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Title:
IMAGE PICKING-UP DEVICE, METHOD OF MAMUFACTURING IMAGE PICKING-UP DEVICE, AND INFORMATION CODE-READING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093752
Kind Code:
A1
Abstract:
It is an object to provide an image picking-up device, a manufacturing method of an image picking-up device, and an information code-reading device that can be configured not only to simplify their optical system and to reduce their costs, but also to suppress fluctuations of resin lenses and deterioration of lens performances due to its expansion. An optical system (210) is comprised of a second lens (212) made of resin and the other lenses made of glass. The power of the resin lens is small in comparison with that of the glass lens, wherein each power is set to be small in comparison with that of the optical system (210). A lens frame constructing member (300) is comprised independently of a lens holding unit (310) and an image picking-up element holding unit (320), the lens holding unit (310) and the image picking-up element holding unit (320) are fixed by an intermediate member (330), expansion coefficients of the lens holding unit (310) and the image picking-up element holding unit (320) are different so as to control the coefficients.

Inventors:
OHARA NAOTO (JP)
HAYASHI YUSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051453
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KYOCERA CORP (JP)
OHARA NAOTO (JP)
HAYASHI YUSUKE (JP)
International Classes:
G02B7/02; G02B9/34; G02B13/18; H04N5/225; H04N5/232
Foreign References:
JP2003248171A2003-09-05
JP2003262778A2003-09-19
JP2006308987A2006-11-09
JP2006154767A2006-06-15
JP2003185905A2003-07-03
JP2004264577A2004-09-24
JPH06130267A1994-05-13
Attorney, Agent or Firm:
SATOH, Takahisa (Toranomon Denki Building 2F 8-1, Toranomon 2-chom, Minato-kuTokyo 01, JP)
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Claims:
 ガラスと樹脂のレンズを含む固定焦点の光学系と、
 前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、
 前記光学系と前記撮像素子とを保持する鏡枠構造部と、を有し、
 前記鏡枠構造部は、
  前記光学系の各レンズを保持するレンズ保持部と、
  前記撮像素子を保持する撮像素子保持部と、を含む
 撮像装置。
 前記レンズ保持部の線膨張係数の可変により温度変化によるレンズと撮像素子との相対的位置関係が調整されている
 請求項1記載の撮像装置。
 前記光学系に含まれる樹脂レンズのパワーの合算が負であるとき、最も撮像素子側に配置される最終レンズの撮像素子側の面と撮像素子の間隔が常温より高温で短くなり、低温で長くなる
 請求項1記載の撮像装置。
 前記光学系に含まれる樹脂レンズのパワーの合算が正であるとき、最も撮像素子側に配置される最終レンズの撮像素子側の面と撮像素子の間隔が常温より高温で長くなり、低温で短くなる
 請求項1記載の撮像装置。
 前記鏡枠構造部は、
  一端側が前記レンズ保持部を固定し、他端側が前記撮像素子保持部を固定する中間部材を有する
 請求項1記載の撮像装置。
 前記中間部材の線膨張係数は、前記保持部および前記撮像素子保持部の線膨張係数に比べて小さい
 請求項5記載の撮像装置。
 前記中間部材と前記レンズ保持部は、前記レンズ保持部の軸方向における中央部より物体側で固定されている
 請求項5記載の撮像装置。
 前記光学系は、
  樹脂レンズのパワーはガラスレンズのパワーに比べて小さく、かつ光学系のパワーに比べて小さいようにパワーが設定されている
 請求項1記載の撮像装置。
 前記撮像素子で撮像される被写体分散像は、撮像素子上ではピントが合わず、深度の深い光束とボケ部分が形成された像で、前記撮像素子からの被写体分散画像信号より分散のない画像信号を生成する画像処理部を有する
 請求項1記載の撮像装置。
 前記光学系は、
  物体側の第1レンズと、
  前記第1レンズより撮像素子側に配置された第2レンズを少なくとも含み、
  前記第1レンズはガラスレンズにより形成され、前記第2レンズは樹脂レンズにより形成される
 請求項1記載の撮像装置。
 前記光学系は、物体側から、
  第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、および第4レンズが順に配置され、
  前記第1レンズはガラスレンズにより形成され、前記第2、第3、および第4レンズのうち少なくとも第2レンズは樹脂レンズにより形成される
 請求項1に記載の撮像装置。
 前記光学系は光波面変調機能を有し、当該光波面変調機能が、前記光学系の光軸をz軸とし、互いに直交する2軸をx、yとしたとき、位相が下記式で表される
 請求項1記載の撮像装置。
 情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
 ガラスと樹脂のレンズを含む固定焦点の光学系と、
 前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、
 前記光学系と前記撮像素子とを保持する鏡枠構造部と、を有し、
 前記鏡枠構造部は、
  前記光学系の各レンズを保持するレンズ保持部と、
  前記撮像素子を保持する撮像素子保持部と、を含む
 情報コード読取装置。
 ガラスと樹脂のレンズを含む固定焦点の光学系と、
 前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、
 前記光学系と前記撮像素子とを保持する鏡枠構造部と、を有し、
 前記鏡枠構造部は、
  前記光学系の各レンズを保持するレンズ保持部と、
  前記撮像素子を保持する撮像素子保持部と、を含み、
  前記レンズ保持部と前記撮像素子保持部を光軸方向に位置の異なる複数個所から選択固定可能とする
 撮像装置。
 常温におけるバックフォーカスは変化させずに、前記光学系と前記撮像素子と前記鏡枠構造部とを含むレンズユニットが使用される温度条件によって、バックフォーカスが常温時より長くなる場合には撮像素子側、バックフォーカスが常温時より短くなる場合には対物側を前記複数個所から選択して固定可能である
 請求項14記載の撮像装置。
 前記光学系に含まれる樹脂レンズのパワーの合算が負であり、バックフォーカスが常温より高温で短い場合は、前記複数の固定箇所から対物側を選択して固定し、低温で長い場合は、前記複数の固定箇所から撮像素子側を選択して固定可能である
 請求項14記載の撮像装置。
 前記光学系に含まれる樹脂レンズのパワーの合算が正であり、バックフォーカスが常温より高温で長い場合は、前記複数の固定箇所から撮像素子側を選択して固定し、低温で短い場合は、前記複数の固定箇所から物体側を選択して固定可能である
 請求項14記載の撮像装置。
 前記鏡枠構造部は、
  一端側が前記レンズ保持部を固定し、他端側が前記撮像素子保持部を固定可能な中間部材を有し、
  前記レンズ保持部と前記撮像素子保持部の固定位置が前記中間部材により調整可能である
 請求項14記載の撮像装置。
 前記光学系は、
  樹脂レンズのパワーはガラスレンズのパワーに比べて小さく、樹脂レンズのパワーは、光学系のパワーに比べて小さいようにパワーが設定されている
 請求項14記載の撮像装置。
 前記撮像素子で撮像される被写体分散像は、撮像素子上ではピントが合わず、深度の深い光束とボケ部分が形成された像で、前記撮像素子からの被写体分散画像信号より分散のない画像信号を生成する画像処理部を有する
 請求項14記載の撮像装置。
 前記光学系は、
  物体側の第1レンズと、
  前記第1レンズより撮像素子側に配置された第2レンズを少なくとも含み、
  前記第1レンズはガラスレンズにより形成され、前記第2レンズは樹脂レンズにより形成される
 請求項14記載の撮像装置。
 前記光学系は、物体側から、
  第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、および第4レンズが順に配置され、
  前記第1レンズはガラスレンズにより形成され、前記第2、第3、および第4レンズのうち少なくとも第2レンズは樹脂レンズにより形成される
 請求項14記載の撮像装置。
 前記光学系は光波面変調機能を有し、当該光波面変調機能が、前記光学系の光軸をz軸とし、互いに直交する2軸をx、yとしたとき、位相が下記式で表される
 請求項14記載の撮像装置。
 情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
 ガラスと樹脂のレンズを含む固定焦点の光学系と、
 前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、
 前記光学系と前記撮像素子とを保持する鏡枠構造部と、を有し、
 前記鏡枠構造部は、
  前記光学系の各レンズを保持するレンズ保持部と、
  前記撮像素子を保持する撮像素子保持部と、を含み、
  前記レンズ保持部と前記撮像素子保持部を光軸方向に位置の異なる複数個所から選択固定可能とする
 情報コード読取装置。
 ガラスと樹脂のレンズを含む光学系の各レンズをレンズ保持部にセットする第1ステップと、
 撮像素子を撮像素子保持部にセットする第2ステップと、
 最も撮像素子側に配置される最終レンズの撮像素子側の面と撮像素子の受光面とを対向させる第3ステップと、
 温度変化に伴うバックフォーカスの位置の変動を相対的に吸収可能な位置に、前記レンズ保持部と前記撮像素子保持部を選択的に固定する第4ステップと
 を有する撮像装置の製造方法。
 ガラスと樹脂のレンズを含む光学系の各レンズをレンズ保持部にセットする第1ステップと、
 撮像素子を撮像素子保持部にセットする第2ステップと、
 最も撮像素子側に配置される最終レンズの撮像素子側の面と撮像素子の受光面とを対向させる第3ステップと、
 前記レンズ保持部と前記撮像素子保持部の固定位置もしくは材料の選択によって温度変化に伴うバックフォーカスの位置の変動を相対的に吸収可能に固定する第4ステップと
 を有する撮像装置の製造方法。
 常温でのバックフォーカスは変化させずにレンズユニットを高温から低温まで対応できるように、前記レンズ保持部と前記撮像素子保持部の固定位置が可変である
 請求項25記載の撮像装置の製造方法。
 前記第4ステップにおいては、
  前記光学系に含まれる樹脂レンズのパワーの合算が負であるとき、最も撮像素子側に配置される最終レンズの撮像素子側の面と撮像素子の間隔が常温より高温で短くなり、低温で長くなるように、前記レンズ保持部と前記撮像素子保持部を選択的に固定する
 請求項25記載の撮像装置の製造方法。
 前記第4ステップにおいては、
  前記光学系に含まれる樹脂レンズのパワーの合算が正であるとき、最も撮像素子側に配置される最終レンズの撮像素子側の面と撮像素子の間隔が常温より高温で長くなり、低温で短くなるように、前記レンズ保持部と前記撮像素子保持部を選択的に固定する
 請求項25記載の撮像装置の製造方法。
 前記レンズ保持部と前記撮像素子保持部を中間部材を介在させて固定する
 請求項25記載の撮像装置の製造方法。
 前記光学系は、
  樹脂レンズのパワーはガラスレンズのパワーに比べて小さく、かつ光学系のパワーに比べて小さいようにパワーが設定されている
 請求項25記載の撮像装置の製造方法。
 前記光学系は、
  物体側の第1レンズと、
  前記第1レンズより撮像素子側に配置された第2レンズを少なくとも含み、
  前記第1レンズはガラスレンズにより形成し、前記第2レンズは樹脂レンズにより形成する
 請求項25記載の撮像装置の製造方法。
 前記光学系を、第1レンズをガラスレンズにより形成し、第2、第3、および第4レンズのうち少なくとも第2レンズは樹脂レンズにより形成し、
 前記光学系は、物体側から、
  第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、および第4レンズの順となるように前記レンズ保持部に配置する
 請求項25記載の撮像装置の製造方法。
Description:
撮像装置、撮像装置の製造方法 および情報コード読取装置

