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Title:
THERMAL PRINT HEAD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/105307
Kind Code:
A1
Abstract:
A thermal print head (A) is provided with an insulating board (1), a heating resistor (2) arranged on the board (1), and a protection film (4) covering the heating resistor (2). The protection film (4) is composed of a first layer (41), a second layer (42) and a third layer (43). The first layer (41) is brought into contact with the heating resistor (2). The second layer (42) covers the first layer (41). The second layer (42) is harder than the first layer (41), and has a thermal conductivity higher than that of the first layer (41). The third layer (43) is an outermost layer covering the second layer (42). The third layer (43) is harder than the second layer (42) and is thinner than the second layer (42).

Inventors:
KANEI NAOFUMI (JP)
YAMADE TAKUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052958
Publication Date:
September 04, 2008
Filing Date:
February 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ROHM CO LTD (JP)
KANEI NAOFUMI (JP)
YAMADE TAKUMI (JP)
International Classes:
B41J2/335
Foreign References:
JP2000153630A2000-06-06
JPS6034449U1985-03-09
JP2004230583A2004-08-19
JPS6295245A1987-05-01
JPH04110165A1992-04-10
JPS6237170A1987-02-18
JPH0449057A1992-02-18
JPH02172758A1990-07-04
Attorney, Agent or Firm:
YOSHIDA, Minoru et al. (Tamatsukuri-motomachiTennoji-ku, Osaka-shi, Osaka, JP)
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Claims:
 基板と
 上記基板によって支持された発熱抵抗体と、
 上記発熱抵抗体を覆う保護膜と、
を備えたサーマルプリントヘッドであって、
 上記保護膜は、上記発熱抵抗体に接する第1層、この第1層を覆う第2層、およびこの第2層を覆う第3層を含み、上記第2層は、上記第1層よりも硬く、かつ上記第1層よりも大きな熱伝導率を有しており、上記第3層は、上記第2層よりも硬く、かつ上記第2層よりも薄い構成とされている、サーマルプリントヘッド。
 上記第3層の厚さが0.05~0.5μmである、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
 上記第3層は、TaNまたはTiN-SiAlONからなる、請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
Description:
サーマルプリントヘッド

 本発明は、サーマルプリンタに用いられ サーマルプリントヘッドに関する。

 サーマルプリントヘッドは、感熱紙など 記録媒体を局所的に昇温させることにより 望の画像や文字を印刷するデバイスである( たとえば特許文献1参照)。図3は、従来のサー マルプリントヘッドの一例を示している。同 図に示されたサーマルプリントヘッドXは、 分グレーズ92が形成された基板91を含んでお 、基板91上に電極パターン93が配置されてい る。また、基板91上には、電極パターン93に 続し、かつ、主走査方向に長く延びる発熱 抗体94が形成されている。発熱抵抗体94は、 護膜95によって覆われている。印刷の際、 熱紙は、保護膜95に押し付けられた状態で、 副走査方向に相対動させられる。

 上記サーマルプリントヘッドXを用いた印 刷においては、保護膜95に感熱紙が張り付く ティッキング現象が問題となる。一般的に 感熱紙の表面には、樹脂コーティングが施 れている。この樹脂コーティングは、サー ルプリントヘッドXからの熱により溶融し、 保護膜95に付着する。この状態で、樹脂コー ィングが固化すると、感熱紙が保護膜95に り付いてしまう。このようなスティッキン 現象は、印刷速度を速くするほど起こりや い。これは、高速印刷のために保護膜95と感 熱紙との押し付け力を増加させることや、上 記樹脂コーティングが急加熱・急冷されやす いことによるものと考えられる。

特開2002-2005号公報

 本発明は、上記した事情のもとで考え出 れたものである。そこで本発明は、印刷の 速化とスティッキング現象の抑制とを両立 ることが可能なサーマルプリントヘッドを 供することをその課題とする。

 本発明によって提供されるサーマルプリ トヘッドは、基板と、上記基板によって支 された発熱抵抗体と、上記発熱抵抗体を覆 保護膜と、を備える。上記保護膜は、第1、 第2及び第3層からなる。上記第1層は、上記発 熱抵抗体に直接的に接する。上記第2層は、 記第1層を覆い、上記第1層よりも硬い。また 、上記第2層は、上記第1層よりも大きな熱伝 率を有している。上記第3層は、上記第2層 覆い、上記第2層よりも硬い。また、上記第3 層は、上記第2層よりも厚さが小さい。

 好ましくは、上記第3層の厚さは0.05~0.5μm ある。

 上記構成によれば、上記第2層を設けるこ とにより上記保護膜全体の熱伝達係数を大き くすることができる。これは、上記発熱抵抗 体からの熱を感熱紙に伝えるのに有利であり 、印刷の高速化を図るのに適している。最外 層である上記第3層を最も硬くすることによ 、印刷中における上記保護膜のせん断変形 小さくできる。これにより、感熱紙が上記 護膜から剥がれやすくなり、スティッキン 現象が抑制される。好ましくは、上記第3層 厚さを0.05μm以上とすることにより、上記せ ん断変形の抑制効果がより適切に得られる。 一方、上記第3層の厚さを0.5μm以下とするこ により、上記保護膜全体の熱伝達係数を不 に小さくするおそれがない。また、上記サ マルプリントヘッドの製造工程において、 記第3層の形成に起因して上記基板が過大に ってしまうことを防止することができる。

 好ましくは、上記第3層は、TaNまたはTiN-Si AlONのいずれかからなる。このような材料は 上記第3層を上記第2層よりも硬くかつ熱伝導 率がより大きい層とするのに適している。ま た、TaNまたはTiN-SiAlONは、ともに撥水性に優 た材料である。そのため、これらの材料か なる第3層は、溶融した樹脂コーティングを く弾き、スティッキング現象の抑制を図る に好適である。

