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Patent Searching and Data


Title:
PLASMA DISPLAY DEVICE AND METHOD FOR DRIVING PLASMA DISPLAY PANEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/136180
Kind Code:
A1
Abstract:
In a plasma display device comprising a plasma display panel and a sustain pulse generating circuit, the sustain pulse generating circuit generates a first sustain pulse for generating a light emission with two peaks, a second sustain pulse which falls more sharply than the first sustain pulse, and a third sustain pulse which rises and falls more sharply than the fist sustain pulse and has one peak while switching among them, generates the second sustain pulse or the third sustain pulse immediately before the third sustain pulse, generates the first sustain pulse immediately before the second sustain pulse, and provides a first overlap time (Tx1) in which the fall time and the rise time of the previous and subsequent sustain pulses are overlapped between the second sustain pulse and the third sustain pulse and between the third sustain pulse and the third sustain pulse.

Inventors:
MAKINO KOSUKE
OKADA TAKU
HASHIMOTO SHINICHIRO
OGAWA KENJI
KIGO SHIGEO
Application Number:
PCT/JP2008/000969
Publication Date:
November 13, 2008
Filing Date:
April 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
MAKINO KOSUKE
OKADA TAKU
HASHIMOTO SHINICHIRO
OGAWA KENJI
KIGO SHIGEO
International Classes:
G09G3/288; G09G3/20; G09G3/291; G09G3/292; G09G3/294; G09G3/296; G09G3/298
Domestic Patent References:
WO2006123599A12006-11-23
WO2004055770A12004-07-01
WO2008007618A12008-01-17
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (1006 Oaza Kadoma, Kadoma-sh, Osaka 01, JP)
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Claims:
   走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルと、
      前記表示電極対の電極間容量とインダクタとを共振させて維持パルスの立ち上がりまたは立ち下がりを行う電力回収回路、および
      前記維持パルスの電圧を電源電圧またはベース電位にクランプするクランプ回路で構成され、
      1フィールド期間内に設けた初期化期間と書込み期間と維持期間とを有する複数のサブフィールドの前記維持期間において輝度重みに応じた回数の前記維持パルスを発生させて前記表示電極対に交互に印加する維持パルス発生回路と
を備え、
   前記維持パルス発生回路は、前記維持期間において、
      2つのピークを持つ発光を前記放電セルで発生させる基準となる第1の維持パルスと、
      前記第1の維持パルスよりも立ち下がりを急峻にした第2の維持パルスと、
      前記第1の維持パルスよりも立ち上がりおよび立ち下がりを急峻にし1つのピークを持つ発光を前記放電セルで発生させる第3の維持パルスと
の少なくとも3種類の維持パルスを切換えて発生させるとともに、
      前記第3の維持パルスの直前には前記第2の維持パルスまたは前記第3の維持パルスを発生させ、
      前記第2の維持パルスの直前には前記第1の維持パルスを発生させ、
      前記第2の維持パルスと前記第3の維持パルスとの間、および前記第3の維持パルスと前記第3の維持パルスとの間に、維持パルスの立ち下がりを行う時間と維持パルスの立ち上がりを行う時間とを重複させる第1の重複期間を設ける
プラズマディスプレイ装置。
   前記放電セルの点灯率をサブフィールド毎に検出し、あらかじめ定めたしきい値と比較する点灯率検出回路を更に備え、
   前記維持パルス発生回路は、前記維持期間において、
      前記第1の維持パルスをあらかじめ定めた回数連続して発生させた後に前記第2の維持パルスを発生させ、
      前記第2の維持パルスを発生させた後に前記第3の維持パルスをあらかじめ定めた回数連続して発生させ、
      前記第1の維持パルスと前記第1の維持パルスとの間、および前記第1の維持パルスと前記第2の維持パルスとの間に、維持パルスの立ち下がりを行う時間と維持パルスの立ち上がりを行う時間とを重複させる第2の重複期間を、前記点灯率検出回路における比較結果にもとづき設ける
請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
   前記維持パルス発生回路は、前記点灯率検出回路における比較結果にもとづき、前記第1の維持パルスおよび前記第2の維持パルスの立ち上がりにかける時間と前記第1の維持パルスおよび前記第4の維持パルスの立ち下がりにかける時間を変更する請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置。
   前記維持パルス発生回路は、前記第1の重複期間と前記第2の重複期間とを異なる時間間隔にする請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置。
   走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルの駆動方法において、
   1フィールド期間内に初期化期間と書込み期間と維持期間とを有する複数のサブフィールドを設け、
   前記維持期間において、
      2つのピークを持つ発光を前記放電セルで発生させる基準となる第1の維持パルスと、
      前記第1の維持パルスよりも立ち下がりを急峻にした第2の維持パルスと、
      前記第1の維持パルスよりも立ち上がりおよび立ち下がりを急峻にし1つのピークを持つ発光を前記放電セルで発生させる第3の維持パルスと
の少なくとも3種類の維持パルスを切換えて発生させるとともに、
      前記第3の維持パルスの直前には前記第2の維持パルスまたは前記第3の維持パルスを発生させ、
      前記第2の維持パルスの直前には前記第1の維持パルスを発生させ、
      前記第2の維持パルスと前記第3の維持パルスとの間、および前記第3の維持パルスと前記第3の維持パルスとの間に、維持パルスの立ち下がりを行う時間と維持パルスの立ち上がりを行う時間とを重複させる第1の重複期間を設ける
プラズマディスプレイパネルの駆動方法。
   前記放電セルの点灯率をサブフィールド毎に検出し、あらかじめ定めたしきい値と比較し、
   前記維持期間において、前記第1の維持パルスをあらかじめ定めた回数連続して発生させた後に前記第2の維持パルスを発生させ、
   前記第2の維持パルスを発生させた後に前記第3の維持パルスをあらかじめ定めた回数連続して発生させ、
   前記第1の維持パルスと前記第1の維持パルスとの間、および前記第1の維持パルスと前記第2の維持パルスとの間に、維持パルスの立ち下がりを行う時間と維持パルスの立ち上がりを行う時間とを重複させる第2の重複期間を、前記比較の結果にもとづき設ける
請求項5に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
   前記比較の結果にもとづき、前記第1の維持パルスおよび前記第2の維持パルスの立ち上がりにかける時間と前記第1の維持パルスおよび前記第4の維持パルスの立ち下がりにかける時間を変更する請求項6に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
   前記第1の重複期間と前記第2の重複期間とを異なる時間間隔にする請求項6に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
Description:
プラズマディスプレイ装置およ プラズマディスプレイパネルの駆動方法

 本発明は、壁掛けテレビや大型モニター 用いられるプラズマディスプレイ装置およ プラズマディスプレイパネルの駆動方法に する。

 プラズマディスプレイパネル(以下、「パ ネル」と略記する)として代表的な交流面放 型パネルは、対向配置された前面板と背面 との間に多数の放電セルが形成されている 前面板は、1対の走査電極と維持電極とから る表示電極対が前面ガラス基板上に互いに 行に複数対形成され、それら表示電極対を うように誘電体層および保護層が形成され いる。背面板は、背面ガラス基板上に複数 平行なデータ電極と、それらを覆うように 電体層と、さらにその上にデータ電極と平 に複数の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電 層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成 れている。そして、表示電極対とデータ電 とが立体交差するように前面板と背面板と 対向配置されて密封され、内部の放電空間 は、例えば分圧比で5%のキセノンを含む放 ガスが封入されている。ここで表示電極対 データ電極とが対向する部分に放電セルが 成される。このような構成のパネルにおい 、各放電セル内でガス放電により紫外線を 生させ、この紫外線で赤色(R)、緑色(G)およ 青色(B)の各色の蛍光体を励起発光させてカ ー表示が行われている。

 パネルを駆動する方法としては、サブフ ールド法、すなわち、1フィールド期間を複 数のサブフィールドに分割した上で、発光さ せるサブフィールドの組み合わせによって階 調表示を行う方法が一般に用いられている。

 各サブフィールドは、初期化期間、書込 期間および維持期間を有する。初期化期間 は初期化放電を発生し、続く書込み動作に 要な壁電荷を各電極上に形成するとともに 書込み放電を安定して発生させるためのプ イミング粒子(放電のための起爆剤=励起粒 )を発生させる。書込み期間では、表示を行 べき放電セルに選択的に書込みパルス電圧 印加して書込み放電を発生させ壁電荷を形 する(以下、この動作を「書込み」とも記す )。そして維持期間では、走査電極と維持電 とからなる表示電極対に交互に維持パルス 圧を印加し、書込み放電を起こした放電セ で維持放電を発生させ、対応する放電セル 蛍光体層を発光させることにより画像表示 行われる。

 一方、近年のパネルの高精細化、大画面 にともない、パネルの発光効率を向上させ 輝度を向上させる様々な取り組みがなされ いる。例えば、キセノン分圧を高めること より発光効率を大幅に高める検討が進めら ている。しかし、キセノン分圧を高めると 電の発生するタイミングのばらつきが大き なり、放電セル毎の発光強度にばらつきを じて表示輝度が不均一になることがある。 の輝度の不均一を改善するために、例えば 数回に1回の割合で立ち上がりの急峻な維持 パルスを挿入して維持放電のタイミングを揃 え、表示輝度を均一化する駆動方法が開示さ れている。このような方法は、例えば、特許 文献1に開示されている。

 しかしながら、発光効率を高めるためにキ ノン分圧を高めると、静止画像等を長時間 示させた後で輝度の高い画像を表示した場 、静止画像が残像として認識される、いわ る残像現象が発生しやすくなり、画像表示 質を損なうという新たな課題も発生してい 。

特開2005-338120号公報

 本発明は、残像現象そのものを軽減させ とともに、各放電セルの表示輝度を均一化 ることのできる、画像表示品質のよいプラ マディスプレイ装置およびパネルの駆動方 を提供する。

