Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
THERMOPLASTIC RESIN COMPOSITION AND MOLDED ARTICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/004939
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a thermoplastic resin composition which is improved in a conventional problem of oil resistance by imparting a thermoplastic polyurethane resin with flexibility. Specifically disclosed is a thermoplastic resin composition composed of 1-60% by weight of an acrylic block copolymer (A) and 99-40% by weight of a thermoplastic polyurethane resin (B), which is characterized in that the thermoplastic polyurethane resin (B) is composed either of a polyether-based thermoplastic polyurethane resin and a polyester-based thermoplastic polyurethane resin.

Inventors:
KUMASAKI ATSUSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061394
Publication Date:
January 08, 2009
Filing Date:
June 23, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
KANEKA CORP (JP)
KUMASAKI ATSUSHI (JP)
International Classes:
C08L75/04; C08F297/06; C08L53/00
Domestic Patent References:
WO2004013192A12004-02-12
Foreign References:
JP2006008821A2006-01-12
JPH06271742A1994-09-27
JPH10273586A1998-10-13
JP2000063660A2000-02-29
JP2002302601A2002-10-18
JP2005015663A2005-01-20
JP2007039562A2007-02-15
Attorney, Agent or Firm:
KANEKA CORPORATION (Kita-ku Osaka-shi, Osaka 88, JP)
Download PDF:
Claims:
 アクリル系ブロック共重合体(A)1~60重量%と、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)99~40重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物であって、
 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)が、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂、またはポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂のいずれかであることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
 アクリル系ブロック共重合体(A)が、一般式:(a-b)n、(a-b)n-a(nは1以上の整数)で表わされる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
 アクリル系ブロック共重合体(A)が、一般式:a-b-aで表されるトリブロック共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
 アクリル系ブロック共重合体(A)が、メタアクリル系重合体ブロック(a)0.1~50重量%と、アクリル系重合体ブロック(b)99.9~50重量%からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
 アクリル系ブロック共重合体(A)が、メタアクリル系重合体ブロック(a)0.1~40重量%と、アクリル系重合体ブロック(b)99.9~60重量%からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
 アクリル系ブロック共重合体(A)が、メタアクリル系重合体ブロック(a)10~40重量%と、アクリル系重合体ブロック(b)90~60重量%からなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
 アクリル系重合体ブロック(b)が、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2-メトキシエチルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を含むアクリル酸エステル50~100重量%と、ビニル系単量体50~0重量%とからなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
 アクリル系ブロック共重合体(A)が、メタアクリル系重合体ブロック(a)およびアクリル系重合体ブロック(b)の少なくとも一方の重合体ブロックに酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
 アクリル系ブロック共重合体(A)が、原子移動ラジカル重合法により製造されたブロック共重合体からなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)が、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂からなることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
 請求項1から10のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする成形品。
Description:
熱可塑性樹脂組成物及び成形品

 本発明は、従来の柔軟性を付与された熱 塑性ポリウレタン系樹脂において課題であ た耐油性が改善された熱可塑性樹脂組成物 関する。

 熱可塑性ポリウレタン系樹脂は耐衝撃性 耐屈曲性、耐摩耗性、低温特性などに優れ 特性を有しているため、成形材料として広 に利用されている。しかも、近年そのソフ な風合と、しっとりしたタッチ感が注目さ 、時計バンド、靴底、カメラグリップ、電 ・精密機械等のパーツなどの柔軟な射出成 品としても用途がさらに広がりつつある。 のような柔軟な熱可塑性ポリウレタン系樹 を得る場合、可塑剤を配合することで適度 硬さを有するように軟質化されている。し しながら、可塑剤を含有した熱可塑性ポリ レタンは、組成物中から可塑剤がブリード るという欠点があった(特許文献1)。

 また、上記欠点を改良するために、芳香族 ニル系重合体ブロックと共役ジエン系重合 ブロックからなるブロック共重合体を改質 とし、熱可塑性ポリウレタン系樹脂にブレ ドした組成物が提案されている(特許文献2) 上記ブロック共重合体をブレンドすること ポリウレタン系樹脂組成物に柔軟性を付与 ることが開示されているが、熱可塑性ポリ レタン系樹脂と改質剤の極性が大きく異な ため、相溶性が不十分となり、この樹脂組 物より得られる成形体は、引張機械物性が 下したり、耐油性が悪化するという問題が った。

特開2004-300300号公報

特開平09-78242号公報

 本発明は、熱可塑性ポリウレタン系樹脂 柔軟性を付与し、しかも従来から熱可塑性 リウレタン系樹脂の重要課題であった耐油 を改善した熱可塑性樹脂組成物の提供にあ 。

 本発明者は上記課題を解決するために鋭 検討を重ねた結果、メタアクリル系重合体 ロックと、アクリル系重合体ブロックとを 有するアクリル系ブロック共重合体を熱可 性ポリウレタン系樹脂に添加することによ 、柔軟性を付与すると共に、耐油性を大幅 改善できることを見いだし、本発明を完成 るに至った。

 すなわち本発明は、アクリル系ブロック共 合体(A)1~60重量%と、熱可塑性ポリウレタン 樹脂(B)99~40重量%とからなる熱可塑性樹脂組 物であって、
 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)が、ポリエ テル系熱可塑性ポリウレタン樹脂、または リエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂の ずれかであることを特徴とする熱可塑性樹 組成物に関する。

 好ましい実施態様は、アクリル系ブロッ 共重合体(A)が、一般式(a-b)n、一般式(a-b)n-a(n は1以上の整数)で表わされる群より選択され 少なくとも1種であることを特徴とする熱可 塑性樹脂組成物に関する。

 好ましい実施態様は、アクリル系ブロッ 共重合体(A)が、一般式a-b-aで表されるトリ ロック共重合体であることを特徴とする熱 塑性樹脂組成物に関する。

 好ましい実施態様は、アクリル系ブロッ 共重合体(A)が、メタアクリル系重合体ブロ ク(a)0.1~50重量%と、アクリル系重合体ブロッ ク(b)99.9~50重量%からなることを特徴とする熱 塑性樹脂組成物に関する。

 好ましい実施態様は、アクリル系ブロッ 共重合体(A)が、メタアクリル系重合体ブロ ク(a)0.1~40重量%と、アクリル系重合体ブロッ ク(b)99.9~60重量%からなることを特徴とする熱 塑性樹脂組成物。

 好ましい実施態様は、アクリル系ブロッ 共重合体(A)が、メタアクリル系重合体ブロ ク(a)10~40重量%と、アクリル系重合体ブロッ (b)90~60重量%からなることを特徴とする熱可 性樹脂組成物に関する。

