Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
SOLAR CELL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116578
Kind Code:
A1
Abstract:
A solar cell (10) comprises a light receiving surface electrode layer (2), a back surface electrode layer (4), and a laminate (3) provided between the light receiving surface electrode layer (2) and the back surface electrode layer (4). The laminate (3) includes a first photoelectric conversion portion (31), and a reflective layer (32) for reflecting a part of light transmitted the first photoelectric conversion portion (31) to the side of the first photoelectric conversion portion (31). The reflective layer (32) has a low refractive index layer (32b) including a material for adjusting refractive index, and a contact layer (32a) inserted between the low refractive index layer (32b) and the first photoelectric conversion portion (31). Refractive index of a material composing the material for adjusting refractive index is lower than the refractive index of a material composing the contact layer (32a). Refractive index of the low refractive index layer (32b) is lower than the refractive index of the contact layer (32a).

Inventors:
YATA SHIGEO
Application Number:
PCT/JP2009/055310
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 18, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SANYO ELECTRIC CO (JP)
YATA SHIGEO
International Classes:
H01L31/075; H01L31/0224; H01L31/046; H01L31/056; H01L31/06; H01L31/076; H01L31/077
Domestic Patent References:
WO1996011500A11996-04-18
Foreign References:
JP2006120737A2006-05-11
US5230746A1993-07-27
JP2000261011A2000-09-22
US5296045A1994-03-22
JP2000150934A2000-05-30
JPH06314804A1994-11-08
JPH04152679A1992-05-26
Other References:
"Conference Record of the Thirty-first IEEE Photovoltaic Specialists Conference", 3 January 2005, article JONES S.J. ET AL.: "Development of multilayer back reflectors for improved a-Si based solar cell performance", pages: 1432 - 1435, XP010823026
Attorney, Agent or Firm:
TERAYAMA, Keishin et al. (JP)
Keishin Terayama (JP)
Download PDF:
Claims:
 導電性及び透光性を有する受光面電極層と、
 導電性を有する裏面電極層と、
 前記受光面電極層と前記裏面電極層との間に設けられた積層体とを備え、
 前記積層体は、光の入射により光生成キャリアを生成する第1光電変換部と、前記第1光電変換部を透過した光の一部を前記第1光電変換部側に反射する反射層とを含んでおり、
 前記反射層は、屈折率調整材を含む低屈折率層と、前記低屈折率層と前記第1光電変換部との間に介挿されたコンタクト層とを有し、
 前記屈折率調整材を構成する材料の屈折率は、前記コンタクト層を構成する材料の屈折率よりも低く、
 前記低屈折率層の屈折率は、前記コンタクト層の屈折率よりも低い
ことを特徴とする太陽電池。
 前記積層体は、前記第1光電変換部と、前記反射層と、光の入射により光生成キャリアを生成する第2光電変換部とが前記受光面電極層側から順に積層された構成を有し、
 前記反射層は、前記低屈折率層と前記第2光電変換部との間に介挿された他のコンタクト層をさらに有し、
 前記屈折率調整材を構成する材料の屈折率は、前記他のコンタクト層を構成する材料の屈折率よりも低く、
 前記低屈折率層の屈折率は、前記他のコンタクト層の屈折率よりも低い
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
 前記コンタクト層は、前記第1光電変換部との間のコンタクト抵抗値が、前記低屈折率層と前記第1光電変換部との間のコンタクト抵抗値よりも小さい材料により構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池。
 前記他のコンタクト層は、前記第2光電変換部との間のコンタクト抵抗値が、前記低屈折率層と前記第2光電変換部との間のコンタクト抵抗値よりも小さい材料により構成されることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池。
 前記コンタクト層又は前記他のコンタクト層の少なくとも一方は、酸化亜鉛又は酸化インジウムを含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の太陽電池。
 絶縁性及び透光性を有する基板上に、第1太陽電池素子及び第2太陽電池素子を有する太陽電池であって、
 前記第1太陽電池素子及び前記第2太陽電池素子のそれぞれは、
 導電性及び透光性を有する受光面電極層と、
 導電性を有する裏面電極層と、
 前記受光面電極層と前記裏面電極層との間に設けられた積層体とを備え、
 前記積層体は、光の入射により光生成キャリアを生成する第1光電変換部と、前記第1光電変換部を透過した光の一部を前記第1光電変換部側に反射する反射層と、光の入射により光生成キャリアを生成する第2光電変換部とを含み、
 前記第1太陽電池素子の前記裏面電極層は、前記第2太陽電池素子の前記受光面電極層に向かって延在する延在部を有し、
 前記延在部は、前記第1太陽電池素子に含まれる前記積層体の側面に露出した前記反射層に接しており、
 前記反射層は、屈折率調整材を含む低屈折率層と、前記低屈折率層と前記第1光電変換部との間に介挿されたコンタクト層と、前記低屈折率層と前記第2光電変換部との間に介挿された他のコンタクト層とを有し、
 前記屈折率調整材を構成する材料の屈折率は、前記コンタクト層を構成する材料の屈折率及び前記他のコンタクト層を構成する材料の屈折率よりも低く、
 前記低屈折率層の屈折率は、前記コンタクト層の屈折率及び前記他のコンタクト層の屈折率よりも低い
ことを特徴とする太陽電池。
Description:
太陽電池

 本発明は、入射した光の一部を反射する 射層を備える太陽電池に関する。

 太陽電池は、クリーンで無尽蔵のエネル ー源である太陽からの光を直接電気に変換 きることから、新しいエネルギー源として 待されている。

 一般的に、太陽電池は、光入射側に設け れる透明電極層と、光入射側の反対側に設 られる裏面電極層との間に、太陽電池に入 した光を吸収して光生成キャリアを生成す 光電変換部を備えている。

