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Patent Searching and Data


Title:
SPREAD SPECTRUM CONTROL PLL CIRCUIT AND ITS START-UP METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146433
Kind Code:
A1
Abstract:
A calibration circuit (19) adjusts any one of the charge current of a charge pump circuit (12) and the capacitance value of the filter capacitance of a loop filter circuit (13) and at least one of gains of a voltage control oscillator (14) depending on the frequency of a reference clock signal inputted to a calibration circuit (10).

Inventors:
EBUCHI TSUYOSHI
KOMATSU YOSHIHIDE
YAMAMOTO MICHIYO
Application Number:
PCT/JP2008/000639
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
March 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
EBUCHI TSUYOSHI
KOMATSU YOSHIHIDE
YAMAMOTO MICHIYO
International Classes:
H03C3/00; H03L7/099; H03L7/107; H03L7/18
Foreign References:
JP2007049277A2007-02-22
JP2006197308A2006-07-27
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (5-7 Hommachi 2-chome, Chuo-k, Osaka-shi Osaka 53, JP)
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Claims:
入力された基準クロック信号に基づいて、スペクトラム拡散されたクロック信号を出力するスペクトラム拡散制御PLL回路であって、
 当該PLL回路の出力クロック信号に基づくフィードバッククロック信号と前記基準クロック信号との位相差に応じて、チャージ電流の吐き出し及び吸い込みを切り替えるチャージポンプ回路と、
 前記チャージポンプ回路から出力されるチャージ電流によって充放電されるフィルタ容量を有するループフィルタ回路と、
 入力された制御電圧に応じた周波数で発振する電圧制御発振器と、
 前記基準クロック信号の周波数に応じて、前記チャージポンプ回路のチャージ電流及び前記フィルタ容量の容量値のいずれか一つ及び前記電圧制御発振器のゲインの少なくとも一つを調整するキャリブレーション回路とを備えた
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項1に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記電圧制御発振器は、
  前記制御電圧に応じた電流を生成するVI変換回路と、
  前記生成された電流に応じた周波数で発振するリング発振器とを有するものであり、
 前記キャリブレーション回路は、前記VI変換回路の電圧電流変換ゲインを調整するものである
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項1に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記電圧制御発振器は、
  第1及び第2の電圧及び前記ループフィルタ回路の出力電圧の中からいずれか一つを前記制御電圧として選択するセレクタ回路を有するものであり、
 前記キャリブレーション回路は、
  前記基準クロック信号の周波数に応じた時間を計時するタイマ回路と、
  前記タイマ回路が動作している間、当該PLL回路の出力クロック信号又はその分周クロック信号のパルスをカウントするカウンタ回路と、
  前記セレクタ回路を制御して前記電圧制御発振器に前記第1及び第2の電圧をそれぞれ入力したときの前記カウンタ回路のカウント値の差分が目標値に近づくように前記電圧制御発振器のゲインを調整する制御回路とを有するものである
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項3に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記キャリブレーション回路は、
  前記電圧制御発振器に前記第1及び第2の電圧が入力されたときの前記カウンタ回路のカウント値をそれぞれ記憶する第1及び第2のメモリ回路と、
  前記第1及び第2のメモリ回路に記憶されたカウント値の差分を算出する減算器と、
  前記減算器の出力と前記目標値とを比較する比較器とを有するものであり、
 前記制御回路は、前記比較器の出力に基づいて、前記電圧制御発振器のゲインを調整する
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項4に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記キャリブレーション回路は、デジタル制御信号を出力して前記電圧制御発振器のゲインを切り替えるものであり、
 前記比較器は、比較結果として、前記減算器の出力が前記目標値よりも大きいか否かを示す1ビット情報を出力するものであり、
 前記制御回路は、前記比較器の比較結果に基づいて、二分探索により、前記デジタル制御信号の値を決定するものである
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項3に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記タイマ回路は、前記基準クロック信号又はその分周クロック信号のパルスを所定数カウントする
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項6に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記所定数、前記第1の電圧、前記第2の電圧及び前記目標値の少なくとも一つは可変である
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項1に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記キャリブレーション回路は、
  前記チャージポンプ回路のレプリカであるレプリカチャージポンプ回路、及び前記レプリカチャージポンプ回路から出力されるチャージ電流によって充放電される第2のフィルタ容量を有し、前記レプリカチャージポンプ回路のチャージ電流及び前記第2のフィルタ容量の容量値に応じた周波数で発振する発振器と、
  前記基準クロック信号の周波数に応じた時間を計時するタイマ回路と、
  前記タイマ回路が動作している間、前記発振器の出力クロック信号又はその分周クロック信号のパルスをカウントするカウンタ回路と、
  前記カウンタ回路のカウント値が目標値に近づくように前記レプリカチャージポンプ回路のチャージ電流を調整する制御回路とを有するものであり、
 前記制御回路は、共通の制御信号で、前記チャージポンプ回路及びレプリカチャージポンプ回路のそれぞれのチャージ電流を設定する
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項8に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記キャリブレーション回路は、
  前記カウンタ回路のカウント値と前記目標値とを比較する比較器を有するものであり、
 前記制御回路は、前記比較器の出力に基づいて、前記レプリカチャージポンプ回路のチャージ電流を調整する
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項9に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記キャリブレーション回路は、デジタル制御信号を出力して前記チャージ電流を切り替えるものであり、
 前記比較器は、比較結果として、前記カウンタ回路のカウント値が前記目標値よりも大きいか否かを示す1ビット情報を出力するものであり、
 前記制御回路は、前記比較器の比較結果に基づいて、二分探索により、前記デジタル制御信号の値を決定するものである
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項8に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記タイマ回路は、前記基準クロック信号又はその分周クロック信号のパルスを所定数カウントする
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項11に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記所定数及び前記目標値の少なくとも一つは可変である
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項1に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記キャリブレーション回路は、
  第2のチャージポンプ回路、及び前記フィルタ容量のレプリカであり、前記第2のチャージポンプ回路から出力されるチャージ電流によって充放電されるレプリカフィルタ容量を有し、前記第2のチャージポンプ回路のチャージ電流及び前記レプリカフィルタ容量の容量値に応じた周波数で発振する発振器と、
  前記基準クロック信号の周波数に応じた時間を計時するタイマ回路と、
  前記タイマ回路が動作している間、前記発振器の出力クロック信号又はその分周クロック信号のパルスをカウントするカウンタ回路と、
  前記カウンタ回路のカウント値が目標値に近づくように前記レプリカフィルタ容量の容量値を調整する制御回路とを有するものであり、
 前記制御回路は、共通の制御信号で、前記フィルタ容量及びレプリカフィルタ容量のそれぞれの容量値を設定する
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項13に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記キャリブレーション回路は、
  前記カウンタ回路のカウント値と前記目標値とを比較する比較器を有するものであり、
 前記制御回路は、前記比較器の出力に基づいて、前記レプリカフィルタ容量の容量値を調整する
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項14に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記キャリブレーション回路は、デジタル制御信号を出力して前記フィルタ容量の容量値を切り替えるものであり、
 前記比較器は、比較結果として、前記カウンタ回路のカウント値が前記目標値よりも大きいか否かを示す1ビット情報を出力するものであり、
 前記制御回路は、前記比較器の比較結果に基づいて、二分探索により、前記デジタル制御信号の値を決定するものである
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項13に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記タイマ回路は、前記基準クロック信号又はその分周クロック信号のパルスを所定数カウントする
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項16に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路において、
 前記所定数及び前記目標値の少なくとも一つは可変である
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路。
請求項1に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路のスタートアップ方法であって、
 前記キャリブレーション回路を動作させて前記電圧制御発振器のゲインを調整する第1のステップと、
 前記キャリブレーション回路を動作させて前記チャージポンプ回路のチャージ電流及び前記フィルタ容量の容量値のいずれか一方を調整する第2のステップと、
 前記第1及び第2のステップの後に、前記電圧制御発振器に、所定期間、オフセット電流を通電する第3のステップとを備えた
ことを特徴とするスペクトラム拡散制御PLL回路のスタートアップ方法。
 請求項1に記載のスペクトラム拡散制御PLL回路を備え、
 前記スペクトラム拡散制御PLL回路から出力されるスペクトラム拡散されたクロック信号に同期して動作する
ことを特徴とする電子機器。
Description:
スペクトラム拡散制御PLL回路及 そのスタートアップ方法