 プラズマディスプレイ装置は、走査電極 維持電極とからなる表示電極対を有する放 セルを複数備えたプラズマディスプレイパ ルと、表示電極対の電極間容量とインダク とを共振させて維持パルスの立ち上がりま は立ち下がりを行う電力回収回路、および 持パルスの電圧を電源電圧またはベース電 にクランプするクランプ回路で構成され、1 フィールド期間内に設けた初期化期間と書込 み期間と維持期間とを有する複数のサブフィ ールドの維持期間において輝度重みに応じた 回数の維持パルスを発生させて表示電極対に 交互に印加する維持パルス発生回路とを備え 、維持パルス発生回路は、維持期間において 、2つのピークを持つ発光を放電セルで発生 せる基準となる第1の維持パルスと、第1の維 持パルスよりも立ち下がりを急峻にした第2 維持パルスと、第1の維持パルスよりも立ち がりおよび立ち下がりを急峻にし1つのピー クを持つ発光を放電セルで発生させる第3の 持パルスとの少なくとも3種類の維持パルス 切換えて発生させるとともに、第3の維持パ ルスの直前には第2の維持パルスまたは第3の 持パルスを発生させ、第2の維持パルスの直 前には第1の維持パルスを発生させ、第2の維 パルスと第3の維持パルスとの間、および第 3の維持パルスと第3の維持パルスとの間に、 持パルスの立ち下がりを行う時間と維持パ スの立ち上がりを行う時間とを重複させる 1の重複期間を設ける。

 プラズマディスプレイパネルの駆動方法 、走査電極と維持電極とからなる表示電極 を有する放電セルを複数備えたプラズマデ スプレイパネルの駆動方法において、1フィ ールド期間内に初期化期間と書込み期間と維 持期間とを有する複数のサブフィールドを設 け、維持期間において、2つのピークを持つ 光を放電セルで発生させる基準となる第1の 持パルスと、第1の維持パルスよりも立ち下 がりを急峻にした第2の維持パルスと、第1の 持パルスよりも立ち上がりおよび立ち下が を急峻にし1つのピークを持つ発光を放電セ ルで発生させる第3の維持パルスとの少なく も3種類の維持パルスを切換えて発生させる ともに、第3の維持パルスの直前には第2の 持パルスまたは第3の維持パルスを発生させ 第2の維持パルスの直前には第1の維持パル を発生させ、第2の維持パルスと第3の維持パ ルスとの間、および第3の維持パルスと第3の 持パルスとの間に、維持パルスの立ち下が を行う時間と維持パルスの立ち上がりを行 時間とを重複させる第1の重複期間を設ける 。

図1は本発明の実施の形態1におけるパ ルの構造を示す分解斜視図である。 図2は同パネルの電極配列図である。 図3は同パネルの各電極に印加する駆動 電圧波形図である。 図4は本発明の実施の形態1におけるプ ズマディスプレイ装置の回路ブロック図で る。 図5は本発明の実施の形態1における走 電極駆動回路の回路図である。 図6は本発明の実施の形態1における維 電極駆動回路の回路図である。 図7は本発明の実施の形態1における走 電極駆動回路および維持電極駆動回路の動 の一例を説明するためのタイミングチャー である。 図8は本発明の実施の形態1における維 パルス波形の概略を示す波形図である。 図9Aは本発明の実施の形態1において用 いる維持パルスとその発光の様子を模式的に 示す波形図である。 図9Bは本発明の実施の形態1において用 いる維持パルスとその発光の様子を模式的に 示す波形図である。 図10は本発明の実施の形態1における第 1の維持パルス、第2の維持パルス、第3の維持 パルスおよび第4の維持パルスの配列の一例 示す概略波形図である。 図11は本発明の実施の形態1における走 査電極駆動回路および維持電極駆動回路の動 作の他の例を説明するためのタイミングチャ ートである。 図12は本発明の実施の形態2における各 維持パルスの配列の一例を示す概略波形図で ある。 図13は本発明の実施の形態2における点 灯率と各維持パルスとの関係の一例を示す図 である。 図14は本発明の実施の形態2におけるプ ラズマディスプレイ装置の回路ブロック図で ある。 図15は本発明の実施の形態における駆 電圧波形の他の例を示した波形図である。

符号の説明

 1,101  プラズマディスプレイ装置
 10  パネル
 21  (ガラス製の)前面板
 22  走査電極
 23  維持電極
 24  表示電極対
 25,33  誘電体層
 26  保護層
 31  背面板
 32  データ電極
 34  隔壁
 35  蛍光体層
 41  画像信号処理回路
 42  データ電極駆動回路
 43  走査電極駆動回路
 44  維持電極駆動回路
 45  タイミング発生回路
 48  点灯率検出回路
 50,60  維持パルス発生回路
 51,61  電力回収回路
 52,62  クランプ回路
 53  初期化波形発生回路
 54  走査パルス発生回路
 55  第1のミラー積分回路
 56  第2のミラー積分回路
 57  第3のミラー積分回路
 Q1,Q2,Q3,Q4,Q11,Q12,Q13,Q14,Q15,Q16,Q21,Q31,Q32,Q33,Q34,Q3 6,Q37,Q38,Q39,QH1~QHn,QL1~QLn  スイッチング素子
 C1,C10,C11,C12,C21,C30,C31  コンデンサ
 L1,L30  インダクタ
 D1,D2,D12,D13,D21,D31,D32,D33  ダイオード
 AG  アンドゲート
 CP  比較器
 R10,R11,R12,R13,R14  抵抗

 以下、本発明の実施の形態におけるプラ マディスプレイ装置について、図面を用い 説明する。

 (実施の形態1)
 図1は、本発明の実施の形態1におけるパネ 10の構造を示す分解斜視図である。ガラス製 の前面板21上には、走査電極22と維持電極23と からなる表示電極対24が複数形成されている そして走査電極22と維持電極23とを覆うよう に誘電体層25が形成され、その誘電体層25上 保護層26が形成されている。

 また、保護層26は、放電セルにおける放 開始電圧を下げるために、パネルの材料と て使用実績があり、ネオン(Ne)およびキセノ (Xe)ガスを封入した場合に2次電子放出係数 大きく耐久性に優れたMgOを主成分とする材 から形成されている。

 背面板31上にはデータ電極32が複数形成さ れ、データ電極32を覆うように誘電体層33が 成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形 成されている。そして、隔壁34の側面および 電体層33上には赤色(R)、緑色(G)および青色(B )の各色に発光する蛍光体層35が設けられてい る。

 これら前面板21と背面板31とは、微小な放 電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32 が交差するように対向配置され、その外周 をガラスフリット等の封着材によって封着 れている。そして、内部の放電空間には、 オンとキセノンの混合ガスが放電ガスとし 封入されている。なお、本実施の形態は、 光効率を向上させるためにキセノン分圧を 10%とした放電ガス用いている。放電空間は 壁34によって複数の区画に仕切られており、 表示電極対24とデータ電極32とが交差する部 に放電セルが形成されている。そしてこれ の放電セルが放電、発光することにより画 が表示される。

 なお、パネル10の構造は上述したものに られるわけではなく、例えばストライプ状 隔壁を備えたものであってもよい。また、 電ガスの混合比率も上述した数値に限られ わけではなく、その他の混合比率であって よい。

 図2は、本発明の実施の形態1におけるパ ル10の電極配列図である。パネル10には、行 向に長いn本の走査電極SC1~SCn(図1の走査電極 22)およびn本の維持電極SU1~SUn(図1の維持電極23 )が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D 1~Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そ して、1対の走査電極SCi(i=1~n)および維持電極S Uiと1つのデータ電極Dj(j=1~m)とが交差した部分 に放電セルが形成され、放電セルは放電空間 内にm×n個形成されている。なお、図1、図2に 示したように、走査電極SCiと維持電極SUiとは 互いに平行に対をなして形成されているため に、走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SUnとの間に きな電極間容量Cpが存在する。

 次に、パネル10を駆動するための駆動電 波形とその動作の概要について説明する。 実施の形態におけるプラズマディスプレイ 置は、サブフィールド法、すなわち1フィー ド期間を複数のサブフィールドに分割し、 ブフィールド毎に各放電セルの発光・非発 を制御することによって階調表示を行う。 れぞれのサブフィールドは、初期化期間、 込み期間および維持期間を有する。

 各サブフィールドにおいて、初期化期間 は初期化放電が発生され、続く書込み放電 必要な壁電荷が各電極上に形成される。加 て、放電遅れを小さくし書込み放電を安定 て発生させるためのプライミング粒子(放電 のための起爆剤=励起粒子)が発生される。こ ときの初期化動作には、全ての放電セルで 期化放電を発生させる全セル初期化動作と 直前のサブフィールドで維持放電を行った 電セルだけで選択的に初期化放電を発生さ る選択初期化動作とがある。

 書込み期間では、後に続く維持期間にお て発光させるべき放電セルで選択的に書込 放電を発生し壁電荷が形成される。そして 持期間では、輝度重みに比例した数の維持 ルスを表示電極対24に交互に印加して、書 み放電を発生した放電セルで維持放電を発 させて発光させる。このときの比例定数を 輝度倍率」と呼ぶ。

 実施の形態1では、1フィールドを10のサブ フィールド(第1SF、第2SF、・・・、第10SF)で構 成し、各サブフィールドはそれぞれ、例えば (1、2、3、6、11、18、30、44、60、80)の輝度重み を持つものとする。そして、第1SFの初期化期 間では全セル初期化動作が行われ、第2SF~第10 SFの初期化期間では選択初期化動作が行われ ものとする。これにより、画像の表示に関 のない発光は第1SFにおける全セル初期化動 の放電にともなう発光のみとなり、維持放 を発生させない黒表示領域の輝度である黒 度は全セル初期化動作における微弱発光だ となって、コントラストの高い画像表示が 能となる。また、各サブフィールドの維持 間においては、それぞれのサブフィールド 輝度重みに所定の輝度倍率を乗じた数の維 パルスが表示電極対24のそれぞれに印加さ る。

 しかし、本発明は、サブフィールド数や サブフィールドの輝度重みが上記の値に限 されるものではなく、また、画像信号等に とづいてサブフィールド構成を切換える構 であってもよい。

 なお、実施の形態1では、維持期間の最後 に傾斜波形電圧を発生させており、これによ り、続くサブフィールドの書込み期間におけ る書込み動作を安定させている。また、実施 の形態1では、維持期間において、基準とな 第1の維持パルスと、第1の維持パルスよりも 立ち下がりを急峻にした第2の維持パルスと 第1の維持パルスよりも立ち上がりおよび立 下がりを急峻にした第3の維持パルスと、第 1の維持パルスよりも立ち上がりを急峻にし 第4の維持パルスとの4種類の維持パルスを切 換えて発生させ、かつ立ち下がりを急峻にし た維持パルスの直後には立ち上がりを急峻に した維持パルスを発生させるように構成して いる。これにより、残像現象を軽減させてい る。以下、まず駆動電圧波形の概要および駆 動回路の構成について説明し、続いて維持期 間における動作の詳細について説明する。

