縮合樹脂、クレゾール/キシ レングリコール縮合樹脂、フェノール/ジシ ロペンタジエン縮合樹脂等が挙げられる。 れらは、1種単独で用いてもよいし、2種以 を組み合わせて用いてもよい。

 前記樹脂(A2)は、フェノール性水酸基を有す る単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとを み、且つ、(メタ)アクリル酸等のカルボキ ル基を有する化合物を含まない単量体を用 て得られた共重合体である。
 前記フェノール性水酸基を有する単量体と ては、例えば、p-ヒドロキシスチレン、m-ヒ ドロキシスチレン、o-ヒドロキシスチレン、p -イソプロペニルフェノール、m-イソプロペニ ルフェノール、o-イソプロペニルフェノール が挙げられる。
 前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、 チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク レート、イソプロピル(メタ)アクリレート n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メ )アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレー ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2- チルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、フ ェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ) クリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエ ステル等が挙げられる。尚、これらの(メタ) クリル酸アルキルエステル中のアルキル基 水素原子は、ヒドロキシル基で置換されて てもよい。

 また、前記樹脂(A2)の形成に際し、フェノー ル性水酸基を有する単量体及び(メタ)アクリ 酸エステル以外に、重合性不飽和結合を有 る化合物を他の単量体として用いてもよい
 前記他の単量体としては、例えば、スチレ 、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m- メチルスチレン、p-メチルスチレン、エチル チレン、ビニルキシレン、o-メトキシスチ ン、m-メトキシスチレン、p-メトキシスチレ 等の芳香族ビニル化合物;無水マレイン酸、 無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物;前記 飽和カルボン酸のエステル;(メタ)アクリロ トリル、マレインニトリル、フマロニトリ 、メサコンニトリル、シトラコンニトリル イタコンニトリル等の不飽和ニトリル;(メタ )アクリルアミド、クロトンアミド、マレイ アミド、フマルアミド、メサコンアミド、 トラコンアミド、イタコンアミド等の不飽 アミド;マレイミド、N-フェニルマレイミド N-シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミ ド;(メタ)アリルアルコール等の不飽和アルコ ール;N-ビニルアニリン、ビニルピリジン、N- ニル-ε-カプロラクタム、N-ビニルピロリド 、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルカルバゾ ール等が挙げられる。これらは、1種単独で いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い もよい。

 前記樹脂(A3)は、単独重合体であってもよい し、共重合体であってもよい。通常、この樹 脂(A3)は、カルボキシル基を有する化合物(以 、「単量体(m)」という。)を含む単量体を用 いて得られた重合体である。
 前記単量体(m)としては、例えば、(メタ)ア リル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン 、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸 4-ビニル安息香酸等の不飽和カルボン酸又は 不飽和ジカルボン酸;不飽和ジカルボン酸の ノエステル等が挙げられる。これらは、1種 独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ て用いてもよい。

 前記樹脂(A3)としては、以下の共重合体を例 示することができる。
[1]単量体(m)と、フェノール性水酸基を有する 単量体とを用いて得られた共重合体
[2]単量体(m)と、フェノール性水酸基を有する 単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとを用 て得られた共重合体
[3]単量体(m)と、フェノール性水酸基を有する 単量体と、芳香族ビニル化合物と、(メタ)ア リル酸エステルとを用いて得られた共重合
[4]単量体(m)と、芳香族ビニル化合物と、(メ )アクリル酸エステルとを用いて得られた共 合体
[5]単量体(m)と、芳香族ビニル化合物と、共役 ジオレフィンとを用いて得られた共重合体
[6]単量体(m)と、(メタ)アクリル酸エステル、 役ジオレフィンとを用いて得られた共重合
[7]単量体(m)と、(メタ)アクリル酸エステル、 肪酸ビニル化合物とを用いて得られた共重 体

 尚、前記態様における、フェノール性水酸 を有する単量体、(メタ)アクリル酸エステ 及び芳香族ビニル化合物については、前述 説明をそのまま適用することができる。
 また、前記共役ジオレフィンとしては、例 ば、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,4-ジメ ルブタジエン等が挙げられる。
 更に、前記脂肪酸ビニル化合物としては、 えば、酢酸ビニル、クロトン酸ビニル等が げられる。

 本発明における感光性樹脂組成物は、前記 ルカリ可溶性樹脂(A)を1種のみ含有していて もよいし、2種以上含有していてもよい。
 また、本発明における感光性樹脂組成物は 記アルカリ可溶性樹脂(A)として、重量平均 子量(Mw)が4000~50000(より好ましくは4000~30000) 樹脂を含有していることが好ましい。特に 前記アルカリ可溶性樹脂として、(i)Mwが4000~5 0000の樹脂のみを含有しているか、或いは(ii)M wが4000~50000の樹脂と、Mwが2000未満(より好まし くは500~1900)の樹脂とを含有していることが好 ましい。これらの場合には、アルカリ可溶性 をコントロールすることができる。尚、樹脂 の重量平均分子量は、単分散ポリスチレンを 標準とするゲルパーミエーションクロマトグ ラフィー(GPC)により測定することができる。

 前記Mwが4000~50000のアルカリ可溶性樹脂とし は、フェノール性水酸基を有する樹脂が好 しく、特に、ヒドロキシスチレンを用いて られた共重合体、及びノボラック樹脂が好 しい。
 前記Mwが2000未満のアルカリ可溶性樹脂とし は、フェノール-キシリレングリコール縮合 樹脂、クレゾール/キシリレングリコール縮 樹脂、フェノール/ジシクロペンタジエン縮 樹脂、ヒドロキシスチレンを用いて得られ 共重合体、及びノボラック樹脂が好ましい

 前記アルカリ可溶性樹脂(A)として、Mwが40 00~50000のアルカリ可溶性樹脂と、Mwが2000未満 アルカリ可溶性樹脂とを含む場合、Mwが4000~ 50000のアルカリ可溶性樹脂の含有割合は、ア カリ可溶性樹脂(A)全体を100質量%とした場合 に、30~100質量%であることが好ましく、より ましくは40~100質量%、更に好ましくは50~100質 %である。

 また、前記感光性樹脂組成物における前 アルカリ可溶性樹脂(A)の含有割合は、感光 樹脂組成物に含まれる固形分全体を100質量% とした場合に、30~60質量%であることが好まし く、より好ましくは30~50質量%、更に好ましく は35~50質量%である。この含有割合が30~60質量% である場合には、アルカリ溶解性に優れる。

<(B)キノンジアジド基を有する化合物>
 前記キノンジアジド基を有する化合物〔以 、「キノンジアジド化合物(B)」ともいう。 とは、フェノール化合物の、1,2-ナフトキノ ン-2-ジアジド-5-スルホン酸エステル又は1,2- フトキノン-2-ジアジド-4-スルホン酸エステ である。

 前記フェノール化合物は、フェノール性 酸基を少なくとも1つ有する化合物であれば 、特に限定されないが、例えば、下記一般式 (1)~(5)で表される化合物等が好ましい。

〔式中、X 1 ~X 10 は、それぞれ相互に同一又は異なっていても よく、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、炭 素数1~4のアルコキシ基又はヒドロキシル基で ある。尚、X 1 ~X 5 のうちの少なくとも1つはヒドロキシル基で る。また、Aは単結合、O、S、CH 2 、C(CH 3 ) 2 、C(CF 3 ) 2 、C=O、又はSO 2 である。〕

〔式中、X 11 ~X 24 は、それぞれ相互に同一又は異なってもよく 、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数 1~4のアルコキシ基又はヒドロキシル基である 。尚、X 11 ~X 15 のうちの少なくとも1つはヒドロキシル基で る。また、R 1 ~R 4 は、それぞれ相互に同一又は異なってもよく 、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基である 。〕

〔式中、X 25 ~X 39 は、それぞれ相互に同一又は異なってもよく 、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数 1~4のアルコキシ基又はヒドロキシル基である 。尚、X 25 ~X 29 のうちの少なくとも1つ及びX 30 ~X 34 のうちの少なくとも1つはヒドロキシル基で る。また、R 5 は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であ る。〕

〔式中、X 40 ~X 58 は、それぞれ相互に同一又は異なってもよく 、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数 1~4のアルコキシ基又はヒドロキシル基である 。尚、X 40 ~X 44 のうちの少なくとも1つ、X 45 ~X 49 のうちの少なくとも1つ及びX 50 ~X 54 のうちの少なくとも1つはヒドロキシル基で る。また、R 6 ~R 8 は、それぞれ相互に同一又は異なってもよく 、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基である 。〕

〔式中、X 59 ~X 72 は、それぞれ相互に同一又は異なってもよく 、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数 1~4のアルコキシ基又はヒドロキシル基である 。尚、X 59 ~X 62 のうちの少なくとも1つ及びX 63 ~X 67 のうちの少なくとも1つはヒドロキシル基で る。〕

 前記一般式(1)~(5)における、炭素数1~4のアル コキシ基としては、例えば、メトシキ基、エ トキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基 、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキ 基、tert-ブトキシ基等の直鎖状若しくは分岐 状のアルコキシ基を挙げることができる。
 また、前記一般式(1)~(5)における、炭素数1~4 のアルキル基としては、例えば、メチル基、 エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ チル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブ チル基等の直鎖状若しくは分岐状のアルキル 基を挙げることができる。

 前記フェノール化合物の具体例としては 例えば、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタ ン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル 2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4 -テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2 ,4’-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、ト ス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4- ドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒド キシフェニル)-1-フェニルエタン、1,3-ビス[1- (4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]ベン ン、1,4-ビス[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メ ルエチル]ベンゼン、4,6-ビス[1-(4-ヒドロキシ フェニル)-1-メチルエチル]-1,3-ジヒドロキシ ンゼン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-[4- 〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕 フェニル]エタン等を挙げることができる。 れらのフェノール化合物は、1種単独で用い もよいし、2種以上を組み合わせて用いても よい。

 従って、前記キノンジアジド化合物(B)と ては、上述のフェノール化合物から選ばれ 少なくとも1種と、1,2-ナフトキノンジアジ -4-スルホン酸又は1,2-ナフトキノンジアジド- 5-スルホン酸と、を反応させて得られたエス ル化物等を、1種単独で用いてもよいし、2 以上を組み合わせて用いてもよい。

 前記感光性樹脂組成物における前記キノ ジアジド化合物(B)の含有割合は、感光性樹 組成物に含まれる固形分全体を100質量%とし た場合に、1~40質量%であることが好ましく、 り好ましくは5~30質量%、更に好ましくは5~20 量%である。この含有割合が1~40質量%である 合には、得られる被膜の露光部・未露光部 溶解度の差を大きくすることができ、現像 をより向上させることができるため好まし 。

<(C)シリカ>
 本発明における感光性樹脂組成物には、チ ソトロピー性を発現させ且つ制御するため 、少なくとも一部が疎水化処理されたシリ 〔以下、「シリカ(C)」ともいう。〕が配合 れている。
 疎水化処理されるシリカの種類は特に限定 れないが、例えば、コロイダルシリカ、ア ロジル、ガラス等が挙げられる。尚、これ の粒子形状は、特に限定されず、球状、楕 形状、偏平状、ロッド状、繊維状等とする とができる。

