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Title:
RESIN COMPOSITION FOR OPTICAL THREE-DIMENSIONAL MOLDING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145167
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a resin composition for optical molding, which has high photocuring sensitivity, has low toxicity, is highly safe, and enables the production of a three-dimensional object having excellent dimensional stability and others within a short molding period and with good productivity. The resin composition for optical molding contains a polyglycidyloxy compound represented by general formula (I) [wherein R1 represents an organic residue; and k represents an integer of 2 or greater] as a cation-polymerizable organic compound, a (meth)acrylate compound having at least two (meth)acryloyloxy groups as a radical-polymerizable organic compound, and a phosphorus-containing aromatic sulfonium compound represented by formula: [S+(R2)a(R3)b(R4)c][P-F6-n(Rf)n]m as a cation polymerization initiator, and does not contain any cation-polymerizable organic compound having, in its molecule, a cycloalkene oxide structure.

Inventors:
DAICHO YUYA (JP)
ARAI YUKI (JP)
NAKAMOTO EIJI (JP)
OGANE NOBUO (JP)
HAGIWARA TSUNEO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059572
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 26, 2009
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Assignee:
CMET INC (JP)
DAICHO YUYA (JP)
ARAI YUKI (JP)
NAKAMOTO EIJI (JP)
OGANE NOBUO (JP)
HAGIWARA TSUNEO (JP)
International Classes:
C08G59/68; B29C67/00; C08F20/20; C08G65/18
Domestic Patent References:
WO2007048819A12007-05-03
Foreign References:
JP2005325252A2005-11-24
JP2009173781A2009-08-06
JP2007277327A2007-10-25
JP2007169423A2007-07-05
Attorney, Agent or Firm:
TSUJI YOSHIKO (JP)
Crossing Yoshiko (JP)
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Claims:
(i) カチオン重合性有機化合物(A)、ラジカル重合性有機化合物(B)、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(C)および活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤(D)を含有する光学的立体造形用樹脂組成物であって;
(ii) カチオン重合性有機化合物(A)として、下記の一般式(I);

(式中、R 1 は有機残基、kは2以上の整数を示す。)
で表される、グリシジルオキシ基を2個以上有する化合物(I)を含有し;
(iii) ラジカル重合性有機化合物(B)として、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する(メタ)アクリレート化合物(B-1)を含有し;
(iv) 活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(C)が、下記の一般式(II);

[上記の式(II)中、R 2 およびR 3 はそれぞれ独立して下記の式(i)~(iv);

{式(ii)および式(iv)中、Xは塩素原子またはフッ素原子を示す}
で表される基のいずれかであり、R 4 は下記の式(v);

で表される基であり、Rfは炭素数1~8のフルオロアルキル基であり、aは0~3の整数、bは0~3の整数およびcは0または1であって、aとbとcの合計が3であり、mは1+cと同じ数であり、nは0~5の整数である。]
で表されるリン系芳香族スルホニウム化合物(II)であり;且つ、
(v) シクロアルケンオキシド構造を分子中に有するカチオン重合性有機化合物を含有しない;
ことを特徴とする光学的立体造形用樹脂組成物。
 カチオン重合性有機化合物(A)として、オキセタン化合物(OXT)を更に含有し、当該オキセタン化合物(OXT)が、オキセタン基を1個有するモノオキセタン化合物(OXTm)およびオキセタン基を2個以上有するポリオキセタン化合物(OXTp)のいずれか一方または両方である請求項1に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
 モノオキセタン化合物(OXTm)が、下記の一般式(III-1a)で表されるモノオキセタン化合物(III-1a)および下記の一般式(III-1b)で表されるモノオキセタン化合物(III-1b)から選ばれる少なくとも1種のモノオキセタン化合物であり、ポリオキセタン化合物(OXTp)が、下記の一般式(III-2)で表されるジオキセタン化合物(III-2)である請求項2に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。

(式中、R 5 およびR 6 は炭素数1~5のアルキル基、R 7 はエーテル結合を有していてもよい炭素数2~10のアルキレン基、2個のR 8 は互いに同じかまたは異なる炭素数1~5のアルキル基、R 9 は芳香環を有しているかまたは有していない2価の有機基、pは1~6の整数、qは0または1を示す。)
 カチオン重合性有機化合物(A):ラジカル重合性有機化合物(B)の含有割合が40:60~90:10の質量比であり、リン系芳香族スルホニウム化合物(II)をカチオン重合性有機化合物(A)の質量に基づいて0.1~10質量%の割合で含有し、活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤(D)をラジカル重合性有機化合物(B)の質量に基づいて0.1~20質量%の割合で含有する請求項1~3のいずれか1項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
 グリシジルオキシ基を2個以上有する化合物(I)の含有割合が、カチオン重合性有機化合物(A)の全質量に基づいて、50~95質量%である請求項1~4のいずれか1項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
 オキセタン化合物(OXT)の含有割合[モノオキセタン化合物(OXTm)とポリオキセタン化合物(OXT)の両方を含有する場合は両方の合計含有割合]が、カチオン重合性有機化合物(A)の全質量に基づいて、5~30質量%である請求項2~5のいずれか1項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
 モノオキセタン化合物(OXTm)の含有割合が、オキセタン化合物(OXT)の全質量に基づいて、30~100質量%である請求項2~6のいずれか1項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
 グリシジルオキシ基を2個以上有する化合物(I)およびオキセタン化合物(OXT)の合計含有割合が、カチオン重合性有機化合物(A)の全質量に基づいて、50~100質量%である請求項1~7のいずれか1項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
 (メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する(メタ)アクリレート化合物(B-1)の含有量が、ラジカル重合性有機化合物(B)の質量に基づいて、70~100質量%である請求項1~8のいずれか1項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
 (メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する(メタ)アクリレート化合物(B-1)として、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個有するジ(メタ)アクリレート化合物(B-1a)および(メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上有するポリ(メタ)アクリレート化合物(B-1b)を含有し、ジ(メタ)アクリレート化合物(B-1a):ポリ(メタ)アクリレート化合物(B-1b)の含有割合が90:10~20:80の質量比である請求項1~9のいずれか1項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
 請求項1~10のいずれか1項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物を用いて光学的立体造形物を製造する方法。
Description:
光学的立体造形用樹脂組成物

 本発明は光学的立体造形用樹脂組成物お び当該組成物を用いて光学的立体造形物を 造する方法に関する。より詳細には、本発 は、安全性に優れ且つ環境汚染のない非ア チモン系の重合開始剤を用いた光学的立体 形組成物に関するものである。本発明の光 的立体造形用樹脂組成物を用いることによ 、高い光硬化感度で、地球環境の汚染を防 ながら、使用するカチオン重合性有機化合 の種類などに応じて、所望の種々の物性を する光学的立体造形物を、安全に、速い造 速度で生産性良く製造することができる。

 近年、三次元CADに入力されたデータに基づ て液状の光硬化性樹脂組成物を立体的に光 造形する方法が、金型などを作製すること く目的とする立体造形物を良好な寸法精度 製造し得ることから、広く採用されるよう なっている。
 光学的立体造形法の代表的な例としては、 器に入れた液状光硬化性樹脂の液面に所望 パターンが得られるようにコンピューター 制御された紫外線を選択的に照射して所定 みを硬化させ、ついで該硬化層の上に1層分 の液状樹脂を供給し、同様に紫外線で前記と 同様に照射硬化させ、連続した硬化層を得る 積層操作を繰り返すことによって最終的に立 体造形物を得る方法を挙げることができる。 この光学的立体造形方法は、形状の複雑な造 形物をも容易に且つ比較的短時間に得ること が出来る。

 光学的立体造形に用いる樹脂または樹脂 成物では、低粘度で造形時の取り扱い性に れること、および活性エネルギー線による 化感度が高くて短い造形時間で立体造形物 生産性よく製造できることが不可欠であり さらに造形物の解像度が高く造形精度に優 ていること、硬化時の体積収縮率が小さい とが望ましく、また立体造形物の用途など 応じて、力学的特性、耐久性、柔軟性、耐 性や耐湿性、耐熱性などに優れていること どが求められている。

 光造形用の光硬化性樹脂組成物としては 従来、ラジカル重合性有機化合物を含む光 化性樹脂組成物、エポキシ化合物などのカ オン重合性有機化合物を含む光硬化性樹脂 成物、ラジカル重合性有機化合物とカチオ 重合性有機化合物の両方を含む光硬化性樹 組成物などの種々の光硬化性樹脂組成物が 案されて用いられている。その際に、ラジ ル重合性有機化合物としては、例えば(メタ )アクリレート系化合物、ウレタン(メタ)アク リレート系化合物、ポリエステル(メタ)アク レート系化合物、ポリエーテル(メタ)アク レート系化合物、エポキシ(メタ)アクリレー ト系化合物などが用いられている。また、カ チオン重合性有機化合物としては、例えば、 各種エポキシ化合物、環状アセタール系化合 物、ビニルエーテル系化合物、ラクトン類な どが用いられている。

 上記したうちで、エポキシ化合物などのカ オン重合性有機化合物を含む光硬化性樹脂 成物では、系内に存在する光カチオン重合 始剤が光照射によりカチオン種(H + )を生成し、それが連鎖的にカチオン重合性 機化合物に関与し、カチオン重合性有機化 物が開環して反応が進む。エポキシ化合物 どのカチオン重合性有機化合物をベースと る光硬化性樹脂組成物を用いると、一般に ラジカル重合性有機化合物をベースとする 硬化性樹脂組成物を用いた場合に比べて、 られる光硬化物の収縮率が小さく、寸法安 性、寸法精度に優れる造形物が得られる。

 カチオン重合性有機化合物を光重合させる めの光カチオン重合開始剤としては、第16 元素の芳香族スルホニウム塩、第15族元素の 芳香族オニウム塩、第17族元素の芳香族オニ ム塩などからなる光カチオン重合開始剤が られている(特許文献1~4などを参照)。その ちでも、光硬化感度などの観点から、カチ ン重合性有機化合物を含む光硬化性樹脂組 物では、光カチオン重合開始剤として、ア チモンを含むスルホニウム塩が汎用されて る。
 しかし、アンチモン化合物は、一般に有毒 、ヒ素や水銀と似た毒作用を示すことから 取り扱いに細心の注意を払う必要があり、 かも作業環境や地球環境の汚染などの心配 ある。かかる点から、従来汎用されていた ンチモン系の光カチオン重合開始剤と同程 またはそれを凌駕する光重合開始能を有し しかも毒性が少なく、安全性、取り扱い性 優れ、作業環境や地球環境の汚染を生ずる とのない光カチオン重合開始剤を含む光学 立体造形用樹脂組成物が求められている。

 また、樹脂製の模型を消失モデルとして いて鋳造を行なうロストワックス鋳造法や ンベストモデル鋳造法において、消失モデ を作製するための金型製作にかかるコスト 削減するために、光学的立体造形物を消失 デルとして用いて鋳造することが行なわれ いる。しかしながら、アンチモン系のカチ ン重合開始剤を含む光学的立体造形用樹脂 成物を用いて得られる従来の光学的立体造 物は、消失モデルとして用いた際に、立体 形物に含まれていたアンチモン化合物に起 する残渣が消失後に残留して、鋳肌の荒れ 鋳物の性能の低下が生じ、高品質の鋳物が られないという問題があり、かかる点から 、アンチモン化合物を含まない光学的立体 形用樹脂組成物が求められている。

 また、アンチモン系の光カチオン重合開 剤を含めて、光カチオン重合開始剤は、必 しも種々のカチオン重合性有機化合物に対 て共通して高い触媒活性を示すとは限らず 光硬化感度の高い光学的立体造形用樹脂組 物を得るために、特定の高価なカチオン重 性有機化合物を選択して使用することが必 であった。

特公平7-103218号公報

特公昭52-14277号公報

特公昭52-14278号公報

特公昭52-14279号公報

特開2002-241363号公報

特開2001-81096号公報

特開2007-262401号公報

特開平2007-238828号公報

ポール・エフ・ヤコブ(Paul F. Jacobs)著、 「Rapid Prototyping & Manufacturing, Fundamentals  of Stereo-Lithography」,“Society of Manufacturing Eng ineers”,1992年,p28-39

 本発明の目的は、アンチモン化合物などの 毒な成分を含まず、それによって安全性、 り扱い性に優れていて、作業環境や地球環 の汚染を生ずることのない光学的立体造形 樹脂組成物を提供することである。
 さらに、本発明の目的は、安全性に優れる 共に、活性エネルギー線による硬化感度が くて、短縮された活性エネルギー線照射時 で造形物を生産性良く製造することができ しかも寸法安定性に優れていて寸法精度の い立体造形物を得ることのできる光学的立 造形用樹脂組成物を提供することである。
 そして、本発明の目的は、汎用されている 価なカチオン重合性有機化合物、特にエポ シ化合物を使用して、安全性に優れ且つ活 エネルギー線による硬化感度の高い光学的 体造形用樹脂組成物を、低コストで提供す ことである。
 さらに、本発明の目的は、光学的立体造形 を消失モデルとして鋳造を行なう際に、消 後に残留するアンチモンに起因する鋳肌の れや鋳物の性能低下などの問題が生じない アンチモン化合物を含まない光学的立体造 物を形成することのできる、アンチモン不 有の光学的立体造形用樹脂組成物を提供す ことである。