 図3は、本発明の実施の形態1におけるパ ル10の各電極に印加する駆動電圧波形図であ る。図3には、2つのサブフィールドの駆動電 波形、すなわち全セル初期化動作を行うサ フィールド(以下、「全セル初期化サブフィ ールド」と呼称する)と、選択初期化動作を うサブフィールド(以下、「選択初期化サブ ィールド」と呼称する)とを示しているが、 他のサブフィールドにおける駆動電圧波形も ほぼ同様である。また、以下における走査電 極SCi、維持電極SUi、データ電極Dkは、各電極 中から画像データにもとづき選択された電 を表す。

 まず、全セル初期化サブフィールドであ 第1SFについて説明する。第1SFの初期化期間 半部では、データ電極D1~Dm、維持電極SU1~SUn それぞれ0(V)が印加される。走査電極SC1~SCn は、維持電極SU1~SUnに対して放電開始電圧以 の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧V i2に向かって緩やかに上昇する第1の傾斜波形 電圧(以下、「上りランプ波形電圧」と呼称 る)が印加される。

 なお、実施の形態1では、この上りランプ 波形電圧を約1.3V/μsecの勾配にして発生させ いる。

 この上りランプ波形電圧が上昇する間に 走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SUn、データ電 D1~Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が持 続して起こる。そして、走査電極SC1~SCn上部 負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ 極D1~Dm上部および維持電極SU1~SUn上部には正 壁電圧が蓄積される。この電極上部の壁電 とは、電極を覆う誘電体層上、保護層上、 光体層上等に蓄積された壁電荷により生じ 電圧を表す。

 初期化期間後半部では、維持電極SU1~SUnに は正の電圧Ve1が印加され、データ電極D1~Dmに 0(V)が印加される。走査電極SC1~SCnには、維 電極SU1~SUnに対して放電開始電圧以下となる 圧Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向 って緩やかに下降する傾斜波形電圧(以下、 「下りランプ波形電圧」と呼称する)が印加 れる。この間に、走査電極SC1~SCnと維持電極S U1~SUn、データ電極D1~Dmとの間でそれぞれ微弱 初期化放電が持続して起こる。そして、走 電極SC1~SCn上部の負の壁電圧および維持電極 SU1~SUn上部の正の壁電圧が弱められ、データ 極D1~Dm上部の正の壁電圧は書込み動作に適し た値に調整される。以上により、全ての放電 セルに対して初期化放電を行う全セル初期化 動作が終了する。

 なお、図3の第2SFの初期化期間に示したよ うに、初期化期間の前半部を省略した駆動電 圧波形を各電極に印加してもよい。すなわち 、その場合は、維持電極SU1~SUnに電圧Ve1が、 ータ電極D1~Dmに0(V)がそれぞれ印加され、走 電極SC1~SCnに電圧Vi3’から電圧Vi4に向かって やかに下降する下りランプ波形電圧が印加 れる。これにより前のサブフィールドの維 期間で維持放電を起こした放電セルでは微 な初期化放電が発生し、走査電極SCi上部お び維持電極SUi上部の壁電圧が弱められる。 た直前の維持放電によってデータ電極Dk(k=1~ m)上部に十分な正の壁電圧が蓄積されている 電セルでは、この壁電圧の過剰な部分が放 され書込み動作に適した壁電圧に調整され 。一方、前のサブフィールドで維持放電を こさなかった放電セルについては放電する とはなく、前のサブフィールドの初期化期 終了時における壁電荷がそのまま保たれる このように前半部を省略した初期化動作は 直前のサブフィールドの維持期間で維持動 を行った放電セルに対して初期化放電を行 選択初期化動作となる。

 続く書込み期間では、まず維持電極SU1~SUn に電圧Ve2が、走査電極SC1~SCnに電圧Vcが印加さ れる。

 そして、1行目の走査電極SC1に負の走査パ ルス電圧Vaが印加されるとともに、データ電 D1~Dmのうち1行目に発光させるべき放電セル データ電極Dk(k=1~m)に正の書込みパルス電圧V dが印加される。このときデータ電極Dk上と走 査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印加 電圧の差(Vd-Va)にデータ電極Dk上の壁電圧と走 査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたもの となり放電開始電圧を超える。これにより、 データ電極Dkと走査電極SC1との間に放電が発 する。また、維持電極SU1~SUnに電圧Ve2を印加 しているため、維持電極SU1上と走査電極SC1上 との電圧差は、外部印加電圧の差である(Ve2-V a)に維持電極SU1上の壁電圧と走査電極SC1上の 電圧との差が加算されたものとなる。この き、電圧Ve2を、放電開始電圧をやや下回る 度の電圧値に設定することで、維持電極SU1 走査電極SC1との間を、放電には至らないが 電が発生しやすい状態とすることができる これにより、データ電極Dkと走査電極SC1と 間に発生する放電を引き金にして、データ 極Dkと交差する領域にある維持電極SU1と走査 電極SC1との間に放電を発生させることができ る。こうして、発光させるべき放電セルに書 込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電 圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が 蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が 積される。

 このようにして、1行目に発光させるべき 放電セルで書込み放電を起こして各電極上に 壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一 方、書込みパルス電圧Vdを印加しなかったデ タ電極D1~Dmと走査電極SC1との交差部の電圧 放電開始電圧を超えないので、書込み放電 発生しない。以上の書込み動作はn行目の放 セルに至るまで行われ、書込み期間が終了 る。

 続く維持期間では、まず走査電極SC1~SCnに 正の維持パルス電圧Vsが印加されるとともに 持電極SU1~SUnにベース電位となる接地電位、 すなわち0(V)が印加される。すると書込み放 を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と 持電極SUi上との電圧差が維持パルス電圧Vsに 走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電 圧との差が加算されたものとなり放電開始電 圧を超える。

 そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間 維持放電が起こり、このとき発生した紫外 により蛍光体層35が発光する。そして走査 極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SU i上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデー 電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込 み期間において書込み放電が起きなかった放 電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間 の終了時における壁電圧が保たれる。

 続いて、走査電極SC1~SCnにはベース電位と なる0(V)が、維持電極SU1~SUnには維持パルス電 Vsがそれぞれ印加される。すると、維持放 を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と 査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超 るので再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間 維持放電が起こる。そうして、維持電極SUi に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正 壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電 SC1~SCnと維持電極SU1~SUnとに交互に輝度重みに 輝度倍率を乗じた数の維持パルスを印加し、 表示電極対24の電極間に電位差を与えること より、書込み期間において書込み放電を起 した放電セルで維持放電が継続して行われ 。

 なお、上述したように、実施の形態1では 、基準となる第1の維持パルスと、第1の維持 ルスよりも立ち下がりを急峻にした第2の維 持パルスと、第1の維持パルスよりも立ち上 りおよび立ち下がりを急峻にした第3の維持 ルスと、第1の維持パルスよりも立ち上がり を急峻にした第4の維持パルスとの4種類の維 パルスを切換えて発生させ、かつ立ち下が を急峻にした維持パルスの直後には立ち上 りを急峻にした維持パルスを発生させるよ に構成している。これにより、残像現象を 減させている。

 そして、維持期間の最後には、走査電極S C1~SCnに、ベース電位となる0(V)から電圧Versに かって緩やかに上昇する第2の傾斜波形電圧 (以下、「消去ランプ波形電圧」と呼称する) 印加される。これにより、微弱な放電を持 して発生させ、データ電極Dk上の正の壁電 を残したまま、走査電極SCiおよび維持電極SU i上の壁電圧の一部または全部が消去される

 具体的には、維持電極SU1~SUnを0(V)に戻し 後、ベース電位となる0(V)から放電開始電圧 超える電圧Versに向かって上昇する第2の傾 波形電圧である消去ランプ波形電圧を、第1 傾斜波形電圧である上りランプ波形電圧よ も急峻な勾配、例えば約10V/μsecの勾配で発 させ、走査電極SC1~SCnに印加する。すると、 維持放電を起こした放電セルの維持電極SUiと 走査電極SCiとの間で微弱な放電が発生する。 そして、この微弱な放電は、維持電極SU1~SUn の印加電圧が上昇する期間、持続して発生 る。そして、上昇する電圧があらかじめ定 た所定電位である電圧Versに到達したら直ち 走査電極SC1~SCnに印加する電圧をベース電位 となる0(V)まで降下させる。

 このとき、この微弱な放電で発生した荷 粒子は、維持電極SUiと走査電極SCiとの間の 圧差を緩和するように、常に維持電極SUi上 よび走査電極SCi上に壁電荷となって蓄積さ ていく。これにより、データ電極Dk上の正 壁電荷を残したまま、走査電極SC1~SCn上と維 電極SU1~SUn上との間の壁電圧は、走査電極SCi に印加した電圧と放電開始電圧の差、すなわ ち(電圧Vers-放電開始電圧)の程度まで弱めら る。以下、この消去ランプ波形電圧によっ 発生させる維持期間の最後の放電を「消去 電」と呼称する。

 なお、実施の形態1では、走査電極SC1~SCnに 加する電圧があらかじめ定めた電圧Versに到 したら、直ちにベース電位となる0(V)まで降 下させる構成としている。これは、上昇する 電圧があらかじめ定めた電圧Versに到達した 、その電圧を維持したままにすると、次の 件、すなわち、
自身が非発光の放電セル(そのサブフィール で書込みがなされていない放電セル)である
隣接セルが発光させる放電セル(そのサブフ ールドで書込みがなされた放電セル)である
自身が直前のサブフィールドで維持放電を発 生した。
といった条件にあてはまる放電セルで異常放 電が発生しやすいことを実験的に確認したた めである。

 この異常放電は、続く書込み期間での誤 電を誘発するため、できるだけ発生させな ようにすることが望ましい。実施の形態1で は、消去ランプ波形電圧を発生させる際に、 走査電極SC1~SCnに印加する電圧が電圧Versに到 した後、直ちにベース電位となる0(V)まで降 下させる構成としているので、この異常放電 の発生を防止しつつ、放電セル内の壁電圧を 続く書込み動作が安定に行えるように最適に 調整することが可能である。

 続くサブフィールドの動作は、維持期間 維持パルスの数を除いて上述の動作とほぼ 様であるため説明を省略する。以上が、実 の形態1におけるパネル10の各電極に印加す 駆動電圧波形の概要である。