 本発明は、スペクトラム拡散されたクロ ク信号を生成する装置、特に、スペクトラ 拡散制御PLL回路(以下、SSC-PLL(Spread Spectrum C ontroled Phase Locked Loop)と称する。)に関する

 近年、SoC(System on Chip)の高速化に伴い、L SI(Large Scale Integration)やデジタル家電製品に ける電磁放射(EMI:Electromagnetic Interference)の 題が顕著になっている。SSC-PLLは、LSIにおけ 基準クロック信号の周波数(入力周波数)に 小変調をかけて出力クロック信号のスペク ラムを拡散し、EMIのピーク値を低減する技 である。SSC-PLLは、低コストで実現でき、し も高いピーク値低減効果を奏するため、EMI 策の切り札として期待されている。スペク ラム拡散変調方式として、ピーク低減効果 高い三角波変調方式がよく用いられる。ま 、スペクトラム拡散変調周波数は一般的に 十KHzである。

 一方、車載IF(Interface)、LVDS(Low Voltage Diffe rential Signaling)、HDMI(High-Definition Multimedia Inte rface)といった高速インタフェースの分野にお いては、デジタル家電製品の高機能化、高性 能化に伴い、動作周波数がワイドレンジ化し ている。例えば、入力周波数として、車載IF は13.5MHz~81MHz、LVDSでは20MHz~160MHz、HDMIでは27MH z~225MHzがそれぞれ要求されている。したがっ 、ワイドレンジの周波数に対応したSSC-PLLが 必要である。

 図15に示したように、SSC-PLLでは、量子化 イズに起因する出力ジッタはループバンド が広がるほど大きくなる。一方、スペクト ム拡散変調に係る出力歪みは、ループバン 幅が狭まるほど大きくなる。出力歪みが大 くなると、EMIのピーク値低減効果は小さく る。したがって、SSC-PLLでは、ループバンド 幅を、ジッタと歪みの双方が小さくなるよう な最適値(図中に示した最適点)に固定するこ が望ましい。しかし、入力周波数に応じて ッタ及び歪みの特性が変わるため、ループ ンド幅の最適値もまた変化する(図15参照)。 したがって、ループバンド幅を固定している と、入力周波数がワイドレンジに変化した場 合にジッタあるいは歪みが増大してしまうお それがある。

 この問題を解消するために、SSC-PLLを構成す るVCO(Voltage Controlled Oscillator)について、制御 電圧に対して本来ならば線形に変化するゲイ ンを非線形に変化させることで、入力周波数 の変化に追従してループバンド幅を最適値に 設定しているものがある(例えば、特許文献1 照)。

米国特許第6980581号明細書

 しかし、アナログ回路で非線形ゲインのV COを構成しようとすると、抵抗素子を使用す 必要があるため回路面積が大きくなってし う。また、設計が非常に困難であり、設計 数も多くなってしまう。したがって、この うなVCOは、低コスト、低面積の要求が厳し SoCにはあまり適していない。また、プロセ ばらつきによってVCOゲインがばらつくため SSC-PLLのループバンド幅にもばらつきが生じ てしまう。したがって、従来の技術は、プロ セスばらつきが大きい微細プロセスにはあま り適していない。

