Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
UNMANNED TRANSFER SYSTEM, AND TRANSFER ROUTE DETERMINING METHOD FOR THE SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145166
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an unmanned transfer system, which can determine a transfer route automatically, which need not monitor the detailed position and the lapse time of a transfer instrument, which needs none of a sensor, a communication route and a calculating device, which needs no high precise prediction, which can select a proper route even if the system fails in a congestion prediction, and which can spare the energy.  Also provided is a transfer route determining method for the unmanned transfer system.  A storage device (17) stores a graph (1), in which transfer points, branching points, merging points, transfer origins and transfer destinations of a transfer instrument (11) are set to "points" (2), in which the routes directly traced from the individual points to adjoining points are set to "branches" (3), and in which the sums of "time loads" proportional to the lapse time periods of the individual branches and "energy loads" proportional to the consumed energies are set to "weights" (4).  A transfer control device (18) decides the route, for which the sum of the weights of the individual branches constituting the transfer routes from the transfer origins to the transfer destinations is the minimum, as “scheduled routes”, adds a predetermined weight to the current "weights" (4) of the individual branches of the scheduled routes determined, transfers the individual articles by controlling the transfer instruments individually along the determined scheduled routes, and subtracts the aforementioned predetermined weights from the current weights of the individual branches of the scheduled routes used for the transfers.

Inventors:
OKAJIMA KAZUMICHI (JP)
HASEGAWA FUMIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059566
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 26, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
IHI CORP (JP)
OKAJIMA KAZUMICHI (JP)
HASEGAWA FUMIO (JP)
International Classes:
G05D1/02
Foreign References:
JPH1185280A1999-03-30
JP2003337623A2003-11-28
JPH09222852A1997-08-26
JP2005050105A2005-02-24
JP2004280213A2004-10-07
JP2003208222A2003-07-25
JP2007257274A2007-10-04
Attorney, Agent or Firm:
HOTTA MINORU (JP)
Minoru Hotta (JP)
Download PDF:
Claims:
 複数の搬送機器を個別に制御する無人搬送装置であって、
 各搬送装置を制御する複数の機器制御装置と、経路を探索し各機器制御装置に指示を送信する搬送制御装置と、搬送機器状態、搬送経路グラフおよび予定経路を記憶する記憶装置とを備え、
 前記記憶装置は、搬送機器の乗り換え地点、分岐地点、合流地点、搬送元、搬送先を「点」、各点から直接移動できる隣接地点までを「枝」、各枝の通過時間に比例する「時間負荷」と消費エネルギーに比例する「エネルギー負荷」の和を「重み」とするグラフを記憶し、
 前記搬送制御装置は、各物品毎に、搬送元から搬送先までの搬送経路を構成する各枝の重みの総和が最小となる経路を「予定経路」として決定し、決定した予定経路の各枝の現在の重みに所定の重みを加算し、
 各物品毎に、決定した予定経路に沿って搬送機器を個別に制御して物品を搬送し、かつ搬送した予定経路の各枝の現在の重みから前記所定の重みを減算する、ことを特徴とする無人搬送装置。
 複数の搬送機器を個別に制御する無人搬送装置の搬送経路決定方法であって、
 記憶装置により、搬送機器の乗り換え地点、分岐地点、合流地点、搬送元、搬送先を「点」、各点から直接移動できる隣接地点までを「枝」、各枝の通過時間に比例する「時間負荷」と消費エネルギーに比例する「エネルギー負荷」の和を「重み」とするグラフを記憶し、
 搬送制御装置により、各物品毎に、搬送元から搬送先までの搬送経路を構成する各枝の重みの総和が最小となる経路を「予定経路」として決定し、決定した予定経路の各枝の現在の重みに所定の重みを加算し、
 各物品毎に、決定した予定経路に沿って搬送機器を個別に制御して物品を搬送し、かつ搬送した予定経路の各枝の現在の重みから前記所定の重みを減算する、ことを特徴とする無人搬送装置の搬送経路決定方法。
 前記所定の重みを、物品1台に相当する「時間負荷」とし、
 搬送負荷がある閾値以下になったときに、消費エネルギーの相対的に大きい機器を通過する枝の「エネルギー負荷」を大きく設定し、全経路中の一部の機器を実質的に停止させる、ことを特徴とする請求項2に記載の無人搬送装置の搬送経路決定方法。
 搬送先で待ち時間が発生する場合に、搬送に必要な時間<=(搬送先の待ち時間)、又は搬送に必要な時間<=(搬送先の待ち時間+許容閾時間)、となる経路から最もエネルギー消費の少ない経路を選択する、ことを特徴とする請求項2に記載の無人搬送装置の搬送経路決定方法。
 各物品が、点から点に移動する毎に、現在の「予定経路」の各枝の現在の重みから前記所定の重みを減算し、次いで現在の点から搬送先までの搬送経路を構成する各枝の重みの総和が最小となる経路を「予定経路」として再決定し、決定した予定経路の各枝の現在の重みに前記所定の重みを加算する、ことを特徴とする請求項2に記載の無人搬送装置の搬送経路決定方法。
Description:
無人搬送装置とその搬送経路決 方法