 なお、実施の形態1では、電圧Versの電圧 を維持パルス電圧Vs+3(V)、例えば、約213(V)に 定しているが、ここでは電圧Versの電圧値を 、維持パルス電圧Vs-10(V)以上かつ維持パルス 圧Vs+10(V)以下の電圧範囲に設定することが ましい。電圧Versの電圧値をこの上限値より 大きくすると壁電圧の調整が過剰となり、 た、下限値よりも小さくすると壁電圧の調 が不足して、それぞれ続く書込み動作を安 に行えない恐れがあるためである。

 また、実施の形態1では、消去ランプ波形 電圧の勾配を約10V/μsecにする構成を説明した が、この勾配は、2V/μsec以上20V/μsec以下に設 することが望ましい。勾配をこの上限値よ も急峻にすると壁電圧を調整するための放 が微弱な放電とならず、また、勾配をこの 限値よりも緩やかにすると放電そのものが 弱になりすぎてしまい、それぞれ壁電圧の 整がうまく行えない恐れがあるためである

 次に、実施の形態1におけるプラズマディ スプレイ装置の構成について説明する。図4 、本発明の実施の形態1におけるプラズマデ スプレイ装置の回路ブロック図である。プ ズマディスプレイ装置1は、パネル10、画像 号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査 電極駆動回路43、維持電極駆動回路44、タイ ング発生回路45および各回路ブロックに必要 な電源を供給する電源回路(図示せず)を備え いる。

 画像信号処理回路41は、入力された画像 号sigをサブフィールド毎の発光・非発光を す画像データに変換する。データ電極駆動 路42はサブフィールド毎の画像データを各デ ータ電極D1~Dmに対応する信号に変換し各デー 電極D1~Dmを駆動する。

 タイミング発生回路45は水平同期信号Hお び垂直同期信号Vからの出力をもとにして各 回路ブロックの動作を制御する各種のタイミ ング信号を発生し、それぞれの回路ブロック へ供給する。そして、上述したように、実施 の形態1においては、維持期間の最後におい 消去ランプ波形電圧を発生させる構成とし おり、それに応じたタイミング信号が走査 極駆動回路43および維持電極駆動回路44に出 される。これにより、安定した初期化放電 実現し、書込み動作を安定化させる。

 走査電極駆動回路43は、初期化期間にお て走査電極SC1~SCnに印加する初期化波形電圧 発生するための初期化波形発生回路(図示せ ず)、維持期間において走査電極SC1~SCnに印加 る維持パルスを発生するための維持パルス 生回路(図示せず)、書込み期間において走 電極SC1~SCnに印加する走査パルス電圧を発生 るための走査パルス発生回路(図示せず)を し、タイミング信号にもとづいて各走査電 SC1~SCnをそれぞれ駆動する。維持電極駆動回 44は、維持パルス発生回路(図示せず)および 電圧Ve1、電圧Ve2を発生するための回路を備え 、タイミング信号にもとづいて維持電極SU1~SU nを駆動する。

 次に、走査電極駆動回路43について説明 る。図5は、本発明の実施の形態1における走 査電極駆動回路43の回路図である。走査電極 動回路43は、維持パルスを発生させる維持 ルス発生回路50、初期化波形を発生させる初 期化波形発生回路53、走査パルスを発生させ 走査パルス発生回路54を備えている。なお 図5には、スイッチング素子Q12を用いた分離 路およびスイッチング素子Q13を用いた分離 路を示している。また、以下の説明におい スイッチング素子を導通させる動作を「オ 」、遮断させる動作を「オフ」と表記し、 イッチング素子をオンさせる信号を「Hi」 オフさせる信号を「Lo」と表記する。

 維持パルス発生回路50は、電力回収回路51 とクランプ回路52とを備えている。電力回収 路51は、電力回収用のコンデンサC1、スイッ チング素子Q1、スイッチング素子Q2、逆流防 用のダイオードD1、逆流防止用のダイオード D2、共振用のインダクタL1を有している。な 、電力回収用のコンデンサC1は電極間容量Cp 比べて十分に大きい容量を持ち、電力回収 路51の電源として働くように、電圧値Vsの半 分の約Vs/2に充電されている。クランプ回路52 は、走査電極SC1~SCnを電圧Vsにクランプするた めのスイッチング素子Q3、走査電極SC1~SCnを0(V )にクランプするためのスイッチング素子Q4を 有している。そして、タイミング発生回路45 ら出力されるタイミング信号にもとづき各 イッチング素子を切換えて維持パルス電圧V sが発生される。

 維持パルス発生回路50において、例えば 維持パルス波形を立ち上げる際には、スイ チング素子Q1をオンにして電極間容量Cpとイ ダクタL1とを共振させ、電力回収用のコン ンサC1からスイッチング素子Q1、ダイオードD 1、インダクタL1を通して走査電極SC1~SCnに電 が供給される。そして、走査電極SC1~SCnの電 が電圧Vsに近づいた時点で、スイッチング 子Q3はオンされて、走査電極SC1~SCnは電圧Vsに クランプされる。なお、スイッチング素子Q12 がオフであっても、MOSFETには、スイッチング 動作を行う部分に対してボディダイオードと 呼ばれる寄生ダイオードが逆並列(スイッチ グ動作を行う部分に対して並列に、かつス ッチング動作により電流が流れる方向とは 方向が順方向となるよう)に生成されるため スイッチング素子Q3をオンにすれば、この ディダイオードを介して走査電極SC1~SCnを電 Vsにクランプすることができる。

 逆に、維持パルス波形を立ち下げる際に 、スイッチング素子Q2をオンにして電極間 量CpとインダクタL1とを共振させ、電極間容 CpからインダクタL1、ダイオードD2、スイッ ング素子Q2を通して電力回収用のコンデン C1に電力が回収される。そして、走査電極SC1 ~SCnの電圧が0(V)に近づいた時点で、スイッチ グ素子Q4がオンされて、走査電極SC1~SCnは0(V) にクランプされる。

 また、実施の形態1においては、初期化動 作時の上りランプ波形電圧を発生させるため の傾斜波形発生回路とは別に、消去ランプ波 形電圧を発生させるための傾斜波形発生回路 を設けた構成としている。具体的には、初期 化波形発生回路53は、第1のミラー積分回路55 第2のミラー積分回路56と第3のミラー積分回 路57を備えている。第1のミラー積分回路55は スイッチング素子Q11とコンデンサC10と抵抗R 10とを有し電圧Vi2までランプ状に緩やかに上 する上りランプ波形電圧を発生する第1の傾 斜波形発生回路である。第2のミラー積分回 56は、スイッチング素子Q15とコンデンサC11と 抵抗R12とを有し電圧Versまでランプ状に緩や に上昇する消去ランプ波形電圧を発生する 2の傾斜波形発生回路である。第3のミラー積 分回路57は、スイッチング素子Q14とコンデン C12と抵抗R11とを有し電圧Vi4までランプ状に やかに下降する下りランプ波形電圧を発生 る第3の傾斜波形発生回路である。なお、図 5には、ミラー積分回路のそれぞれの入力端 を入力端子INa、入力端子INb、入力端子INcと て示している。

 また、実施の形態1では、消去ランプ波形 電圧発生時における電圧の上昇を電圧Versで 度良く停止させるために、消去ランプ波形 圧とあらかじめ定められた所定電圧とを比 し、消去ランプ波形電圧が所定電圧に到達 たら直ちに消去ランプ波形電圧を発生させ 第2のミラー積分回路の動作を停止させるス ッチング回路を有する。具体的には、逆流 止用のダイオードD13、電圧Versの電圧値を調 整するための抵抗R13、初期化波形発生回路53 ら出力される電圧が電圧Versに到達したら第 2のミラー積分回路56の入力端子INcを「Lo」に るためのスイッチング素子Q16、保護用のダ オードD12、抵抗R14を備えている。

 スイッチング素子Q16は、一般に用いられ いるNPN型のトランジスタからなり、ベース 初期化波形発生回路53の出力に、コレクタ 第2のミラー積分回路56の入力端子INcに、エ ッタを、直列に接続された抵抗R13、ダイオ ドD13を介して電圧Vsに接続されている。抵抗 R13は、初期化波形発生回路53から出力される 圧が電圧Versに到達したらスイッチング素子 Q16がオンするようにその抵抗値が設定されて おり、そのため、初期化波形発生回路53から 力される電圧が電圧Versに到達したらスイッ チング素子Q16はオンする。すると、第2のミ ー積分回路56を動作させるために入力端子INc に入力される電流はスイッチング素子Q16に引 き抜かれるため第2のミラー積分回路56は動作 を停止する。

 一般的にミラー積分回路は、発生させる ンプ波形の勾配に、自身の回路を構成する 子のばらつきの影響を受けやすく、そのた 、単にミラー積分回路の動作期間だけで波 生成を行うと、ランプ波形の最大電圧値が らつきやすい。一方、実施の形態1では、消 去ランプ波形電圧の最大電圧値を目標電圧値 に対して±3(V)に収めるのが望ましいことが確 認されており、実施の形態1における構成を いることで、目標電圧値に対して±1(V)程度 範囲に収めることができ、消去ランプ波形 圧を精度良く発生させることが可能となる

 なお、電圧Vers’は電圧Versよりも高い電 値に設定することが望ましく、実施の形態1 は、電圧Vers’を電圧Vs+30(V)に設定している また、実施の形態1では、電圧Versが電圧Vs+3( V)になるように抵抗R13の抵抗値が設定されて り、具体的には抵抗R13は100ω、電圧Vsは210(V) 、抵抗R14は1kωに設定されている。ただし、 れらの値は表示電極対数1080の42インチのパ ルにもとづき設定した値に過ぎず、パネル 特性やプラズマディスプレイ装置の仕様に じて最適に設定すればよい。

 そして、初期化波形発生回路53は、タイ ング発生回路45から出力されるタイミング信 号にもとづき上述した初期化波形電圧、また は消去ランプ波形電圧を発生させる。

 例えば、初期化波形における上りランプ 形電圧を発生させる場合には、入力端子INa 所定の電圧(例えば、15(V))の定電流が入力さ れて、入力端子INaは「Hi」なる。これにより 抗R10からコンデンサC10に向かって一定の電 が流れ、スイッチング素子Q11のソース電圧 ランプ状に上昇し、走査電極駆動回路43の 力電圧もランプ状に上昇し始める。

 また、全セル初期化動作および選択初期 動作の初期化波形における下りランプ波形 圧を発生させる場合には、入力端子INbに所 の電圧(例えば、15(V))の定電流が入力されて 、入力端子INbは「Hi」になる。すると、抵抗R 11からコンデンサC12に向かって一定の電流が れ、スイッチング素子Q14のドレイン電圧が ンプ状に下降し、走査電極駆動回路43の出 電圧もランプ状に下降し始める。