 上記問題に鑑み、本発明は、簡易な構成 VCOを使用しつつワイドレンジの入力周波数 対応してループバンド幅が好適に変化し、 た、プロセスばらつきを吸収して所定の入 周波数に対して所定のループバンド幅とな ようなスペクトラム拡散制御PLL回路を実現 ることを課題とする。

 上記課題を解決するために本発明が講じ 手段は、入力された基準クロック信号に基 いて、スペクトラム拡散されたクロック信 を出力するスペクトラム拡散制御PLL回路で って、当該PLL回路の出力クロック信号に基 くフィードバッククロック信号と基準クロ ク信号との位相差に応じて、チャージ電流 吐き出し及び吸い込みを切り替えるチャー ポンプ回路と、チャージポンプ回路から出 されるチャージ電流によって充放電される ィルタ容量を有するループフィルタ回路と 入力された制御電圧に応じた周波数で発振 る電圧制御発振器と、基準クロック信号の 波数に応じて、チャージポンプ回路のチャ ジ電流及びフィルタ容量の容量値のいずれ 一つ及び電圧制御発振器のゲインの少なく も一つを調整するキャリブレーション回路 を備えたものとする。これによると、キャ ブレーション回路がSSC-PLLにおけるチャージ 電流及びフィルタ容量値のいずれか一方及び VCOゲインの少なくとも一つを調整することに よって、プロセスばらつきを吸収することが できる。また、基準クロック信号の周波数に 応じてその調整を行うため、ワイドレンジの 入力周波数に対応してループバンド幅を好適 に変化させることができる。

 具体的には、電圧制御発振器は、制御電 に応じた電流を生成するVI変換回路と、こ 生成された電流に応じた周波数で発振する ング発振器とを有する。また、キャリブレ ション回路は、VI変換回路の電圧電流変換ゲ インを調整する。このように、抵抗素子を必 要としない設計容易な線形ゲインのVCOを使用 することができる。

 また、具体的には、電圧制御発振器は、 1及び第2の電圧及びループフィルタ回路の 力電圧の中からいずれか一つを制御電圧と て選択するセレクタ回路を有する。そして キャリブレーション回路は、基準クロック 号の周波数に応じた時間を計時するタイマ 路と、タイマ回路が動作している間、当該PL L回路の出力クロック信号又はその分周クロ ク信号のパルスをカウントするカウンタ回 と、セレクタ回路を制御して電圧制御発振 に第1及び第2の電圧をそれぞれ入力したとき のカウンタ回路のカウント値の差分が目標値 に近づくように電圧制御発振器のゲインを調 整する制御回路とを有する。より具体的には 、キャリブレーション回路は、電圧制御発振 器に第1及び第2の電圧が入力されたときのカ ンタ回路のカウント値をそれぞれ記憶する 1及び第2のメモリ回路と、第1及び第2のメモ リ回路に記憶されたカウント値の差分を算出 する減算器と、減算器の出力と目標値とを比 較する比較器とを有する。そして、制御回路 は、比較器の出力に基づいて、電圧制御発振 器のゲインを調整する。さらに具体的には、 キャリブレーション回路は、デジタル制御信 号を出力して電圧制御発振器のゲインを切り 替える。比較器は、比較結果として、減算器 の出力が前記目標値よりも大きいか否かを示 す1ビット情報を出力する。そして、制御回 は、比較器の比較結果に基づいて、二分探 により、デジタル制御信号の値を決定する

 また、具体的には、キャリブレーション 路は、チャージポンプ回路のレプリカであ レプリカチャージポンプ回路、及びレプリ チャージポンプ回路から出力されるチャー 電流によって充放電される第2のフィルタ容 量を有し、レプリカチャージポンプ回路のチ ャージ電流及び第2のフィルタ容量の容量値 応じた周波数で発振する発振器と、基準ク ック信号の周波数に応じた時間を計時する イマ回路と、タイマ回路が動作している間 発振器の出力クロック信号又はその分周ク ック信号のパルスをカウントするカウンタ 路と、カウンタ回路のカウント値が目標値 近づくようにレプリカチャージポンプ回路 チャージ電流を調整する制御回路とを有す 。そして、制御回路は、共通の制御信号で チャージポンプ回路及びレプリカチャージ ンプ回路のそれぞれのチャージ電流を設定 る。より具体的には、キャリブレーション 路は、カウンタ回路のカウント値と目標値 を比較する比較器を有する。そして、制御 路は、比較器の出力に基づいて、レプリカ ャージポンプ回路のチャージ電流を調整す 。さらに具体的には、キャリブレーション 路は、デジタル制御信号を出力して前記チ ージ電流を切り替える。比較器は、比較結 として、カウンタ回路のカウント値が目標 よりも大きいか否かを示す1ビット情報を出 する。そして、制御回路は、比較器の比較 果に基づいて、二分探索により、デジタル 御信号の値を決定する。

 また、具体的には、キャリブレーション 路は、第2のチャージポンプ回路、及びフィ ルタ容量のレプリカであり、第2のチャージ ンプ回路から出力されるチャージ電流によ て充放電されるレプリカフィルタ容量を有 、第2のチャージポンプ回路のチャージ電流 びレプリカフィルタ容量の容量値に応じた 波数で発振する発振器と、基準クロック信 の周波数に応じた時間を計時するタイマ回 と、タイマ回路が動作している間、発振器 出力クロック信号又はその分周クロック信 のパルスをカウントするカウンタ回路と、 ウンタ回路のカウント値が目標値に近づく うにレプリカフィルタ容量の容量値を調整 る制御回路とを有する。そして、制御回路 、共通の制御信号で、フィルタ容量及びレ リカフィルタ容量のそれぞれの容量値を設 する。より具体的には、キャリブレーショ 回路は、カウンタ回路のカウント値と目標 とを比較する比較器を有する。そして、制 回路は、比較器の出力に基づいて、レプリ フィルタ容量の容量値を調整する。さらに 体的には、キャリブレーション回路は、デ タル制御信号を出力してフィルタ容量の容 値を切り替える。比較器は、比較結果とし 、カウンタ回路のカウント値が目標値より 大きいか否かを示す1ビット情報を出力する 。そして、制御回路は、比較器の比較結果に 基づいて、二分探索により、デジタル制御信 号の値を決定する。

