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Title:
ORGANIC ELECTROLUMINESCENCE ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026649
Kind Code:
A1
Abstract:
An organic electroluminescence element is provided with a first electrode composed of a transparent electrode or a semi-transparent electrode; a second electrode facing the first electrode; and at least one organic layer arranged between the first electrode and the second electrode. The organic electroluminescence element is further provided with an auxiliary electrode, which is electrically connected to the first electrode, composed of a material having a lower electrical resistance value compared with that of the first electrode and has an opening. The auxiliary electrode is formed on the surface of the first electrode to have an area fixed based on a lattice point specified by a quasi-periodic two-dimensional arrangement as the opening section.

Inventors:
TANAKA SHIN-YA (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/066792
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 29, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO CHEMICAL CO (JP)
TANAKA SHIN-YA (JP)
International Classes:
H05B33/26; H01L51/50
Domestic Patent References:
WO1999013692A11999-03-18
WO1999048160A11999-09-23
WO2000053656A12000-09-14
WO2001019834A12001-03-22
WO2000055927A12000-09-21
WO2000046321A12000-08-10
WO2000006665A12000-02-10
WO1999054943A11999-10-28
WO1999054385A11999-10-28
WO1998006773A11998-02-19
WO1997005184A11997-02-13
WO2000035987A12000-06-22
WO2000053655A12000-09-14
WO2001034722A12001-05-17
WO1999024526A11999-05-20
WO2000022027A12000-04-20
WO2000022026A12000-04-20
WO1998027136A11998-06-25
WO1998021262A11998-05-22
WO1997009394A11997-03-13
WO1996029356A21996-09-26
WO1996010617A11996-04-11
WO1995007955A11995-03-23
WO2000046321A12000-08-10
Foreign References:
JP2002318553A2002-10-31
JP2002318556A2002-10-31
JP2002014211A2002-01-18
JP2004354599A2004-12-16
JP2004279473A2004-10-07
JP2002156633A2002-05-31
JP2004014128A2004-01-15
JPS6370257A1988-03-30
JPS63175860A1988-07-20
JPH02135359A1990-05-24
JPH02135361A1990-05-24
JPH02209988A1990-08-21
JPH02311591A1990-12-27
JPH0337992A1991-02-19
JPH03152184A1991-06-28
JPH1135687A1999-02-09
JPH11217392A1999-08-10
JP2000080167A2000-03-21
GB2340304A2000-02-16
GB2348316A2000-09-27
US5777070A1998-07-07
US5763636A1998-06-09
US5741921A1998-04-21
EP0707020A21996-04-17
JP2001181618A2001-07-03
JP2001123156A2001-05-08
JP2001003045A2001-01-09
JP2000351967A2000-12-19
JP2000303066A2000-10-31
JP2000299189A2000-10-24
JP2000252065A2000-09-14
JP2000136379A2000-05-16
JP2000104057A2000-04-11
JPH10324870A1998-12-08
JPH10114891A1998-05-06
JPH09111233A1997-04-28
JPH0945478A1997-02-14
Other References:
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KUNIHIRO; ICHIMURA: "UV-EB Kokagijutsu No Genjo To Tembo (UV/EB-curing Technology: present and perspective)", 2002, CMC PUBLISHING CO., LTD.
See also references of EP 2059095A4
Attorney, Agent or Firm:
ASAMURA, Kiyoshi et al. (New Ohtemachi Bldg. 2-1, Ohtemachi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 透明電極又は半透明電極からなる第一電極と、該第一電極に対向する第二電極と、該第一電極及び該第二電極の間に設けられた少なくとも1層の有機層とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
 該第一電極に電気的に接続され、該第一電極と比較して電気抵抗値の低い材料からなる、開口部が設けられた補助電極を備え、
 該補助電極が、準周期的な2次元配列により規定される格子点に基づいて定められる領域が前記開口部となるように、該第一電極の表面上に形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記補助電極が、前記格子点を母点とするボロノイ分割によるボロノイ領域が開口部となるように、前記ボロノイ分割によるボロノイ境界上に形成されている請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記補助電極が、前記格子点を母点とするドロネー三角形分割によるドロネー三角形の領域が開口部となるように、前記ドロネー三角形分割によるドロネー辺上に形成されている請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記準周期的な2次元配列が、フィボナッチ数列に相似又は類似して配列されている請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記準周期的な2次元配列が、前記格子点の平均格子間距離が10~30μmの範囲となるように前記フィボナッチ配列から抽出された単位配列を有し、且つ該単位配列がそれぞれ重なり合わないように敷き詰められた配列である請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記単位配列が、前記フィボナッチ数列における次数が300~1000の範囲となるように前記フィボナッチ配列から抽出された配列である請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記第一電極が電気的に分離された複数のセルに仕切られており、該複数のセルがそれぞれ前記補助電極によって電気的に接続されている請求項1~6のうちのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記補助電極が、前記第一電極の表面のうち、前記有機層と反対側の表面上に配置されている請求項1~7のうちのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 請求項1~8のうちのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする面状光源。
 請求項1~8のうちのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とするセグメント表示装置。
 請求項1~8のうちのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とするドットマトリックス表示装置。
 請求項1~8のうちのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする液晶表示装置。
Description:
有機エレクトロルミネッセンス 子

 本発明は、面状光源、セグメント表示装 、ドットマトリックス表示装置、液晶表示 置等に用いられる発光素子として有用な有 エレクトロルミネッセンス素子に関する。

 近年、表示装置や照明装置において、有 蛍光色素を発光層とし、これと電子写真の 光体等に用いられている有機電荷輸送化合 とを積層した二層構造を有する有機エレク ロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と うことがある。)を用いることが検討されて いる。

 しかしながら、これら有機EL素子等を用 た表示装置や照明装置においては、その発 面積が大きくなるにつれて、透明電極又は 透明電極の配線抵抗による電圧低下が無視 きなくなり、発光輝度のムラが大きくなっ しまうという問題点がある。

 このような問題を解決するために、例え 、特開2004-14128号公報(特許文献1)には、有機 EL素子を用いた面状発光装置において、前記 機EL素子の透明電極に、前記透明電極より 抵抗な補助電極を電気的に接続した面状発 装置が開示され、その明細書中において、 記補助電極が格子状に形成された面状発光 置が記載されている。