 本発明は、撮像素子を用い、光学系を備 た撮像装置、撮像装置の製造方法、および 報コード読取装置に関するものである。

 近年急峻に発展を遂げている情報のデジタ 化に相俟って映像分野においてもその対応 著しい。
 特に、デジタルカメラに象徴されるように 像面は従来のフィルムに変わって固体撮像 子であるCCD(Charge Coupled Device),CMOS(Complementar y Metal Oxide Semiconductor)センサが使用されて るのが大半である。

 このように、撮像素子にCCDやCMOSセンサを 使った撮像レンズ装置は、被写体の映像を光 学系により光学的に取り込んで、撮像素子に より電気信号として抽出するものであり、デ ジタルスチルカメラの他、ビデオカメラ、デ ジタルビデオユニット、パーソナルコンピュ ータ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal  DigitalAssistant)、画像検査装置、自動制御用産 カメラ等に用いられている。

 図1は、一般的な撮像レンズ装置の構成およ び光束状態を模式的に示す図である。
 この撮像レンズ装置1は、光学系2とCCDやCMOS ンサ等の撮像素子3とを有する。
 光学系は、物体側レンズ21,22、絞り23、およ び結像レンズ24を物体側(OBJS)から撮像素子3側 に向かって順に配置されている。

 撮像レンズ装置1においては、図1に示すよ に、ベストフォーカス面を撮像素子面上に 致させている。
 図2A~図2Cは、撮像レンズ装置1の撮像素子3の 受光面でのスポット像を示している。

 また、位相板により光束を規則的に分散し デジタル処理により復元させ被写界深度の い画像撮影を可能にする等の撮像装置が提 されている(たとえば非特許文献1,2、特許文 献1~5参照)。
 また、伝達関数を用いたフィルタ処理を行 デジタルカメラの自動露出制御システムが 案されている(たとえば特許文献6参照)。

 また、CCD、CMOSなどの画像入力機能を持った 装置においては、たとえば風景など、所望の 映像とともに、バーコード等の近接静止画像 を読み取ることが、極めて有用であることが 多い。
 バーコードの読み取りは、たとえば第一の としてレンズを繰り出すオートフォーカス ピントを合わせる技術や、第二の例として 度拡張技術としては、たとえばカメラにお てF値を絞ることで被写界深度を広げて固定 ピントとしているものがある。
 さらに、ピントの合う被写界を増やす手法 、たとえば特許文献8に開示されている。

“Wavefront Coding;jointly optimized optical and digital imaging systems”,Edward R.Dowski,Jr.,Robert H .Cormack,Scott D.Sarama. “Wavefront Coding;A modern method of achieving high performance and/or low cost imaging systems”,E dward R.Dowski,Jr.,Gregory E.Johnson.

USP6,021,005

USP6,642,504

USP6,525,302

USP6,069,738

特開2003-235794号公報

特開2004-153497号公報

特開2004-37733号公報

特開2002-27047号公報

 上述した各文献にて提案された撮像装置に いては、その全ては通常光学系に上述の位 板を挿入した場合のPSF(Point-Spread-Function)が 定になっていることが前提であり、PSFが変 した場合は、その後のカーネルを用いたコ ボリューションにより、被写界深度の深い 像を実現することは極めて難しい。
 したがって、単焦点でのレンズではともか 、ズーム系やAF系などのレンズでは、その 学設計の精度の高さやそれに伴うコストア プが原因となり採用するには大きな問題を えている。
 換言すれば、従来の撮像装置においては、 正なコンボリューション演算を行うことが きず、ワイド(Wide)時やテレ(Tele)時のスポッ (SPOT)像のズレを引き起こす非点収差、コマ 差、ズーム色収差等の各収差を無くす光学 計が要求される。
 しかしながら、これらの収差を無くす光学 計は光学設計の難易度を増し、設計工数の 大、コスト増大、レンズの大型化の問題を き起こす。

 また、上記技術では、常温においては所望 被写界深度を得ることができるが、高温の 合と低温の場合でバックフォーカス(最も撮 像素子側に配置される最終レンズの撮像素子 側の面と撮像素子の間隔)が変わり、ピント 置が異なってくる。
 さらに、樹脂レンズが強いパワーを持って まうと、温度変化による性能変化は著しく 元処理を行っても十分な画質を得ることが きない。
 さらに、樹脂レンズとレンズ保持部の線膨 が異なると、温度変化に伴う膨張率の違い 、レンズががたついたり、クラックの入る それもある。

 本発明は、光学系を簡単化でき、コスト 減を図ることができることはもとより、樹 レンズの変動を抑えることが可能で、膨張 よるレンズの性能劣化を抑えることができ 適切な画質の、ノイズの影響が小さい復元 像を得ることが可能な撮像装置、撮像装置 製造方法、および情報コード読取装置を提 することにある。

 本発明の第1の観点の撮像装置は、ガラス と樹脂のレンズを含む固定焦点の光学系と、 前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮 像素子と、前記光学系と前記撮像素子とを保 持する鏡枠構造部と、を有し、前記鏡枠構造 部は、前記光学系の各レンズを保持するレン ズ保持部と、前記撮像素子を保持する撮像素 子保持部と、を含む。

 好適には、前記レンズ保持部の線膨張係 の可変により温度変化によるレンズと撮像 子との相対的位置関係が調整されている。

 好適には、前記光学系に含まれる樹脂レ ズのパワーの合算が負であるとき、最も撮 素子側に配置される最終レンズの撮像素子 の面と撮像素子の間隔が常温より高温で短 なり、低温で長くなる。

 好適には、前記光学系に含まれる樹脂レ ズのパワーの合算が正であるとき、最も撮 素子側に配置される最終レンズの撮像素子 の面と撮像素子の間隔が常温より高温で長 なり、低温で短くなる。

 好適には、前記鏡枠構造部は、一端側が 記レンズ保持部を固定し、他端側が前記撮 素子保持部を固定する中間部材を有する。

 好適には、前記中間部材の線膨張係数は 前記保持部および前記撮像素子保持部の線 張係数に比べて小さい。

 好適には、前記中間部材と前記レンズ保 部は、前記レンズ保持部の軸方向における 央部より物体側で固定されている。

 好適には、前記光学系は、樹脂レンズの ワーはガラスレンズのパワーに比べて小さ 、かつ光学系のパワーに比べて小さいよう パワーが設定されている。

 好適には、前記撮像素子で撮像される被 体分散像は、撮像素子上ではピントが合わ 、深度の深い光束とボケ部分が形成された で、前記撮像素子からの被写体分散画像信 より分散のない画像信号を生成する画像処 部を有する。

 好適には、前記光学系は、物体側の第1レ ンズと、前記第1レンズより撮像素子側に配 された第2レンズを少なくとも含み、前記第1 レンズはガラスレンズにより形成され、前記 第2レンズは樹脂レンズにより形成される。