 従来から、光電変換部と裏面電極層との に、入射した光の一部を反射する反射層を ける手法が知られている。この手法によれ 、光電変換部を透過した光の一部が反射層 よって光電変換部側に反射されるので、光 変換部において吸収される光の量を増加す ことができる。その結果、光電変換部にお て生成される光生成キャリアが増加するた 、太陽電池の光電変換効率を向上すること できる。

 このような反射層には、一般的に、透光 導電材料である酸化亜鉛(ZnO)が用いられる(M ichio Kondo et al., “Four terminal cell analysis o f amorphous / microcrystalline Si tandem cell”参照 )。

 一方で、近年、太陽電池の光電変換効率 さらなる向上が求められている。

 ここで、光電変換効率をさらに向上させ には、反射層における光の反射率を高める とで、光電変換部において生成される光生 キャリアを増加することが有効である。

 そこで、本発明は、上記の状況に鑑みて されたものであり、光電変換効率を向上可 な太陽電池を提供することを目的とする。

 本発明の一の特徴に係る太陽電池10は、 電性及び透光性を有する受光面電極層2と、 電性を有する裏面電極層4と、前記受光面電 極層2と前記裏面電極層4との間に設けられた 層体3とを備え、前記積層体3は、光の入射 より光生成キャリアを生成する第1光電変換 31と、前記第1光電変換部31を透過した光の 部を前記第1光電変換部31側に反射する反射 32とを含み、前記反射層32は、屈折率調整材 含む低屈折率層32bと、前記低屈折率層32bと 記第1光電変換部31との間に介挿されたコン クト層32aとを有し、前記屈折率調整材を構 する材料の屈折率は、前記コンタクト層32a 構成する材料の屈折率よりも低く、前記低 折率層32bの屈折率は、前記コンタクト層32a 屈折率よりも低いことを要旨とする。

 本発明の第1の特徴に係る太陽電池10によ ば、反射層32が、屈折率調整材を含む低屈 率層32bを含むため、ZnOなどを主体とする従 の反射層よりも反射層32の反射率を高めるこ とができる。また、コンタクト層32aが、低屈 折率層32bと第1光電変換部31との間に介挿され ているため、低屈折率層32bと第1光電変換部31 とが直接接触することに起因する太陽電池10 体におけるシリーズ抵抗(直列抵抗)値の増 を抑制することができる。従って、太陽電 10の光電変換効率を向上させることができる 。

 本発明の一の特徴は、本発明の上述した 徴に係り、前記積層体3は、前記第1光電変 部31と、前記反射層32と、光の入射により光 成キャリアを生成する第2光電変換部33とが 記受光面電極層2側から順に積層された構成 を有し、前記反射層32は、前記低屈折率層32b 前記第2光電変換部33との間に介挿された他 コンタクト層32cをさらに有し、前記屈折率 整材を構成する材料の屈折率は、前記他の ンタクト層32cを構成する材料の屈折率より 低く、前記低屈折率層32bの屈折率は、前記 のコンタクト層32cの屈折率よりも低いこと 要旨とする。

 本発明の一の特徴は、本発明の上述した 徴に係り、前記コンタクト層32aは、前記第1 光電変換部31との間のコンタクト抵抗値が、 記低屈折率層32bと前記第1光電変換部31との のコンタクト抵抗値よりも小さい材料によ 構成されることを要旨とする。

 本発明の一の特徴は、本発明の上述した 徴に係り、前記他のコンタクト層32cは、前 第2光電変換部33との間のコンタクト抵抗値 、前記低屈折率層32bと前記第2光電変換部33 の間のコンタクト抵抗値よりも小さい材料 より構成されることを要旨とする。

 本発明の一の特徴は、本発明の上述した 徴に係り、前記コンタクト層32a又は前記他 コンタクト層32cの少なくとも一方は、酸化 鉛又は酸化インジウムを含むことを要旨と る。

 本発明の一の特徴に係る太陽電池10は、 縁性及び透光性を有する基板1上に、第1太陽 電池素子10a及び第2太陽電池素子10aを有する 陽電池10であって、前記第1太陽電池素子10a び前記第2太陽電池素子10aのそれぞれは、導 性及び透光性を有する受光面電極層2と、導 電性を有する裏面電極層4と、前記受光面電 2層と前記裏面電極層4との間に設けられた積 層体3とを備え、前記積層体3は、光の入射に り光生成キャリアを生成する第1光電変換部 31と、前記第1光電変換部31を透過した光の一 を前記第1光電変換部31側に反射する反射層3 2と、光の入射により光生成キャリアを生成 る第2光電変換部33とを含み、前記第1太陽電 素子10aの前記裏面電極層4は、前記第2太陽 池素子10aの前記受光面電極層2に向かって延 する延在部4aを有し、前記延在部4aは、前記 第1太陽電池素子10aに含まれる前記積層体3の 面に沿って形成され、前記延在部4aは、前 第1太陽電池素子10aに含まれる前記積層体3の 前記側面に露出した前記反射層32に接してお 、前記反射層32は、屈折率調整材を含む低 折率層32bと、前記低屈折率層32bと前記第1光 変換部31との間に介挿されたコンタクト層32 aと、前記低屈折率層32bと前記第2光電変換部3 3との間に介挿された他のコンタクト層32cと 有し、前記屈折率調整材を構成する材料の 折率は、前記コンタクト層32aを構成する材 の屈折率及び前記他のコンタクト層32cを構 する材料の屈折率よりも低く、前記低屈折 層32bの屈折率は、前記コンタクト層32aの屈 率及び前記他のコンタクト層32cの屈折率よ も低いことを要旨とする。