 しかしながら、特許文献1に記載されている ような有機EL素子を用いた場合は、外光反射 に色付きや干渉によるモアレ縞が発生し、 認性が悪化するという問題があった。

特開2004-14128号公報

 本発明は、上記従来技術の有する課題に みてなされたものであり、透明電極又は半 明電極の抵抗による電圧低下を軽減して均 に発光させることができ、しかも外光反射 の色付きや干渉によるモアレ縞の発生が十 に抑制された有機エレクトロルミネッセン 素子を提供することを目的とする。

 本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意 究を重ねた結果、透明電極又は半透明電極 らなる第一電極と、該第一電極に対向する 二電極と、該第一電極及び該第二電極の間 設けられた少なくとも1層の有機層とを備え る有機エレクトロルミネッセンス素子におい て、該第一電極の表面上に周期的な規則性を 有さない特定の秩序配列に基づいて開口部が 設けられた補助電極を形成することにより、 透明電極又は半透明電極の抵抗による電圧低 下を軽減して均一に発光させることができ、 しかも外光反射時の色付きや干渉によるモア レ縞の発生を十分に抑制できることを見出し 、本発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明の有機エレクトロルミネ センス素子は、透明電極又は半透明電極か なる第一電極と、該第一電極に対向する第 電極と、該第一電極及び該第二電極の間に けられた少なくとも1層の有機層とを備える 有機エレクトロルミネッセンス素子であって 、
 該第一電極に電気的に接続され、該第一電 と比較して電気抵抗値の低い材料からなる 開口部が設けられた補助電極を備え、
 該補助電極が、準周期的な2次元配列により 規定される格子点に基づいて定められる領域 が前記開口部となるように、該第一電極の表 面上に形成されていることを特徴とするもの である。

 また、本発明の有機エレクトロルミネッ ンス素子においては、前記補助電極が、前 格子点を母点とするボロノイ分割によるボ ノイ領域が開口部となるように、前記ボロ イ分割によるボロノイ境界上に形成されて てもよい。

 さらに、本発明の有機エレクトロルミネ センス素子においては、前記補助電極が、 記格子点を母点とするドロネー三角形分割 よるドロネー三角形の領域が開口部となる うに、前記ドロネー三角形分割によるドロ ー辺上に形成されてもよい。

 また、本発明の有機エレクトロルミネッ ンス素子においては、前記準周期的な2次元 配列が、フィボナッチ数列に相似又は類似し て配列されていること、即ちフィボナッチ配 列を用いた配列であることが好ましい。

 さらに、本発明の有機エレクトロルミネ センス素子においては、前記準周期的な2次 元配列が、前記格子点の平均格子間距離が10~ 30μmの範囲となるように前記フィボナッチ配 から抽出された単位配列を有し、且つ該単 配列がそれぞれ重なり合わないように敷き められた配列であることが好ましい。

 また、本発明の有機エレクトロルミネッ ンス素子においては、前記単位配列が、前 フィボナッチ数列における次数が300~1000の 囲となるように前記フィボナッチ配列から 出された配列であることが好ましい。

 さらに、本発明の有機エレクトロルミネ センス素子においては、前記補助電極が、 記第一電極の表面のうち、前記有機層と反 側の表面上に配置されていることが好まし 。

 また、本発明の有機エレクトロルミネッ ンス素子においては、前記第一電極が電気 に分離された複数のセルに仕切られており 該複数のセルがそれぞれ前記補助電極によ て電気的に接続されていることが好ましい

 本発明の面状光源は、前記有機エレクトロ ミネッセンス素子を備えることを特徴とす ものである。また、本発明のセグメント表 装置は、前記有機エレクトロルミネッセン 素子を備えることを特徴とするものである さらに、本発明のドットマトリックス表示 置は、前記有機エレクトロルミネッセンス 子を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の液晶表示装置は、前記有機エ レクトロルミネッセンス素子を備えることを 特徴とするものである。

 なお、本発明の有機エレクトロルミネッ ンス素子によれば、透明電極又は半透明電 の抵抗による電圧低下を軽減して均一に発 させることができ、しかも外光反射時の色 きや干渉によるモアレ縞の発生を十分に抑 することが可能となる。すなわち、本発明 有機エレクトロルミネッセンス素子におい は、透明電極又は半透明電極からなる第一 極の表面上に、前記第一電極に電気的に接 された補助電極が形成されている。そして 前記補助電極は、前記第一電極と比較して 気抵抗値の低い(電気伝導度の高い)材料か なるものであるので、本発明によれば、前 第一電極の抵抗による電圧低下を軽減する とが可能となる。

 また、前記補助電極として通常は金属等 光を遮断する材料を用いることから、有機 から発せられた光が前記補助電極によって 断され、前記補助電極に設けられた開口部 らその光が取り出されることとなる。そし 、前記補助電極が格子状、ストライプ状等 形成されている場合のように、前記第一電 の表面上に周期的に開口部が設けられた補 電極が形成されている場合には、その周期 な規則性に起因して外光反射時の色付きや 渉によるモアレ縞が発生する。これに対し 本発明においては、前記補助電極が、準周 的な2次元配列により規定される格子点に基 づいて定められる領域が開口部となるように 形成されており、前記第一電極の表面上に周 期的な規則性を有さない特定の秩序配列に基 づいて開口部が設けられた補助電極が形成さ れているため、外光反射時の色付きや干渉に よるモアレ縞の発生が十分に抑制される。

 また、本発明においては、このように特 の秩序配列に基づいて開口部が設けられて るため、無秩序に開口部が設けられている 合と異なり、前記補助電極に設けられた開 部の密度(開口率)の偏りによる発光輝度の ラも十分に抑制される。そのため、本発明 有機エレクトロルミネッセンス素子によれ 、均一な発光が可能となる。

