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Title:
SHEET-FORM MOLDED ARTICLE AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123050
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for producing a sheet-form molded article having a support (2) and a resin layer which is provided in one of the main face sides of the support (2) and has peaks and valleys on the face opposite to the side of the support (2), comprising the resin layer-forming step, wherein a coating layer containing a radiation-curable resin composition containing a radiation-curable resin is brought into contact with a mold provided with a surface having peaks and valleys in the state where the coating layer is superimposed on the support to thereby transfer the peaks and valleys on the surface of the mold having the peaks and valleys onto the coating layer, and then the radiation-curable resin contained in the coating layer is cured to thereby convert the coating layer into the resin layer, characterized in that the radiation-curable resin in the uncured state contains at least one monomer A selected from the group consisting of a monofunctional vinyl monomer and a monofunctional (meth)acryl monomer and at least one member selected from the group consisting of a polyfunctional (meth)acryl monomer and a polyfunctional (meth)acryl oligomer and the viscosity of the radiation-curable resin composition at 25oC is from 3 to 100 mPa.s.

Inventors:
FURUTANI TAKAHIRO
KUSE SADAMU
Application Number:
PCT/JP2008/054920
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI MAXELL (JP)
FURUTANI TAKAHIRO
KUSE SADAMU
International Classes:
B29C39/18; B05D3/06; B05D7/24; B29C39/26; B29C59/04; G02B1/11; G02B5/02; B29K33/04; B29L11/00
Foreign References:
JPH09174580A1997-07-08
JP2002210758A2002-07-30
JPH0752169A1995-02-28
JPH07117144A1995-05-09
Attorney, Agent or Firm:
IKEUCHI SATO & PARTNER PATENT ATTORNEYS (OAP TOWER8-30, Tenmabashi 1-chome,Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 26, JP)
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Claims:
 支持体と、前記支持体の一方の主面側に配置され、前記支持体側の面の反対面が凹凸形状を有した樹脂層とを備えたシート状成形体の製造方法であって、
 放射線硬化性樹脂を含んだ放射線硬化性樹脂組成物を含む塗料層と支持体とが重なった状態で、前記塗料層を凹凸表面を有する成形型に当接させて前記成形型の前記凹凸面の凹凸形状を前記塗料層に転写した後、前記塗料層に含まれる前記放射線硬化性樹脂を硬化させることにより、前記塗料層を前記樹脂層とする樹脂層形成工程を含み、
 未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂は、単官能ビニルモノマーまたは単官能アクリルモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーAと、多官能(メタ)アクリルモノマーおよび多官能(メタ)アクリルオリゴマーとからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含み、
 25℃における前記放射線硬化性樹脂組成物の粘度が、3~100mPa・sであることを特徴とするシート状成形体の製造方法。
 前記モノマーAは、ビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォロリン、およびテトラヒドロフルフリルアクリレートから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載のシート状成形体の製造方法。
 前記多官能(メタ)アクリルモノマーおよび多官能(メタ)アクリルオリゴマーとからなる群から選ばれる少なくとも1種として、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびアクリルオリゴマーから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載のシート状成形体の製造方法。
 前記樹脂層が有する、凹凸の平均一周期長(D)は0.01μm~50μmであり、
 前記凸部の平均高さ(H)は0.01μm~50μmであり、
 前記平均一周期長(D)と前記平均高さ(H)との比(D/H)は、0.01~100
である請求項1に記載のシート状成形体の製造方法。
 前記成形型は、エンボスロールである請求項1~4のいずれかの項に記載のシート状成形体の製造方法。
 支持体と、前記支持体の一方の主面側に配置され、前記支持体側の面の反対面が凹凸形状を有した樹脂層とを備えたシート状成形体であって、
 前記樹脂層は、放射線硬化性樹脂を含んだ放射線硬化性樹脂組成物を含む塗料層と支持体とが重なった状態で、前記塗料層を凹凸表面を有する成形型に当接させて前記成形型の前記凹凸面の凹凸形状を前記塗料層に転写した後、前記塗料層に含まれる前記放射線硬化性樹脂を硬化することにより得られ、
 未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂は、単官能ビニルモノマーまたは単官能(メタ)アクリルモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーAと、多官能(メタ)アクリルモノマーおよび多官能(メタ)アクリルオリゴマーとからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含み、
 25℃における前記放射線硬化性樹脂組成物の粘度が、3~100mPa・sであることを特徴とするシート状成形体。
 前記モノマーAは、ビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォロリン、およびテトラヒドロフルフリルアクリレートから選ばれる少なくとも1種を含む請求項6に記載のシート状成形体。
 前記多官能(メタ)アクリルモノマーおよび多官能(メタ)アクリルオリゴマーとからなる群から選ばれる少なくとも1種として、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびアクリルオリゴマーから選ばれる少なくとも1種を含む請求項6に記載のシート状成形体。
 前記樹脂層が有する、凹凸の平均一周期長(D)は0.01μm~50μmであり、
 前記凸部の平均高さ(H)は0.01μm~50μmであり、
 前記平均一周期長(D)と前記平均高さ(H)との比(D/H)は、0.01~100
である請求項6に記載のシート状成形体。
 前記成形型は、エンボスロールである請求項6~9のいずれかの項に記載のシート状成形体。
Description:
シート状成形体およびその製造 法