 前記シリカ(C)の疎水化率は、20~80%であるこ が好ましく、より好ましくは30~70%、更に好 しくは40~70%である。この疎水化率が20~80%で る場合には、シリカの溶剤への分散性及び 記樹脂との相溶性が良好となり、更には前 感光性樹脂組成物のチクソトロピー性を発 させることができるため好ましい。
 尚、前記感光性樹脂組成物におけるシリカ( C)の疎水化率は、疎水化前及び疎水化後のシ カ表面のシラノール基数を0.1N水酸化ナトリ ウム水溶液による中和滴定法により測定し、 下式により求められた値である。
 疎水化率(%)=(疎水化後のシラノール基数/疎 化前のシラノール基数)×100

 また、前記シリカ(C)の平均粒子径は1~100nmで あり、好ましくは5~80nm、より好ましくは10~50n mである。この平均粒子径が、1~100nmである場 には、露光光に対する十分な透明性、及び 分なアルカリ溶解性等を得ることができる 一方、100nmを超える場合には、露光光に対 る十分な透明性が得られず、解像性が悪化 る傾向にある。
 尚、この平均粒子径は、光散乱流動分布測 装置(大塚電子社製、型番「LPA-3000」)を用い て、シリカ粒子の分散液を常法に従って希釈 して測定した値である。また、この平均粒子 径は、シリカ粒子の分散条件により制御する ことができる。

 また、前記シリカ(C)におけるナトリウム含 量は、1ppm以下であることが好ましく、より 好ましくは0.5ppm以下、更に好ましくは0.1ppm以 下である。このナトリウム含有量が1ppm以下 ある場合には、得られる感光性樹脂組成物 おけるナトリウム含有量を1ppm以下とするこ ができる。
 尚、シリカ(C)におけるナトリウム含有量は 原子吸光計(パーキネルマー製、型番「Z5100 )等により測定することができる。

 前記感光性樹脂組成物における前記シリ (C)の含有割合は、感光性樹脂組成物におけ 固形分全体を100質量%とした場合に、20質量% を超えて、60質量%以下であり、好ましくは30 量%以上、60質量%以下、更に好ましくは30質 %以上、50質量%以下である。この含有割合が 20質量%を超えて、60質量%以下である場合には 、十分なチクソトロピー性を得ることができ 、段差基板等における微細孔や微細溝の内壁 面及び底面に均一な被膜を形成することがで きる。また、この含有割合が20質量%以下の場 合、十分なチクソトロピー性が得られず、段 差基板等における微細孔や微細溝の内壁面及 び底面に均一な被膜を形成することができな いおそれがある。一方、70質量%を超える場合 、露光部・未露光部の溶解度の差を制御する ことができず、十分な現像性が得られないお それがある。

 尚、本発明における感光性樹脂組成物は 前記シリカ(C)を1種のみ含有していてもよい し、2種以上含有していてもよいが、シリカ 子の良好な分散性の観点から、1種のみ含有 ることが好ましい。

<(D)溶剤>
 前記溶剤〔以下、「溶剤(D)」ともいう。〕 、感光性樹脂組成物の取り扱い性を向上さ たり、粘度や保存安定性を調節したりする めに含有されている。
 前記溶剤(D)としては、例えば、エチレング コールモノメチルエーテルアセテート、エ レングリコールモノエチルエーテルアセテ ト等のエチレングリコールモノアルキルエ テルアセテート類;プロピレングリコールモ ノメチルエーテル、プロピレングリコールモ ノエチルエーテル、プロピレングリコールモ ノプロピルエーテル、プロピレングリコール モノブチルエーテル等のプロピレングリコー ルモノアルキルエーテル類;プロピレングリ ールジメチルエーテル、プロピレングリコ ルジエチルエーテル、プロピレングリコー ジプロピルエーテル、プロピレングリコー ジブチルエーテル等のプロピレングリコー ジアルキルエーテル類;プロピレングリコー モノメチルエーテルアセテート、プロピレ グリコールモノエチルエーテルアセテート プロピレングリコールモノプロピルエーテ アセテート、プロピレングリコールモノブ ルエーテルアセテート等のプロピレングリ ールモノアルキルエーテルアセテート類;エ チルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロ ソルブ類、ブチルカルビトール等のカルビト ール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n-プロ ピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類 ;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロ ピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n -アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イ プロピル、プロピオン酸n-ブチル、プロピオ ン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステ ル類;3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メト シプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピ ン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル 、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の 他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳 族炭化水素類;2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、 4-ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン ;N-ジメチルホルムアミド、N-メチルアセト ミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル ロリドン等のアミド類;γ-ブチロラクン等の クトン類が挙げられる。これらの溶剤(D)は 1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み わせて用いてもよい。

<低分子フェノール性化合物>
 本発明における感光性樹脂組成物には、ア カリ可溶性を向上させるために、添加剤と て分子量が500未満の低分子フェノール性化 物が含有されていてもよい。
 前記低分子フェノール性化合物としては、 えば、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン 、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、 リス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス (4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、 リス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,3-ビス [1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]ベ ゼン、1,4-ビス[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1- チルエチル]ベンゼン、4,6-ビス[1-(4-ヒドロキ シフェニル)-1-メチルエチル]-1,3-ジヒドロキ ベンゼン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1- [4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル 〕フェニル]エタン、1,1,2,2-テトラ(4-ヒドロキ シフェニル)エタン等が挙げられる。これら 、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み 合わせて用いてもよい。

 また、前記低分子フェノール性化合物の 有量は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)100質量 に対して、1~30質量部であることが好ましく 、より好ましくは3~25質量部、更に好ましく 5~20質量部である。

<密着助剤>
 本発明における感光性樹脂組成物には、基 との密着性を向上させるために、添加剤と て密着助剤が含有されていてもよい。
 前記密着助剤としては、例えば、カルボキ ル基、メタクリロイル基、イソシアネート 、エポキシ基等の反応性置換基を有する官 性シランカップリング剤等が挙げられる。 体的には、例えば、トリメトキシシリル安 香酸、γ-メタクリロキシプロピルトリメト シシラン、ビニルトリアセトキシシラン、 ニルトリメトキシシラン、γ-イソシアナー プロピルトリエトキシシラン、γ-グリシド シプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エ キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシ ン、1,3,5-N-トリス(トリメトキシシリルプロ ル)イソシアヌレート等が挙げられる。これ らの密着助剤は、1種単独で用いてもよいし 2種以上を組み合わせて用いてもよい。

 また、前記密着助剤の含有量は、前記ア カリ可溶性樹脂(A)と低分子フェノール性化 物との合計を100質量部とした場合に、0.5~10 量部であることが好ましく、更に好ましく 0.5~8質量部である。この含有量が0.5~10質量 である場合には、基板との良好な密着性を 現するため好ましい。

<界面活性剤>
 本発明における感光性樹脂組成物には、樹 組成物の塗布性を向上さるために、添加剤 して界面活性剤(レベリング剤)が含有され いてもよい。
 前記界面活性剤としては、例えば、ポリオ シエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ チレンステリアルエーテル、ポリオキシエ レンセチルエーテル、ポリオキシエチレン レインエーテル等のポリオキシエチレンア キルエーテル類、ポリオキシエチレンオク ルフェノールエーテル、ポリオキシエチレ ノニルフェノールエーテル等のポリオキシ チレンアルキルアリルエーテル類、ポリオ シエチレンポリオキシプロピレンブロック ポリマー類、ソルビタンモノラウレート、 ルビタンモノパルミテート、ソルビタンモ ステアレート等のソルビタン脂肪酸エステ 類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラ レート、ポリオキシエチレンソルビタンモ パルミテート、ポリオキシエチレンソルビ ンモノステアレート、ポリオキシエチレン ルビタントリオレエート、ポリオキシエチ ンソルビタントリステアレート等のポリオ シエチレンソルビタン脂肪酸エステルのノ オン系界面活性剤、エフトップEF301、EF303、 EF352(トーケムプロダクツ)、メガファックF171 F172、F173(大日本インキ化学工業)、フロラー ドFC430、FC431(住友スリーエム)、アサヒガード AG710、サーフロンS-381、S-382、SC101、SC102、SC103 、SC104、SC105、SC106、サーフィノールE1004、KH-1 0、KH-20、KH-30、KH-40(旭硝子)、フタージェント 250、251、222F、FTX-218(ネオス)等のフッ素系界 活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341、 X-70-092、X-70-093(信越化学工業)、SH8400(東レ・ ウコーニング)、アクリル酸系又はメタクリ 酸系ポリフローNo.75、No.77、No.90、No.95(共栄 油脂化学工業)が挙げられる。これらの界面 活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以 を組み合わせて用いてもよい。

 また、前記界面活性剤の含有量は、前記 ルカリ可溶性樹脂(A)と低分子フェノール性 合物との合計を100質量部とした場合に、0.01 ~1質量部であることが好ましく、より好まし は0.01~0.5質量部である。この含有量が0.01~1 量部である場合には、段差基板等における 細孔や微細溝の内壁面及び底面に平坦性に れた被膜を形成することができる。

<他の添加剤>
 本発明における感光性樹脂組成物には、必 に応じて他の添加剤を本発明の特性を損な ない程度に含有させることができる。この うな他の添加剤としては、増感剤、レベリ グ剤等が挙げられる。

<ナトリウム含有量>
 前記感光性樹脂組成物の固形分中における トリウム含有量は、1ppm以下であり、より好 ましくは0.8ppm以下、更に好ましくは0.5ppm以下 である。このナトリウム含有量が1ppm以下で る場合には、本発明における感光性樹脂組 物を用いて作製された電子デバイス中の金 不純物が少なく、電気的信頼性に優れた電 デバイスを作製することができるため好ま い。
 尚、樹脂組成物中におけるナトリウム含有 は、原子吸光計(パーキネルマー製、型番「 Z5100」)等により測定することができる。

 また、本発明における感光性樹脂組成物 、チクソトロピー性を有するものであり、 細孔部及び微細溝部の少なくとも一方が形 された段差基板に被膜を形成するために好 に用いることができる。具体的には、段差 板における孔部や溝部の内壁面及び底面に 一な被膜を形成するために好適に用いるこ ができる。

 本発明における感光性樹脂組成物の固形分 度は、5~80質量%であることが好ましく、よ 好ましくは10~60質量%、更に好ましくは25~60質 量%である。
 更に、感光性樹脂組成物の固形分濃度が5~80 質量%であるときの粘度は、10~10000mPa・sであ ことが好ましく、より好ましくは20~7000mPa・s 、更に好ましくは30~5000mPa・sである。この粘 が10~10000mPa・sであると、微細な孔部や溝部 内壁面及び底面に対する製膜性に優れ、よ 均一な被膜を得ることができる。尚、樹脂 成物の粘度は、温度25℃で、回転速度20rpmで 測定された値である。