 また、上記の各タイマ回路は、基準クロ ク信号又はその分周クロック信号のパルス 所定数カウントする。そして、好ましくは 上記所定数、第1の電圧、第2の電圧及び目 値の少なくとも一つは可変であるとする。 のように、これらパラメータの少なくとも つを可変にすることで、入力周波数とルー バンド幅の関係をアプリケーションに応じ 適宜切り替えることができる。

 以上のように本発明によると、スペクト ム拡散制御PLL回路について、簡易な構成のV COを使用しつつも、入力周波数がワイドレン に変化してもジッタと歪みの双方を抑制し クロック信号を生成することができる。ま 、プロセスばらつきが吸収されるため、ル プバンド幅を精度よく制御することができ 。これにより、SoCに係る要求を満たし、ま 、微細プロセスにおける歩留まりを向上す ことができる。

図1は、本発明の一実施形態に係るSSC-PL Lの構成図である。 図2は、VCOの構成図である。 図3は、制御信号の変化に対するVCOのゲ インの変化を表すグラフである。 図4は、キャリブレーション回路におい てVCOのゲインを調整する回路部分の構成図で ある。 図5は、二分探索によるVCOのゲイン決定 のフローチャートである。 図6は、CPの構成図である。 図7は、制御信号の変化に対するチャー ジ電流の変化を表すグラフである。 図8は、キャリブレーション回路におい てチャージ電流を調整する回路部分の構成図 である。 図9は、二分探索による発振器の発振ゲ イン決定のフローチャートである。 図10は、LPFの構成図である。 図11は、LPFの構成図である。 図12は、キャリブレーション回路にお てフィルタ容量値を調整する回路部分の構 図である。 図13は、本発明の一実施形態に係る電 機器の構成図である。 図14は、本発明の一実施形態に係る電 機器の構成図である。 図15は、SSC-PLLの出力歪み及び出力ジッ タのそれぞれとループバンド幅との関係を表 すグラフである。

符号の説明

10   スペクトラム拡散制御PLL回路
12   チャージポンプ回路
13   ループフィルタ回路
131  フィルタ容量
14   電圧制御発振器
142  VI変換回路
141  リング発振器
144  セレクタ回路
19   キャリブレーション回路
1911 タイマ回路
1912 カウンタ回路
1913 メモリ回路(第1のメモリ回路)
1914 メモリ回路(第2のメモリ回路)
1915 減算器
1916 比較器
1917 制御回路
1921 発振器
1922 レプリカチャージポンプ回路
1923 フィルタ容量(第2のフィルタ容量)
1924 タイマ回路
1925 カウンタ回路
1926 比較器
1927 制御回路
1922’チャージポンプ回路(第2のチャージポン プ回路)
1923’レプリカフィルタ容量

 以下、本発明を実施するための最良の形 について、図面を参照しながら説明する。

 (スペクトラム拡散制御PLL回路の実施形態)
 図1は、本発明の一実施形態に係るSSC-PLLの 成を示す。SSC-PLL10において、周波数位相比 器(PFD)11は、基準クロック信号REFCLKとフィー バッククロック信号FBCLKとの位相差に応じ 信号を出力する。チャージポンプ回路(CP)12 、PFD11の出力に従って、チャージ電流の吐き 出し及び吸い込みを切り替える。ループフィ ルタ回路(LPF)13は、チャージ電流を平滑化し 電圧Vcを生成する。電圧制御発振器(VCO)14は 電圧Vcに応じた周波数で発振し、クロック信 号CKOUTを出力する。分周器(DIV)15は、クロック 信号CKOUTを分周してクロック信号FBCLKを生成 る。より詳細には、DIV15は、スペクトラム拡 散変調制御回路(SSC)16によって生成されたパ ーンに従って分周比を所定時間ごとに切り え、平均的に周波数変調を実現する。SSC16は 、クロック信号FBCLKに基づいてDIV15の分周比 り替えのためのランダムパターンを生成す 。SSC16として、2次~4次のδσ変調回路を用い のが一般的である。

 SSC-PLL10のループバンド幅ωnは、
ωn=√(Kvco/2πN×Icp/C)・・・(1)
という近似式で表される。ただし、IcpはCP12 チャージ電流、CはLPF13におけるフィルタ容 (不図示)の容量値、KvcoはVCO14のゲイン、NはDI V15の分周比である。キャリブレーション回路 19は、基準クロック信号REFCLKの周波数(入力周 波数fref)に応じてKvcoを調整する回路部分191及 びIcp/Cを調整する回路部分192を備えている。 れにより、SSC-PLL10のループバンド幅を適応 に変化させることができるようになってい 。以下、CP12、LPF13、VCO14及びキャリブレー ョン回路19のそれぞれの構成及び動作につい て説明する。

 (電圧制御発振器の構成例)
 図2は、VCO14の回路構成例を示す。リング発 器141は、与えられたバイアス電流Ibiasに応 た周波数で発振してクロック信号CKOUTを出力 する。VI変換回路142は、バイアス電流Ibiasを 成する。バイアス電流Ibiasは、カレントミラ ー回路143から出力される。カレントミラー回 路143の入力側には、サイズの異なる5つのNch ランジスタNM1~NM5と、キャリブレーション回 19の回路部分191から出力される5ビット制御 号REG1[4:0]の各ビットによってスイッチング 御されるスイッチ群が接続されている。ト ンジスタMN1~MN5のゲートには共通の電圧が印 加される。また、トランジスタMN5のサイズを 1(W=1)とすると、トランジスタMN4のサイズは2(W =2)、トランジスタMN3のサイズは4(W=4)、トラン ジスタMN2のサイズは8(W=8)、トランジスタMN1の サイズは16(W=16)となっている。これにより、V I変換回路142の電圧電流変換ゲインを32(=2 5 )段階に切り替え可能となっている。すなわ 、VCO14のゲインは32段階に切り替え可能とな ている。