 好ましい実施態様は、アクリル系重合体 ロック(b)が、アクリル酸n-ブチル、アクリ 酸エチル、アクリル酸2-メトキシエチルから なる群より選ばれる少なくとも1種の単量体 含むアクリル酸エステル50~100重量%と、ビニ 系単量体50~0重量%とからなることを特徴と る熱可塑性樹脂組成物に関する。

 好ましい実施態様は、アクリル系ブロッ 共重合体(A)が、メタアクリル系重合体ブロ ク(a)およびアクリル系重合体ブロック(b)の なくとも一方の重合体ブロックに酸無水物 、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基か なる群より選択される少なくとも1種の官能 基を有することを特徴とする熱可塑性樹脂組 成物に関する。

 好ましい実施態様は、アクリル系ブロッ 共重合体(A)が、原子移動ラジカル重合法に り製造されたブロック共重合体からなるこ を特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する

 好ましい実施態様は、熱可塑性ポリウレ ン系樹脂(B)が、ポリエーテル系熱可塑性ポ ウレタン樹脂からなることを特徴とする熱 塑性樹脂組成物に関する。

 本発明の別の実施態様としては、上記熱 塑性樹脂組成物を含有することを特徴とす 成形体に関する。

 本発明により、熱可塑性ポリウレタン系 脂に柔軟性を付与し、耐油性を大幅に改善 た熱可塑性樹脂組成物が得られる。

 本発明は、アクリル系ブロック共重合体(A)1 ~60重量%と、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)99 ~40重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物であ て、
 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)が、ポリエ テル系熱可塑性ポリウレタン樹脂、または リエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂の ずれかであることを特徴とする熱可塑性樹 組成物である。

 <アクリル系ブロック共重合体(A)>
 熱可塑性エラストマー組成物を構成するア リル系ブロック共重合体(A)は、ハードセグ ントであるメタアクリル系重合体ブロック( a)と、ソフトセグメントであるアクリル系重 体ブロック(b)からなり、メタアクリル系重 体ブロック(a)により成形時の形状保持性を アクリル系重合体ブロック(b)により、エラ トマーとしての弾性及び成形時の溶融性を 与する。アクリル系ブロック共重合体(A)に いて、メタアクリル系重合体ブロック(a)と アクリル系重合体ブロック(b)との割合は特 制限はないが、メタアクリル系重合体ブロ ク(a)の割合を0.1~50重量%、アクリル系重合体 ブロック(b)の割合を99.9~50重量%が好ましい。 らにはメタアクリル系重合体ブロック(a)の 合を0.1~40重量%、アクリル系重合体ブロック (b)の割合を99.9~60重量%が好ましい。特にメタ クリル系重合体ブロック(a)の割合を10~40重 %、アクリル系重合体ブロック(b)の割合を90~6 0重量%が好ましい。メタアクリル系重合体ブ ック(a)の割合が0.1重量%より小さく、アクリ ル系重合体ブロック(b)の割合が99.9重量%より きいと、成形時に形状が保持されず、メタ クリル系重合体ブロック(a)の割合が50重量% り大きく、アクリル系重合体ブロック(b)の 合が50重量%より小さいと、エラストマーと ての弾性および成形時の溶融性が低下する ととなる。

 なお、メタアクリル系重合体ブロック(a) 割合が少ないと硬度が低くなる。一方で、 クリル系重合体ブロック(b)の割合が少ない 、硬度が高くなる傾向がある。このため、 タアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル 重合体ブロック(b)の組成比は、エラストマ 組成物の必要とされる硬度を考慮して、適 設定する必要がある。また、メタアクリル 重合体ブロック(a)の割合が少ないと、粘度 低く、また、アクリル系重合体ブロック(b) 割合が少ないと、粘度が高くなる傾向があ 。このため、メタアクリル系重合体ブロッ (a)とアクリル系重合体ブロック(b)の組成比 、必要とする加工特性も考慮して、適宜設 する必要がある。

 アクリル系ブロック共重合体(A)の分子量 、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ で測定した数平均分子量が30,000~200,000とな ように調整する。分子量が30,000より小さい 、エラストマーとして十分な機械特性を発 出来ない場合があり、分子量が200,000より大 いと、加工特性が低下する場合がある。特 、パウダースラッシュ成形を行う場合は、 加圧下でも樹脂が流動する必要があるため 分子量が大きいと、溶融粘度が高くなり成 性が悪くなる傾向にある。

 また、アクリル系ブロック共重合体(A)の ルパーミエーションクロマトグラフィーで 定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn )の比(Mw/Mn)は、1.8以下であることが好ましく 1.5以下であることがさらに好ましい。Mw/Mn 1.8をこえるとアクリル系ブロック共重合体 均一性が悪化する場合がある。

 アクリル系ブロック共重合体(A)は、線状 ロック共重合体であっても、分岐状(星状) ロック共重合体であっても、これらの混合 であってもよい。このようなブロック共重 体の構造は、必要とされるアクリル系ブロ ク共重合体(A)の物性に応じて適宜選択され が、コスト面や重合容易性の点で、線状ブ ック共重合体が好ましい。

 なお、線状ブロック共重合体は、いずれ 構造(配列)のものであってもよいが、線状 ロック共重合体の物性または組成物の物性 点から、メタアクリル系重合体ブロック(a) a、アクリル系重合体ブロック(b)をbと表現し たとき、(a-b)n型、b-(a-b)n型および(a-b)n-a型(nは 1以上の整数、たとえば1~3の整数)からなる群 り選択される少なくとも1種のアクリル系ブ ロック共重合体からなることが好ましい。こ れらの中でも、組成物の物性の点から、a-b型 のジブロック共重合体、a-b-a型のトリブロッ 共重合体が好ましく、加工時の取り扱い容 性から、a-b-a型のトリブロック共重合体が り好ましい。

 アクリル系ブロック共重合体(A)を構成す メタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリ 系重合体ブロック(b)のガラス転移温度の関 は、メタアクリル系重合体ブロック(a)のガ ス転移温度をTga、アクリル系重合体ブロッ (b)のガラス転移温度をTgbとすると、機械強 やゴム弾性発現等の点で下式の関係を満た ことが好ましい。

 Tga>Tgb
 なお、メタアクリル系重合体ブロック(a)お びアクリル系重合体ブロック(b)のガラス転 温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量測定)または動 粘弾性のtanδピークにより測定することが きる。