 また、本発明における感光性樹脂組成物は 樹脂組成物の固形分濃度が5~80質量%の範囲 ある場合、剪断速度6rpmにおける粘度V 1 (mPa・s)と、剪断速度60rpmにおける粘度V 2 (mPa・s)との比(V 1 /V 2 )が、1.1以上であることが好ましく、より好 しくは1.1~10.0、更に好ましくは1.2~8.0、特に ましくは1.3~6.0である。この比(V 1 /V 2 )が、1.1以上である場合には、微細な孔部や 部の内壁面及び底面に対する製膜性に優れ 均一な被膜を得ることができる。
 更に、樹脂組成物の固形分濃度が5~80質量% 範囲にある場合、剪断速度1.5rpmにおける粘 V 3 (mPa・s)と、剪断速度600rpmにおける粘度V 4 (mPa・s)との比(V 3 /V 4 )が、2.0以上であることが好ましく、より好 しくは2.0~80、更に好ましくは2.0~70、特に好 しくは3.0~60である。この比(V 3 /V 4 )が、2.0以上である場合には、より均一な被 を得ることができる。

3.感光性樹脂組成物の調製方法
 本発明における感光性樹脂組成物の調製方 は特に限定されず、公知の方法により調製 ることができる。また、前記アルカリ可溶 樹脂(A)、前記キノンジアジド化合物(B)、前 シリカ(C)、前記溶剤(D)、更には必要に応じ 前述の各添加剤を中に入れ完全に栓をした ンプル瓶を、ウェーブローター等の上で攪 することによっても調製することができる

4.被膜形成方法(II)
 本発明の被膜形成方法(II)は、基板に形成さ れた孔部又は溝部に導電性材料を充填するこ とにより、積層された基板の層間、又は基板 の表面と裏面とを電気的に接続する方法に用 いられ、[1]開口部の面積が25~10000μm 2 であり且つ深さが10~200μmである孔部を有する シリコン基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工 程と、[2]剪断速度6rpmにおける粘度V 1 (mPa・s)と、剪断速度60rpmにおける粘度V 2 (mPa・s)との比(V 1 /V 2 )が、1.1以上の樹脂組成物を、該樹脂組成物 前記孔部内の前記溶剤と接触するように、 記基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3 ]塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備え、孔部 内壁面及び底面のうちの少なくとも該内壁 に前記樹脂成分を含む被膜を形成する。

 本発明の被膜形成方法(II)において用いられ る基板の構成材料としては、シリコン、各種 金属、各種金属スパッタ膜、アルミナ、ガラ スエポキシ、紙フェノール、ガラス等が挙げ られる。この基板の厚さは、通常、100~1,000μm である。
 前記基板51は、図7の断面図に示されるよう 、基板51の少なくとも一面側に、表面から 部に縦方向に形成された、開口部の面積が25 ~10000μm 2 、好ましくは100~10000μm 2 、より好ましくは250~7,000μm 2 であり且つ深さが10~200μm、好ましくは30~120μm 、より好ましくは50~100μmである孔部511を有す る。
 この孔部の形状及び数は、特に限定されな 。また、前記孔部の形状は、柱状(図7(a)参 )、順テーパー状(図7(b)参照)、逆テーパー状( 図7(c)参照)等とすることができ、その横断面 状も、円形、楕円形、多角形等とすること できる。尚、孔部が複数ある場合、各孔部 大きさ及び深さが異なってよいし、隣り合 孔部どうしの間隔(長さ)も特に限定されな 。

 前記孔部形状として、好ましくは、横断面 状が四角形(正方形又は長方形)の柱状もし は順テーパー状である。
 前記孔部が、横断面形状が四角形の柱状で る場合、縦断面の四角形におけるアスペク 比(孔部の深さと、孔部底面の1辺の長さと 比)は、好ましくは1~10、より好ましくは1~5、 更に好ましくは1~4である。

 本発明の被膜形成方法(II)を、図8を用い 説明すると、まず、溶剤塗布工程により、 剤を基板51に塗布する。このとき、溶剤513は 、通常、図8(b)のように、基板51に設けられて いる孔部511内に充填されており、また、基板 51の表面を一様に濡らしていてもよい。その 、樹脂組成物塗布工程により、樹脂組成物 基板51に塗布して塗膜515を形成する(図8(c)) このとき、孔部511内では、前記溶剤塗布工 による溶剤と、樹脂組成物塗布工程による 脂組成物とが混合される。次いで、乾燥工 により、孔部511内に含まれる、前記溶剤塗 工程による溶剤及び前記樹脂組成物中の溶 を除去し、孔部511の内表面を含む基板51の全 表面に形成された被膜519を有する、被膜付き 基板5が得られる。

 以下、各工程について説明する。
 前記溶剤塗布工程は、前記基板に溶剤を塗 する工程である。使用する溶剤としては、 チレングリコールモノメチルエーテルアセ ート、エチレングリコールモノエチルエー ルアセテート等のエチレングリコールモノ ルキルエーテルアセテート類;プロピレング リコールモノメチルエーテル、プロピレング リコールモノエチルエーテル、プロピレング リコールモノプロピルエーテル、プロピレン グリコールモノブチルエーテル等のプロピレ ングリコールモノアルキルエーテル類;プロ レングリコールジメチルエーテル、プロピ ングリコールジエチルエーテル、プロピレ グリコールジプロピルエーテル、プロピレ グリコールジブチルエーテル等のプロピレ グリコールジアルキルエーテル類;プロピレ グリコールモノメチルエーテルアセテート プロピレングリコールモノエチルエーテル セテート、プロピレングリコールモノプロ ルエーテルアセテート、プロピレングリコ ルモノブチルエーテルアセテート等のプロ レングリコールモノアルキルエーテルアセ ート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソル ブ等のセロソルブ類;ブチルカルビトール等 カルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、 酸n-プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸 ステル類;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢 イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチ ル、酢酸n-アミル、酢酸イソアミル、プロピ ン酸イソプロピル、プロピオン酸n-ブチル プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボ 酸エステル類;3-メトキシプロピオン酸メチ 、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキ プロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオ 酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸 チル等の他のエステル類;トルエン、キシレ 等の芳香族炭化水素類;2-ヘプタノン、3-ヘ タノン、4-ヘプタノン、シクロヘキサノン等 のケトン類;N-ジメチルホルムアミド、N-メチ アセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、 N-メチルピロリドン等のアミド類;γ-ブチロラ クン等のラクトン類が挙げられる。これらは 、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて いることができる。

 前記溶剤塗布工程において、前記溶剤を基 に塗布する方法としては、特に限定されな が、スプレー法、スピンコート法等の塗布 、浸漬法等が挙げられる。
 尚、溶剤を塗布することにより、前記孔部 に溶剤が充填された場合の溶剤の充填率は 特に限定されない。

 前記樹脂組成物塗布工程は、樹脂成分、シ カ及び溶剤を含有し、特定のチクソトロピ 性を有する樹脂組成物を、該樹脂組成物が 記孔部内の前記溶剤と接触するように、前 基板に塗布する工程である。
 前記樹脂組成物は、剪断速度6rpmにおける粘 度V 1 (mPa・s)と、剪断速度60rpmにおける粘度V 2 (mPa・s)との比(V 1 /V 2 )が、1.1以上であり、好ましくは1.1~10.0、より 好ましくは1.2~8.0、更に好ましくは1.3~5.0の範 にある。前記比(V 1 /V 2 )が、前記範囲にあると、孔部の内壁面及び 面の少なくとも内壁面に対する製膜性に優 、均一な被膜を得ることができる。
 前記樹脂組成物の固形分濃度は、好ましく 5~80質量%、より好ましくは20~60質量%である

 尚、前記樹脂組成物の固形分濃度が5~80質量 %の範囲にあるときの粘度V 1 は、好ましくは10~10,000mPa・s、より好ましく 20~7,000mPa・s、更に好ましくは50~5,000mPa・sで る。前記範囲にあると、孔部の内壁面及び 面の少なくとも内壁面に対する製膜性に優 、より均一な被膜を得ることができる。

 前記樹脂組成物は、前記のように、剪断速 6rpmにおける粘度V 1 (mPa・s)と、剪断速度60rpmにおける粘度V 2 (mPa・s)との比(V 1 /V 2 )は、1.1以上である。尚、より均一な被膜を るためには、前記樹脂組成物は、剪断速度1. 5rpmにおける粘度V 3 (mPa・s)と、剪断速度600rpmにおける粘度V 4 (mPa・s)との比(V 3 /V 4 )が、2.0以上であることが好ましい。より好 しい比(V 3 /V 4 )は、2.0~80、更に好ましくは2.0~50、特に好ま くは3.0~50の範囲である。
 前記粘度は、温度25℃で、剪断速度を、例 ば、1rpmから1,000rpmまで上げながら測定され 値である。

 前記樹脂組成物を構成する溶剤としては、 に限定されず、前記溶剤塗布工程において 用される溶剤として例示したものを用いる とができる。前記樹脂組成物に含有される 剤は、前記溶剤塗布工程において用いた溶 と同じであってよいし、異なってもよい。
 また、前記樹脂組成物を構成する樹脂成分 しては、特に限定されず、熱硬化性樹脂、 可塑性樹脂及びこれら以外の樹脂のいずれ もよいが、熱硬化性樹脂を含むことが好ま い。

 前記樹脂組成物を構成する樹脂成分が熱硬 性樹脂を含む場合、この樹脂組成物は、感 性及び非感光性のいずれでもよい。
 前記樹脂組成物が、感光性樹脂組成物であ 場合、ポジ型感光性樹脂組成物及びネガ型 光性樹脂組成物のいずれでもよいが、ポジ 感光性樹脂組成物であることが好ましい。

 前記ポジ型感光性樹脂組成物としては、 えば、フェノール性水酸基を有する樹脂(以 下、「樹脂(A1)」ともいう。);フェノール性水 酸基を有する単量体と(メタ)アクリル酸エス ルとを含む単量体を用いて得られた共重合 (以下、「樹脂(A2)」ともいう。);カルボキシ ル基を有する樹脂(以下、「樹脂(A3)」ともい 。)等から選ばれたアルカリ可溶性樹脂[A]と 、キノンジアジド基を有する化合物[B]と、を 含有する組成物等が挙げられる。

 前記樹脂(A1)としては、例えば、フェノール 類とアルデヒド類とを触媒の存在下で、縮合 させることにより得られたノボラック樹脂を 用いることができる。
 フェノール類としては、フェノール、o-ク ゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-エ ルフェノール、m-エチルフェノール、p-エチ フェノール、o-ブチルフェノール、m-ブチル フェノール、p-ブチルフェノール、2,3-キシレ ノール、2,4-キシレノール、2,5-キシレノール 2,6-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キ レノール、2,3,5-トリメチルフェノール、3,4, 5-トリメチルフェノール、カテコール、レゾ シノール、ピロガロール、α-ナフトール、 -ナフトール等が挙げられる。
 アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド ベンズアルデヒド等が挙げられる。
 前記ノボラック樹脂としては、フェノール/ ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレ ゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹 、フェノール-ナフトール/ホルムアルデヒド 縮合ノボラック樹脂等が挙げられる。これら は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせ 用いることができる。