 図3は、制御信号REG1の変化に対するVCO14の ゲインの変化を表す。制御信号REG1の値を大 くするとゲインは大きくなり、制御信号REG1 値を小さくするとゲインは小さくなる。こ ように、VCO14のゲインは制御信号REG1の値に ぼ比例する。

 図2に戻り、セレクタ回路144は、キャリブ レーション回路19から出力される制御信号VH びVLに従って、H電圧(例えば、1.5V)、L電圧(例 えば、1.25V)及びループフィルタ回路13から出 電圧Vcの中からいずれか一つを選択してト ンジスタMN1~MN5のゲートに供給する。具体的 は、信号VHがアクティブのときにはH電圧が 信号VLがアクティブのときにはL電圧が、信 VH及びVLがいずれもインアクティブのときに は電圧Vcがされる。H電圧及びL電圧は、VCO14内 部又は外部の図示しない電圧生成回路によっ て生成される。なお、SSC-PLL10の通常動作時に はVCO14には電圧Vcが入力され、VCO14は電圧Vcに ぼ比例した周波数で発振する。

 スタートアップ回路145は、信号STUPによっ てスイッチング制御されるスイッチと、それ に接続された電流源とからなる。スタートア ップ回路145は、後述するスタートアップシー ケンスの期間、カレントミラー回路143にオフ セット電流を通電してSSC-PLL10がスタートアッ プ時にデッドロック状態に陥るのを防止する 。

 なお、制御信号REG1のビット数は5以外で よい。ビット数が多いほどVCO14のゲイン設定 の精度が上がる。また、VI変換回路142をPchト ンジスタを用いて構成し、カレントミラー 路143をNchトランジスタを用いて構成しても い。あるいは、VI変換回路142をPchトランジ タを用いて構成し、カレントミラー回路143 Nchトランジスタ及びPchトランジスタを混在 せて構成してもよい。

 (キャリブレーション回路の構成例1)
 図4は、キャリブレーション回路19における 路部分191の構成例を示す。タイマ回路1911は 、基準クロック信号REFCLKの周波数に応じた時 間を計時する。具体的には、タイマ回路1911 、基準クロック信号REFCLKのパルスを所定数N1 だけカウントする。このように、カウントす べきパルス数を固定値にしておくことで、タ イマ回路1911は、入力周波数が高い場合には い時間を、入力周波数が低い場合には長い 間を計時する。すなわち、タイマ回路1911は 入力周波数に比例した時間を計時する。カ ンタ回路1912は、タイマ回路1911が動作して る間、フィードバッククロック信号FBCLKのパ ルスをカウントする。メモリ回路1913は、VCO14 の制御電圧としてH電圧が入力されたときの ウント回路1912のカウント値を記憶する。メ リ回路1914は、VCO14の制御電圧としてL電圧が 入力されたときのカウント回路1912のカウン 値を記憶する。減算器1915は、メモリ回路1913 及び1914に記憶されたカウント値の差分を算 する。比較器1916は、減算器1915の出力と目標 値N2とを比較する。そして、制御回路1917は、 比較器1916の出力に基づいて、制御信号REG1を 力してVCO14のゲインを調整する。また、制 回路1917は、制御信号VH及びVLを出力してセレ クタ回路144を制御する。

 なお、タイマ回路1911には基準クロック信 号REFCLKに代えてその分周クロック信号を入力 するようにしてもよい。同様に、カウンタ回 路1912にはフィードバッククロック信号FBCLKに 代えてSSC-PLL10の出力クロック信号CKOUT又はそ 分周クロック信号を入力するようにしても い。また、上記構成はあくまでも一例であ 、制御回路1917は、セレクタ回路144を制御し てVCO14にH電圧及びL電圧のそれぞれを入力し ときのカウンタ回路1912のカウント値の差分 目標値N2に近づくようにVCO14のゲインを調整 するものであればよい。

 制御信号REG1の値は、比較器1916から出力 れる、減算器1915の出力が目標値よりも大き か否かを示す1ビット情報に基づいて、二分 探索により決定するのが効率的である。図5 、二分探索によるVCO14のゲイン決定のフロー を示す。まず、制御信号REG1のMSBを“1”、他 “0”にする。そして、VCO14にH電圧を入力し (制御信号VH=H)、タイマ回路1911が所定時間(T1 fref)を計時する間のフィードバッククロック 信号FBCLKのパルス数をカウントする(カウント 数=NH)。その後、VCO14にL電圧を入力し(制御信 VL=H)、タイマ回路1911が所定時間(T1∝fref)を 時する間のフィードバッククロック信号FBCLK のパルス数をカウントする(カウント数=NL)。 して、これらカウント数の差分δNが目標値N 2よりも大きいか否かを判定し、大きい場合 は制御信号REG1のMSBを“0”、次のビットを“ 1”にし、小さい場合にはMSBの次のビットを 1”にしてから、VCO14にH電圧を入力するステ プに戻る。上記の判定動作を5回繰り返すこ とで制御信号REG1の最適値が決定される。

 上記構成のVCO14及びキャリブレーション回 19によって、VCO14のゲインが入力周波数に応 て適応的に変化することについて説明する 入力周波数がfref1のとき、比較器1916に入力 れる目標値N2は、
N2=K1×δV×T1・・・(2)
となる。ただし、K1は入力周波数がfref1のと のVCO14のゲイン、δVはH電圧とL電圧との電位 、T1はタイマ回路1911が計時する時間である 時間T1は入力周波数fref1をN1分周していると えると、
N2=K1×δV×N1/fref1・・・(3)
となる。これを変形すると、
K1=(1/N1)×(N2/δV)×fref1・・・(4)
となる。ここで、δVは固定値であるため、N1 N2を固定値にすることでゲインK1を入力周波 数fref1に比例させることができる。