 上記の課題を解決すべく本発明者らは鋭 研究を行なってきた。そして、カチオン重 性有機化合物、ラジカル重合性有機化合物 活性エネルギー線感受性カチオン重合開始 および活性エネルギー線感受性ラジカル重 開始剤を含有する光学的立体造形用樹脂組 物において、活性エネルギー線感受性カチ ン重合開始剤として、従来汎用されていた ンチモンを含むスルホニウム塩の代わりに フルオロリン酸を対イオンとする非アンチ ン系の芳香族スルホニウム化合物を用いる 、安全性、取り扱い性に優れていて、作業 境や地球環境の汚染を生ずることのない光 的立体造形用樹脂組成物が得られることに 到し、フルオロリン酸を対イオンとする非 ンチモン系の芳香族スルホニウム化合物を チオン重合開始剤として含む当該光学的立 造形用樹脂組成物について更に検討を続け きた。その結果、当該カチオン重合開始剤 用いた光学的立体造形用樹脂組成物中に、 学的立体造形用樹脂組成物で従来汎用され きたシクロアルケンオキシド構造(例えばシ クロヘキセンオキシド構造)を分子中に有す カチオン重合性有機化合物が含まれると、 該カチオン重合開始剤のカチオン重合開始 としての機能が抑制されるためか、光学的 体造形用樹脂組成物の光硬化感度が低下し 、光造形速度が極端に遅くなることが判明 た。

 そこで、本発明者らは、上記の知見を踏ま て更に種々検討を重ねたところ、フルオロ ン酸を対イオンとする非アンチモン系の芳 族スルホニウム化合物をカチオン重合開始 として含有する前記した光学的立体造形用 脂組成物において、当該組成物中にシクロ ルケンオキシド構造を分子中に有するカチ ン重合性有機化合物が含まれないようにす と共に、カチオン重合性有機化合物として リシジルオキシ基を2個以上有する化合物を カチオン重合性有機化合物として用い、更に ラジカル重合性有機化合物として(メタ)アク ロイルオキシ基を2個以上有するポリ(メタ) クリレート化合物を用いると、光硬化感度 高くて短い時間で光硬化し、且つ安全性に れる光学的立体造形用樹脂組成物が得られ ことを見出した。
 さらに、本発明者らは、フルオロリン酸を イオンとする非アンチモン系の芳香族スル ニウム化合物をカチオン重合開始剤として 有し、その一方でシクロアルケンオキシド 造を分子中に有するカチオン重合性有機化 物を含まない前記した光学的立体造形用樹 組成物では、グリシジルオキシ基を2個以上 有するカチオン重合性有機化合物として、光 硬化感度が低いために光学的立体造形用樹脂 組成物では従来実用されてこなかった、汎用 の種々のポリグリシジルオキシ化合物、特に 芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル 、非環式脂肪族ポリオールのポリグリシジル エーテル、ポリカルボン酸のポリグリシジル エステルなどのポリグリシジルオキシ化合物 も使用でき、その場合にも光硬化感度の高い 光学的立体造形用樹脂組成物が得られること を見出した。
 また、本発明者らは、フルオロリン酸を対 オンとする非アンチモン系の芳香族スルホ ウム化合物からなるカチオン重合開始剤、 リシジルオキシ基を2個以上有するカチオン 重合性有機化合物、およびポリ(メタ)アクリ ート化合物からなるラジカル重合性有機化 物を含有し、その一方でシクロアルケンオ シド構造を分子中に有するカチオン重合性 機化合物を含有しない前記した光学的立体 形用樹脂組成物において、カチオン重合性 機化合物の一部としてオキセタン化合物を に含有させると、光硬化感度がより向上す と共に、寸法精度、機械物性、耐熱性など 優れる立体造形物が得られること、その際 オキセタン化合物としてはモノオキセタン 合物およびポリオキセタン化合物のいずれ が使用でき、そのうちでもモノオキセタン 合物、とりわけモノオキセタンアルコール 用いるのがより好ましいことなどを見出し それらの種々の知見に基づいて本発明を完 した。

 すなわち、本発明は、
(1)(i) カチオン重合性有機化合物(A)、ラジカ 重合性有機化合物(B)、活性エネルギー線感 性カチオン重合開始剤(C)および活性エネル ー線感受性ラジカル重合開始剤(D)を含有す 光学的立体造形用樹脂組成物であって;
(ii) カチオン重合性有機化合物(A)として、下 記の一般式(I);


(式中、R 1 は有機残基、kは2以上の整数を示す。)
で表される、グリシジルオキシ基を2個以上 する化合物(I)を含有し;
(iii) ラジカル重合性有機化合物(B)として、( タ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する( タ)アクリレート化合物(B-1)を含有し;
(iv) 活性エネルギー線感受性カチオン重合開 始剤(C)が、下記の一般式(II);


[上記の式(II)中、R 2 およびR 3 はそれぞれ独立して下記の式(i)~(iv);


{式(ii)および式(iv)中、Xは塩素原子またはフ 素原子を示す}
で表される基のいずれかであり、R 4 は下記の式(v);


で表される基であり、Rfは炭素数1~8のフルオ アルキル基であり、aは0~3の整数、bは0~3の 数およびcは0または1であって、aとbとcの合 が3であり、mは1+cと同じ数であり、nは0~5の 数である。]
で表されるリン系芳香族スルホニウム化合物 (II)であり;且つ、
(v) シクロアルケンオキシド構造を分子中に するカチオン重合性有機化合物を含有しな ;
ことを特徴とする光学的立体造形用樹脂組成 物である。

 そして、本発明は、
(2) カチオン重合性有機化合物(A)として、オ セタン化合物(OXT)を更に含有し、当該オキ タン化合物(OXT)が、オキセタン基を1個有す モノオキセタン化合物(OXTm)およびオキセタ 基を2個以上有するポリオキセタン化合物(OXT p)のいずれか一方または両方である前記(1)の 学的立体造形用樹脂組成物;および、
(3) モノオキセタン化合物(OXTm)が、下記の一 式(III-1a)で表されるモノオキセタン化合物(I II-1a)および下記の一般式(III-1b)で表されるモ オキセタン化合物(III-1b)から選ばれる少な とも1種のモノオキセタン化合物であり、ポ オキセタン化合物(OXTp)が、下記の一般式(III -2)で表されるジオキセタン化合物(III-2)であ 前記(2)の光学的立体造形用樹脂組成物;


(式中、R 5 およびR 6 は炭素数1~5のアルキル基、R 7 はエーテル結合を有していてもよい炭素数2~1 0のアルキレン基、2個のR 8 は互いに同じかまたは異なる炭素数1~5のアル キル基、R 9 は芳香環を有しているかまたは有していない 2価の有機基、pは1~6の整数、qは0または1を示 。)
である。

 さらに、本発明は、
(4) カチオン重合性有機化合物(A):ラジカル重 合性有機化合物(B)の含有割合が40:60~90:10の質 比であり、リン系芳香族スルホニウム化合 (II)をカチオン重合性有機化合物(A)の質量に 基づいて0.1~10質量%の割合で含有し、活性エ ルギー線感受性ラジカル重合開始剤(D)をラ カル重合性有機化合物(B)の質量に基づいて0. 1~20質量%の割合で含有する前記(1)~(3)のいずれ かの光学的立体造形用樹脂組成物;
(5) グリシジルオキシ基を2個以上有する化合 物(I)の含有割合が、カチオン重合性有機化合 物(A)の全質量に基づいて、50~95質量%である前 記(1)~(4)のいずれかの光学的立体造形用樹脂 成物;
(6) オキセタン化合物(OXT)の含有割合[モノオ セタン化合物(OXTm)とポリオキセタン化合物( OXT)の両方を含有する場合は両方の合計含有 合]が、カチオン重合性有機化合物(A)の全質 に基づいて、5~30質量%である前記(2)~(5)のい れかの光学的立体造形用樹脂組成物;および 、
(7) モノオキセタン化合物(OXTm)の含有割合が オキセタン化合物(OXT)の全質量に基づいて 30~100質量%である前記(2)~(6)のいずれかの光学 的立体造形用樹脂組成物;
である。

 また、本発明は、
(8) グリシジルオキシ基を2個以上有する化合 物(I)およびオキセタン化合物(OXT)の合計含有 合が、カチオン重合性有機化合物(A)の全質 に基づいて、50~100質量%である前記(1)~(7)の ずれかの光学的立体造形用樹脂組成物;
(9) (メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有 る(メタ)アクリレート化合物(B-1)の含有量が 、ラジカル重合性有機化合物(B)の質量に基づ いて、70~100質量%である前記(1)~(8)のいずれか 光学的立体造形用樹脂組成物;および、
(10) (メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有 する(メタ)アクリレート化合物(B-1)として、( タ)アクリロイルオキシ基を2個有するジ(メ )アクリレート化合物(B-1a)および(メタ)アク ロイルオキシ基を3個以上有するポリ(メタ) クリレート化合物(B-1b)を含有し、ジ(メタ) クリレート化合物(B-1a):ポリ(メタ)アクリレ ト化合物(B-1b)の含有割合が90:10~20:80の質量比 である前記(1)~(9)のいずれかの光学的立体造 用樹脂組成物;
である。
 そして、本発明は、
(11) 前記(1)~(10)のいずれかの光学的立体造形 樹脂組成物を用いて光学的立体造形物を製 する方法である。

 本発明の光学的立体造形用樹脂組成物(以下 「光造形用樹脂組成物」という)は、活性エ ルギー線感受性カチオン重合開始剤(以下単 「カチオン重合開始剤」ということがある) として、毒性の低い、非アンチモン系のリン 系芳香族スルホニウム化合物(II)を用いてい ため、安全性、取り扱い性に優れ、作業環 や地球環境の汚染や悪化を生じない。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、カチオン 合開始剤として非アンチモン系のリン系芳 族スルホニウム化合物(II)を用いているにも 拘わらず、活性エネルギー線による硬化感度 が高く、短縮された造形時間で目的とする立 体造形物を生産性よく製造することができる 。
 本発明の光造形用樹脂組成物では、カチオ 重合性有機化合物として、グリシジルオキ 基を2個以上有する従来から汎用されている 種々のカチオン重合性有機化合物を用いるこ とができ、その場合にも光造形用樹脂組成物 の光硬化感度が高く維持されるので、安全性 に優れ且つ光硬化感度の高い光造形用樹脂組 成物を低コストで供給することができる。
 カチオン重合性有機化合物の一部としてオ セタン化合物を更に含有する本発明の光造 用樹脂組成物は、光硬化感度がより高く、 かも当該光造形用樹脂組成物を用いて光造 することによって、寸法精度、機械物性、 熱性などに優れる立体造形物を得ることが きる。
 本発明の光造形用樹脂組成物では、グリシ ルオキシ基を2個以上有するカチオン重合性 有機化合物の種類、オキセタン化合物の種類 、ポリ(メタ)アクリレート化合物からなるラ カル重合性有機化合物の種類、それらの配 割合などを選択、調整することによって、 途などに応じて、種々の優れた特性を備え 光造形用樹脂組成物および立体造形物を得 ことができ、例えば、高湿度下に放置した 合にも寸法変化が極めて小さくなって経時 寸法安定性が良好で、しかも耐衝撃性、靭 、その他の力学的特性、耐水性、耐湿性、 軟性、耐熱性などの特性に優れる光学的立 造形物を得ることができる。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、アンチモ 化合物を含まないので、本発明の光造形用 脂組成物を用いて得られる光造形物中には ンチモン化合物が含まれていない。そのた 、本発明の光造形用樹脂組成物を用いて得 れる光造形物を消失モデルとして用いて鋳 を行なうと、モデルの消失後にアンチモン 合物が残渣として残留しないことにより、 物の肌荒れや性能低下がなく、高品質の鋳 を得ることができる。

 以下に本発明について詳細に説明する。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、活性エネ ギー線の照射によって重合する活性エネル ー線重合性化合物として、カチオン重合性 機化合物(A)およびラジカル重合性有機化合 (B)を含有する。
 なお、本明細書でいう「活性エネルギー線 とは、紫外線、電子線、X線、放射線、高周 波などのような光造形用樹脂組成物を硬化さ せ得るエネルギー線をいう。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、カチオン 合性有機化合物(A)として、下記の一般式(I);


(式中、R 1 は有機残基、kは2以上の整数を示す。)
で表される、グリシジルオキシ基を2個以上 する化合物(I)[以下、「ポリグリシジルオキ 化合物(I)」という]を含有する。

 ポリグリシジルオキシ化合物(I)としては、 リシジルオキシ基を2個以上有する化合物で あればいずれも使用することができ、特に制 限されない。本発明で用いられるポリグリシ ジルオキシ化合物(I)の代表的なものとしては 、ポリグリシジルエーテル、ポリグリシジル エステル、ポリグリシジルエーテルエステル 、ポリグリシジルイソシアヌレート、ポリグ リシジルイミドなどを挙げることができ、そ のいずれもが使用できる。
 本発明で用いるポリグリシジルオキシ化合 (I)は、芳香族化合物、脂肪族化合物、脂環 化合物、複素環式化合物、シリコーン化合 、それらの2つ以上が組み合わさった化合物 などのいずれであってもよく、したがって上 記の一般式(I)における有機残基R 1 は、芳香族、脂肪族、脂環式、複素環式の有 機残基、ケイ素含有有機化合物に由来する由 来、或いはそれらの2つ以上が組み合わさっ 有機残基である。
 また、上記の一般式(I)で表されるポリグリ ジルオキシ化合物(I)において、グリシジル キシ基の数kは、2以上であればいずれでも く、一般的には、2~10、特に2~4であることが ポリグリシジル化合物(I)の入手性、粘度、 応速度などの点から好ましい。
 本発明では、ポリグリシジルオキシ化合物( I)として、1種類のポリグリシジルオキシ化合 物のみを用いてもよいし、または2種以上の リグリシジルオキシ化合物を併用してもよ 。