図1は、本発明の第1実施形態に係る太 電池10の断面図である。 図2は、本発明の第2実施形態に係る太 電池10の断面図である。 図3は、本発明の第3実施形態に係る太 電池10の断面図である。 図4は、本発明の第4実施形態に係る太 電池10の断面図である。 図5は、本発明の比較例1及び比較例2に る太陽電池20の断面図である。 図6は、本発明の比較例3に係る太陽電 30の断面図である。

 次に、図面を用いて、本発明の実施形態 ついて説明する。以下の図面の記載におい 、同一又は類似の部分には、同一又は類似 符号を付している。ただし、図面は模式的 ものであり、各寸法の比率等は現実のもの は異なることに留意すべきである。従って 具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判 すべきものである。又、図面相互間におい も互いの寸法の関係や比率が異なる部分が まれていることは勿論である。

 [第1実施形態]
 〈太陽電池の構成〉
 以下において、本発明の第1実施形態に係る 太陽電池の構成について、図1を参照しなが 説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係 る太陽電池10の断面図である。

 図1に示すように、太陽電池10は、基板1と 、受光面電極層2と、積層体3と、裏面電極層4 とを備える。

 基板1は、透光性を有し、ガラス、プラス チック等の透光性材料により構成される。

 受光面電極層2は、基板1上に積層されてお 、導電性及び透光性を有する。受光面電極 2としては、酸化錫(SnO 2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In 2 O 3 )、又は酸化チタン(TiO 2 )などの金属酸化物を用いることができる。 、これらの金属酸化物に、フッ素(F)、錫(Sn) アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、ニ ブ(Nb)などがドープされていてもよい。

 積層体3は、受光面電極層2と裏面電極層4 の間に設けられる。積層体3は、第1光電変 部31と、反射層32とを含む。第1光電変換部31 び反射層32は、受光面電極層2側から順に積 される。

 第1光電変換部31は、受光面電極層2側から 入射する光により光生成キャリアを生成する 。また、第1光電変換部31は、反射層32から反 される光により光生成キャリアを生成する 第1光電変換部31は、p型非晶質シリコン半導 体と、i型非晶質シリコン半導体と、n型非晶 シリコン半導体とが基板1側から積層された pin接合を有する(不図示)。

 反射層32は、第1光電変換部31を透過した の一部を第1光電変換部31側に反射する。反 層32は、第1層32aと、第2層32bとを含む。

 第1層32aと第2層32bとは、第1光電変換部31 から順に積層される。従って、第1層32aは、 1光電変換部31に接触しており、第2層32bは、 第1光電変換部31に接触していない。

 第2層32bは、樹脂などにより構成されるバイ ンダーと、透光性導電材料と、屈折率調整材 とを含む。バインダーとしては、シリカなど を用いることができる。また、透光性導電材 料としては、ZnO、ITOなどを用いることができ る。また、屈折率調整材としては、第1層32a りも低い屈折率を有する材料が用いられる 例えば、屈折率調整材としては、気泡、あ いはSiO 2 ,Al 2 O 3 ,MgO,CaF 2 ,NaF,CaO,LiF,MgF 2 ,SrO,B 2 O 3 などにより構成される微粒子を用いることが できる。従って、第2層32bとしては、例えば シリカ系バインダー中に、ITO粒子と気泡と 含む層を用いることができる。第2層32bに上 のような屈折率調整材が含まれることによ 、第2層32b全体としての屈折率は、第1層32a 屈折率よりも低くなる。

 第1層32aとしては、第1光電変換部31との間 のコンタクト抵抗値が、第2層32bを構成する 料と第1光電変換部31との間のコンタクト抵 値よりも小さい材料が用いられる。

 即ち、第1層32aを構成する材料は、第1光 変換部31と第1層32aとのコンタクト抵抗(接触 抗)値が、第1光電変換部31と第2層32bとを直 接触させた場合のコンタクト抵抗値未満と るように選択されることが好ましい。

 第1層32aとしては、例えば、ZnO、ITOなどを 用いることができる。

 尚、本発明の第1実施形態にあっては、第 1層32aが本発明の「コンタクト層」に相当す 。また、第2層32bが、本発明の「低屈折率層 に相当する。

 また、第1層32aを構成する材料は、第1層32 aを含む積層体3の両端の抵抗値が、第1層32aを 含まない積層体3の両端の抵抗値よりも小さ なるように選択されることが好ましい。

 裏面電極層4は、導電性を有している。裏 面電極層4としては、ZnO、銀(Ag)などを用いる とができるが、これに限るものではない。 面電極層は、ZnOを含む層と、Agを含む層と 、積層体3側から積層した構成を有していて よい。また、裏面電極層4は、Agを含む層の を有していてもよい。

 〈作用及び効果〉
 本発明の第1実施形態に係る太陽電池10にお て、反射層32は、屈折率調整材を含む第2層3 2bと、第2層32bと第1光電変換部31との間のコン タクト抵抗値よりも第1光電変換部31との間の コンタクト抵抗値が小さい材料からなる第1 32aとを含む。第1層32a及び第2層32bは、第1光 変換部31側から順に積層される。

 従って、第2層32bは、第1光電変換部31に直 接接触していないので、太陽電池10の光電変 効率を向上させることができる。この効果 ついて、以下に詳説する。

 本発明の第1実施形態に係る太陽電池10で 、反射層32に含まれる第2層32bが、従来から 射層の主体として用いられていたZnOよりも い屈折率を有する材料により構成される屈 率調整材を含む。このような第2層32b全体と しての屈折率は、ZnOにより構成される層の屈 折率よりも低くなる。そのため、このような 第2層32bが反射層32に含まれることにより、ZnO を主体とする従来の反射層よりも、反射層32 反射率を高めることができる。