 また、維持期間の最後において消去ラン 波形電圧を発生させる場合には、入力端子I Ncに所定の電圧の定電流が入力されて、入力 子INcは「Hi」になる。これにより抵抗R12か コンデンサC11に向かって一定の電流が流れ スイッチング素子Q15のソース電圧がランプ に上昇し、走査電極駆動回路43の出力電圧も ランプ状に上昇し始める。なお、実施の形態 1では、抵抗R12の抵抗値を抵抗R10の抵抗値よ も小さくしており、これにより、第2の傾斜 形電圧である消去ランプ波形電圧を、第1の 傾斜波形電圧である上りランプ波形電圧より も勾配を急峻にして発生させている。

 そして、初期化波形発生回路53から出力 れる駆動電圧波形が徐々に上昇して電圧Vers りも高くなると、スイッチング素子Q16がオ して入力端子INcに入力される定電流はスイ チング素子Q16に引き抜かれ、第2のミラー積 分回路56は動作を停止する。これにより、初 化波形発生回路53から出力される駆動電圧 形は直ちにベース電位となる0(V)まで降下す 。こうして、実施の形態1では、消去ランプ 波形電圧発生時における電圧の上昇を所定電 位である電圧Versで精度良く停止させ、その 、直ちにベース電位となる0(V)まで降下させ いる。

 走査パルス発生回路54は、スイッチ回路OU T1~OUTnとスイッチング素子Q21と制御回路IC1~ICn ダイオードD21およびコンデンサC21とを備え いる。スイッチ回路OUT1~OUTnは、走査電極SC1~ SCnのそれぞれに走査パルス電圧を出力する。 スイッチング素子Q21は、スイッチ回路OUT1~OUTn の低電圧側を電圧Vaにクランプする。制御回 IC1~ICnは、スイッチ回路OUT1~OUTnを制御する。 ダイオードD21およびコンデンサC21は、電圧Va 電圧Vscnを重畳した電圧Vcをスイッチ回路OUT1 ~OUTnの高電圧側に印加するために用いられて る。そしてスイッチ回路OUT1~OUTnのそれぞれ 、電圧Vcを出力するためのスイッチング素 QH1~QHnと電圧Vaを出力するためのスイッチン 素子QL1~QLnとを備えている。そして、スイッ 回路OUT1~OUTnは、タイミング発生回路45から 力されるタイミング信号にもとづき、書込 期間において走査電極SC1~SCnに印加する走査 ルス電圧Vaを順次発生する。なお、走査パ ス発生回路54は、初期化期間では初期化波形 発生回路53の電圧波形を、維持期間では維持 ルス発生回路50の電圧波形をそのまま出力 る。

 なお、スイッチング素子Q3、スイッチン 素子Q4、スイッチング素子Q12、スイッチング 素子Q13には非常に大きな電流が流れるため、 これらのスイッチング素子にはFET、IGBT等を 数並列接続して用いインピーダンスを低下 せている。

 また、走査パルス発生回路54は、論理積 算を行うアンドゲートAGと、2つの入力端子 入力される入力信号の大小を比較する比較 CPとを備える。比較器CPは、電圧Vaに電圧Vset2 が重畳された電圧(Va+Vset2)と駆動電圧波形と 比較し、駆動電圧波形の方が電圧(Va+Vset2)よ も高い場合には「0」を、それ以外では「1 を出力する。アンドゲートAGには、2つの入 信号、すなわち比較器CPの出力信号CEL1と切 え信号CEL2とが入力される。切換え信号CEL2と しては、例えば、タイミング発生回路45から 力されるタイミング信号を用いることがで る。そして、アンドゲートAGは、いずれの 力信号も「1」の場合には「1」を出力し、そ れ以外の場合には「0」を出力する。アンド ートAGの出力は制御回路IC1~ICnに入力され、 ンドゲートAGの出力が「0」であればスイッ ング素子QL1~QLnを介して駆動電圧波形を、ア ドゲートAGの出力が「1」であればスイッチ グ素子QH1~QHnを介して電圧Vaに電圧Vscnが重畳 された電圧Vcを出力する。

 なお、実施の形態1では、第1の傾斜波形 生回路、第2の傾斜波形発生回路、第3の傾斜 波形発生回路に、実用的であり比較的構成が 簡単なFETを用いたミラー積分回路を採用して いる。しかし、これらの傾斜波形発生回路は 何らこの構成に限定されるものではなく、上 りランプ波形電圧および下りランプ波形電圧 を発生することができる回路であればどのよ うな回路であってもよい。

 次に、維持電極駆動回路44について説明 る。図6は、発明の実施の形態1における維持 電極駆動回路44の回路図である。なお、図6に はパネル10の電極間容量をCpとして示してい 。

 維持電極駆動回路44の維持パルス発生回 60は、走査電極駆動回路43の維持パルス発生 路50とほぼ同様の構成である。維持パルス 生回路60は、維持電極SU1~SUnを駆動するとき 電力を回収して再利用するための電力回収 路61と、維持電極SU1~SUnを電圧Vsおよび0(V)に ランプするためのクランプ回路62とを備えて おり、パネル10の電極間容量Cpの一端である 持電極SU1~SUnに接続されている。

 電力回収回路61は、電力回収用のコンデ サC30、スイッチング素子Q31、スイッチング 子Q32、逆流防止用のダイオードD31、ダイオ ドD32、共振用のインダクタL30を有している そして、電力回収回路61は、電極間容量Cpと ンダクタL30とをLC共振させて維持パルスの ち上がりおよび立ち下がりを行う。クラン 回路62は、維持電極SU1~SUnを電圧Vsにクランプ するためのスイッチング素子Q33、維持電極SU1 ~SUnを0(V)にクランプするためのスイッチング 子Q34を有している。そして、スイッチング 子Q33を介して維持電極SU1~SUnは電源VSに接続 て電圧Vsにクランプされ、スイッチング素 Q34を介して維持電極SU1~SUnは接地して0(V)にク ランプされる。

 また、維持電極駆動回路44は、電圧Ve1を 生する電源VE1、スイッチング素子Q36、スイ チング素子Q37、電圧δVeを発生する電源δVE、 逆流防止用のダイオードD33、コンデンサC31、 スイッチング素子Q38、スイッチング素子Q39を 備えている。スイッチング素子Q36、スイッチ ング素子Q37は、電圧Ve1を維持電極SU1~SUnに印 する。コンデンサC31は、電圧Ve1に電圧δVeを み上げるためのポンプアップ用である。ス ッチング素子Q38、スイッチング素子Q39は、 圧Ve1に電圧δVeを積み上げて電圧Ve2とするた めに用いられている。

 維持電極駆動回路44は、例えば、図3に示 た電圧Ve1を印加するタイミングでは、スイ チング素子Q36、スイッチング素子Q37を導通 せて、維持電極SU1~SUnにダイオードD33、スイ ッチング素子Q36、スイッチング素子Q37を介し て正の電圧Ve1を印加する。なお、このときス イッチング素子Q38を導通させ、コンデンサC31 の電圧が電圧Ve1になるように充電しておく。 また、維持電極駆動回路44は、図3に示した電 圧Ve2を印加するタイミングでは、スイッチン グ素子Q36、スイッチング素子Q37は導通させた まま、スイッチング素子Q38を遮断させるとと もにスイッチング素子Q39を導通させてコンデ ンサC31の電圧に電圧δVeを重畳し、維持電極SU 1~SUnに電圧(Ve1+δVe)、すなわち電圧Ve2を印加す る。このとき、逆流防止用のダイオードD33の 働きにより、コンデンサC31から電源VE1への電 流は遮断される。

 次に、維持期間における駆動電圧波形の 細について説明する。図7は、本発明の実施 の形態1における走査電極駆動回路43および維 持電極駆動回路44の動作の一例を説明するた のタイミングチャートであり、図3の破線で 囲った部分の詳細なタイミングチャートであ る。まず維持パルスの繰り返し周期の1周期 をT1~T6で示した6つの期間に分割し、それぞ の期間について説明する。この繰り返し周 とは、維持期間において表示電極対に繰り し印加される維持パルスの間隔のことであ 、例えば、期間T1~T6によって繰り返される周 期のことを表す。なお、図7では、正極の波 を用いて説明をするが、本発明はこれに限 れるものではない。例えば、負極の波形に ける実施の形態例は省略するが、以下の説 の正極の波形において「立ち上がり」と表 しているものを、負極の波形においては「 ち下がり」に、正極の波形において「立ち がり」と表現しているものを、負極の波形 おいては「立ち上がり」に読みかえること 、負極の波形であっても同様の効果を得る とができるものである。また、図面にはス ッチング素子をオンさせる信号を「ON」、オ フさせる信号を「OFF」と表記する。

 (期間T1)
 時刻t1でスイッチング素子Q2はオンされる。 すると走査電極SC1~SCn側の電荷はインダクタL1 、ダイオードD2、スイッチング素子Q2を通し コンデンサC1に流れ始め、走査電極SC1~SCnの 圧が下がり始める。インダクタL1と電極間容 量Cpとは共振回路を形成しているので、共振 期の1/2の時間経過後の時刻t2において走査 極SC1~SCnの電圧は0(V)付近まで低下する。しか し共振回路の抵抗成分等による電力損失のた め、走査電極SC1~SCnの電圧は0(V)までは下がら い。なお、この間、スイッチング素子Q34は ンに保持されている。

 (期間T2)
 そして時刻t2でスイッチング素子Q4はオンさ れる。すると走査電極SC1~SCnはスイッチング 子Q4を通して直接に接地されるため、走査電 極SC1~SCnの電圧は強制的に0(V)に低下する。

 さらに、時刻t2でスイッチング素子Q31は ンされる。すると、電力回収用のコンデン C30からスイッチング素子Q31、ダイオードD31 インダクタL30を通して電流が流れ始め、維 電極SU1~SUnの電圧が上がり始める。インダク L30と電極間容量Cpとは共振回路を形成して るので、共振周期の1/2の時間経過後の時刻t3 において維持電極SU1~SUnの電圧は電圧Vs付近ま で上昇する。しかし、共振回路の抵抗成分等 による電力損失のため、維持電極SU1~SUnの電 は電圧Vsまでは上がらない。