 本発明は、搬送経路を自動決定する無人 送装置とその搬送経路決定方法に関する。

 複数の搬送機器を用いた無人搬送装置に いて、搬送経路を決定する手段として、種 の提案が既になされている(例えば、特許文 献1~7)。

特開平6-83445号明細書、「自動走行移動 による無人搬送システムにおける走行経路 定方法」

特開2003-337623号明細書、「経路決定装置 び方法」

特開2003-345439号明細書、「自動搬送シス ムおよび搬送車の経路探索方法」

特許第3485755号明細書、「無人搬送車制 装置および無人搬送車制御方法」

特許第3539838号明細書、「無人搬送車制 装置および無人搬送車制御方法」

特許第3755268号明細書、「無人搬送車制 装置および無人搬送車制御方法」

特許第3728864号明細書、「無人搬送車制 装置および方法」

 上述した従来の無人搬送装置における搬送 路決定方法は、以下の3通りに大別すること ができる。
(1) 搬送対象の搬送元と搬送先に対応した経 を手動で定義する。
 この方法は、搬送元と搬送先に対応した全 の組み合わせを手動で設定する必要があっ 。また、そのように決定した経路は固定さ た経路であり、故障や渋滞等の経路の状態 柔軟に対応することに限度があった。
(2) 搬送経路をグラフとみなし、重み最小と る経路を決定する。
 この方法は、重みを再計算するために搬送 器の詳細な位置や通過時間を監視する必要 あり、各種機器の情報を得るためのセンサ 通信路、および計算装置が必要であった。
(3) 搬送対象の搬送元と搬送先に対応した経 を複数用意し、その経路の中から最適な経 を選択する。
 この方法は、渋滞等を回避した最短時間で 動できる経路を選択するために、現在の経 の混雑や未来の経路の混雑予測を元に決定 ている。そのため、精度の良い予測が必要 あり、混雑予測に失敗すると誤った予測に づいた経路で搬送してしまうため適切な経 を通過しない。また、最適な経路の評価基 は搬送時間や距離であり、省エネルギーに いて考慮されていなかった。

 本発明は上述した従来の問題点を解決す ために創案されたものである。すなわち、 発明の目的は、搬送経路を自動決定するこ ができ、搬送機器の詳細な位置や通過時間 監視する必要がなく、そのためのセンサ、 信路、および計算装置が不要であり、精度 高い予測が不要であり、混雑予測に失敗し も適切な経路を選択することができ、かつ エネルギー化を図ることができる無人搬送 置とその搬送経路決定方法を提供すること ある。