 好適には、前記光学系は、物体側から、 1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、および第4 レンズが順に配置され、前記第1レンズはガ スレンズにより形成され、前記第2、第3、お よび第4レンズのうち少なくとも第2レンズは 脂レンズにより形成される。

 好適には、前記光学系は光波面変調機能 有し、当該光波面変調機能が、前記光学系 光軸をz軸とし、互いに直交する2軸をx、yと したとき、位相が下記式で表される。

 本発明の第2の観点は、情報コードを光学 的に読み取る情報コード読取装置であって、 ガラスと樹脂のレンズを含む固定焦点の光学 系と、前記光学系を通過した被写体像を撮像 する撮像素子と、前記光学系と前記撮像素子 とを保持する鏡枠構造部と、を有し、前記鏡 枠構造部は、前記光学系の各レンズを保持す るレンズ保持部と、前記撮像素子を保持する 撮像素子保持部と、を含む。

 本発明の第3の観点の撮像装置は、ガラス と樹脂のレンズを含む固定焦点の光学系と、 前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮 像素子と、前記光学系と前記撮像素子とを保 持する鏡枠構造部と、を有し、前記鏡枠構造 部は、前記光学系の各レンズを保持するレン ズ保持部と、前記撮像素子を保持する撮像素 子保持部と、を含み、前記レンズ保持部と前 記撮像素子保持部を光軸方向に位置の異なる 複数個所から選択固定可能とする。

 好適には、常温におけるバックフォーカ は変化させずに、前記光学系と前記撮像素 と前記鏡枠構造部とを含むレンズユニット 使用される温度条件によって、バックフォ カスが常温時より長くなる場合には撮像素 側、バックフォーカスが常温時より短くな 場合には対物側を前記複数個所から選択し 固定可能である。

 好適には、前記光学系に含まれる樹脂レ ズのパワーの合算が負であり、バックフォ カスが常温より高温で短い場合は、前記複 の固定箇所から対物側を選択して固定し、 温で長い場合は、前記複数の固定箇所から 像素子側を選択して固定可能である。

 好適には、前記光学系に含まれる樹脂レ ズのパワーの合算が正であり、バックフォ カスが常温より高温で長い場合は、前記複 の固定箇所から撮像素子側を選択して固定 、低温で短い場合は、前記複数の固定箇所 ら物体側を選択して固定可能である。

 好適には、前記鏡枠構造部は、一端側が 記レンズ保持部を固定し、他端側が前記撮 素子保持部を固定可能な中間部材を有し、 記レンズ保持部と前記撮像素子保持部の固 位置が前記中間部材により調整可能である

 本発明の第4の観点は、情報コードを光学 的に読み取る情報コード読取装置であって、 ガラスと樹脂のレンズを含む固定焦点の光学 系と、前記光学系を通過した被写体像を撮像 する撮像素子と、前記光学系と前記撮像素子 とを保持する鏡枠構造部と、を有し、前記鏡 枠構造部は、前記光学系の各レンズを保持す るレンズ保持部と、前記撮像素子を保持する 撮像素子保持部と、を含み、前記レンズ保持 部と前記撮像素子保持部を光軸方向に位置の 異なる複数個所から選択固定可能とする。

 本発明の第5の観点の撮像装置の製造方法 は、ガラスと樹脂のレンズを含む光学系の各 レンズをレンズ保持部にセットする第1ステ プと、撮像素子を撮像素子保持部にセット る第2ステップと、最も撮像素子側に配置さ る最終レンズの撮像素子側の面と撮像素子 受光面とを対向させる第3ステップと、温度 変化に伴うバックフォーカスの位置の変動を 相対的に吸収可能な位置に、前記レンズ保持 部と前記撮像素子保持部を選択的に固定する 第4ステップとを有する。

 本発明の第6の観点の撮像装置の製造方法 は、ガラスと樹脂のレンズを含む光学系の各 レンズをレンズ保持部にセットする第1ステ プと、撮像素子を撮像素子保持部にセット る第2ステップと、最も撮像素子側に配置さ る最終レンズの撮像素子側の面と撮像素子 受光面とを対向させる第3ステップと、前記 レンズ保持部と前記撮像素子保持部の固定位 置もしくは材料の選択によって温度変化に伴 うバックフォーカスの位置の変動を相対的に 吸収可能に固定する第4ステップとを有する

 好適には、常温でのバックフォーカスは 化させずにレンズユニットを高温から低温 で対応できるように、前記レンズ保持部と 記撮像素子保持部の固定位置が可変である

 好適には、前記第4ステップにおいては、 前記光学系に含まれる樹脂レンズのパワーの 合算が負であるとき、最も撮像素子側に配置 される最終レンズの撮像素子側の面と撮像素 子の間隔が常温より高温で短くなり、低温で 長くなるように、前記レンズ保持部と前記撮 像素子保持部を選択的に固定する。

 好適には、前記第4ステップにおいては、 前記光学系に含まれる樹脂レンズのパワーの 合算が正であるとき、最も撮像素子側に配置 される最終レンズの撮像素子側の面と撮像素 子の間隔が常温より高温で長くなり、低温で 短くなるように、前記レンズ保持部と前記撮 像素子保持部を選択的に固定する。

 好適には、前記レンズ保持部と前記撮像 子保持部を中間部材を介在させて固定する

 好適には、前記光学系は、樹脂レンズの ワーはガラスレンズのパワーに比べて小さ 、かつ光学系のパワーに比べて小さいよう パワーが設定されている。

 好適には、前記光学系は、物体側の第1レ ンズと、前記第1レンズより撮像素子側に配 された第2レンズを少なくとも含み、前記第1 レンズはガラスレンズにより形成し、前記第 2レンズは樹脂レンズにより形成する。

 好適には、前記光学系を、第1レンズをガ ラスレンズにより形成し、第2、第3、および 4レンズのうち少なくとも第2レンズは樹脂 ンズにより形成し、前記光学系は、物体側 ら、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、お び第4レンズの順となるように前記レンズ保 部に配置する。

 本発明によれば、光学系を簡単化でき、 スト低減を図ることができことはもとより 樹脂レンズの変動を抑えることが可能で、 張によるレンズの性能劣化を抑えることが き、しかも適切な画質の、ノイズの影響が さい復元画像を得ることができる利点があ 。

図1は、一般的な撮像レンズ装置の構成 および光束状態を模式的に示す図である。 図2A~図2Cは、撮像レンズ装置の撮像素 の受光面でのスポット像を示す図であって 図2Aは焦点が0.2mmずれた場合(Defocus=0.2mm)、図2 Bが合焦点の場合(Best focus)、図2Cが焦点が-0.2m mずれた場合(Defocus=-0.2mm)の各スポット像を示 図である。 図3は、本発明の実施形態に係る情報コ ード読取装置の一例を示す外観図である。 図4A~図4Cは、情報コードの例を示す図 ある。 図5は、図3の情報コード読取装置に適 される撮像装置の構成例を示すブロックで る。 図6は、本実施形態に係る光学系を形成 する撮像レンズユニットの基本構成を示す図 である。 図7は、樹脂レンズが強い負のパワーを 持ったアナログのスポット像のディフォーカ ス図である。 図8は、樹脂レンズが強い正のパワーを 持ったアナログのスポット像のディフォーカ ス図である。 図9は、本実施形態の光学系のように、 樹脂レンズのパワーを抑えたアナログのスポ ット像のディフォーカス図である。 図10は、本第1の実施形態に係る鏡枠構 造部の構成例を示す図である。 図11は、本第1の実施形態に係る鏡枠構 造部の固定方法を説明するための図である。 図12は、本第2の実施形態に係る鏡枠構 造部の構成例を示す図である。 図13は、本第2の実施形態に係る鏡枠構 造部の固定方法を説明するための第1図であ 。 図14は、本第2の実施形態に係る鏡枠構 造部の固定方法を説明するための第2図であ 。 図15は、本実施形態に係る製造方法の 本的な手順を説明するためのフローチャー である。 図16は、実施例2の撮像レンズユニット の基本構成を示す図である。 図17は、DEOSの原理を説明するための図 である。 図18は、本実施形態の光波面変調素子 含む光学系の光軸をz軸とし、互いに直交す る2軸をx、yとしたとき、式で表される波面収 差の形状を示す図である。 図19は、波面収差の形状と0.5λ以下の 囲を太線で表した図である。 図20は、カーネルデータROMの格納デー の一例(光学倍率)を示す図である。 図21は、カーネルデータROMの格納デー の他例(Fナンバ)を示す図である。 図22は、カーネルデータROMの格納デー の他例(Fナンバ)を示す図である。 図23は、露出制御装置の光学系設定処 の概要を示すフローチャートである。 図24は、信号処理部とカーネルデータ 納ROMについての第1の構成例を示す図である 。 図25は、信号処理部とカーネルデータ 納ROMについての第2の構成例を示す図である 。 図26は、信号処理部とカーネルデータ 納ROMについての第3の構成例を示す図である 。 図27は、信号処理部とカーネルデータ 納ROMについての第4の構成例を示す図である 。 図28は、被写体距離情報と露出情報と 組み合わせる画像処理装置の構成例を示す である。