 <メタアクリル系重合体ブロック(a)>
 メタアクリル系重合体ブロック(a)は、メタ クリル酸エステルを主成分とする単量体を 合してなるブロックであり、メタアクリル エステル50~100重量%およびこれと共重合可能 なビニル系単量体0~50重量%からなることが好 しい。メタアクリル酸エステルの割合が50 量%未満であると、メタアクリル酸エステル 特徴である耐候性などが損なわれる場合が る。

 メタアクリル系重合体ブロック(a)を構成 るメタアクリル酸エステルとしては、たと ば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル エチル、メタアクリル酸n-プロピル、メタ クリル酸n-ブチル、メタアクリル酸イソブチ ル、メタアクリル酸n-ペンチル、メタアクリ 酸n-ヘキシル、メタアクリル酸n-ヘプチル、 メタアクリル酸n-オクチル、メタアクリル酸2 -エチルヘキシル、メタアクリル酸ノニル、 タアクリル酸デシル、メタアクリル酸ドデ ル、メタアクリル酸ステアリルなどのメタ クリル酸脂肪族炭化水素(たとえば炭素数1~18 のアルキル)エステルなどがあげられる。こ らはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合 せて用いることができる。これらの中でも 加工性、コストおよび入手しやすさの点で メタアクリル酸メチルが好ましい。

 メタアクリル系重合体ブロック(a)を構成 るメタアクリル酸エステルと共重合可能な ニル系単量体としては、たとえば、アクリ 酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シ ン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、 ロゲン含有不飽和化合物などをあげること できる。

 アクリル酸エステルとしては、たとえば アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア リル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、ア クリル酸イソブチル、アクリル酸n-ペンチル アクリル酸n-ヘキシル、アクリル酸n-ヘプチ ル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸2-エ ルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸 テアリルなどのアクリル酸脂肪族炭化水素( とえば炭素数1~18のアルキル)エステルなど あげることができる。

 芳香族アルケニル化合物としては、たと ば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチ スチレン、p-メトキシスチレンなどをあげる ことができる。

 シアン化ビニル化合物としては、たとえ 、アクリロニトリル、メタクリロニトリル どをあげることができる。

 共役ジエン系化合物としては、たとえば ブタジエン、イソプレンなどをあげること できる。

 ハロゲン含有不飽和化合物としては、た えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、パー ルオロエチレン、パーフルオロプロピレン フッ化ビニリデンなどをあげることができ 。

 ビニル系単量体として挙げられたこれら 化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を組 み合わせて用いることができる。これらのビ ニル系単量体は、後述するメタアクリル系重 合体ブロック(a)のガラス転移温度や、アクリ ル系ブロック体(b)との相溶性などを考慮して 適宜選択される。

 メタアクリル系重合体ブロック(a)のガラ 転移温度は、好ましくは25℃以上、より好 しくは40℃以上である。ガラス転移温度が25 未満では、高温でのゴム弾性が低下する傾 にある。なお、メタアクリル系重合体ブロ ク(a)のガラス転移温度の設定は、Foxの式に い、重合体部分の単量体の重量比率を設定 ることにより行うことができる。

 <アクリル系重合体ブロック(b)>
 アクリル系重合体ブロック(b)を構成する単 体は、所望する物性の組成物を得やすい点 コスト及び入手のしやすさの観点から、ア リル酸エステル単量体、及びこれと共重合 能なビニル系単量体から成ることが好まし 。

 アクリル系重合体ブロック(b)を構成する クリル酸エステル単量体としては、メタア リル系重合体ブロック(a)を構成するメタア リル酸エステル単量体と共重合可能なビニ 系単量体である、アクリル酸エステル単量 と同様の具体例を挙げることができる。ま 、これらは、少なくとも一種用いることが きる。

 またこれらの中でも、アクリル酸エチル アクリル酸-n-ブチルおよびアクリル酸-2-メ キシエチルが好ましい。

 アクリル酸-n-ブチルを用いた場合、本発 の熱可塑性樹脂組成物から作製された成形 は、良好なゴム弾性および低温特性を示す うになる。アクリル酸エチルを用いた場合 良好な耐油性および引張強度等の機械特性 示すようになる。また、アクリル酸-2-メト シエチルを用いた場合、良好な低温特性と 油性を示し、また、樹脂の表面タック性が 善されることとなる。これらは要求特性に じて、単独で又は2種以上を組み合わせて使 用する。なお、これらのアクリル酸エステル の割合が50重量%未満であると、柔軟性、耐油 性が損なわれる場合がある。

 アクリル系重合体ブロック(b)を構成する クリル酸エステルと共重合可能なビニル系 量体としては、たとえば、メタアクリル酸 ステル、芳香族アルケニル化合物、シアン ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロ ン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化 物、不飽和カルボン酸化合物、不飽和ジカ ボン酸化合物などをあげることができる。

 これらの具体例としては、メタアクリル 重合体ブロック(a)に用いられる単量体成分 して前述したものと同様のものをあげるこ ができる。これらのビニル系単量体は、そ ぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用い ることができる。これらのビニル系単量体は 、アクリル系重合体ブロック(b)に要求される ガラス転移温度および耐油性、メタアクリル 系重合体ブロック(a)との相溶性、熱可塑性ポ リウレタン系樹脂との相容性などのバランス を勘案して、適宜好ましいものを選択するこ とが好ましい。

 ここで、アクリル酸エステル単量体の割 は、アクリル系重合体ブロック(b)全体中、5 0重量%以上であることが好ましく、70重量%以 であることがより好ましい。50重量%未満で ると、アクリル酸エステルを用いる場合の 徴である組成物の物性、特に耐衝撃性や柔 性が損なわれ易くなる傾向がある。また、 重合可能な他のビニル系単量体の割合は、0 ~50重量%が好ましく、より好ましくは、0~25重 %である。

 アクリル系重合体ブロック(b)は、アクリ 酸n-ブチル、アクリル酸エチル、アクリル 2-メトキシエチルからなる群より選ばれる少 なくとも1種の単量体を含むアクリル酸エス ル50~100重量%と、ビニル系単量体50~0重量%と らなることが好ましい。

 アクリル系重合体ブロック(b)のガラス転 温度は、アクリル系ブロック共重合体(A)の ム弾性の観点から、50℃以下であるのが好 しく、0℃以下であるのがより好ましい。ア リル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度 エラストマー組成物の使用される環境の温 より高いと、柔軟性やゴム弾性が発現され くくなる。

 <官能基>
 上記メタアクリル系重合体ブロック(a)およ アクリル系重合体ブロック(b)のうち、少な とも一方の重合体ブロック主鎖中に、酸無 物基、カルボキシル基、水酸基、およびエ キシ基からなる群より選択される少なくと 1種の官能基を含有することが、熱可塑性ポ リウレタン系樹脂との相容性向上の点におい て好ましい。