 さらに、本発明においては、前記第一電 を電気的に分離された複数のセルに仕切り 該複数のセルをそれぞれ前記補助電極で電 的に接続をとるような構造とすることによ 、発光輝度の向上を図ることができる。す わち、前記第一電極を電気的に分離された 数のセルに仕切ることにより、前記第一電 の面方向に導波する発光成分を抑制するこ が可能となり、発光輝度の向上が可能とな 。また、前記複数のセルはそれぞれ前記補 電極で電気的に接続されているため、前記 数のセル間での発光輝度のムラも十分に抑 される。

 本発明によれば、透明電極又は半透明電 の抵抗による電圧低下を軽減して均一に発 させることができ、しかも外光反射時の色 きや干渉によるモアレ縞の発生が十分に抑 された有機エレクトロルミネッセンス素子 提供することが可能となる。

 以下、本発明の有機エレクトロルミネッ ンス素子をその好適な実施形態に即して詳 に説明する。

 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素 は、透明電極又は半透明電極からなる第一 極と、該第一電極に対向する第二電極と、 第一電極及び該第二電極の間に設けられた なくとも1層の有機層とを備える有機エレク トロルミネッセンス素子であって、
 該第一電極に電気的に接続され、該第一電 と比較して電気抵抗値の低い材料からなる 開口部が設けられた補助電極を備え、
 該補助電極が、準周期的な2次元配列により 規定される格子点に基づいて定められる領域 が該開口部となるように、該第一電極の表面 上に形成されていることを特徴とするもので ある。

 (第一電極)
 本発明にかかる第一電極は、透明電極又は 透明電極からなる電極であって、本発明の 機エレクトロルミネッセンス素子の陽極と るものである。このような第一電極として 、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化 や金属の薄膜を用いることができ、透過率 高いものが好適に利用でき、用いる有機層 より適宜選択して用いることができる。こ ような第一電極の材料としては、例えば、 化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及び れらの複合体であるインジウム・スズ・オ サイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイ 等からなる導電性ガラス(NESA等)、金、白金 銀、銅が用いられる。これらの中でも、ITO インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズ 好ましい。

 このような第一電極の膜厚は、光の透過 と電気伝導度とを考慮して適宜選択するこ ができるが、例えば10nm~10μmであり、好まし くは20nm~1μmであり、より好ましくは50nm~500nm ある。

 また、このような第一電極を電気的に分 された複数のセルに仕切る構造とする場合 は、隣接するセルの間の間隔は1~50μmであり 、好ましくは5~30μmである。隣接するセルの の間隔が前記下限未満では、第一電極の面 向に導波する光を十分に抑制することがで ない傾向にあり、他方、前記上限を超える 、実際の発光面積が小さくなるため、発光 率が低下する傾向にある。

 さらに、このように電気的に分離された 数のセルの形状としては、特に限定されず 例えば、ストライプ状、三角形状、四角形 等の矩形状が挙げられる。また、このよう 複数のセルの形状は、隣接するセルの間の 気的な接続をより確実にするという観点か 、後述する補助電極の開口部の形状と相似 る形状とすることが好ましい。なお、この うな第一電極を電気的に分離された複数の ルに仕切る構造とする場合においては、本 明の有機エレクトロルミネッセンス素子を 製するにあたり、このような第一電極を形 した後に形成されるもの(例えば、補助電極 、有機層)の材料が隣接するセルの間に充填 れることとなる。

 以上説明したような第一電極を形成させ 方法としては、真空蒸着法、スパッタリン 法、イオンプレーティング法、メッキ法等 挙げられる。また、このような第一電極を 気的に分離された複数のセルに仕切る方法 しては、例えば、第一電極を形成した後に フォトレジストを用いたエッチング法によ パターン形成する方法が挙げられる。

 なお、このような第一電極として、ポリ ニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェ 若しくはその誘導体等の有機物の透明導電 を用いてもよい。また、有機層への電荷注 を容易にするという観点から、このような 一電極の有機層側の表面上に、フタロシア ン誘導体、ポリチオフェン誘導体等の導電 高分子、Mo酸化物、アモルファスカーボン フッ化カーボン、ポリアミン化合物等の1~200 nmの層、或いは金属酸化物や金属フッ化物、 機絶縁材料等からなる平均膜厚10nm以下の層 を設けてもよい。

 (補助電極)
 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素 においては、前記第一電極に電気的に接続 れ、開口部が設けられた補助電極を備える とが必要である。そして、このような補助 極が、準周期的な2次元配列により規定され る格子点に基づいて定められる領域が前記開 口部となるように、前記第一電極の表面上に 形成されていることが必要である。本発明に おいては、このような補助電極を備えること により、透明電極又は半透明電極の抵抗によ る電圧低下を軽減して均一に発光させること が可能となり、さらに外光反射時の色付きや 干渉によるモアレ縞の発生を十分に抑制する ことが可能となる。

 本発明にかかる準周期的な2次元配列とは 、周期配列とは異なる種類の秩序配列のこと をいい、例えば、フィボナッチ配列を挙げる ことができる。また、このようなフィボナッ チ配列とは、フィボナッチ数列に相似若しく は類似して配列されている配列のことをいい 、ひまわりの種や松ぼっくりの配列等に例え られ、図1に示すような略々渦巻状を呈する 列のことをいう。なお、本発明においてフ ボナッチ配列により規定される格子点には フィボナッチ数列による配列から一部の格 点を抜いたもの等も含まれるものとする。

 また、フィボナッチ配列は、整数nに対して 、
(x,y)=(√n×cos((137.5×nπ)/180)、√n×sin((137.5×nπ)/ 180))からなる数列のことをいい、この整数nを フィボナッチ数列における次数と称する。

 このようなフィボナッチ配列においては フィボナッチ数列における次数が大きくな とフィボナッチ配列により規定される格子 の粗密が大きくなる。そのため、補助電極 設けられる開口部の間隔の粗密も大きくな 、補助電極間の配線抵抗が大きくなるとい 問題が生じる可能性がある。

