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Patent Searching and Data


Title:
STABLE MICROBIOCIDAL COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146436
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To stabilize an aqueous isothiazolone compound solution containing 5-chloro-2-methyl-4-isothiazolin-3-one and 2-methyl-4-isothiazolin-3-one. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] The aqueous isothiazolone compound solution containing 5-chloro-2-methyl-4-isothiazolin-3-one and 2-methyl-4-isothiazolin-3-one is mixed with 3-25 wt.% nitric acid salt and 5-500 ppm haloacetamide.

Inventors:
FUNATSU RYOJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000765
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
March 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
CHEMICREA INC (JP)
FUNATSU RYOJI (JP)
International Classes:
A01N25/02; A01N25/22; A01N43/80; A01P1/00; A61K33/24
Foreign References:
JPH03206085A1991-09-09
JP2005527626A2005-09-15
JPH09202705A1997-08-05
JP2005089348A2005-04-07
JPH10114605A1998-05-06
JP2000072608A2000-03-07
JP2005187347A2005-07-14
Other References:
See also references of EP 2165604A4
Attorney, Agent or Firm:
YANAGIDA, Masashi et al. (7FShin-Yokohama KS Bldg. 3-18-3, Shin-Yokohama,Kohoku-k, Yokohama-shi Kanagawa 33, JP)
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Claims:
 5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンおよび2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンを含むイソチアゾロン化合物と、組成物の全重量に基づき3~25重量%の硝酸塩と、5~500ppmのハロアセトアミドと、水とを含む殺微生物組成物。
 前記ハロアセトアミドが2-ヨードアセトアミドであることを特徴とする請求項1記載の殺微生物組成物。
 前記ハロアセトアミドの含有量が組成物の全重量に基づき5~200ppmであることを特徴とする請求項1または2記載の殺微生物組成物。
 前記硝酸塩が、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸ストロンチウム、硝酸アンモニウム、硝酸マグネシウムおよび硝酸カルシウムより成る群から選択されることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の殺微生物組成物。
 前記硝酸塩が、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムおよび硝酸リチウムより成る群から選択されることを特徴とする請求項4記載の殺微生物組成物。
 前記硝酸塩の含有量が組成物の全重量に基づき3~15重量%であることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の殺微生物組成物。
 前記イソチアゾロン化合物の全含有量が、組成物の全重量に基づき0.5~40質量%であることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の殺微生物組成物。
 組成物のpHが5未満であることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の殺微生物組成物。
 組成物のpHが3.5以下であることを特徴とする請求項8記載の殺微生物組成物。
 5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンおよび2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンを含むイソチアゾロン化合物の水溶液を安定化させる方法であって、前記水溶液に、該水溶液の全重量に基づき、3~25重量%の硝酸塩と、5~500ppmのハロアセトアミドとを添加することを特徴とする方法。
 前記ハロアセトアミドが2-ヨードアセトアミドであることを特徴とする請求項10記載の方法。
 前記ハロアセトアミドの添加量が水溶液の全重量に基づき5~200ppmであることを特徴とする請求項10または11記載の方法。
 前記硝酸塩が、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸ストロンチウム、硝酸アンモニウム、硝酸マグネシウムおよび硝酸カルシウムより成る群から選択されることを特徴とする請求項10から12いずれか1項記載の方法。
 前記硝酸塩が、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムおよび硝酸リチウムより成る群から選択されることを特徴とする請求項13記載の方法。
 前記硝酸塩の添加量が水溶液の全重量に基づき3~15重量%であることを特徴とする請求項10から14いずれか1項記載の方法。
 前記イソチアゾロン化合物の全含有量が水溶液の全重量に基づき0.5~40質量%であることを特徴とする請求項10から15いずれか1項記載の方法。
 前記水溶液のpHを5未満に調整することを特徴とする請求項10から16いずれか1項記載の方法。
 前記水溶液のpHを3.5以下に調整することを特徴とする請求項17記載の方法。
Description:
安定な殺微生物組成物

本発明は、殺微生物組成物に関するもので あり、更に詳しくは、諸工業分野におけるさ まざまな水系分散物の防腐や殺菌・静菌に有 用である3-イソチアゾロン化合物の水溶液で 安定性を改善した新規な殺微生物組成物に する。