 一方、入力周波数がfref2のときにもN1とN2を 定値にすることで、VCO14のゲインK2は、
K2=(1/N1)×(N2/δV)×fref2・・・(5)
となり、ゲインK2を入力周波数fref2に比例さ ることができる。そして、式(4)と式(5)から
K2/K1=fref2/fref1・・・(6)
が導かれる。すなわち、VCO14のゲイン比は入 周波数比として表される。なお、N1、N2及び δVのうち少なくとも一つを変更することで、 VCO14のゲインと入力周波数との関係を切り替 ることができる。

 (チャージポンプ回路の構成例)
 図6は、CP12の回路構成例を示す。PFD11から出 力された信号UP及びDNによってそれぞれ出力 御される電流源121及び122は、いずれも、キ リブレーション回路19の回路部分192から出力 される5ビット制御信号REG2[4:0]に従って、CP12 チャージ電流を32(=2 5 )段階に切り替え可能となっている。図7は、 御信号REG2の変化に対するCP12のチャージ電 の変化を表す。制御信号REG2の値を大きくす とチャージ電流は大きくなり、制御信号REG2 の値を小さくするとチャージ電流は小さくな る。このように、CP12のチャージ電流は制御 号REG2の値にほぼ比例する。なお、チャージ 流の多段階切り替えは、例えば、2のベキ乗 の電流比の関係にある複数の電流源と、それ ら電流源に接続され、制御信号REG2の各ビッ によってスイッチング制御されるスイッチ とを用いて容易に実現可能である。

 なお、制御信号REG2のビット数は5以外で よい。ビット数が多いほどCP12のチャージ電 設定の精度が上がる。

 (キャリブレーション回路の構成例2)
 図8は、キャリブレーション回路19における 路部分192の構成例を示す。発振器1921は、CP1 2のレプリカであるレプリカチャージポンプ 路(レプリカCP)1922及びフィルタ容量1923を有 ており、レプリカCP1922のチャージ電流Icp及 フィルタ容量1923の容量値Cに応じた周波数(Ic p/2C)で発振する。タイマ回路1924は、基準クロ ック信号REFCLKの周波数に応じた時間を計時す る。具体的には、タイマ回路1924は、基準ク ック信号REFCLKのパルスを所定数N3だけカウン トする。カウンタ回路1925は、タイマ回路1924 動作している間、発振器1921の出力クロック 信号CKOUT2のパルスをカウントする。比較器192 6は、カウンタ回路1925のカウント値と目標値N 4とを比較する。そして、制御回路1927は、比 器1926の出力に基づいて、制御信号REG2を出 してレプリカCP1922のチャージ電流を調整す 。また、制御回路1927は、CP12及びレプリカCP1 922のそれぞれのチャージ電流を共通の制御信 号REG2で設定する。この場合、LPF13におけるフ ィルタ容量に対して容量値を切り替える制御 を行う必要はない。

 なお、レプリカCP1922はCP12と同じサイズで 構成してもよいし、より小さなサイズで構成 してもよい。同様に、フィルタ容量1923はLPF13 における図示しないフィルタ容量と同じサイ ズで構成してもよいし、より小さなサイズで 構成してもよい。要するに、レプリカCP1922の チャージ電流とフィルタ容量1923の容量値と 比をCP12のチャージ電流とLPF13におけるフィ タ容量の容量値との比が同じであればよい これにより、SSC-PLL10のループバンド幅を左 するCP12のチャージ電流の調整を、発振器192 発振周波数の調整に置き換えて実施するこ ができる。

 また、タイマ回路1924には基準クロック信 号REFCLKに代えてその分周クロック信号を入力 するようにしてもよい。同様に、カウンタ回 路1925にはクロック信号CKOUT2に代えてその分 クロック信号を入力するようにしてもよい また、上記構成はあくまでも一例であり、 御回路1927は、カウンタ回路1925のカウント値 が目標値N4に近づくようにレプリカCP1922のチ ージ電流を調整するものであればよい。

 制御信号REG2の値は、比較器1926から出力 れる、カウンタ回路1925のカウント値が目標 よりも大きいか否かを示す1ビット情報に基 づいて、二分探索により決定するのが効率的 である。図9は、二分探索による発振器1921の 振ゲイン決定のフローを示す。まず、制御 号REG2のMSBを“1”、他を“0”にする。そし 、タイマ回路1925が所定時間(T2∝fref)を計時 る間のクロック信号CKOUT2のパルス数をカウ トする(カウント数=N)。その後、そのカウン ト数が目標値N4よりも大きいか否かを判定し 大きい場合には制御信号REG2のMSBを“0”、 のビットを“1”にし、小さい場合にはMSBの のビットを“1”にしてから、クロック信号 CKOUT2のパルス数をカウントするステップに戻 る。上記の判定動作を5回繰り返すことで制 信号REG2の最適値が決定される。

 上記構成のCP12及びキャリブレーション回路 19によって、CP12のチャージ電流が入力周波数 に応じて適応的に変化することについて説明 する。入力周波数がfref1のとき、比較器1926に 入力される目標値N4は、
N4=I1’/2C×T2・・・(7)
となる。ただし、I1’は入力周波数がfref1の きのレプリカCP1922のチャージ電流、Cはフィ タ容量1923の容量値、T2はタイマ回路1925が計 時する時間である。レプリカCP1922のチャージ 電流I1’はCP12のチャージ電流I1の1/n(I1’=I1/n) あるとし、また、時間T2は入力周波数fref1を N3分周していると考えると、
N4=(I1/n)/2C×N3/fref1・・・(8)
となる。これを変形すると、
I1=n×2C×N4/N3×fref1・・・(9)
となる。ここで、n及びCは固定値であるため N3とN4を固定値にすることでチャージ電流I1 入力周波数fref1に比例させることができる