 本発明においては、上記のような観点か 、本発明にかかる準周期的な2次元配列は、 前記格子点の平均格子間距離が10~30μm(より好 ましくは、10~20μm)の範囲となるように前記フ ィボナッチ配列から抽出された単位配列を有 し、且つ前記単位配列がそれぞれ重なり合わ ないように敷き詰められた配列であることが 好ましい。このような準周期的な2次元配列 より規定される格子点に基づいて定められ 領域に補助電極の開口部を設けることによ 、補助電極間の配線抵抗の増大を抑制しつ 、補助電極に設けられた開口部の周期的な 則性を解消することができる。また、前記 子点の平均格子間距離が前記下限未満では 開口率が低下するため、発光輝度が十分に られない傾向にあり、他方、前記上限を超 ると補助電極間の配線抵抗が大きくなるた に発光輝度のムラを十分に抑制できない傾 にある。なお、前記フィボナッチ配列によ 規定される格子点のうちの最も近接してい 格子点どうしの格子間距離、すなわち最近 格子間距離は5~15μmの範囲であることが好ま い。

 また、前記フィボナッチ配列から抽出さ る単位配列の形状としては特に制限はない 、単位配列をそれぞれ重なり合わないよう 敷き詰めるという観点から、多角形状が好 しく、三角形、正方形、長方形、正六角形 がより好ましい(図2~4参照)。図2~4中、Aはフ ボナッチ数列における次数300以下の領域を Bはフィボナッチ数列における次数1000以下 領域を表す。

 さらに、このような単位配列は、前記フ ボナッチ数列における次数が300~1000(より好 しくは、500~800)の範囲となるように前記フ ボナッチ配列から抽出された配列であるこ が好ましい。前記フィボナッチ数列におけ 次数が上記の範囲となる場合には、一つの 位配列により規定される格子点の格子点間 離の分散を抑制することができ、補助電極 の配線抵抗のバラツキや開口部の密度(開口 )の偏りによる発光輝度のムラをより確実に 抑制することができる。

 また、このような単位配列は、一つの単 配列により規定される格子点の数が50~200(よ り好ましくは、50~100)の範囲となるように前 フィボナッチ配列から抽出された配列であ ことが好ましい。さらに、本発明において 、補助電極に設けられた開口部の周期的な 則性をより確実に解消するという観点から 前記フィボナッチ配列のうちの異なる箇所 ら抽出された複数の異なる単位配列をそれ れ重なり合わないように敷き詰めることが ましい。

 本発明にかかる補助電極は、以上説明し ような準周期的な2次元配列により規定され る格子点に基づいて定められる領域が開口部 となるように形成される。そして、このよう な領域は、前記格子点を母点とするボロノイ 分割、ドロネー三角形分割等により定めるこ とができる。

 ボロノイ分割とは、いくつかの点(母点) 配置された平面を、隣り合う任意の母点間 垂直2等分線を結んで形成される領域(ボロノ イ領域)に分割することをいう。なお、ボロ イ領域の境目の線をボロノイ境界という。 のようなボロノイ分割により前記領域を定 る場合においては、本発明にかかる補助電 は、前記格子点を母点とするボロノイ分割 よるボロノイ領域が開口部となるように、 記ボロノイ分割によるボロノイ境界上に(に って)形成される。

 ドロネー三角形分割とは、いくつかの点( 母点)が配置された平面を、隣り合うボロノ 領域の母点どうしをつなぐ線(ドロネー辺)を 結んで形成される三角形の領域(ドロネー三 形の領域)に分割することをいう。このよう ドロネー三角形分割により前記領域を定め 場合においては、本発明にかかる補助電極 、前記格子点を母点とするドロネー三角形 割によるドロネー三角形の領域が開口部と るように、前記ドロネー三角形分割による ロネー辺上に(に沿って)形成される。

 このような補助電極の線幅は、光の利用 率の観点から、1~200μmの範囲であることが ましく、10~100μmの範囲であることがより好 しい。

 このような補助電極の材料としては、前記 一電極の材料より電気伝導度が高ければ(電 気抵抗値が低ければ)特に制限はないが、通 は10 7 S/cm以上の電気伝導度を有する導電材料が使 され、アルミニウム、銀、クロム、金、銅 タンタル等の金属材料が好適に利用される これらの中でも、電気伝導度の高さ、材料 ハンドリングの容易さの観点から、アルミ ウム、クロム、銅、銀がより好ましい。

 また、補助電極の材料として金属を用い 場合には、後述する有機層からの光が遮断 れることから、素子の発光する面積に対す 補助電極で被われる面積の割合は、20~90%の 囲であることが好ましく、30~80%の範囲であ ことがより好ましい。

 さらに、このような補助電極の厚みは、 抵抗が所望の値となるように適宜選択する とができるが、例えば10~500nmであり、好ま くは20~300nmであり、より好ましくは50~150nmで る。

 また、このような補助電極は、前記第一 極の表面のうち、有機層側の表面上に配置 れていてもよいが、第一電極と補助電極と 電気的な接続をより確実にするという観点 ら、有機層と反対側の表面上に配置されて ることが好ましい。

 以上説明したような補助電極を形成させ 方法としては、例えば、真空蒸着法、スパ タリング法、又は金属薄膜を熱圧着するラ ネート法等により補助電極の材料の膜を形 した後に、フォトレジストを用いたエッチ グ法によりパターン形成する方法が挙げら る。

 (第二電極)
 本発明にかかる第二電極は、前記第一電極 対向して配置される電極であって、本発明 有機エレクトロルミネッセンス素子の陰極 なるものである。このような第二電極の材 としては、仕事関数の小さい材料が好まし 、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウ 、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マ ネシウム、カルシウム、ストロンチウム、 リウム、アルミニウム、スカンジウム、バ ジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テ ビウム、イッテルビウム等の金属、及びそ らのうちの2つ以上の合金;或いはそれらの ちの1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガ 、チタン、コバルト、ニッケル、タングス ン、錫のうちの1つ以上との合金;グラファ ト又はグラファイト層間化合物が用いられ 。これらの合金としては、マグネシウム-銀 金、マグネシウム-インジウム合金、マグネ シウム-アルミニウム合金、インジウム-銀合 、リチウム-アルミニウム合金、リチウム- グネシウム合金、リチウム-インジウム合金 カルシウム-アルミニウム合金等が挙げられ る。