 前記ノボラック樹脂以外の樹脂(A1)として は、ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシス チレンと他の単量体((メタ)アクリル酸及び( タ)アクリル酸エステルを除く)との共重合体 、ポリイソプロペニルフェノール、イソプロ ペニルフェノールと他の単量体((メタ)アクリ ル酸及び(メタ)アクリル酸エステルを除く)と の共重合体、フェノール/キシリレングリコ ル縮合樹脂、クレゾール/キシリレングリコ ル縮合樹脂、フェノール/ジシクロペンタジ エン縮合樹脂等が挙げられる。これらは、1 単独であるいは2種以上を組み合わせて用い ことができる。

 前記樹脂(A2)は、フェノール性水酸基を有す る単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとを み、且つ、(メタ)アクリル酸等のカルボキ ル基を有する化合物を含まない単量体を用 て得られた共重合体である。
 フェノール性水酸基を有する単量体として 、p-ヒドロキシスチレン、m-ヒドロキシスチ レン、o-ヒドロキシスチレン、p-イソプロペ ルフェノール、m-イソプロペニルフェノール 、o-イソプロペニルフェノール等が挙げられ 。
 また、(メタ)アクリル酸エステルとしては メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア リレート、イソプロピル(メタ)アクリレー 、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル( タ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレ ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2 -メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、 フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ )アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキル エステル等が挙げられる。尚、これらの(メ )アクリル酸アルキルエステル中のアルキル の水素原子は、ヒドロキシル基で置換され いてもよい。

 前記樹脂(A2)の形成に際し、フェノール性水 酸基を有する単量体及び(メタ)アクリル酸エ テル以外に、重合性不飽和結合を有する化 物を他の単量体として用いてもよい。
 他の単量体としては、スチレン、α-メチル チレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレ ン、p-メチルスチレン、エチルスチレン、ビ ルキシレン、o-メトキシスチレン、m-メトキ シスチレン、p-メトキシスチレン等の芳香族 ニル化合物;無水マレイン酸、無水シトラコ ン酸等の不飽和酸無水物;前記不飽和カルボ 酸のエステル;(メタ)アクリロニトリル、マ インニトリル、フマロニトリル、メサコン トリル、シトラコンニトリル、イタコンニ リル等の不飽和ニトリル;(メタ)アクリルア ド、クロトンアミド、マレインアミド、フ ルアミド、メサコンアミド、シトラコンア ド、イタコンアミド等の不飽和アミド;マレ ミド、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキ シルマレイミド等の不飽和イミド;(メタ)アリ ルアルコール等の不飽和アルコール;N-ビニル アニリン、ビニルピリジン、N-ビニル-ε-カプ ロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニル ミダゾール、N-ビニルカルバゾール等が挙げ られる。これらは、1種単独であるいは2種以 を組み合わせて用いることができる。

 前記樹脂(A3)は、単独重合体でも、共重合体 でもよく、通常、カルボキシル基を有する化 合物(以下、「単量体(m)」という。)を含む単 体を用いて得られた重合体である。
 前記単量体(m)としては、(メタ)アクリル酸 マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、メサ ン酸、シトラコン酸、イタコン酸、4-ビニル 安息香酸等の不飽和カルボン酸又は不飽和ジ カルボン酸;不飽和ジカルボン酸のモノエス ル等が挙げられる。これらは、1種単独であ いは2種以上を組み合わせて用いることがで きる。

 前記樹脂(A3)としては、以下に例示される。
[1]単量体(m)と、フェノール性水酸基を有する 単量体とを用いて得られた共重合体
[2]単量体(m)と、フェノール性水酸基を有する 単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとを用 て得られた共重合体
[3]単量体(m)と、フェノール性水酸基を有する 単量体と、芳香族ビニル化合物と、(メタ)ア リル酸エステルとを用いて得られた共重合
[4]単量体(m)と、芳香族ビニル化合物と、(メ )アクリル酸エステルとを用いて得られた共 合体
[5]単量体(m)と、芳香族ビニル化合物と、共役 ジオレフィンとを用いて得られた共重合体
[6]単量体(m)と、(メタ)アクリル酸エステル、 役ジオレフィンとを用いて得られた共重合
[7]単量体(m)と、(メタ)アクリル酸エステル、 肪酸ビニル化合物とを用いて得られた共重 体

 尚、前記態様において、フェノール性水酸 を有する単量体、(メタ)アクリル酸エステ 及び芳香族ビニル化合物は、前記例示した のを用いることができる。
 また、共役ジオレフィンとしては、1,3-ブタ ジエン、イソプレン、1,4-ジメチルブタジエ 等が挙げられる。
 脂肪酸ビニル化合物としては、酢酸ビニル クロトン酸ビニル等が挙げられる。

 前記アルカリ可溶性樹脂[A]は、重合体を1 種単独で含まれるものであってよいし、2種 上の組合せで含まれるものであってもよい 本発明においては、フェノール性水酸基を する樹脂を含むことが好ましく、特に、ノ ラック樹脂、及び、ヒドロキシスチレンを いて得られた共重合体が好ましい。

 前記アルカリ可溶性樹脂[A]の重量平均分 量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグ ラフィー)により測定することができ、好ま くは2000以上、より好ましくは2000~50000程度で ある。この範囲にあると、得られる硬化膜の 機械的物性、耐熱性及び電気絶縁性に優れる 。

 前記ポジ型感光性樹脂組成物を構成する 記アルカリ可溶性樹脂[A]の含有割合は、前 ポジ型感光性樹脂組成物に含まれる固形分 100質量%とした場合、好ましくは20~90質量%、 より好ましくは20~80質量%、更に好ましくは30~ 70質量%である。この範囲にあると、アルカリ 溶解性に優れるとともに、得られる硬化膜の 機械的物性、耐熱性及び電気絶縁性に優れる 。

 次に、前記キノンジアジド化合物[B]は、 ェノール化合物の、1,2-ナフトキノン-2-ジア ジド-5-スルホン酸エステル又は1,2-ナフトキ ン-2-ジアジド-4-スルホン酸エステルである

 前記フェノール化合物は、フェノール性 酸基を少なくとも1つ有する化合物であれば 、特に限定されないが、前述の一般式(1)~(5) 表される化合物が好ましい。

 前記フェノール化合物としては、4,4’-ジヒ ドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロ シジフェニルエーテル、2,3,4-トリヒドロキ ベンゾフェノン、2,3,4,4’-テトラヒドロキシ ベンゾフェノン、2,3,4,2’,4’-ペンタヒドロ シベンゾフェノン、トリス(4-ヒドロキシフ ニル)メタン、トリス(4-ヒドロキシフェニル) エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フ ニルエタン、1,3-ビス[1-(4-ヒドロキシフェニ ル)-1-メチルエチル]ベンゼン、1,4-ビス[1-(4-ヒ ドロキシフェニル)-1-メチルエチル]ベンゼン 4,6-ビス[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチル チル]-1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,1-ビス(4- ドロキシフェニル)-1-[4-〔1-(4-ヒドロキシフ ニル)-1-メチルエチル〕フェニル]エタン等 挙げられる。これらは、1種単独であるいは2 種以上を組み合わせて用いることができる。
 従って、前記キノンジアジド化合物[B]とし は、これらのフェノール化合物から選ばれ 少なくとも1種と、1,2-ナフトキノンジアジ -4-スルホン酸又は1,2-ナフトキノンジアジド- 5-スルホン酸とを反応させて得られたエステ 化物等を、1種単独であるいは2種以上を組 合わせて用いることができる。

 前記ポジ型感光性樹脂組成物を構成する 記キノンジアジド化合物[B]の含有割合は、 記アルカリ可溶性樹脂[A]を100質量部とした きに、好ましくは10~100質量部、より好まし は10~50質量部、更に好ましくは15~50質量部で ある。この範囲にあると、露光部・未露光部 の溶解度の差が大きく、アルカリ溶解性に優 れる。

 また、前記シリカとしては、チクソトロピ 性の制御のしやすさから、一部が疎水化処 されたシリカが好ましい。
 前記シリカの種類は特に限定されないが、 えば、コロイダルシリカ、アエロジル、ガ ス等が挙げられる。尚、これらの粒子形状 、特に限定されず、球状、楕円形状、偏平 、ロッド状、繊維状等とすることができる

 前記シリカの疎水化率は、20~80%であること 好ましく、より好ましくは30~70%、更に好ま くは40~70%である。この疎水化率が20~80%であ 場合には、シリカの溶剤への分散性及び前 樹脂との相溶性が良好となり、更には前記 脂組成物のチクソトロピー性を発現させる とができるため好ましい。
 尚、前記樹脂組成物におけるシリカの疎水 率は、疎水化前及び疎水化後のシリカ表面 シラノール基数を0.1N水酸化ナトリウム水溶 液による中和滴定法により測定し、下式によ り求められた値である。
 疎水化率(%)=(疎水化後のシラノール基数/疎 化前のシラノール基数)×100

 また、前記シリカの平均粒子径は1~100nmであ り、好ましくは5~80nm、より好ましくは10~50nm ある。この平均粒子径が、1~100nmである場合 は、露光光に対する十分な透明性、及び十 なアルカリ溶解性等を得ることができる。
 尚、この平均粒子径は、光散乱流動分布測 装置(大塚電子社製、型番「LPA-3000」)を用い て、シリカ粒子の分散液を常法に従って希釈 して測定した値である。また、この平均粒子 径は、シリカ粒子の分散条件により制御する ことができる。

 また、前記シリカにおけるナトリウム含有 は、1ppm以下であることが好ましく、より好 ましくは0.5ppm以下、更に好ましくは0.1ppm以下 である。このナトリウム含有量が1ppm以下で る場合には、得られる樹脂組成物における トリウム含有量を1ppm以下とすることができ 。
 尚、シリカにおけるナトリウム含有量は、 子吸光計(パーキネルマー製、型番「Z5100」) 等により測定することができる。

 前記樹脂組成物におけるシリカの含有割 は、樹脂組成物における固形分全体を100質 %とした場合に、20質量%を超えて、60質量%以 下であり、好ましくは30質量%以上、60質量%以 下、更に好ましくは30質量%以上、50質量%以下 である。この含有割合が20質量%を超えて、60 量%以下である場合には、十分なチクソトロ ピー性を得ることができ、有底孔部の内壁面 に均一な被膜を形成することができる。

 尚、本発明における樹脂組成物は、前記 リカを1種のみ含有していてもよいし、2種 上含有していてもよいが、シリカ粒子の良 な分散性の観点から、1種のみ含有すること 好ましい。

 前記ポジ型感光性樹脂組成物は、更に、 橋剤;金属酸化物粒子;架橋重合体からなる 子(以下、「架橋重合体粒子」という。);低 子フェノール性化合物等を含有したものと ることができる。

 前記架橋剤としては、分子中に少なくと 2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ 基を有する化合物;エポキシ基含有化合物;ア デヒド基を有するフェノール化合物;メチロ ール基を有するフェノール化合物;チイラン 含有化合物;オキセタニル基含有化合物;イソ シアネート基含有化合物(ブロック化された のを含む)等が挙げられる。