 ここで、反射層32が、第1層32aを有しない 合や、第1層32a及び第2層32bが裏面電極層4側 ら順に積層されている場合、屈折率調整材 含む第2層32bが、第1光電変換部31に直接接触 することとなる。屈折率調整材を含む第2層32 bと、シリコンを主体とする第1光電変換部31 のコンタクト抵抗値は非常に高い値である め、第2層32bが第1光電変換部31に直接接触す 場合、太陽電池10全体におけるシリーズ抵 (直列抵抗)値が増大する。従って、太陽電池 10において発生する短絡電流は、反射層32の 射率が高められることによって増加する。 方、太陽電池10の曲線因子(F.F.)は、シリーズ 抵抗値の増大によって減少する。そのため、 太陽電池10の光電変換効率の充分な向上を図 ことができない。

 そこで、本発明の第1実施形態に係る太陽 電池10では、第1層32a及び第2層32bを第1光電変 部31側から順に積層することで、屈折率調 材を含む第2層32bが、第1光電変換部31に直接 触することを回避している。このような構 によれば、太陽電池10全体におけるシリー 抵抗値の増大により太陽電池10の曲線因子(F. F.)が低下することを抑制しつつ、反射層32の 射率を高めることができる。その結果、太 電池10の光電変換効率を向上させることが きる。

 [第2実施形態]
 以下において、本発明の第2実施形態につい て説明する。尚、以下においては、上述した 第1実施形態と第2実施形態との差異について として説明する。

 具体的には、上述した第1実施形態におい て、積層体3は、第1光電変換部31と、反射層32 とを含む。これに対して、第2実施形態にお て、積層体3は、第1光電変換部31及び反射層3 2に加えて第2光電変換部33を含む構造、いわ るタンデム構造を有している。

 〈太陽電池の構成〉
 以下において、本発明の第2実施形態に係る 太陽電池の構成について、図2を参照しなが 説明する。

 図2は、本発明の第2実施形態に係る太陽 池10の断面図である。

 図2に示すように、太陽電池10は、基板1と 、受光面電極層2と、積層体3と、裏面電極層4 とを備える。

 積層体3は、受光面電極層2と裏面電極層4 の間に設けられる。積層体3は、第1光電変 部31と、反射層32と、第2光電変換部33とを含 。

 第1光電変換部31、第2光電変換部33、及び 射層32は、受光面電極層2側から順に積層さ る。

 第1光電変換部31は、受光面電極層2側から 入射する光により光生成キャリアを生成する 。第1光電変換部31は、p型非晶質シリコン半 体と、i型非晶質シリコン半導体と、n型非晶 質シリコン半導体とが基板1側から積層され pin接合を有する(不図示)。

 反射層32は、第1光電変換部31側から入射 た光の一部を第1光電変換部31側に反射する 反射層32は、第1層32aと、第2層32bとを含む。 1層32aと第2層32bとは、第1光電変換部31側か 順に積層される。従って、第1層32aは、第2光 電変換部33に接触しており、第2層32bは、第2 電変換部33に接触していない。

 第2光電変換部33は、入射する光により光 成キャリアを生成する。第2光電変換部33は p型結晶質シリコン半導体と、i型結晶質シ コン半導体と、n型結晶質シリコン半導体と 基板1側から積層されたpin接合を有する(不 示)。

 〈作用及び効果〉
 本発明の第2実施形態に係る太陽電池10によ ば、反射層32に含まれる第1層32a及び第2層32b が、第1光電変換部31側から順に積層される。

 このような構成によれば、太陽電池10が ンデム構造を有していても、太陽電池10全体 におけるシリーズ抵抗値の増大を抑制しつつ 、反射層32の反射率を高めることができる。 って、太陽電池10の光電変換効率を向上さ ることができる。

 [第3実施形態]
 以下において、本発明の第3実施形態につい て説明する。尚、以下においては、上述した 第1実施形態と第3実施形態との差異について として説明する。

 具体的には、上述した第1実施形態におい て、積層体3は、第1光電変換部31と、反射層32 とを含む。これに対して、第3実施形態にお て、積層体3は、第1光電変換部31及び反射層3 2に加えて第2光電変換部33を含む構造、いわ る、タンデム構造を有している。さらに、 3実施形態において、反射層32は、第1層32a及 第2層32bに加えて第3層32cを含む。

 〈太陽電池の構成〉
 以下において、本発明の第3実施形態に係る 太陽電池の構成について、図3を参照しなが 説明する。

 図3は、本発明の第3実施形態に係る太陽 池10の断面図である。

 図3に示すように、太陽電池10は、基板1と 、受光面電極層2と、積層体3と、裏面電極層4 とを備える。

 積層体3は、受光面電極層2と裏面電極層4 の間に設けられる。積層体3は、第1光電変 部31と、反射層32と、第2光電変換部33とを含 。

 第1光電変換部31、反射層32、及び第2光電 換部33は、受光面電極層2側から順に積層さ る。

 第1光電変換部31は、受光面電極層2側から 入射する光により光生成キャリアを生成する 。また、第1光電変換部31は、反射層32から反 される光により光生成キャリアを生成する 第1光電変換部31は、p型非晶質シリコン半導 体と、i型非晶質シリコン半導体と、n型非晶 シリコン半導体とが基板1側から積層された pin接合を有する(不図示)。

 反射層32は、第1光電変換部31を透過した の一部を第1光電変換部31側に反射する。反 層32は、第1層32aと、第2層32bと、第3層32cとを 含む。

 第1層32a、第2層32b及び第3層32cは、第1光電 変換部31側から順に積層されている。従って 第1層32aは、第1光電変換部31に接触しており 、第3層32cは、第2光電変換部33に接触してい 。第2層32bは、第1光電変換部31及び第2光電変 換部33のいずれにも接触していない。

