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Title:
FLOW PATH SELECTION SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/105308
Kind Code:
A1
Abstract:
A flow path selection system includes two micro-valves, a first valve (closure valve) and a second valve (water repellent valve). The first valve can be opened and closed, and the second valve can block a flow of fluid by surface tension. When the first valve is changed from an open state to a closed state, the flow of fluid having been blocked by the surface tension at the second valve and flowing in a first valve-side flow path is changed to a flow of the fluid freed from the blocking by the surface tension at the second valve and flowing in a second valve-side flow path.

Inventors:
KITAMURA KEN (JP)
KIDO TOSHIHITO (JP)
HARADA SHINJI (JP)
MIYATA KENICHI (JP)
SANDO YASUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052959
Publication Date:
September 04, 2008
Filing Date:
February 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA HOLDINGS INC (JP)
KITAMURA KEN (JP)
KIDO TOSHIHITO (JP)
HARADA SHINJI (JP)
MIYATA KENICHI (JP)
SANDO YASUHIRO (JP)
International Classes:
G01N35/08; B81B1/00; F16K17/02; F16K31/68; G01N37/00
Domestic Patent References:
WO2005107947A12005-11-17
Foreign References:
JP2006247533A2006-09-21
JP2002527250A2002-08-27
JP2006010340A2006-01-12
Attorney, Agent or Firm:
KOTANI, Etsuji et al. (2-2 Nakanoshima 2-chome,Kita-ku, Osaka-shi, Osaka, JP)
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Claims:
 1つの流路が分岐点で分岐されてなる分岐流路と、
 前記分岐流路における分岐点よりも上流側の流路に配設された駆動源であって、所定の押圧力で流体を下流側に押し流す駆動源と、
 前記分岐点よりも下流側における前記分岐された流路のうちの一方の流路に配設されたマイクロバルブであって、前記一方の流路中を流体が流れる状態とする開状態から該流体の流れを堰き止めた状態とする閉状態へ変化させる閉止動作が可能に構成された第1のバルブと、
 前記分岐された流路のうちの他方の流路に配設されたマイクロバルブであって、表面張力により流体が下流側に流れないよう所定の保持力によって保持されることが可能に構成された第2のバルブと、
を備えたことを特徴とする流路切換システム。
 前記第2のバルブは、前記他方の流路が部分的に狭窄されてなる狭窄部を備えることを特徴とする請求項1に記載の流路切換システム。
 前記第2のバルブは、前記狭窄部と、前記他方の流路の一部分であって前記狭窄部の上流端に隣接する第1の部分流路及び下流端に隣接する第2の部分流路とからなり、
 前記第1の部分流路における前記押圧力による第1内圧と前記第2の部分流路における第2内圧との差圧が前記保持力を超えたときに、該第2のバルブから下流側へ流体が流れるものであることを特徴とする請求項2に記載の流路切換システム。
 前記狭窄部は、一定の流路幅を有する形状に狭窄されてなることを特徴とする請求項2に記載の流路切換システム。
 前記狭窄部は、テーパ状又は円弧状に狭窄されてなることを特徴とする請求項2に記載の流路切換システム。
 前記第2のバルブは、前記狭窄部又は該狭窄部の一部分、及び/又は前記他方の流路における該狭窄部近傍の一部分が、これら以外の流路における前記狭窄方向と直交する方向の深さよりも浅い深さに形成されたものであることを特徴とする請求項2に記載の流路切換システム。
 前記第2のバルブは、前記他方の流路を部分的に撥水処理して形成された撥水処理部を備えることを特徴とする請求項1に記載の流路切換システム。
 前記他方の流路の、前記撥水処理部以外の流路の一部又は全部に親水処理が施されていることを特徴とする請求項7に記載の流路切換システム。
 前記第1のバルブは、
 前記一方の流路中における流体を固化するための固化手段を備え、
 前記固化手段によって該流体を固化することにより前記閉止動作を行うことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の流路切換システム。
 前記第1のバルブは、
 前記一方の流路が部分的に狭窄されてなる狭窄部と、
 前記一方の流路中における前記狭窄部の上流側に配設された固形物であって、熱によって溶解し且つ冷めると固化する固形物と、
 前記固形物を加熱する加熱手段と、を備え、
 前記加熱手段により前記固形物を加熱して溶解し、該溶解した固形物を前記一方の流路中の流体の流れによって前記狭窄部の位置まで流して固化させることにより前記閉止動作を行うことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の流路切換システム。
 前記第1のバルブは、
 前記一方の流路中の流体の流れを堰き止めるための所定の堰止部材を、該一方の流路中に移動させることが可能に構成された移動手段を備え、
 前記移動手段によって前記堰止部材を一方の流路中に移動することにより前記閉止動作を行うことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の流路切換システム。
 前記移動手段は、
 液体又は気体が充填された室部と、
 前記室部を加熱する加熱手段とを備え、
 前記加熱手段によって前記室部を加熱することにより高められた該室部の内圧によって前記堰止部材を一方の流路中に移動させることを特徴とする請求項11に記載の流路切換システム。
 前記移動手段は、
 熱によって伸長する伸長体と、
 前記伸長体を加熱する加熱手段と、を備え、
 前記加熱手段によって前記伸長体を加熱して伸長させることによって前記堰止部材を一方の流路中に移動させることを特徴とする請求項11に記載の流路切換システム。
 前記伸長体は、形状記憶合金又は形状記憶ポリマーからなることを特徴とする請求項13に記載の流路切換システム。
 1つの流路が分岐点で分岐されてなる分岐流路と、
 前記分岐流路における分岐点よりも上流側の流路に配設された駆動源であって、所定の押圧力で流体を下流側に押し流す駆動源と、
 前記分岐点よりも下流側における前記分岐された流路のうちの一方の流路に配設されたマイクロバルブであって、前記一方の流路中を流体が流れる状態とする開状態から該流体の流れを堰き止めた状態とする閉状態へ変化させる閉止動作が可能に構成された第1のバルブと、
 前記分岐された流路のうちの他方の流路に配設されたマイクロバルブであって、表面張力により流体が下流側に流れないよう所定の保持力によって保持されることが可能に構成された第2のバルブと、を備え、
 前記第1のバルブが開状態とされるとともに前記第2のバルブにおいて前記保持力により流体が保持されることで前記駆動源により流体が上流側の流路から分岐点を経て前記一方の流路に流される第1の状態において、
 前記第1のバルブの閉止動作が行われることにより、
 前記第1の状態から、前記保持力を超えた前記押圧力により前記第2のバルブから下流側へ流体が流されることによって前記駆動源により流体が上流側の流路から分岐点を経て前記他方の流路に流される第2の状態に切り換わることを特徴とする流路切換システム。
 前記第2のバルブは、前記他方の流路が部分的に狭窄されてなる狭窄部を備えることを特徴とする請求項15に記載の流路切換システム。
 前記第2のバルブは、前記狭窄部と、前記他方の流路の一部分であって前記狭窄部の上流端に隣接する第1の部分流路及び下流端に隣接する第2の部分流路とからなり、
 前記第1の部分流路における前記押圧力による第1内圧と前記第2の部分流路における第2内圧との差圧が前記保持力を超えたときに、該第2のバルブから下流側へ流体が流れるものであることを特徴とする請求項16に記載の流路切換システム。
 前記狭窄部は、一定の流路幅を有する形状に狭窄されてなることを特徴とする請求項16に記載の流路切換システム。
 前記狭窄部は、テーパ状又は円弧状に狭窄されてなることを特徴とする請求項16に記載の流路切換システム。
 前記第2のバルブは、前記狭窄部又は該狭窄部の一部分、及び/又は前記他方の流路における該狭窄部近傍の一部分が、これら以外の流路における前記狭窄方向と直交する方向の深さよりも浅い深さに形成されたものであることを特徴とする請求項16に記載の流路切換システム。
 前記第2のバルブは、前記他方の流路を部分的に撥水処理して形成された撥水処理部を備えることを特徴とする請求項15に記載の流路切換システム。
 前記他方の流路の、前記撥水処理部以外の流路の一部又は全部に親水処理が施されていることを特徴とする請求項15に記載の流路切換システム。
 前記第1のバルブは、
 前記一方の流路中における流体を固化するための固化手段を備え、
 前記固化手段によって該流体を固化することにより前記閉止動作を行うことを特徴とする請求項15~22のいずれかに記載の流路切換システム。
 前記第1のバルブは、
 前記一方の流路が部分的に狭窄されてなる狭窄部と、
 前記一方の流路中における前記狭窄部の上流側に配設された固形物であって、熱によって溶解し且つ冷めると固化する固形物と、
 前記固形物を加熱する加熱手段と、を備え、
 前記加熱手段により前記固形物を加熱して溶解し、該溶解した固形物を前記一方の流路中の流体の流れによって前記狭窄部の位置まで流して固化させることにより前記閉止動作を行うことを特徴とする請求項15~22のいずれかに記載の流路切換システム。
 前記第1のバルブは、
 前記一方の流路中の流体の流れを堰き止めるための所定の堰止部材を、該一方の流路中に移動させることが可能に構成された移動手段を備え、
 前記移動手段によって前記堰止部材を一方の流路中に移動することにより前記閉止動作を行うことを特徴とする請求項15~22のいずれかに記載の流路切換システム。
 前記移動手段は、
 液体又は気体が充填された室部と、
 前記室部を加熱する加熱手段とを備え、
 前記加熱手段によって前記室部を加熱することにより高められた該室部の内圧によって前記堰止部材を一方の流路中に移動させることを特徴とする請求項25に記載の流路切換システム。
 前記移動手段は、
 熱によって伸長する伸長体と、
 前記伸長体を加熱する加熱手段と、を備え、
 前記加熱手段によって前記伸長体を加熱して伸長させることによって前記堰止部材を一方の流路中に移動させることを特徴とする請求項25に記載の流路切換システム。
 前記伸長体は、形状記憶合金又は形状記憶ポリマーからなることを特徴とする請求項27に記載の流路切換システム。
 