諸工業分野において利用されている接着剤 、樹脂エマルジョン、インキ、糊剤、塗料、 紙、繊維および建材等の水系分散物製品およ びその製造工程の水系において、細菌、酵母 、糸状菌、藻類等の種々の微生物が増殖して 製品の品質や生産性を著しく低下させること を防止するために、多種多様な殺菌剤および 殺菌組成物が用いられている。特に、3-イソ アゾロン化合物は多様な条件下で広範囲の 生物の増殖等を効果的に防止できることか 汎用されており、中でも5-クロロ-2-メチル-4 -イソチアゾリン-3-オンと2-メチル-4-イソチア ゾリン-3-オンとの混合物(例えば、ケミクレ 社製9:1混合物商品名:ゾーネン-F、ローム& ハース社製3:1混合物商品名:ケーソンLX SF25等 )が商業的に成功を収めている。

しかしながら、5-クロロ-2-メチル-4-イソチ ゾリン-3-オンと2-メチル-4-イソチアゾリン-3 -オンとの混合物を水で希釈して製剤化する 、それらイソチアゾロン化合物の分解が早 、水溶液製剤として安定に提供できないと う問題があった。

従来より、高濃度でマグネシウム塩、カル シウム塩またはナトリウム塩等の金属塩を添 加して、金属コンプレックスとして安定性を 高めた製剤が提供されている。しかしながら 、高濃度でカルシウム、マグネシウム塩等の 多価金属塩を安定化剤として添加した製剤は 、エマルジョン等の特定の水系分散物に添加 したときに、金属イオンの作用によりエマル ジョン相を破壊して凝集をもたらすという問 題があった。また硝酸ナトリウム塩等の一価 金属塩を安定化剤として添加した場合、長期 安定性を十分改善できなかった。

そこで、過酸化物や臭素酸等の酸化物を、 単独であるいは硝酸金属塩に加えて、安定剤 として添加した製剤(例えば特許文献1および2 )や、少量の銅塩を添加して安定性を付与し 製剤(例えば特許文献3および4)が提案されて る。しかしながら、酸化物の配合は、他殺 剤と配合した場合にその酸化作用のため他 菌剤を分解したり、また製剤等に着色をも らすという問題があった。また硝酸銅等の 金属塩の配合は、環境への影響が懸念され 。

さらには、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 、1000ppm以上のハロアセトアミドと、溶剤の みからなる工業用殺菌組成物も提案されてい る(特許文献5)。しかしながら、イソチアゾロ ン水溶液への高濃度のハロアセトアミドの配 合は、他の殺菌剤と混合した場合に他の殺菌 剤を分解することが懸念され、また濁りや着 色をもたらすという問題があった。さらに、 活性成分として2-メチル-4-イソチアゾリン-3- ンのみを配合した製剤は、5-クロロ-2-メチ -4-イソチアゾリン-3-オンと2-メチル-4-イソチ アゾリン-3-オンの混合製剤に比べて抗菌スペ クトルが狭くまた抗菌活性も低いという問題 があった。

特開平5-170608号公報

特開平11-158013号公報

特開平8-165284号公報

特開2000-72608号公報

特開2005-187347号公報

本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの であり、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン- 3-オンおよび2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オ を含むイソチアゾロン化合物の水溶液を、 属塩を高濃度で配合する必要なしに長期に り安定化できる新規な方法を提供すること 目的とするものである。また本発明は、長 間にわたり安定でかつ優れた特性を有する 規な殺微生物組成物を提供することを目的 するものである。

本発明者らは、5-クロロ-2-メチル-4-イソチ ゾリン-3-オンおよび2-メチル-4-イソチアゾ ン-3-オンを含むイソチアゾロン化合物の安 化水溶液を提供すべく種々研究を重ねた結 、それらイソチアゾロン化合物の混合物を む水溶液に、硝酸塩と微量のハロアセトア ド化合物とを組み合わせて配合することに り、高濃度で金属塩を配合しなくても、水 においてそれらイソチアゾロン化合物を共 有意に安定化できることを見出し、この知 に基づいて本発明を達成するに至った。