 一方、入力周波数がfref2のときにもN3とN4を 定値にすることで、CP12のチャージ電流I2は
I2=n×2C×N4/N3×fref2・・・(10)
となり、チャージ電流I2を入力周波数fref2に 例させることができる。そして、式(9)と式(1 0)から、
I1/I2=fref2/fref1・・・(11)
が導かれる。すなわち、CP12のチャージ電流 は入力周波数比として表される。なお、N3及 びN4のうち少なくとも一つを変更することで CP12のチャージ電流と入力周波数との関係を 切り替えることができる。

 (ループフィルタ回路の構成例)
 図10は、2次RC構成のLPF13の回路構成例を示す 。図11は、3次RC構成のLPF13の回路構成例を示 。3次RC構成は、2次RC構成と比べて、周波数 カットオフ特性はよくなるが、位相余裕の ージンが小さくなるためワイドレンジの入 周波数には不向きである。いずれも構成に いても、フィルタ容量131は、キャリブレー ョン回路19の回路部分192から出力される5ビ ト制御信号REG2[4:0]に従って、容量値を32(=2 5 )段階に切り替え可能となっている。なお、 ィルタ容量131の容量値の多段階切り替えは 例えば、2のベキ乗の容量比の関係にある複 のキャパシタと、それらキャパシタに接続 れ、制御信号REG2の各ビットによってスイッ チング制御されるスイッチ群とを用いて容易 に実現可能である。

 なお、制御信号REG2のビット数は5以外で よい。ビット数が多いほどフィルタ容量131 容量値設定の精度が上がる。

 (キャリブレーション回路の構成例3)
 図12は、キャリブレーション回路19における 回路部分192の構成例を示す。上記のキャリブ レーション回路の構成2と異なる点について み説明する。発振器1921は、チャージポンプ 路(CP)1922’及びフィルタ容量131のレプリカ あるレプリカフィルタ容量(レプリカC)1923’ 有しており、CP1922’のチャージ電流Icp及び プリカC1923’の容量値Cに応じた周波数(Icp/2C )で発振する。制御回路1927は、比較器1926の出 力に基づいて、制御信号REG2を出力してレプ カC1923’の容量値を調整する。また、制御回 路1927は、フィルタ容量131及びレプリカC1923’ のそれぞれの容量値を共通の制御信号REG2で 定する。この場合、CP12に対してチャージ電 を切り替える制御を行う必要はない。

 なお、CP1922’はCP12と同じサイズで構成し てもよいし、より小さなサイズで構成しても よい。同様に、レプリカC1923’はフィルタ容 131と同じサイズで構成してもよいし、より さなサイズで構成してもよい。要するに、C P1922’のチャージ電流とレプリカC1923’の容 値との比をCP12のチャージ電流とフィルタ容 131の容量値との比が同じであればよい。こ により、SSC-PLL10のループバンド幅を左右す フィルタ容量131の容量値の調整を、発振器1 921の発振周波数の調整に置き換えて実施する ことができる。

 上記構成のLPF13及びキャリブレーション回 19によって、フィルタ容量131の容量値の逆数 が入力周波数に応じて適応的に変化すること について説明する。入力周波数がfref1のとき 比較器1926に入力される目標値N4は、
N4=Icp/2C1’×T2・・・(12)
となる。ただし、IcpはCP1922’のチャージ電流 、C1’は入力周波数がfref1のときのレプリカC1 923’の容量値、T2はタイマ回路1925が計時する 時間である。レプリカC1923’の容量値C1’は ィルタ容量131の容量値C1の1/n(C1’=C1/n)である とし、また、時間T2は入力周波数fref1をN3分周 していると考えると、
N4=Icp/(2C1/n)×N3/fref1・・・(13)
となる。これを変形すると、
1/C1=2/n/Icp×N4/N3×fref1・・・(14)
となる。ここで、n及びIcpは固定値であるた 、N3とN4を固定値にすることで容量値C1の逆 を入力周波数fref1に比例させることができる 。

 一方、入力周波数がfref2のときにもN3とN4を 定値にすることで、フィルタ容量131の容量 C2の逆数は、
1/C2=2/n/Icp×N4/N3×fref2・・・(15)
となり、容量値C2の逆数を入力周波数fref2に 例させることができる。そして、式(14)と式( 15)から、
C2/C1=fref2/fref1・・・(16)
が導かれる。すなわち、フィルタ容量131の容 量値の逆数比は入力周波数比として表される 。なお、N3及びN4のうち少なくとも一つを変 することで、フィルタ容量131の容量値と入 周波数との関係を切り替えることができる

 以上のキャリブレーションによって、SSC- PLL10では、プロセスばらつきによってCP12のチ ャージ電流、LPF13におけるフィルタ容量の容 値、VCO14のゲインがばらついても、それら 規定値となるようにフィードバックがかか て制御信号REG1及びREG2の値が設定される。す なわち、SSC-PLL10では、入力周波数に応じてル ープバンド幅を適応的に変化させることがで きるだけではなく、プロセスばらつきを吸収 することができる。例えば、プロセスがWORST 件に振れると、制御信号REG1の値はTYP条件の ときよりも大きくなるように設定され、プロ セスがBEST条件に振れると、制御信号REG1の値 TYP条件のときよりも小さくなるように設定 れる。

 (SSC-PLLのスタートアップ手順)
 SSC-PLL10は次のように起動させる。まず、キ リブレーション回路19を動作させて、VCO14の ゲインの調整(VCOキャリブレーションシーケ ス)、及びCP12のチャージ電流及びLPF13におけ フィルタ容量の容量値のいずれか一方の調 (CP/LPFキャリブレーションシーケンス)を行 。これら二つのシーケンスのいずれを先に 行してもよい。また、VCOキャリブレーショ シーケンスを実行している間はLPF13の出力は VCO14に入力されないため、これら二つのシー ンスを同時に実行してもよい。