 本発明は、少なくとも一方の主面に微細 凹凸を有したシート状成形体およびその製 方法に関する。

 少なくとも一方の主面に微細な凹凸を有 た成形体は、反射防止フィルム、拡散シー 、輝度向上シート等の光学フィルム、導光 、回折格子、パターンドメディア、光記録 体、光学素子、ホログラム、マイクロ流路 建材、装飾品及び研磨テープ等の分野で幅 く用いられている。反射防止フィルム、拡 シート等に代表されるような光学フィルム 分野では、凹凸形状のさらなる微細化への 請があり、成形精度等に関する信頼性の要 が厳しくなっている。

 光が入射する側の主面に微細な凹凸を有 た反射防止膜(Anti-glare film)では、凹凸表面 の光の散乱を利用して、光の映り込みをよ 抑制している。なお、反射防止膜は、例え 、液晶表示板やCRT等の表示部に貼り付けら て用いられることにより、表示部への外光 周辺物の写り込みを抑制している。反射防 膜は、通常、相対的に屈折率が低い材料か なる低屈折率層と、低屈折率層よりも屈折 が高い高屈折率層と、透光性基材とを含み これらが光の入射側からこの順に積層され 構造をしている。高屈折率層は、ハードコ ト層と呼ばれる場合もある。

 光が入射する側の主面に微細な凹凸を有 た反射防止膜は、光の映り込みをより抑制 きる反面、その全体がすりガラスのように く見えるため、表示部に表示される画像の やかさを低下させる欠点を有する。しかし 凹凸形状のピッチを可視光波長以下のサブ クロンオーダーにすることにより、優れた 射防止機能が得られるという報告があり(非 特許文献1等参照)、凹凸形状のさらなる微細 により、反射防止能をさらに向上させる取 組みが行われている。

 微細な凹凸形状を有する表面を形成する 法は種々あるが、表面に凹凸形状を有する 型を用いる方法が簡便で経済的である。こ 方法として、下記のようなエンボスロール 用い、連続的に凹凸表面を有したシート状 形体を製造する方法が提案されている。

 シート状成形体の製造方法の一例では、 ート状の透明基材上に活性エネルギー線硬 型樹脂組成物を含む塗料を供給する。次い 、これらを凹凸表面を有するエンボスロー と支持ロールとの間に搬送し、上記基材上 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をエン スロールに押し当てる。この状態の活性エ ルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギ 線を照射し、活性エネルギー線硬化型樹脂 硬化させる(例えば、特許文献1)。

 シート状成形体の製造方法の他の一例で 、凹凸表面を有するエンボスロールの上記 凸表面上に活性エネルギー線硬化型樹脂組 物を含む塗料を塗布する。次いで、シート の基材をエンボスロールに塗布された活性 ネルギー線硬化型樹脂組成物に重ねた状態 、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活 エネルギー線を照射し、活性エネルギー線 化型樹脂組成物を硬化させる(例えば、特許 文献2参照)。

 特許文献1および2には、塗布作業性の観 から比較的低粘度の塗料を用いることが好 しいと記載されており、粘度の調整方法と て、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を えば、エチルアルコールなどの溶剤を用い 希釈することが開示されている。

 上記活性エネルギー線硬化型樹脂には、 レタンアクリレートオリゴマーとジペンタ リスリトールヘキサアクリレートとからな 比較的高粘度の樹脂が用いられることもあ (例えば、特許文献3参照)。また、上記活性 ネルギー線硬化型樹脂には、粘度400mPa・sの アクリル樹脂や、粘度100~5000mPa・sのエポキシ 樹脂等の紫外線硬化樹脂が用いられることも ある(例えば、特許文献4)。また、凹凸表面を 有する艶消し化粧版の製造過程では、活性エ ネルギー線硬化型樹脂の一例である電子線硬 化型樹脂として、粘度300mPa・sのアクリル樹 が用いられることがある(例えば、特許文献5 )。

 特許文献3には、塗料の粘度が低いと、塗 膜の厚みの制御が困難であるうえ支持フィル ム上で流動するため好ましくないと記載され ている。特許文献4、5には、具体的に、好ま い樹脂の粘度範囲が開示されているが、い れも高粘度である。

 微細な凹凸形状は光ディスクにも利用され いる。光ディスクは、サブミクロンオーダ の凹凸形状のトラック溝を有している。光 ィスクでは、このトラック溝に微小な光ス ットからなるピット列を形成することによ 情報が記録される。記録密度の向上のため 、光スポットのさらなる微小化と共にトラ ク溝のさらなる微細化が望まれている。な 、上記トラック溝を有する基板は、金型を いた射出成形法等により作製される。
P.B.Clapham and M .C.Hutley著、ネイチャー( ンドン)244,282-282(1973)