 このような第二電極の膜厚は、電気伝導 や耐久性を考慮して、適宜選択することが きるが、例えば10nm~10μmであり、好ましくは 20nm~1μmであり、さらに好ましくは50nm~500nmで る。

 以上説明したような第二電極を形成させ 方法としては、真空蒸着法、スパッタリン 法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート 等が挙げられる。なお、このような第二電 を2層以上の積層構造としてもよい。また、 第二電極と有機層との間に、導電性高分子か らなる層、或いは金属酸化物や金属フッ化物 、有機絶縁材料等からなる平均膜厚10nm以下 層を設けてもよい。

 (有機層)
 本発明にかかる有機層は、前記第一電極及 前記第二電極の間に設けられた層である。
このような有機層は、通常、少なくとも1層 発光材料を含有する層であればよいが、複 の層により構成されていてもよい。有機エ クトロルミネッセンス素子の動作は、本質 に、電子及び正孔を電極から注入する過程 、電子及び正孔が有機層を移動する過程と 電子及び正孔が再結合し、一重項励起子又 三重項励起子を生成する過程と、その励起 が発光する過程とからなるが、有機層が複 の層により構成される場合には、各過程に いて要求される機能を複数の材料に分担さ るとともに、それぞれの材料を独立して最 化できる。また、このような有機層の発光 としては、赤、青、緑の3原色の発光以外に 中間色や白色の発光が例示される。フルカ ー素子には、3原色の発光色が、平面光源で は白色や中間色の発光が好ましい。

 また、本発明においては、このような有 層に用いられる発光材料として、低分子型 光材料(i)だけでなく、高分子型発光材料(ii) を用いることができる。そして、このような 発光材料の種類によっては、有機層に用いら れる他の材料が異なるので、以下低分子型発 光材料(i)を用いる場合と高分子発光材料(ii) 用いる場合とに分けてそれぞれ説明する。

 (i)低分子型発光材料を用いる場合
 低分子型発光材料を用いる場合における有 層の材料としては、「有機ELディスプレイ (時任静夫、安達千波矢、村田英幸 共著 株 式会社オーム社 平成16年刊 第1版第1刷発行) 17~48頁、83~99頁、101~120頁に記載の蛍光や燐光 光材料、正孔輸送材料、電子ブロック材料 正孔ブロック材料、電子輸送材料が挙げら る。具体的には、正孔輸送材料としては、 開昭63-70257号公報、同63-175860号公報、特開 2-135359号公報、同2-135361号公報、同2-209988号 報、同2-311591号公報、同3-37992号公報、同3-152 184号公報、同11-35687号公報、同11-217392号公報 特開2000-80167号公報に記載されているもの等 が例示される。

 さらに、低分子型発光材料(三重項発光錯体 )としては、例えば、イリジウムを中心金属 するIr(ppy) 3 、Btp 2 Ir(acac)、白金を中心金属とするPtOEP、ユーロ ウムを中心金属とするEu(TTA) 3 phenが挙げられる。具体的には、Nature,(1998),395 ,151、Appl.Phys.Lett.(1999),75(1),4、Proc.SPIE-Int.Soc.Opt .Eng.(2001),4105(Organic Light-Emitting Materials and De vicesIV),119、J.Am.Chem.Soc.,(2001),123,4304、Appl.Phys.Le tt.,(1997),71(18),2596、Syn.Met.,(1998),94(1),103、Syn.Met .,(1999),99(2),1361、Adv.Mater.,(1999),11(10),852、Jpn.J.A ppl.Phys.,34,1883(1995)等に記載されているもの等 例示される。

 これらの有機層の材料を含有する層の厚 としては、発光効率や駆動電圧が所望の値 なるように適宜選択されるが、5~200nmが一般 的である。また、正孔輸送層の厚みは、例え ば10~100nmであり、好ましくは20~80nmである。発 光層の厚みは、例えば10~100nmであり、好まし は20~80nmである。正孔ブロック層の厚みは、 例えば5~50nmであり、好ましくは10~30nmである 電子注入層の厚みは、例えば10~100nmであり、 好ましくは20~80nmである。

 これらの層を形成させる方法としては、 空蒸着、クラスター蒸着、分子線蒸着等の 空プロセス以外に、これらの層を構成する 料が溶解性をもつものやエマルジョンを形 できるものであれば、後述するコーティン 法や印刷法にて製膜する方法が挙げられる

 (ii)高分子型発光材料を用いる場合
 高分子型発光材料を用いる場合における有 層の材料としては、「高分子EL材料」(大西 博、小山珠美 共著 共立出版 2004年刊 初 版第1刷発行)33~58頁に記載の材料が挙げられ 、電荷注入層や電荷輸送層と積層した構造で 有機エレクトロルミネッセンス素子を構築す ることができる。より具体的には、高分子化 合物の正孔輸送性材料、電子輸送性材料及び 発光材料としては、WO99/13692公開明細書、WO99/ 48160公開明細書、GB2340304A、WO00/53656公開明細 、WO01/19834公開明細書、WO00/55927公開明細書、 GB2348316、WO00/46321公開明細書、WO00/06665公開明 書、WO99/54943公開明細書、WO99/54385公開明細 、US5777070、WO98/06773公開明細書、WO97/05184公開 明細書、WO00/35987公開明細書、WO00/53655公開明 書、WO01/34722公開明細書、WO99/24526公開明細 、WO00/22027公開明細書、WO00/22026公開明細書、 WO98/27136公開明細書、US573636、WO98/21262公開明 書、US5741921、WO97/09394公開明細書、WO96/29356公 開明細書、WO96/10617公開明細書、EP0707020、WO95/ 07955公開明細書、特開2001-181618号公報、特開20 01-123156号公報、特開2001-3045号公報、特開2000-3 51967号公報、特開2000-303066号公報、特開2000-299 189号公報、特開2000-252065号公報、特開2000-13637 9号公報、特開2000-104057号公報、特開2000-80167 公報、特開平10-324870号公報、特開平10-114891 公報、特開平9-111233号公報、特開平9-45478号 報等に開示されているポリフルオレン、そ 誘導体及び共重合体、ポリアリーレン、そ 誘導体及び共重合体、ポリアリーレンビニ ン、その誘導体及び共重合体、芳香族アミ 及びその誘導体の(共)重合体が挙げられる。 これらの高分子型発光材料や電荷輸送材料に は、前述した低分子型発光材料を用いる場合 に有機層に用いられる発光材料や電荷輸送材 料を混合して用いてもよい。また、これらの 高分子型発光材料や電荷輸送材料においては 、前述した低分子型発光材料がこれらの材料 の構造に含まれていてもよい。