 第2層32bは、樹脂などにより構成されるバイ ンダーと、透光性導電材料と、屈折率調整材 とを含む。バインダーとしては、シリカなど を用いることができる。また、透光性導電材 料としては、ZnO、ITOなどを用いることができ る。また、屈折率調整材としては、第1層32a 屈折率及び第3層32cの屈折率よりも低い屈折 を有する材料が用いられる。例えば、屈折 調整材としては、気泡、あるいはSiO 2 ,Al 2 O 3 ,MgO,CaF 2 ,NaF,CaO,LiF,MgF 2 ,SrO,B 2 O 3 などにより構成される微粒子を用いることが できる。従って、第2層32bとしては、例えば シリカ系バインダー中に、ITO粒子と気泡と 含む層を用いることができる。第2層32bに上 のような屈折率調整材が含まれることによ 、第2層32b全体としての屈折率は、第1層32a 屈折率及び第3層32cの屈折率よりも低くなる

 第1層32aとしては、第1光電変換部31との間 のコンタクト抵抗値が、第2層32bを構成する 料と第1光電変換部31との間のコンタクト抵 値よりも小さい材料が主体として用いられ 。また、第3層32cとしては、第2光電変換部33 の間のコンタクト抵抗値が、第2層32bを構成 する材料と第1光電変換部31との間のコンタク ト抵抗値よりも小さい材料が主体として用い られる。

 即ち、第1層32aを構成する材料は、第1光 変換部31と第1層32aとのコンタクト抵抗値が 第1光電変換部31と第2層32bとを直接接触させ 場合のコンタクト抵抗値未満となるように 択されることが好ましい。また、第3層32cを 構成する材料は、第3層32cと第2光電変換部33 のコンタクト抵抗値が、第2層32bと第2光電変 換部33とを直接接触させた場合のコンタクト 抗値未満となるように選択されることが好 しい。

 また、第1層32aを構成する材料及び第3層32 cを構成する材料は、第1層32a及び第3層32cを含 む積層体3の両端の抵抗値が、第1層32a及び第3 層32cを含まない積層体3の両端の抵抗値より 小さくなるように選択されることが好まし 。

 第1層32a又は第3層32cとしては、例えば、Zn O、ITOなどを用いることができる。尚、第1層3 2aを構成する材料と、第3層32cを構成する材料 とは、同一であってもよく、異なっていても よい。

 尚、本発明の第1実施形態にあっては、第 3層32cが本発明の「他のコンタクト層」に相 する。

 第2光電変換部33は、入射する光により光 成キャリアを生成する。第2光電変換部33は p型結晶質シリコン半導体と、i型結晶質シ コン半導体と、n型結晶質シリコン半導体と 基板1側から積層されたpin接合を有する(不 示)。

 〈作用及び効果〉
 本発明の第3実施形態に係る太陽電池10にお て、反射層32は、屈折率調整材を含む第2層3 2bと、第2層32bと第1光電変換部31との間のコン タクト抵抗値よりも第1光電変換部31との間の コンタクト抵抗値が小さい材料からなる第1 32aと、第2層32bと第2光電変換部33との間のコ タクト抵抗値よりも第2光電変換部との間の コンタクト抵抗値が小さい材料からなる第3 32aとを含む。第1層32a、第2層32b及び第3層32c 、第1光電変換部31側から順に積層される。 って、屈折率調整材を含む第2層32bは、第1光 電変換部31及び第2光電変換部33のいずれにも 触していない。

 このような構成によれば、太陽電池10全 におけるシリーズ抵抗値の増大を抑制しつ 、反射層32の反射率を高めることができる。 そのため、第1光電変換部31において吸収され る光の量を増加させることができる。

 さらに、屈折率調整材を含む第2層32bを含 む反射層32は、ZnOを主体とする従来の反射層 りも、長波長領域(1000nm付近)の光を吸収し くい。そのため、第2光電変換部33において 収される光の量を増加させることができる 従って、太陽電池10の光電変換効率を向上さ せることができる。

 [第4実施形態]
 以下において、本発明の第4実施形態につい て説明する。尚、以下においては、上述した 第3実施形態と第4実施形態との差異について として説明する。

 具体的には、上述した第3実施形態におい て、太陽電池10は、基板1と、受光面電極層2 、積層体3と、裏面電極層4とを備えている。 これに対して、第4実施形態において、太陽 池10は、受光面電極層2、積層体3及び裏面電 層4をそれぞれ備える複数の太陽電池素子10a を、基板1上に備えている。

 〈太陽電池の構成〉
 以下において、本発明の第4実施形態に係る 太陽電池の構成について、図4を参照しなが 説明する。図4は、本発明の第4実施形態に係 る太陽電池10の断面図である。

 図4に示すように、太陽電池10は、基板1と 、複数の太陽電池素子10aとを備える。

 複数の太陽電池素子10aのそれぞれは、基 1上に形成される。複数の太陽電池素子10aは 、受光面電極層2と、積層体3と、裏面電極層4 とをそれぞれ備える。

 積層体3は、受光面電極層2と裏面電極層4 の間に設けられる。積層体3は、第1光電変 部31と、反射層32と、第2光電変換部33とを含 。反射層32は、第1層32aと、第2層32bと、第3 32cとを含む。

 第1層32a、第2層32b及び第3層32cは、第1光電 変換部31側から順に積層されている。従って 第1層32aは、第1光電変換部31に接触しており 、第3層32cは、第2光電変換部33に接触してい 。第2層32bは、第1光電変換部31及び第2光電変 換部33のいずれにも接触していない。第1層32a 及び第3層32cの厚さは、極力小さいことが好 しい。

 裏面電極層4は、複数の太陽電池素子10aに 含まれる一の太陽電池素子10aに隣接する他の 太陽電池素子10aの受光面電極層2に向かって 在する延在部4aを有する。