 限定されるものではないが、本発明で用 得るポリグリシジルオキシ化合物(I)の具体 としては、ビスフェノールAジグリシジルエ ーテル、ビスフェノールFジグリシジルエー ル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル ビスフェノールZジグリシジルエーテル、ビ スフェノール類のアルキレンオキサイド付加 物のジグリシジルエーテル(例えばビスフェ ールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS たはビスフェノールZのエチレンオキサイド よび/またはプロピレンオキサイド付加物の ジグリシジルエーテルなど)、レゾルシノー のジグリシジルエーテル、ヒドロキノンの グリシジルエーテル、カテコールのジグリ ジルエーテル、ピロガロールのトリグリシ ルエーテル、フロログルシノールのジグリ ジルエーテルなどの芳香族ポリグリシジル ーテル(芳香族ジグリシジルエーテル、芳香 トリグリシジルエーテル、その他など);水 化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、 素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル 、水素化ビスフェノールSジグリシジルエー ル、水素化ビスフェノールZジグリシジルエ テル、水素化ビスフェノール類のアルキレ オキサイド付加物のジグリシジルエーテル( 例えば、水素化ビスフェノールA、水素化ビ フェノールF、水素ビスフェノールSまたは水 素化ビスフェノールZのエチレンオキサイド よび/またはプロピレンオキサイド付加物の グリシジルエーテル)、シクロヘキサンジメ タノールジグリシジルエーテル、トリシクロ デカンジメタノールジグリシジルエーテルな どの脂環式ポリグリシジルエーテル;エチレ グリコールジグリシジルエーテル、プロピ ングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブ ンジオールのジグリシジルエーテル、1,6-ヘ キサンジオールのジグリシジルエーテル、グ リセリンのジグリシジルエーテル、グリセリ ンのトリグリシジルエーテル、トリメチロー ルプロパンのジグリシジルエーテル、トリメ チロールプロパンのトリグリシジルエーテル 、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル 、ペンタエリスリトールのジグリシジルエー テル、ペンタエリスリトールのトリグリシジ ルエーテル、ペンタエリスリトールのテトラ グリシジルエーテル、ジペンタエリスリトー ルのジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-またはヘ サ-グリシジルエーテル、ジエチレングリコ ルのジグリシジルエーテル、ポリエチレン リコールのジグリシジルエーテル、ポリプ ピレングリコールのジグリシジルエーテル どの脂肪族多価アルコールのポリグリシジ エーテル;トリメチロールプロパン、グリセ リン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ スリトールなどの脂肪族多価アルコールに1 または2種以上のアルキレンオキサイドを付 することにより得られるポリエーテルポリ ールのポリグリシジルエーテルなどを挙げ ことができる。

 さらに、本発明で用い得るポリグリシジル キシ化合物(I)の他の具体例としては、フタ 酸のジグリシジルエステル、テレフタル酸 ジグリシジルエステル、イソフタル酸のジ リシジルエステルなどの芳香族ジカルボン のジクリシジルエステルなどのような芳香 ポリカルボン酸のポリグリシジルエステル; シクロヘキサンジカルボン酸のジグリシジル エステルなどの脂環式ポリカルボン酸のポリ グリシジルエステル;脂肪族長鎖多塩基酸の リグリシジルエステル;グリシジルアクリレ トまたはグリシジルメタクリレートのビニ 重合により合成したホモポリマー;グリシジ ルアクリレートおよび/またはグリシジルメ クリレートとその他のビニルモノマーとの ニル重合により合成したコポリマー;フェノ ルノボラックのポリグリシジルエーテル、 レゾールノボラックのポリグリシジルエー ルなどを挙げることができる。
 本発明では、上記したポリグリシジルオキ 化合物(I)の1種または2種以上を用いること できる。

 本発明では、使用するポリグリシジルオキ 化合物(I)の種類を選択することによって、 造形用樹脂組成物から得られる立体造形物 物性を、各々の状況や用途に適したものと ることができる。
 例えば、ポリグリシジルオキシ化合物(I)と てシクロヘキサンジメタノールのジグリシ ルエーテル、トリシクロデカンジメタノー のジグリシジルエーテル、アルキレンオキ イド付加ビスフェノールAのジグリシジルエ ーテルなどを用いた場合には、柔軟性、弾性 、耐衝撃性などに富んだ立体造形物が得られ 、またポリグリシジルオキシ化合物(I)として ビスフェノールAジグリシジルエーテル、レ ルシノールジグリシジルエーテルなどを用 た場合には、熱変形温度が高く、硬質の立 造形物が得られる。

 本発明の光造形用樹脂組成物は、ポリグ シジルオキシ化合物(I)を、カチオン重合性 機化合物(A)の全質量に基づいて、50~95質量% 割合で含有することが好ましく、55~90質量% 割合で含有することがより好ましく、60~90 量%の割合で含有することが更に好ましい。 リグリシジルオキシ化合物(I)の含有割合が なすぎると、光硬化速度の低下や硬化物の 度の低下が生じ易くなり、一方含有割合が すぎても光硬化速度が低下し易くなる。

 本発明の光造形用樹脂組成物は、カチオン 合性有機化合物(A)として、ポリグリシジル キシ化合物(I)と共に、オキセタン化合物(OXT )を更に含有することが好ましい。オキセタ 化合物(OXT)を更に含有することにより、光造 形用樹脂組成物の光硬化感度がより向上し、 しかも寸法精度、得られる光造形物の靭性、 耐衝撃性、耐破損性、耐久性などの機械物性 、耐熱性などが向上する。
 オキセタン化合物(OXT)としては、分子中に オキセタン基を1個有するモノオキセタン化 物(OXTm)およびオキセタン基を2個以上上記し たポリオキセタン化合物(OXTp)のいずれもが使 用できる。本発明の光造形用樹脂組成物は、 オキセタン化合物(OXT)として、モノオキセタ 化合物(OXTm)のみを含有していてもよいし、 リオキセタン化合物(OXTp)のみを含有してい もよいし、またはモノオキセタン化合物(OXT m)とポリオキセタン化合物(OXTp)の両方を含有 ていてもよい。そのうちでも、オキセタン 合物(OXT)として、モノオキセタン化合物(OXTm )を少なくとも含有する、すなわちモノオキ タン化合物(OXTm)のみを含有するか、または ノオキセタン化合物(OXTm)とポリオキセタン 合物(OXTp)を含有することが、光硬化感度が り高くなり、更に光造形用樹脂組成物を湿 の高い状態で長期間保存した場合にも水分 よび湿気の吸収を抑えて、当初の高い光硬 感度を長期にわたって維持できるという効 を奏することができ、しかも得られる立体 形物の靭性がより向上する点から好ましい

 モノオキセタン化合物(OXTm)としては、1分子 中にオキセタン基を1個有する化合物であれ いずれも使用でき、そのうちでも1分子中に キセタン基を1個有し且つアルコール性水酸 基を1個有するモノオキセタンモノアルコー が反応性、組成物の粘度などの点から好ま く用いられる。
 特に、モノオキセタンモノアルコール化合 のうちでも、下記の一般式(III-1a)で表され モノオキセタン化合物(III-1a)および下記の一 般式(III-1b)で表されるモノオキセタン化合物( III-1b)から選ばれる少なくとも1種のモノオキ タン化合物が、入手容易性、反応性などの から好ましく用いられる。特に、モノオキ タン化合物(OXTm)として、下記の一般式(III-1b )で表されるモノオキセタン化合物(III-1b)を用 いると、光造形用樹脂組成物およびそれから 得られる立体造形物の耐水性がより良好にな る。


(式中、R 5 およびR 6 は炭素数1~5のアルキル基、R 7 はエーテル結合を有していてもよい炭素数2~1 0のアルキレン基、pは1~6の整数を示す。)

 上記の一般式(III-1a)において、R 5 の例としては、メチル、エチル、プロピル、 ブチル、ペンチルを挙げることができる。ま た、上記の一般式(III-1a)において、pは1~6のう ちのいずれでもよいが、1であることが、入 性、反応性の点から好ましい。
 モノオキセタン化合物(III-1a)の具体例とし は、3-ヒドロキシメチル-3-メチルオキセタン 、3-ヒドロキシメチル-3-エチルオキセタン、3 -ヒドロキシメチル-3-プロピルオキセタン、3- ヒドロキシメチル-3-ノルマルブチルオキセタ ン、3-ヒドロキシメチル-3-プロピルオキセタ などを挙げることができ、これらの1種また は2種以上を用いることができる。そのうち も、入手の容易性、反応性などの点から、3- ヒドロキシメチル-3-メチルオキセタン、3-ヒ ロキシメチル-3-エチルオキセタンがより好 しく用いられる。

 上記の一般式(III-1b)において、R 6 の例としては、メチル、エチル、プロピル、 ブチル、ペンチルを挙げることができる。
 また、上記の一般式(III-1b)において、R 7 は炭素数2~10のアルキレン基であれば、鎖状 アルキレン基または分岐したアルキレン基 いずれであってもよく、或いはアルキレン (アルキレン鎖)の途中にエーテル結合(エー ル系酸素原子)を有する炭素数2~10の鎖状また は分岐状のアルキレン基であってもよい。R 7 の具体例としては、エチレン基、トリメチレ ン基、テトラメチレン基、エトキシエチレン 基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、 ヘプタメチレン基、3-オキシペンチレン基な を挙げることができる。そのうちでも、R 7 はトリメチレン基、テトラメチレン基、ペン タメチレン基、ヘプタメチレン基またはエト キシエチレン基であることが、合成の容易性 、化合物が常温で液体であり、取り扱い易い などの点から好ましい。

 ポリオキセタン化合物(OXTp)としては、1分子 中にオキセタン基を1個有するモノオキセタ 化合物および1分子中にオキセタン基を2個以 上有するポリオキセタン化合物のいずれもが 使用できる。
 ポリオキセタン化合物(OXTp)としては、オキ タン基を2個以上有する化合物、例えばオキ セタン基を2個、3個または4個以上有する化合 物のうちのいずれもが使用でき、そのうちで もオキセタン基を2個有するジオキセタン化 物が好ましく用いられる。
 特に、ジオキセタン化合物としては、下記 一般式(III-2);


(式中、2個のR 8 は互いに同じかまたは異なる炭素数1~5のアル キル基、R 9 は芳香環を有しているかまたは有していない 2価の有機基、qは0または1を示す。)
で表されるジオキセタン化合物(III-2)が、入 の容易性、反応性、低吸湿性、得られる硬 物の力学的特性などの点から好ましく用い れる。

 上記の一般式(III-2)において、R 8 の例としては、メチル、エチル、プロピル、 ブチル、ペンチルを挙げることができる。ま た、R 9 の例としては、炭素数1~12の直鎖状または分 状のアルキレン基(例えばエチレン基、プロ レン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、n -ペンタメチレン基、n-ヘキサメチレン基など )、式:-CH 2 -Ph-CH 2 -または-CH 2 -Ph-Ph-CH 2 -で表される2価の基、水素添加ビスフェノー A残基、水素添加ビスフェノールF残基、水 添加ビスフェノールZ残基、シクロヘキサン メタノール残基、トリシクロデカンジメタ ール残基、レゾルシノール残基などを挙げ ことができる。
 上記の一般式(III-2)で表されるジオキセタン 化合物(III-2)の具体例としては、下記の式(III- 2a)または式(III-2b)で表されるジオキセタン化 物を挙げることができる。


(式中、2個のR 8 は互いに同じか又は異なる炭素数1~5のアルキ ル基、R 9 は芳香環を有しているかまたは有していない 2価の有機基を示す。)

 上記の式(III-2a)で表されるジオキセタン化 物の具体例としては、ビス(3-メチル-3-オキ タニルメチル)エーテル、ビス(3-エチル-3-オ セタニルメチル)エーテル、ビス(3-プロピル -3-オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3-ブ ル-3-オキセタニルメチル)エーテルなどを挙 ることができる。
 また、上記の式(III-2b)で表されるジオキセ ン化合物の具体例としては、上記の式(III-1b) において2個のR 5 が共にメチル、エチル、プロピル、ブチルま たはペンチル基で、R 6 がエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、 ネオペンチレン基、n-ペンタメチレン基、n- キサメチレン基など)、式:-CH 2 -Ph-CH 2 -または-CH 2 -Ph-Ph-CH 2 -で表される2価の基、水素添加ビスフェノー A残基、水素添加ビスフェノールF残基、水 添加ビスフェノールZ残基、シクロヘキサン メタノール残基、トリシクロデカンジメタ ール残基、レゾルシノール残基であるジオ セタン化合物を挙げることができる。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、前記した オキセタン化合物のうちの1種または2種以 を含有することができる。