 電荷注入層の具体的な例としては、導電 高分子を含む層又は前記第一電極と正孔輸 層との間に設けられ、前記第一電極の材料 正孔輸送層に含まれる正孔輸送性材料との 間の値のイオン化ポテンシャルを有する材 を含む層、前記第二電極と電子輸送層との に設けられ、前記第二電極の材料と電子輸 層に含まれる電子輸送性材料との中間の値 電子親和力を有する材料を含む層等が挙げ れる。

 また、このような電荷注入層が導電性高分 を含む層である場合、導電性高分子を含む は少なくとも一方の電極(第一電極、第二電 極)と発光層との間に電極に隣接して設けら る。
 このような導電性高分子の電気伝導度は、1 0 -7 S/cm以上であり且つ10 3 S/cm以下であることが好ましく、発光画素間 リーク電流を小さくするためには、10 -5 S/cm以上であり且つ10 2 S/cm以下であることがより好ましく、10 -5 S/cm以上であり且つ10 1 S/cm以下であることが特に好ましい。また、 常はこのような導電性高分子の電気伝導度 10 -5 S/cm以上であり且つ10 3 S/cm以下とするために、このような導電性高 子に適量のイオンをドープする。

 ドープするイオンとしては、正孔注入層 あればアニオン、電子注入層であればカチ ンが用いられる。アニオンの例としては、 リスチレンスルホン酸イオン、アルキルベ ゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イ ン等が挙げられ、カチオンの例としては、 チウムイオン、ナトリウムイオン、カリウ イオン、テトラブチルアンモニウムイオン が挙げられる。

 電荷注入層に用いる材料としては、電極 隣接する層の材料との関係で適宜選択すれ よいが、ポリアニリン及びその誘導体、ポ チオフェン及びその誘導体、ポリピロール びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及 その誘導体、ポリチエニレンビニレン及び の誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、 リキノキサリン及びその誘導体、芳香族ア ン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導 性高分子;金属フタロシアニン(銅フタロシ ニン等);カーボン等が挙げられる。

 また、電荷注入を容易にする目的で、前 第一電極及び/又は前記第二電極に隣接して 厚みが10nm以下の絶縁層を設けてもよい。こ ような絶縁層の材料としては、金属フッ化 、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられ アルカリ金属又はアルカリ土類金属等の金 フッ化物や金属酸化物が好ましい。

 また、第二電極に近い側の有機層に含有さ る電子輸送性高分子材料としては、電極か 電子が注入され、輸送する高分子材料であ ばよく特に制限はされないが、π及びσ共役 系高分子や電子輸送性の基を高分子中に含む 高分子材料を適宜使用することができる。
さらに、低分子の電子輸送性材料を併用する こともできる。

 これらの正孔輸送性材料や電子輸送性材 は電荷の輸送以外に、発光機構を有してい ものも好適に利用できるが、本発明におい は、前記発光材料をこれらの層にドーピン して用いることもできる。

 以上説明したような有機層の材料を含有 る層の厚みは、用いる材料によって最適値 異なるが、駆動電圧と発光効率が適度な値 なるように適宜選択することができる。ま 、発光層の厚みは、例えば5~300nmであり、好 ましくは30~200nmであり、さらに好ましくは40~1 50nmである。電荷注入層の厚みは、例えば1nm~1 00nmであり、好ましくは2nm~10nmである。電子輸 送性層の厚みは、例えば1nm~1μmであり、好ま くは2nm~500nmであり、さらに好ましくは5nm~200 nmである。

 また、ここまで述べてきた有機層の材料 うちの高分子材料を含有する層(発光層、電 荷輸送層、電荷注入層)を形成させる方法と ては、例えば、溶液からのコーティング法 印刷法にて製膜する方法が挙げられる。な 、このような方法は、前記高分子材料を含 しない層(発光層、電荷輸送層、電荷注入層) を形成させる方法としても採用することがで きる。このような方法によれば、溶液を塗布 後乾燥することにより溶媒を除去するだけで よく、また電荷輸送材料や発光材料を混合し た場合においても同様な手法が適用でき、製 造上非常に有利である。このようなコーティ ング法及び印刷法としては、スピンコート法 、キャスティング法、マイクログラビアコー ト法、グラビアコート法、バーコート法、ロ ールコート法、ワイアーバーコート法、ディ ップコート法、スプレーコート法、スクリー ン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷 法、キャピラリーコート法、ノズルコート法 、インクジェットプリント法等の塗布法が挙 げられる。また、電荷注入材料は、エマルジ ョン状で水やアルコールに分散させたものを 溶液と同様な方法で、製膜することができる 。

 このようなコーティング法や印刷法にお て、有機層の材料に用いる溶媒としては特 限定されないが、前記高分子材料を溶解又 均一に分散できるものが好ましい。前記高 子材料が非極性溶媒に可溶なものである場 において、このような溶媒としては、例え 、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロ タン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン等 のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、テ ラリン、アニソール、n-ヘキシルベンゼン、 シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素 系溶媒;デカリン、ビシクロヘキシル等の脂 族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチル トン、2-ヘプタノン等のケトン系溶媒;酢酸 チル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセ ート、プロピレングリコールモノメチルエ テルアセテート等のエステル系溶媒が挙げ れる。

 また、複数の層を積層する場合において 、上下の層の混合を防止するために、最初 形成された層を不溶化することが好ましい このように不溶化する方法としては、可溶 の前駆体や可溶基を有する高分子を用いて 熱処理により、前駆体を共役系高分子に転 したり、可溶基を分解することで溶解性を 下させることで不溶化する方法や、架橋基 分子内に有する正孔輸送性高分子を用いる 法、或いは、熱、光、電子線等により架橋 応を生ずるモノマーやマクロマーを混合す 方法等が挙げられる。