 延在部4aは、一の太陽電池素子10aに含ま る積層体3の側面に沿って形成される。延在 4aは、一の太陽電池素子10aに含まれる積層 3の側面に露出した反射層32に接している。

 〈作用及び効果〉
 本発明の第4実施形態に係る太陽電池10によ ば、反射層32の反射率を高めることに加え 太陽電池10の曲線因子(FF)の低下を抑制する とができるので、太陽電池10の光電変換効率 を向上させることができる。この効果につい て、以下に詳説する。

 従来から反射層の主体として用いられてい ZnOは、そのシート抵抗値が1.0×10 2 ~5.0×10 2 ω/□程度である。そのため、ZnOを主体とする 従来の反射層を用いた場合、太陽電池素子10a において発生した電流の一部が、当該反射層 に沿って延在部4aへと流れてリーク電流が発 する。このようなリーク電流が複数の太陽 池素子10aそれぞれにおいて大きくなると、 陽電池10の曲線因子(F.F.)が低下する。

 これに対し、屈折率調整材を含む第2層32bの シート抵抗値は、1.0×10 6 ω/□以上である。従って、本発明の第4実施 態に係る太陽電池10では、屈折率調整材を含 む第2層32bを反射層32に含めることにより、反 射層32におけるシート抵抗値を、ZnOを主体と る従来の反射層におけるシート抵抗値より 大幅に高くすることができる。そのため、 発明の第4実施形態に係る太陽電池10では、 陽電池素子10aにおいて発生した電流が反射 32に沿って延在部4aに到達することを抑制す ることができる。従って、第2層32bを含む反 層32を用いることにより、ZnOを主体とする従 来の反射層を用いた場合よりも、太陽電池10 曲線因子(FF)の低下を抑制することができる 。以上より、太陽電池10の光電変換効率を向 させることができる。

 また、第1層32a(コンタクト層)は、第2層32b (低屈折率層)と第1光電変換部31との間のコン クト抵抗値を低減し、第3層32c(他のコンタ ト層)は、第2層32b(低屈折率層)と第2光電変換 部33との間のコンタクト抵抗値を低減するも であるから、第1層32a及び第3層32cの厚さを さくすることができる。

 第1層32aの厚さを小さくした場合、第1層32 aのシート抵抗値を増大することができる。 た、第3層32cの厚さを小さくした場合、第3層 32cのシート抵抗値を増大することができる。 ここで、第1層32aの厚さを小さくした場合で っても、第2層32b(低屈折率層)と第1光電変換 31との間のコンタクト抵抗値については充 に低減できる。また、第1層32aの厚さを小さ した場合であっても、第2層32b(低屈折率層) 第1光電変換部31との間のコンタクト抵抗値 ついては充分に低減できる。そのため、第1 層32a及び第3層32cの厚さを極力小さくするこ により、第1層32a及び第3層32cに沿って延在部 4aへと流れるリーク電流を低減することがで る。

 〈その他の実施形態〉
 本発明は上記の実施形態によって記載した 、この開示の一部をなす論述及び図面はこ 発明を限定するものであると理解すべきで ない。この開示から当業者には様々な代替 施形態、実施例及び運用技術が明らかとな う。

 例えば、上述した第1実施形態では、積層 体3に含まれる光電変換部が1つ(第1光電変換 31)であり、第2実施形態及び第3実施形態では 、積層体3に含まれる光電変換部が2つ(第1光 変換部31及び第2光電変換部33)であるが、こ に限定されるものではない。具体的には、 層体3には、3つ以上の光電変換部が含まれて いてもよい。このような場合、反射層32は、 意の隣接する2つの光電変換部の間に設ける ことができる。

 また、上述した第1実施形態では、第1光 変換部31は、p型非晶質シリコン半導体と、i 非晶質シリコン半導体と、n型非晶質シリコ ン半導体とが基板1側から積層されたpin接合 有するが、これに限定されるものではない 具体的には、第1光電変換部31は、p型結晶質 リコン半導体と、i型結晶質シリコン半導体 と、n型結晶質シリコン半導体とが基板1側か 積層されたpin接合を有していてもよい。尚 結晶質シリコンには、微結晶シリコンや多 晶シリコンが含まれるものとする。

 また、上述した第1実施形態~第4実施形態 は、第1光電変換部31及び第2光電変換部33は pin接合を有するが、これに限定されるもの はない。具体的には、第1光電変換部31及び 2光電変換部33の少なくとも一方が、p型シリ コン半導体と、n型シリコン半導体とが基板1 から積層されたpn接合を有していてもよい

 また、上述した第1実施形態~第4実施形態 は、太陽電池10は、基板1上に、受光面電極 2と、積層体3と、裏面電極層4とが順に積層 れた構成を有しているが、これに限定され ものではない。具体的には、太陽電池10は 基板1上に、裏面電極層4と、積層体3と、受 面電極層2とが順に積層された構成を有して てもよい。

 このように、本発明はここでは記載して ない様々な実施形態等を含むことは勿論で る。従って、本発明の技術的範囲は上記の 明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特 事項によってのみ定められるものである。

 以下、本発明に係る太陽電池について、 施例を挙げて具体的に説明する。但し、本 明は、下記の実施例に示したものに限定さ るものではなく、その要旨を変更しない範 において、適宜変更して実施することがで るものである。

 [屈折率評価]
 まず、シリカ系バインダー中にITO粒子(透光 性導電材料)と気泡(屈折率調整材)とを含む層 (以下、気泡含有ITO層)の屈折率と、従来から 射層の主体として用いられているZnO層,ITO層 の屈折率との比較を行った。