 酸無水物基はカルボキシル基の無水物基 あり、メタアクリル系重合体ブロック(a)お びアクリル系重合体ブロック(b)への導入の 易性から、主鎖中へ導入されていることが ましく、具体的には一般式(1)で表される。 般式(1):

(式中、R 1 は水素またはメチル基で、2つのR 1 は互いに同一でも異なっていてもよい。nは0~ 3の整数、mは0または1の整数)
 一般式(1)中のnは0~3の整数であって、好まし くは0または1であり、より好ましくは1である 。nが4以上の場合は、重合が煩雑になったり 酸無水物基の環化が困難になる傾向にある

 酸無水物基の導入方法としては、酸無水 基の前駆体の形でアクリル系ブロック共重 体に導入し、そののちに環化させることが ましい。特に、一般式(2):

(式中、R 2 は水素またはメチル基を表わす。R 3 は水素、メチル基またはフェニル基を表わし 、3つのR 3 のうち少なくとも2つはメチル基および/また フェニル基から選ばれ、3つのR 3 は互いに同一でも異なっていてもよい。)で される単位を少なくとも1つ有するアクリル ブロック共重合体を溶融混練して、環化導 することが好ましい。

 メタアクリル系重合体ブロック(a)および クリル系重合体ブロック(b)への一般式(2)で される単位の導入は、一般式(2)に由来する クリル酸エステル、またはメタアクリル酸 ステル単量体を共重合することによって行 うことができる。単量体としては、(メタ) クリル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸イソプ ロピル、(メタ)アクリル酸α,α-ジメチルベン ル、(メタ)アクリル酸α-メチルベンジルな があげられるが、これらに限定するもので ない。これらのなかでも、入手性や重合容 性、酸無水物基の生成容易性などの点から( タ)アクリル酸-t-ブチルが好ましい。なお、 本願において、(メタ)アクリル酸とは、アク ル酸およびメタアクリル酸を意味する。

 酸無水物基の形成は、酸無水物基の前駆 を有するアクリル系ブロック共重合体を高 下で加熱することにより行うのが好ましく 180~300℃で加熱することが好ましい。180℃よ り低いと酸無水物基の生成が不十分となる傾 向があり、300℃より高くなると、酸無水物基 の前駆体を有するアクリル系ブロック共重合 体自体が分解することがある。

 カルボキシル基は、メタアクリル系重合 ブロック(a)、アクリル系重合体ブロック(b) 主鎖中に導入されていても良いし、側鎖に 入されていても良いが、メタアクリル系重 体ブロック(a)およびアクリル系重合体ブロ ク(b)への導入の容易性から、主鎖中へ導入 れていることが好ましい。

 カルボキシル基の導入は、カルボキシル を有する単量体が重合条件下で触媒を失活 ることがない場合は、直接重合により導入 ることが好ましく、カルボキシル基を有す 単量体が重合時に触媒を失活させる場合に 、官能基変換によりカルボキシル基を導入 るのが好ましい。

 官能基変換によりカルボキシル基を導入 る方法では、カルボキシル基を適当な保護 で保護した形、または、カルボキシル基の 駆体となる官能基の形でアクリル系ブロッ 共重合体に導入し、そののちに公知の化学 応で官能基を生成させることができる。こ 方法により、カルボキシル基を導入するこ ができる。

 例えば、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メ )アクリル酸トリメチルシリルなどのように カルボキシル基の前駆体となる官能基を有 る単量体を含むアクリル系ブロック共重合 を合成し、加水分解もしくは酸分解など公 の化学反応によってカルボキシル基を生成 せる方法(特開平10-298248号公報、特開2001-2341 46号公報)や、例えば、(メタ)アクリル酸-t-ブ ル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ) アクリル酸α,α-ジメチルベンジル、(メタ)ア リル酸α-メチルベンジルなどの単位量を含 アクリル系ブロック共重合体を合成し、溶 混練する方法(特開2006-104419号公報)により導 入することができる。

 エポキシ基は、エポキシ環を含有する有 基であればとくに限定されないが、たとえ 、1,2-エポキシエチル基、2,3-エポキシプロ ル基(すなわちグリシジル基)、2,3-エポキシ-2 -メチルプロピル基などのエポキシ環を有す 脂肪族炭化水素(たとえばアルキル)基;3,4-エ キシシクロヘキシル基などのエポキシ環を する脂環式炭化水素基などをあげることが きる。これらは、所望の反応性、反応速度 入手の容易さ、コストなどから選択すれば く、とくに制限はないが、これらの中では 手の容易さなどからはグリシジル基が最も ましい。

 エポキシ基を有する単量体としては、た えば、メタアクリル酸グリシジル、2,3-エポ キシ-2-メチルプロピルメタアクリレート、(3, 4-エポキシシクロヘキシル)メチルメタアクリ レートなどのメタアクリル酸とエポキシ環を 含有する有機基含有アルコールとのエステル ;アクリル酸グリシジル、2,3-エポキシ-2-メチ プロピルアクリレート、(3,4-エポキシシク ヘキシル)メチルアクリレートなどのアクリ 酸とエポキシ環を含有する有機基含有アル ールとのエステル;4-ビニル-1-シクロヘキセ 1,2エポキシドなどのエポキシ基含有不飽和 合物などをあげることができる。これらは 所望の反応性、反応速度、入手の容易さ、 ストなどから選択すればよく、とくに制限 ないが、これらの中では入手の容易さなど らはメタアクリル酸グリシジル、アクリル グリシジルが好ましい。

 水酸基は、水酸基を含有する(メタ)アク ルモノマーをアクリル系ブロック共重合体(A )の重合時に直接重合してもよく、アクリル ブロック共重合体(A)を重合した後に、ジオ ル成分にてエステル化反応やエステル交換 応を利用して導入しても良い。反応が容易 ある点から、水酸基を含有する(メタ)アクリ ルモノマーをアクリル系ブロック共重合体(A) の重合時に直接重合することが好ましい。こ こで、本願において、(メタ)アクリルとは、 クリルまたはメタアクリルを意味する。

 具体的な(メタ)アクリルモノマーとして 、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、( タ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ )アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、(メタ)ア クリル酸-4-ヒドロキシブチル、ブレンマーE リーズ(日本油脂(株))、ブレンマーPEシリー (日本油脂(株))、ブレンマーAEシリーズ(日本 脂(株))、ブレンマーPシリーズ(日本油脂(株) )、ブレンマーPPシリーズ(日本油脂(株))、ブ ンマーAPシリーズ(日本油脂(株))、ブレンマ PEPシリーズ(日本油脂(株))、ブレンマーAEPシ ーズ(日本油脂(株))、ブレンマーPETシリーズ (日本油脂(株))、ブレンマーAETシリーズ(日本 脂(株))、ブレンマーPPTシリーズ(日本油脂( ))、ブレンマーAPTシリーズ(日本油脂(株))な が例示される。