 本発明によれば、複数の搬送機器を個別に 御する無人搬送装置であって、
 各搬送装置を制御する複数の機器制御装置 、経路を探索し各機器制御装置に指示を送 する搬送制御装置と、搬送機器状態、搬送 路グラフおよび予定経路を記憶する記憶装 とを備え、
 前記記憶装置は、搬送機器の乗り換え地点 分岐地点、合流地点、搬送元、搬送先を「 」、各点から直接移動できる隣接地点まで 「枝」、各枝の通過時間に比例する「時間 荷」と消費エネルギーに比例する「エネル ー負荷」の和を「重み」とするグラフを記 し、
 前記搬送制御装置は、各物品毎に、搬送元 ら搬送先までの搬送経路を構成する各枝の みの総和が最小となる経路を「予定経路」 して決定し、決定した予定経路の各枝の現 の重みに所定の重みを加算し、
 各物品毎に、決定した予定経路に沿って搬 機器を個別に制御して物品を搬送し、かつ 送した予定経路の各枝の現在の重みから前 所定の重みを減算する、ことを特徴とする 人搬送装置が提供される。

 また、本発明によれば、複数の搬送機器を 別に制御する無人搬送装置の搬送経路決定 法であって、
 記憶装置により、搬送機器の乗り換え地点 分岐地点、合流地点、搬送元、搬送先を「 」、各点から直接移動できる隣接地点まで 「枝」、各枝の通過時間に比例する「時間 荷」と消費エネルギーに比例する「エネル ー負荷」の和を「重み」とするグラフを記 し、
 搬送制御装置により、各物品毎に、搬送元 ら搬送先までの搬送経路を構成する各枝の みの総和が最小となる経路を「予定経路」 して決定し、決定した予定経路の各枝の現 の重みに所定の重みを加算し、
 各物品毎に、決定した予定経路に沿って搬 機器を個別に制御して物品を搬送し、かつ 送した予定経路の各枝の現在の重みから前 所定の重みを減算する、ことを特徴とする 人搬送装置の搬送経路決定方法が提供され 。

 本発明の好ましい実施形態によれば、前 所定の重みを、物品1台に相当する「時間負 荷」とし、搬送負荷がある閾値以下になった ときに、消費エネルギーの相対的に大きい機 器を通過する枝の「エネルギー負荷」を大き く設定し、全経路中の一部の機器を実質的に 停止させる。

 また、搬送先で待ち時間が発生する場合 、搬送に必要な時間<=(搬送先の待ち時間) 、又は搬送に必要な時間<=(搬送先の待ち時 間+許容閾時間)、となる経路から最もエネル ー消費の少ない経路を選択する。

 さらに、各物品が、点から点に移動する に、現在の「予定経路」の各枝の現在の重 から前記所定の重みを減算し、次いで現在 点から搬送先までの搬送経路を構成する各 の重みの総和が最小となる経路を「予定経 」として再決定し、決定した予定経路の各 の現在の重みに前記所定の重みを加算する

 上記本発明の装置及び方法によれば、搬送 器の乗り換え地点、分岐地点、合流地点、 送元、搬送先を「点」、各点から直接移動 きる隣接地点までを「枝」、各枝の通過時 に比例する「時間負荷」と消費エネルギー 比例する「エネルギー負荷」の和を「重み とするグラフを記憶し、各物品毎に、搬送 から搬送先までの搬送経路を構成する各枝 重みの総和が最小となる経路を「予定経路 として決定し、決定した予定経路の各枝の みを現在の重みに加算するので、
 搬送経路をグラフとみなし、経路探索部で 旦決定した経路を将来の渋滞状態として重 に適用することで、渋滞になる経路を予測 、それを回避する経路を決定することがで る。
 また、各枝の通過時間に比例する「時間負 」と消費エネルギーに比例する「エネルギ 負荷」の和を「重み」とするので、省エネ ギー化を図った経路を選択できる。
 従って、故障や渋滞等の経路の状態に柔軟 対応するとともに、各種機器の重み計算に 要な情報を得るためのセンサ、通信路、計 装置などが不要になり、かつ省エネルギー を図ることができる。

 また、各物品が、点から点に移動する毎に 現在の「予定経路」の各枝の重みを現在の みから減算し、次いで現在の点から搬送先 での搬送経路を構成する各枝の重みの総和 最小となる経路を「予定経路」として再決 し、決定した予定経路の各枝の重みを現在 重みに加算するので、搬送経路の分離、合 、乗り換え等の地点に移動するたびに、搬 経路を再検討し経路を更新することができ 。
 従って、常に最新の経路情報で経路を選択 るとともに、未来の混雑予測に失敗して適 でない経路を選んだとしても、搬送途中で 切な経路に戻ることができる。またこのた 、高精度の予測が不要になる。