Description:
流路切換システム

 本発明は、分岐流路における流路の切り えを行う流路切換システムに関し、特に、 イクロバルブを用いて流路の切り換えを行 ことが可能な流路切換システムに関する。

 近年、マイクロマシン技術を応用して、 学分析(検査)や化学合成などを機器や手法 微細化することにより行うμ-TAS(micro-Total Ana lysis System)が注目されている。従来の装置に べ、微細化されたμ-TASでは、試料の量が少 い、反応時間が短い、或いは廃棄物が少な などのメリットがある。これを例えば医療 野に使用した場合、検体(血液など)の量が なくて済むため患者への負担を軽減できる ともに、試薬の量が少なくて済むため検査 コストを下げることができる。また、検体 試薬の量が少なくて済むことから、反応時 が大幅に短縮されて検査の効率化を図るこ ができる。さらに携帯性に優れていること らも、医療分野、環境分析等、広く応用が 待されている。

 このμ-TAS(上記試料や検体等の流体を扱う ことから「マイクロ流体システム」ともいう )では、マイクロバルブは不可欠な要素であ 。μ-TASにおけるマイクロバルブは、集積回 における謂わばスイッチのような役割を有 る素子であり、チップ上に集積化すること 求められる。また、医療応用を目的とした ステムでは、血液などの検体を流すチップ( イクロ化学チップ或いは流体チップ)等は使 い捨てにすることが望まれており、低コスト 化の要求が大きい。

 これに対して、従来提案されているマイク バルブは、アクチュエータやダイヤフラム どの可動部材を用いる方式(例えば特許文献 1参照)のものが一般的であり、その構造や制 が複雑となる。そのため、製造の手間やコ トがかかることが実用上での大きな課題と っていた。

特開平7-158757号公報

 本発明の目的は、簡素な構成且つ簡易な 御によって分岐流路の切り換えが可能であ 、ひいては製造が容易で、且つコスト低減 図ることが可能な流路切換システムを提供 ることにある。

 かかる目的を達成する、本発明の一局面に る流路切換システムは、
 1つの流路が分岐点で分岐されてなる分岐流 路と、
 前記分岐流路における分岐点よりも上流側 流路に配設された駆動源であって、所定の 圧力で流体を下流側に押し流す駆動源と、
 前記分岐点よりも下流側における前記分岐 れた流路のうちの一方の流路に配設された イクロバルブであって、前記一方の流路中 流体が流れる状態とする開状態から該流体 流れを堰き止めた状態とする閉状態へ変化 せる閉止動作が可能に構成された第1のバル ブと、
 前記分岐された流路のうちの他方の流路に 設されたマイクロバルブであって、表面張 により流体が下流側に流れないよう所定の 持力によって保持されることが可能に構成 れた第2のバルブと、を備える。

 この構成によれば、第1のバルブを開状態 から閉状態に変化させることで、これまで第 2のバルブにおける表面張力により流れが堰 止められて第1のバルブ側の流路を流れてい 流れが、当該第2のバルブでの堰き止め状態 が破られて該第2のバルブ側の流路を流れる れに切り換えられる。すなわち、単に第1の ルブを閉じるという動作を行うことで流路 切り換えられる。従って、簡素な構成且つ 易な制御によって分岐流路の切り換えが可 であり、このことは流路切換システムの製 を容易とし、且つコスト低減を図ることに 献する。