 (期間T3)
 そして時刻t3でスイッチング素子Q33はオン れる。すると維持電極SU1~SUnはスイッチング 子Q33を通して直接に電源VSへ接続されるた 、維持電極SU1~SUnの電圧は強制的に電圧Vsま 上昇する。すると、書込み放電を起こした 電セルでは走査電極SCi-維持電極SUi間の電圧 放電開始電圧を超え維持放電が発生する。

 (期間T4~T6)
 走査電極SC1~SCnに印加される維持パルスと維 持電極SU1~SUnに印加される維持パルスとは同 波形であり、期間T4から期間T6までの動作は 期間T1から期間T3までの動作を走査電極SC1~SC nと維持電極SU1~SUnとを入れ替えて駆動する動 に等しいので説明を省略する。

 なお、スイッチング素子Q2は時刻t2以降、 時刻t5までにオフすればよく、スイッチング 子Q31は時刻t3以降、時刻t4までにオフすれば よい。また、スイッチング素子Q32は時刻t5以 、次の時刻t2までにオフすればよく、スイ チング素子Q1は時刻t6以降、次の時刻t1まで オフすればよい。また、維持パルス発生回 50、60の出力インピーダンスを下げるために スイッチング素子Q34は時刻t2直前に、スイ チング素子Q3は時刻t1直前にオフにすること 望ましく、スイッチング素子Q4は時刻t5直前 に、スイッチング素子Q33は時刻t4直前にオフ することが望ましい。

 維持期間においては、以上の期間T1~T6の 作が、必要なパルス数に応じて繰り返され 。このようにして、ベース電位となる0(V)か 維持放電を発生させる電位である電圧Vsに 位する維持パルス電圧を、表示電極対24のそ れぞれに交互に印加して放電セルは維持放電 する。

 なお、電力回収回路51のインダクタL1とパネ ル10の電極間容量CpとのLC共振の共振周期、お よび電力回収回路61のインダクタL30と同電極 容量CpとのLC共振の共振周期は、インダクタ L1、インダクタL30のインダクタンスをそれぞ Lとすれば、計算式「2π(LCp) 1/2 」によって求めることができる。そして、実 施の形態1では、電力回収回路51、電力回収回 路61における共振周期の2分の1が約600nsecにな ようにインダクタL1、インダクタL30を設定 ている。そして、維持パルスの立ち上がり 間、ここでは期間T2および期間T5を、共振周 の2分の1よりやや短いかそれ以上の時間に 定することで、比較的弱い1回目の放電が発 した後で2回目の強い放電が発生する2つの ークを持つ発光(以下、「2山発光」と略称す る)を発生させることができる。そして、実 の形態1では、1つのピークを持つ発光(以下 「1山発光」と略称する)を発生させる維持パ ルスと、2山発光を発生させる維持パルスと 切換えて発生させる構成としている。そう て、維持パルスの立ち上がり、すなわち期 T2および期間T5は、1山発光を発生させる維持 パルスでは約350nsecに設定され、2山発光を発 させる維持パルスでは約450nsec~約550nsecに設 されている。なお、図7は、例として2山発 を発生させる維持パルスを示している。

 次に、消去ランプ波形電圧を維持期間の 後に発生させる際の動作について説明する

 (期間T7)
 この期間は、維持電極SU1~SUnに印加された維 持パルスの立ち下がりであり、期間T4と同じ ある。すなわち、時刻t7直前にスイッチン 素子Q33をオフにし時刻t7でスイッチング素子 Q32をオンにすることにより、維持電極SU1~SUn の電荷はインダクタL30、ダイオードD32、ス ッチング素子Q32を通してコンデンサC30に流 始め、維持電極SU1~SUnの電圧が下がり始める また、スイッチング素子Q4はオンに保持し まま、走査電極SC1~SCnはベース電位である0(V) に維持される。

 (期間T8)
 時刻t8でスイッチング素子Q34がオンされて 維持電極SU1~SUnの電圧は強制的に0(V)に低下さ れる。

 また、時刻t8で入力端子INcを「Hi」にする 。これにより、抵抗R12からコンデンサC11に向 かって一定の電流が流れ、スイッチング素子 Q15のソース電圧がランプ状に上昇し、走査電 極駆動回路43の出力電圧は、上りランプ波形 圧よりも急峻な勾配でランプ状に上昇し始 る。こうして、ベース電位となる0(V)から電 圧Versに向かって上昇する第2の傾斜波形電圧 ある消去ランプ波形電圧が発生される。そ て、この消去ランプ波形電圧が上昇する間 走査電極SCiと維持電極SUiとの間の電圧差は 電開始電圧を超える。このとき、実施の形 1では、走査電極SCiと維持電極SUiとの間での み放電が発生するように各数値が設定されて おり、例えば、維持パルス電圧Vsを約210(V)と 、電圧Versを約213(V)とし、消去ランプ波形電 圧の勾配を約10V/μsecとしている。これにより 、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に微弱な放 電を発生させることができ、この微弱な放電 を消去ランプ波形電圧が上昇する期間、継続 させることができる。

 このとき、急激な電圧変化による瞬間的 強い放電を発生させてしまうと、強い放電 発生した大量の荷電粒子は、その急激な電 変化を緩和するように大きな壁電荷を形成 、直前の維持放電で形成された壁電圧を過 に消去してしまう。また、大画面化、高精 化され、駆動インピーダンスが増大したパ ルでは、駆動回路から発生される駆動波形 リンギング等の波形歪が生じやすくなるた 、上述した細幅消去放電を発生させる駆動 形では、波形歪による強い放電が発生する れがある。

 しかし、実施の形態1では、印加電圧を徐 々に上昇させる消去ランプ波形電圧により走 査電極SCiと維持電極SUiとの間に微弱な消去放 電を継続して発生させる構成としている。そ のため、たとえ大画面化、高精細化され、駆 動インピーダンスが増大したパネルであって も、消去放電を安定に発生させることができ 、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧 を、続く書込みを安定に発生させるに最適な 状態に調整することができる。

 なお、図面には示していないが、このと データ電極D1~Dmは0(V)に保持されているので データ電極D1~Dm上には正の壁電圧が形成さ る。

 (期間T9)
 時刻t9で、初期化波形発生回路53から出力さ れる駆動電圧波形が電圧Versに到達すると、 イッチング素子Q16がオンし、第2のミラー積 回路56を動作させるために入力端子INcに入 される電流はスイッチング素子Q16に引き抜 れて第2のミラー積分回路56は動作を停止す 。

 なお、上述したように、走査電極SC1~SCnに 印加する電圧が電圧Versに到達した後、その 圧を維持したままにすると、続く書込み期 での誤放電を誘発する異常放電が発生する れがある。しかし、実施の形態1では、走査 極SC1~SCnに印加する電圧が電圧Versに到達し 後、直ちにベース電位となる0(V)まで降下さ る構成としているので、この異常放電の発 を防止することができる。

 そして、次のサブフィールドの初期化期 となる時刻t10以降では、続くサブフィール の初期化動作、例えば、続くサブフィール が選択初期化サブフィールドであれば、走 電極SC1~SCnには下りランプ波形電圧を印加し 、維持電極には電圧Ve1を印加して選択初期化 動作が開始される。

 次に、維持期間における駆動電圧波形の 細について説明する。図8は、本発明の実施 の形態1における維持パルス波形の概略を示 波形図である。なお、実施の形態1では、波 形状の異なる4種類の維持パルスを切換えて 発生させる構成としている。実際には、各維 持パルスは、維持パルス発生回路50、維持パ ス発生回路60の各スイッチング素子の切換 のタイミングを制御して各電力回収回路お び各電圧クランプ回路の駆動時間を制御す ことで、波形形状が変られている。また、 8では、接地電位を「GND」と記す。

 図8に示すように、本実施の形態では、波 形形状の異なる4種類の維持パルス、すなわ 、基準となる第1の維持パルス、第1の維持パ ルスよりも立ち下がりを急峻にした第2の維 パルス、第1の維持パルスよりも立ち上がり よび立ち下がりを急峻にした第3の維持パル ス、第1の維持パルスよりも立ち上がりを急 にした第4の維持パルスを周期的に切換えて 生させる構成としている。

 具体的には、基準となる維持パルスであ 第1の維持パルスは、立ち上がりにかける時 間(立ち上がり期間)を約550nsecに、立ち下がり にかける時間(立ち下がり期間)を約1000nsecに 定されている。

 また、第2の維持パルスは、立ち下がり期 間は第1の維持パルスよりも短い約400nsecにし 第1の維持パルスよりも立ち下がりを急峻に し、立ち上がり期間は第1の維持パルスと同 の約550nsecになるように設定されている。

 また、第3の維持パルスは、立ち上がり期 間は約350nsecに、立ち下がり期間は約400nsecに て、立ち上がり、立ち下がりともに第1の維 持パルスよりも急峻になるように設定されて いる。

 また、第4の維持パルスは、立ち上がり期 間は第1の維持パルスよりも短い約350nsecにし 第1の維持パルスよりも立ち上がりを急峻に し、立ち下がり期間は第1の維持パルスと同 の約1000nsecに設定されている。

 実施の形態1において、このように4種類 維持パルスを切換えて発生させるのは、次 ような理由による。

 残像現象は、放電セルの発光強度が、そ 放電セルのそれまでの発光の状況に依存し 変化するために発生する現象である。例え 、長時間にわたり静止画を表示した後で、 面全体を明るく発光させると、それまで表 していた静止画が残像として認識されるこ がある。このとき、発光していた放電セル 発光強度が発光しなかった放電セルの発光 度より高くなる場合には正の残像が発生し その逆の場合には負の残像が発生する。ま 、静止画を表示する時間が長くなると、こ ような残像も強くなる傾向がある。

 上述した残像現象が発生する原因につい は未だ不明な部分もあるが、維持期間にお て、1つのピークを持つ発光、すなわち1山 光を発生させる維持パルスと、2つのピーク 持つ発光、すなわち2山発光を発生させる維 持パルスとを周期的に切換えながら発生させ 、維持放電における1山発光と2山発光とのバ ンスを最適にすることにより、残像現象を 減させるとともに各放電セルの表示輝度を 一化することができることが実験的に確認 れた。

 そこで、実施の形態1では、1山発光を発 させる維持パルスと、2山発光を発生させる 持パルスとを周期的に切換えながら発生さ て維持動作を行う構成とする。

 図9は、本発明の実施の形態1において用 る維持パルスとその発光の様子を模式的に す波形図である。

 そして、実施の形態1では、第1の維持パ スおよび第2の維持パルスを2山発光を生じさ せる維持パルスとする。そうして、図9Aに示 ように、第1の維持パルスおよび第2の維持 ルスの立ち上がり期間は、2山発光を生じさ るために約550nsecに設定されている。なお、 図9Aは、第1の維持パルスのみを図示している 。