 これらの化合物は、それぞれ単独で又は2 種以上を組み合わせて用いることができる。 このうち、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエ ル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピ 、(メタ)アクリル酸-4-ヒドロキシブチルが重 合の点で容易であることや、入手容易性の点 で好ましい。

 上記、官能基を有する単量体単位の含有 は、アクリル系ブロック共重合体(A)の構造 及び組成、アクリル系ブロック共重合体(A) 構成するブロックの数、ガラス転移温度、 らびに、官能基の含有される部位及び様式 熱可塑性ポリウレタン系樹脂との相容性に って、変化する。そのため、必要に応じて 定すれば良いが、アクリル系ブロック共重 体(A)全体中の0.1重量%以上が好ましく、0.5重 量%以上がより好ましい。0.1重量%未満である 、アクリル系ブロック共重合体(A)と熱可塑 ポリウレタン系樹脂(B)との相容性を改善す 効果が充分でなくなる傾向がある。

 <アクリル系ブロック共重合体(A)の製法> ;
 アクリル系ブロック共重合体(A)を製造する 法は、とくに限定するものではないが、開 剤を用いた制御重合を用いることが好まし 。制御重合としては、リビングアニオン重 や連鎖移動剤を用いるラジカル重合法、近 開発されたリビングラジカル重合法があげ れる。なかでも、アクリル系ブロック共重 体の分子量および構造の制御の点から、リ ングラジカル重合法により製造するのが好 しい。

 リビングラジカル重合法は、重合末端の 性が失われることなく維持されるラジカル 合法である。リビング重合とは狭義におい は、末端が常に活性をもち続ける重合のこ を指すが、一般には、末端が不活性化され ものと活性化されたものが平衡状態にある リビング重合も含まれる。ここでの定義も 者である。

 リビングラジカル重合法としては、ポリ ルフィドなどの連鎖移動剤を用いるもの、 バルトポルフィリン錯体(ジャーナル・オブ ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Che m.Soc.)、1994年、第116巻、7943頁)やニトロキシ 化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの( クロモレキュールズ(Macromolecules)、1994年、 27巻、7228頁)、有機ハロゲン化物などを開始 とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラ カル重合法(Atom Transfer Radical Polymerization:AT RP)などをあげることができる。本発明におい て、これらのうちいずれの方法を使用するか はとくに制約はないが、制御の容易さの点な どから国際公開第2004/13192号パンフレットな に記載された原子移動ラジカル重合法を用 るのが好ましい。

 <熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)>
 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)としては、 えば、(イ)有機ジイソシアネート、(ロ)鎖伸 張剤、(ハ)高分子ポリオールからなる熱可塑 ポリウレタン系樹脂が挙げられる。熱可塑 ポリウレタン系樹脂(B)は、いかなる方法で 造しても良く、例えば上記(イ)成分と予め 一に混合した(ロ)成分および(ハ)成分とを高 攪拌混合して、これを離型処理したバット に流延して、必要に応じて200℃以下の温度 反応させることにより製造するか、或いは (イ)成分と(ロ)成分を加えて末端イソシアネ ート基のプレポリマーとした後、(ハ)成分を えて高速攪拌混合し、これを離型処理した ット上に流延して、必要に応じて200℃以下 温度で反応させることにより製造するなど 従来より公知の技術を利用できる。

 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)としては エステル系、エーテル系の熱可塑性ウレタ 系樹脂を好ましく使用することができ、ア リル系ブロック共重合体(A)との相溶性の観 より、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂が り好ましい。

 有機ジイソシアネート(イ)としては、従 より公知のものを適宜使用することができ が、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ ト、リジンジイソシアネート、イソホロン イソシアネート、キシレンジイソシアネー 、シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'-ジ シクロヘキシルメタンジイソシアネート、水 素化キシリレンジイソシアネート、トルイジ ンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシ ネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4 -ジフェニルメタンジイソシアネート、p-フ ニレンジイソシアネート、m-フェニレンジ ソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネ ト、3,3'-ジクロロ-4,4'-ジフェニルメタンジ ソシアネート、などを単独であるいはこれ を二以上組み合わせて使用できる。また、 機イソシアネート化合物として、所望によ 、トリフェニルメタントリイソシアネート どのような3官能以上の多価イソシアネート 合物を併用することもできる。

 鎖伸張剤(ロ)としては、特に制限はなく 通常の熱可塑性ポリウレタンの製造に従来 ら使用されている鎖伸長剤のいずれを使用 てもよいが、イソシアネート基と反応し得 活性水素原子を分子中に2個以上有する低分 化合物を使用することが好ましいく、特に 分子量が500より小さいジヒドロキシ化合物 使用するのが好ましい。このようなものと ては、例えば、エチレングリコール、1,2-プ ロピレングリコール、1,3-プロピレングリコ ル、2,3-ブチレングリコール、1,4-ブタンジオ ール、2,2’-ジメチル-1,3-プロパンジオール、 ジエチレングリコール、1,5-ペンタンジオー 、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサン-1,4 -ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール 、1,4-ビス(β-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、 1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビス(β-ヒ ロキシエチル)テレフタレート、キシリレン グリコール等のジオール類などを単独である いはこれらを二以上組み合わせて使用できる 。

 高分子ポリオール(ハ)としては、平均分 量が500~4000のジヒドロキシ化合物を使用する のが好ましく、ポリエステルポリオール、ポ リエーテルポリオールを用いるのが好ましい 。また、これらに他の高分子ポリオールを混 合して用いてもよく、このようなものとして は、例えば、ポリカーボネートポリオール、 ポリエステルポリカーボネートポリオール、 ポリオレフィン系ポリオール、共役ジエン重 合体系ポリオール、ひまし油系ポリオール、 シリコーン系ポリオール、ビニル重合体系ポ リオールなどが挙げられる。

 上記のポリエステルポリオールは、ジカ ボン酸成分とジオール成分および必要に応 て他の成分を用い、エステル化法またはエ テル交換法による公知の重縮合法により製 することができる。また、ポリエステルポ オールは、ジオール成分の存在下にラクト を開環重合させることによっても製造する とができる。