 本発明の目的、特徴及び利点は、以下の 細な説明と添付図面とによって、より明白 なる。

本実施形態に係る流路切換システムの 本構成の一例を示す模式図である。 上記流路切換システムにおける撥水バ ブの一例を示す拡大図であり、(a)は撥水バ ブの平面図及び側面図を、(b)は、(a)に示す 水バルブにおいて流体の流れが停止した状 の一例を示す平面図及び側面図である。 上記流路切換システムによる分岐流路 切り換え動作の一例について説明するため 図であり、(a)は閉止バルブが開状態である きの流れの様子を、(b)は閉止バルブが閉状 であるときの流れの様子を示す図である。 図4(a)、図4(b)、図4(c)、図4(d)及び図4(e) それぞれ上記撥水バルブの変形例を示す平 図である。 図2に示す撥水バルブの変形例を示す平 面図及び側面図である。 図1に示す閉止バルブの変形例を示す平 面図或いは側面図である。 上記閉止バルブの変形例を示す平面図 び側面図である。 上記閉止バルブの変形例を示す平面図 び側面図である。 上記閉止バルブの変形例を示す平面図 び側面図である。 上記閉止バルブの変形例を示す平面図 及び側面図である。 上記流路切換システムの実際の適用例 について説明するための模式図である。 上記流路切換システムの変形例を示す 図である。 上記流路切換システムの変形例を示す 図である。 上記撥水バルブの変形例を示す平面図 である。 上記撥水バルブの変形例を示す平面図 である。

 図1は、本実施形態に係る流路切換システ ムの基本構成の一例を示す模式図である。流 路切換システム1は、分岐流路における流路 切り換えを行うマイクロシステムであって 分岐流路2、駆動源3、撥水バルブ4(第2のバル ブ)及び閉止バルブ5(第1のバルブ)を備えてい 。分岐流路2は、1つの流路が分岐点で分岐 れてなる流路断面が例えば四角形状(円形状 もよい)の流路であって、分岐点よりも上流 側の流路である上流流路21(1つの流路)と、上 流路21の分岐点である分岐部24と、分岐後の 流路すなわち分岐部24(分岐点)よりも下流側 流路である下流流路22、23(他方、一方の流路 )とからなる。

 駆動源3は、上流流路21に配設(接続)され おり、所定の押圧力で流体を下流側に押し すための流体駆動を行うものである。駆動 3は、例えばシリンジポンプやダイヤフラム 動のマイクロポンプである。

 撥水バルブ4は、上記分岐された流路のう ちの一方の流路、ここでは下流流路22に配設 れており、流体の表面張力(撥水性)を利用 て流れを停止(流体をその場所に保持して下 側に流れないようにする)させたり、この表 面張力による流れ停止状態が打ち破られるこ とで流れが開始されるよう構成されたマイク ロバルブである。図2は撥水バルブ4の一例を す要部拡大図であり、(a)は撥水バルブ4の平 面図(側面図でもある)を、(b)は、(a)に示す撥 バルブ4において流体の流れが停止した状態 の一例を示す平面図(側面図)である。

 図2(a)に示すように、撥水バルブ4は、下 流路22の流路が部分的に狭窄された、例えば 下流流路22の内側の幅(或いは内径)よりも小 い一定の流路幅(或いは流路径)とされた、或 いは流路断面積が小さくされた狭窄部41を備 てなる。すなわち撥水バルブ4は、狭窄部41 、該狭窄部41の流路方向の両端(狭窄部41の 流端及び下流端)に隣接配置された下流流路2 2の一部である流路部42a、42bとからなる。た し、狭窄部41は流路断面方向における略中心 位置に配置されて流路断面が四角形状(例え 正方形)をしており、流路方向(流れ方向)の Lが例えば25μm~100μmの範囲の長さであり、流 断面方向の幅W(縦幅或いは横幅或いは内径) 例えば16μm~70μmの範囲の長さを有している なお、流路部42a、42bの流路幅は必ずしも下 流路22の流路幅と同じでなくともよい。要は 狭窄部41とこの狭窄部41の流路幅よりも大き 任意の流路幅を有する前後2つの流路部(これ ら流路部も下流流路22に含まれる)とから構成 されていればよい。また、狭窄部41の流路断 は上記四角形状でなく例えば円形状でもよ 。

 この撥水バルブ4において、図2(b)に示す うに、例えば上流流路21及び下流流路22を経 流れてきて撥水バルブ4に達した流体F(斜線 )は、狭窄部41において表面張力により流体F が下流側(流路部42b)に流れないようにする所 の圧力(保持力という)によって保持された 態、すなわち、いわば流体が流れようとす 力とその場合に留まらそうとする力との釣 合い(均衡状態)が保たれた状態となる。具体 的には、狭窄部41において、流体Fの空気と接 する先端Sの形状(撥水表面形状)が表面張力に よって例えば同図に示す凹状となって、流れ が停止した(流体Fが停留した)状態となる。た だし、上記“停止”とは、その場から全く動 かないという意味に限定するものではなく、 例えば、流体Fは狭窄部41から下流側へ流れて いないものの例えばその先端Sが流路の前後 多少振れ動くような場合、つまり流体Fが微 的には移動しているが全体としては狭窄部4 1で留まっているという場合の意味も含む。

 上記撥水表面形状は上記釣り合いが保た る場所の形状によっては、図2(b)の場合とは 反対の力(負の力)が働くため、上記凹状に限 ず例えば凸状或いは平坦面状となり得る。 た、“液体(流体F)の表面張力>対象固体( 窄部41の管壁)の表面張力”という関係が成 立つ条件において、流体F例えば水をはじく つまり“撥水”という現象が生じる。この とから、撥水バルブ4(狭窄部41)における当 流体Fの流れの停止は、表面張力に基づく撥 性によるものであるとも言える。ただし、 “水”性という言葉では「水」という字が いられているが、流体F(液体)はこの“水” 限るものではない。つまり、流体Fは、水以 外の液体でもよいし、要は流路を流れること が可能であり且つ上記表面張力が発生して流 れの停止が可能となるものであれば例えば液 体中に気体や固体が混在したものなど、任意 なものでよい。なお、上記表面張力における 関係が成立するようにするべく、撥水バルブ 4は、各流路壁面にフッ素系物質がコーティ グされていてもよい。