 さらに、前記所定の重みを、物品1台に相 当する「時間負荷」とし、軽負荷時や急いで 搬送する必要がないときには、消費エネルギ ーの相対的に大きい機器を通過する枝の「エ ネルギー負荷」を大きく設定し、全経路中の 一部の機器を実質的に停止させるので、機器 の停止により、軽負荷時の省エネルギーが実 現できる。

 また、搬送先で待ち時間が発生する場合に 搬送に必要な時間<=(搬送先の待ち時間)、 又は搬送に必要な時間<=(搬送先の待ち時間 +許容閾時間)、となる経路から最もエネルギ 消費の少ない経路を選択することにより、 置に若干の待ちが発生するものの、さらに エネルギーが可能になる。

本発明の無人搬送装置の全体構成図で る。 搬送経路グラフの例を示す図である。 図2に重みを付した図である。 図3の重みを変更した図である。 本発明の方法の第1実施形態を示す図 ある。 本発明の方法の第1実施形態を示す図 ある。 本発明の方法の第2実施形態を示す図 ある。 本発明の方法の第2実施形態を示す図 ある。 本発明の方法の第2実施形態を示す図 ある。 本発明の方法の第3実施形態を示す図で ある。 本発明の方法の第3実施形態を示す図 ある。 本発明の方法の第3実施形態を示す図 ある。

 以下、本発明の好ましい実施例を図面を 照して説明する。なお、各図において共通 る部分には同一の符号を付し、重複した説 を省略する。

 図1は、本発明の無人搬送装置の全体構成図 である。
 この図において、本発明の無人搬送装置10 、複数の搬送装置11を制御する複数の機器制 御装置12、各機器制御装置12に指示を送信す 機器指示送信部13、上位装置14から搬送指示 受信する搬送指示受信部15、経路を探索す 経路探索部16、搬送機器状態、搬送経路グラ フ、物品情報、予定経路をそれぞれ記憶する 記憶装置17a,17b,17c,17dを備える。

 上述した機器指示送信部13、搬送指示受信 15、および経路探索部16は、全体として搬送 御装置18を構成する。この搬送制御装置18は 、例えば単一または複数のコンピュータであ る。
 また、上述した記憶装置17a,17b,17c,17dは、単 の記憶装置17であってもよい。

 図1の構成において、上位装置14から搬送指 受信部15に、物品の搬送指示(移動先、移動 先度等)が与えられる。
 経路探索部16は、搬送機器の状態17a(故障情 等)を搬送経路グラフ17bに反映する。
 経路探索部16は搬送経路グラフ17b上の重み 評価し搬送経路を生成する。
 機器指示送信部13は、生成した搬送経路に って各制御装置12に搬送指示を行う。

 図2は、搬送経路グラフの例を示す図である 。
 搬送経路は、天井走行台車(OHV)、無人搬送 (RGV)、自動クレーン等さまざまな種類の搬送 機器の組み合わせによって構成される。これ らの搬送機器の組み合わせを搬送経路グラフ 1(以下単に「グラフ」という)によって表現す る。
 グラフ1は、「点」2と、隣接している点と を結ぶ「枝」3の集合によって構成される。 には方向を持たせることができる。この例 点2は矩形で、枝3は矢印で示す。
 搬送機器(この図で、A~D)によって構成され 経路をグラフで表現するために各機器の乗 換え地点、分岐地点、合流地点、搬送元に る地点、搬送先になる地点をすべて「点」 定義する。またこの各点から直接移動でき 隣接地点までを「枝」と定義する。機器に っては、双方向に移動可能な場合と一方の 移動可能な場合があり、それを「枝の方向 として定義する。

 ここで図2の例において「出発点Aから到 点C」に搬送することを考える。このとき「A →C」と「A→B→D→C」の2通りの搬送経路がと れるが、どちらがより「良い経路」であるか を示す指針が必要である。