特許3016638号公報

特許3490099号公報

特許2610463号公報

特開2002-225133号公報

特開平11-115140号公報

 しかし、特許文献1~5に記載の製造方法で 、微細な凹凸形状の成形精度が不十分であ た。

 本発明では、成形精度が良い微細な凹凸 状を有したシート状成形体を提供する。

 本発明のシート状成形体の製造方法は、 持体と、前記支持体の一方の主面側に配置 れ、前記支持体側の面の反対面が凹凸形状 有した樹脂層とを備えたシート状成形体の 造方法であって、放射線硬化性樹脂を含ん 放射線硬化性樹脂組成物を含む塗料層と支 体とが重なった状態で、前記塗料層を凹凸 面を有する成形型に当接させて前記成形型 前記凹凸面の凹凸形状を前記塗料層に転写 た後、前記塗料層に含まれる前記放射線硬 性樹脂を硬化させることにより、前記塗料 を前記樹脂層とする樹脂層形成工程を含み 未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂は、単 能ビニルモノマーまたは単官能(メタ)アク ルモノマーからなる群から選ばれる少なく も1種のモノマーAと、多官能(メタ)アクリル ノマーおよび多官能(メタ)アクリルオリゴ ーとからなる群から選ばれる少なくとも1種 を含み、25℃における前記放射線硬化性樹 組成物の粘度が、3~100mPa・sであることを特 とする。

 本発明のシート状成形体は、支持体と、 記支持体の一方の主面側に配置され、前記 持体側の面の反対面が凹凸形状を有した樹 層とを備えたシート状成形体であって、前 樹脂層は、放射線硬化性樹脂を含んだ放射 硬化性樹脂組成物を含む塗料層と支持体と 重なった状態で、前記塗料層を凹凸表面を する成形型に当接させて前記成形型の前記 凸面の凹凸形状を前記塗料層に転写した後 前記塗料層に含まれる前記放射線硬化性樹 を硬化することにより得られ、未硬化状態 前記放射線硬化性樹脂は、単官能ビニルモ マーまたは単官能(メタ)アクリルモノマー らなる群から選ばれる少なくとも1種のモノ ーAと、多官能(メタ)アクリルモノマーおよ 多官能(メタ)アクリルオリゴマーとからな 群から選ばれる少なくとも1種とを含み、25 における前記放射線硬化性樹脂組成物の粘 が、3~100mPa・sであることを特徴とする。

図1Aは、本発明のシート状成形体の一 を示した概念図である。 図1Bは、本発明のシート状成形体の他 一例を示した概念図である。 図1Cは、本発明のシート状成形体のさ に別の一例を示した概念図である。 図2は、本発明のシート状成形体の製造 方法の一例を説明する概念図である。 図3は、本発明のシート状成形体の製造 方法の他の例を説明する概念図である。 図4は、本発明のシート状成形体の製造 方法のさらに別の例を説明する概念図である 。

 微細な凹凸形状を有するシート状成形体 得るためには、塗料層に含まれる放射線硬 性樹脂組成物が成形型の隅々にまで入り込 必要がある。また、微細な凹凸形状を形成 るためには、薄い塗料層を形成することが ましい。しかし、特許文献3~5に記載されて るように、高粘度の塗料では、薄い塗料層 形成することは難しい。また、特許文献1~2 記載のとおり、溶媒を用いて放射線硬化性 脂組成物を希釈して塗料の粘度を下げれば 布適性は改善される。しかし、溶媒が乾燥 去された塗料の粘度、すなわち、塗料層に まれる放射線硬化性樹脂組成物の粘度につ ては、考慮が払われておらず、成形加工時 気泡のかみ込みの問題や、成形型の隅々に で放射線硬化性樹脂組成物が行渡らない等 問題については、改善されていない。

 本発明者らは、成形精度のよい、微細な 凸を有するシート状成形体を製造するべく 意検討した結果、放射線硬化性樹脂組成物 の放射線硬化性樹脂の種類を選択し、かつ 成形直前の塗料層に含まれる放射線硬化性 脂組成物の粘度を所定の値にすることによ 、上記問題を解決した。

 本発明によれば、成形精度が良い微細な 凸形状を有したシート状成形体を提供でき 。

 以下に、本発明のシート状成形体の一例 よびその製造方法の一例を図1A~4を用いて説 明する。

 図1Aに示すように、本実施形態のシート 成形体10は、支持体11と、支持体11上に配置 れた樹脂層12とを備える。樹脂層12の支持体1 1側の主面の反対面は凹凸を有している。

 このシート状成形体10の製造方法は樹脂 形成工程を含む。樹脂層形成工程では、放 線硬化性樹脂を含んだ放射線硬化性樹脂組 物を含む塗料層と支持体とが重なった状態 、この塗料層を凹凸表面を有する成形型に 接させて成形型の凹凸面の凹凸形状を塗料 に転写する。次いで、塗料層に含まれる放 線硬化性樹脂を硬化させることにより、塗 層を樹脂層とする。成形型としては、例え 、帯状のシート状成形体を連続製造可能で り、シート状成形体を効率よく製造可能な エンボスローラが好ましい。上記樹脂層形 工程は、例えば、図2~図4に示した例のよう 行える。

 図2に示した例では、帯状の支持体2が送 出しロール1により順次送り出され、次いで 支持体2上に放射線硬化性樹脂組成物を含む 塗料がコータ3から供給され、支持体2の一方 主面に上記塗料が塗布される。塗料に希釈 媒が含まれている場合は、塗料が塗布され 支持体2を乾燥機(図示せず)内に搬送して、 料から希釈溶媒を除去する。

 このようにして、未硬化状態の放射線硬 性樹脂組成物を含む塗料層と支持体とが重 った状態で、塗料層にエンボスロール4の凹 凸面が押し当てられて、エンボスロール4の 凸面の凹凸形状が転写される。この状態で 支持体2越しに塗料層へ紫外線等の放射線が 射線照射装置5により照射され、塗料層に含 まれる放射線硬化性樹脂が硬化されて、塗料 層が樹脂層となる。