 具体的には、まず、アルコール系溶剤中 ITO微粒子とシリカ系バインダーとを混合し 分散液を用いて、スピンコート法により気 含有ITO層を作製した。このとき、スピンコ ト法に用いる直前に分散液を機械攪拌する とにより、分散液中に気泡を含ませた。尚 ITO微粒子としては、平均粒径20~40nmの住友金 属鉱山製ITO微粒子(SUFP)を用いた。また、シリ カ系バインダーの混合割合は、ITO微粒子に対 して10~15体積%とした。

 次に、スピンコート後には、乾燥及び焼 のために、大気中150℃で1時間のアニールを 行った。

 その後、作製された気泡含有ITO層の屈折率 測定した。気泡含有ITO層屈折率の測定結果 表1に示す。

 一般的に、ZnO層及びITO層の屈折率は、約2 .0である。従って、表1に示すように、気泡含 有ITO層の屈折率は、ZnO層及びITO層の屈折率よ りも低いことが確認された。従って、気泡含 有ITO層を反射層に含めることによって、反射 層の反射率を高めることができる。

 [光電変換効率評価]
 次に、以下のようにして実施例1、実施例2 比較例1、比較例2及び比較例3に係る太陽電 を作製し、光電変換効率の比較を行った。

 〈実施例1〉
 以下のようにして、実施例1に係る太陽電池 10を作製した。まず、厚さ4mmのガラス基板(基 板1)上に、SnO 2 層(受光面電極層2)を形成した。

 次に、SnO 2 層(受光面電極層2)上に、プラズマCVD法を用い て、p型非晶質シリコン半導体と、i型非晶質 リコン半導体と、n型非晶質シリコン半導体 とを積層し、第1セル(第1光電変換部31)を形成 した。p型非晶質シリコン半導体、i型非晶質 リコン半導体、及びn型非晶質シリコン半導 体の厚さは、それぞれ15nm、200nm、30nmとした

 次に、第1セル(第1光電変換部31)上に、ス ッタ法及びスピンコート法を用いて、中間 射層(反射層32)を形成した。具体的には、ス パッタ法により形成されるZnO層(第1層32a)、ス ピンコート法により形成される気泡含有ITO層 (第2層32b)及びスパッタ法により形成されるZnO 層(第3層32c)を第1セル(第1光電変換部31)上に順 次積層した。これによって、3層構造を有す 中間反射層(反射層32)を形成した。ZnO層(第1 32a)、気泡含有ITO層(第2層32b)、及びZnO層(第3 32c)の厚さは、それぞれ5nm、20nm、5nmとした。

 次に、中間反射層(反射層32)上に、プラズ マCVD法を用いて、p型微結晶シリコン半導体 、i型微結晶シリコン半導体と、n型微結晶シ リコン半導体とを積層し、第2セル(第2光電変 換部33)を形成した。p型微結晶シリコン半導 、i型微結晶シリコン半導体、及びn型微結晶 シリコン半導体の厚さは、それぞれ30nm、2000n m、20nmとした。

 次に、第2セル(第2光電変換部33)上に、ス ッタ法を用いて、ZnO層及びAg層(裏面電極層4 )を形成した。ZnO層及びAg層(裏面電極層4)の厚 さは、それぞれ90nm、200nmとした。

 以上により、本実施例1では、図3に示す うに、第1セル(第1光電変換部31)と第2セル(第 2光電変換部33)との間に、気泡含有ITO層(第2層 32b)を含む中間反射層(反射層32)を有する太陽 池10を形成した。また、気泡含有ITO層(第2層 32b)と第1セル(第1光電変換部31)との間にZnO層( 1層32a)を介挿し、気泡含有ITO層(第2層32b)と 2セル(第2光電変換部33)との間のZnO層(第3層32c )を介挿した。

 〈比較例1〉
 以下のようにして、比較例1に係る太陽電池 20を作製した。まず、上記実施例1と同様に、 厚さ4mmのガラス基板(基板21)上に、SnO 2 層(受光面電極層22)、第1セル(第1光電変換部23 1)を順次形成した。

 次に、第1セル(第1光電変換部231)上に、ス パッタ法を用いて、中間反射層(反射層232)を 成した。本比較例1では、第1セル(第1光電変 換部231)上にZnO層のみを形成し、当該ZnO層を 間反射層(反射層232)とした。ZnO層(反射層232) 厚さは、30nmとした。

 次に、上記実施例1と同様に、中間反射層 (反射層232)上に、第2セル(第2光電変換部233)、 ZnO層及びAg層(裏面電極層24)を順次形成した。 尚、第1セル(第1光電変換部231)、第2セル(第2 電変換部233)、及びZnO層及びAg層(裏面電極層2 4)の厚さは、上記実施例1と同様とした。

 以上により、本比較例1では、図5に示す うに、第1セル(第1光電変換部231)と第2セル( 2光電変換部233)との間に、ZnO層により構成さ れる中間反射層(反射層232)を有する太陽電池2 0を形成した。

 〈比較例2〉
 以下のようにして、比較例2に係る太陽電池 20を作製した。まず、上記実施例1と同様に、 厚さ4mmのガラス基板(基板21)上に、SnO 2 層(受光面電極層22)、第1セル(第1光電変換部23 1)を順次形成した。

 次に、第1セル(第1光電変換部231)上に、ス パッタ法を用いて、中間反射層(反射層232)を 成した。本比較例2では、第1セル(第1光電変 換部231)上に気泡含有ITO層のみを形成し、当 気泡含有ITO層を中間反射層(反射層232)とした 。気泡含有ITO層(反射層232)の厚さは、30nmとし た。

 次に、上記実施例1と同様に、中間反射層 (反射層232)上に、第2セル(第2光電変換部233)、 ZnO層及びAg層(裏面電極層24)を順次形成した。 尚、第1セル(第1光電変換部231)、第2セル(第2 電変換部233)、及びZnO層及びAg層(裏面電極層2 4)の厚さは、上記実施例1と同様とした。