 このような架橋基としては、側鎖にビニ 基、(メタ)アクリレート基、オキセタン基 シクロブタジエン基、ジエン基等を有する 分子が例示される。これらの基の導入率は 電子輸送性高分子の製膜時に使用する溶媒 対して不溶化すれば特に制限はないが、例 ば0.01~30質量%であり、好ましくは0.5~20質量% あり、より好ましくは1~10質量%である。

 また、架橋反応を生ずるモノマーやマク マーとしては、ポリスチレン換算の重量平 分子量2000以下の化合物で、ビニル基、(メ )アクリレート基、オキセタン基、シクロブ ジエン基、ジエン基等の基を二つ以上有す ものが挙げられる。さらに、酸無水物基や 皮酸のように分子間で架橋反応し得る化合 も例示される。これらの例としては、「UV EB硬化技術の現状と展望」(市村國宏 監修  式会社シーエムシー出版 2002年刊 第1版第1 刷発行 第2章)に記載のものが好適に使用で る。

 さらに、高分子化合物を有機層の材料と て用いる場合には、その純度が電荷輸送特 や発光特性等の素子の性能に影響を与える め、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、 結晶等、カラムクロマトグラフィーの方法 精製した後に重合することが好ましい。ま 重合後、酸洗浄、アルカリ洗浄、中和、水 浄、有機溶媒洗浄、再沈殿、遠心分離、抽 、カラムクロマトグラフィー、透析などの 用の分離操作、精製操作、乾燥、その他の 作による純化処理をすることが好ましい。

 (有機エレクトロルミネッセンス素子)
 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素 は、通常、前述した第一電極、第二電極、 助電極、及び有機層を支持基板上に形成さ ることにより作製することができる。この うな支持基板としては、有機エレクトロル ネッセンス素子を作製する際に変化しない のであればよく、例えば、ガラス、プラス ック、高分子フィルム、シリコン等の基板 挙げられる。なお、このような支持基板側 ら前記有機層からの光を取り出す場合には 支持基板として透明なものを用いることが ましい。また、本発明の有機エレクトロル ネッセンス素子の素子構造は特に限定され 、トップエミッション型であってもよく、 トムエミッション型であってもよい。また このような素子構造に応じて上記支持基板 に前記第一電極等を形成させる順番を適宜 択することができる。さらに、本発明の有 エレクトロルミネッセンス素子においては 必要に応じて保護層を設けてもよい。この うな保護層の材料としては、ガラス、プラ チック、高分子フィルム、シリコンの他に アクリル系樹脂等の光硬化性樹脂が挙げら る。これらの保護層の材料は、1種を単独で 又は2種以上を組み合わせて使用することが きる。なお、このような保護層側から前記 機層からの光を取り出す場合には、保護層 材料として透明なものを用いることが好ま い。

 以上説明したような本発明の有機エレク ロルミネッセンス素子は、液晶ディスプレ のバックライト又は照明用としての曲面状 平面状の面状光源;インテリアや広告に用い られるセグメント表示装置、ドットマトリッ クス表示装置、液晶表示装置等に用いられる 発光素子として好適に用いることができ、照 明用としての曲面状や平面状の面状光源とし て特に好適に用いることができる。

 以下、実施例及び比較例に基づいて本発 をより具体的に説明するが、本発明は以下 実施例に限定されるものではない。なお、 成例1、2において用いた下記構造式(A)~(C)で される化合物A~Cとしては、WO2000/046321公開明 細書に記載された方法に従って合成したもの を用いた。

 (合成例1)
 先ず、200mlセパラブルフラスコにメチルト オクチルアンモニウムクロリド(アルドリッ 社製、商品名:Aliquat336)を0.91gと、化合物Aを5 .23gと、化合物Cを4.55gとを反応容器に仕込ん 後、反応系内を窒素ガスで置換した。その 、トルエン70mlを加え、酢酸パラジウム2.0mg トリス(o-トリル)ホスフィン15.1mgを加えた後 、還流させて混合溶液を得た。

 次に、得られた混合溶液に、炭酸ナトリ ム水溶液19mlを滴下後、還流下終夜攪拌した 後、フェニルホウ酸0.12gを加えて7時間攪拌し た。その後、300mlのトルエンを加え、反応液 分液し、有機相を酢酸水溶液及び水で洗浄 た後、ナトリウムN,N-ジエチルジチオカルバ メート水溶液を加えて4時間攪拌した。

 次いで、攪拌後の混合溶液を分液した後、 リカゲル-アルミナカラムを通し、トルエン で洗浄した後に、メタノールに滴下してポリ マーを沈殿させ、その後、得られたポリマー をろ過、減圧乾燥した後にトルエンに溶解さ せた。そして、得られたトルエン溶液を再度 メタノールに滴下して沈殿物を生じさせ、こ の沈殿物をろ過、減圧乾燥して高分子化合物 1を得た。得られた高分子化合物1のポリスチ ン換算の重量平均分子量Mwは3.2×10 5 であり、ポリスチレン換算の数平均分子量Mn 8.8×10 4 であった。

 (合成例2)
 先ず、化合物Bを22.5gと2,2’-ビピリジルを17. 6gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒 ガスで置換した。その後、あらかじめアル ンガスでバブリングして脱気したテトラヒ ロフラン(脱水溶媒)1500gを加え、混合溶液を 得た。そして、得られた混合溶液に、ビス(1, 5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)を31g加え、 室温で10分間攪拌した後、60℃で3時間反応さ た。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行 た。

 次に、得られた反応溶液を冷却した後、 の溶液に、25質量%アンモニア水200ml/メタノ ル900ml/イオン交換水900ml混合溶液をそそぎ み、約1時間攪拌した。その後、生成した沈 物を濾過して回収し、この沈殿物を減圧乾 した後、トルエンに溶解させた。そして、 られたトルエン溶液を濾過して不溶物を除 した後、このトルエン溶液を、アルミナを 填したカラムを通過させることにより精製 た。