 流体Fが上記保持力以下の圧力(上記駆動 3による押圧力)で上流側から押される(或い 下流側から吸引される)場合には、上述のよ に流体Fは狭窄部41で停止している。しかし がら、上記保持力よりも大きい圧力(押圧力 )で押され(又は吸引され)、流路部42a内の圧力 (第1内圧P1という)と流路部42b内の圧力(第2内 P2という)との差圧、具体的には第1内圧P1か 第2内圧P2を減算した値(圧力差;P1-P2)がこの保 持力を超えると、つまり上記力の均衡状態が 破られると、流体Fは図中の矢印で示す下流 向に、撥水バルブ4を通過して流れる。一旦 流体Fが撥水バルブ4を越えて流れると、そ 以後は、当該保持力より小さい押圧力で押 たとしても、流体Fは撥水バルブ4を越えて流 れるようになり、この流れが維持される。

 閉止バルブ5は、上記分岐された流路のう ちの他方の流路、ここでは下流流路23に配設 れており、下流流路23中を流体Fが流れる状 とする開状態から、流体Fの流れを堰き止め た状態とする閉状態へ変化させる閉止動作が 可能に構成されたマイクロバルブである。こ の閉止バルブ5の構成及び動作については後 する。

 図3(a)、(b)は、流路切換システム1による 岐流路の切り換え動作の一例について説明 るための図であり、(a)は閉止バルブ5が開状 であるときの流れの様子を、(b)は閉止バル 5が閉状態であるときの流れの様子を示す。 先ず、図3(a)に示すように、閉止バルブ5が開 態とされているときに、駆動源3により流体 Fが上流流路21内を下流側へ押し流される場合 、撥水バルブ4において上記圧力差(P1-P2)が狭 部41での保持力を超えない限り、流体Fは撥 バルブ4で堰き止められる。その結果、流体 Fは上流流路21から分岐部24を経て下流流路23 流れる(閉止バルブ5をそのまま通過してさら に下流側へ流れる)。なお、流路切換システ 1における流路切り換えにおいて、閉止バル 5は通常、開状態となっている。

 一方、図3(b)に示すように、閉止バルブ5 閉止動作が実行された場合つまり開状態か 閉状態に変化されると、上流流路21及び下流 流路22、23の内圧が上昇し、上記第1内圧P1と 2内圧P2との圧力差(P1-P2)が狭窄部41での保持 を超えて大きくなる。すると、これまで撥 バルブ4のところで流れが停止されていた流 Fが撥水バルブ4を越えて流れる。その結果 流体Fは上流流路21から分岐部24を経て下流流 路22へ流れるようになる。

 かかる流路切換システム1による分岐流路 の切り換えは、閉止バルブ5が開状態とされ とともに撥水バルブ4において保持力により 体Fが保持されることで駆動源3により流体F 上流流路21から分岐部24を経て下流流路23に される第1の状態を変化させる。この第1の 態から、閉止バルブ5の閉止動作を行うとい 簡単な操作によって、保持力を超えた押圧 によって撥水バルブ4から下流側へ流体Fが されることで駆動源3により流体Fが上流流路 21から分岐部24を経て下流流路22に流される第 2の状態への切り換えが実現される。

 ところで、撥水バルブ4は、図2に示すも に限らず、例えば平面視で図4(a)~(e)に示す各 形状のものであってもよい。すなわち、図4(a )に示す撥水バルブ4aは、図2に示す形状の変 例であって、狭窄部41aの深さ(上面401から底 402までの距離)が、この前後の流路(流路部42 a、42b)における当該狭窄方向Qと直交する方向 の深さよりも浅い形状となっている。

 図4(b)に示す撥水バルブ4bは、上記撥水バ ブ4aの上流側の流路部42aが、その流路幅が 記狭窄部41aの流路入口へ向けて徐々に狭め れる所謂テーパ角θでテーパ状に形成された ものである。なお、狭窄部41aにこのテーパ状 の形成部も含めた箇所を撥水バルブ4bの場合 狭窄部41bとしてもよい。

 図4(c)に示す撥水バルブ4cは、撥水バルブ4 bの変形例であって、狭窄部41aだけでなく、 の狭窄部41の上流側の上記テーパ状の部分も 含めた部分(斜線部)の深さが他の部分よりも く形成されている。この場合も符号41cで示 箇所を狭窄部41cとしてもよい。

 図4(d)に示す撥水バルブ4dは、円弧状にす わち対向する半径Rの2つの円弧によって流 幅が狭められて略中央部に所謂「のど部」 形成された形状となっている。この場合も 円弧状に狭められた部分を狭窄部41dとして よく、この狭窄部41dを含む箇所(斜線部)の深 さが他の箇所よりも浅くなっていてもよい。

 図4(e)に示す撥水バルブ4eは、例えば頂角 90度(直角)の楔型の切り込みが形成された形 状、換言すれば、上流側から下流側へ向けて 流路幅が直線状に狭められて且つ流路幅最小 部(のど部)の位置から直線状に広げられた形 、すなわち徐々に狭まるテーパ状部と徐々 広がるテーパ状部とからなる形状を有する ここでは、狭まる側のテーパ状部分のテー 角が広がる側のテーパ状部のテーパ角より 大きく(急傾斜に)なるように形成されてい 。この場合も符号41eで示す箇所を狭窄部41e してもよい。

 ここでは、図4(a)~(e)における幅L及びWは、 それぞれ図2の場合と同じ例えば25μm~100μm及 16μm~70μmの範囲の長さである。また、上記浅 い箇所(斜線部)の深さは例えば40μmであり、 れ以外の深い箇所の深さは例えば300μmであ 。また、撥水バルブ4dの半径Rは例えば25μm~50 μmの範囲の長さである。

 さらに、図4(b)、(c)及び図4(e)に記載の角 θは例えば30°~60°の範囲の大きさである。ま た、上記図2に示す撥水バルブ4は、上記と同 、例えば図5における平面図410及び側面図420 に示す撥水バルブ4’のように、狭窄部41と流 路部42aの一部とを合わせた箇所(斜線部)の深 が他の部分よりも浅くなるように形成され ものでもよい。なお、上記各狭窄部41a~41eを 組み合わせた狭窄部としてもよい。勿論、撥 水バルブの各部形状やサイズはこれらの他に も任意なものが採用可能である。

 ここで、閉止バルブ5の構成及び動作の具 体例について説明する。閉止バルブ5は上述 たように流路を開状態から閉状態にするこ が可能であればよく、種々の構成が考えら る。例えば図6に示すように、下流流路23を 成する部材51を介して配置された所定の冷却 手段例えばペルチェ素子52を備え、このペル ェ素子52によって下流流路23中の流体Fを冷 して(凍らせて)固化することが可能に構成さ れた閉止バルブ5aとしてもよい。例えば流体F が水を主成分とする場合、約0℃より低い温 に冷却することによって流体Fは下流流路23 の当該ペルチェ素子52の位置で凝固される( えば氷になる)。これにより、下流流路23が き止められて閉止バルブ5aが閉状態となる。