 塗料層へのエンボスロール4の押し当ては 、エンボスロール4を挟むように配置された1 の支持ロール6によって行なわれる。放射線 照射装置5の近傍には遮蔽版7が配置されてい ので、放射線が照射されるべきでない箇所 照射されることが抑制されている。

 なお、支持ロール6を用いずに支持体2の 力を利用して、塗料層へエンボスロール4に し当ててもよいが、支持ロール6を用いる方 が、形状が安定するので好ましい。放射線の 照射によって発生する熱が支持体2に対して メージを及ぼす場合には、必要に応じてエ ボスロール4および/または支持ロール6に冷 機能を持たせてもよい。

 図3に示した例では、エンボスロール4の 凸面上に塗料がコータ3から供給され、当該 凸面上に塗料層が形成される。この塗料層 、送り出しロール1により順次送り出された 帯状の支持体2とが重なった状態で、支持ロ ル6によってエンボスロール4の凹凸面を塗料 層に押し当て、塗料層にエンボスロール4の 凸形状を転写する。この状態で、支持体2越 に塗料層へ放射線照射装置5により紫外線等 の放射線を照射し、塗料層に含まれる放射線 硬化性樹脂を硬化して、塗料層を樹脂層とす る。

 図4に示した例では、エンボスロールが放 射線を透過する材料から形成されており、そ の内部に放射線照射装置5が配置されている 本例では、エンボスロール4を介して塗料層 に放射線が照射されるので、支持体2が放射 線を透過しない材料からなる場合でも、塗料 層を硬化できる。

 次ぎに、本実施形態のシート状成形体の 造方法で用いられる、塗料の詳細について 明する。

 塗料層は、放射線硬化樹脂組成物と、必 に応じて希釈溶媒とを含む塗料を塗布した 、乾燥により塗膜から希釈溶媒を除去させ ことによって得られる。なお、放射線硬化 樹脂組成物を希釈する希釈溶剤は、塗料の 布適性をより良好にするために添加される 合があるが、必ずしも必要ではない。

 上記放射線硬化樹脂組成物は、放射線硬 性樹脂以外に、必要に応じて、光開始剤、 感剤、促進剤、重合禁止剤、レべリング剤 離型剤、色材、またはフィラー等を含んで てもよい。また、塗布適性をより良好にす ために、塗料は、必要に応じて放射線硬化 樹脂組成物を希釈する希釈溶剤を含んでい もよい。

 放射線硬化性樹脂は、単官能ビニルモノ ーまたは単官能(メタ)アクリルモノマーか なる群から選ばれる少なくとも1種のモノマ Aと、多官能(メタ)アクリルモノマーおよび 官能(メタ)アクリルオリゴマーとからなる から選ばれる少なくとも1種とを含む。そし 、25℃における放射線硬化性樹脂組成物の 度は、3~100mPa・sである。

 一般的な放射線硬化性樹脂は単官能モノ ーと、多官能モノマーまたは多官能オリゴ ーとからなる。そして、一般的に、放射線 化性樹脂の硬化物の特性を主として支配し いるのは、多官能モノマーまたは多官能オ ゴマーである。単官能モノマーについては 粘度調整用の希釈剤として用いられている よって、放射線硬化性樹脂の粘度を低くす ばするほど、樹脂層について所望の強度、 体的には、JIS K 5600-5-4に基づいて測定され る鉛筆硬度等を確保することが難しくなる。

 本実施形態のシート状成形体の製造方法 は、単官能ビニルモノマーまたは単官能(メ タ)アクリルモノマーからなる群から選ばれ 少なくとも1種のモノマーAと、多官能(メタ) クリルモノマーおよび多官能(メタ)アクリ オリゴマーとからなる群から選ばれる少な とも1種とを含む放射線硬化性樹脂を用いて る。また、塗料層に含まれる放射線硬化性 脂組成物の粘度は、3~100mPa・sである。

 このように、放射線硬化性樹脂の選択を 、放射線硬化性樹脂組成物の粘度を所定の にすれば、成形型の隅々にまで放射線硬化 樹脂組成物が入り込むことができ、かつ、 形型への貼付きがなく、スムーズに離型で る。そして、後述する実施例において示さ るように、硬化物(樹脂層)の強度と放射線 化性樹脂の低粘度化とを両立でき、成形精 が良好な、微細な凹凸形状を有する成形体 得ることができる。

 放射線硬化性樹脂組成物を含む塗料の25 における粘度は、3~100mPa・sであることが好 しい。塗料の粘度がこの範囲内にあれば、 えば、厚さが10μm以下の塗料層を形成する場 合であっても、塗料の塗布が良好に行え、か つ、レべリング不良等に起因する塗布スジ、 未塗布部(ボイド)等の発生を抑制できる。同 の理由から、塗料の25℃における粘度は、5~ 50mPa・sであるとより好ましい。また、塗料の 25℃における粘度が、100mPa・s以下であると、 転写速度が速くても塗料中の気泡の抜けがよ く、塗料層へのエンボスロールの凹凸面の転 写性も良いので、成形不良を引き起こし難い 。