 前記分子中に少なくとも2つ以上のアルキル エーテル化されたアミノ基を有する化合物と しては、(ポリ)メチロールメラミン、(ポリ) チロールグリコールウリル、(ポリ)メチロー ルベンゾグアナミン、(ポリ)メチロールウレ 等の窒素化合物中の活性メチロール基(CH 2 OH基)の全部又は一部(少なくとも2つ)がアルキ ルエーテル化された化合物を用いることがで きる。ここで、アルキルエーテルを構成する アルキル基としては、メチル基、エチル基、 ブチル基等が挙げられ、複数のアルキル基は 、互いに同一であってもよいし、異なってい てもよい。また、アルキルエーテル化されて いないメチロール基は、一分子内で自己縮合 していてもよく、二分子間で縮合して、その 結果、オリゴマー成分が形成されていてもよ い。具体例としては、ヘキサメトキシメチル メラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、 テトラメトキシメチルグリコールウリル、テ トラブトキシメチルグリコールウリル等が挙 げられる。尚、これらは、1種単独であるい 2種以上を組み合わせて用いることができる

 前記エポキシ基含有化合物としては、フ ノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ ルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ ル型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エ キシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹 、フェノール-キシリレン型エポキシ樹脂、 ナフトール-キシリレン型エポキシ樹脂、フ ノール-ナフトール型エポキシ樹脂、フェノ ル-ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、 脂環式エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂、 脂肪族エポキシ樹脂、エポキシシクロヘキセ ン樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独 あるいは2種以上を組み合わせて用いること できる。

 前記のエポキシ基含有化合物のうち、フ ノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフ ノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノールジ グリシジルエーテル、ペンタエリスリトール グリシジルエーテル、トリメチロールプロパ ンポリグリシジルエーテル、グリセロールポ リグリシジルエーテル、フェニルグリシジル エーテル、ネオペンチルグリコールジグリシ ジルエーテル、エチレン/ポリエチレングリ ールジグリシジルエーテル、プロピレン/ポ プロピレングリコールジグリシジルエーテ 、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテ ル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、 プロピレングリコールジグリシジルエーテル 、トリメチロールプロパントリグリシジルエ ーテル等が好ましい。

 前記アルデヒド基を有するフェノール化合 としては、o-ヒドロキシベンズアルデヒド が挙げられる。
 また、メチロール基を有するフェノール化 物としては、2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-p- レゾール等が挙げられる。

 前記ポジ型感光性樹脂組成物が、前記架 剤を含有する場合、その含有割合は、前記 ルカリ可溶性樹脂[A]を100質量部としたとき 、好ましくは1~100質量部、より好ましくは10 ~75質量部、更に好ましくは10~50質量部である この範囲にあると、アルカリ溶解性に優れ とともに、得られる硬化膜の機械的物性、 熱性及び電気絶縁性に優れる。

 前記金属酸化物粒子としては、アルミナ チタニア、ジルコニア、セリア、酸化亜鉛 酸化銅、酸化鉛、酸化イットリウム、酸化 、酸化インジウム、酸化マグネシウム等が げられる。

 前記金属酸化物粒子の表面は、前記アルカ 可溶性樹脂[A]との親和性や相溶性を高める のために、官能基等により修飾されていて よい。
 また、前記金属酸化物粒子の形状は、特に 定されず、球状、楕円形状、偏平状、ロッ 状、繊維状等とすることができる。

 前記金属酸化物粒子の平均粒径は、1~500nmで あり、好ましくは5~200nm、より好ましくは10~10 0nmである。前記金属酸化物粒子の平均粒径が 前記範囲にあると、放射線に対する透明性、 アルカリ溶解性等に優れる。
 前記金属酸化物粒子は、1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる
 前記金属酸化物粒子としては、チクソトロ ー性の制御をし易いものが好ましい。

 前記ポジ型感光性樹脂組成物が、前記金属 化物粒子を含有する場合、その含有割合は 前記アルカリ可溶性樹脂[A]を100質量部とし ときに、好ましくは10~200質量部、より好ま くは50~200質量部、更に好ましくは70~150質量 である。前記金属酸化物粒子の含有割合が 記範囲にあると、好適なチクソトロピー性 有し、有底孔部の内壁面に均一な被膜を形 することができる。
 尚、前記ポジ型感光性樹脂組成物は、炭酸 ルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;硫 酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;リ 酸カルシウム、リン酸マグネシウム等のリ 酸塩;炭化物;窒化物等からなる他の無機粒子 を含有してもよい。

 前記架橋重合体粒子としては、重合性不飽 結合を2個以上有する架橋性化合物(以下、 架橋性単量体」という。)を含む単量体の単 重合体又は共重合体を用いることができる
 前記架橋性単量体としては、ジビニルベン ン、ジアリルフタレート、エチレングリコ ルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエ スリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリ チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー 等が挙げられる。これらは、1種単独である いは2種以上を組み合わせて用いることがで る。また、前記のうち、ジビニルベンゼン 好ましい。

 前記架橋重合体粒子が共重合体である場 、前記架橋性単量体と重合させる他の単量 としては、特に限定されないが、ヒドロキ ル基、カルボキシル基、ニトリル基、アミ 基、アミノ基、エポキシ基等の1種以上の官 能基を有する不飽和化合物;ウレタン(メタ)ア クリレート;芳香族ビニル化合物;(メタ)アク ル酸エステル;ジエン化合物等を用いること できる。これらは、1種単独であるいは2種 上を組み合わせて用いることができる。

 前記架橋重合体粒子としては、前記架橋 単量体と、ヒドロキシル基を有する不飽和 合物及び/又はカルボキシル基を有する不飽 和化合物とからなる共重合体(d1)、並びに、 記架橋性単量体と、ヒドロキシル基を有す 不飽和化合物及び/又はカルボキシル基を有 る不飽和化合物と、他の単量体からなる共 合体(d2)が好ましく、特に、共重合体(d2)が ましい。

 ヒドロキシル基を有する不飽和化合物とし は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒ ドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げ れる。
 カルボキシル基を有する不飽和化合物とし は、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、コハ 酸-β-(メタ)アクリロキシエチル、マレイン -β-(メタ)アクリロキシエチル、フタル酸-β-( メタ)アクリロキシエチル、ヘキサヒドロフ ル酸-β-(メタ)アクリロキシエチル等が挙げ れる。

 前記共重合体(d2)の形成に用いられる他の単 量体のうち、ニトリル基を有する不飽和化合 物としては、(メタ)アクリロニトリル、α-ク ロアクリロニトリル、α-クロロメチルアク ロニトリル、α-メトキシアクリロニトリル α-エトキシアクリロニトリル、クロトン酸 トリル、ケイ皮酸ニトリル、イタコン酸ジ トリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸 ニトリル等が挙げられる。
 アミド基を有する不飽和化合物としては、( メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリ ルアミド、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリル アミド、N,N’-エチレンビス(メタ)アクリルア ミド、N,N’-ヘキサメチレンビス(メタ)アクリ ルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリ アミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリ ルアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)(メタ )アクリルアミド、クロトン酸アミド、ケイ 酸アミド等が挙げられる。
 アミノ基を有する不飽和化合物としては、 メチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチ アミノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 エポキシ基を有する不飽和化合物としては グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリ ルグリシジルエーテル、ビスフェノールAの グリシジルエーテル、グリコールのジグリ ジルエーテル等と(メタ)アクリル酸、ヒドロ キシアルキル(メタ)アクリレート等との反応 よって得られるエポキシ(メタ)アクリレー 等が挙げられる。

 ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ヒ ロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリイ ソシアナートとの反応によって得られる化合 物等が挙げられる。
 芳香族ビニル化合物としては、スチレン、 -メチルスチレン、o-メトキシスチレン、p-ヒ ドロキシスチレン、p-イソプロペニルフェノ ル等が挙げられる。
 (メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ) アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル (メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル 酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ )アクリル酸ラウリル、ポリエチレングリコ ル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ コール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 また、ジエン化合物としては、ブタジエン イソプレン、ジメチルブタジエン、クロロ レン、1,3-ペンタジエン等が挙げられる。

 前記架橋重合体粒子が、共重合体(d2)から なる場合、架橋性単量体からなる単位量(d21) ヒドロキシル基を有する不飽和化合物から る単位及び/又はカルボキシル基を有する不 飽和化合物からなる単位の合計量(d22)、並び 、他の単量体からなる単位量(d23)は、共重 体(d2)を構成する単位量の合計、即ち、(d21) (d22)及び(d23)の和を100mol%とした場合に、それ ぞれ、好ましくは0.1~10mol%、5~50mol%及び40~94.9mo l%、より好ましくは0.5~7mol%、6~45mol%及び48~93.5m ol%、更に好ましくは1~5mol%、7~40mol%及び55~92mol% である。各単位量の割合が前記範囲にある場 合、形状安定性、及び、アルカリ可溶性樹脂 との相溶性に優れた架橋重合体粒子とするこ とができる。

 また、前記架橋重合体粒子は、ゴムでも 脂でもよく、そのガラス転移温度(Tg)は、特 に限定されない。好ましいTgは20℃以下、よ 好ましくは10℃以下、更に好ましくは0℃以 である。尚、下限は、通常、-70℃以上であ 。

 前記架橋重合体粒子は、粒子状であり、 の平均粒径は、好ましくは30~100nm、より好 しくは40~90nm、更に好ましくは50~80nmである。 前記架橋重合体粒子の平均粒径が前記範囲に あると、アルカリ可溶性樹脂との相溶性、ア ルカリ溶解性等に優れる。尚、前記平均粒径 とは、光散乱流動分布測定装置「LPA-3000」(大 塚電子社製)を用い、架橋重合体粒子の分散 を常法に従って希釈して測定した値である

 前記ポジ型感光性樹脂組成物が、前記架 重合体粒子を含有する場合、その含有割合 、前記アルカリ可溶性樹脂[A]を100質量部と たときに、好ましくは1~100質量部、より好 しくは5~80質量部、更に好ましくは5~50質量部 である。前記架橋重合体粒子の含有割合が前 記範囲にあると、得られる硬化膜の耐熱衝撃 性等に優れる。

 また、前記低分子フェノール性化合物と ては、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン 、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、 リス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス (4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、 リス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,3-ビス [1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]ベ ゼン、1,4-ビス[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1- チルエチル]ベンゼン、4,6-ビス[1-(4-ヒドロキ シフェニル)-1-メチルエチル]-1,3-ジヒドロキ ベンゼン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1- [4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル 〕フェニル]エタン、1,1,2,2-テトラ(4-ヒドロキ シフェニル)エタン等が挙げられる。これら 、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて 用いることができる。

 前記ポジ型感光性樹脂組成物が、前記低 子フェノール性化合物を含有する場合、そ 含有割合は、前記アルカリ可溶性樹脂[A]を1 00質量部としたときに、好ましくは1~20質量部 、より好ましくは2~15質量部、更に好ましく 3~10質量部である。前記低分子フェノール性 合物の含有割合が前記範囲にあると、得ら る硬化物の耐熱性を損なうことなく、アル リ性を向上させることができる。