 次に、精製後のトルエン溶液を、1規定塩 酸水溶液で洗浄し、静置、分液した後、トル エン溶液を回収した。そして、このトルエン 溶液を、約3質量%アンモニア水で洗浄し、静 、分液した後、トルエン溶液を回収した。 の後、このトルエン溶液をイオン交換水で 浄し、静置、分液した後、洗浄後のトルエ 溶液を回収した。

 次いで、洗浄後のトルエン溶液をメタノー 中にそそぎ込み、沈殿物を生じさせ、この 殿物をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥 て高分子化合物2を得た。得られた高分子化 合物2のポリスチレン換算の重量平均分子量 8.2×10 5 であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は 1.0×10 5 であった。

 (製造例)
 補助電極を形成するためのフォトマスクを 下のようにして作製した。すなわち、先ず フィボナッチ配列(最近接格子間距離:10μm) ら、平均格子間距離が14μm、フィボナッチ数 列における次数が500~800の範囲となるような 位配列を複数抽出した。次に、これらの単 配列がそれぞれ重なり合わないように敷き められた配列から格子点を規定し、このよ な格子点を母点とするボロノイ分割を行っ 。そして、ボロノイ分割の結果に基づいて ボロノイ分割によるボロノイ境界上に線幅40 μmの細線状の遮光部が設けられたフォトマス ク(254mm×254mm)を作製した。

 (実施例)
 支持基板としてガラス基板(200mm×200mm)を用 、前記支持基板上に、Crターゲット及びスパ ッタガスとしてArを用い、120℃におけるDCス ッタ法により、膜厚1000nmのCrを堆積させた。 このときの製膜圧力は0.5Pa、スパッタリング ワーは2.0kWであった。Cr膜の上にレジスト塗 布後、110℃で90秒間ベークした後、製造例で られたフォトマスクを通して、200mJのエネ ギーで露光し、0.5質量%の水酸化カリウム水 液によって現像後、130℃で110秒間ポストベ クした。次いで、Cr用エッチング液に、40℃ 、120秒間浸漬し、Crのパターニングを行い、 後に2質量%水酸化カリウム水溶液に浸漬す ことで、レジスト残渣を剥離し、Crからなる 補助電極を形成した。

 次に、補助電極が形成された基板上に第一 極を形成した。すなわち、第一電極材料と てITO焼成ターゲット、スパッタガスとしてA rを用い、120℃におけるDCスパッタ法により、 膜厚3000nmのITOを堆積させた。このときの製膜 圧力は0.25Pa、スパッタリングパワーは0.25kWで あった。その後、200℃のオーブンで40分間ア ール処理を行った。その後、第一電極が形 された基板を60℃の弱アルカリ性洗剤、冷 、50℃の温水を用いて超音波洗浄し、50℃の 水から引き上げて乾燥した後、20分間UV/O 3 洗浄を行った。

 そして、洗浄後の基板に、ポリ(3,4)エチレ ジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン (スタルクヴィテック社製、商品名:BaytronP C H8000)の懸濁液を0.45μm径のフィルターでろ過 、さらに0.2μm径のフィルターでろ過して得 れた溶液をスピンコートにより80nmの厚みで 膜し、大気雰囲気下において200℃で15分間 処理し、正孔注入層(すなわち、電荷注入層) を形成した。次いで、合成例1及び2で得られ 高分子化合物1及び高分子化合物2をトルエ に溶解させ、1質量%の高分子溶液を調製し、 調製された溶液を正孔注入層が形成された基 板上にスピンコートして80nmの膜厚で製膜し 窒素雰囲気下のホットプレート上において13 0℃で60分間熱処理し、発光層を形成した。そ の後、発光層が形成された基板に真空蒸着に より、LiF、Ca、Alを順次それぞれ、2nm、5nm、20 0nmの厚みで蒸着し、第二電極を形成した。な お、真空度が1×10 -4 Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した 最後に、不活性ガス中で、第二電極が形成 れた基板における第二電極の表面をガラス で覆い、さらに基板の4辺を光硬化性樹脂で 覆った後に、光硬化性樹脂を硬化させること で保護層を形成して、有機EL発光素子を作製 た。

 このようにして得られた有機EL発光素子 図5に示す。すなわち、図5に示す有機EL素子 、支持基板1、補助電極2、第一電極3、電荷 入層4、発光層5、第二電極6、及び保護層7を 備えている。そして、電荷注入層4及び発光 5とからなる有機層11が、第一電極3及び第二 極6に挟持されている。また、第一電極3の 機層11と反対側の表面上に補助電極2が形成 れている。

 <有機EL発光素子の評価>
 実施例で得られた有機EL発光素子全体に8Vの 電圧を印加した際の発光面の様子を目視にて 観察したところ、発光面には発光輝度のムラ がなく、また外光反射時に生ずる色付き現象 やモアレ縞は発生しなかった。したがって、 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子 においては、透明電極又は半透明電極の抵抗 による電圧低下を軽減して均一に発光させる ことができ、しかも外光反射時の色付きや干 渉によるモアレ縞の発生を十分に抑制するこ とが可能となることが確認された。

 以上説明したように、本発明によれば、 明電極又は半透明電極の抵抗による電圧低 を軽減して均一に発光させることができ、 かも外光反射時の色付きや干渉によるモア 縞の発生が十分に抑制された有機エレクト ルミネッセンス素子を提供することが可能 なる。

 したがって、本発明の有機エレクトロル ネッセンス素子は、面状光源、セグメント 示装置、ドットマトリックス表示装置、液 表示装置等に用いられる発光素子として有 である。

フィボナッチ配列を示す平面図である フィボナッチ配列から抽出される単位 列の一実施形態を示す概略平面図である。 フィボナッチ配列から抽出される単位 列の他の実施形態を示す概略平面図である フィボナッチ配列から抽出される単位 列の他の実施形態を示す概略平面図である 実施例において得られた有機エレクト ルミネッセンス素子の積層構造を示す概略 面図である。

符号の説明

 1 支持基板
 2 補助電極
 3 第一電極
 4 電荷注入層
 5 発光層
 6 第二電極
 7 保護層
 11 有機層
 A フィボナッチ数列における次数300以下の 域
 B フィボナッチ数列における次数1000以下の 領域