符号の説明

 200・・・撮像装置、210・・・光学系、211 ・・第1レンズ、212・・・第2レンズ、213・ ・絞り、214・・・第3レンズ、215・・・第4レ ンズ、220・・・撮像素子、230・・・アナログ フロントエンド部(AFE)、240・・・画像処理装 、250・・・カメラ信号処理部、280・・・操 部、290・・・制御装置、242・・・コンボリ ーション演算器、243・・・カーネルデータR OM、244・・・コンボリューション制御部、300, 300A~300C・・・鏡枠構造部、310・・・レンズ保 持部、320・・・撮像素子保持部、330・・・中 間部材、332~334・・・固定部。

 以下、本発明の実施形態を添付図面に関 付けて説明する。

 図3は、本発明の実施形態に係る情報コード 読取装置の一例を示す外観図である。
 図4A~図4Cは、情報コードを例を示す図であ 。
 図5は、図3の情報コード読取装置に適用さ る撮像装置の構成例を示すブロックである

 本実施形態に係る情報コード読取装置100は 図3に示すように、本体110がケーブル111を介 して図示しない電子レジスタ等の処理装置と 接続され、たとえば読み取り対象物120に印刷 された反射率の異なるシンボル、コード等の 情報コード121を読み取り可能な装置である。
 読み取り対象の情報コードとしては、たと ば図4Aに示すような、JANコードのような1次 のバーコード122と、図4Bおよび図4Cに示すよ うなスタック式のCODE49、あるいはマトリック ス方式のQRコードのような2次元のバーコード 123が挙げられる。

 本実施形態に係る情報コード読取装置100は 本体110内に、図示しない照明光源と、図5に 示すような撮像装置200とが配置されている。
 撮像装置200は、後で詳述するように、光学 に光波面変調素子を適用し、光波面変調素 により光束を規則的に分散し、デジタル処 により復元させ被写界深度の深い画像撮影 可能にする波面収差制御光学系システム、 るいは深度拡張光学系システム(DEOS:Depth Exp antion Optical system)というシステムを採用し、 JANコードのような1次元のバーコードとQRコー ドのような2次元のバーコードのような情報 ードを的確に高精度で読み取ることが可能 構成されている。

 情報コード読取装置100の撮像装置200は、図5 に示すように、光学系210、撮像素子220、アナ ログフロントエンド部(AFE)230、画像処理装置2 40、カメラ信号処理部250、画像表示メモリ260 画像モニタリング装置270、操作部280、およ 制御装置290を有している。
 そして、撮像装置200で撮像され、処理を施 れた情報コードの画像信号は図示しない情 コードデコード系によってデコードされ、 コードされたデータは図示しないデータ送 部からケーブル111を介して、もしくは無線 信によって図示しない電子レジスタ等のデ タ処理装置に送信される。

 図6は、本実施形態に係る光学系を形成する 撮像レンズユニットの基本構成を示す図であ る。
 光学系210Aは、被写体物体OBJを撮影した像を 撮像素子220に供給する。また、光学系210Aは 第1レンズ211、第2レンズ212、絞り213、第3レ ズ214、および第4レンズ215を有している。
 光学系210Aは、物体側から順に、第1レンズ21 1、第2レンズ212、絞り213、第3レンズ214、第4 ンズ215が配置されている。
 本実施形態の光学系210Aは、第3レンズ214と 4レンズ215が接続されている。すなわち、本 施形態の光学系210Aのレンズユニットは、接 合レンズを含んで構成されている。

 そして、本実施形態の光学系210Aは、温度変 化に対応した光学系として構成されている。
 物体と接触する側の第1レンズ211、第3レン 214、および第4レンズ215はガラスにより形成 れ、第2レンズ212は樹脂により形成されてい る。
 そして、ガラスに比べて線膨張が大きく、 度変化に敏感に反応する樹脂レンズのパワ を制御することにより使用環境が低温から 温にまで及んだとしても十分な性能を確保 ることができ、さらに深度拡張光学系にお て、被写界深度の温度変化を緩和すること できるように構成されている。

 より具体的には、第1レンズ211、第3レンズ21 4、および第4レンズ215はガラスにより形成さ 、第2レンズ212は樹脂により形成され、樹脂 レンズのパワーはガラスレンズのパワーに比 べて小さく、かつ、光学系210Aのパワーに比 て小さいようにパワーが設定されている。
 さらに、光学系210Aにおいて、レンズを保持 する部分(ホルダ)210aの線膨張係数が樹脂レン ズに比べて小さいように設定されることが望 ましい。

 本実施形態の光学系210Aは、光波面変調素子 をレンズと別に設ける代わりに、たとえば第 2レンズ212にその機能を併せ持たせている。
 第2レンズ212の撮像面側の面の光軸を中心と した中央部が所定の曲率を持たせて凹状に形 成されており、この形状により第2レンズ212 、光波面変調素子の機能を有している。

 図7は、樹脂レンズが強い負のパワーを持っ たアナログのスポット像のディフォーカス図 である。
 図8は、樹脂レンズが強い正のパワーを持っ たアナログのスポット像のディフォーカス図 である。
 図9は、本実施形態の光学系のように、樹脂 レンズのパワーを抑えたアナログのスポット 像のディフォーカス図である。

 図7および図8に示すように、樹脂レンズが い負または正のパワーを持ったアナログの ポット像は、常温、高温側、低温側で異な 、十分な性能を確保することができない。
 これに対して、本実施形態の光学系210Aは、 樹脂レンズのパワーはガラスレンズのパワー に比べて小さく、光学系210Aのパワーに比べ 小さくなるように各パワーが設定されてい ことから、図7に示すように、使用環境が低 から高温にまで及んだとしても十分な性能 確保することができ、さらに深度拡張光学 において、被写界深度の温度変化を緩和す ことができる。

 なお、光学系210Aにおいて、レンズの非球 面の形状は、物体側から像面側へ向かう方向 を正とし、kを円錐係数、A、B、C、Dを非球面 数、rを中心曲率半径としたとき次式で表さ れる。hは光線の高さ、cは中心曲率半径の逆 をそれぞれ表している。ただし、Zは面頂点 に対する接平面からの深さを、Aは4次の非球 係数を、Bは6次の非球面係数を、Cは8次の非 球面係数を、Dは10次の非球面係数をそれぞれ 表している。

 また、α、βは位相面係数であり、x、yは図6 に示す方向である。

 以上の構成を採ることにより、目的の撮 レンズを実現できる。

 また、図6に示すように、本実施形態の光学 系(撮像レンズユニット)210Aにおいて、第1レ ズ211の物体側面1の中心曲率半径はR1に、第1 ンズ211の像面側2の中心曲率半径はR2に、お び第2レンズ212の物体側面3の中心曲率半径 R3に、第2レンズ212の像面側面4の中心曲率半 はR4に、第3レンズ214の物体側面5の中心曲率 半径はR5に、第3レンズ214の像面側面6の中心 率半径はR6に、第4レンズ215の像面側面7の中 曲率半径はR7に、撮像素子220のカバーガラ 221の第4レンズ215側の面8の中心曲率半径はR8 、カバーガラス221の撮像素子220側の面9の中 心曲率半径はR9に設定されている。なお、カ ーガラス221の両面8、9の中心曲率半径R8、R9 0である。
 また、第1レンズ211の屈折率はn 1 、分散値はν 1 、第2レンズ212の屈折率はn 2 、分散値はν 2 、第3レンズ214の屈折率はn 3 、分散値はν 3 、第4レンズ215の屈折率はn 4 、分散値はν 4 に設定される。

 撮像素子220は、第4レンズ215側から、ガラス 製の平行平面板(カバーガラス)221と、たとえ CCDあるいはCMOSセンサ等からなる撮像素子の 撮像面222が順に配置されている。
 撮像光学系210を介した被写体OBJからの光が 撮像素子220の撮像面222上に結像される。
 なお、撮像素子220で撮像される被写体分散 は、撮像素子220上ではピントが合わず、深 の深い光束とボケ部分が形成された像であ 。
 そして、本実施形態においては、画像処理 置240にてフィルタ処理を加えることにより2 物体間の距離の解像を補完することができる ように構成されている。
 この光学系210については、後でさらに詳述 る。

 撮像素子220は、光学系210で取り込んだ像が 像され、結像1次画像情報を電気信号の1次 像信号FIMとして、アナログフロントエンド 230を介して画像処理装置240に出力するCCDやCM OSセンサからなる。
 図5においては、撮像素子220を一例としてCCD として記載している。

 アナログフロントエンド部230は、タイミン ジェネレータ231と、アナログ/デジタル(A/D) ンバータ232と、を有する。
 タイミングジェネレータ231では、撮像素子2 20のCCDの駆動タイミングを生成しており、A/D ンバータ232は、CCDから入力されるアナログ 号をデジタル信号に変換し、画像処理装置2 40に出力する。