 そのうちでも、ポリオキセタン化合物(OXTp) して、上記の式(III-1a)において、2個のR 8 が共にメチル基またはエチル基であるビス(3- メチル-3-オキセタニルメチル)エーテルやビ (3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、4 ,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシメチ ル)ベンゼンの1種または2種以上が、入手の容 易性、低吸湿性、硬化物の力学的特性などの 点から好ましく用いられ、特にビス(3-エチル -3-オキセタニルメチル)エーテルがより好ま く用いられる。

 本発明の光造形用樹脂組成物は、光造形用 脂組成物から得られる光造形物の靭性の向 、造形物の機械的物性、耐熱性、耐湿性な の点から、光造形用樹脂組成物中のカチオ 重合性有機化合物(A)の全質量に基づいて、 キセタン化合物(OXT)[モノオキセタン化合物( OXTm)とポリオキセタン化合物(OXTp)の両方を含 する場合は両方の合計]を5~30質量%の割合で 有していることが好ましく、10~30質量%の割 で含有していることがより好ましく、20~25 量%の割合で含有していることが更に好まし 。
 また、その際に、本発明の光造形用樹脂組 物は、モノオキセタン化合物(OXTm)を、オキ タン化合物(OXT)の全質量に基づいて、30~100 量%の割合で含有していることが好ましく、5 0~100質量%の割合で含有していることがより好 ましい。

 本発明の光造形用樹脂組成物が、モノオ セタン化合物(OXTm)とポリオキセタン化合物( OXTp)の両方を含有する場合は、モノオキセタ 化合物(OXTm):ポリオキセタン化合物(OXTp)の含 有比率(質量比)が、30:70~100:0、そのうちでも50 :50~100:0であることが、オキセタン化合物を含 有していることによる光造形物の靭性の向上 効果に加えて、光造形用樹脂組成物の水分お よび湿気の吸収率が極めて低くなって、光造 形用樹脂組成物を湿度の高い状態で長期間保 存した場合に水分および湿気の吸収が少なく なって、当初の高い光硬化感度を長期にわた って維持できるという効果および造形物の水 分吸収性が低くて、寸法安定性に優れるとい う効果を奏することができる。

 本発明の光造形用樹脂組成物では、ポリ リシジルオキシ化合物(I)およびオキセタン 合物(OXT)の合計含有割合が、カチオン重合 有機化合物(A)の合計質量に基づいて、50~100 量%であることが好ましく、75~100質量%である ことがより好ましく、85~100質量%であること さらに好ましく、それによって、光造形用 脂組成物の硬化感度、厚膜硬化性、解像度 紫外線透過性などが一層良好になり、光造 用樹脂組成物の粘度が低くなって造形が円 に行われるようになり、造形により得られ 光学的造形物の体積収縮率が一層低減され 。

 本発明の光造形用樹脂組成物は、非アンチ ン系のリン系芳香族スルホニウム化合物か なるカチオン重合開始剤(II)の触媒活性を高 く維持すると共に、光造形用樹脂組成物の光 硬化感度を高く維持するために、更に光硬化 して得られる立体造形物の靭性、耐熱性、表 面平滑性、表面硬度、耐摩耗性などを良好な ものにするために、「シクロアルケンオキシ ド構造を分子中に有するカチオン重合性有機 化合物」を含有しないことが必要である。
 ここで、本明細書でいう、「シクロアルケ オキシド構造」とは、「シクロアルケン環 の不飽和2重結合部分がオキシド化(エポキ 化)している構造」を有し、本発明の光造形 樹脂組成物は、当該「シクロアルケンオキ ド構造」を分子中に1個有する有機化合物お よび2個以上有する有機化合物をいずれをも まない。

 当該「シクロアルケンオキシド構造を分子 に有するカチオン重合性有機化合物」(以下 「シクロアルケンオキシド構造含有カチオン 重合性有機化合物」ということがある)の代 例としては、シクロブテンオキシド構造、 クロペンテンオキシド構造、シクロヘキセ オキシド構造、シクロヘプテンオキシド構 、シクロオクテンオキシド構造、シクロデ ンオキシド構造、シクロドデセンオキシド 造などのような炭素数4~12のシクロアルケン キシド構造のうちの1つまたは2つ以上を分 中に有する化合物を挙げることができる。 の際に、シクロアルケンオキシド構造にお るシクロアルカン環を形成している炭素原 は置換されていなくてもよいし、シクロア カン環を形成している炭素原子のうちの1個 たは2個以上が置換されていてもよいし、ま たシクロアルカン環を形成している炭素原子 が有する結合手が、有機化合物中の他の基に 結合したり、他の構造部分と結合して縮合環 を形成していてもよい。
 さらに、シクロアルケンオキシド構造含有 チオン重合性有機化合物では、「シクロア ケンオキシド構造」の存在箇所(結合位置) 存在個数(結合数)は特に制限されない。

 限定されるものではないが、本発明の光 形用樹脂組成物が含有しないことを要件と るシクロアルケンオキシド構造含有カチオ 重合性有機化合物としては、例えば、下記 ものを挙げることができる。

 [上記の式(IVk)中、Rは、水素原子または炭素 数1~3のメチル基、エチル基、n-プロピル基ま はイソプロピル基を示す。]

 本発明の光造形用樹脂組成物は、カチオン 合性有機化合物(A)として、ポリグリシジル キシ化合物(I)、またはポリグリシジルオキ 化合物(I)およびオキセタン化合物(OXT)と共 、シクロアルケンオキシド構造含有カチオ 重合性有機化合物以外の、他のカチオン重 性有機化合物を必要に応じて含有すること できる。
 本発明の光造形用樹脂組成物が必要に応じ 含有することのできる他のカチオン重合性 機化合物としては、カチオン重合性の基を 子中に2個以上有する化合物が好ましく用い られる。
 本発明の光造形用樹脂組成物が必要に応じ 含有することのできる前記した他のカチオ 重合性有機化合物の具体例としては、1,3,5- リオキサン、1,3-ジオキソラン、1,3,6-トリオ キソカンのような環状エーテルまたは環状ア セタール化合物;β-プロピオラクトン、ε-カ ロラクトンなどの環状ラクトン化合物;エチ ンスルフィド、チオエピクロロヒドリンな のチイラン化合物;1,3-プロピレンスルフィ 、3,3-ジメチルチエタンなどのチエタン化合 ;エチレングリコールジビニルエーテル、ア ルキルビニルエーテル、3,4-ジヒドロピラン-2 -メチル(3,4-ジヒドロピラン-2-カルボキシレー ト)、トリエチレングリコールジビニルエー ルなどのビニルエーテル化合物;エポキシ化 物とラクトンとの反応によって得られるス ロオルソエステル化合物などを挙げること でき、これらの1種または2種以上を用いる とができる。

 本発明の光造形用樹脂組成物において、 チオン重合性有機化合物(A)の一部として、 記した他のカチオン重合性有機化合物を用 る場合は、その含有割合は、カチオン重合 有機化合物(A)の全質量に基づいて、50質量% 下であることが好ましく、40質量%以下であ ことがより好ましく、30質量%以下であるこ が更に好ましい。

 本発明の光造形用樹脂組成物は、ラジカル 合性有機化合物(B)として、活性エネルギー 感受性ラジカル重合開始剤(D)[以下単に「ラ ジカル重合開始剤(D)」または「ラジカル重合 開始剤」という]の存在下に、紫外線やその の活性エネルギー線を照射したときにラジ ル重合および/または架橋する、(メタ)アク ロイルオキシ基を2個以上有する(メタ)アク レート化合物(B-1)を含有する。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、光硬化感 、取り扱いの容易さなどの点から、ラジカ 重合性有機化合物(B)の全質量に基づいて、( メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する( メタ)アクリレート化合物(B-1)を、70~100質量% 割合で含有していることが好ましく、80~100 量%の割合で含有していることがより好まし 。

 本発明の光造形用樹脂組成物は、(メタ)ア リロイルオキシ基を2個以上有する(メタ)ア リレート化合物(B-1)として、(メタ)アクリロ ルオキシ基を2個有するジ(メタ)アクリレー 化合物(B-1a)を単独で含有していてもよいし (メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上有す ポリ(メタ)アクリレート化合物(B-1b)を単独 含有していてもよいし、またはジ(メタ)アク リレート化合物(B-1a)とポリ(メタ)アクリレー 化合物(B-1b)の両方を含有していてもよい。 のうちでも、光造形用樹脂組成物の光硬化 度がより高くなり、しかも機械的特性に優 る立体造形物が得られる点から、ジ(メタ) クリレート化合物(B-1a)とポリ(メタ)アクリレ ート化合物(B-1b)の両方を含有していることが 好ましい。その際に、ジ(メタ)アクリレート 合物(B-1a):ポリ(メタ)アクリレート化合物(B-1 b)の含有割合は、質量比で、90:10~20:80である とが好ましく、85:15~40:60であることがより好 ましく、85:15~50:50であることが更に好ましい
 ジ(メタ)アクリレート化合物(B-1a)とポリ(メ )アクリレート化合物(B-1b)を前記した割合で 含有していることによって、光造形用樹脂組 成物の光硬化性能が一層良好になり、得られ る立体造形物の機械的特性、特に靭性に優れ たものとなる。

 ジ(メタ)アクリレート化合物(B-1a)として 、分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を2 有するジ(メタ)アクリレート化合物であれば いずれもが使用でき、エポキシ化合物と(メ )アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ )アクリレート、2価アルコール類のジ(メタ) クリル酸エステル、ポリエステルジオール のジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオ ール類のジ(メタ)アクリレートなどを挙げる とができる。

 上記したエポキシ化合物と(メタ)アクリ 酸との反応により得られるジ(メタ)アクリレ ートとしては、芳香族エポキシ化合物、脂環 族エポキシ化合物および/または脂肪族エポ シ化合物と、(メタ)アクリル酸との反応によ り得られるジ(メタ)アクリレート系反応生成 を挙げることができる。前記したジ(メタ) クリレート系反応生成物のうちでも、芳香 エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応 により得られるジ(メタ)アクリレート系反応 成物が好ましく用いられ、具体例としては ビスフェノールAやビスフェノールSなどの スフェノール化合物またはそのアルキレン キサイド付加物とエピクロルヒドリンなど エポキシ化剤との反応によって得られるジ リシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反 応させて得られるエポキシジ(メタ)アクリレ トなどを挙げることができる。

 また、上記した2価アルコール類のジ(メタ) クリル酸エステルとしては、分子中に2個の 水酸基をもつ芳香族アルコール、脂肪族アル コール、脂環族アルコールおよび/またはそ らのアルキレンオキサイド付加体と、(メタ) アクリル酸との反応により得られるジ(メタ) クリレートを挙げることができる。具体例 しては、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリ ート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アク レート、トリエチレングリコールジ(メタ)ア クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ )アクリレート、ポリエチレングリコールジ( メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ ルジ(メタ)アクリレート、前記したジオール のアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アク レートなどを挙げることができる。
 前記したジ(メタ)アクリレート化合物のう で、ジメタクリレート化合物よりも、ジア リレート化合物が重合速度の点から好まし 用いられる。

 さらに、上記したポリエステルジオール のジ(メタ)アクリレートとしては、水酸基 有ポリエステルと(メタ)アクリル酸との反応 により得られるポリエステル(メタ)アクリレ トを挙げることができる。また、上記した リエーテル(メタ)アクリレートとしては、 酸基含有ポリエーテルとアクリル酸との反 により得られるポリエーテルアクリレート 挙げることができる。

 そのうちでも、本発明では、ジ(メタ)ア リレート化合物(B-1a)として、エチレンオキ ド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレ トおよび/またはビス(ヒドロキシメチル)ト シクロデカンのジ(メタ)アクリレートが好ま しく用いられる。

 また、ポリ(メタ)アクリレート化合物(B-1b )としては、エポキシ化合物と(メタ)アクリル 酸を反応させて得られる3個以上の(メタ)アク リロイルオキシ基を有する反応生成物、3価 上の多価アルコール類またはそのアルキレ オキサイド付加体のポリ(メタ)アクリル酸エ ステル、3個以上の水酸基を有するポリエス ルと(メタ)アクリレートを反応させて得られ る3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有 するポリエチレンポリ(メタ)アクリレートな を挙げることができる。

 前記したエポキシ化合物と(メタ)アクリル を反応させて得られる3個以上の(メタ)アク ロイルオキシ基を有する反応生成物の具体 としては、エポキシノボラック樹脂と(メタ) アクリル酸を反応させて得られる3個以上の( タ)アクリロイルオキシ基を有するエポキシ (メタ)アクリレート系反応生成物などを挙げ ことができる。
 3価以上の多価アルコールまたはそのアルキ レンオキサイド付加体と(メタ)アクリル酸と 反応により得られるポリ(メタ)アクリレー としては、トリメチロールプロパントリ(メ )アクリレート、ジトリメチロールプロパン テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ ールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエ スリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペン タエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク レート、前記したトリオール、テトラオー 、ヘキサオールなどの多価アルコールのア キレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート 、ジメチロールプロピオン酸を構成単位とす るハイパーブランチドポリエステルのポリ( タ)アクリレートなどを好適なものとして挙 ることができる。
 そのうちでも、本発明では、ポリ(メタ)ア リレート化合物(B-1b)として、ジペンタエリ リトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペン タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ ートまたはこれらのアルキレンオキシド変 体が好ましく用いられる。