 ポリエステルポリオールの製造に用いる カルボン酸成分としては、ポリエステルの 造において一般的に使用されているジカル ン酸成分、例えば、コハク酸、グルタル酸 アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア ライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、メ ルコハク酸、2-メチルグルタル酸、3-メチル グルタル酸、トリメチルアジピン酸、2-メチ オクタン二酸、3,8-ジメチルデカン二酸、3,7 -ジメチルデカン二酸等の炭素数4~12の脂肪族 カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、 ダイマー酸、水添ダイマー酸等の脂環式ジカ ルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オ トフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の 香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメ ット酸等の3官能以上の多価カルボン酸;そ らのエステルまたはそれらの酸無水物等の ステル形成性誘導体などを挙げることがで る。これらのジカルボン酸成分は、1種類の のを使用してもよいし、2種以上を併用して もよい。

 ポリエステルポリオールの製造に用いる オール成分としては、ポリエステルの製造 おいて一般的に使用されているもの、例え 、エチレングリコール、ジエチレングリコ ル、トリエチレングリコール、プロピレン リコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル- 1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロ ンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタン ジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、ネ ペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール 3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサ ジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタ ンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール 2,7-ジメチル-1,8-オクタンジオール、1,9-ノナ ジオール、2-メチル-1,9-ノナンジオール、2,8 -ジメチル-1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジ ール等の炭素数2~15の脂肪族ジオール;1,4-シ ロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメ ノール、シクロオクタンジメタノール等の 環式ジオール;1,4-ビス(β-ヒドロキシエトキ )ベンゼン等の芳香族ジオール;トリメチロ ルプロパン、トリメチロールエタン、グリ リン、1,2,6-ヘキサントリオール、ペンタエ スリトール、ジグリセリン等の1分子当たり 水酸基数が3以上である多価アルコールなど が挙げられる。ポリエステルポリオールの製 造に当たっては、これらのジオール成分は、 1種類のものを使用してもよいし、2種以上を 用してもよい。

 ジオール成分の存在下にラクトンを開環 合させて得られるポリラクトンジオールと ては例えばポリプロピオラクトンジオール ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロ クトンジオール等が挙げられる。

 ポリエーテルポリオールとしては、環状 ーテル(例えば、エチレンオキサイド、プロ ピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド 、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロ フランなど)の開環重合により得られるポリ ーテルジオール、グリコール(例えば、エチ ングリコール、プロピレングリコール、1,4- ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、 1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタン オール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,9 -ノナンジオール、1,10-デカンジオールなど) 重縮合により得られるポリエーテルジオー などが挙げられる。例えば、ポリプロピレ エーテルグリコール、ポリテトラメチレン ーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエ テルグリコール、その他の共重合ポリエー ルグリコール等が挙げられる。ポリエーテ ポリオールとしては、1種類のものを使用し もよいし、2種類以上を併用してもよい。

 ポリカーボネートポリオールとしては、 えば、ジオール成分とジアルキルカーボネ ト、アルキレンカーボネート、ジアリール ーボネート等のカーボネート化合物との反 により得られるものが挙げられる。ポリカ ボネートポリオールを構成するジオール成 としては、ポリエステルポリオールの構成 分として先に例示したジオール成分を使用 ることができる。また、ジアルキルカーボ ートとしては、例えば、ジメチルカーボネ ト、ジエチルカーボネートなどを挙げるこ ができ、また、アルキレンカーボネートと ては、エチレンカーボネートなどを挙げる とができ、ジアリールカーボネートとして 、例えば、ジフェニルカーボネートなどを げることができる。例えば、ポリヘキサメ レンカーボネートジオール、ポリヘキサメ レンカーボネートジオールにラクトンを開 付加重合して得られるジオール、ポリヘキ メチレンカーボネートジオールと他のポリ ステルジオール、ポリエーテルジオール、 リエーテル・エステルジオールとの共縮合 等が挙げられる。ポリカーボネートポリオ ルとしては、1種類のものを使用してもよい し、2種類以上を併用してもよい。

 本発明の熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B) 数平均分子量にも特に制限はないが、5,000 ら1,000,000が好ましく、10,000から500,000が特に ましい。数平均分子量が5,000未満の場合、 械的な特性が不十分となる傾向があり、ま 、1,000,000を超える場合、成形性が低下する 向がある。

 <熱可塑性樹脂組成物>
 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、アクリル ブロック共重合体(A)および熱可塑性ポリウ タン系樹脂(B)からなり、アクリル系ブロッ 共重合体(A)と熱可塑性ポリウレタン系樹脂( B)を、(A):(B)=1:99~60:40の重量比で含有すること 好ましく、(A):(B)=5:95~55:45の重量比で含有す ことがより好ましく、(A):(B)=25:75~50:50の重量 比で含有することが特に好ましい。アクリル 系ブロック共重合体(A)の含有量が60重量%より 多いときは、得られる熱可塑性樹脂組成物の 耐熱性が低下する。また、アクリル系ブロッ ク共重合体(A)の含有量が1重量%より少ないと は、得られる熱可塑性樹脂組成物の柔軟性 善効果が低下する。

 本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要 応じて、熱可塑性樹脂を添加しても良い。 の熱可塑性樹脂を添加することにより、概 可塑性樹脂組成物の機械強度、その他特性 向上させることができる。

 熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩 ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ ロピレン系樹脂、環状オレフィン共重合体 脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポ スチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル 樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポ スルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミ イミド系樹脂が挙げられる。これらは少な とも一種用いることができる。ただし、熱 塑性樹脂はこれらに限定されるものではな 、種々の熱可塑性樹脂を用いることができ スチレン系エラストマー、オレフィン系エ ストマー、エステル系エラストマー、塩化 ニル系エラストマー、アミド系エラストマ 等も用いることができる。

 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に じて、各種柔軟性付与剤を添加しても良い 柔軟性付与剤を添加することにより、熱可 性樹脂組成物の低硬度化、伸びの向上を期 できる。

 本発明の熱可塑性樹脂組成物には、熱可 性樹脂組成物および得られる成形体の諸物 の調整を目的として、安定剤、難燃剤、顔 、帯電防止剤、離型剤、滑剤、抗菌抗カビ などをさらに添加してもよい。このうち、 定剤としては、老化防止剤、光安定剤、紫 線吸収剤などが挙げられる。これらの添加 は、必要とされる物性や、使用される用途 に応じて、適宜最適な物を選択すれば良い

 <熱可塑性樹脂組成物の製造方法>
 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上述のア リル系ブロック共重合体(A)と熱可塑性ポリ レタン系樹脂(B)を用いて製造される。