 信号処理部の一部を構成する画像処理装置( 二次元コンボリューション手段)240は、前段 AFE230からくる撮像画像のデジタル信号を入 し、二次元のコンボリューション処理を施 、後段のカメラ信号処理部(DSP)250に渡す。
 画像処理装置240、制御装置290の露出情報に じて、光学的伝達関数(OTF)に対してフィル 処理を行う。なお、露出情報として絞り情 を含む。
 画像処理装置240は、撮像素子220による複数 画像に対して、光学的伝達関数(OTF)のレス ンスを向上させ、物体距離に応じた光学的 達関数(OTF)の変化をなくすようにフィルタ処 理(たとえばコンボリューションフィルタ処 )を行う機能を有し、複数の物体距離に依存 ながらも、深い被写界深度を得る。また、 像処理装置240は、最初のステップでノイズ 減フィルタリングを施す機能を有する。
 画像処理装置240は、光学的伝達関数(OTF)に してフィルタ処理を行いコントラストを改 する処理を施す機能を有する。
 画像処理装置240の処理については後でさら 詳述する。

 カメラ信号処理部(DSP)250は、カラー補間 ホワイトバランス、YCbCr変換処理、圧縮、フ ァイリング等の処理を行い、メモリ260への格 納や画像モニタリング装置270への画像表示等 を行う。

 制御装置290は、露出制御を行うとともに 操作部280などの操作入力を持ち、それらの 力に応じて、システム全体の動作を決定し AFE230、画像処理装置240、DSP250、絞り213等を 御し、システム全体の調停制御を司るもの ある。

 次に、光学系210のレンズおよび撮像素子2 20を保持するいわゆる鏡枠構造部の構成例を 1および第2の実施形態として説明する。

<第1実施形態>
 本第1の実施形態におけるいわゆる鏡枠構造 部300,300Aは、基本的に、図10および図11に示す ように、レンズ保持部310と撮像素子保持部320 とが別個に構成され、これらのレンズ保持部 310と撮像素子保持部320は中間部材330によって 固定されている。そして、レンズ保持部310と 撮像素子保持部320の線膨張係数が異なる。
 さらにこの線膨張係数による影響はレンズ 持部310の係数が撮像素子保持部320の係数に べて大きく、この係数を制御することによ バックフォーカス位置ズレを緩和し使用環 が低温から高温にまで及んだとしても十分 性能を確保することができるように構成す ことができる。さらにDEOS(深度拡張光学系) おいて、被写界深度の温度変化も緩和する とができるように構成されている。

 レンズ保持部310は、たとえば円筒状に形成 れ、物体側から順に、第1レンズ211を保持す る第1保持部311、第2レンズ212を保持する第2保 持部312、第3レンズ214を保持する第3保持部313 第4レンズ215を保持する第4保持部314が形成 れている。
 そして、レンズ保持部310の外側部の軸方向 中央より物体側が中間部材330の一端部と、 とえば接着剤340により固定されている。
 レンズ保持部310は、たとえば樹脂により形 される。

 撮像素子保持部320は、レンズ保持部310の外 より大きい外径を有する円筒状に形成され 中央部が軸方向に開口され、底面側(第1面 )321に撮像素子220が固定されている。
 また、撮像素子保持部320の上面側(物体側面 )322には中間部材330の一端部333が接着剤等に り固定されている。
 撮像素子保持部320は、たとえば樹脂により 成される。

 中間部材330は、レンズ保持部310の外径より きな内径を有する円筒状に形成され、その 壁331の一端部には円周上に、レンズ保持部3 10を固定する際に注入される接着剤340の溜り 332が形成されている。
 また、中間部材330の他端部は、内側に延び ように鍔部333が形成されており、この鍔部3 33の外側面(底面)が撮像素子保持部320の上面 322と当接するようにして固定されている。
 この中間部材330は、線膨張係数が小さい金 材料、たとえばアルミニウム(Al)により形成 される。

 このように、本第1の実施形態の鏡枠構造 部300においては、撮像素子保持部320とレンズ 保持部310は固定し光学系は固定焦点となって おり、レンズ保持部310の材質と撮像素子保持 部320の材質の線膨張係数を異ならせることで 駆動機構を持たずに温度変化によるバックフ ォーカスの位置変動を緩和できる機構をもつ ようになる。

 中間部材330の線膨張係数をレンズ保持部3 10および撮像素子保持部320の線膨張係数に比 て小さくすることで、たとえば温度による ンズ系のバックフォーカス位置変動が小さ 、バックフォーカスが十分に長い光学系に し、鏡枠構造部300の各レンズの相対的な位 変動量を抑えることができる。

 また、本第1の実施形態においては、光学 系210に含まれる樹脂レンズのパワーの合算が 負であるとき、最終レンズである第4レンズ21 5の撮像素子220側の面と撮像素子220の間隔が 温より高温で短くなり、低温で長くなるよ に構成される。

 また、本第1の実施形態においては、光学 系210に含まれる樹脂レンズのパワーの合算が 正であるとき、最終レンズである第4レンズ21 5の撮像素子220側の面と撮像素子の間隔が常 より高温で長くなり、低温で短くなるよう 構成される。

 また、中間部材330とレンズ保持部310は、 ンズ保持部310の軸方向における中央部より 体側で固定されている。

 このように、本第1の実施形態においては 、レンズ設計の時点で樹脂レンズのパワーを 抑えることで温度による樹脂レンズの変動を 抑え、さらにレンズ保持部310と撮像素子保持 部320が別である構成を有し、両部材の線膨張 係数を変えることで温度によるバックフォー カス変動の性能劣化を抑えるように構成され る。

 ここで、撮像素子保持部320とレンズ保持 310の材質を変えた温度考慮設計について説 する。

 温度を考慮しない設計を行うと、高温で枠 樹脂にした場合一方的にバックはのびてし う。
 さらに、レンズ部分は高温になると屈折率 小さくなるため、特に影響力のある樹脂レ ズが負のパワーをもつ場合、レンズパワー 弱くなりバックは短い方にシフトしてしま 。つまり鏡枠とレンズが悪い方向に温度変 してしまうことになる。
 そのため、撮像素子保持部320が樹脂の場合 レンズ系のプラスチックレンズは正のパワ であることが好ましい。

 図10に示す実例では、樹脂レンズが負の場 に鏡枠でどのように緩和するかを示してい 。
今回の温度補正バレルについて高温の場合を 想定すると
<1>:撮像素子保持部320は樹脂で形成され いて撮像素子220面を基準として物体側に大 くバックが伸びる。
<2>:アルミニウムにより形成される中間 材330は樹脂に比べて線膨張が小さいため撮 素子保持部320との受けを基準に小さくバッ が伸びる。
<3>:レンズ保持部310は樹脂で形成されて て接着位置を基準に撮像素子側に大きく伸 る。
 以上のことから、鏡枠構造部300の部品材料 異なる線膨張係数の組み合わせで高温でも 枠によってレンズ最終面から撮像素子面ま の間隔は短くすることができ、温度による ックフォーカス変動を抑えることができる

 逆に、樹脂レンズのパワーが正となった場 、高温でレンズパワーが弱くなりバックは い方にシフトしてしまう。
 そのため、鏡枠の膨張により最終レンズで る第4レンズ215の撮像素子面側から撮像素子 330面までの間隔は高温で長くなるようにシフ トするのが好ましい。

 図11に示す実例では、樹脂レンズのパワー 正の場合に鏡枠でどのように緩和するかを している。
 今回の温度補正バレルについて高温の場合 想定すると、
<1>:撮像素子保持部320は樹脂で形成され いて撮像素子220面を基準として物体側に大 くバックが伸びる。
<2>レンズのバック変動にリンクするよう にレンズ保持部310の線膨張を調整して、高温 でもバックフォーカスが変動しないようにす る。
 以上のことから鏡枠部品材料の異なる線膨 係数の組み合わせで高温で伸びるレンズ最 面から撮像素子面までの間隔を適正にして 度によるバックフォーカス変動を抑えるこ ができる。

 なお、図10および図11の構成において、レ ンズ保持部310の樹脂は、たとえば、PCGF20(線 張係数0.000065)を想定している。このレンズ 持部310については、たとえば樹脂にガラス 含有させて線膨張係数を制御することが好 しい。

 なお、本第1の実施形態においては、紫外線 を照射することにより硬化する接着剤340を用 いる。このような接着剤を用いることにより 、レンズ保持部(バレル)を自由に調整した後 (たとえば、光軸と非平行方向にも調整した 後に)固定することができるようになる。
 なお、本固着は、レンズ保持部(バレル)ま は中間部材に凸部、反対側に凹部を設ける うに構成し、その部分をはめ込むようにし 固着してもよい。このような機構的な固着 法により、接着剤を用いた場合に生じるお れがある経時変化の影響を抑えることがで る。

<第2実施形態>
 本第2の実施形態における鏡枠構造部300B,300C ,300Dは、基本的に、図12、図13、および図14に すように、レンズ保持部310と撮像素子保持 320とが別個に構成され、これらのレンズ保 部310と撮像素子保持部320は中間部材330によ て固定されており、レンズ保持部310と撮像 子保持部320の固定位置が中間部材330により 整できるように構成されている。
 この固定位置を制御することによりバック ォーカス位置ズレを制御し使用環境が低温 視から高温重視と様々なニーズに及んだと ても十分な性能を確保することができる。 らにDEOS(深度拡張光学系)において、被写界 度の温度変化も緩和することができるよう 構成されている。