 本発明のその他の特徴および利点は、添 図面を参照して以下に行う詳細な説明によ て、より明らかとなろう。

本発明に基づくサーマルプリントヘッ の一例を示す要部断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの要部を 示す平面図である。 従来のサーマルプリントヘッドの一例 示す要部断面図である。

 以下、本発明の好ましい実施の形態につ 、図面を参照して具体的に説明する。

 図1および図2は、本発明に基づくサーマ プリントヘッドの一例を示している。図示 れたサーマルプリントヘッドAは、基板1、電 極パターン2、発熱抵抗体3、保護膜4を備えて いる。なお、図2においては、理解の便宜上 電極パターン2および発熱抵抗体3のみを示し ている。

 基板1は、主走査方向に長く延びた矩形状 の絶縁基板であり、たとえばアルミナセラミ ック製である。基板1の上面には、部分グレ ズ11が形成されている。部分グレーズ11は、 走査方向に長く延びた帯状である。図1の断 面図から理解されるように、部分グレーズ11 、基板1の厚さ方向(図1における上方向)に膨 出している。

 電極パターン2は、発熱抵抗体3に通電す ためのものであり、図2に示すように共通電 21と複数の個別電極22とを含んでいる。共通 電極21は、主走査方向に延びる帯状部分と、 の帯状部分から副走査方向に櫛歯状に延び 複数の枝状部分とを含む。複数の個別電極2 2は、上記複数の枝状部分と交互に主走査方 に沿って配列されている。電極パターン2は たとえばレジネートAuペーストを基板1上に 膜印刷した後に、この塗布されたペースト 焼成することで形成される。

 発熱抵抗体3は、サーマルプリントヘッド Aの発熱源である。発熱抵抗体3は、主走査方 に長く延びる帯状とされており、共通電極2 1の上記複数の枝状部分および各個別電極22の 先端部分を跨いでいる。共通電極21および選 された一の個別電極22を介して発熱抵抗体3 通電すると、発熱抵抗体3のうち、当該個別 電極22に接する部分およびその近傍が発熱す 。発熱抵抗体3は、たとえば、酸化ルテニウ ムペーストを厚膜印刷した後に焼成を施すこ とにより形成される。

 図1に示すように、保護膜4は、発熱抵抗 3を覆っており、第1層41、第2層42、および第3 層43からなる。

 第1層41は、発熱抵抗体3に直接的に接してお り、たとえばSiO 2 -ZnO-MgO系ガラスなどの非晶質ガラスからなる 第1層41の厚さは6μm程度とされる。上記材質 からなる第1層41の硬度は、600Hk程度である。 1層41は、たとえば印刷によってガラスペー トを塗布した後に、これを焼成することに って形成することができる。

 第2層42は、第1層41の材質である非晶質ガ スよりも熱伝導率が大きいたとえばSiCから り、その厚さが4μm程度とされる。このよう な材質からなる第2層42の硬さは、1300Hk程度で ある。第2層42は、たとえばスパッタリングに よって形成される。

 第3層43は、たとえばTaNからなり、その厚 は0.1μm程度とされている。なお、この厚さ 単なる一例であり限定的なものではない。 発明において、第3層43の厚さは、たとえば0 .05~0.5μmの範囲から適宜選択された値とすれ よい。上記材質からなる第3層43の硬度は、14 00~1500Hk程度である。第3層43は、たとえばスパ ッタリングによって形成される。

 次に、サーマルプリントヘッドAの作用に ついて説明する。

 上記第2層42は、SiCからなるため、非晶質 ラスからなる第1層41よりも熱伝導率が大き 。このため、たとえば保護膜4全体を非晶質 ガラスによって形成する場合と比べて、保護 膜4の熱伝達係数を大きくすることが可能で る。これは、発熱抵抗体3からの熱を感熱紙 伝えるのに有利であり、印刷の高速化に適 ている。

 また、上述のとおり、保護膜4を構成する 3つの層の中で、最外層である第3層43が最も い構成とされている。このため、保護膜4に する感熱紙の押し付け力を大きくしても、 3層43はせん断変形しにくい。その結果、感 紙は保護膜4から容易に引き剥がされ、ステ ィッキング現象が抑制される。第3層43のせん 断変形を抑制するためには、好ましくは当該 第3層の厚さを0.05μm以上とする。一方、第3層 43の厚さを0.5μm以下とすることにより、保護 4全体の熱伝達係数が不当に小さくなるのを 防止することができる。これにより、発熱抵 抗体3からの熱の伝達促進効果を損なうこと く、上述したスティッキングの抑制効果を することができる。また、相対的に硬い第3 43の厚さを0.5μm以下とすることにより、サ マルプリントヘッドAの製造工程において第3 層43を形成する際の基板1の過度な反りを回避 することができる。

 第3層43の材質であるTaNは、水滴の接触角 60度程度と、比較的撥水しやすい材料であ 。このため、感熱紙の樹脂コーティングが 融しても、第3層43によって溶融した樹脂コ ティングが弾かれる。したがって、樹脂コ ティングが第3層43に付着することが防止さ 、スティッキング現象の抑制に好適である

 本発明に係るサーマルプリントヘッドは 上述した実施形態に限定されるものではな 。たとえば、第3層の材質としては、TaNに限 定されず、TiN-SiAlONを用いてもよい。TiN-SiAlON 、たとえばSiCなどの第2層の材質よりも硬く 、水滴の接触角が58度程度と比較的撥水しや い材料である。したがって、このような材 を用いた場合であっても、上述した印刷の 速化とスティッキング現象の抑制との両立 図ることができる。