 前記組成物の製造に使用する混練機とし は、加熱と混練とを同時に行ない得る種々 装置が使用可能であって、たとえば通常の ムの加工に用いられるバンバリー、ニーダ 、単軸または多軸の押出機などがあげられ 。さらに必要に応じて、プレス機や射出成 機などを用いて該組成物を成形することが きる。前記組成物製造の混練温度は100~350℃ が好ましく、150~300℃がより好ましい。100℃ り低いと、熱可塑性ポリウレタン系樹脂の 融が不十分となり、不均一な混練となる。 た、350℃よりも高いと、アクリル系ブロッ 共重合体(A)や熱可塑性ポリウレタン系樹脂 体が、分解する傾向にある。

 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑 樹脂に対し、一般に使用される成形方法、 よび成形装置を使用し成形でき、例えば、 出成形、射出成形、プレス成形、ブロー成 、カレンダー成形、真空成形、発泡成形な の任意の成形加工法によって成形加工する とができる。

 本発明を実施例に基づいてさらに詳細に 明するが、本発明はこれらの実施例のみに 定されるものではない。なお、実施例中に 載した分子量、射出成型、硬度、機械強度 耐油性は、以下の方法に従って行った。

 <分子量測定法>
 本実施例に示す分子量は以下に示すGPC分析 置で測定し、クロロホルムを移動相として ポリスチレン換算の分子量を求めた。シス ムとして、ウオーターズ(Waters)社製GPCシス ムを用い、カラムに、昭和電工(株)製Shodex( 録商標)K-804(ポリスチレンゲル)を用いた。

 <射出成型>
 本実施例に示す射出成型は、東芝製射出成 機IS80EPNを使用した。金型はセンターゲート のプレート(長さ120mm*幅120mm*厚み2mm)とした。 量位置55mm、成型サイクルは射出2秒、冷却30 秒とし、半自動モードで金型より成型体を取 り出した。また、取り出した成型体について 、TD方向(射出方向と垂直)で以下に記載のダ ベルを打ち抜き、機械強度を測定した。

 <硬度>
JIS K6253に従い、23℃における硬度(直後、JIS  A)をタイプAデュロメータにより測定した。

 <機械強度>
 JIS K7113に記載の方法に準用して、(株)島津 作所製のオートグラフAG-10TB形を用いて測定 した。測定はn=3にて行ない、試験片が破断し たときの強度(MPa)、伸び(%)、並びに、弾性率( MPa)の値の平均値を採用した。試験片は2(1/3) 形の形状、厚さが約2mm厚のものを用いた。 験は23℃にて500mm/分の試験速度で行なった。 試験片は原則として、試験前に温度23±2℃、 対湿度50±5%において48時間以上状態調節し ものを用いた。

 <耐油性>
 ASTM D638に準拠し、組成物の成形体を室温も しくは100℃に保持したASTMオイルNo.3中に72時 浸し、重量変化率(重量%)を求めた。

 (製造例1)
<アクリル系ブロック共重合体(A)の合成>
 窒素置換した500L反応器に、アクリル酸ブチ ル87.1kg、アクリル酸t-ブチル2.23kgを仕込み、 いて臭化第一銅625gを仕込んで撹拌を開始し た。その後、2、5-ジブロモアジピン酸ジエチ ル628gをアセトニトリル7.84kgに溶解させた溶 を仕込み、ジャケットを加温して内温75℃で 30分間保持した。その後、ペンタメチルジエ レントリアミン76gを加えて、アクリル系重 体ブロックの重合を開始した。重合開始か 一定時間ごとに、少量の重合溶液を抜き取 、ガスクロマトグラム分析によりアクリル ブチルの転化率を決定した。ペンタメチル エチレントリアミンを随時加えることで重 速度を制御した。

 アクリル酸ブチルの転化率が95%に到達し ところで、トルエン106.5kg、塩化第一銅431g ペンタメチルジエチレントリアミン76g、お びメタクリル酸メチル38.4kgを加えて、メタ クリル系重合体ブロックの重合を開始した メタクリル酸メチルの転化率が90%に到達し ところで、トルエン220kgを加えて反応溶液を 希釈すると共に反応器を冷却して重合を停止 させた。得られたアクリル系ブロック共重合 体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量(Mn )が108,900、分子量分布(Mw/Mn)が1.34であった。

 得られたアクリル系ブロック共重合体溶 に対しトルエンを加えて重合体濃度を22重 %とした。この溶液にp-トルエンスルホン酸 水和物を1.49kg加え、30℃で3時間撹拌した。 応液をサンプリングし、溶液が無色透明に っていることを確認して、昭和化学工業製 ヂオライト#3000を2.47kg添加した。その後、濾 材としてポリエステルフェルトを備えた加圧 濾過機を用いて0.1~0.4MPaGにて加圧濾過し、固 分を分離した。

 濾過後のアクリル系ブロック共重合体溶 を500L反応器に仕込み、150℃で4時間加熱し 。冷却後、協和化学製キョーワード500SHを6.1 8kg加えて1時間撹拌した。反応液をサンプリ グし、溶液が中性になっていることを確認 て反応終了とした。これにより、アクリル t-ブチル(tBA)単位をアクリル酸(AA)単位に変換 した。ブロック共重合体全体当たりのアクリ ル酸単位の含有量は1.7重量%であった。その 、濾材としてポリエステルフェルトを備え 加圧濾過機を用いて0.1~0.4MPaGにて加圧濾過し て固体分を分離し、重合体溶液を得た。

 得られた重合体溶液に、イルガノックス1 010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 )を重合体の100重量部に対して0.6重量部加え 後、SCP100((株)栗本鐵工所製、伝熱面積1m2)を いて溶媒成分を蒸発した。蒸発機入口の熱 オイルを180℃、蒸発機の真空度を0.01MPa以下 、スクリュー回転数を60rpm、重合体溶液の供 速度を32kg/hとした。重合体はφ4mmのダイス 通してストランドとし、水槽で冷却後、ペ タイザーによりカルボン酸官能基を有する クリル系ブロック共重合体ペレットを得た

 (実施例1~2)
 製造例1で作成したブロック共重合体と熱可 塑性ポリウレタン系樹脂(Elastollan C60D:BASF ジ ャパン製)と安定剤としてIrganox1010を表1に示 た割合でハンドブレンドし、200℃(シリンダ 部8点(C1~C8、ホッパー下からダイス側へC1か C8の順))に設定した二軸押出機(32mmφ、L/D=22.5 、(株)日本製鋼所社製、製品名TEX30HSS)を用い 回転数300rpmで溶融混練した。得られたサン ルを射出成型し、120mm角、厚み2mmのシート 得た。このシートを用い、硬度測定、耐油 試験を行った。評価結果を表1に示す。