 樹脂層の厚さは、微細な凹凸形状を有す 成形体を得るためには、50μm以下であるこ が好ましく、30μm以下であることがより好ま しく、10μm以下であることがさらに好ましい

 塗料層に含まれる放射線硬化性樹脂組成 の粘度を制御する方法としては、モノマーA と、多官能(メタ)アクリルモノマーおよび多 能(メタ)アクリルオリゴマーとからなる群 ら選ばれる少なくとも1種との混合割合を制 する方法が挙げられる。

 次に、放射線硬化性樹脂組成物に含まれ 単官能ビニルモノマーまたは単官能(メタ) クリルモノマーからなる群から選ばれる少 くとも1種のモノマーA、多官能(メタ)アクリ モノマー、および多官能(メタ)アクリルオ ゴマーの具体例について説明する。

 単官能ビニルモノマーとしては、ビニル ロリドン、ビニルホルムアミド等が挙げら る。単官能(メタ)アクリルモノマーとして 、アクリロイルモルフォロリン(Acryloyl morpho line)、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリ ート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート 、ジメチルアクリルアミド、イソボロニル( タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ )アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク リレート、エトキシジエチレングリコール( タ)アクリレート、メトキシ-トリエチレング リコール(メタ)アクリレート、メトキシジプ ピレングリコール(メタ)アクリレート等が げられる。これらのモノマーAは、複素環、 ミド基、水酸基、またはメトキシ基等の官 基を有しているので、これらのモノマーを む塗料層が硬化して得られる樹脂層の支持 への接着性は良い。なかでも、放射線硬化 樹脂組成物の粘度、硬化性、樹脂層の硬度 よび支持体への接着性等を考慮すると、ビ ルピロリドン、ジメチルアクリルアミド、 クリロイルモルフォロリン、およびテトラ ドロフルフリルアクリレートがより好まし 。粘度、硬化性、硬化物の硬度および支持 への接着性の全てに関しバランスよく優れ 、ビニルピロリドン、ジメチルアクリルア ド、アクリロイルモルフォロリンが特に好 しい。

 多官能(メタ)アクリルモノマーとしては 2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロ ルトリ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジ ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、 ンタエリスリトーツテトラ(メタ)アクリレー トあるいはジペンタエリスリトールヘキサ( タ)アクリレート等が挙げられる。

 多官能(メタ)アクリルオリゴマーとして 、例えば、共栄社化学製のAH-600、UA306H、新 村化学製U-4HA、U-6HA、U-6LPA等の(メタ)アクリ オリゴマーが挙げられる。

 多官能(メタ)アクリルモノマーおよび多 能(メタ)アクリルオリゴマーとからなる群か ら選ばれる少なくとも1種が、樹脂層を形成 るための放射線硬化性樹脂組成物に含まれ いると硬化が良好に行なわれる。また、多 能(メタ)アクリルモノマーおよび多官能(メ )アクリルオリゴマーとからなる群から選ば る少なくとも1種は、樹脂層の硬度の向上に 寄与する。これらの中でも、硬化性、樹脂層 の硬度および支持体への樹脂層の接着性等を 考慮すると、ペンタエリスリトールトリアク リレート、ジペンタエリスリトールヘキサア クリレートおよびアクリルオリゴマーが特に 好ましい。これらは、反応性の官能基を3個 上有しているので硬化性がより優れ、硬化 より高い架橋密度が得られるので、硬化物 硬度をより高くすることが可能である。

 モノマーAと多官能(メタ)アクリルモノマ および多官能(メタ)アクリルオリゴマーと らなる群から選ばれる少なくとも1種との混 割合は、放射線硬化性樹脂組成物の25℃に ける粘度が3~100mPa・sとなるように、例えば 重量比で10:90~80:20であると好ましい。この場 合、エンボスロールの凹凸面の、塗料層への 転写性が良好であり、樹脂層の機械的強度も 十分に確保されるので好ましい。

 放射線硬化性樹脂組成物中に含まれる放 線硬化性樹脂の含有量は、放射線硬化性樹 の種類によって異なるが、通常、放射線硬 性樹脂組成物を100重量部とした場合に80~99 量部程度であると好ましい。

 放射線硬化性樹脂の選択にあたっては、生 性の観点から、300mJ/cm 2 以下の
紫外線光量で硬化するものが好ましく、150mJ/ cm 2 以下で硬化するものがより好
ましく、50mJ/cm 2 以下で硬化するものがよりいっそう好ましい 。

 放射線硬化性樹脂の引火点は70℃以上で ることが好ましい。引火点が70℃よりも低い と、引火の危険性が高くなるからである。

 光開始剤の必要性の程度は塗料層に照射 れる放射線の種類によって異なる。特に、 外線、または可視光が硬化反応のエネルギ 源として使用される場合、放射線硬化性樹 組成物は光開始剤を含んでいると好ましい