本発明の殺微生物組成物は、5-クロロ-2-メ ル-4-イソチアゾリン-3-オンおよび2-メチル-4 -イソチアゾリン-3-オンを含むイソチアゾロ 化合物と、組成物の全重量に基づき3~25重量% 硝酸塩と、5~500ppmのハロアセトアミドと、水 を含むことを特徴とする。

また本発明の安定化方法は、5-クロロ-2-メ ル-4-イソチアゾリン-3-オンおよび2-メチル-4 -イソチアゾリン-3-オンを含むイソチアゾロ 化合物の水溶液に、3~25重量%の硝酸塩と、5~5 00ppmのハロアセトアミドとを添加することを 徴とする。

入手し易さ等からハロアセトアミドとして 2-ヨードアセトアミドを用いることが好まし 。また、ハロアセトアミドの含有量は組成 の全重量に基づき、5~200ppmであることがよ 好ましい。

硝酸塩は、好ましくは、硝酸ナトリウム、 硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸ストロン チウム、硝酸アンモニウム、硝酸マグネシウ ムおよび硝酸カルシウムより成る群から選択 され、より好ましくは、硝酸ナトリウム、硝 酸カリウムおよび硝酸リチウムより成る群か ら選択される硝酸一価金属塩が用いられる。 また、硝酸塩の含有量は組成物の全重量に基 づき3~15重量%であることがより好ましい。

本発明において、イソチアゾロン化合物の 全含有量は好ましくは0.5~40質量%である。

さらに、本発明の組成物は5より低いpHを有 する場合により安定であり、さらに好ましく は3.5以下のpHを有する。

尚、本発明において、「イソチアゾロン化 合物の水溶液」とは、イソチアゾリン化合物 を、実質的に水から成る溶媒に溶解させた溶 液を意味する。溶媒は、90%以上の水を含み、 より好ましくは95%以上の水を含み、最も好ま しくは水のみから成る。

また、本発明において、「イソチアゾロン 化合物の水溶液を安定化させる」とは、水溶 液中のイソチアゾロン化合物を化学分解に対 して安定化させることを意味する。

本発明は、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾ ン-3-オンおよび2-メチル-4-イソチアゾリン-3 -オンを含むイソチアゾロン化合物の水溶液 、硝酸塩化合物と微量のハロアセトアミド 合物とを組み合わせて配合することにより 低減された量の硝酸塩の配合で、5-クロロ-2- メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと2-メチル-4- ソチアゾリン-3-オンの両方の水中での安定 を顕著に高めることができ、またハロアセ アミドの配合量が微量であるため、ハロア トアミドによる他の殺菌剤の分解の問題や 色の問題も回避できる。従って、本発明は 長期間にわたり安定に保持できかつ優れた 性および特性を有する新規な殺微生物組成 を提供することができる。

本発明の組成物は、5-クロロ-2-メチル-4-イ チアゾリン-3-オンと2-メチル-4-イソチアゾ ン-3-オンとの混合物を含む。それら2種類の3 -イソチアゾロン化合物を組み合わせて含む とによって、より優れた殺菌または防腐効 をもたらすことができる。

それら3-イソチアゾロン化合物はいずれも 業用殺菌剤として広く使用されており、市 品として容易に入手することができる。ま 、例えば、ゾーネン-F(ケミクレア社製9:1混 製剤)や、ケーソンLX SF25(ローム&ハース 製3:1混合製剤)等の市販の混合製剤も本発明 において用いることができる。

本発明で用いられるイソチアゾロン化合物 における5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン- 3-オンと2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと 配合割合は、特に限定はされないが、好ま くは、重量に基づき50:1から1:50であり、より 好ましくは10:1から1:10であり、さらに好まし は5:1から1:5である。係る範囲の配合割合を する場合に特に高い防腐効果を発揮できる 、本発明の目的を達成できる限り、上記範 に限定されない。

本発明の組成物において、それらイソチア ゾロン化合物の全含有量は、組成物全重量に 対して、好ましくは0.5~40重量%であり、より ましくは5~25重量%である。係る範囲の含有量 で特に高い防腐効果を発揮できるが、本発明 の目的を達成できる限り、その範囲に限定さ れない。