 (比較例1)
 エステル系熱可塑性ポリウレタン系樹脂(Ela stollan C60D:BASF ジャパン製)を射出成型し、120 mm角、厚み2mmのシートを得た。このシートを い、硬度測定、耐油性試験を行った。評価 果を表1に示す。

 (比較例2~3)
 スチレン系エラストマー(セプトン 2063:ク レ製)と熱可塑性ポリウレタン系樹脂(Elastolla n C60D:BASF ジャパン製)とを表1に示した割合 ハンドブレンドし、200℃(シリンダー部8点(C1 ~C8、ホッパー下からダイス側へC1からC8の順)) に設定した二軸押出機(32mmφ、L/D=22.5、(株)日 製鋼所社製、製品名TEX30HSS)を用い、回転数3 00rpmで溶融混練した。また得られたサンプル 射出成型し、120mm角、厚み2mmのシートを得 。このシートを用い、硬度測定、耐油性試 を行った。評価結果を表1に示す。

 実施例1、2と比較例1の対比から、熱可塑 ポリウレタン系樹脂にアクリル系ブロック 重合体を添加したものは、熱可塑性ポリウ タン系樹脂単体に対して柔軟性が改善され いることがわかる。また、実施例1と比較例 2の対比、および実施例2と比較例3の対比から 、配合量が同一の場合、改質剤としてアクリ ル系ブロック共重合体を使用したものは、ス チレン系エラストマーを使用したものに比べ 、良好な耐油性有している事がわかる。

 (実施例3)
 製造例1で得られた重合体ペレットとポリエ ーテル系熱可塑性ポリウレタン系樹脂(PANDEX  T-8180N:ディーアイシー バイエル ポリマー( )製)と安定剤:Irganox1010を表1に示した割合で ラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて2 00℃で溶融混練し、ブロック状サンプルを得 。得られたサンプルを設定温度200℃で熱プ ス成形し、厚さ2mmの評価用の成形体を得た この成形体を用い、硬度測定、機械強度、 油性試験を行った。評価結果を表2に示す。

 (実施例4)
 製造例1で得られた重合体ペレットとポリエ ステル系熱可塑性ポリウレタン系樹脂(PANDEX  T-1180:ディーアイシー バイエル ポリマー(株 )製)と安定剤:Irganox1010を表1に示した割合で、 ラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて20 0℃で溶融混練し、ブロック状サンプルを得 。得られたサンプルを設定温度200℃で熱プ ス成形し、厚さ2mmの評価用の成形体を得た この成形体を用い、硬度測定、機械強度、 油性試験を行った。評価結果を表2に示す。

 (比較例4)
 ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン系樹 (PANDEX T-8180N:ディーアイシー バイエル ポ マー(株)製)と安定剤:Irganox1010を表1に示した 割合で、ラボプラストミル(東洋精機(株)製) 用いて200℃で溶融混練し、ブロック状サン ルを得た。得られたサンプルを設定温度200 で熱プレス成形し、厚さ2mmの評価用の成形 を得た。この成形体を用い、硬度測定、機 強度、耐油性試験を行った。評価結果を表2 示す。

 (比較例5)
 ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン系樹 (PANDEX T-1180:ディーアイシー バイエル ポ マー(株)製)と安定剤:Irganox1010を表1に示した 合で、ラボプラストミル(東洋精機(株)製)を 用いて200℃で溶融混練し、ブロック状サンプ ルを得た。得られたサンプルを設定温度200℃ で熱プレス成形し、厚さ2mmの評価用の成形体 を得た。この成形体を用い、硬度測定、機械 強度、耐油性試験を行った。評価結果を表2 示す。

 (比較例6)
 スチレン系エラストマー(セプトン 2063:ク レ(株)製)とポリエーテル系熱可塑性ポリウ タン系樹脂(PANDEX T-8180N:ディーアイシー バ エル ポリマー(株)製)と安定剤:Irganox1010を 1に示した割合で、ラボプラストミル(東洋精 機(株)製)を用いて200℃で溶融混練し、ブロッ ク状サンプルを得た。得られたサンプルを設 定温度200℃で熱プレス成形し、厚さ2mmの評価 用の成形体を得た。この成形体を用い、硬度 測定、機械強度、耐油性試験を行った。評価 結果を表2に示す。

 (比較例7)
 スチレン系エラストマー(セプトン 2063:ク レ(株)製)とポリエステル系熱可塑性ポリウ タン系樹脂(PANDEX T-1180:ディーアイシー バ エル ポリマー(株)製)と安定剤:Irganox1010を表 1に示した割合で、ラボプラストミル(東洋精 (株)製)を用いて200℃で溶融混練し、ブロッ 状サンプルを得た。得られたサンプルを設 温度200℃で熱プレス成形し、厚さ2mmの評価 の成形体を得た。この成形体を用い、硬度 定、機械強度、耐油性試験を行った。評価 果を表2に示す。

 実施例3,4と比較例4、5の対比から、熱可 性ポリウレタン系樹脂にアクリル系ブロッ 共重合体を添加したものは、熱可塑性ポリ レタン系樹脂単体に対して柔軟性が改善さ ていることがわかる。また、実施例3と実施 4の対比より、ポリエーテル系熱可塑性ポリ ウレタン樹脂にアクリル系ブロック共重合体 を添加したものは、ポリエステル系熱可塑性 ポリウレタン樹脂にアクリル系ブロック共重 合体を添加したものに比べ、より優れた耐油 性を有している事がわかる。

 さらに、実施例3と比較例6の対比、およ 実施例4と比較例7の対比から、配合量が同一 の場合、改質剤としてアクリルブロック共重 合体を使用したものは、スチレン系エラスト マーを使用したものに比べ、良好な耐油性お よび機械特性を有している事がわかる。

 本発明で得られるアクリル系ブロック共 合体(A)と熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)と らなる熱可塑性樹脂組成物は、アクリル系 ロック共重合体、熱可塑性ポリウレタン系 脂が本来有する特性を維持しながら、柔軟 、耐油性などが改善されていることから、 動車、電気・電子部品としてより好適に用 ることができる。

 具体的には、パッキング材、シール材、 スケット、栓体等の密封用材、CDダンパー 建築用ダンパー、自動車外装用部材、車両 家電製品向け制振材等の制振材、防振材、 動車内装材、クッション材、日用品、電気 品、電子部品、スポーツ部材、グリップ又 緩衝材、電線被覆材、包装材、シート、表 類、フィルム材料、粘着剤のベースポリマ 、樹脂改質剤、各種容器、文具部品等とし 有効に使用することができる。