 これら二つのシーケンスを順次実行する 合には、キャリブレーション回路19におけ 回路部分191及び192の相当部分を共用できる め、キャリブレーション回路19の回路面積を 小さくすることができる。一方、これら二つ のシーケンスを同時に実行する場合には、回 路部分191及び192を別個独立に設けなければな らないが、より早くキャリブレーションを完 了することができる。

 VCOキャリブレーションシーケンス及びCP/L PFキャリブレーションシーケンスが終了する 、次に、スタートアップシーケンスを実行 る。スタートアップシーケンスでは、図2に 示したスタートアップ回路145において信号STU PをアクティブにしてVCO14にオフセット電流を 通電する。これにより、VCO14の出力がハイイ ピーダンス状態となることが回避され、SSC- PLL10はオフセット電流で決定される所定の周 数でロック(プリロック)となる。なお、一 に、SSC-PLLにはロック状態を検知するロック 出器が設けられているが、スタートアップ ーケンスでプリロックされる周波数は、こ ロック検出器によって検出されないように ることが望ましい。プリロックが検出され しまうと、不要なデータが出力されるおそ があるからである。

 VCO14の位相ノイズを低減するために、オ セット電流の通電は所定時間後に停止する その後、SSC-PLL10はスペクトラム拡散制御を わない状態で通常のロック状態へ移行する そして、上記のロック検出器によってロッ が検出されるとスペクトラム拡散制御を有 にする。この一連の手順により、SSC-PLL10は ッドロックに陥ることなく安定的に起動す ことができる。

 なお、本実施形態に係るSSC-PLL10を、基準 ロック信号REFCLKにスペクトラム拡散変調を けたり(例えば、2段構成のPLLや高速インタ ェースにおける受信回路)、VCO14の制御電圧Vc にスペクトラム拡散変調をかけたりするよう に変形してもよい。また、入力周波数やスペ クトラム拡散変調周波数が固定されている場 合においてもプロセスばらつきの吸収効果は 有効である。また、キャリブレーション回路 19からアナログ制御信号を出力して、CP12、LPF 13及びVCO14はそのアナログ制御信号に従って 御されるようにしてもよい。

 また、図1に示したキャリブレーション回 路19において、回路部分191及び192のいずれか 方を省略してもよい。すなわち、Kvco(KvcoはV CO14のゲイン)及びIcp/C(IcpはCP12のチャージ電流 、CはLPF13におけるフィルタ容量の容量値)の ずれか一方のみを入力周波数に比例して変 させるようにしても上述した効果が奏され 。しかし、この場合、式(1)からわかるよう 、SSC-PLL10のループバンド幅は入力周波数の1/ 2乗でしか変化させることができない。すな ち、入力周波数の変化に対するループバン 幅の変化の度合いが比較的小さい。このた 、調整対象回路をかなり広い範囲で可変と なければならなくなるが、これは、電源電 の低電圧化が進むと実現が困難となるおそ がある。一方、Kvco及びIcp/Cのいずれも入力 波数に比例して変化させることで、SSC-PLL10 ループバンド幅を入力周波数に比例して変 させることができるようになる。これによ 、VCO14のゲイン、CP12のチャージ電流及びLPF13 におけるフィルタ容量の容量値のそれぞれの 可変範囲を狭くすることができる。

 (電子機器の実施形態1)
 図13は、本発明の一実施形態に係る電子機 (データ送信装置)の構成を示す。データ送信 装置(Tx)100は、上記のSSC-PLL10、パラレルシリ ル変換回路(P/S)101及びドライバ回路102を備え ている。P/S101は、図示しないデジタルブロッ クからの125Mbpsの10ビットパラレル信号を受け て、これを1250Mbpsのシリアル信号に変換する ドライバ回路102は、そのシリアル信号をケ ブルを介して別チップの受信側に送信する( 信号TD及びNTD)。SSC-PLL10は、基準クロック信号 REFCLKからスペクトラム拡散されたクロック信 号CKOUTを生成し、それをP/S101に供給する。SSC- PLL10は、入力周波数がワイドレンジに変化し も(例えば、125MHz~1250MHz)、ジッタと歪みの双 方を抑制したクロック信号CKOUTを生成するこ ができる。これにより、Tx100のEMIを低減す ことができる。

 (電子機器の実施形態2)
 図14は、本発明の一実施形態に係る電子機 (データ受信装置)の構成を示す。データ受信 装置(Rx)100は、上述のSSC-PLL10、レシーバ回路20 1、クロックデータリカバリ回路(CDR)202及びシ リアルパラレル変換回路(S/P)203を備えている レシーバ回路201は、ケーブルを介して別チ プから送られてくる125Mbpsのシリアル信号RD びNRDを受信して増幅する。CDR202は、SSC-PLL10 ら供給されるクロック信号CKOUTを基準とし 、レシーバ回路201から入力されたシリアル 号からクロック信号とデータを再生する。S/ P203は、CDR202から入力された1250Mbpsのシリアル 信号を125Mbpsの10ビットパラレル信号に変換し て、図示しないデジタルブロックに送信する 。SSC-PLL10は、基準クロック信号REFCLKからスペ クトラム拡散されたクロック信号CKOUTを生成 る。SSC-PLL10は、入力周波数がワイドレンジ 変化しても(例えば、125MHz~1250MHz)、ジッタと 歪みの双方を抑制したクロック信号CKOUTを生 することができる。これにより、Rx200のEMI 低減することができる。

 本発明に係るSSC-PLLは、入力周波数がワイ ドレンジに変化してもジッタと歪みの双方を 抑制したクロック信号を生成することができ るため、低EMIが求められるデータ送受信シス テムや無線通信システムなどに有用である。