 また、本発明においては、前記ポジ型感 性樹脂組成物は、前記アルカリ可溶性樹脂 、前記シリカと、前記溶剤と、を含有する のとすることができる。また、前記キノン アジド基を有する化合物を更に含有するも とすることができる。更に、後段の架橋剤 更に含有するものとすることができる。ま 、前記架橋重合体からなる粒子を含有する のとすることができる。

 前記樹脂組成物塗布工程に用いる樹脂組 物が、前記ポジ型感光性樹脂組成物である 合、その固形分濃度は、好ましくは、5~80質 量%、より好ましくは10~60質量%、更に好まし は25~60質量%である。

 前記樹脂組成物が、非感光性樹脂組成物で る場合、アルカリ可溶性樹脂及び架橋剤を 有する硬化性樹脂組成物であることが好ま い。
 前記アルカリ可溶性樹脂としては、フェノ ル性水酸基を有する樹脂、カルボキシル基 有する樹脂、フェノール性水酸基及びアル ール性水酸基を有する樹脂、並びに、カル キシル基及びアルコール性水酸基を有する 脂を用いることが好ましい。これらは、単 で用いてよいし、組み合わせて用いてもよ 。尚、前記ポジ型感光性樹脂組成物の構成 分として例示した樹脂をそのまま用いるこ もできる。

 また、前記架橋剤としては、分子中に少な とも2つ以上のアルキルエーテル化されたア ミノ基を有する化合物、並びに、エポキシ基 含有化合物を用いることが好ましい。これら は、単独で用いてよいし、組み合わせて用い てもよい。尚、前記ポジ型感光性樹脂組成物 の構成成分として例示した架橋剤をそのまま 用いることもできる。
 前記架橋剤として、分子中に少なくとも2つ 以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を 有する化合物を用いる場合、非感光性樹脂組 成物中の含有割合は、前記アルカリ可溶性樹 脂を100質量部としたときに、好ましくは1~100 量部、より好ましくは5~50質量部である。前 記化合物の含有割合が前記範囲にあると、得 られる硬化膜の機械的物性、耐熱性及び電気 絶縁性に優れる。
 また、前記架橋剤として、エポキシ基含有 合物を用いる場合、非感光性樹脂組成物中 含有割合は、前記アルカリ可溶性樹脂を100 量部としたときに、好ましくは1~70質量部、 より好ましくは3~30質量部である。前記エポ シ基含有化合物の含有割合が前記範囲にあ と、得られる硬化膜の機械的物性、耐熱性 び電気絶縁性に優れる。

 前記非感光性樹脂組成物は、更に、金属 化物粒子、架橋重合体粒子、低分子フェノ ル性化合物等を含有したものとすることが き、これらは、前記ポジ型感光性樹脂組成 の構成成分として例示したものをそのまま いることができる。

 前記樹脂組成物塗布工程に用いる樹脂組 物が、前記非感光性樹脂組成物である場合 その固形分濃度は、好ましくは5~80質量%、 り好ましくは10~60質量%である。

 前記樹脂組成物塗布工程において、特定の 性を有する樹脂組成物を、前記基板に塗布 る方法は、該樹脂組成物が前記孔部内の溶 と接触するように塗工される方法であれば 特に限定されず、スピンコート法、スプレ 法、バーコート法等が挙げられる。これら うち、スピンコート法が好ましい。
 尚、前記樹脂組成物塗布工程においては、 脂組成物の固形分濃度、粘度等が考慮され 、後に進められる乾燥工程により、前記基 の表面に形成される被膜の厚さが0.1~10μmの 囲に入るように、塗膜を形成することが好 しい。

 前記樹脂組成物塗布工程において、樹脂 成物が塗布されると、基板51の表面には、 一な塗膜515が形成され、孔部内においては 前記溶剤塗布工程において充填された溶剤 、樹脂組成物とからなる混合物516が収容さ ることとなる(図8(c)参照)。

 次に、前記乾燥工程は、前記樹脂組成物塗 工程により形成された塗膜を乾燥する工程 即ち、塗膜に含まれる溶剤のみを除去する 程である。
 乾燥温度は、前記溶剤塗布工程において充 された溶剤の沸点、又は、前記溶剤塗布工 において充填された溶剤と、樹脂組成物と らなる混合物516に含まれる混合溶剤の沸点 考慮して選択される。
 また、乾燥条件は、特に限定されないが、 定温度で行ってよいし、昇温又は降温しな ら行ってよいし、これらを組み合わせても い。また、圧力についても、大気圧下で行 てよいし、真空下で行ってもよい。更に、 囲気ガス等も特に限定されない。

 前記乾燥工程によれば、溶剤が除去され 、少なくとも孔部の内壁面を含む基板表面 は、樹脂組成物の固形分からなる均一な被 が形成される(図8(d)参照)。図8(d)に示される 被膜付き基板5は、孔部を有する基板51と、孔 部以外の基板51の全表面に形成されている被 519と、孔部の内壁面に形成されている被膜5 17と、孔部の底面に形成されている被膜518と 備える。これらの被膜は、通常、連続相を 成しているが、被膜517及び518のみが連続相 形成する場合がある。また、各被膜の厚さ ついて、被膜519の厚さと、孔部の内壁面の 膜517の厚さと、孔部の底面の被膜518の厚さ 、通常、異なるが、樹脂組成物の種類、固 分濃度、粘度等によっては、孔部の内壁面 被膜517の厚さ、及び、孔部の底面の被膜518 厚さが、同一又はほぼ同一となることがあ 。

5.絶縁膜を有する構造体及びその製造方法
 本発明の絶縁膜を有する構造体の製造方法( 以下、「構造体の製造方法(I)」という。)は 図8(d)及び図9(a)に示される、前記本発明の被 膜形成方法(II)により得られた被膜付き基板5 用い、前記基板51の表面に形成されている 膜519及び前記基板51の前記孔部の底面に形成 されている被膜518を除去し、前記孔部の内壁 面に形成されている被膜517を残存させる表底 面側被膜除去工程と、前記孔部の内壁面に残 存している被膜517を加熱する加熱硬化工程と 、を備えることを特徴とする。

 本発明の構造体の製造方法(I)においては、 記被膜517~519が、ポジ型感光性樹脂組成物か らなることが好ましく、この場合について、 図9を用いて説明する。
 前記表底面側被膜除去工程は、前記基板の 面に形成されている被膜519及び前記基板の 記孔部の底面に形成されている被膜518を除 し、前記孔部の内壁面に形成されている被 517を残存させる工程である。

 まず、図9(a)に示される被膜付き基板5に対 て、上方から、紫外線、可視光線、遠紫外 、X線、電子線等を照射し、前記基板51の表 に形成されている被膜519及び前記基板51の孔 部の底面に形成されている被膜518を露光する 。このとき、前記孔部の内壁面に形成されて いる被膜517には露光しないようにする。
 露光量は、使用する光源、被膜の厚さ等に って、適宜、選択されるが、例えば、厚さ 5~50μm程度の被膜に対して、高圧水銀灯から 紫外線を照射する場合、好ましい露光量は、 1,000~20,000J/m 2 程度である。
 図9(b)に示される被膜露光部528及び529は、ア ルカリ可溶性となるので、アルカリ性溶液を 用いて処理することにより、前記孔部の内壁 面に形成されている被膜517を残存させること ができる。
 前記アルカリ性溶液としては、水酸化ナト ウム、水酸化カリウム、アンモニア、テト メチルアンモニウムヒドロキシド、コリン の水溶液、又は、この水溶液に、メタノー 、エタノール等の水溶性の有機溶剤、界面 性剤等が適量添加された溶液等を用いるこ ができる。
 アルカリ性溶液で処理した後、水洗及び乾 することにより、孔部の内壁面のみに被膜5 17を有する基板を得ることができる(図9(c)参 )。

 加熱硬化工程は、前記孔部の内壁面に残存 ている被膜517を加熱する工程であり、この 程により、被膜517を硬化膜617として、絶縁 を有する構造体6を得ることができる(図9(d) 照)。
 加熱方法は、特に限定されないが、通常、1 00~250℃の範囲の温度で、30分~10時間程度とす ことが好ましい。一定条件で加熱してよい 、多段階で加熱してもよい。加熱装置とし は、オーブン、赤外線炉等を用いることが きる。
 図9(d)に示される絶縁膜を有する構造体6は 孔部を有する基板51と、この基板の孔部の内 壁面に形成された硬化膜617とを備える。

 尚、本発明の構造体の製造方法(I)において 、前記加熱硬化工程の後、前記基板51にお る孔部を有さない面から研磨し、孔部を貫 孔62とする研磨工程を更に備えることができ る(図9(e)参照)。
 研磨方法は、特に限定されないが、化学機 研磨法等を適用することができる。
 図9(e)に示される絶縁膜を有する構造体6’ 、貫通孔62を有する基板51と、この貫通孔62 内壁面に形成された硬化膜617とを備える。

 他の本発明の絶縁膜を有する構造体の製 方法(以下、「構造体の製造方法(II)」とい 。)は、図8(d)及び図10(a)に示される、前記本 明の被膜形成方法(II)により得られた被膜付 き基板5を用い、前記孔部の内壁面及び底面 含む前記基板の全表面に形成されている被 517、518及び519を加熱し、前記樹脂成分の硬 物を含む絶縁膜とする加熱硬化工程と、前 基板の表面に形成されている絶縁膜及び前 基板の前記孔部の底面に形成されている絶 膜を除去し、前記孔部の内壁面に形成され いる絶縁膜を残存させる表底面側絶縁膜除 工程と、を備えることを特徴とする。

 本発明の構造体の製造方法(II)においては、 前記被膜が、非感光性樹脂組成物からなるこ とが好ましく、この場合について、図10を用 て説明する。
 前記加熱硬化工程は、前記孔部の内壁面及 底面を含む前記基板の全表面に形成されて る被膜517、518及び519を加熱し、前記樹脂成 の硬化物を含む絶縁膜とする工程である(図 10(b)参照)。
 加熱方法は、特に限定されないが、本発明 構造体の製造方法(I)における加熱硬化工程 同様とすることができる。
 前記加熱硬化工程により、図10(b)に示され 構造体が得られ、この構造体は、孔部を有 る基板51と、前記基板の表面に形成されてい る絶縁膜619と、前記孔部の内壁面に形成され ている絶縁膜617と、前記孔部の底面に形成さ れている絶縁膜618とを備える。

 次に、前記表底面側絶縁膜除去工程は、前 基板の表面に形成されている絶縁膜619及び 記基板の前記孔部の底面に形成されている 縁膜618を除去し、前記孔部の内壁面に形成 れている絶縁膜617を残存させる工程である
 前記絶縁膜618及び619を選択的に除去する方 としては、異方性エッチング(ドライエッチ ング)等が挙げられる。
 前記表底面側絶縁膜除去工程により、図10(c )に示される絶縁膜を有する構造体6が得られ この構造体6は、孔部を有する基板51と、こ 基板の孔部の内壁面に形成された硬化膜617 を備える。

 尚、本発明の構造体の製造方法(II)において も、前記表底面側絶縁膜除去工程の後、前記 本発明の構造体の製造方法(I)と同様に、前記 基板51における孔部を有さない面から研磨し 孔部を貫通孔62とする研磨工程を更に備え ことができる(図10(d)参照)。
 図10(d)に示される絶縁膜を有する構造体6’ 、貫通孔62を有する基板51と、この貫通孔62 内壁面に形成された硬化膜617とを備える。