 また、閉止バルブ5は例えば図7(a)、(b)に すような構成を備えた閉止バルブ5bであって もよい。図7(a)は、開状態である場合の閉止 ルブ5bの側面図(符号501で示す図)及び平面図( 符号502で示す図)である。図7(a)は、閉状態で る場合の閉止バルブ5bの側面図(符号503で示 図)及び平面図(符号504で示す図)である。

 閉止バルブ5bは、流路断面が小さくなっ いる箇所、例えば下流流路23の流路が部分的 に狭窄された狭窄部505を有している。この狭 窄部505の上流側の流路(狭窄部505への流体Fの れを妨害しないような位置)には、固形物506 が例えば流路内壁に塗布或いは接着されるな どして設置されている。この固形物506は加熱 されることによって溶解する(流動性が増す) えばパラフィンワックスである。この固形 506の設置場所すなわち固形物506と対向する 置の流路外壁には、所定の加熱手段例えば ータ507が、下流流路23を構成する部材508を して該部材508と当接するように設置されて り、固形物506を加熱することが可能となっ いる。

 ヒータ507によって固形物506を加熱して溶 状態にすることで、流体Fとともにこの溶解 状態の固形物506が下流側へ移動する。固形物 506が下流側へ移動することによってヒータ507 の加熱領域(符号502、504で示す図中の点線枠 照)から外れると、固形物506は温度が低下し 再び固化し始め、狭窄部505において固形物5 06’に示すように固まる。これにより狭窄部5 05が固形物506’(固形物506が溶解した後に個化 してなるもの)で堰き止められ、或いは固形 506’が狭窄部505に詰まり、閉止バルブ5bは閉 状態となる。なお、閉止バルブ5bの場合、当 閉止動作を好適に行うためには、固形物506 (固形物506の量や材質或いは形状)と、これ 加える熱量(ヒータ507の種類や出力)と、固形 物506の設置位置から狭窄部505までの移動距離 とを上手くバランスさせる、すなわち例えば 予めの実測結果等に基づいて最適値を求めて おくことが必要となる。

 また、閉止バルブ5は例えば図8(a)、(b)に すような構成を備えた閉止バルブ5cであって もよい。図8(a)、(b)はそれぞれ、開状態及び 状態である場合の閉止バルブ5cの側面図或い は平面図である。閉止バルブ5cも上記と同様 、流路断面が小さくなっている箇所、例え 下流流路23の流路が部分的に狭窄された狭 部511を有している。この狭窄部511の流路脇 はガラス製の球体512が設置されている。こ 球体512はガラス製に限定されず、例えば樹 製や金属製でもよい。また、形状も球状に 定されず、円柱状、円錐状、角柱状或いは 錐状など任意な形状が採用可能である。

 この球体512の、流路(下流流路23)と反対側 には圧力室513が設置されており、この圧力室 513には例えば液体514が充填されている。また 、この圧力室513の周囲には所定の加熱手段例 えばヒータ515が設置されている。ヒータ515に よって圧力室513が加熱されると液体514が気化 し、圧力室513の内圧が高まる。圧力室513の内 圧が高まることで球体512が押し出され、図8(b )に示すように流路中に移動する。そして、 体512が流路中に移動したことにより下流流 23が堰き止められて閉止バルブ5cが閉状態と る。なお、液体514の代わりに気体が充填さ ていてもよい。この場合は、気体が熱によ て膨張することで内圧が高まる。

 また、閉止バルブ5は、上記閉止バルブ5c 変形例である、例えば図9(a)、(b)に示すよう な構成を備えた閉止バルブ5dであってもよい 図9(a)、(b)はそれぞれ、開状態及び閉状態で ある場合の閉止バルブ5dの側面図或いは平面 である。上記と同様に、閉止バルブ5dは狭 部521を有しており、この狭窄部521の流路脇 は上記と同様の球体522が設置されている。 の球体522の、流路と反対側には弁収納室523 設置されており、この弁収納室523の周囲に ヒータ524が設置されている。弁収納室523内 は、熱によって伸びることが可能な例えばTi -Ni系の合金である形状記憶合金からなる伸長 体(伸縮体)525が配設されている。

 伸長体525は所定形状例えば線状(ここでは 基端側が螺旋状となっている)をしており、 端側が球体522と接続(或いは当接可能に構成) されている。例えば図9(a)に示すように収縮 た状態となっている伸長体525がヒータ524に って加熱されると、例えば元の形状に戻る く変形して図9(b)に示すように伸びた状態と る。このように伸びた伸長体525によって球 522が流路中に移動し、下流流路23が堰き止 られて閉止バルブ5dが閉状態となる。なお、 伸長体525及び球体522は、当該流路を閉止する ための所謂“弁”であると言える。また、形 状記憶合金の代わりに後述の形状記憶ポリマ ーを用いてもよい。

 また、閉止バルブ5は、例えば図10(a)、(b) 示すような構成を備えた閉止バルブ5eであ てもよい。図10(a)、(b)はそれぞれ、開状態及 び閉状態である場合の閉止バルブ5eの側面図 いは平面図である。閉止バルブ5eは、流路( 流流路23)と反対側に弁収納室531が設置され おり、弁収納室531の周囲にはヒータ532が設 されている。弁収納室531内には、熱によっ 伸びることが可能な形状記憶ポリマーから る伸長体533が配設されている。

 例えば図10(a)に示す状態の伸長体533がヒ タ532によって加熱されると、例えば元の形 に戻るべく変形して図10(b)に示すように伸び た状態となる。このように伸びた伸長体533の 一端部によって下流流路23が堰き止められて 止バルブ5eが閉状態となる。なお、下流流 23における伸長体533と反対側の流路壁に例え ば凹状の掛止部534が形成されて、この掛止部 534に上記伸びた伸長体533の先端が挿入される (掛止される)構成であってもよい。これによ 、伸びた伸長体533によって確実に下流流路2 3を堰き止めることが可能となる。なお、形 記憶ポリマーの代わりに上記形状記憶合金 用いてもよい。

 ところで、流路切換システム1は、例えば 図11に示すような分析システム100に適用され 。この分析システム100は、例えば血液など 検体から核酸(DNA或いはRNA)を抽出するもの ある。分析システム100は、所定の通路(配管) 中に複数個のガラスビーズが移動可能に収納 されてなる溶解セル部101を有しており、この 上流側には、4つの液溜部にはそれぞれ、溶 液、溶解液、検体及び洗浄液の液体が溜め れている。溶出液には、例えば水、又はTris ッファー、又はTE(Tris-EDTA)バッファーが用い られる。溶解液には、例えば、グアニジン塩 酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ポリエチ レングリコール(PEG)、トリス塩酸塩(Tris-HCl)の 混合液が用いられる。洗浄液には、例えばエ タノール、又はエタノールと水との混合液、 又はエタノールと水と塩化ナトリウムとの混 合液が用いられる。