さらに、本発明において、イソチアゾロン 化合物として5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾ ン-3-オンと2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オ から成る混合物を用いることが好ましいが 本発明の目的を達成できる限り、それらの2 の3-イソチアゾロン化合物に加えて、例え 、2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、1,2- ベンズイソチアゾリン-3-オン、4,5-ジクロロ-2 -n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、および N-ブチル-1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン等 他のイソチアゾロン化合物をさらに含めて よい。

本発明の殺微生物組成物は、安定化剤とし て、硝酸塩と微量のハロアセトアミドとを含 む。微量のハロアセトアミドを硝酸塩と組み 合わせて配合することによって、安定化に必 要である硝酸塩の量を半減させることができ 、かつハロアセトアミドの配合量が微量であ るため、他の殺菌剤との配合の際に生じるハ ロアセトアミドによる他の殺菌剤の分解の問 題や、着色の問題も回避できる。

本発明において、硝酸塩として任意の水溶 性硝酸塩を用いることができる。好適な硝酸 塩として、限定はされないが、硝酸ナトリウ ム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸スト ロンチウム、硝酸アンモニウム、硝酸マグネ シウム、および硝酸カルシウム等が挙げられ 、特に、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、お よび硝酸リチウム等の硝酸一価金属塩が好ま しい。本発明において、それら硝酸塩を1種 独でまたは2種以上を組み合わせて用いるこ ができる。

驚くべきことに、本発明によって、より少 ない量の硝酸塩の配合で水溶液中のイソチア ゾロン化合物、特に5-クロロ-2-メチル-4-イソ アゾリン-3-オンを顕著に安定化することが 能である。本発明において、硝酸塩の量は 組成物全重量に基づき3~25重量%であり、よ 好ましくは3~15重量%であり、さらに好ましく は3~12重量%である。3重量%未満ではイソチア ロン化合物を長期間安定化させることがで ず、また25重量%を超えて配合すると金属イ ンによる凝集等の問題が懸念されるため好 しくない。

本発明で用いられるハロアセトアミドとし て、限定はされないが、2-ヨードアセトアミ 、2-ブロモアセトアミド、2-フルオロアセト アミド、および2-クロロアセトアミド等が挙 られ、特に、2-ヨードアセトアミドを用い ことが好ましい。これらハロアセトアミド 、1種単独で用いても、あるいは2種以上を組 み合わせて用いてもよい。

本発明において、ハロアセトアミドの配合 量が微量であるため、ハロアセトアミドによ る他の殺菌剤の分解の問題や着色の問題を回 避できる。ハロアセトアミドの量は、組成物 全重量に基づき、5~500ppmであり、好ましくは5 ~200ppmであり、さらに好ましくは5~100ppmである 。あるいは、ハロアセトアミドの配合量は、 25~500ppm、25~200ppmまたは25~100ppmの範囲であって もよい。ハロアセトアミドの配合量が500ppmを 超えると着色が生じることがあり、また費用 対効果の観点から好ましくない。また、ハロ アセトアミドの配合量が5ppm未満の場合、イ チアゾロン化合物を長期間安定化させるこ ができない。

本発明の殺微生物組成物は水溶液の形態で ある。イソチアゾリン化合物等の成分を、実 質的に水から成る溶媒に溶解させることによ って調製することができる。溶媒は、90%以上 の水を含み、より好ましくは95%以上、さらに 好ましくは99%以上の水を含み、最も好ましく は水のみから成る。用いられる水は、水道水 、イオン交換水、蒸留水、工業用水等のいず れでもよく、特に限定されない。

水以外の溶媒として水溶性有機溶剤を配合 してもよい。溶媒中の水溶性有機溶剤の量は 、10%未満であり、より好ましくは5%未満であ 、さらに好ましくは1%未満である。そのよ な有機溶剤として、限定はされないが、エ レングリコール、ジエチレングリコール、 リエチレングリコール、プロピレングリコ ル、ヘキシレングリコール等のグリコール 、メチルセロソルブ、フェニルセロソルブ ジエチレングリコールモノメチルエーテル ジプロピレングリコールモノメチルエーテ 等のグリコールエーテル類、メチルアセテ ト、2-エトキシエチルアセテート、プロピレ ンカーボネート等のエステル類、ジメチルホ ルムアミド等のアミド類が挙げられる。