 図3は、図2に重み4を付した図である。
 本発明では、各枝3に重み4を定義し、搬送 路を構成する各枝の重み4の総和が最小とな 経路を「最も良い経路」と定義する。重み4 は任意の数値である。

 図4は、図3の重みを変更した図である。
 任意の2点間の「最も良い経路」を求めたと き、固定の重み量では常に同じ経路が得られ るため、その経路の特定部分が渋滞していた としても迂回するような経路を得ることがで きない。そのため渋滞に対応して重み4を動 に変更する必要がある。
 例えば、図3において、「出発点Aから到着 C」に搬送することを考えると、通常は「A→ C」が「最も良い経路」として求められるが 「A→C」間に渋滞が発生しているときに「A C」間の重みを図4のように大きくすると、「 最も良い経路」として「A→B→D→C」が得ら る。この経路は渋滞の迂回経路である。

 このように重み4を動的に変更するために 、経路渋滞を検知するセンサを設置すること や、機器の移動時間実績値を計測し、それを 新しい「経路の通過時間」とするなどといっ た方法は従来から提案されている。しかし、 このためには、渋滞、位置、速度等を求める センサや経路を求める装置に検知した情報を 送信する装置を設置する必要がある。

 そこで、本発明では、経路渋滞や移動時間 実績値を取得しないで、重みを以下の方法 動的に変更する。
(1) 記憶装置17により、予め、搬送機器の乗 換え地点、分岐地点、合流地点、搬送元、 送先を「点」、各点から直接移動できる隣 地点までを「枝」、各枝の通過時間に比例 る「時間負荷」と消費エネルギーに比例す 「エネルギー負荷」の和を「重み」とする ラフを記憶する。
(2) 次に、搬送制御装置18により、各物品毎 、搬送元から搬送先までの搬送経路を構成 る各枝の重みの総和が最小となる経路を「 定経路」として決定し、決定した予定経路 各枝の現在の重みに所定の重みを加算する 所定の重みは、例えば、物品1台に相当する みとする。
 すなわち、搬送経路を求めたときに予定経 として、その経路を構成する各枝3に予約を 入れる。枝3の重みは、その枝に入れられた 約数の増加関数とする。
 例えば、次のように重みを定義する。
 重み=「経路の通過時間」の関数+「消費エ ルギー」の関数
 新たな搬送経路は、上記の重みで求める。
(3) 次に、搬送制御装置18により、各物品毎 、決定した予定経路に沿って搬送機器を個 に制御して物品を搬送し、かつ搬送した予 経路の各枝の現在の重みから前記所定の重 を減算する。

 図5Aと図5Bは、本発明の方法の第1実施形態 示す図である。この図において、図5Aは高負 荷時、図5Bは低負荷時を示している。
 一般に搬送経路は、天井走行台車(OHV)、無 搬送車(RGV)、自動クレーン等さまざまな種類 の搬送機器の組み合わせによって構成される 。このとき、搬送される荷物が多く高負荷な ときや、一部の機器の故障等が発生したとき でも十分に搬送できるように、複数の搬送機 器や経路を用意して処理能力に余裕を持たせ ている。
 本発明では、低負荷で搬送能力に余裕があ ときに、そのような冗長な機器を使用しな 経路で搬送することで、その機器の機能を 止することで省エネルギーを実現する。
 すなわち、図5Aに示すように、経路「D→E」 が複数(この図で2つ)の経路で達成される場合 に、高負荷時には両方の経路を使用するが、 図5Bに示すように、搬送負荷がある閾値以下 なったときに、消費エネルギーの相対的に きい機器を通過する枝の「エネルギー負荷 を消費エネルギーの相対的に小さい機器を 過する際の「エネルギー負荷」より大きく 例えば2倍以上に設定し、全経路中の一部の 機器を実質的に停止させる。