 各液体は、各マイクロポンプ102~105による 駆動液(例えば水)によって下流側の溶解セル 101へ向けて押し流される構成となっている 溶解セル部101の下流側の流路には、廃液を 出する流路とDNAの液を排出する流路との流 を切り換える分岐流路切換部106が設けられ いる。流路切換システム1における分岐流路 2、撥水バルブ4及び閉止バルブ5がこの分岐流 路切換部106に、駆動源3がマイクロポンプ102~1 05にそれぞれ対応している。

 初めに、溶解液及び検体を溶解セル部101 流し込み、溶解セル部101をヒータ等で加熱 ながらこの混合液を攪拌することで、検体 の細胞膜等を溶解し、検体から溶出させたD NAをビーズに吸着させる。次に、洗浄液を流 込んで不要物質(例えばDNA溶出時に破壊され た細胞膜)を洗い流す。このとき、廃液は下 流路23を流れて常時閉状態の閉止バルブ5を て排出される。次に、溶解セル部101をヒー 等で加熱しながら水を流すことでビーズに 着していたDNAを溶出液に溶出させて、このDN Aが溶出した溶出液を岐流路切換部106へ流す このとき、岐流路切換部106によって流路を り換える、すなわち閉止バルブ5を開状態か 閉状態に変化させて閉止バルブ5を閉止する ことで、当該DNAが溶出した液体を、撥水バル ブ4を経て下流流路22側から排出する(DNAを採 する)。

 以上のように本実施形態の流路切換シス ム1では、1つの流路(上流流路21)が分岐点(分 岐部24)で分岐されてなる分岐流路2と、分岐 路2における分岐点よりも上流側の流路に配 され所定の押圧力で流体を下流側に押し流 駆動源3と、分岐点よりも下流側における分 岐された流路のうちの一方の下流流路23に配 されたマイクロバルブであって、一方の流 中を流体が流れる状態とする開状態から該 体の流れを堰き止めた状態とする閉状態へ 化させる閉止動作が可能に構成された閉止 ルブ5(第1のバルブ)と、上記分岐された流路 のうちの他方の下流流路22に配設されたマイ ロバルブであって、この下流流路22が部分 に狭窄されてなる狭窄部41を備えるとともに 、該狭窄部41において表面張力により流体が 流側に流れないよう所定の保持力によって 持されることが可能に構成された撥水バル 4(第2のバルブ)とを備えている。

 そして、閉止バルブ5が開状態とされると ともに撥水バルブ4において保持力により流 が保持されることで駆動源3により流体が上 側の流路から分岐点を経て下流流路23に流 れる第1の状態において、閉止バルブ5の閉止 動作が行われることにより、第1の状態から 保持力を超えた押圧力により撥水バルブ4か 下流側へ流体が流されることによって駆動 により流体が上流流路21から分岐点を経て 流流路22に流される第2の状態に切り換えら る。

 このように、閉止バルブ5を開状態から閉 状態に変化させることで、これまで撥水バル ブ4における表面張力により流れが堰き止め れて閉止バルブ5側の流路を流れていた流れ 、当該撥水バルブ4での堰き止め状態が破ら れて該撥水バルブ4側の流路を流れる流れに り換えられる構成である。すなわち、単に 止バルブ5を閉じるという動作を行うことで 路が切り換えられる構成であるので、簡素 構成且つ簡易な制御によって分岐流路の切 換えが可能であり、ひいては製造が容易で つコスト低減を図ることが可能な流路切換 ステム1を実現することができる。

 また、撥水バルブ4が、狭窄部41と、下流 路22の一部分であって狭窄部41の上流端に隣 接する第1の部分流路(流路部42a)及び下流端に 隣接する第2の部分流路(流路部42b)とからなり 、第1の部分流路における押圧力による第1内 P1と第2の部分流路における第2内圧P2との差 (P1-P2)が保持力を超えたときに、該第2のバ ブから下流側へ流体が流れるものとされる このため、上記狭窄部41において表面張力に より流体が下流側に流れないよう所定の保持 力によって保持されることが可能な撥水バル ブ4を、簡易な構成で実現することができる

 また、狭窄部41(41a)が、下流流路22の流路 よりも小さい一定の流路幅を有する形状に 窄されてなるものとされるので、狭窄部41 簡易な構成とすることができ、ひいては撥 バルブ4を容易に作成することができる。

 また、狭窄部(41b、41c、41d、41e)がテーパ 又は円弧状に狭窄されてなるものとされる で、狭窄部を簡易な構成とすることができ ひいては撥水バルブ4を容易に作成すること できる。

 また、撥水バルブ4を、狭窄部又は該狭窄 部の一部分、及び/又は他方の流路における 狭窄部近傍の一部分が、これら以外の流路 おける狭窄方向Qと直交する方向の深さより 浅い深さ(図4、5に示す斜線部の箇所)に形成 されたものとすることで、表面張力によって 上記流体が下流側に流れないようより確実に 保持することが可能な撥水バルブ4を、簡易 構成で容易に作成することができる。

 また、閉止バルブ5が、一方の流路中にお ける流体を固化する(例えば凍らせる)ための 化手段(図6に示すペルチェ素子52)を備えた のとされ、この固化手段によって該流体を 化することにより閉止動作が行われるので 閉止バルブ5を、このように単に流路中の液 を固化するという簡易な構成によって容易 実現することができる。

 また、閉止バルブ5を、下流流路23が部分 に狭窄されてなる狭窄部505と、この一方の 路中における狭窄部505の上流側に配設され 固形物506であって、熱によって溶解し且つ めると固化する固形物506と、固形物506を加 するヒータ507とで構成し、ヒータ507によっ 固形物506が加熱されて溶解され、該溶解し 固形物506が一方の流路中の流体の流れによ て狭窄部505の位置まで流されて固形物506’ なることにより閉止動作が行われるように れば、閉止バルブ5を、このように単に流路 中の固形物506を加熱するという簡易な構成に よって容易に実現することができる。