6.電子部品
 本発明の電子部品は、前記本発明の構造体 製造方法により得られた、絶縁膜を有する 造体(内壁に絶縁膜が形成された貫通孔を有 する構造体)と、この構造体の少なくとも貫 孔内に導電材料が充填されてなる電極部(導 材料充填部)とを含む部材を備えることを特 徴とする。
 本発明の電子部品としては、例えば、図9(e) 及び図10(d)に示される構造体6’と、この構造 体6’の少なくとも貫通孔内の電極部(導電材 充填部)711とを含む部材7(図11(g)参照)を備え ものとすることができる。

 前記部材7について説明する。
 前記部材7を構成する前記電極部711の形成材 料(導電材料)としては、銅、銀、タングステ 、タンタル、チタン、ルテニウム、金、ス 、アルミニウム、及び、これらを含む合金 ら選ばれたもの等が用いられる。
 前記電極部711は、図11(g)のように、その表 部が、基板51の平滑表面より突き出した凸状 であってよいし、基板51と面一となっていて よい。また、前記電極部711の表面は、平滑 であってよいし、粗面であってもよい。

 図11(g)に示される部材7の製造方法の一例を 図11を用いて説明する。
 まず、図9(d)及び図10(c)に示される絶縁膜を する構造体6を準備する(図11(a)参照)。この 造体6の孔部を有する側の表面に対して、Cu パッタ等を行い、孔部の内表面を含む全て 構造体6表面に、厚さ10~200nmの銅膜(シード層) 63a及び63bを形成する(図11(b)参照)。その後、 部の内表面以外の銅膜63a表面に、印刷等に り、絶縁性レジスト被膜64を形成する(図11(c) 参照)。次いで、硫酸銅水溶液等を用いて孔 へのCuの充填メッキを行う(図11(d)参照)。そ 後、所定の剥離液等を用いて、絶縁性レジ ト被膜64を剥離する(図11(e)参照)。次いで、 硫酸、希塩酸等を用いたエッチングにより 基板51の表面に形成されている銅膜63aを除去 する(図11(f)参照)。そして、基板51の裏面から 、孔部に充填された金属銅が露出するまで研 磨し、図11(g)に示される、金属銅充填部711か なる貫通電極を備える部材7を得る。

 前記貫通電極を備える部材は、図12に示さ る部材7’とすることもできる。この部材7’ は、表裏に貫通し、且つ、内壁面に絶縁膜617 が形成されてなる貫通孔に、導電材料が充填 された導電材料充填部711を有する基板51と、 の導電材料充填部711の下側露出面(図面の下 方側露出面)を少なくとも被覆する電極パッ 713とを備える。
 図12の部材7’は、図11(g)に示される部材7の 電材料充填部711の下方側露出面(図11(g)の下 )に、電極パッドを形成する電極パッド形成 工程を備える方法により製造することができ る。この電極パッド形成工程の具体的な方法 としては、メッキ、導電ペーストの塗布等が 挙げられる。他の製造方法については、後述 する。

 また、図13に示される部材7"は、図11(g)に示 れる部材7、又は、図12に示される部材7’を 用いてなる例である。
 この部材7"は、金属銅充填部(貫通電極)711a び711bの下側露出面(図面の下方側露出面)に それぞれ、電極パッド713a及び713bを配設した 上側部材71、並びに、金属銅充填部(貫通電極 )721a及び721bの下側露出面(図面の下方側露出 )に、それぞれ、電極パッド723a及び723bを配 した下側部材72を用いて、上側部材71の電極 ッド713aの表面と、下側部材72の金属銅充填 (貫通電極)721aの表面とを接合し、且つ、上 部材71の電極パッド713bの表面と、下側部材7 2の金属銅充填部(貫通電極)721bの表面とを接 してなる複合部材である。上側部材71及び下 側部材72の界面には絶縁層74が配されている( 13参照)。電極パッド713a及び金属銅充填部( 通電極)721a等の接合方法は、特に限定されな いが、例えば、熱圧着(熱を加えながら圧を える)等の方法が挙げられる。

 本発明の電子部品は、図11(g)に示される 材7、図12に示される部材7’、図13に示され 部材7"等が配設されたものとすることができ る。例えば、図14の電子部品8は、図13に示さ る部材7"の電極パッド723a及び723bと、インタ ーポーザー81とが、このインターポーザー81 表面に配設された2つのバンプ82を介して導 接続されてなり、更に、インターポーザー81 の下方側に他部材等と導通接続するためのバ ンプ83が配設されてなるものである。

 本発明の電子部品は、前記部材7、7’及 7"等を含む複合体であり、例えば、他の基板 、層間絶縁膜、他の電極等他の部材を備える 複合体(回路基板、半導体デバイス、センサ )とすることができる。

 尚、図12に示される部材7’は、予め、導電 層713が形成されており、孔部の底面が導電 層713である複合基板を用いて、図9(a)~(c)の 程、又は、図10(a)~(c)の工程により得られる 材6’(図9(d)又は図10(d))の貫通孔の開口部下 (図9(e)の下側又は図10(d)の下側)に導電材層713 を有する孔部に、図11(b)~(f)の工程により導電 材料を充填する工程を備える方法により製造 することができる。
 更に、図15(a)に示される凹部を有する積層 板9を用い、本発明の被膜形成方法(II)、及び 、絶縁膜を有する構造体の製造方法を適用し て製造することもできる。
 図15(a)に示される積層基板9は、シリコン、 種金属、各種金属スパッタ膜、アルミナ、 ラスエポキシ、紙フェノール、ガラス等か なり、一面から他面に、柱状(図7(a)参照)、 テーパー状(図7(b)参照)、逆テーパー状(図7(c )参照)等の貫通孔を有する基板91と、前記貫 孔を塞ぐように基板91の一面側に配設された 導電材層93とを備える。この積層基板9は、導 電材層93により、貫通孔の一方が塞がれて、 部を有している。尚、この積層基板9は、貫 通孔を有さない平板状基板と、導電材層とか らなる積層体の、該平板状基板の表面から、 導電材層を貫通させないように切削加工して 得られたものとすることもできる。
 従って、前記基板91の厚さが、好ましくは10 ~200μm、より好ましくは30~120μm、更に好まし は50~100μmであり、凹部の開口部の面積、横 面形状等を、前記本発明の被膜形成方法(II) おける説明と同様とし、前記本発明の被膜 成方法(II)、及び、絶縁膜を有する構造体の 製造方法を適用することにより、図15(e)に示 れる部材7’、即ち、図12に示される部材7’ を製造することができる。

 図15(e)に示される部材7’の製造方法を簡単 説明する。まず、積層基板9を構成する基板 91の表面に、溶剤を塗布し(溶剤塗布工程)、 の後、前記のように特定のチクソトロピー を有する樹脂組成物を塗布する(樹脂組成物 布工程)ことにより、塗膜を形成する。次い で、基板91の表面における樹脂組成物からな 塗膜、及び、凹部内の混合物を乾燥して、 剤を除去し、基板91の表面、凹部の内壁面 及び、導電材層93の凹部側表面に、被膜(そ ぞれ、921,922及び923)を形成し、被膜付き基板 100を得る(図15(b)参照)。
 その後、樹脂組成物の種類に応じ、前記本 明の絶縁膜を有する構造体の製造方法を適 して、凹部の内壁面に絶縁膜925を有する積 構造体200を得る(図15(c)参照)。

 次いで、凹部を貫通させないように、導電 層93の一部をエッチング等により除去して 極パッド935を形成し(図15(d)参照)、凹部に、 、銀、タングステン、タンタル、チタン、 テニウム、金、スズ、アルミニウム、及び これらを含む合金から選ばれた導電材料を 填することにより、図15(e)に示される、表 に貫通し、且つ、内壁面に絶縁膜925が形成 れてなる貫通孔に、導電材料が充填された 電材料充填部96を有する基板91と、この導電 料充填部96の下方側露出面(図15(e)の下側)を なくとも被覆する電極パッド935とを備える 材7’を得ることができる。
 従って、図15(a)に示される積層基板9を用い 得られた部材7’を用いて本発明の電子部品 を構成させることもできる。

 以下、実施例を挙げて、本発明を更に具 的に説明する。但し、本発明は、これらの 施例に何ら制約されるものではない。

[1]ポジ型感光性樹脂組成物の調製
(実施例1)
 表1に示すとおり、(A)アルカリ可溶性樹脂(A- 1)100質量部、(B)キノンジアジド化合物(B-1)25質 量部、(C)シリカ(C-1)100質量部及び(F)界面活性 (F-1)0.1質量部を、固形分濃度が47質量%とな ように、(D)溶剤(D-1)255質量部に溶解すること により感光性樹脂組成物を調製した。

(実施例2~8及び比較例1~5)
 実施例1と同様にして、表1に示すとおり、(A )アルカリ可溶性樹脂、(a)低分子フェノール 化合物、(B)キノンジアジド化合物、(C)シリ 、(E)密着助剤及び(F)界面活性剤を、固形分 度が47質量%となるように、(D)溶剤に溶解す ことにより各感光性樹脂組成物を調製した

 尚、表1に記載の組成は、以下のとおりであ る。
<(A)アルカリ可溶性樹脂>
 A-1:m-クレゾール/p-クレゾール=60/40(モル比) らなるクレゾールノボラック樹脂、ポリス レン換算重量平均分子量(Mw)=6500
 A-2:ポリヒドロキシスチレン(丸善石油化学 、商品名「マルカリンカー S-2P」)、Mw=5000
 A-3:フェノール-キシリレングリコール縮合 脂(三井化学製、商品名「ミレックス XLC-3L 、Mw=1500
<(a)低分子フェノール性化合物>
 a-1:1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-[4-{1-(4- ドロキシフェニル)-1-メチルエチル}フェニ ]エタン

<(B)キノンジアジド化合物>
 B-1:1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-[4-{1-(4- ドロキシフェニル)-1-メチルエチル}フェニ ]エタンと、1,2-ナフトキノンジアジド-5-スル ホン酸との2.0モル縮合物
<(C)シリカ>
 C-1:商品名「クォートロンPL-2L」(扶桑化学工 業製、疎水化処理物(疎水化率:50%)、平均粒子 径:20nm、ナトリウム含有量:0.02ppm)
 C-2:商品名「PMA-ST」(日産化学工業製、疎水 処理物(疎水化率:60%)、平均粒子径:20nm、ナト リウム含有量:600ppm)
 C-3:商品名「クォートロンPL-30」(扶桑化学工 業製、疎水化処理物(疎水化率:40%)、平均粒子 径:300nm、ナトリウム含有量:0.02ppm)

<(D)溶剤>
 D-1:プロピレングリコールモノメチルエーテ ルアセテート
<(E)密着助剤>
 E-1:γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシ ラン(日本ユニカー製、商品名「A-187」)
<(F)界面活性剤(レベリング剤)>
 F-1:商品名「FTX-218」(ネオス製)