 本発明の光造形用樹脂組成物は、ラジカ 重合性有機化合物(B)として、ジ(メタ)アク レート化合物(B-1a)および/またはポリ(メタ) クリレート化合物(B-1b)と共に、必要に応じ 、他のラジカル重合性有機化合物を含有す ことができる。他のラジカル重合性有機化 物を含有する場合は、その含有割合は、ラ カル重合性有機化合物(B)の全質量に基づい 、30質量%以下であることが好ましく、20質量 %以下であることがより好ましい。

 本発明の光造形用樹脂組成物が必要に応じ 含有することのできる他のラジカル重合性 機化合物の種類は特に限定されず、例えば (メタ)アクリロイルオキシ基を1個有するモ (メタ)アクリレート化合物、不飽和ポリエ テル化合物、ポリチオール化合物などを挙 ることができ、これらの他のラジカル重合 有機化合物は単独で使用しても、または2種 上を併用してもよい。
 前記したモノ(メタ)アクリレート化合物の 体例としては、2-エチルヘキシル(メタ)アク レート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ ート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリ ル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ) クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ) アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ ト、ベンジル(メタ)アクリレートなどを挙 ることができる。

 本発明の光造形用樹脂組成物は、カチオ 重合性有機化合物(A)を重合および/または架 橋させるためのカチオン重合開始剤(C)として 、下記の一般式(II);


で表されるリン系芳香族スルホニウム化合物 (II)を含有する。
 リン系芳香族スルホニウム化合物(II)は、式 :[S + (R 2 ) a (R 3 ) b (R 4 ) c ]で表されるカチオンと、式:[P - F 6-n (Rf) n ]で表されるアニオンが、イオン結合した塩 ある。
 リン系芳香族スルホニウム化合物(II)におい て、R 2 およびR 3 は、それぞれ独立して下記の式(i)で表される フェニル基、式(ii)で表される塩化フェニル またはフルオロフェニル基、式(iii)で表され る4-フェニルチオフェニル基或いは式(iv)で表 される基である[式(ii)および(iv)において、X 塩素原子またはフッ素原子を示す]。


 リン系芳香族スルホニウム化合物(II)では、 R 2 とR 3 は同じであっても、または異なっていてもよ い。
 また、リン系芳香族スルホニウム化合物(II) において、R 4 は、下記の式(v)で表される4’-ジフェニルス ホニオ-4-フェニルチオフェニル基である。

 リン系芳香族スルホニウム化合物(II)にお いて、aおよびbはいずれも0~3の整数、cは0ま は1であり、aとbとcの合計は3である。そのた め、リン系芳香族スルホニウム化合物(II)で 、aとbの合計が3または2、cが0または1である

 リン系芳香族スルホニウム化合物(II)におい て、Rfは炭素数1~8のフルオロアルキル基であ 。Rfは、炭素数1~8のアルキル基中の水素原 の一部がフッ素原子で置換されたフルオロ ルキル基または炭素数1~8のアルキル基中の 素原子のすべてがフッ素原子で置換された ーフルオロアルキル基のいずれであっても い。そのうちでも、Rfは、炭素数1~8のアルキ ル基中の水素原子のすべてがフッ素原子で置 換されたパーフルオロアルキル基であること が、反応性の点から好ましく、好ましいRfの 体例としては、CF 3 -,C 2 F 5 -,CF 3 CF 2 CF 2 -,(CF 3 ) 2 CF-,C 4 F 9 -,C 5 F 11 -,C 6 F 13 -,C 7 F 15 -,C 8 F 17 -などを挙げることができ、特にCF 3 -,C 2 F 5 -,CF 3 CF 2 CF 2 -,(CF 3 ) 2 CF-,C 4 F 9 -が好ましい。

 リン系芳香族スルホニウム化合物(II)にお いて、nは0~5の整数であり、nは0~4の整数、特 0~3の整数であることが好ましい。nが2以上 整数である場合は、2個以上のフルオロアル ル基Rfは同じであってもまたは異なってい もよい。

 一般式(II)において、mは、1+cと同じ数であ 。
 一般式(II)において、cが0であって、リン系 香族スルホニウム化合物(II)のカチオンがR 4 [上記の式(v)で表される基]を持たない場合は mは1である。
 また、一般式(II)においてcが1であってリン 芳香族スルホニウム化合物(II)のカチオンが R 4 [上記の式(v)で表される基]を1個有する場合は 、式:[S + (R 2 ) a (R 3 ) b (R 4 ) c ]で表されるカチオンは2価のカチオンであり 当該2価のカチオンに、2個のアニオン:[P - F 6-n (Rf) n ]がイオン結合している(m=2)。

 限定されるものではないが、リン系芳香族 ルホニウム化合物(II)における式:[S + (R 2 ) a (R 3 ) b (R 4 ) c ]で表されるカチオンの具体例としては、下 のカチオン(IIa 1 )~(IIa 5 )を挙げることができる。

 また、リン系芳香族スルホニウム化合物(II) における式:[P - F 6-n (Rf) n ]で表されるアニオンの具体例としては、下 の(IIb 1 )~(IIb 12 )で表されるアニオンを挙げることができる

 そして、本発明で好ましく用いられるリ 系芳香族スルホニウム化合物(II)の具体例と しては、下記の式(II-1)~(II-12)で表される化合 のいずれか、または下記の式(II-3)で表され 化合物と式(II-10)で表される化合物の混合物 などを挙げることができる。

 リン系芳香族スルホニウム化合物(II)の製 法は特に限定されず、例えば、特許文献7お び特許文献8に記載されている方法で製造す ことができる。その際に、用いる原料であ 一般式(II-A)で表されるスルホニウムクロリ は、例えば、特許文献5に記載されている方 法で製造することができ、また一般式(II-B)で 表されるフルオロリン酸リチウムは特許文献 6に記載されている方法で製造することがで る。

 本発明の光造形用樹脂組成物では、ラジカ 重合性有機化合物(B)を重合および/または架 橋させるための活性エネルギー線感受性ラジ カル重合開始剤(D)[以下「ラジカル重合開始 (D)」または「ラジカル重合開始剤」という] して、活性エネルギー線を照射したときに ジカル重合性有機化合物のラジカル重合を 始させ得る重合開始剤のいずれもが使用で 、例えば、ベンジルまたはそのジアルキル セタール系化合物、ベンゾイル化合物、ア トフェノン系化合物、ベンゾインまたはそ アルキルエーテル系化合物、ベンゾフェノ 系化合物、チオキサントン系化合物などを げることができる。
 具体的には、ベンジルまたはそのジアルキ アセタール系化合物としては、例えば、ベ ジルジメチルケタール、ベンジル-β-メトキ シエチルアセタールなどを挙げることができ る。ベンゾイル化合物としては、例えば1-ヒ ロキシシクロヘキシルフェニルケトンなど 挙げることができる。
 また、アセトフェノン系化合物としては、 えば、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒド キシメチル-1-フェニルプロパン-1-オン、4’- イソプロピル-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピ フェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオ ェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、 p-tert-ブチルジクロロアセトフェノン、p-tert- チルトリクロロアセトフェノン、p-アジド ンザルアセトフェノンなどを挙げることが きる。

 また、ベンゾイン系化合物としては、例え 、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイ プロピルエーテル、ベンゾインノルマルブ ルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ などを挙げることができる。
 また、ベンゾフェノン系化合物としては、 えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息 酸メチル、ミヒラースケトン、4,4’-ビスジ チルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロ ベンゾフェノンなどを挙げることができる。
 そして、チオキサントン系化合物としては 例えば、チオキサントン、2-メチルチオキ ントン、2-エチルチオキサントン、2-クロロ オキサントン、2-イソプロピルチオキサン ンなどを挙げることができる。
 本発明では、1種または2種以上のラジカル 合開始剤(D)を所望の性能に応じて配合して 用することができる。

 本発明の光造形用樹脂組成物においては 造形速度、造形精度などの点から、カチオ 重合性有機化合物(A):ラジカル重合性有機化 合物(B)の含有割合が40:60~90:10(質量比)である とが好ましく、50:50~75:25(質量比)であること より好ましい。また、本発明の光造形用樹 組成物は、リン系芳香族スルホニウム化合 (II)をカチオン重合性有機化合物(A)の質量に 基づいて0.1~10質量%、特に1~5質量%の割合で含 し、ラジカル重合開始剤(D)をラジカル重合 有機化合物(B)の質量に基づいて0.1~20質量%、 特に1~10質量%の割合で含有していることが好 しい。

 本発明の光造形用樹脂組成物は、反応速 を向上させる目的で、必要に応じて光増感 、例えばジブトキシアントラセンなどのジ ルコキシアントラセン、チオキサントンな をさらに含有していてもよい。

 また、本発明の光造形用樹脂組成物は、場 によりポリアルキレンエーテル系化合物を 有することができ、ポリアルキレンエーテ 系化合物を含有していると、得られる立体 形物の耐衝撃性などの物性がより向上する
 ポリアルキレンエーテル系化合物としては 特に下記の一般式(V);

   A-O-(R 10 -O-) r -(R 11 -O-) s -A’  (V)

 [式中、R 10 およびR 11 は互いに異なる直鎖状または分岐状の炭素数 2~5のアルキレン基、AおよびA’はそれぞれ独 して水素原子、アルキル基またはフェニル を示し、rおよびsはそれぞれ独立して0また 1以上の整数(但しrとsの両方が同時に0には らない)を示す。]
で表されるポリアルキレンエーテル系化合物 が好ましく用いられる。

 上記の一般式(V)で表されるポリアルキレン ーテル系化合物[以下「ポリアルキレンエー テル系化合物(V)」ということがある]におい 、rおよびsの両方が1以上の整数で且つrとsの 合計が3以上である場合には、オキシアルキ ン単位(アルキレンエーテル単位):-R 10 -O-とオキシアルキン単位(アルキレンエーテ 単位):-R 11 -O-はランダム状に結合していてもよいし、ブ ロック状に結合してもよいし、またはランダ ム結合とブロック状結合が混在していてもよ い。

 上記のポリアルキレンエーテル系化合物(V) おいて、R 10 およびR 11 の具体例としては、エチレン基、n-プロピレ 基、イソプロピレン基、n-ブチレン基(テト メチレン基)、イソブチレン基、tert-ブチレ 基、直鎖状または分岐状のペンチレン基[例 えば-CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -,-CH 2 CH 2 CH(CH 3 )CH 2 -など]など]などを挙げることができる。その うちでも、R 10 およびR 11 は、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロ レン基、n-ブチレン基(テトラメチレン基)、 n-ペンチレン基、式:-CH 2 CH 2 CH(CH 3 )CH 2 -で表される分岐状のペンチレン基のいずれ であることが好ましい。

 また、上記のポリアルキレンエーテル系 合物(V)において、AおよびA’の具体例とし は、水素原子、メチル基、エチル基、プロ ル基、ブチル基、フェニル基などを挙げる とができ、そのうちでもAおよびA’の少なく とも一方、特に両方が水素原子であることが 好ましい。AおよびA’の少なくとも一方が水 原子であると、該ポリアルキレンエーテル 化合物を含有する光造形用樹脂組成物に活 エネルギー線を照射して硬化した際に、該 リアルキレンエーテル系化合物の両端の水 基がエポキシ化合物やラジカル重合開始剤 どと反応して、ポリアルキレンエーテル系 合物が硬化した樹脂中で結合した状態にな 、耐衝撃性などの特性がより向上する。

 上記のポリアルキレンエーテル系化合物( V)において、オキシアルキレン単位の繰り返 数を示すr及びsは、ポリアルキレンエーテ 系化合物の数平均分子量が500~10,000、特に500~ 5,000の範囲内になるような数であることが好 しい。

 上記のポリアルキレンエーテル系化合物(V) 好適な例としては、ポリエチレングリコー 、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ チレングリコール、ポリエチレンオキサイ -ポリプロピレンオキサイドブロック共重合 体、エチレンオキサイドとプロピレンオキサ イドのランダム共重合体、式:-CH 2 CH 2 CH(R 12 )CH 2 O-(式中R 12 は低級アルキル基であり、好ましくはメチル またはエチル基)で表されるアルキル置換基 有するオキシテトラメチレン単位(アルキル 換基を有するテトラメチレンエーテル単位) が結合したポリエーテル、前記オキシテトラ メチレン単位と前記した式:-CH 2 CH 2 CH(R 12 )CH 2 O-(式中R 12 は低級アルキル基)で表されるアルキル置換 を有するオキシテトラメチレン単位がラン ムに結合したポリエーテルなどを挙げるこ ができる。島部は前記したポリアルキレン ーテル系化合物の1種または2種以上からなっ ていることができる。そのうちでも、数平均 分子量が上記した500~10,000の範囲にあるポリ トラメチレングリコールおよび/またはテト メチレンエーテル単位と式:-CH 2 CH 2 CH(R 12 )CH 2 O-(式中R 12 は低級アルキル基)で表されるアルキル置換 を有するテトラメチレンエーテル単位がラ ダムに結合したポリエーテルが好ましく用 られ、その場合には、吸湿性が低くて寸法 定性や物性の安定性に優れる光造形物を得 ことができる。