 光開始剤には、特に制限はなく一般的な のを用いることができる。光開始剤として 光ラジカル重合剤が好ましく、光ラジカル 合剤としては、例えば、ベンジル、ジアセ ル等のα-ジケトン類、ベンゾイン等のアシ イン類、ベンゾインメチルエーテル、ベン インエチルエーテル、ベンゾインイソプロ ルエーテル等のアシロインエーテル類、チ キサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、 2-クロロチオキサントン、チオキサントン-4- ルホン酸等のチオキサントン類、ベンゾフ ノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフ ノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフ ノン等のベンゾフェノン類、ミヒラーケト 類、アセトフェノン、2-(4-トルエンスルホ ルオキシ)-2-フェニルアセトフェノン、p-ジ チルアミノアセトフェノン、α,α’-ジメト シアセトキシベンゾフェノン、2,2’-ジメト シ-2-フェニルアセトフェノン、p-メトキシ セトフェノン、2-メチル[4-(メチルチオ)フェ ル]-2-モルフォリノ-1-プロパノン、2-ベンジ -2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニ )-ブタン-1-オン等のアセトフェノン類、ア トラキノン、1,4-ナフトキノン等のキノン類 フェナシルクロライド、トリハロメチルフ ニルスルホン、トリス(トリハロメチル)-s- リアジン等のハロゲン化合物、アシルホス ィンオキシド類、ジ-t-ブチルパーオキサイ 等の過酸化物等が挙げられる。これらは単 で用いてもよいし、2種以上を混合して用い もよい。

 塗料層への紫外線の照射は、支持体越し 行われることもあるため、支持体を透過す 光の波長に応じて適切な開始剤を選ぶこと 好ましい。具体的には、支持体の吸収波長 重複しない波長領域で光を吸収する光開始 を選択すると好ましい。例えば、支持体の 料が、ポリエチレンテレフタレートまたは リエチレンナフタレートである場合、2-ベ ジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフ ニル)-ブタノン-1、ビス(2,4,6-トリメチルベン ゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2 -メチル-1-(4-メチルチオ)フェニル)-2-モルフォ リノプロパン-1-オン等の光開始剤を選択する ことが好ましい。市販品としては、イルガキ ュア184(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニ -ケトン)、イルガキュア369(2-ベンジル-2-ジ チルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタ ノン-1)、イルガキュア819(ビス(2,4,6-トリメチ ベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサ ド)、イルガキュア907(2-メチル-1-(4-メチルチ )フェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン)( いずれも、チバガイキー社製)が挙げられる 特に、2-メチル-1-(4-メチルチオ)フェニル)-2- ルフォリノプロパン-1-オンと、2,4-ジエチル チオキサントンまたは2-クロロチオキサント とを併用すると効果的である。

 塗料が放射線硬化性樹脂組成物を希釈す 希釈溶媒を含む場合、希釈溶媒は、塗料の2 5℃における粘度が3~100mPa・sとなるように添 されていると好ましい。希釈溶媒の種類に いては特に制限はなく、例えば、メチルエ ルケトン、トルエン、ジメチルホルムアミ 等の従来から公知の希釈溶媒を用いればよ 。

 塗料層の形成方法としては、ロールコー 法、カーテンコート法、スイライドコート 、ダイコート法、ブレードコート法、バー ート法、フローコート法、スプレーコート 等が挙げられる。なかでも、塗料層の形成 法は、塗料を薄くかつ高速塗布可能とする ロールコート法、カーテンコート法、スイ イドコート法、ダイコート法が好ましい。

 塗布速度に関しては、10m/min以上、好まし くは20m/min、より好ましくは50m/min以上である 好ましい。塗布速度の上限は特に限定され いが、硬化速度との兼ね合いという理由か 、通常200m/min以下が適当である。

 放射線硬化樹脂の硬化に用いられる放射 は、放射線硬化樹脂の硬化を可能とする放 線であれば特に限定されないが、例えば、 子線、紫外線、可視光等が挙げられる。な でも、エネルギー値が高い紫外線、電子線 好ましい。

 紫外線の光源としては、例えば、高圧水 ランプ、メタルハライドランプ、またはLED が用いられる。LEDはエネルギー効率が高く 支持体等に与える熱ダメージが小さいので ましい。紫外線の照射は、放射線硬化樹脂 硬化性を高めるために、必要に応じて、窒 でパージされて酸素濃度が300ppm以下に調整 れた雰囲気下で行うと好ましい。

 樹脂層の凹凸面の好ましい形状は、シー 状成形体の用途によって異なるが、本実施 態は、凹凸の平均一周期長(D)が0.01μm~50μmで あり、凸部の平均高さ(H)が0.01μm~50μmであり 凹凸の平均一周期長(D)と平均高さ(H)との比(D /H)が、0.01~100である樹脂層を備えたシート状 形体の製造に有用である。このような凹凸 状を有するものとしては、例えば、拡散シ ト、輝度向上シート等の光学シート、パタ ンドメディア、光記録媒体等が挙げられる 特には、凹凸の平均一周期長(D)が0.01μm~30μm であり、平均高さ(H)が0.01μm~30μmであり、比(D /H)が0.01~100である樹脂層を備えたシート状成 体の製造に有用である。