 レンズ保持部310は、たとえば円筒状に形成 れ、物体側から順に、第1レンズ211を保持す る第1保持部311、第2レンズ212を保持する第2保 持部312、第3レンズ214を保持する第3保持部313 第4レンズ215を保持する第4保持部314が形成 れている。
 そして、レンズ保持部310の外側部の軸方向 中央より物体側が中間部材330の一端部と、 とえば接着剤340により固定されている。
 レンズ保持部310は、たとえば樹脂により形 される。

 撮像素子保持部320は、レンズ保持部310の外 より大きい外径を有する円筒状に形成され 中央部が軸方向に開口され、底面側(第1面 )321に撮像素子220が固定されている。
 また、撮像素子保持部320の上面側(物体側面 )322には中間部材330の一端部331が接着剤等に り固定されている。
 撮像素子保持部320は、たとえば樹脂により 成される。

 中間部材330は、レンズ保持部310の外径より きな内径を有する円筒状に形成され、その 壁334には、軸方向に所定間隔をおいて複数( 本実施形態では3)の貫通孔からなる固定部335~ 337が形成されている。固定部335~337は、円周 に所定間隔をおいて複数個ずつ形成される
 また、中間部材330の他端部は、内側に延び ように鍔部338が形成されており、この鍔部3 38の外側面(底面)が撮像素子保持部320の上面 322と当接するようにして固定されている。
 この中間部材330は、たとえば樹脂あるいは 属、たとえばアルミニウム(Al)により形成さ れる。

 このように、本第2の実施形態の鏡枠構造 部300B,300C,300Dにおいては、撮像素子保持部320 レンズ保持部310は固定し光学系は固定焦点 なっており、駆動機構を持たずに温度変化 よるバックフォーカスの位置変動を緩和で る機構をもつ。

 また、常温でのバックフォーカスは変化 せずに、レンズ保持部310と撮像素子保持部3 20の固定位置を可変にすることによってレン ユニットを高温から低温まで対応できる機 を有する。

 また、本第2の実施形態においては、光学 系210に含まれる樹脂レンズのパワーの合算が 負であるとき、最終レンズである第4レンズ21 5の撮像素子220側の面と撮像素子220の間隔が 温より高温で短くなり、低温で長くなるよ に構成される。

 また、本第2の実施形態においては、光学 系210に含まれる樹脂レンズのパワーの合算が 正であるとき、最終レンズである第4レンズ21 5の撮像素子220側の面と撮像素子の間隔が常 より高温で長くなり、低温で短くなるよう 構成される。

 このように、本第2の実施形態においては 、レンズ設計の時点で樹脂レンズのパワーを 抑えることで温度による樹脂レンズの変動を 抑え、さらにレンズ保持部310と撮像素子保持 部320が別である構成を有し、中間部材330によ るレンズ保持部310と撮像素子保持部320の固定 位置を可変にすることによって温度によるバ ックフォーカス変動の性能劣化を抑えるよう に構成される。

 ここで、撮像素子保持部320とレンズ保持 310の固定位置を変えた温度考慮設計につい 説明する。

 たとえば、図12~図14のように固定位置を3箇 調整できる鏡枠構造部300B,300C,300Dの機構で レンズの設計としては<2>(固定部336)の位 置で常温からある温度までの温度領域で性能 確保できるものだったとする。高温になった としても固定位置を基準に適度にレンズ最終 面、すなわち第4レンズ215の面と撮像素子面 距離が短くなる。ただし樹脂レンズのパワ の合算が強い正になるレンズとなった場合 高温では鏡枠としてバックは伸びて、レン としては正のパワーが弱くなり長いバック ォーカスとなる。その場合、図13に示すよう に、<3>(固定部337)の位置に固定すること 好ましい。
 <3>の位置に固定すればレンズ最終面と 像素子までの面の間隔は相殺されない。

 樹脂レンズのパワーの合算が強い負になる ンズとなった場合、高温では鏡枠としてバ クは伸びて、レンズとしては負のパワーが くなり短いバックフォーカスとなる。
 その場合、図14に示すように、<1>(固定 335)の位置に固定することが好ましい。<1& gt;の位置に固定すればレンズ最終面である第 4レンズ215の面と撮像素子220までの面の間隔 相殺されてさらに短くすることができる。

 なお、図12の構成において、レンズ保持 310の樹脂は、たとえば、PCGF20(線膨張係数0.00 0065)を想定している。このレンズ保持部310に いては、たとえば樹脂にガラスを含有させ 線膨張係数を制御するとともに、固定位置 可変することが好ましい。

 なお、本第2の実施形態においては、紫外線 を照射することにより硬化する接着剤による 固定法を用いることも可能であり、また、ね じによる固定方法を用いることも可能である 。
 接着剤による固定法を用いる場合は、レン 保持部(バレル)を自由に調整した後に(たと ば、光軸と非平行方向にも調整した後に)固 定することができ、ねじによる固定方法を用 いる場合は、接着剤を用いた場合に生じるお それがある経時変換の影響を抑えることがで きる。

 以上のような構成を有するレンズおよび 像素子は、基本的に図15に示すような手順 従って組み立てられ製造される。

<第1ステップST301>
 ガラスと樹脂のレンズを含む光学系の各レ ズをレンズ保持部310にセットする。本実施 態においては、物体側から、第1レンズ211、 第2レンズ212、第3レンズ214、および第4レンズ 215を順となるようにレンズ保持部310に配置す る。

<第2ステップST302>
 撮像素子220を撮像素子保持部320にセットす 。
 なお、第1ステップとST301と第2ステップST302 順番がいずれが先であっても後であっても い。

<第3ステップST303>
 最も撮像素子側に配置される最終レンズで る第4レンズ215の撮像素子側の面と撮像素子 220の受光面とを対向させる。

<第4ステップST304>
 温度変化に伴うバックフォーカスの位置の 動を相対的に吸収可能な位置に、レンズ保 部310と撮像素子保持部320を選択的に固定す 。
 本実施形態においては、中間部材330を用い 固定する。

 なお、上述したステップST303の処理は、図12 から図14に示す本発明の第2の実施形態に関連 付けた処理である。
 図10および図11に示す本発明の第1の実施形 に関連付けた処理としては、レンズ保持部31 0と撮像素子保持部320の固定位置もしくは材 (線膨張係数)の選択によって温度変化に伴う バックフォーカスの位置の変動を相対的に吸 収可能に固定するようにしてもよい。

 第4ステップST304においては、光学系210に含 れる樹脂レンズのパワーの合算が負である き、最も撮像素子側に配置される最終レン である第4レンズ215の撮像素子側の面と撮像 素子220の間隔が常温より高温で短くなり、低 温で長くなるようにレンズ保持部310と撮像素 子保持部320を選択的に固定する。
 あるいは、第4ステップST304においては、光 系210に含まれる樹脂レンズのパワーの合算 正であるとき、最も撮像素子側に配置され 最終レンズである第4レンズ215の撮像素子側 の面と撮像素子220の間隔が常温より高温で長 くなり、低温で短くなるように、レンズ保持 部310と撮像素子保持部320を選択的に固定する 。

 以下に、撮像レンズユニット210Aの具体的な 数値による実施例1,2を示す。
 なお、各実施例1,2においては、撮像レンズ ニット210Aの各レンズ群を構成する、各レン ズ211,212,214,215、並びに撮像素子220を構成する カバーガラス221に対して、図6に示すような 番号を付与した。

(実施例1)
 表1および表2に実施例1の各数値を示す。実 例の各数値は図6の撮像レンズユニット210A 対応している。表1は、実施例1における撮像 レンズの各面番号に対応した絞り、各レンズ 、カバーガラスの曲率半径(R:mm),間隔(D:mm)、 折率(N)、および分散値(ν)を示している。

 表2は、実施例1における非球面を含む一 目の第1レンズ211、第2レンズ212、第3レンズ21 4、第4レンズ215の所定面の非球面係数を示す 表2において、kは円錐定数を、Aは4次の非球 面係数を、Bは6次の非球面係数を、Cは8次の 球面係数を、Dは10次の非球面係数をそれぞ 表している。また、α、βは位相面係数であ 、x、yは図6に示す方向である。

(実施例2)
 表3および表4に実施例2の各数値を示す。実 例の各数値は図16の撮像レンズユニット110B 対応している。表3は、実施例2における撮 レンズの各面番号に対応した絞り、各レン 、カバーガラスの曲率半径(R:mm),間隔(D:mm)、 折率(N)、および分散値(ν)を示している。

 表4は、実施例2における非球面を含む第1 ンズ211、第2レンズ212、第3レンズ214、第4レ ズ215の所定面の非球面係数を示す。表4にお いて、kは円錐定数を、Aは4次の非球面係数を 、Bは6次の非球面係数を、Cは8次の非球面係 を、Dは10次の非球面係数をそれぞれ表して る。また、α、βは位相面係数であり、x、y 図6に示す方向である。

 表5および表6に線膨張係数による屈折率 動の例を示す。


 このことから温度が変化した場合、樹脂の 折率変動がガラスに比べてはるかに大きい とが分かる。
 以上のことから、第2レンズ212を樹脂とした 場合、温度による屈折率変動が起きた場合に おいても実施例2の第2レンズパワーを抑えて るため、温度によるバックフォーカス位置 変動を緩和できる。