 本発明の光造形用樹脂組成物がポリアル レンエーテル系化合物(V)を含有する場合は ポリアルキレンエーテル系化合物(V)の含有 は、光造形用樹脂組成物の全質量に対して1 ~30質量%であることが好ましく、2~20質量%であ ることがより好ましい。また、前記含有量を 超えない範囲で、同時に2種類以上のポリア キレンエーテル系化合物を含有していても い。

 また、本発明の光造形用樹脂組成物は、必 に応じて、下記の一般式(VI);

   HO-R 13 -OH      (VI)

(式中、R 13 は、炭素数5~8の直鎖状または分岐状アルキレ ン基を示す。)
で表される2官能性ヒドロキシ化合物(VI)のう の少なくとも1種を含有していてもよい。
 本発明の光造形用樹脂組成物中に2官能性ヒ ドロキシ化合物(VI)を含有させると、冬季な の乾燥時などに湿度の低い状態で長期間保 しても、水分含量が極端に低下せずに、光 化に必要な水分(一般に0.3~1質量%、好ましく 0.4~0.8質量%)を安定して組成物中に保持する め、冬季などの乾燥時であっても、光造形 樹脂組成物の硬化感度を向上させるために 部から水分をわざわざ添加しなくても、高 硬化感度を維持することができる。
 2官能性ヒドロキシ化合物(VI)を含有する場 は、その含有量は光造形用樹脂組成物の質 に基づいて1~10質量%、更には1~7質量%、特に1~ 5質量%であることが好ましい。

 2官能性ヒドロキシ化合物(VI)の具体例とし は、R 13 が炭素数5のアルキレン基である2官能性ヒド キシ化合物[例えばHO-CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH 2 CH(CH 3 )CH 2 CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH(CH 3 )CH 2 -OH、HO-C(CH 3 ) 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH 2 C(CH 3 ) 2 CH 2 -OH];R 2 が炭素数6のアルキレン基である2官能性ヒド キシ化合物[例えばHO-CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH 2 CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH 2 CH 2 CH(CH 3 )CH 2 CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH(CH 3 )CH 2 CH 2 -OH、HO-CH 2 CH(CH 3 )CH(CH 3 )CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH 2 CH(CH 3 ) 2 CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH(CH 3 )-OH、HO-CH(CH 3 )CH(CH 3 )CH(CH 3 )-OH、HO-C(CH 3 ) 2 CH(CH 3 )CH 2 -OH、HO-C(CH 3 ) 2 CH 2 CH(CH 3 )-OH、HO-CH 2 CH(CH 3 ) 2 CH(CH 3 )-OH、HO-CH 2 CH 2 CH(C 2 H 5 )CH 2 -OHなど];R 13 が炭素数7のアルキレン基である2官能性ヒド キシ化合物[例えばHO-CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH 2 CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH 2 CH 2 CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH 2 CH(CH 3 )CH(CH 3 )CH 2 CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH 2 CH(CH 3 ) 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 CH(CH 3 )-OH、HO-CH(CH 3 )CH(CH 3 )CH(CH 3 )CH 2 -OH、HO-C(CH 3 ) 2 CH(CH 3 )CH 2 CH 2 -OH、HO-C(CH 3 ) 2 CH 2 CH(CH 3 )CH 2 -OH、HO-CH 2 CH(CH 3 ) 2 CH(CH 3 )CH 2 -OH、HO-CH 2 CH 2 CH(C 2 H 5 )CH 2 CH 2 -OHなど];R 13 素数8のアルキレン基である2官能性ヒドロキ 化合物[例えばHO-CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH 2 CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH 2 CH 2 CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH 2 CH(CH 3 )CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH 2 CH(CH 3 ) 2 CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH(CH 3 )CH 2 CH 2 -OH、HO-C(CH 3 ) 2 CH(CH 3 )CH 2 CH 2 CH 2 -OH、HO-C(CH 3 ) 2 CH 2 CH(CH 3 )CH 2 CH 2 -OH、HO-CH 2 CH 2 CH(C 2 H 5 )CH 2 CH 2 CH 2 -OHなど]、CH 3 (CH 2 ) 5 CH(OH)CH 2 OHなどを挙げることができ、これらの1種また は2種以上を用いることができる。

 そのうちでも、2官能性ヒドロキシ化合物 (VI)としては、ネオペンチルグリコール、1,5- ンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7 -ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオールが 入手性の点から好ましく用いられ、特にネ ペンチルグリコールおよび1,6-ヘキサンジオ ールが、吸湿性、保湿性、反応性の点から好 ましく用いられる。

 本発明の光造形用樹脂組成物は、本発明 効果を損なわない限り、必要に応じて、顔 や染料等の着色剤、消泡剤、レベリング剤 増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、充填剤(架橋 ポリマー粒子、シリカ、ガラス粉、セラミッ クス粉、金属粉等)、改質用樹脂などの1種ま は2種以上を適量含有していてもよい。

 本発明の光造形用樹脂組成物を用いて光学 に立体造形を行うに当たっては、従来既知 光学的立体造形方法および装置のいずれも 使用できる。好ましく採用され得る光学的 体造形法の代表例としては、液状をなす本 明の光学的造形用樹脂組成物に所望のパタ ンを有する硬化層が得られるように活性エ ルギー線を選択的に照射して硬化層を形成 、次いでこの硬化層に未硬化の液状光学的 形用樹脂組成物を供給し、同様に活性エネ ギー光線を照射して前記の硬化層と連続し 硬化層を新たに形成する積層操作を繰り返 ことによって最終的に目的とする立体的造 物を得る方法を挙げることができる。
 その際の活性エネルギー線としては、上述 ように、紫外線、電子線、X線、放射線、高 周波などを挙げることができる。そのうちで も、300~400nmの波長を有する紫外線が経済的な 観点から好ましく用いられ、その際の光源と しては、紫外線レーザー(例えば半導体励起 体レーザー、Arレーザー、He-Cdレーザーなど) 、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、低圧 水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンラン プ、メタルハライドランプ、紫外線LED(発光 イオード)、紫外線蛍光灯などを使用するこ ができる。

 光造形用樹脂組成物よりなる造形面に活 エネルギー線を照射して所定の形状パター を有する各硬化樹脂層を形成するに当たっ は、レーザー光などのような点状に絞られ 活性エネルギー線を使用して点描または線 方式で硬化樹脂層を形成してもよいし、ま は液晶シャッターまたはデジタルマイクロ ラーシャッター(DMD)などのような微小光シ ッターを複数配列して形成した面状描画マ クを通して造形面に活性エネルギー線を面 に照射して硬化樹脂層を形成させる造形方 を採用してもよい。

 本発明の光造形用樹脂組成物は、光学的 体造形分野に幅広く用いることができ、何 限定されるものではないが、代表的な応用 野としては、設計の途中で外観デザインを 証するための形状確認モデル、部品の機能 をチェックするための機能試験モデル、鋳 を制作するためのマスターモデル、金型を 作するためのマスターモデル、試作金型用 直接型などを挙げることできる。特に、本 明の光造形用樹脂組成物は、精密な部品な の形状確認モデルや機能試験モデルの作製 威力を発揮する。より具体的には、例えば 精密部品、電気・電子部品、家具、建築構 物、自動車用部品、各種容器類、鋳物など モデル、母型、加工用などの用途に有効に いることができる。

 以下に本発明を実施例によって具体的に説 するが、本発明は実施例に何ら限定される のではない。以下の例中、「部」は質量部 意味する。
 また、以下の例中、光造形用樹脂組成物の 度、吸湿率、硬化深度(Dp)、臨界硬化エネル ギー(Ec)および作業硬化エネルギー(E 10 )の測定、並びに光造形して得られた光造形 の力学的特性[引張り特性(引張破断強度、引 張破断伸度、引張弾性率)、曲げ特性(曲げ強 、曲げ弾性率)]、収縮率、硬さ、熱変形温 および湿度80%下での伸び率の測定または算 は、次のようにして行なった。

(1)光造形用樹脂組成物の粘度:
 光造形用樹脂組成物を25℃の恒温槽に入れ 、光硬化性樹脂組成物の温度を25℃に調節し た後、B型粘度計(株式会社東機産業製)を使用 して回転速度20rpmで測定した。

(2)光造形用樹脂組成物の硬化深度(Dp)、臨界 化エネルギー(Ec)及び作業硬化エネルギー(E 10 ):
 非特許文献1に記載されている理論にしたが って測定した。具体的には、光造形用樹脂組 成物よりなる造形面(液面)に、半導体励起固 レーザのレーザ光(波長355nmの紫外光、液面 ーザ強度100mW)を、照射スピードを6段階変化 (照射エネルギー量を6段階変化)させて照射し て光硬化膜を形成させた。生成した光硬化膜 を光造形用樹脂組成物液から取り出して、未 硬化樹脂を取り除き、6段階のエネルギーに 応する部分の硬化膜の厚さを定圧のノギス 測定した。光硬化膜の厚さをY軸、照射エネ ギー量をX軸(対数軸)としてプロットし、プ ットして得られた直線の傾きから硬化深度[ Dp(mm)]を求めると共に、X軸の切片を臨界硬化 ネルギー[Ec(mJ/cm 2 )]とし、0.25mmの厚さに硬化させるのに必要な 光エネルギー量を作業硬化エネルギー[(E 10 /(mJ/cm 2 )]とした。

(3)光造形物の引張り特性(引張破断強度、引 破断伸度、引張弾性率):
 以下の実施例または比較例で作製した光造 物(JIS K-7113に準拠したダンベル形状の試験 )を用いて、JIS K-7113にしたがって、試験片 引張破断強度(引張強度)、引張破断伸度(引 伸度)および引張弾性率を測定した。

(4)光造形物の降伏強度:
 上記(3)の引張り特性の試験において、光造 物が弾性から塑性に移る点における強度を 伏強度とした。

(5)光造形物の曲げ特性(曲げ強度、曲げ弾性 ):
 以下の実施例または比較例で作製した光造 物(JIS K-7171に準拠したバー形状の試験片)を 用いて、JIS K-7171にしたがって、試験片の曲 強度および曲げ弾性率を測定した。

(6)光造形物の衝撃強度:
 以下の実施例または比較例で作製した光造 物(JIS K-7110に準拠した直方体形状の試験片) を用いて、JIS K-7110にしたがって、試験片の ッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。

(7)収縮率:
 光硬化させる前の光造形用樹脂組成物(液体 )の比重(d 0 )と、光硬化して得られた光硬化物の比重(d 1 )から、下記の数式により収縮率を求めた。
 
  収縮率(%)={(d 1 -d 0 )/d 1 }×100

(8)光造形物の硬さ(ショアD硬度):
 以下の実施例および比較例で作製した光造 物(JIS K-7113に準拠したダンベル形状の試験 )を用いて、高分子計器社製の「アスカーD 硬度計」を使用して、JIS K-6253に準拠して、 デュロメーター法により試験片の硬さ(ショ D硬度)を測定した。

(9)光造形物の熱変形温度:
 以下の実施例または比較例で作製した光造 物(JIS K-7171に準拠したバー形状の試験片)を 使用し、東洋精機社製「HDTテスタ6M-2」を使 して、試験片に1.81MPaの荷重を加えて、JIS K- 7207(A法)に準拠して、試験片の熱変形温度を 定した。

(10)光造形物の湿度80%下での伸び率:
 以下の実施例または比較例で作製した長方 状の紐状光造形物(長さ×幅×厚さ=200mm×10mm× 1mm)を、湿度80%に調湿したデシケーターに入 、温度25℃でそのまま14日間放置した後、デ ケーターから取り出して長さを測定して、 シケーターに入れる前の長さ(200mm)に対する 伸び率(%)を求めた。

《実施例1》
(1) ビスフェノールAジグリシジルエーテル(AD EKA社製「EP-4100E」)53部、3-ヒドロキシメチル-3 -エチルオキセタン(東亞合成社製「OXT-101」)15 部、トリシクロデカンジメタノールジアクリ レート(新中村化学工業製「A-DCP」)20部、ジペ ンタエリスリトールヘキサアクリレート(新 村化学工業株式会社製「NKエステルA-9530」)5 、リン系芳香族スルホニウム化合物(II-1)と ン系芳香族スルホニウム化合物(II-12)の混合 物(ダブルボンドケミカル社製「Chivacure 1190 )5部および1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェ ニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカ ズ社製「イルガキュア-184」、ラジカル重合 始剤)2部を室温下(25℃)に良く混合して、光 形用樹脂組成物を調製した。この光造形用 脂組成物の粘度を上記した方法で測定した ころ374mPa・s(25℃)であった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物の 化深度(Dp)、臨界硬化エネルギー(Ec)および 業硬化エネルギー(E 10 )を上記した方法で測定したところ、下記の 1に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、超高速光造形システム(ナブテスコ株 式会社製「SOLIFORM500B」)を使用して、半導体 ーザー(定格出力1000mW;波長355nm;スペクトラフ ィジックス社製「半導体励起固体レーザーBL6 型)で、液面100mW、液面照射エネルギー80mJ/cm 2 の条件下に、スライスピッチ(積層厚み)0.10mm 1層当たりの平均造形時間2分で光学的立体 形を行い、得られた造形物に紫外線(高圧水 灯、波長365nm、強度3.0mw/cm 2 )を20分間照射して後硬化して、物性測定用の JIS K-7113に準拠したダンベル形状の試験片、J IS K-7171に準拠したバー形状の試験片、JIS K-7 110に準拠した直方体形状の試験片および長方 形の紐状造形物を作製し、その物性を上記し た方法で測定した。その結果を下記の表1に す。