 また、実施の形態1では、第3の維持パル および第4の維持パルスを1山発光を生じさせ る維持パルスとしている。図9Bに示すように 第3の維持パルスおよび第4の維持パルスの ち上がり期間は、1山発光を生じさせるため 約350nsecに設定されている。図9Bは、第3の維 持パルスのみを図示している。

 なお、実施の形態1では、パルス幅は、第 1の維持パルス~第4の維持パルスで約2.7μsecと ている。

 一方、維持動作においては、維持パルス 立ち上がりで強い放電を発生させると維持 ルスの立ち下がりにおいて微弱な放電が発 することがあることが確認された。この放 は、維持放電で形成された壁電荷を減少さ るため、この立ち下がりによる放電が発生 ると、続く維持放電を不安定に発生させる れがあり、好ましくない。

 しかし、維持パルスの立ち上がりで、1回 の強い放電による1山発光を発生させる場合 その直前の維持パルスにおいては、その立 下がりを急峻にすることで、立ち下がりで 生する微弱な放電を防止できることが実験 に確認された。さらに、このような構成に れば、1山発光がより安定して発生すること 実験的に確認された。

 また、2山発光を発生させる場合には、そ の維持パルスの直前の維持パルスで立ち下が りを緩やかにすれば、2山発光がより安定し 発生することも実験的に確認された。

 そこで、実施の形態1では、1山発光を発 させるために立ち上がりを急峻にした維持 ルスの直前の維持パルス(ここでは、第2の維 持パルスおよび第3の維持パルス)では立ち下 りを急峻(ここでは、約400nsec)にし、2山発光 を発生させるために立ち上がりを緩やかにし た維持パルスの直前の維持パルス(ここでは 第1の維持パルスおよび第4の維持パルス)で 立ち下がりを緩やか(ここでは、約1000nsec)に る。

 図10は、実施の形態1における第1の維持パ ルス、第2の維持パルス、第3の維持パルスお び第4の維持パルスの配列の一例を示す概略 波形図である。この配列の例では、まず、2 発光を発生させる第1の維持パルスが走査電 SC1~SCnと維持電極SU1~SUnとに交互に印加され その後、2山発光を発生させる第2の維持パル スが維持電極SU1~SUnに印加される。これによ 、立ち下がりを緩やかにした維持パルスの 後の維持パルスを、立ち上がりを緩やかに た維持パルスとすることができ、2山発光を 定に発生させることができる。

 第2の維持パルスを維持電極SU1~SUnに印加 た後は、1山発光を発生させる第3の維持パル スが走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SUnとに交互 所定の回数(ここでは、4回)繰り返し印加さ 、その後、1山発光を発生させる第4の維持 ルスが走査電極SC1~SCnに印加される。これに り、立ち下がりを急峻にした維持パルスの 後の維持パルスを、立ち上がりを急峻にし 維持パルスとすることができ、立ち下がり の微弱な放電を防止し、1山発光を安定に発 生させることができる。

 第4の維持パルスを維持電極SU1~SUnに印加 た後は、2山発光を発生させる第1の維持パル スが走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SUnとに交互 印加される。これにより、立ち下がりを緩 かにした維持パルスの直後の維持パルスを 立ち上がりを緩やかにした維持パルスとす ことができ、2山発光を安定に発生させるこ とができる。

 なお、立ち上がりを急峻にした維持パル の連続印加回数を多くすると、無効電力(発 光に寄与することなく無効に消費される電力 )が増加することもあわせて確認された。こ 立ち上がりを急峻にした維持パルスの連続 加回数は、無効電力を増加させることなく 述した効果が十分に得られる範囲に設定す ことが望ましく、実施の形態1では、立ち上 りを急峻にした維持パルスの連続印加回数 2回以上10回以下に設定することが望ましい そして、実施の形態1では、1山発光を発生 せる立ち上がりを急峻にした維持パルスは5 連続して発生(第3の維持パルスを4回連続し 発生させた後、第4の維持パルスを1回発生) せ、2山発光を発生させる立ち上がりを緩や かにした維持パルスは11回連続して発生(第1 維持パルスを10回連続して発生させた後、第 2の維持パルスを1回発生)させるように構成し ている。

 このように、実施の形態1では、第1の維 パルス、第2の維持パルス、第3の維持パルス 、第4の維持パルスの4種類の維持パルスを周 的に切換えて発生させる。それとともに、 1の維持パルスおよび第3の維持パルスをそ ぞれあらかじめ定めた回数連続して発生さ 、かつ第3の維持パルスを発生させる直前に 第2の維持パルスを1回発生させ、また第3の 持パルスを連続して発生させた直後には第4 の維持パルスを1回発生させている。そうし 、立ち上がりを急峻にした維持パルスの直 の維持パルスでは立ち下がりが急峻になる うに、かつ立ち上がりを緩やかにした維持 ルスの直前の維持パルスでは立ち下がりが やかになるように、維持パルスを発生させ いる。

 一方、放電セルに強い放電が発生すると 駆動回路に瞬間的に大電流が流れるため、 動波形にリンギングと呼ばれる波形歪が発 しやすい。例えば、維持パルスに大きなリ ギングが発生すると、維持放電を不安定に るだけでなく、維持パルス発生回路を構成 る各素子に大きな負荷を与える恐れがある そのため、リンギングの発生をできるだけ 減することが望ましい。

 そして、立ち下がりを急峻にした維持パ スの立ち下がりを行う時間と、立ち上がり 急峻にした維持パルスの立ち上がりを行う 間とを重複させることで、リンギングを低 できることが実験的に確認された。

 そこで、実施の形態1では、図10に示すよ に、第2の維持パルスと第3の維持パルスと 間、および第3の維持パルスと第3の維持パル スとの間に、維持パルスの立ち下がりを行う 時間と維持パルスの立ち上がりを行う時間と を重複させた第1の重複期間Tx1を設ける構成 する。

 これにより、立ち上がりを急峻にした維 パルス波形におけるリンギングを低減する とができ、維持パルス発生回路を構成する 素子に与える負荷を低減するとともに維持 電をさらに安定に発生させることが可能と る。

 以上説明したように、実施の形態1は、4 類の維持パルスを周期的に切換えて発生さ るとともにその発生を上述したような配列 し、さらに、立ち下がりを急峻にした維持 ルスと立ち上がりを急峻にした維持パルス の間に第1の重複期間Tx1を設ける構成である こうすることで、維持放電における1山発光 と2山発光とを安定に発生させて、残像現象 のものを軽減させ、各放電セルの表示輝度 均一化させることが可能となる。

 なお、第1の重複期間Tx1を設けるには、維 持パルスを立ち上げるタイミングを早めてや ればよい。図11は、実施の形態1における走査 電極駆動回路および維持電極駆動回路の動作 の他の例を説明するためのタイミングチャー トである。なお、図11において、各スイッチ グ素子の切換え動作は図7に示した動作とほ ぼ同じであるため、ここでは異なる点だけを 説明する。

 第1の重複期間Tx1を設ける場合には、維持 パルスを立ち上げるタイミングを早める。具 体的には、図11に示すように、走査電極SC1~SCn に印加する維持パルスの立ち下がりが終了す る時刻t2bの前の時刻t2aで、維持電極SU1~SUnに 加する維持パルスを立ち上げるためのスイ チング素子Q31はオンされる。また、維持電 SU1~SUnに印加する維持パルスの立ち下がりが 了する時刻t5bの前の時刻t5aで、走査電極SC1~ SCnに印加する維持パルスを立ち上げるための スイッチング素子Q1はオンされる。これによ 、第1の重複期間Tx1を設けることができ、ま た、時刻t2aおよび時刻t5aのタイミングを調整 することで、第1の重複期間Tx1の長さを調整 ることができる。なお、実施の形態1では、 1の重複期間Tx1の長さを、50nsecに設定してい る。

 なお、本発明における各維持パルスの配 は、図10に示した配列に限定されるもので なく、1山発光を発生させる維持パルスと2山 発光を発生させる維持パルスとの割合等は、 残像現象を抑制するように最適に設定するこ とが望ましい。また、上述した維持パルスの 立ち上がりにかける時間や立ち下がりにかけ る時間、あるいは第1の重複期間Tx1等で示し 具体的な各数値等も単に一例を示したもの 過ぎず、残像現象を抑制する効果が得られ ようにパネルの特性やプラズマディスプレ 装置の仕様等に応じて最適に設定すればよ 。

 (実施の形態2)
 実施の形態1における図10では、第1の重複期 間Tx1を設ける構成を説明した。ところで、放 電セルの点灯率(点灯させる放電セルの全放 セルに対する割合)に応じて、立ち下がりを やかにした維持パルスの立ち下がりにかけ 時間(立ち下がり期間)と、立ち上がりを緩 かにした維持パルスの立ち上がりにかける 間(立ち上がり期間)とに重複期間を設ける構 成とすることで、2山発光をさらに安定に発 させることができることが確認された。実 の形態2では、この駆動波形の例について説 する。

 図12は、本発明の実施の形態2における各 持パルスの配列の一例を示す概略波形図で る。なお、実施の形態2では、立ち下がりを 緩やかにした維持パルスの立ち下がり期間と 、立ち上がりを緩やかにした維持パルスの立 ち上がり期間とに重複期間を設けた構成とし ているが、その他の構成は実施の形態1と同 であるため、ここではその異なる点につい 説明する。

 実施の形態2は、図12に示すように、立ち がりを緩やかにした維持パルスの立ち下が 期間と、立ち上がりを緩やかにした維持パ スの立ち上がり期間に、第2の重複期間Tx2を 点灯率に応じて設ける構成である。立ち下が りを緩やかにした維持パルスの立ち下がり期 間と、立ち上がりを緩やかにした維持パルス の立ち上がり期間は、具体的には、図12に示 ように、第1の維持パルスと第1の維持パル との間、および第4の維持パルスと第1の維持 パルスとの間である。また、第2の重複期間Tx 2は、維持パルスの立ち下がりを行う時間と 持パルスの立ち上がりを行う時間とを重複 せた期間である。

 図13は、実施の形態2における点灯率と各 持パルスとの関係の一例を示す図である。

 実施の形態2では、図13に示すように、第1 の重複期間Tx1は点灯率にかかわらず約50nsecと する。また、第2の重複期間Tx2は、点灯率50% 上85%未満のサブフィールドにおいてのみ約10 0nsecとし、その他の点灯率では0nsecとする。