 本実施形態においては、各実施例1,2で示 たように、結像性能の優れた撮像レンズユ ットを実現することが可能である。

 以下、本実施形態の光学系、画像処理装 の構成および機能について具体的には説明 る。

 次に、画像処理装置240のフィルタ処理につ て説明する。
 本実施形態においては、光学系210により収 される光束を規則正しく分散する光学レン である。この位相板を挿入することにより 撮像素子220上ではピントのどこにも合わな 画像を実現する。
 換言すれば、光学系210によって深度の深い 束(像形成の中心的役割を成す)とフレアー( ケ部分)を形成している。
 前述したように、この規則的に分散した画 をデジタル処理により、光学系210を移動さ ずにピントの合った画像に復元する手段を 面収差制御光学系システム、あるいは深度 張光学系システム(DEOS:Depth Expantion Optical s ystem)といい、この処理を画像処理装置240にお いて行う。

 ここで、DEOSの基本原理について説明する。
 図17に示すように、被写体の画像fがDEOS光学 系Hに入ることにより、g画像が生成される。
 これは、次のような式で表される。

(数3)
   g=H*f
 ただし、*はコンボリューションを表す。

 生成された画像から被写体を求めるため は、次の処理を要する。

(数4)
    f=H -1 *g

 ここで、Hに関するカーネルサイズと演算係 数について説明する。
 ズームポジションをZPn,ZPn-1・・・とする。 た、それぞれのH関数をHn,Hn-1、・・・・と る。
 各々のスポット像が異なるため、各々のH関 数は、次のようになる。

 この行列の行数および/または列数の違いを カーネルサイズ、各々の数字を演算係数とす る。
 ここで、各々のH関数はメモリに格納してお いても構わないし、PSFを物体距離の関数とし ておき、物体距離によって計算し、H関数を 出することによって任意の物体距離に対し 最適なフィルタを作るように設定できるよ にしても構わない。また、H関数を物体距離 関数として、物体距離によってH関数を直接 求めても構わない。

 本実施形態においては、図5に示すように 、光学系210からの像を撮像素子220で受像して 、絞り開放時には画像処理装置240に入力させ 、光学系に応じた変換係数を取得して、取得 した変換係数をもって撮像素子220からの分散 画像信号より分散のない画像信号を生成する ように構成している。

 本実施形態においては、DEOSを採用し、高 精細な画質を得ることが可能で、しかも、光 学系を簡単化でき、コスト低減を図ることが 可能となっている。

 図18は、本実施形態の光波面変調素子を む光学系の光軸をz軸とし、互いに直交する2 軸をx、yとしたとき、下記式で表される波面 差の形状である。

 波面収差が0.5λ以下の範囲では位相の変化 小さく、通常の光学系と変わらないOTFを持 。したがって波面収差が0.5λ程度になるまで 絞って取り付け位置の調整を行う。
 図19は、前記波面収差の形状と0.5λ以下の範 囲を太線で表したものである。
 ただし、λはたとえば可視光領域、赤外領 の波長を用いる。

 なお、図18に示す形状は、一例であって 光波面変調素子が、光学系の光軸をz軸とし 互いに直交する2軸をx、yとしたとき、位相 下記式で表されるものであれば適用可能で る。

 画像処理装置240は、上述したように、撮 素子220による1次画像FIMを受けて、フィルタ によるコンボリューション処理によって被写 界深度を拡張する処理等を施して高精細な最 終画像FNLIMを形成する。

 画像処理装置240の構成および処理につい 説明する。

 画像処理装置240は、図5に示すように、生 (RAW)バッファメモリ241、コンボリューション 算器242、記憶手段としてのカーネルデータ 納ROM243、およびコンボリューション制御部2 44を有する。

 コンボリューション制御部244は、コンボ ューション処理のオンオフ、画面サイズ、 ーネルデータの入れ替え等の制御を行い、 御装置290により制御される。

 また、カーネルデータ格納ROM243には、図20 図21、または図22に示すように予め用意され それぞれの光学系の点像強度分布(PSF)によ 算出されたコンボリューション用のカーネ データが格納されており、制御装置290によ て露出設定時に決まる露出情報を取得し、 ンボリューション制御部244を通じてカーネ データを選択制御する。
 なお、露出情報には、絞り情報が含まれる

 図20の例では、カーネルデータAは光学倍 (×1.5)、カーネルデータBは光学倍率(×5)、カ ーネルデータCは光学倍率(×10)に対応したデ タとなっている。

 また、図21の例では、カーネルデータAは り情報としてのFナンバ(2.8)、カーネルデー BはFナンバ(4)に対応したデータとなってい 。なお、Fナンバ(2.8)、Fナンバ(4)は上記した0 .5λの範囲外である。

 また、図22の例では、カーネルデータAは 体距離情報が100mm、カーネルデータBは物体 離が500mm、カーネルデータCは物体距離が4m 対応したデータとなっている。

 図23は、制御装置290の露出情報(絞り情報を む)により切り替え処理のフローチャートで ある。
 まず、露出情報(RP)が検出されコンボリュー ション制御部244に供給される(ST101)。
 コンボリューション制御部244においては、 出情報RPから、カーネルサイズ、数値演係 がレジスタにセットされる(ST102)。
 そして、撮像素子220で撮像され、AFE230を介 て二次元コンボリューション演算部242に入 された画像データに対して、レジスタに格 されたデータに基づいてコンボリューショ 演算が行われ、演算され変換されたデータ カメラ信号処理部250に転送される(ST103)。

 以下に画像処理装置240の信号処理部とカ ネルデータ格納ROMについてさらに具体的な について説明する。

 図24は、信号処理部とカーネルデータ格納RO Mについての第1の構成例を示す図である。な 、簡単化のためにAFE等は省略している。
 図24の例は露出情報に応じたフィルタカー ルを予め用意した場合のブロック図である

 画像処理装置230は、露出情報検出部253か 露出設定時に決まる露出情報を取得し、コ ボリューション制御部244を通じてカーネル ータを選択制御する。2次元コンボリューシ ョン演算部242においては、カーネルデータを 用いてコンボリューション処理を施す。

 図25は、信号処理部とカーネルデータ格納RO Mについての第2の構成例を示す図である。な 、簡単化のためにAFE等は省略している。
 図25の例は、画像処理装置240の最初にノイ 低減フィルタ処理のステップを有し、フィ タカーネルデータとして露出情報に応じた イズ低減フィルタ処理ST1を予め用意した場 のブロック図である。

 露出設定時に決まる露出情報を露出情報検 部253より取得し、コンボリューション制御 244を通じてカーネルデータを選択制御する
 2次元コンボリューション演算部242において は、前記ノイズ低減フィルタST1を施した後、 カラーコンバージョン処理ST2によって色空間 を変換、その後カーネルデータを用いてコン ボリューション処理(OTF復元処理)ST3を施す。
 再度ノイズ処理ST4を行い、カラーコンバー ョン処理ST5によって元の色空間に戻す。カ ーコンバージョン処理は、たとえばYCbCr変 が挙げられるが、他の変換でも構わない。
 なお、再度のノイズ処理ST4は省略すること 可能である。

 図26は、信号処理部とカーネルデータ格納RO Mについての第3の構成例を示す図である。な 、簡単化のためにAFE等は省略している。
 図26の例は、露出情報に応じたOTF復元フィ タを予め用意した場合のブロック図である

 露出設定時に決まる露出情報を露出情報検 部253より取得し、コンボリューション制御 244を通じてカーネルデータを選択制御する
 2次元コンボリューション演算部242は、ノイ ズ低減処理ST11、カラーコンバージョン処理ST 12の後に、前記OTF復元フィルタを用いてコン リューション処理ST13を施す。
 再度ノイズ処理ST14を行い、カラーコンバー ジョン処理ST15によって元の色空間に戻す。 ラーコンバージョン処理は、たとえばYCbCr変 換が挙げられるが、他の変換でも構わない。
 なお、ノイズ低減処理ST11、ST14は、いずれ 一方のみでもよい。

 図27は、信号処理部とカーネルデータ格納RO Mについての第4の構成例を示す図である。な 、簡単化のためにAFE等は省略している。
 図27の例は、ノイズ低減フィルタ処理のス ップを有し、フィルタカーネルデータとし 露出情報に応じたノイズ低減フィルタを予 用意した場合のブロック図である。
 なお、再度のノイズ処理ST4は省略すること 可能である。
 露出設定時に決まる露出情報を取得し、コ ボリューション制御部244を通じてカーネル ータを選択制御する。
 2次元コンボリューション演算部242において は、ノイズ低減フィルタ処理ST21を施した後 カラーコンバージョン処理ST22によって色空 を変換、その後カーネルデータを用いてコ ボリューション処理ST23を施す。
 再度、露出情報に応じたノイズ処理ST24を行 い、カラーコンバージョン処理ST25によって の色空間に戻す。カラーコンバージョン処 は、たとえばYCbCr変換が挙げられるが、他の 変換でも構わない。
 なお、ノイズ低減処理ST21は省略することも 可能である。