 樹脂層の凹凸面の平均一周期長(D)および平 高さ(H)は、シート状成形体の表面および断 の電子線顕微鏡(日立製SEM EDX-4500H)撮影像か ら求めた値である(撮影倍率:2000倍、撮影視野 :45μm×45μm)。凹凸形状が規則的なパターンで る場合には、図1Aおよび図1Bで示すように、 dを一周期長、hを凹凸の高さとして、各々20 を測定し、その平均を平均一周期長(D)、平 高さ(H)として求める。凹凸形状が不規則で る場合には、図1Cで示すように、凹凸形状の 各頂部にA 1 、A 2 、A 3 、…A n 、各底部にB 1 、B 2 、B 3 、…B n と名前を付け、各ポイントの(x,y)座標を求め 。A 1 の座標を(xa 1 ,ya 1 )、B 1 の座標を(xb 1 ,yb 1 )とすると、A 1 とB 1 との間隔d 1 はd 1 =xb 1 -xa 1 で求められる。この場合の、凹凸形状の平均 一周期長Dは、D=(d 1 +d 2 +d 3 +…+d n )/n求められる。同様に、A 1 とB 1 との高さの差H 1 はH 1 =yb 1 -ya 1 で求められ、凹凸形状の平均高さHは、H=(h 1 +h 2 +h 3 +…+h n )/nで求められる。

 樹脂層12の平均厚み(P)と凹凸の平均高さ(H )の比(P/H)は、特に限定されるものではないが 、経済的には1~1000であることが好ましく、1~2 00であることがより好ましい。(P/H)が1000を超 ると、樹脂層の中で微細な凹凸形状を構成 ない支持体側の部分の厚みが厚くなり、不 要な樹脂を用いることとなる。ここで、樹 層12の平均厚み(P)は、下記のようにして測 した値である。

 シート状成形体を10枚重ねその積層体Xの平 厚みを測定する。一方で、支持体のみを10 重ねその積層体Yの平均厚みを測定する。こ らの測定値を用いて下記式により樹脂層の 均厚み(P)を算出した。だたし、積層体Xおよ び積層体Yの平均厚みは、マイクロメータ(最 目盛り:0.1μm)を用いて、積層体X、積層体Yの 厚みをそれぞれ10点測定し、その値を平均し 求めた。
(式1)
樹脂層の平均厚み(P)=(積層体Xの平均厚み-積 体Yの平均厚み)/10

 塗布厚さは、樹脂層の厚さが、好ましく 50μm以下、より好ましくは30μm以下、最も好 ましくは10μm以下となるように制御されると ましい。

 支持体11には、例えば、従来公知の、可 性を有する透光性フィルム等が用いられる 支持体11の材料としては、例えば、ポリエチ レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ ート、ポリアミド、ポリアラミド、ポリイミ ド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサル ファイド、ポリスルフォン、ポリプロピレン 、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルア ルコール、三酢酸セルロース、シクロオレフ ィンポリマー等が挙げられる。中でも、支持 体11は、機械的強度、寸法安定性、耐熱性等 観点から、ポリエチレンテレフタレートを んでいると好ましい。

 支持体11の厚さは、特に制限はなく用途 応じて異なるが、通常1~200μmであると好まし い。特に、支持体11の厚さが3~20μmである場合 に本実施形態のシート状成形体の製造方法は 有用である。

 樹脂層12の隣接する層への接着性を高め ために、例えば、支持体11の樹脂層12と接す 表面には、コロナ、プラズマ処理等の表面 理が行なわれていてもよいし、支持体11は ポリウレタン、ポリエステル等からなる易 着層を備えていてもよい。

 樹脂層12の、JIS K 5600-5-4に基づいて測定 れる鉛筆硬度は、F以上であることが好まし く、H以上であることがより好ましい。F以上 あれば、転写速度が、例えば50~200m/min程度 速くても、樹脂層12の表面に容易には傷がつ かないからである。

 樹脂層の隣接する層に対する接着性は、J IS5600-5-6に基づいて、クロスカット法にて評 した場合に、分類0もしくは1であることが好 ましく、0であることがより好ましい。

 以下に、実施例に基づいて本発明をより しく説明するが、本発明は下記の実施例に 定されるものではない。

 <実施例1~10、比較例1~3>
 表1に示す組成の塗料A~Jを作製した。塗料A~J の組成に関する数値は重量部を意味する。図 2を用いて説明したシート状成形体の製造方 の一例にて、実施例1~10、比較例1~3のシート 成形体を製造した。

 各組成の詳細は下記のとおりである。
ビニルピロリドン(1官能アクリルモノマー)
ジメチルアクリルアミド(1官能アクリルモノ ー)
アクリロイルモルフォロリン(1官能メタクリ モノマー)
ペンタエリストールトリアクリレート(3官能 クリルモノマー)
ジペンタエリストールヘキサアクリレート(6 能アクリルモノマー)
ウレタンアクリレートUA-306H(共栄社化学製、 ンタエリストールトリアクリレートヘキサ チレンジイソシアネートウレタンプレポリ ー 6官能オリゴマー)
イルガキュア184(光開始剤、チバガイキー社 、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケ トン)
イルガキュア907(光開始剤、チバガイキー社 、2-メチル-1-(4-メチルチオ)フェニル)-2-モル ォリノプロパン-1-オン))
2,4-ジエチルチオキサントン(光開始剤)

 まず、厚さ10μmのPETフィルムの一方の主面 、ロールコート法により塗料を塗布して塗 層を形成した。塗布速度については、実施 1~8および比較例1、2では20m/min、実施例9では4 0m/min、実施例10では80m/min、比較例3では10m/min した。塗料は、塗料層の厚さが約1~5μmとな ように塗布した。その後、塗料層に、エン スロールを押し当て、エンボスロールの凹 面の凹凸形状を転写し、次いで、紫外線照 機により紫外線を塗料層に照射して、塗料 に含まれる放射線硬化樹脂を硬化した。紫 線の照射量は、300mJ/cm 2 とした。