 また、閉止バルブ5を、一方の流路中(下 流路23中)の流体の流れを堰き止めるための 定の堰止部材(球体512、522や伸長体533の流路 の一部)を該一方の流路中に移動させること が可能に構成された移動手段(例えば図8では 力室513、液体514及びヒータ515、図9では弁収 納室523、伸長体525及びヒータ524、図10では自 が堰止部材でもある伸長体533及びヒータ532) を備えたものとされ、移動手段によって堰止 部材が一方の流路中に移動されることにより 閉止動作が行われるようにすれば、閉止バル ブ5を、このように堰止部材を流路中に移動 るという簡易な構成によって容易に実現す ことができる。

 また、上記移動手段を、液体又は気体が 填された室部(圧力室513)と、室部を加熱す 加熱手段(ヒータ515)とを備えるものとされ、 加熱手段によって室部を加熱することにより 高められた該室部の内圧によって堰止部材が 一方の流路中に移動されるようにすれば、堰 止部材(球体512)を一方の流路中に移動させる 成を、単に室部を加熱するという簡易な構 によって容易に実現することができる。

 また、上記移動手段を、熱によって伸長 る伸長体525(533)と、伸長体525を加熱する加 手段(ヒータ524)(伸長体533に対してはヒータ53 2)とを備えたものとされ、加熱手段によって 長体が加熱されて伸長されることによって 止部材が一方の流路中に移動されるように れば、堰止部材を一方の流路中に移動させ 構成を、単に伸長体を加熱するという簡易 構成によって容易に実現することができる

 さらに、伸長体525、533を形状記憶合金又 形状記憶ポリマーからなるものとすれば、 によって伸長する伸長体を形状記憶合金又 形状記憶ポリマーを用いて容易に作成する とができる。

 以上、本発明の実施形態を説明したが、 発明はこれに限定されるものではなく、例 ば以下の変形態様をとることも可能である

(A)上記実施形態における流路切換システム 1は、図1に示すように、分岐流路2が分岐部24 分岐点として2つの流路に分岐されたものと され、そのうちの1つの下流流路23に閉止バル ブ5が、もう1つの下流流路22に撥水バルブ4が 置される構成であるが、これに限定されな 。例えば図12に示すように、分岐流路2が分 部24を分岐点として3つの流路に分岐された のとされ、そのうちの1つの下流流路23に閉 バルブ5が、これ以外の下流流路(下流流路22 及び22α)にそれぞれ撥水バルブ4が設置された 流路切換システム1aとしてもよい。

 この場合、閉止バルブ5が開状態にあると きには、流体Fは、下流流路23を流れており、 閉止バルブ5が閉止されると各撥水バルブ4に ける流れ停止状態が打ち破られて下流流路2 2及び22αを流れる。なお、当該分岐の数、つ り撥水バルブ4及びこれに対する下流流路の 追加数は3つより多くても構わない。このよ に3つ以上の流路に分岐する場合、例えば下 流路23(閉止バルブ5)を一方の流路とすると 残りの2つの下流流路22、22α(撥水バルブ4)を めて他方の流路と表現するものとする。ま 、閉止タイミングを一致させる困難さ等を 慮して閉止バルブ5(及び下流流路23)を1つ設 する構成としているが、複数設置する構成 してもよい。

(B)流路切換システム1の代わりに図13に示す 流路切換システム1bとしてもよい。すなわち 流路の分岐は分岐部24で2つに分岐するもの 、下流流路22に下流流路22α及び撥水バルブ4 が接続された、換言すれば、下流流路22が2つ の流路に分岐してそれぞれに撥水バルブ4が 置された構成としてもよい。

(C)図14は、撥水バルブ4の変形例を示す平面 図である。撥水バルブ4の構成に関し、図2(図 4)では狭窄部41と、該狭窄部41の上流端及び下 流端に隣接配置された流路部42a、42bとを有す る構成を例示した。このように、下流流路22 中途部に狭窄部41を形成する態様に限らず 図14に示しているように、狭窄部41fの上流端 410fが分岐部24に連接されている態様としても 良い。

(D)図15は、撥水バルブ4のさらなる変形例を 示す平面図である。上記の実施形態では、撥 水バルブ4において表面張力により流体が下 側に流れないような保持力を担保する手段 して、狭窄部を形成する態様を例示した。 の狭窄部の形成に代えて、図15に示している ように、下流流路22の内表面の適所に撥水処 部41gを形成することで、前記保持力を担保 るようにすることもできる。この撥水処理 41gは、下流流路22の内表面を部分的に撥水 理して形成された部分であり、流路内を流 させる流体に対して高い接触角(例えば90°以 上)を持つ領域である。このような高接触角 分は撥水性が高くなることから前記保持力 具備させることができ、上掲の実施形態で 明したと同様の撥水バルブ4としての機能を たすことができる。

 ここで、撥水処理部41gは、相対的にその 流側と比べて接触角の差が大きい程、大き 保持力を持つようになる。そこで、図15で 、撥水処理部41gの上流側に、接触角が小さ 親水処理部41hが形成されている例を示して る。ここでは、親水処理部41hが撥水処理部41 gの上流側にのみ形成されている態様を例示 ているが、下流流路22の全体、或いは分岐流 路2及び他の下流流路23を含めた流路全体を親 水処理するようにしても良い。なお、撥水処 理部41gに用いられる材料としては、ポリプロ ピレン、テフロン(登録商標)などのフッ素系 料を例示できる。また、親水処理部41hに用 られる材料としては、ポリエチレングリコ ル、ポリエチレンイミン、ポリビニルアル ールなどの親水性ポリマー溶液や、光触媒 性物質である酸化チタン等を例示すること できる。

 なお、上述した具体的実施形態には以下 構成を有する発明が主に含まれている。

 本発明の一局面に係る流路切換システムは
 1つの流路が分岐点で分岐されてなる分岐流 路と、
 前記分岐流路における分岐点よりも上流側 流路に配設された駆動源であって、所定の 圧力で流体を下流側に押し流す駆動源と、
 前記分岐点よりも下流側における前記分岐 れた流路のうちの一方の流路に配設された イクロバルブであって、前記一方の流路中 流体が流れる状態とする開状態から該流体 流れを堰き止めた状態とする閉状態へ変化 せる閉止動作が可能に構成された第1のバル ブと、
 前記分岐された流路のうちの他方の流路に 設されたマイクロバルブであって、表面張 により流体が下流側に流れないよう所定の 持力によって保持されることが可能に構成 れた第2のバルブと、を備える。