 放電の際に発生する放電電流は点灯率に じて大きく変化する。そのため、2山発光を 発生させる比較的緩やかな立ち上がりの維持 パルスによる放電は、放電電流の変化、すな わち点灯率の変化に影響を受けやすく、例え ば図13に示したような制御にすることで、2山 発光を安定に発生できることが実験的に確認 された。

 さらに、立ち下がりを緩やかにした維持 ルスの立ち下がり期間と、立ち上がりを緩 かにした維持パルスの立ち上がり期間とを 灯率に応じて制御することで、2山発光をさ らに安定に発生できることが実験的に確認さ れた。なお、立ち下がりを緩やかにした維持 パルスの立ち下がり期間は、具体的には、第 1の維持パルスの立ち下がり期間および第4の 持パルスの立ち下がり期間である。立ち上 りを緩やかにした維持パルスの立ち上がり 間は、具体的には第1の維持パルスの立ち上 がり期間および第2の維持パルスの立ち上が 期間である。

 そこで、実施の形態2では、立ち下がりを 緩やかにした維持パルスの立ち下がり期間、 具体的には第1の維持パルスの立ち下がり期 および第4の維持パルスの立ち下がり期間を 点灯率85%以上では900nsecとし、点灯率85%未満 では1000nsecとする。また、立ち上がりを緩や にした維持パルスの立ち上がり期間、具体 には第1の維持パルスの立ち上がり期間およ び第2の維持パルスの立ち上がり期間を、点 率20%未満では450nsecとし、点灯率20%以上50%未 では500nsecとし、点灯率50%以上85%未満では550 nsecとする。点灯率85%以上では、走査電極SC1~S Cnに印加する方を550nsecとし、維持電極SU1~SUn 印加する方を500nsecとする。なお、点灯率85% 上で走査電極SC1~SCnに印加する方の維持パル スと維持電極SU1~SUnに印加する方の維持パル とで立ち上がり期間を変えている。その理 は、立ち上がりを緩やかにした維持パルス 立ち上がり波形が駆動負荷の影響を受けや く、点灯率が高いときに、走査電極SC1~SCnを 動するときの駆動負荷と維持電極SU1~SUnを駆 動するときの駆動負荷とでその差が大きくな ることを考慮してのことである。

 なお、第2の維持パルスの立下がり期間と 第3の維持パルスの立下がり期間は400nsecであ 。そうして、第3の維持パルスの立上がり期 間と第4の維持パルスの立上がり期間は350nsec ある。

 図14は、実施の形態2におけるプラズマデ スプレイ装置101の回路ブロック図である。 施の形態2におけるプラズマディスプレイ装 置101は、図4に示した実施の形態1におけるプ ズマディスプレイ装置1に、点灯率検出回路 48を加えた構成である。そして、実施の形態2 は、上述したように、点灯率検出回路48にお る検出結果にもとづき、タイミング発生回 45が、第2の重複期間Tx2を設け、かつ第1の維 持パルスの立ち上がり期間および第2の維持 ルスの立ち上がり期間と、第1の維持パルス 立ち下がり期間および第4の維持パルスの立 ち下がり期間とを変更する構成である。なお 、その他の動作や各回路の構成等は実施の形 態1と同様である。

 点灯率検出回路48は、サブフィールド毎 画像データにもとづき、全放電セル数に対 る点灯放電セル数の割合、すなわち放電セ の点灯率をサブフィールド毎に検出する。 して、検出した点灯率をあらかじめ定めた 数の点灯率しきい値と比較し、その判定の 果を表す信号をタイミング発生回路45に出力 する。

 なお、実施の形態2では、各点灯率しきい 値を、85%、50%、20%に設定しているが、本発明 は何らこの数値に限定されるものではなく、 パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の 仕様等にもとづいて最適な値に設定すること が望ましい。

 以上、説明したように、実施の形態2は、 点灯率に応じて第2の重複期間Tx2を設け、か 第1の維持パルスの立ち上がり期間および第2 の維持パルスの立ち上がり期間と、第1の維 パルスの立ち下がり期間および第4の維持パ スの立ち下がり期間とを変更する。こうす ことで、2山発光をさらに安定に発生させる ことができ、残像現象を抑制する効果をさら に高めることが可能となる。

 なお、上述の説明で示した具体的な各数 は単に一例を示したものに過ぎず、残像現 を抑制する効果が得られるようにパネルの 性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に じて最適に設定すればよい。

 なお、本発明の実施の形態では、消去ラ プ波形電圧において、上昇する電圧が電圧V ersに到達したら、直ちにベース電位となる0(V )まで降下させる構成を説明した。しかし、 述した異常放電を防止するためには、降下 達電位を電圧Versの70%以下に設定することが ましい。そこで、図15は、本発明の実施の 態1における駆動電圧波形の他の例を示した 形図である。例えば図15に示すように、消 ランプ波形電圧が電圧Versに到達した後、直 に電圧Vb(電圧Vbは、電圧Vers×0.7以下の電圧) で降下させるように構成すれば、たとえ、 の後その電圧Vbを一定期間維持したとして 、上述した異常放電を防止しつつ、上述し 効果を得ることが可能である。

 また、以上の実施の形態では、降下到達 位の下限電圧値をベース電位となる0(V)に設 定しているが、この下限電圧値は、続く下り ランプ波形電圧による選択初期化動作を円滑 に行えるようにするために設定した値に過ぎ ない。本発明の実施の形態は、この下限電圧 値が何ら上述した値に限定されるものではな く、消去動作に続く動作が円滑に行える範囲 で最適に設定すればよい。

 なお、実施の形態2において、維持期間に おける維持パルスの総数が、立ち上がりを急 峻にした維持パルスを連続して発生させる所 定の回数(ここでは、5回)に達しないサブフィ ールドにおいては、例えば、第1の維持パル だけを連続して発生させる構成としてもよ 。あるいは、維持期間において最初に発生 せる維持放電は維持放電を継続させた後に 生させる維持放電と比較して発生しにくい とを考慮し、維持期間において最初に走査 極SC1~SCnに印加する維持パルスは放電の発生 優先した波形形状とし、次に第2の維持パル スを発生させ、その後、残りの維持パルスを 第3の維持パルスにして発生させる構成とし もよい。

 なお、本発明の実施の形態において、図5 、図6に示した走査電極駆動回路43、維持電極 駆動回路44は単なる一構成例を示したものに ぎず、同様の動作を実現できるものであれ 、どのような回路構成であってもかまわな 。例えば、電圧Ve1、電圧Ve2を印加する回路 ついては、図6に示した回路に限定されるも のではなく、例えば、電圧Ve1を発生させる電 源と電圧Ve2を発生させる電源とそれぞれの電 圧を維持電極SU1~SUnに印加するための複数の イッチング素子とを用いて、それぞれの電 を必要なタイミングで維持電極SU1~SUnに印加 る構成とすることもできる。また、図5に示 した消去ランプ波形電圧を発生させるための 回路も単なる一構成例を示したものに過ぎず 、同様の動作を実現できる他の回路に置き換 えることができる。

 なお、本発明の実施の形態は、いわゆる2 相駆動によるパネルの駆動方法にも適用させ ることができ、上述と同様の効果を得ること ができる。いわゆる2相駆動によるパネルの 動方法とは、以下の方法である。走査電極SC 1~SCnは第1の走査電極群と第2の走査電極群と 分割される。書込み期間は、第1の走査電極 に属する走査電極のそれぞれに走査パルス 順次印加する第1の書込み期間と、第2の走 電極群に属する走査電極のそれぞれに走査 ルスを順次印加する第2の書込み期間とで構 される。第1の書込み期間および第2の書込 期間の少なくとも一方において、走査パル を印加する走査電極群に属する走査電極に 、走査パルス電圧よりも高い第2の電圧から 査パルス電圧に遷移し再び第2の電圧に遷移 する走査パルスが順次印加される。走査パル スを印加しない走査電極群に属する走査電極 には、走査パルス電圧より高い第3の電圧と 第2の電圧および第3の電圧より高い第4の電 とのいずれかの電圧が印加される。少なく も隣接する走査電極に走査パルス電圧が印 されている間は第3の電圧が印加される。

 なお、本発明の実施の形態では、消去ラ プ波形電圧を走査電極SC1~SCnに印加する構成 を説明したが、最後の維持パルスを印加する 電極が走査電極SC1~SCnの場合には、消去ラン 波形電圧を維持電極SU1~SUnに印加する構成と ることもできる。しかし、本発明の実施の 態においては、最後の維持パルスを印加す 電極を維持電極SU1~SUnにし、消去ランプ波形 電圧を走査電極SC1~SCnに印加する構成にする が望ましい。

 なお、本発明の実施の形態では、電力回 回路51、61において、維持パルスの立ち上が りと立ち下がりとで1つのインダクタを共通 用いる構成を説明した。しかし、複数のイ ダクタを用い、維持パルスの立ち上がりと ち下がりとで異なるインダクタを使用する 成としてもかまわない。また、その場合に 、例えば、立ち上がりに用いるインダクタ 関しては、共振周期が約1200nsecとなるように 、また、立ち下がりに用いるインダクタに関 しては、立ち上がりとは異なる共振周期、例 えば共振周期が約1500nsecとなるように、設定 てもよい。

 なお、本発明の実施の形態において示し 具体的な各数値、例えば電圧Versの電圧値や 消去パルス波形電圧の勾配、あるいは各維持 パルスの立ち上がり期間、立ち下がり期間、 第1の重複期間Tx1、第2の重複期間Tx2等は、実 に用いた表示電極対数1080の42インチのパネ の特性にもとづき設定したものであって、 に実施の形態の一例を示したものに過ぎな 。本発明の実施の形態はこれらの数値に何 限定されるものではなく、パネルの特性や ラズマディスプレイ装置の仕様等に応じて 適な値に設定することが望ましい。また、 れらの各数値は、上述した効果を得られる 囲でのばらつきを許容するものとする。

 以上の説明から明らかな通り、本発明に れば、残像現象そのものを軽減させるとと に、各放電セルの表示輝度を均一化するこ のできる、画像表示品質のよいプラズマデ スプレイ装置およびパネルの駆動方法を提 することが可能である。

 本発明は、残像現象そのものを軽減させ とともに、各放電セルの表示輝度を均一化 ることのできる、画像表示品質のよいプラ マディスプレイ装置およびパネルの駆動方 として有用である。