 以上により、本比較例2では、図5に示す うに、第1セル(第1光電変換部231)と第2セル( 2光電変換部233)との間に、気泡含有ITO層によ り構成される中間反射層(反射層232)を有する 陽電池20を形成した。

 〈特性評価(その1)〉
 実施例1、比較例1及び比較例2に係る太陽電 について、開放電圧、短絡電流、曲線因子 び光電変換効率の各特性値の比較を行った 比較結果を表2に示す。尚、表2においては 比較例1における各特性値を1.00として規格化 して表している。

 表2に示すように、比較例2では、短絡電 については比較例1よりも若干増加している 、曲線因子ついては比較例1よりも低下する ことが確認された。そして、比較例2では、 果として、光電変換効率が比較例1よりも低 することが確認された。

 短絡電流の増加については、比較例2に係 る太陽電池20では、中間反射層(反射層232)が ZnO層よりも屈折率の低い気泡含有ITO層によ て構成されているためであると考えられる 一方で、曲線因子の低下については、比較 2に係る太陽電池20では、中間反射層(反射層2 32)を構成する気泡含有ITO層が、第1セル(第1光 電変換部231)及び第2セル(第2光電変換部233)に 接接触しているために、比較例2に係る太陽 電池20におけるシリーズ抵抗値が増大したた と考えられる。そして、比較例2では、曲線 因子の低下の度合いが大きいために、光電変 換効率が比較例1よりも低下したものと考え れる。

 これに対し、実施例1では、曲線因子につ いては比較例1と比較して若干減少するもの 、短絡電流については比較例1よりも増加す ことが確認された。その結果、実施例1では 、比較例1よりも光電変換効率を向上させる とができることが確認された。

 〈実施例2〉
 以下のようにして、実施例2に係る太陽電池 10を作製した。まず、厚さ4mmのガラス基板(基 板1)上に、SnO 2 層(受光面電極層2)を形成した。

 次に、SnO 2 層(受光面電極層2)上に、プラズマCVD法を用い て、p型非晶質シリコン半導体と、i型非晶質 リコン半導体と、n型非晶質シリコン半導体 とを積層し、第1セル(第1光電変換部31)を形成 した。p型非晶質シリコン半導体、i型非晶質 リコン半導体、及びn型非晶質シリコン半導 体の厚さは、それぞれ15nm、360nm、30nmとした

 次に、第1セル(第1光電変換部31)上に、プ ズマCVD法を用いて、p型微結晶シリコン半導 体と、i型微結晶シリコン半導体と、n型微結 シリコン半導体とを積層し、第2セル(第2光 変換部33)を形成した。p型微結晶シリコン半 導体、i型微結晶シリコン半導体、及びn型微 晶シリコン半導体の厚さは、それぞれ30nm、 2000nm、20nmとした。

 次に、第2セル(第2光電変換部33)上に、ス ッタ法及びスピンコート法を用いて、中間 射層(反射層32)を形成した。具体的には、ス パッタ法により形成されるITO層(第1層32a)、及 びスピンコート法により形成される気泡含有 ITO層(第2層32b)を第2セル(第2光電変換部33)上に 順次積層した。これによって、2層構造を有 る裏面反射層(反射層32)を形成した。ITO層(第 1層32a)及び気泡含有ITO層(第2層32b)の厚さは、 れぞれ45nmとした。

 次に、裏面反射層(反射層32)上に、スパッ タ法を用いて、Ag層(裏面電極層4)を形成した Ag層(裏面電極層4)の厚さは200nmとした。

 以上により、本実施例1では、図2に示す うに、第2セル(第2光電変換部33)とAg層(裏面 極層4)との間に、気泡含有ITO層(第2層32b)を含 む裏面反射層(反射層32)を有する太陽電池10を 形成した。また、気泡含有ITO層(第2層32b)と第 2セル(第2光電変換部33)との間に、ITO層(第1層3 2a)を介挿した。

 〈比較例3〉
 以下のようにして、比較例3に係る太陽電池 30を作製した。まず、上記実施例2と同様に、 厚さ4mmのガラス基板(基板31)上に、SnO 2 層(受光面電極層32)、第1セル(第1光電変換部33 1)、第2セル(第2光電変換部333)を順次形成した 。

 次に、第2セル(第2光電変換部333)上に、ス パッタ法を用いて、裏面反射層(反射層332)を 成した。本比較例3では、第2セル(第2光電変 換部333)上にZnO層のみを形成し、当該ZnO層を 面反射層(反射層332)とした。ZnO層(反射層332) 厚さは、90nmとした。

 次に、上記実施例1と同様に、裏面反射層 (反射層332)上に、Ag層(裏面電極層34)を形成し 。尚、第1セル(第1光電変換部331)、第2セル( 2光電変換部333)及び、Ag層(裏面電極層34)の さは、上記実施例2と同様とした。

 以上により、本比較例3では、図6に示す うに、第2セル(第2光電変換部333)とAg層(裏面 極層34)の間に、ZnO層により構成される裏面 射層(反射層332)を有する太陽電池10を形成し た。

 〈特性評価(その2)〉
 実施例2及び比較例3に係る太陽電池につい 、開放電圧、短絡電流、曲線因子及び光電 換効率の各特性値の比較を行った。比較結 を表3に示す。尚、表3においては、比較例3 おける各特性値を1.00として規格化して表し いる。

 表3に示すように、実施例2では、曲線因 については比較例1と比較して若干減少する のの、短絡電流については比較例3よりも増 加することが確認された。その結果、実施例 2では、比較例3よりも光電変換効率を向上さ ることができることが確認された。

 本発明によれば、光電変換効率を向上さ た太陽電池を提供することができるので、 陽光発電分野において有用である。