 本発明の他の局面に係る流路切換システム 、
 1つの流路が分岐点で分岐されてなる分岐流 路と、
 前記分岐流路における分岐点よりも上流側 流路に配設された駆動源であって、所定の 圧力で流体を下流側に押し流す駆動源と、
 前記分岐点よりも下流側における前記分岐 れた流路のうちの一方の流路に配設された イクロバルブであって、前記一方の流路中 流体が流れる状態とする開状態から該流体 流れを堰き止めた状態とする閉状態へ変化 せる閉止動作が可能に構成された第1のバル ブと、
 前記分岐された流路のうちの他方の流路に 設されたマイクロバルブであって、表面張 により流体が下流側に流れないよう所定の 持力によって保持されることが可能に構成 れた第2のバルブと、を備え、
 前記第1のバルブが開状態とされるとともに 前記第2のバルブにおいて前記保持力により 体が保持されることで前記駆動源により流 が上流側の流路から分岐点を経て前記一方 流路に流される第1の状態において、
 前記第1のバルブの閉止動作が行われること により、
 前記第1の状態から、前記保持力を超えた前 記押圧力により前記第2のバルブから下流側 流体が流されることによって前記駆動源に り流体が上流側の流路から分岐点を経て前 他方の流路に流される第2の状態に切り換わ ことを特徴とする。

 これらの構成によれば、第1のバルブが開 状態とされるとともに第2のバルブにおいて 持力により流体が保持されることで駆動源 より流体が上流側の流路から分岐点を経て 方の流路に流される第1の状態において、第1 のバルブの閉止動作が行われることにより、 第1の状態から、保持力を超えた押圧力によ 第2のバルブから下流側へ流体が流されるこ によって駆動源により流体が上流側の流路 ら分岐点を経て他方の流路に流される第2の 状態に切り換えられる。

 このように、第1のバルブを開状態から閉 状態に変化させることで、これまで第2のバ ブにおける表面張力により流れが堰き止め れて第1のバルブ側の流路(開状態から閉状態 に変化させる前の開状態での流路)を流れて た流れが、当該第2のバルブでの表面張力に る堰き止め状態が破られて第2のバルブ側の 流路を流れる流れに切り換えられる。すなわ ち、単に第1のバルブを閉じるという動作を うことで流路が切り換えられる構成である 従って、簡素な構成且つ簡易な制御によっ 分岐流路の切り換えが可能であり、ひいて 製造が容易で且つコスト低減を図ることが 能な流路切換システムを実現することがで る。

 上記構成において、前記第2のバルブは、 前記他方の流路が部分的に狭窄されてなる狭 窄部を備えることが望ましい。この場合、前 記第2のバルブは、前記狭窄部と、前記他方 流路の一部分であって前記狭窄部の上流端 隣接する第1の部分流路及び下流端に隣接す 第2の部分流路とからなり、前記第1の部分 路における前記押圧力による第1内圧と前記 2の部分流路における第2内圧との差圧が前 保持力を超えたときに、該第2のバルブから 流側へ流体が流れるものであることが好ま い。

 これによれば、上記狭窄部において表面 力により流体が下流側に流れないよう所定 保持力によって保持されることが可能な第2 のバルブを、簡易な構成で実現することがで きる。

 上記構成において、前記狭窄部は、一定 流路幅を有する形状に狭窄されてなること 好ましい。これによれば、狭窄部を簡易な 成とすることができ、ひいては第2のバルブ を容易に作成することができる。

 上記構成において、前記狭窄部は、テー 状又は円弧状に狭窄されてなることが好ま い。これによれば、狭窄部を簡易な構成と ることができ、ひいては第2のバルブを容易 に作成することができる。

 上記構成において、前記第2のバルブは、 前記狭窄部又は該狭窄部の一部分、及び/又 前記他方の流路における該狭窄部近傍の一 分が、これら以外の流路における前記狭窄 向と直交する方向の深さよりも浅い深さに 成されたものであることが好ましい。これ よれば、表面張力によって上記流体が下流 に流れないようより確実に保持することが 能な第2のバルブを、簡易な構成で容易に作 することができる。

 上記構成において、前記第2のバルブは、 前記他方の流路を部分的に撥水処理して形成 された撥水処理部を備えることが望ましい。 この構成によれば、狭窄部を形成しない態様 で、表面張力により流体が下流側に流れない よう所定の保持力によって保持されることが 可能な第2のバルブを構築できる。

 この場合、前記他方の流路の、前記撥水 理部以外の流路の一部又は全部に親水処理 施されていることが望ましい。この構成に れば、撥水処理部の保持力を高めることが きる。

 上記構成において、前記第1のバルブは、 前記一方の流路中における流体を固化するた めの固化手段を備え、前記固化手段によって 該流体を固化することにより前記閉止動作を 行うことが好ましい。これによれば、流路を 閉止するための第1のバルブを、単に流路中 液体を固化するという簡易な構成によって 易に実現することができる。

 上記構成において、前記第1のバルブは、 前記一方の流路が部分的に狭窄されてなる狭 窄部と、前記一方の流路中における前記狭窄 部の上流側に配設された固形物であって、熱 によって溶解し且つ冷めると固化する固形物 と、前記固形物を加熱する加熱手段とを備え 、前記加熱手段により前記固形物を加熱して 溶解し、該溶解した固形物を前記一方の流路 中の流体の流れによって前記狭窄部の位置ま で流して固化させることにより前記閉止動作 を行うことが好ましい。これによれば、流路 を閉止するための第1のバルブを、このよう 単に流路中の固形物を加熱するという簡易 構成によって容易に実現できる。

 上記構成において、前記第1のバルブは、 前記一方の流路中の流体の流れを堰き止める ための所定の堰止部材を、該一方の流路中に 移動させることが可能に構成された移動手段 を備え、前記移動手段によって前記堰止部材 を一方の流路中に移動することにより前記閉 止動作を行うことが好ましい。これによれば 、流路を閉止するための第1のバルブを、こ ように堰止部材を流路中に移動するという 易な構成によって容易に実現することがで る。

 上記構成において、前記移動手段は、液 又は気体が充填された室部と、前記室部を 熱する加熱手段とを備え、前記加熱手段に って前記室部を加熱することにより高めら た該室部の内圧によって前記堰止部材を一 の流路中に移動させることが好ましい。こ によれば、堰止部材を一方の流路中に移動 せる構成を、単に室部を加熱するという簡 な構成によって容易に実現することができ 。

 上記構成において、前記移動手段は、熱 よって伸長する伸長体と、前記伸長体を加 する加熱手段とを備え、前記加熱手段によ て前記伸長体を加熱して伸長させることに って前記堰止部材を一方の流路中に移動さ ることが好ましい。これによれば、堰止部 を一方の流路中に移動させる構成を、単に 長体を加熱するという簡易な構成によって 易に実現することができる。

 上記構成において、前記伸長体は、形状 憶合金又は形状記憶ポリマーからなること 好ましい。これによれば、熱によって伸長 る伸長体を形状記憶合金又は形状記憶ポリ ーを用いて容易に作成することができる。