 尚、前記(C)シリカにおける各疎水化率は、 記のようにして測定した値である。
<疎水化率>
 まず、シリカの10%水分散液150mLに塩化ナト ウム30gを溶解させ、pH4になるように1N塩酸で 調整した。次いで、0.1N水酸化ナトリウム水 液をpH9になるまで滴下した。そして、シリ 表面のシラノール基数を下式により求めた
 A=(a×0.1×N)/(W×S)
 [但し、Aはシラノール基数(個/nm 2 )、aは0.1N水酸化ナトリウム水溶液の滴下量(L) 、Nはアボガドロ数(個/mol)、Wはシリカ重量(g) SはシリカのBET面積(nm 2 /g)である。
 このようにして、疎水化前及び疎水化後の リカのシラノール基数をそれぞれ求め、下 によりシリカの疎水化率を計算した。
 疎水化率(%)=(疎水化後のシラノール基数/疎 化前のシラノール基数)×100

[2]ポジ型感光性樹脂組成物の評価
 前記実施例1~8及び比較例1~5の各感光性樹脂 成物を、下記の方法に従って評価した。そ 結果を表2に示す。
(1)被膜形成性
 表面に、開口部形状が正方形(80μm×80μm)、 さが100μm、及び、底面形状が正方形(60μm×60 m)である順テーパー状の孔部〔図1(b)参照〕 有する、直径150mm及び厚さ500μmの段差Si基板 に、溶剤としてプロピレングリコールモノ チルアセテートをスピンコート(1000rpm、3秒 )し、孔部にこの溶剤を充填した〔図2(b)参 〕。
 その後、感光性樹脂組成物をスピンコート( 1段階目;300rpm、10秒間、2段階目;600rpm、20秒間) し、孔部内の溶剤表面を含む段差Si基板の表 に塗膜を形成した。
 次いで、塗膜付きSi基板を、温度110℃のホ トプレート上に5分間静置し、溶剤を揮発さ て、Si基板の表面並びに孔部の内壁面及び 面に被膜を形成させ、被膜付きSi基板を得た 〔図2(d)参照〕。
 そして、電子顕微鏡により孔部の断面形状 観察し、以下の基準で被膜形成性を評価し 。
 ○;被膜により表面開口部の肩が完全に被覆 されており、孔部における内壁面及び底面の 被膜の膜厚が略一定となっている場合(図4参 )
 △;被膜により表面開口部の肩が完全に被覆 されているが、孔部における内壁面及び底面 における膜厚が略一定になっていない場合( 5参照)
 ×;被膜により表面開口部の肩が完全に被覆 れていない場合、又は孔部を完全に埋めつ している場合(図6参照)

(2)ナトリウム含有量
 感光性樹脂組成物をプロピレングリコール ノメチルエーテルアセテートにより希釈し 原子吸光計(パーキンエルマー製、型番「Z51 00」)を用いてナトリウム含有量を測定した。

(3)解像性
 6インチのシリコンウェハに感光性樹脂組成 物をスピンコートし、ホットプレートを用い て110℃で5分間加熱し、10μm厚の均一な樹脂塗 膜を作製した。その後、アライナー(Suss Micro tec社製、型番「MA-150」)を用い、パターンマ クを介して高圧水銀灯からの紫外線を波長35 0nmにおける露光量が6000J/m 2 となるように露光した。次いで、2.38質量%テ ラメチルアンモニウムハイドロキサイド水 液を用いて、23℃で3分間、浸漬現像した。 して、得られたパターンの最小寸法を解像 とした。

(4)エッチング性
 6インチのシリコンウェハに感光性樹脂組成 物をスピンコートし、ホットプレートを用い て110℃で5分間加熱し、10μm厚の均一な樹脂塗 膜を作製した。その後、ドライエッチング装 置(神港精機社製、型番「E1113-C23」)を用い、C F 4 ガス雰囲気中、500W×120秒間の条件でドライエ ッチング処理を行った。そして、その際にお けるドライエッチングにより消失した膜厚を 測定し、以下の基準でエッチング性を評価し た。
 ○;エッチング処理により消失した膜厚が1.5 μm以下の場合
 ×;エッチング処理により消失した膜厚が1.5 mを超える場合

(5)感光性樹脂組成物の物性(粘度測定)
 各樹脂組成物について、レオメーター(型名 「AR2000」、ティ・エイ・インスツルメント社 製)を用い、温度25℃で、剪断速度を1rpmから1, 000rpmまで上げていき、1.5、5、6、50、60及び600 rpmにおける粘度を測定し、剪断速度6rpmにお る粘度V 1 と、剪断速度60rpmにおける粘度V 2 (mPa・s)との比(V 1 /V 2 )、剪断速度1.5rpmにおける粘度V 3 (mPa・s)と、剪断速度600rpmにおける粘度V 4 (mPa・s)との比(V 3 /V 4 )、並びに、剪断速度5rpmにおける粘度V 5 (mPa・s)と、剪断速度50rpmにおける粘度V 6 (mPa・s)との比(V 5 /V 6 )を算出した。
 また、各樹脂組成物における粘度V 1 (mPa・s)の値を表2に併記した。

[3]実施例9
 (1)樹脂組成物の調製及び粘度測定
 フェノール樹脂(商品名「スミライトレジン S-2」、住友ベークライト社製)100質量部、メ ミン架橋剤(商品名「サイメル300」、三井サ テック社製)30質量部、及び、平均粒径10~20nm の疎水化処理されたシリカ粒子(商品名「MEK-S T」、新中村化学社製、ナトリウム含有量:800p pm)100質量部を、乳酸エチル及びメチルエチル ケトンの混合溶媒(混合比60/40)中で分散させ 固形分濃度47質量%の樹脂組成物を得た。
 この樹脂組成物について、レオメーター(型 名「AR2000」、ティ・エイ・インスツルメント 社製)を用い、温度25℃で、剪断速度を1rpmか 1,000rpmまで上げていき、1.5、5、6、50、60及び 600rpmにおける粘度を測定し、剪断速度6rpmに ける粘度V 1 (=900mPa・s)と、剪断速度60rpmにおける粘度V 2 (mPa・s)との比(V 1 /V 2 )、剪断速度1.5rpmにおける粘度V 3 (mPa・s)と、剪断速度600rpmにおける粘度V 4 (mPa・s)との比(V 3 /V 4 )、並びに、剪断速度5rpmにおける粘度V 5 (mPa・s)と、剪断速度50rpmにおける粘度V 6 (mPa・s)との比(V 5 /V 6 )を算出した(表3参照)。

 (2)被膜形成
 表面に、開口部形状が正方形(80μm×80μm)、 さが100μm、及び、底面形状が正方形(60μm×60 m)である順テーパー状の孔部を有する、直径 150mm及び厚さ500μmのシリコン基板(図16参照)上 に、溶剤としてプロピレングリコールモノメ チルアセテートをスピンコート(1,000rpm、3秒 )し、孔部にこの溶剤を充填した(図7(b)参照)
 その後、前記で得られた樹脂組成物を、2段 階スピンコート(1段階目;300rpm、10秒間、2段階 目;600rpm、20秒間)し、孔部内の溶剤表面を含 シリコン基板の表面に塗膜を形成した。
 次に、塗膜付きシリコン基板を、温度110℃ ホットプレート上に3分間静置し、溶剤を揮 発させて、シリコン基板の表面並びに孔部の 内壁面及び底面に被膜を形成させ、被膜付き シリコン基板を得た(図8(d)参照)。図17に、電 顕微鏡による断面写真を示した。被膜の厚 を測定したところ、内壁面では9.0μm、底面 は5.8μmであった(表3参照)。この孔部内表面 おける被膜形成性を目視観察したところ、 一であった。

[4]比較例6
 シリカ粒子の配合量を0質量部とした以外は 、実施例9と同様にして樹脂組成物(固形分濃 47質量%)を調製し、粘度を測定した(V 1 =760mPa・s)。その後、被膜を形成させた(図18参 照)。図18から、樹脂組成物の固形物が孔部を 満たしていることが分かる(表3参照)。

[5]実施例10~18及び比較例7~11
 (1)樹脂組成物の調製(実施例10)
 表4に示すとおり、(A)アルカリ可溶性樹脂(A- 1)100質量部、(B)キノンジアジド化合物(B-1)25質 量部、(C)シリカ(C-1)100質量部、(E)密着助剤(E-1 )2.5質量部、(F)界面活性剤(F-1)0.1質量部、(G)架 橋剤(G-1)20質量部と(G-2)10質量部、及び(H)架橋 合体(H-1)10質量部を、固形分濃度が47質量%と なるように、(D)溶剤(D-1)300質量部に溶解する とにより樹脂組成物を調製した。

 (2)樹脂組成物の調製(実施例11~18及び比較例7 ~11)
 実施例10と同様にして、表4及び表5に示すと おり、(A)アルカリ可溶性樹脂、(a)低分子フェ ノール性化合物、(B)キノンジアジド化合物、 (C)シリカ、(E)密着助剤、(F)界面活性剤、(G)架 橋剤、及び(H)架橋重合体を、固形分濃度が47 量%となるように、(D)溶剤に溶解することに より各樹脂組成物を調製した。

 尚、表4及び表5に記載の組成[(G)及び(F)成 ]は、以下のとおりである。また、(A)~(F)成 については、前述の実施例1~8及び比較例1~5 て用いたものと同様のものを使用した。

<(G)架橋剤>
 G-1:ヘキサメトキシメチルメラミン(商品名; イメル300、三井サイテック社製)
 G-2:フェノールノボラック型エポキシ樹脂( 品名;EP-152、ジャパンエポキシレジン社製)
<(H)架橋重合体からなる粒子>
 H-1:ブタジエン/ヒドロキシブチルメタクリ ート/メタクリル酸/ジビニルベンゼン=60/32/6/ 2(質量%)(平均粒子径:70nm)

[6]樹脂組成物の評価
 前記実施例10~18及び比較例7~11の各樹脂組成 において、(1)被膜形成性、(2)樹脂組成物の 性(粘度測定)、(3)ナトリウム含有量、(4)解 性、(5)電気絶縁性について評価した。その 果を表6に示す。
 尚、前記(1)被膜形成性、(2)樹脂組成物の物 (粘度測定)、(3)ナトリウム含有量、及び(4) 像性については、それぞれ、前述の[2]にお る(1)、(5)、(2)及び(3)と同様の方法により評 を行った。また、参考までに、図19に実施例 11で得られた被膜付きシリコン基板の電子顕 鏡による断面写真を示した。更に、図20に 較例8で得られた被膜付きシリコン基板の電 顕微鏡による断面写真を示した。

 (5)電気絶縁性(体積抵抗率)
 樹脂組成物をスピンコータ(型番「1H-360S」 MIKASA社製)によりSUS基板に塗布した。その後 ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し 、膜厚10μmの均一な薄膜を形成した。次いで 対流式オーブンを用いて170℃で2時間加熱し 、テストピース(絶縁層)を得た。この得られ テストピースをプレッシャークッカー試験 置(タバイエスペック社製)を用いて、温度;1 21℃、湿度;100%、圧力:2.1気圧の条件下で168時 処理した。処理前後の層間の体積抵抗率(ω cm)を測定し、電気絶縁性の指標とした。