本発明の組成物は、殺菌剤を溶解させる任 意の公知の方法によって調製することができ 、例えば、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリ -3-オンと2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン の混合物、ハロアセトアミド、および硝酸 を、上記の配合割合で、水または水と水溶 有機溶剤との混合物中に溶解させることに って調製することができる。 

本発明の組成物は、本発明の目的を妨げな い限り、上記の成分の他に、通常そのような 殺微生物組成物に含まれる、例えば塩化ナト リウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム等 の硝酸塩以外の塩をさらに含んでいてよい。

また、本発明の組成物は、本発明の目的を 妨げない限り、必要に応じて、任意の安定剤 、界面活性剤、緩衝剤等をさらに含有してい て差し支えない。

本発明の組成物は、より低いpHを有する場 に安定化効果が顕著であり、限定はされな が、5未満のpHを有することが好ましく、よ 好ましくは3.5以下のpHを有し、最も好まし は3.0~2.0のpHを有する。

本発明の組成物は、限定はされないが、紙 ・パルプ工業における抄紙工程水やパルプス ラリー、各種工業用の冷却水や洗浄水、並び にコーティングカラー、切削油、ラテックス 類、合成樹脂のエマルジョン、デンプンスラ リー、炭酸カルシウムスラリー、泥水ポリマ ー、重油スラッジ、金属加工油剤、繊維油剤 、ペイント類、防汚塗料、紙用塗工液、バラ スト水等の各種工業製品の、防腐、殺菌また は静菌用として好適に用いることができる。

本発明の組成物の使用に際しての添加量は 、微生物濃度や適用対象に応じて適宜決定す ることができるが、例えば、接着剤、樹脂エ マルジョン、インキ、糊剤、塗料、紙、繊維 および建材等の諸工業分野において利用され ている水系分散物での使用において、5~1000ppm (イソチアゾロン化合物)程度であり、より好 しくは20~500ppm程度である。

次に本発明を実施例によりさらに詳細に説 明するが、本発明はこれら例によってなんら 限定されるものではない。尚、以下実施例で はハロアセトアミドとして2-ヨードアセトア ドを用いた。また、配合量は全て組成物全 量に基づく重量%で表す。

(1)殺微生物組成物の調製
表1に示す配合組成で、5-クロロ-2-メチル-4-イ ソチアゾリン-3-オン(Cl-MIT)、2-メチル-4-イソ アゾリン-3-オン(H-MIT)、および硝酸塩(比較例 )、あるいはさらに2-ヨードアセトアミド(IAA)( 実施例)を、水に溶解させて殺微生物組成物 調製した。組成物のpHはいずれも2.5に調整し た:

(2)貯蔵安定性試験
各組成物について貯蔵安定性試験をおこなっ た。各組成物をガラス容器に入れて50℃の条 に放置した。経時的に状態を肉眼で観察し また試料を採取してHPLC(高速液体クロマト ラフィー)でCl-MITとH-MITの含有量を測定した Cl-MITとH-MITの残存率は、試験開始直後の測定 値を100として計算した。

結果を表2に示す:

3~25重量%硝酸塩と5~500ppmのハロアセトアミ とを組み合わせて配合した実施例1~13のいず においても、28日間に亘りCl-MITとH-MITが共に 安定に保持され、また外観の変化は認められ なかった。一方、ハロアセトアミドを含まな いかあるいは5ppm未満で含む比較例1~8、なら に硝酸塩の配合量が3重量%未満である比較例 9では、7日後にすでにCl-MITが分解し始め、さ に21日後にはH-MITも減少し始めた。また、比 較例ではいずれも、1日後には濁りおよび沈 が生じ、またガスの発生も認められた。

尚、データは示していないが、組成物のpH 5.0以上のとき、時間経過に伴い少量の沈殿 が生じる傾向があり、3.5以下の低pHでより 定化効果が顕著であった。