 以上は露出情報のみに応じて2次元コンボ リューション演算部242においてフィルタ処理 を行う例を説明したが、たとえば被写体距離 情報、ズーム情報、あるいは撮影モード情報 と露出情報とを組み合わせることにより適し た演算係数の抽出、あるいは演算を行うこと が可能となる。

 図28は、被写体距離情報と露出情報とを み合わせる画像処理装置の構成例を示す図 ある。

 画像処理装置400は、図28に示すように、 ンボリューション装置401、カーネル・数値 算係数格納レジスタ402、および画像処理演 プロセッサ403を有する。

 この画像処理装置400においては、物体概略 離情報検出装置500から読み出した被写体の 体距離の概略距離に関する情報および露出 報を得た画像処理演算プロセッサ403では、 の物体離位置に対して適正な演算で用いる カーネルサイズやその演算係数をカーネル 数値算係数格納レジスタ402に格納し、その を用いて演算するコンボリューション装置4 01にて適正な演算を行い、画像を復元する。
 本例においては、主被写体までの距離を、 離検出センサを含む物体概略距離情報検出 置500により検出し、検出した距離に応じて なる画像補正の処理を行うことにように構 されている。

 上記の画像処理はコンボリューション演算 より行うが、これを実現するには、たとえ コンボリューション演算の演算係数を共通 1種類記憶しておき、焦点距離に応じて補正 係数を予め記憶しておき、この補正係数を用 いて演算係数を補正し、補正した演算係数で 適性なコンボリューション演算を行う構成を とることができる。
 この構成の他にも、以下の構成を採用する とが可能である。

 焦点距離に応じて、カーネルサイズやコ ボリューションの演算係数自体を予め記憶 ておき、これら記憶したカーネルサイズや 算係数でコンボリューション演算を行う構 、焦点距離に応じた演算係数を関数として め記憶しておき、焦点距離によりこの関数 り演算係数を求め、計算した演算係数でコ ボリューション演算を行う構成等、を採用 ることが可能である。

 図28の構成に対応付けると次のような構 をとることができる。

 変換係数記憶手段としてのレジスタ402に被 体距離に応じて少なくとも位相板に相当す 樹脂レンズに起因する収差に対応した変換 数を少なくとも2以上予め記憶する。画像処 理演算プロセッサ403が、被写体距離情報生成 手段としての物体概略距離情報検出装置500に より生成された情報に基づき、レジスタ402か ら被写体までの距離に応じた変換係数を選択 する係数選択手段として機能する。
 そして、変換手段としてのコンボリューシ ン装置401が、係数選択手段としての画像処 演算プロセッサ403で選択された変換係数に って、画像信号の変換を行う。

 または、前述したように、変換係数演算手 としての画像処理演算プロセッサ403が、被 体距離情報生成手段としての物体概略距離 報検出装置500により生成された情報に基づ 変換係数を演算し、レジスタ402に格納する
 そして、変換手段としてのコンボリューシ ン装置401が、変換係数演算手段としての画 処理演算プロセッサ403で得られレジスタ402 格納された変換係数によって、画像信号の 換を行う。

 または、補正値記憶手段としてのレジスタ4 02にズーム光学系210のズーム位置またはズー 量に応じた少なくとも1以上の補正値を予め 記憶する。この補正値には、被写体収差像の カーネルサイズを含まれる。
 そして、被写体距離情報生成手段としての 体概略距離情報検出装置500により生成され 距離情報に基づき、補正値選択手段として 画像処理演算プロセッサ403が、補正値記憶 段としてのレジスタ402から被写体までの距 に応じた補正値を選択する。
 変換手段としてのコンボリューション装置4 01が、第2変換係数記憶手段としてのレジスタ 402から得られた変換係数と、補正値選択手段 としての画像処理演算プロセッサ403により選 択された補正値とに基づいて画像信号の変換 を行う。

 以上説明したように、本実施形態によれば 1次画像を形成する光学系210および撮像素子 220と、1次画像を高精細な最終画像に形成す 画像処理装置240とを含み、光学系210は、第1 ンズ211、第2レンズ212、絞り213と、第3レン 214、および第4レンズ215を含み、第1レンズ211 、第3レンズ214、および第4レンズ215はガラス より形成され、第2レンズ212は樹脂により形 成され、樹脂レンズのパワーはガラスレンズ のパワーに比べて小さく、光学系210のパワー に比べて小さいように各パワーが設定されて いることから、使用環境が低温から高温にま で及んだとしても十分な性能を確保すること ができ、さらに深度拡張光学系において、被 写界深度の温度変化を緩和することができる 。なお、本実施形態では第2レンズ212のみを 脂レンズとした場合について説明したが、 2~4レンズのいずれか1枚または2枚以上を樹脂 レンズとし、個々の樹脂レンズのパワーをガ ラスレンズのパワーに比べて小さくし、樹脂 レンズの総合的なパワーを光学系のパワーに 比べて小さくするようにすれば同様の効果を 得ることができる。
 また、本実施例の4枚のレンズ構成以外の枚 数構成であっても良いが、第1レンズ211(物体 のレンズ)は物体や外気に接触することがあ るために、キズ防止および腐食防止の目的か らガラスレンズであることが好ましい。さら に、第4レンズ(撮像素子側のレンズ)もガラス レンズとすることにより、樹脂レンズがガラ スレンズと鏡筒内で密封されるために、耐環 境効果を向上することができるようになる。

 また、本第1の実施形態における鏡枠構造 部300,300Aは、レンズ保持部310と撮像素子保持 320とが別個に構成され、これらのレンズ保 部310と撮像素子保持部320は中間部材330によ て介して固定されており、レンズ保持部310 撮像素子保持部320の固定位置が中間部材330 より調整でき、この固定位置を制御するこ によりバックフォーカス位置ズレを制御し 用環境が低温重視から高温重視と様々なニ ズに及んだとしても十分な性能を確保する とができる。さらにDEOS(深度拡張光学系)に いて、被写界深度の温度変化も緩和するこ ができる。

 また、本第2の実施形態における鏡枠構造 部300B,300Cは、レンズ保持部310と撮像素子保持 部320とが別個に構成され、これらのレンズ保 持部310と撮像素子保持部320は中間部材330によ って介して固定されており、レンズ保持部310 と撮像素子保持部320の固定位置が中間部材330 により調整でき、この固定位置を制御するこ とによりバックフォーカス位置ズレを制御し 使用環境が低温重視から高温重視と様々なニ ーズに及んだとしても十分な性能を確保する ことができる。さらにDEOS(深度拡張光学系)に おいて、被写界深度の温度変化も緩和するこ とができる。

 また、コンボリューション演算時に用いる ーネルサイズやその数値演算で用いられる 数を可変とし、操作部280等の入力により知 、適性となるカーネルサイズや上述した係 を対応させることにより、倍率やディフォ カス範囲を気にすることなくレンズ設計が き、かつ精度の高いコンボリュ-ションによ る画像復元が可能となる利点がある。
 また、難度が高く、高価でかつ大型化した 学レンズを必要とせずに、かつ、レンズを 動させること無く、自然な画像を得ること できる利点がある。
 そして、本実施形態に係る撮像装置200は、 ジタルカメラやカムコーダー等の民生機器 小型、軽量、コストを考慮されたDEOSの光学 システムに使用することが可能である。
 また、光学系210の構成を簡単化でき、製造 容易となり、コスト低減を図ることができ 。

 ところで、CCDやCMOSセンサを撮像素子として 用いた場合、画素ピッチから決まる解像力限 界が存在し、光学系の解像力がその限界解像 力以上であるとエリアジングのような現象が 発生し、最終画像に悪影響を及ぼすことは周 知の事実である。
 画質向上のため、可能な限りコントラスト 上げることが望ましいが、そのことは高性 なレンズ系を必要とする。

 しかし、上述したように、CCDやCMOSセンサを 撮像素子として用いた場合、エリアジングが 発生する。
 現在、エリアジングの発生を避けるため、 像レンズ装置では、一軸結晶系からなるロ パスフィルタを併用し、エリアジングの現 の発生を避けている。
 このようにローパスフィルタを併用するこ は、原理的に正しいが、ローパスフィルタ のものが結晶でできているため、高価であ 、管理が大変である。また、光学系に使用 ることは光学系をより複雑にしているとい 不利益がある。

 以上のように、時代の趨勢でますます高精 の画質が求められているにもかかわらず、 精細な画像を形成するためには、従来の撮 レンズ装置では光学系を複雑にしなければ らない。複雑にすれば、製造が困難になっ りし、また高価なローパスフィルタを利用 たりするとコストアップにつながる。
 しかし、本実施形態によれば、ローパスフ ルタを用いなくとも、エリアジングの現象 発生を避けることができ、高精細な画質を ることができる。

 また、図20、図21、および図22のカーネル ータ格納ROMに関しても、光学倍率、Fナンバ やそれぞれのカーネルのサイズ、物体距離の 値に対して用いられるものとは限らない。ま た用意するカーネルデータの数についても3 とは限らない。

 本発明の撮像装置、撮像装置の製造方法 、樹脂レンズの変動を抑えることが可能で 膨張によるレンズの性能劣化を抑えること でき、バーコードリーダ等の情報コード読 装置や各種電子機器に適用可能である。