 ここで、次のように重みを定義する。
 重み=各枝の通過時間に比例する「時間負荷 」+消費エネルギーに比例する「エネルギー 荷」
 このとき「最も良い経路」とは「通過時間 短くかつ消費エネルギーが小さい経路」と る。
 搬送中の荷物の量が少なく、「経路の通過 間」が小さいときには、「消費エネルギー の項の寄与が相対的に大きくなるため、「 費エネルギー」の少ない機器を通過する経 が選択される。搬送中の荷物の量が多く負 が高くなると、「経路の通過時間」が大き なり、「消費エネルギー」の項の寄与が相 的に小さくなる。そのため「消費エネルギ 」の大きい機器も負荷低減のために使用さ る。

 図6A~図6Cは、本発明の方法の第2実施形態を す図である。この図において、各枝の重み 、各枝の通過時間に比例する「時間負荷」+ 消費エネルギーに比例する「エネルギー負荷 」であり、図中に例えば、10+100のように、2 の数字で表している。なお、ここでは説明 簡略化するため、エネルギー負荷は変わら いこととした。
 図6Aは、「出発点Aから到着点C」に最初に搬 送する場合である。このとき「A→C」と「A→ B→D→C」の2通りの搬送経路のうち、各枝の みの総和が最小となる「A→B→D→C」が選択 れる。
 この選択により、枝AB,BD,DCが予約され、枝AB ,BD,DCの重みを10+20,20+20,20+20に変更する。
 図6Bは、「出発点Aから到着点C」に2番目に 送する場合である。このときも各枝の重み 総和が最小となる「A→C」(枝AC)が選択され 。
この選択により、枝AB,BD,DCが予約され、枝AB,B D,DCの重みを15+20,30+20,30+20に変更する。
 図6Cは、「出発点Aから到着点C」に3番目に 送する場合である。このとき「A→C」と「A B→D→C」の2通りの搬送経路のうち、各枝の みの総和が最小となる「A→C」が選択され 。
 この選択により、枝ACが予約され、枝ACの重 みをそれぞれ40+100に変更する。
 なお、各枝の重み4は、予約された枝を実際 に通過したときに、順次減算する。

 上述した本発明の方法によって以下の効果 得られる。
(1)一般的に経路予約の少ない経路の重みは小 さいので、新たな搬送経路は経路予約の少な い経路が優先的に選ばれる。予約の少ない経 路は、混雑のない経路とみなせるので渋滞の 迂回が可能になる。
(2)各枝の通過時間に比例する「時間負荷」と 消費エネルギーに比例する「エネルギー負荷 」の和を「重み」とするので、省エネルギー 化を図った経路を選択できる。
 従って、故障や渋滞等の経路の状態に柔軟 対応するとともに、各種機器の重み計算に 要な情報を得るためのセンサ、通信路、計 装置などが不要になり、かつ省エネルギー を図ることができる。

 図7は、本発明の方法の第3実施形態を示す である。この図において、7は、バッファを する装置であり、ある待ち時間(例えば処理 時間:10分)が必ず発生するものとする。
 この例に示すように搬送先ですぐ次の作業 行われるのではなく、待つとこが明らかな きは、急いで搬送する必要はない。そこで
 搬送に必要な時間<=(搬送先の待ち時間)
となる経路が複数ある場合は、最もエネルギ ー消費の少ない経路を選択する。さらに許容 閾時間を定義し、
搬送に必要な時間<=(搬送先の待ち時間+許 閾時間)
となる経路が複数ある場合は、最もエネルギ ー消費の少ない経路を選択する。これにより 、装置に若干の待ちが発生するものの、さら に省エネルギーが可能になる。

 一方、上述した本発明の方法では、搬送 開始するときにその出発点から到着点への 数の経路から適切な経路を選択するために あらかじめ複数の経路候補を用意しその中 ら選択し、かつ搬送経路をグラフで表現し 路渋滞を重みに反映することで渋滞回避を っている。

 しかし、搬送指示が出たときのそのとき 経路状態を用いて経路探索を行った場合、 くまでもその時の状態を考慮するだけなの 将来の発生しうる渋滞には対応できない。 た、搬送機器の移動時間や速度等から将来 渋滞予測等も加味して経路を選ぶことも行 れているが、予測のために多くの計算が必 である、また未来になるほど予測は不確実 なり信頼のおけないものになる。