 なお、塗料の塗布には、廉井精機製のφ20 mm、斜線型、セル角度45°、250ライン/inchのマ クログラビアロールを用いた。また、エン スロールには、平均一周期長(D)が0.8μm、平 凹凸高さ(H)が0.05μmであり、図1Aに示した形 の凹凸に対応する凸凹表面を有した金属ロ ルを用いた。

 放射線硬化性樹脂組成物の粘度、樹脂層 厚み、シート状成形体の凹凸面の鉛筆硬度 樹脂層と支持体との接着性、硬化性および 形性を下記のようにして評価し、その結果 表1に示した。

 <放射線硬化性樹脂組成物の粘度>
 放射線硬化性樹脂組成物の25℃における粘 は、東機産業製のE型粘度計(回転数10rpm)で測 定した。

 <樹脂層の厚み>
 樹脂層の厚みは、上記(式1)より算出した。

 <鉛筆硬度>
 シート状成形体の鉛筆硬度を、JIS K 5600-5-4 に基づいて測定した。

 <接着性>
 樹脂層の支持体に対する接着性は、JIS5600-5- 6に基づいて、クロスカット法にて測定した 剥離の程度は0~5の6段階で評価した。「0」は 剥離は観察されないことを意味し、数が大き くなるほど剥離の程度が大きくなることを意 味している。

 <硬化性>
 支持体上に東洋精器製のバーコーター(バー にワイヤーを巻いたもの)を用いて塗料層を 成した後、この塗料層に188μm厚のPETフィル を貼り付け、このPETフィルムを介して紫外 照射を行った。粘着性がなくなるまでに要 る紫外線光量を照度計(EIT社製UV Power Puck)に て測定した。なお、紫外線光量が少ないほど 硬化性が高いことを意味する。粘着性の有無 は指触により確認した。

 <欠陥および成形性>
 シート状成形体の塗布欠陥の有無を目視で2 0視野観察し(測定視野:10cm×10cm)、さらに、電 顕微鏡により微細な成形上の欠陥(レベリン グ不良等に起因する塗布スジ、未塗布部(ボ ド)等)の有無を20視野観察し(測定倍率:2000倍 測定視野:45μm×45μm)、下記基準で評価した
○:欠陥のないもの(各20視野で欠陥を観察せ )
△:極わずかに欠陥があるもの(各20視野中、1~ 2視野で欠陥を観察)
×:欠陥があるもの(各20視野中、3~20視野で欠 を観察)

 単官能ビニルモノマーまたは単官能(メタ) クリルモノマーからなる群から選ばれる少 くとも1種のモノマーAと、多官能(メタ)アク ルモノマーおよび多官能(メタ)アクリルオ ゴマーとからなる群から選ばれる少なくと 1種とを含み、25℃における粘度が、3~100mPa・ sの範囲内にある放射線硬化性樹脂組成物を いた実施例1~10では、いずれも40~150mJ/cm 2 の紫外線光量で硬化しており、硬化性は良好 であった。また、鉛筆硬度およびクロスカッ ト法による付着性試験の結果も良好であった 。また、成形性を電子顕微鏡で観察した結果 、実施例1~10のシート状成形体では、凹凸形 が精度よく形成されていた。また、塗布速 が40m/minの実施例9、および、塗布速度が80m/mi nの実施例10のシート状形成体においても、凹 凸形状が精度よく成形されていた。

 これに対し、放射線硬化性樹脂の粘度が1 00mPa・sよりも高い比較例1のシート状成形体 は、塗布時のスジが原因と思われる塗布欠 や気泡のかみ込などの成形欠陥が見られた また、比較例3についての結果が示すように 放射線硬化性樹脂の粘度が100mPa・sよりも高 い場合は、塗布速度を例えば10m/minと遅くし も、塗布欠陥や成形欠陥がみられた。また 放射線硬化性樹脂の粘度が3mPa・sよりも低い 比較例2のシート状成形体では、鉛筆硬度が2B 以下であり、クロスカット法による付着性試 験の結果、剥離が観察され、硬度および付着 性がともに不十分であった。また、硬化性も 不良で、成形体の成形性を観察すると、塗布 欠陥は見られないものの、硬化不良が原因と 考えられる成形不良がみられた。

 以上のように、本発明のシート状成形体 製造方法では、放射線硬化性樹脂が、単官 ビニルモノマーまたは単官能(メタ)アクリ モノマーからなる群から選ばれる少なくと 1種のモノマーAと、多官能(メタ)アクリルモ マーおよび多官能(メタ)アクリルオリゴマ とからなる群から選ばれる少なくとも1種と 含み、25℃における放射線硬化性樹脂組成 の粘度が、3~100mPa・sであるので、塗料の塗 性、成形性、および硬化性が全てに優れて り、これにより、微細な凹凸を有する成形 を高速で精度よく製造できる。

産業上の利用の可能性

 本発明によれば、成形精度のよい、微細 凹凸形状を有したシート状成形体を提供で るので、本発明のシート状成形体およびそ 製造方法は、反射防止フィルム、拡散シー 、輝度向上シート等の光学フィルム、導光 、回折格子、パターンドメディア、光記録 体、光学素子、ホログラム、マイクロ流路 建材、装飾品及び研磨テープ等の分野に有 である。