《実施例2》
(1) ビスフェノールAジグリシジルエーテル53 の代わりに、トリシクロデカンジメタノー ジグリシジルエーテル(ADEKA社製「EP-4088S」)5 3部を用いた以外は、実施例1の(1)と同様にし 光造形用樹脂組成物を調製し、この光造形 樹脂組成物の物性を実施例1の(2)と同様にし て測定したところ、下記の表1に示すとおり あった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行い、得ら れた立体造形物(試験片)の物性を測定したと ろ、下記の表1に示すとおりであった。

《実施例3》
(1) ビスフェノールAジグリシジルエーテル53 の代わりに、トリメチロールプロパントリ リシジルエーテル(ナガセケムテックス社製 「EX-321」)53部を用いた以外は、実施例1の(1) 同様にして光造形用樹脂組成物を調製し、 の光造形用樹脂組成物の物性を実施例1の(2) 同様にして測定したところ、下記の表1に示 すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表1に示すとおりであった。

《実施例4》
(1) ビスフェノールAジグリシジルエーテル53 の代わりに、レゾルシノールジグリシジル ーテル(ナガセケムテックス社製「EX-201」)53 部を用いた以外は、実施例1の(1)と同様にし 光造形用樹脂組成物を調製し、この光造形 樹脂組成物の物性を実施例1の(2)と同様にし 測定したところ、下記の表1に示すとおりで あった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表1に示すとおりであった。

《比較例1》
(1) 実施例1の(1)において、ビスフェノールA グリシジルエーテル53部の代りに、ビスフェ ノールAジグリシジルエーテルを48部および3,4 -エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポ キシシクロヘキサンカルボキシレート(ダウ ミカル社製「UVR-6105)5部を用いた以外は、実 例1の(1)と同様にして光造形用樹脂組成物を 調製し、この光造形用樹脂組成物の物性を実 施例1の(2)と同様にして測定したところ、下 の表1に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形を行なったところ、この比較例1の光造 用樹脂組成物は、3,4-エポキシシクロヘキシ メチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカ ボキシレートを含有しているため、光硬化 に劣り、造形不良で、造形物は形状保持性 なく、すぐ破損してしまい、立体造形物(試 片)を製造することができなかった。

《比較例2》
(1) 実施例3の(1)において、トリメチロールプ ロパントリグリシジルエーテル(ナガセケム ックス社製「EX-321」)53部の代りに、トリメ ロールプロパントリグリシジルエーテルを48 部および3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3 ’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレ ート(ダウケミカル社製「UVR-6105)5部を用いた 外は、実施例3の(1)と同様にして光造形用樹 脂組成物を調製し、この光造形用樹脂組成物 の物性を実施例1の(2)と同様にして測定した ころ、下記の表1に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形を行なったところ、この比較例2の光造 用樹脂組成物は、3,4-エポキシシクロヘキシ メチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカ ボキシレートを含有しているため、光硬化 に劣り、造形不良で、造形物は形状保持性 なく、すぐ破損してしまい、立体造形物(試 片)を製造することができなかった。

 上記の表1の結果にみるように、実施例1~4の 光造形用樹脂組成物は、ポリグリシジルオキ シ化合物(I)、(メタ)アクリロイルオキシを2個 以上有する(メタ)アクリレート化合物(B-1)、 ン系芳香族スルホニウム化合物(I)よりなる チオン重合開始剤、およびラジカル重合開 剤を含有し、その一方でシクロアルケンオ シド構造含有カチオン重合性有機化合物を 有していないため、光硬化感度が高く、光 形を円滑に行なうことができ、しかも得ら た光造形物は、使用した原料化合物の種類 応じて、それぞれ優れた特性を備えている
 それに対して、比較例1および2の光造形用 脂組成物は、ポリグリシジルオキシ化合物(I )、(メタ)アクリロイルオキシを2個以上有す (メタ)アクリレート化合物(B-1)、リン系芳香 スルホニウム化合物(I)よりなるカチオン重 開始剤、およびラジカル重合開始剤を含有 る光造形用樹脂組成物であるものの、カチ ン重合性有機化合物の一部としてシクロア ケンオキシド構造含有カチオン重合性有機 合物を更に含有していることにより、光造 用樹脂組成物は光硬化性に劣り、造形不良 、造形物は形状保持性がなく、すぐ破損し しまい、光造形を円滑に行なうことができ い。

《実施例5》
(1) ビスフェノールAジグリシジルエーテル53 の代わりに、1,4-シクロヘキサンジメタノー ルジグリシジルエーテル(新日本理化工業社 「DME-100」)53部を用いた以外は、実施例1の(1) と同様にして光造形用樹脂組成物を調製し、 この光造形用樹脂組成物の物性を実施例1の(2 )と同様にして測定したところ、下記の表2に すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表2に示すとおりであった。

《実施例6》
(1) ビスフェノールAジグリシジルエーテル53 の代りに、エチレンオキサイド付加ビスフ ノールA(ビスフェノールAの2個の水酸基にエ チレンオキサイドがそれぞれ1モルずつ付加) ジグリシジルエーテル(新日本理化工業社製 「BPO-20E」)53部を用いた以外は、実施例1の(1) 同様にして光造形用樹脂組成物を調製し、 の光造形用樹脂組成物の物性を実施例1の(2) と同様にして測定したところ、下記の表2に すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表2に示すとおりであった。

《実施例7》
(1) ビスフェノールAジグリシジルエーテル53 の代りに、ペンタエリスリトールポリグリ ジルエーテルのエピクロルヒドリン多重付 物(ナガセケムテックス社製「EX-411」)53部を 用いた以外は、実施例1の(1)と同様にして光 形用樹脂組成物を調製し、この光造形用樹 組成物の物性を実施例1の(2)と同様にして測 したところ、下記の表2に示すとおりであっ た。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表2に示すとおりであった。

《参考例1》
(1) 1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシ ジルエーテル(新日本理化工業社製「DME-100」) 54部、3-ヒドロキシメチル-3-エチルオキセタ (東亞合成社製「OXT-101」)5部、ビス(3-エチル- 3-オキセタニル)エーテル(東亞合成社製「OXT-2 21」)10部、トリシクロデカンジメタノールジ クリレート(新中村化学工業製「A-DCP」)15部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー (新中村化学工業株式会社製「NKエステルA-95 30」)9部、アンチモン系カチオン重合開始剤[ 記の式(II-1)の触媒において、「PF 6 - 」が「SbF 6 - 」に置き換わったもの、サンアプロ社製「CPI -101A」]3.5部、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフ ェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミ ルズ社製「イルガキュア-184」、ラジカル重 開始剤)2部および紫外線吸収剤(チバ・スペ ャリティ・ケミカルズ社製「Tinuvin-384-2」)0. 03部を室温下(25℃)に良く混合して、光造形用 樹脂組成物を調製した。この光造形用樹脂組 成物の物性を実施例1の(2)と同様にして測定 たところ、下記の表2に示すとおりであった
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表2に示すとおりであった。

 上記の表2の結果にみるように、実施例5~7 の光造形用樹脂組成物は、ポリグリシジルオ キシ化合物(I)、(メタ)アクリロイルオキシを2 個以上有する(メタ)アクリレート化合物(B-1) リン系芳香族スルホニウム化合物(I)よりな カチオン重合開始剤、およびラジカル重合 始剤を含有し、その一方でシクロアルケン キシド構造含有カチオン重合性有機化合物 含有していないため、光硬化感度が高く、 かも光硬化して得られる立体造形物の物性 おいても、アンチモン系のカチオン重合開 剤を用いた参考例1の光造形用樹脂組成物か 得られる光造形物に比べて遜色がなく、も によっては参考例1の光造形用樹脂組成物か ら得られた光造形物に比べて優れている。

《実施例8》
(1) ビスフェノールAジグリシジルエーテル53 の代わりに、水素化フタル酸ジグリシジル スエル(ジャパンエポキシレジン社製「jER191 P」)53部を用いた以外は、実施例1の(1)と同様 して光造形用樹脂組成物を調製し、この光 形用樹脂組成物の物性を実施例1の(2)と同様 にして測定したところ、下記の表3に示すと りであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして、光学的立 体造形および紫外線による後硬化を行ない、 得られた立体造形物(試験片)の物性を測定し ところ、下記の表3に示すとおりであった。

《実施例9》
(1) ビスフェノールAジグリシジルエーテル53 の代わりに、フタル酸ジグリシジルエステ (ナガセケムテックス社製「EX-721」)53部を用 いた以外は、実施例1の(1)と同様にして光造 用樹脂組成物を調製し、この光造形用樹脂 成物の物性を実施例1の(2)と同様にして測定 たところ、下記の表3に示すとおりであった 。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表3に示すとおりであった。

《比較例3》
(1) 実施例8の(1)において、水素化フタル酸ジ グシジルエステル53部の代りに、水素化フタ 酸ジグリシジルエステルを48部および3,4-エ キシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキ シクロヘキサンカルボキシレート(ダウケミ ル社製「UVR-6105)5部を用いた以外は、実施例 9の(1)と同様にして光造形用樹脂組成物を調 し、この光造形用樹脂組成物の物性を実施 1の(2)と同様にして測定したところ、下記の 3に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形を行なったところ、この比較例3の光造 用樹脂組成物は、3,4-エポキシシクロヘキシ メチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカ ボキシレートを含有しているため、光硬化 に劣り、造形不良で、造形物は形状保持性 なく、すぐ破損してしまい、立体造形物(試 片)を製造することができなかった。

 上記の表3の結果にみるように、実施例8お び9の光造形用樹脂組成物は、カチオン重合 有機化合物として、P系カチオン重合開始剤 に対する光硬化感度が低いという理由で、P カチオン重合開始剤を用いた光造形用樹脂 成物では実際には従来殆ど使用されてこな った水素化フタル酸ジグリシジルエステル たはフタル酸ジグリシジルエステルを用い にも拘わらず、シクロアルケンオキシド構 含有カチオン重合性有機化合物を含有して ないため、光硬化感度が高く、光造形を円 に行なうことができた。
 それに対して、比較例3の光造形用樹脂組成 物は、カチオン重合性有機化合物として、水 素化フタル酸ジグリシジルエステルと共にシ クロアルケンオキシド構造含有カチオン重合 性有機化合物を含有しているために、リン系 光重合開始剤に対する光硬化感度が低く、光 硬化性に劣り、造形不良で、造形物は形状保 持性がなく、すぐ破損してしまい、光造形を 円滑に行なうことができない。

《実施例10》
(1) ビスフェノールAジグリシジルエーテル53 の代わりに、水素化ビスフェノールAジグリ シジルエーテル(新日本理化工業社製「HBE-100 )53部を用いた以外は、実施例1の(1)と同様に して光造形用樹脂組成物を調製し、この光造 形用樹脂組成物の物性を実施例1の(2)と同様 して測定したところ、下記の表4に示すとお であった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表4に示すとおりであった。

《実施例11》
(1) 実施例10の(1)において、リン系芳香族ス ホニウム化合物よりなるカチオン重合開始 として、「Chivacure 1190」の代りに、上記の (II-1)で表されるリン系芳香族スルホニウム 合物(II-1)単独からなる触媒(サンアプロ社製 CPI-100P」)を5部用いた以外は、実施例10の(1) 同様にして光造形用樹脂組成物を調製し、 の光造形用樹脂組成物の物性を実施例1の(2) と同様にして測定したところ、下記の表4に すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表4に示すとおりであった。

《実施例12》
(1) 実施例10の(1)において、トリシクロデカ ジメタノールジアクリレート20部の代りに、 エチレンオキサイド付加ビスフェノールA(エ レンオキサイドの合計付加モル数=4)のジア リレート(新中村化学工業社製「A-BPE-4」)20 を用い、リン系芳香族スルホニウム化合物 りなるカチオン重合開始剤として、「Chivacur e 1190」の代りに上記の式(II-1)で表されるリ 系芳香族スルホニウム化合物(II-1)単独から る触媒(サンアプロ社製「CPI-100P」)を5部用い た以外は、実施例10の(1)と同様にして光造形 樹脂組成物を調製し、この光造形用樹脂組 物の物性を実施例1の(2)と同様にして測定し たところ、下記の表4に示すとおりであった
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表4に示すとおりであった。

《実施例13》
(1) 実施例10の(1)において、ジペンタエリス トールヘキサアクリレート5部の代りに、エ レンオキサイド付加ペンタエリスリトール( ペンタエリスリトールの4つの水酸基にエチ ンオキサイドが1モルずつ付加したもの)のテ トラアクリレート(新中村化学工業社製「ATM-4 E」)5部を用い、リン系芳香族スルホニウム化 合物よりなるカチオン重合開始剤として、「 Chivacure 1190」の代りに、上記の式(II-1)で表さ れるリン系芳香族スルホニウム化合物(II-1)単 独からなる触媒(サンアプロ社製「CPI-100P」) 5部用いた以外は、実施例10の(1)と同様にし 光造形用樹脂組成物を調製し、この光造形 樹脂組成物の物性を実施例1の(2)と同様にし 測定したところ、下記の表4に示すとおりで あった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表4に示すとおりであった。