 そこで、本発明では、搬送指示が出たとき そのときの経路状態を反映した経路を作成 搬送装置に指示するだけではなく、搬送機 の乗り換え地点・分離地点等の搬送先に対 て複数の経路をとりうる個所において最新 経路状態で再度経路を求める。
 すなわち、本発明によれば、各物品が、点 ら点に移動する毎に、現在の「予定経路」 各枝の現在の重みから前記所定の重みを減 し、次いで現在の点から搬送先までの搬送 路を構成する各枝の重みの総和が最小とな 経路を「予定経路」として再決定し、決定 た予定経路の各枝の現在の重みに前記所定 重みを加算する。
このように頻繁に経路の再検討を行うことで 、時々刻々と変わる経路状況に応じた搬送経 路を求められるだけでなく、将来の予測に失 敗し適切な経路を選択できなかったときも、 再検討のときに適切な経路に修正される。

 図8Aと図8Bは、本発明の方法の第4実施形態 あり、搬送経路の再検討を示す図である。
 図8Aのように、搬送指示が出たときの経路 件で経路を求めると、渋滞がないのでF-H間 経由しようとするが、この2つの荷物は、将 F-H間の領域を同時に使用するために渋滞が 生する。
 そこで図8Bのように、分離地点であるEで経 を再検討することによって、渋滞しない回 経路を求めることができる。

 上述した本発明の装置及び方法によれば、 送機器の乗り換え地点、分岐地点、合流地 、搬送元、搬送先を「点」、各点から直接 動できる隣接地点までを「枝」、各枝の通 時間に比例する「時間負荷」と消費エネル ーに比例する「エネルギー負荷」の和を「 み」とするグラフを記憶し、各物品毎に、 送元から搬送先までの搬送経路を構成する 枝の重みの総和が最小となる経路を「予定 路」として決定し、決定した予定経路の各 の重みを現在の重みに加算するので、
 搬送経路をグラフ1とみなし、経路探索部で 一旦決定した経路を将来の渋滞状態として重 みに適用することで、渋滞になる経路を予測 し、それを回避する経路を決定することがで きる。
 また、各枝の通過時間に比例する「時間負 」と消費エネルギーに比例する「エネルギ 負荷」の和を「重み」とするので、省エネ ギー化を図った経路を選択できる。
 従って、故障や渋滞等の経路の状態に柔軟 対応するとともに、各種機器の重み計算に 要な情報を得るためのセンサ、通信路、計 装置などが不要になり、かつ省エネルギー を図ることができる。

 また、各物品が、点2から点2に移動する毎 、現在の「予定経路」の各枝の重みを現在 重みから減算し、次いで現在の点から搬送 までの搬送経路を構成する各枝の重みの総 が最小となる経路を「予定経路」として再 定し、決定した予定経路の各枝の重みを現 の重みに加算するので、搬送経路の分離、 流、乗り換え等の地点に移動するたびに、 送経路を再検討し経路を更新することがで る。
 従って、常に最新の経路情報で経路を選択 るとともに、未来の混雑予測に失敗して適 でない経路を選んだとしても、搬送途中で 切な経路に戻ることができる。またこのた 、高精度の予測が不要になる。

 さらに、前記所定の重みを、物品1台に相 当する「時間負荷」とし、軽負荷時や急いで 搬送する必要がないときには、消費エネルギ ーの相対的に大きい機器を通過する枝の「エ ネルギー負荷」を大きく設定し、全経路中の 一部の機器を実質的に停止させるので、機器 の停止により、軽負荷時の省エネルギーが実 現できる。

 また、搬送先で待ち時間が発生する場合 、搬送に必要な時間<=(搬送先の待ち時間) 、又は搬送に必要な時間<=(搬送先の待ち時 間+許容閾時間)、となる経路から最もエネル ー消費の少ない経路を選択することにより 装置に若干の待ちが発生するものの、さら 省エネルギーが可能になる。

 なお、本発明は上述した実施の形態に限 されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で 々の変更を加え得ることは勿論である。