《参考例2》
(1) 実施例10の(1)において、リン系芳香族ス ホニウム化合物よりなるカチオン重合開始 5部の代りに、アンチモン系カチオン重合開 剤[上記の式(II-1)の触媒において、「PF 6 - 」が「SbF 6 - 」に置き換わったもの、サンアプロ社製「CPI -101A」]を5部用いた以外は、実施例10の(1)と同 様にして光造形用樹脂組成物を調製し、この 光造形用樹脂組成物の物性を実施例1の(2)と 様にして測定したところ、下記の表4に示す おりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表4に示すとおりであった。

《比較例4》
(1) 実施例10の(1)において、水素化ビスフェ ールAジグリシジルエーテル53部の代りに、 素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル 48部および3,4-エポキシシクロヘキシルメチ -3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキ レート(ダウケミカル社製「UVR-6105)5部を用い た以外は、実施例10の(1)と同様にして光造形 樹脂組成物を調製し、この光造形用樹脂組 物の物性を実施例1の(2)と同様にして測定し たところ、下記の表5に示すとおりであった
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形を行なったところ、この比較例4の光造 用樹脂組成物は、3,4-エポキシシクロヘキシ メチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカ ボキシレートを含有しているため、光硬化 に劣り、造形不良で、造形物は形状保持性 なく、すぐ破損してしまい、立体造形物(試 片)を製造することができなかった。

《比較例5》
(1) 実施例10の(1)において、水素化ビスフェ ールAジグリシジルエーテル53部の代りに、 素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル 48部およびビス(3,4-エポキシシクロヘキシル メチル)アジペート(ダウケミカル社製「UVR-612 8」)5部を用いた以外は、実施例10の(1)と同様 して光造形用樹脂組成物を調製し、この光 形用樹脂組成物の物性を実施例1の(2)と同様 にして測定したところ、下記の表5に示すと りであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形を行なったところ、この比較例4の光造 用樹脂組成物は、3,4-エポキシシクロヘキシ メチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカ ボキシレートを含有しているため、光硬化 に劣り、造形不良で、造形物は形状保持性 なく、すぐ破損してしまい、立体造形物(試 片)を製造することができなかった。

《比較例6》
(1) 実施例10の(1)において、水素化ビスフェ ールAジグリシジルエーテル53部の代りに、 素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル 48部およびビニルシクロヘキセンジオキシ (フルカ社製)5部を用いた以外は、実施例10の (1)と同様にして光造形用樹脂組成物を調製し 、この光造形用樹脂組成物の物性を実施例1 (2)と同様にして測定したところ、下記の表5 示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形を行なったところ、この比較例4の光造 用樹脂組成物は、3,4-エポキシシクロヘキシ メチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカ ボキシレートを含有しているため、光硬化 に劣り、造形不良で、造形物は形状保持性 なく、すぐ破損してしまい、立体造形物(試 片)を製造することができなかった。

《比較例7》
(1) 実施例10の(1)において、水素化ビスフェ ールAジグリシジルエーテル53部の代りに、 素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル 48部およびリモネンジオキシド(ダイセル化 社製「セロキサイド3000)5部を用いた以外は 実施例10の(1)と同様にして光造形用樹脂組 物を調製し、この光造形用樹脂組成物の物 を実施例1の(2)と同様にして測定したところ 下記の表5に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形を行なったところ、この比較例4の光造 用樹脂組成物は、3,4-エポキシシクロヘキシ メチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカ ボキシレートを含有しているため、光硬化 に劣り、造形不良で、造形物は形状保持性 なく、すぐ破損してしまい、立体造形物(試 片)を製造することができなかった。

 上記の表4の結果にみるように、実施例10~13 光造形用樹脂組成物は、ポリグリシジルオ シ化合物(I)、(メタ)アクリロイルオキシを2 以上有する(メタ)アクリレート化合物(B-1)、 リン系芳香族スルホニウム化合物(I)よりなる カチオン重合開始剤、およびラジカル重合開 始剤を含有し、その一方でシクロアルケンオ キシド構造含有カチオン重合性有機化合物を 含有していないため、光硬化感度が高く、し かも光硬化して得られる立体造形物の物性に おいても、アンチモン系のカチオン重合開始 剤を用いた参考例2の光造形用樹脂組成物か 得られる光造形物に比べて遜色がない。
 それに対して、表5の結果にみるように、比 較例4~7の光造形用樹脂組成物は、カチオン重 合性有機化合物として、水素化ビスフェノー ルAジグリシジルエーテルと共に、シクロア ケンオキシド構造含有カチオン重合性有機 合物を含有しているために、リン系光重合 始剤に対する光硬化感度が低く、光硬化性 劣り、造形不良で、造形物は形状保持性が く、すぐ破損してしまい、光造形を円滑に なうことができない。

《実施例14》
(1) 実施例10の(1)において、トリシクロデカ ジメタノールジアクリレート20部の代りに、 エチレンオキサイド付加ビスフェノールA(エ レンオキサイドの合計付加モル数=4)のジア リレート(新中村化学工業社製「A-BPE-4」)15 、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ ト5部の代りに、エチレンオキサイド付加ペ タエリスリトール(ペンタエリスリトールの 4つの水酸基にエチレンオキサイドが1モルず 付加したもの)のテトラアクリレート(新中 化学工業社製「ATM-4E」)10部を用い、リン系 香族スルホニウム化合物よりなるカチオン 合開始剤として、「Chivacure 1190」の代りに 上記の式(II-1)で表されるリン系芳香族スル ニウム化合物(II-1)単独からなる触媒(サンア ロ社製「CPI-100P」)を5部用いた以外は、実施 例10の(1)と同様にして光造形用樹脂組成物を 製し、この光造形用樹脂組成物の物性を実 例1の(2)と同様にして測定したところ、下記 の表6に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表6に示すとおりであった。

《実施例15》
(1) 実施例10の(1)において、ジペンタエリス トールヘキサアクリレート5部の代りに、多 岐ポリエステル・オリゴマー(アクリレート 官能基数=9、サートマー社製「CN2301」)5部を いた以外は、実施例10の(1)と同様にして光造 形用樹脂組成物を調製し、この光造形用樹脂 組成物の物性を実施例1の(2)と同様にして測 したところ、下記の表6に示すとおりであっ 。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表6に示すとおりであった。

《実施例16》
(1) 実施例10の(1)において、ジペンタエリス トールヘキサアクリレート5部の代りに、多 岐ポリエステル・オリゴマー(アクリレート 官能基数=16、サートマー社製「CN2302」)5部を いた以外は、実施例10の(1)と同様にして光 形用樹脂組成物を調製し、この光造形用樹 組成物の物性を実施例1の(2)と同様にして測 したところ、下記の表6に示すとおりであっ た。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表6に示すとおりであった。

《実施例17》
(1) 実施例10の(1)において、ジペンタエリス トールヘキサアクリレート5部の代りに、エ レンオキサイド付加ペンタエリスリトール( ペンタエリスリトールの4つの水酸基にエチ ンオキサイドが1モルずつ付加)のテトラアク リレート(新中村化学工業社製「ATM-4E」)5部を 用いた以外は、実施例10の(1)と同様にして光 形用樹脂組成物を調製し、この光造形用樹 組成物の物性を実施例1の(2)と同様にして測 定したところ、下記の表6に示すとおりであ た。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表6に示すとおりであった。

《実施例18》
(1) 実施例10の(1)において、ジペンタエリス トールヘキサアクリレート5部の代りに、プ ピレンオキサイド付加ペンタエリスリトー (ペンタエリスリトールの4つの水酸基にプ ピレンオキサイドが1モルずつ付加)のテトラ アクリレート(新中村化学工業社製「ATM-4P」)5 部を用いた以外は、実施例10の(1)と同様にし 光造形用樹脂組成物を調製し、この光造形 樹脂組成物の物性を実施例1の(2)と同様にし て測定したところ、下記の表6に示すとおり あった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表6に示すとおりであった。

《実施例19》
(1) 実施例10の(1)において、リン系芳香族ス ホニウム化合物よりなるカチオン重合開始 として、「Chivacure 1190」の代りに、上記の (II-1)で表されるリン系芳香族スルホニウム 合物(II-4)(サンアプロ社製「CPI-200K」)を5部用 いた以外は、実施例10の(1)と同様にして光造 用樹脂組成物を調製し、この光造形用樹脂 成物の物性を実施例1の(2)と同様にして測定 したところ、下記の表6に示すとおりであっ 。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表6に示すとおりであった。

《実施例20》
(1) 実施例10の(1)において、リン系芳香族ス ホニウム化合物よりなるカチオン重合開始 として、「Chivacure 1190」5部の代りに、上記 式(II-1)で表されるリン系芳香族スルホニウ 化合物(サンアプロ社製「CPI-100P」)を3.5部お よび上記の式(II-4)で表されるリン系芳香族ス ルホニウム化合物(サンアプロ社製「CPI-200K」 )を1.5部用いた以外は、実施例10の(1)と同様に して光造形用樹脂組成物を調製し、この光造 形用樹脂組成物の物性を実施例1の(2)と同様 して測定したところ、下記の表7に示すとお であった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表7に示すとおりであった。

《実施例21》
(1) 実施例10の(1)において、リン系芳香族ス ホニウム化合物よりなるカチオン重合開始 として、「Chivacure 1190」5部の代りに、上記 式(II-1)で表されるリン系芳香族スルホニウ 化合物(サンアプロ社製「CPI-100P」)5部用い 更にポリアルキレンエーテル(数平均分子量2 000のポリテトラメチレングリコール)(保土谷 学工業社製「PTG2000SN」)を10部添加した以外 、実施例10の(1)と同様にして光造形用樹脂 成物を調製し、この光造形用樹脂組成物の 性を実施例1の(2)と同様にして測定したとこ 、下記の表7に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表7に示すとおりであった。

《実施例22》
(1) 実施例10の(1)において、更にポリアルキ ンエーテル(数平均分子量2000のポリテトラメ チレングリコール)(保土谷化学工業社製「PTG2 000SN」)を10部添加した以外は、実施例10の(1) 同様にして光造形用樹脂組成物を調製し、 の光造形用樹脂組成物の物性を実施例1の(2) 同様にして測定したところ、下記の表7に示 すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表7に示すとおりであった。

《実施例23》
(1) 実施例10の(1)において、更にポリアルキ ンエーテル(ポリテトラメチレングリコール ジグリシジルエーテル、数平均分子量780)( ムスケミー社製「Grilonit F713」)を10部添加し た以外は、実施例10の(1)と同様にして光造形 樹脂組成物を調製し、この光造形用樹脂組 物の物性を実施例1の(2)と同様にして測定し たところ、下記の表7に示すとおりであった
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表7に示すとおりであった。

《実施例24》
(1) 水素化ビスフェノールAジグリシジルエー テル(新日本理化工業社製「HBE-100」)54部、ビ (3-エチル-3-オキセタニル)エーテル(東亞合 社製「OXT-221」)15部、トリシクロデカンジメ ノールジアクリレート(新中村化学工業製「 A-DCP」)15部、ジペンタエリスリトールヘキサ クリレート(新中村化学工業株式会社製「NK ステルA-9530」)9部、上記の式(II-1)で表され リン系芳香族スルホニウム化合物(II-1)(サン プロ社製「CPI-100P」)5部及び1-ヒドロキシ-シ クロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシ リティ・ケミカルズ社製「イルガキュア-184 、ラジカル重合開始剤)2部を室温下(25℃)に く混合して光造形用樹脂組成物を調製した この光造形用樹脂組成物の物性を実施例1の (2)と同様にして測定したところ、下記の表7 示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表7に示すとおりであった。

《実施例25》
(1) 実施例24の(1)において、ビス(3-エチル-3- キセタニル)エーテル(東亞合成社製「OXT-221 )15部の代わりに、ビス(3-エチル-3-オキセタ ル)エーテル(東亞合成社製「OXT-221」)10部お び3-ヒドロキシメチル-3-エチルオキセタン( 亞合成株社製「OXT-101」)5部を用いた以外は 施例24の(1)と同様にして光造形用樹脂組成物 を調製した。この光造形用樹脂組成物の物性 を実施例1の(2)と同様にして測定したところ 下記の表7に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた光造形用樹脂組成物を いて、実施例1の(3)と同様にして光学的立体 造形および紫外線による後硬化を行ない、得 られた立体造形物(試験片)の物性を測定した ころ、下記の表7に示すとおりであった。

 本発明の光造形用樹脂組成物は、非アンチ ン系の、毒性の低いリン系芳香族スルホニ ム化合物(II)を光カチオン重合開始剤として 含有しているため、安全性、取り扱い性に優 れ、作業環境や地球環境の汚染や悪化を生じ ないという長所を有し、しかも活性エネルギ ー線による硬化感度が高く、短縮された造形 時間で目的とする寸法精度などに優れる立体 造形物を生産性よく製造することができる。
 そのため、本発明の光造形用樹脂組成物を いて、精密部品、電気・電子部品、家具、 築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳 、金型、母型などのためのモデルや加工用 デル、複雑な熱媒回路の設計用の部品、複 な構造の熱媒挙動の解析企画用の部品、そ 他の複雑な形状や構造を有する各種の立体 形物を、高い造形速度および寸法精度で、 全に製造することができる。また、本発明 光造形用樹脂組成物から得られる立体造形 を鋳型の消失モデルとして用いた際に、消 後にアンチモン化合物が残留しないため、 品質の鋳物を得ることができる。